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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01R
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G01R
管理番号 1124026
審判番号 不服2002-23328  
総通号数 71 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-01-17 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-12-04 
確定日 2005-09-28 
事件の表示 平成7年特許願第165520号「負荷抵抗器用抵抗体」拒絶査定不服審判事件〔平成9年1月17日出願公開、特開平9-15308〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成7年6月30日に特許出願されたものであり、平成14年10月29日付けで拒絶査定がされ、同年11月5日に発送されたところ、同年12月4日に拒絶査定に対する審判が請求され、平成15年1月6日に手続補正書が提出されたものである。

第2.平成15年1月6日提出の手続補正書による手続補正についての補正却下の決定
1.補正却下の決定の結論
平成15年1月6日提出の手続補正書による手続補正を却下する。

2.理由
(1)補正の目的
上記補正は、特許請求の範囲について、補正前の請求項1を削除するとともに、補正前の請求項2の、「略円筒状をなす基体(1)」を「略円筒状をなす略1メートルの長さの基体(1)」と限定し、「テフロン(登録商標)製絶縁部材(6)」を「基体の両端部内壁内に嵌り込んで取り付けられる凸状嵌り込み部を有する」ものに限定し、「接続用端子(5)」を「接続用端子(5)の基端は前記基体(1)の内部で前記抵抗用素材(3)に接続されてなると共に、他端側は雄ねじ状に形成されて、前記絶縁部材(6)を軸心方向に向かい螺通して外側に露出され、該露出部にはナットが螺着されて前記絶縁部材(6)に固定され、かつナットが螺挿されて接続部材(14)用の取り付け部が設けられた」ものに限定するものである。したがって、特許請求の範囲についてする上記補正は、請求項の削除及び特許請求の範囲の限定的限縮に該当し、特許法第17条の2第4項第1号及び第2号に掲げる事項を目的とするものである。
そこで、上記補正後の請求項1に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるか否かを以下に検討する。

(2)補正後の発明
上記補正後の請求項1に係る発明は、平成15年1月6日提出の手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】発電機が正常に発電しているか否かの通電試験を行う負荷抵抗器に使用される負荷抵抗器用抵抗体であって、略円筒状をなす略1メートルの長さの基体(1)と、該基体(1)の外周長手方向に間隔をおいて複数枚取り付けられ、基体(1)外周より外側へ略環状に張り出し、前記通電試験の際に生ずる熱を放熱する張り出し片(2・・・)と、前記基体(1)の内部に設置され、前記発電機からの通電がなされる抵抗用素材(3)と、該抵抗用素材(3)と前記基体(1)の内壁との間に充填された略粉末状をなす絶縁部材(4)と、前記基体(1)の両端部と、該基体(1)の両端部より外側に配置され前記抵抗用素材(3)に接続された接続用端子(5)との間に介在され、前記基体(1)と略同等の外形をなすと共に、前記基体の両端部内壁内に嵌り込んで取り付けられる凸状嵌り込み部を有する、基体(1)の長手方向に向かい略1センチの長さからなるテフロン(登録商標)製絶縁部材(6)と、を有し、前記接続用端子(5)の基端は前記基体(1)の内部で前記抵抗用素材(3)に接続されてなると共に、他端側は雄ねじ状に形成されて、前記絶縁部材(6)を軸心方向に向かい螺通して外側に露出され、該露出部にはナットが螺着されて前記絶縁部材(6)に固定され、かつナットが螺挿されて接続部材(14)用の取り付け部が設けられたことを特徴とする負荷抵抗器用抵抗体(10)。」(以下、「補正発明」という。)

(3)刊行物に記載された発明
原査定の拒絶の理由に引用された特開昭59-114801号公報(以下、「引用刊行物」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。
ア.「〔発明の技術的背景とその問題点〕 電気回路において、電気回路に入力される電気量を制御する手段として、電気抵抗の大なる材料による抵抗を利用するものがある。例えば、余剰の電気量を抵抗による熱エネルギーに変換することにより電気回路を保護する・・・場合等である。このような場合に用いる抵抗体装置としては、第1図で示すように外管1の内部に絶縁物2を介して抵抗体3を設けたシーズヒータ型のもので、電気回路から抵抗体3に通電して発熱させることにより余剰電力を消費するものである。このため、この抵抗体装置では抵抗体3から発熱する熱を充分冷却するため外部空気を効率良く送風して放熱を効果的に行ない、電力の放出を良好に行なうことが重要となる。そこで、従来の抵抗体装置においては、第1図で示すように外管1周囲に放熱フィン4を設けて、放熱面積を大きくする構成が採用されている。」(1頁左下欄17行〜右下欄15行)
イ.「〔発明の実施例〕 以下本発明を図面で示す実施例について説明する。第2図および第3図は本発明の抵抗体装置の一実施例として、コイル状抵抗体の内側に流体管を設けた構成を示している。図中11はステンレス鋼などからなる外管、12は外管11の内部に充填されたマグネシア粉末などからなる絶縁物、13はニッケル-クロム合金などで形成されたコイル状をなす抵抗体で、この抵抗体13は外管11の内部において軸方向に沿って設けられ絶縁物12に埋込み支持されている。抵抗体13の両端部は、外管11両端部の周壁外側に突設された端子14に接続されている。・・・なお、図中16は外管11の両端部を封止する封止材である。」(2頁左上欄末行〜左下欄13行)
ウ.第1図には、外管1の内部全体にわたって充填された絶縁物2を介して抵抗体3が設けられ、外管1の外周長手方向に間隔をおいて複数枚の放熱フィン4が外管1の外周より外側に張り出すように設けられ、外管1の両端部に端部部材が挿入され、また、この端部部材の中央付近に外管1両端部より外側に露出して突出する端子が設けられていることが示されている。

