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審決分類 |
審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) E04D |
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管理番号 | 1123492 |
審判番号 | 不服2003-9661 |
総通号数 | 71 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2001-02-06 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-05-29 |
確定日 | 2005-09-14 |
事件の表示 | 平成11年特許願第207812号「太陽熱伸縮の小さい屋根用塗装金属板」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 2月 6日出願公開、特開2001- 32459〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成11年7月22日に出願されたものであって、前審において、拒絶の理由に対して平成14年10月7日付けで手続補正がされたが、拒絶査定され、審判請求されると共に平成15年6月30日付けで手続補正がされ、当審において、平成15年6月30日付け手続補正の却下の決定がされ、拒絶理由が通知された後、請求人より平成16年3月22日付けの意見書及び平成16年3月23日付けの手続補足書(平成16年3月22日付け宣誓書2通)が提出されたものである。 2.本願発明 平成15年6月30日付け手続補正が却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は、平成14年10月7日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 350〜2100nmの波長領域での太陽熱反射率(RE)が40%以上である金属基板表面に、800〜2100nmの波長領域での太陽熱反射率(RE/NIR)が20%以上である着色力のある顔料を2〜70重量%含有する塗膜を備えたことを特徴とする、太陽熱による伸縮が小さい太陽熱反射性の塗装長尺屋根板。」 3.発明者及び出願人について 本願の当審の拒絶の理由に引用された他の出願(特願平11-80199号。以下、「先願」という。)の発明者は、住友金属工業株式会社の高橋通泰、迫田章人、壱岐島健司である。一方、本願の発明者は、住友金属工業株式会社の壱岐島健司及び高橋通泰、並びに、住友金属建材株式会社松尾左千夫及び友弘実である。そして、平成16年3月22日付け意見書及び宣誓書によれば、塗装金属板自体を、住友金属工業株式会社の高橋通泰、迫田章人及び壱岐島健司が発明し、該塗装金属板の長尺屋根等の建材への適用を、住友金属建材株式会社の松尾左千夫及び友弘実が関与することにより発明したものと認められるから、両発明の発明者は相違する。また、この出願時において、先願の出願人は住友金属工業株式会社のみであり、一方、本願の出願人は住友金属工業株式会社及び住友金属建材株式会社であるから、両出願の出願人は相違する。 4.先願明細書記載の発明 本願の出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた特許出願(特願平11-80199号)(先願)の願書に最初に添付された明細書又は図面(特開2000-279881号公報参照。以下、先願明細書という。)には、【請求項1】、【請求項7】、【0008】、【0038】、【0049】及び【0088】等の記載によれば、次の発明が記載されている。 「350〜2100nmの波長領域での太陽熱反射率(RE)が40%以上である金属基板表面に、800〜2100nmの波長領域での太陽熱反射率(RE/NIR)が20%以上である着色力のある顔料を2〜70重量%含有する塗膜を備えた太陽熱反射性の塗装屋根板。」 5.対比・判断 本願発明1と先願明細書記載の発明とを対比すると、両者は、「350〜2100nmの波長領域での太陽熱反射率(RE)が40%以上である前記金属基板表面に、800〜2100nmの波長領域での太陽熱反射率(RE/NIR)が20%以上である着色力のある顔料を2〜70重量%含有する塗膜を備えた、太陽熱反射性の塗装屋根板。」である点で一致し、次の点で一応相違する。 (相違点) 本願発明1が「太陽熱による伸縮が小さい長尺屋根板」であるのに対し、先願明細書記載の発明が屋根板ではあるものの、長尺との限定はない点。 しかしながら、屋根板として長尺のものは周知であり、また、先願明細書記載の発明は、本願発明1と同様に、太陽熱反射性を高め、屋根板の昇温を抑制するものであって、当然、熱伸縮を防止することは技術常識であるから、本願発明1の上記相違点に係る構成は単なる設計上の微差にすぎない。 したがって、本願発明1の相違点に係る構成は、先願明細書記載の発明と事実上異ならず、本願発明1は、先願明細書記載の発明と同一である。 6.むすび 以上のとおりであるから、本願発明1は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた特許出願の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る発明をした者と同一ではなく、また、この出願時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができず、他の請求項に係る発明を検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-07-07 |
結審通知日 | 2005-07-12 |
審決日 | 2005-07-25 |
出願番号 | 特願平11-207812 |
審決分類 |
P
1
8・
161-
WZ
(E04D)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 高橋 三成 |
特許庁審判長 |
木原 裕 |
特許庁審判官 |
山田 忠夫 ▲高▼橋 祐介 |
発明の名称 | 太陽熱伸縮の小さい屋根用塗装金属板 |
代理人 | 広瀬 章一 |
代理人 | 広瀬 章一 |