上記摘記事項ア.及びウ.から、刊行物1の〔発明の技術的背景とその問題点〕の欄には、次の発明が記載されているものと認められる。
「シーズヒータ型の抵抗体装置であって、外管1と、該外管1周囲に複数設けられた熱を放熱する放熱フィン4と、前記外管1の内部に設けた抵抗体3と、該抵抗体3と前記外管1との間の絶縁物2と、前記外管1の両端部と該両端部より外側に露出して突出する端子との間に介在される端部部材とを有する抵抗体装置。」(以下、「引用発明」という。)

(4)補正発明についての対比・判断
補正発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「外管1」、「放熱フィン4」、「抵抗体3」、「絶縁物2」、「端子」は、それぞれ補正発明の「基体」、「熱を放熱する張り出し片」、「抵抗用素材」、「絶縁部材(4)」、「接続用端子」に相当する。そして、引用発明における「外管1」のような管状部材は、特に断りがない限り通常略円筒状である。さらに、引用発明の「放熱フィン4」は、このような外管1の外周に設けられることから、略環状となる。また、引用発明の「端子」は、外管1内部において抵抗体3に接続されていることは明らかであり、引用発明の「端部部材」と補正発明の「絶縁部材(6)」とは、ともに基体の両端部と、該基体の両端部より外側に配置され前記抵抗用素材に接続された接続用端子との間に介在される端部部材である。また、引用発明の「抵抗体装置」と、補正発明の「負荷抵抗器用抵抗体」とは、ともに「抵抗体装置」である。
してみると、補正発明と引用発明とは、次の【一致点】で一致し、【相違点1】ないし【相違点5】で相違する。

【一致点】
抵抗体装置であって、略円筒状をなす基体と、該基体の外周長手方向に間隔をおいて複数枚取り付けられ、基体外周より外側へ略環状に張り出し、熱を放熱する張り出し片と、前記基体の内部に設置される抵抗用素材と、該抵抗用素材と前記基体の内壁との間に充填された絶縁部材と、前記基体の両端部と、該基体の両端部より外側に配置され前記抵抗用素材に接続された接続用端子との間に介在される端部部材とを有し、前記接続用端子の基端は前記基体の内部で前記抵抗用素材に接続されてなると共に他端側は外側に露出された抵抗体装置。

【相違点1】
補正発明において、「抵抗体」は、発電機が正常に発電しているか否かの通電試験を行う負荷抵抗器に使用される負荷抵抗器用のものであり、「張り出し片(2・・・)」は、通電試験の際に生ずる熱を放熱するものであり、また「抵抗用素材(3)」は発電機からの通電がなされるものであるに対し、引用発明では、「抵抗体装置」がどのような用途に用いられるかが明らかでない点。
【相違点2】
補正発明では、「基体(1)」は、略1メートルの長さのものであるのに対し、引用発明では「外管1」の長さが明らかでない点。
【相違点3】
補正発明では、「絶縁部材(4)」は略粉末状をなすのに対し、引用発明では、「絶縁物2」がいかなるものか明らかでない点。
【相違点4】
補正発明では、「端部部材」は、基体(1)と略同等の外形をなすと共に、前記基体の両端部内壁内に嵌り込んで取り付けられる凸状嵌り込み部を有する、基体(1)の長手方向に向かい略1センチの長さからなるテフロン製絶縁部材(6)であるのに対し、引用発明では、「端部部材」は凸状嵌り込み部を有するものでなく、またその寸法及び材質は明らかでない点。
【相違点5】
補正発明では、「接続用端子(5)」が、他端側は雄ねじ状に形成されて、前記絶縁部材(6)を軸心方向に向かい螺通して外側に露出され、該露出部にはナットが螺着されて前記絶縁部材(6)に固定され、かつナットが螺挿されて接続部材(14)用の取り付け部が設けられたものであるのに対し、引用発明では、「端子」は、端部部材から突出し外側に露出しているものの、この端子が端部部材にどのように固定され、外部とどのように接続されるのかは明らかでない点。

そこで、上記【相違点1】〜【相違点5】について以下に検討する。
まず、【相違点1】については、発電機が正常に発電しているか否かの通電試験に負荷抵抗器を使用することは、実願昭62-170020号(実開平1-74569号)のマイクロフィルム及び特開昭62-219901号公報に記載されているように周知であり、またこのような通電試験においては、試験中に負荷抵抗器に生ずる熱を冷却ファン等で放熱させなければならないことも周知の技術事項である。そして、引用発明も放熱可能な抵抗体装置であることから、引用発明の抵抗体装置を、上記周知の通電試験のための負荷抵抗器用抵抗体に使用することで、発電機から抵抗体3に通電するとともに、放熱フィン4により通電試験の際に生ずる熱を放熱するよう構成することに格別の困難性はない。
【相違点2】については、引用発明において「外管1」の長さ等の寸法は、抵抗体装置の負荷容量や印加電圧等に応じて当業者が適宜決定する設計事項であり、また補正発明のごとく基体(1)の長さを略1メートルとしたことにより顕著な効果を奏するものとも認められないから、上記【相違点2】の長さを選択することに格別の技術的困難性があるとはいえない。
【相違点3】については、引用刊行物の上記摘記事項イ.にも記載されているように、外管内部に充填した絶縁物を略粉末状とすることは当該技術分野における周知技術であり、引用発明において、絶縁物2を上記周知技術のごとく略粉末状とすることに格別の困難性はない。
【相違点4】については、筒状部材の端部開口を封止するために蓋を貫入固定する場合において、当該蓋の形状として、筒状部材と略同等の外形をなすと共に、前記筒状部材の端部内壁内に嵌り込んで取り付けられる凸状嵌り込み部を有するよう構成することは周知の封止手段である(例えば、実願平5-22087号(実開平6-77194号)のCD-ROMにおける【図2】の碍子5参照)。そして、引用発明の端部部材も、円筒状部材である外管1の端部を封止するために該端部に固定する部材であるから、上記周知の封止手段を適用し、端部部材を、外管1と略同等の外形をなすと共に、前記外管1の両端部内壁内に嵌り込んで取り付けられる凸状嵌り込み部を有すよう構成することに格別の困難性はない。さらに、引用発明のような抵抗体装置において、端部部材を碍子等の絶縁部材にて形成することは周知であり(例えば、実願平5-22087号(実開平6-77194号)のCD-ROMの段落【0015】参照)、また、テフロン(商品名)が耐熱性のある絶縁材料であることも周知の技術事項に過ぎない(例えば、実願平4-85073号(実開平6-50061号)のCD-ROMの段落【0021】参照)。したがって、引用発明において、端部部材をテフロン製絶縁部材とすることは、上記周知技術に基づき当業者であれば容易に想到し得た事項である。さらに、引用発明の端部部材の寸法は適宜決定する設計事項であり、また補正発明のごとく基体(1)の長手方向に向かい略1センチの長さとしたことにより顕著な効果を奏するものとも認められないから、斯かる長さを選択することに格別の技術的困難性があるとはいえない。
【相違点5】については、端部部材に固定する端子構造として、端子を雄ねじ状に形成し、端部部材を軸心方向に向かい貫通して外側に露出させ、該露出部にナットを螺着することで端部部材に固定し、かつナットを螺挿することで接続部材用の取り付け部を設けることは、例えば昭和3年実用新案出願公告第13532号公報及び実公昭50-28117号公報に記載されているように従来周知のものであり、また、雄ねじ状に形成したものを貫通固定する場合に、軸心方向に向かい螺通させることは周知の固定手段である。したがって、斯かる周知技術に基づき、引用発明において、端部部材から突出し外側に露出する端子を、端子の他端側を雄ねじ状に形成し、端部部材を軸心方向に向かい螺通して外側に露出させ、該露出部にナットが螺着されて前記端部部材に固定させ、かつナットが螺挿されて接続部材用の取り付け部を設ける構成とすることに格別の困難性はない。

そして、補正発明の奏する効果も、引用発明及び周知技術から容易に予測し得たものである。
よって、補正発明は、引用発明及び周知技術に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)補正却下の決定についてのむすび
以上のとおりであるから、平成15年1月6日提出の手続補正書による手続補正は、平成6年法律第116号による改正前の特許法17条の2第4項で準用する同法126条第3項の規定に違反するものであり、特許法159条第1項で読み替えて準用する同法第53条の規定により却下されるべきものである。

第3.本願発明について
1.本願発明
平成15年1月6日提出の手続補正書による手続補正は上記のとおり却下したので、本願の請求項1及び2に係る発明は、平成14年9月30日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】発電機が正常に発電しているか否かの通電試験を行う負荷抵抗器に使用される負荷抵抗器用抵抗体であって、略円筒状をなす基体(1)と、該基体(1)の外周長手方向に間隔をおいて複数枚取り付けられ、基体(1)外周より外側へ略環状に張り出し、前記通電試験の際に生ずる熱を放熱する張り出し片(2・・・)と、前記基体(1)の内部に設置され、前記発電機からの通電がなされる抵抗用素材(3)と、該抵抗用素材(3)と前記基体(1)の内壁との間に充填された略粉末状をなす絶縁部材(4)と、前記基体(1)の両端部と、該基体(1)の両端部より外側に配置され前記抵抗用素材(3)に接続された接続用端子(5)との間に介在された前記基体(1)と略同等の外形をなすテフロン(登録商標)製絶縁部材(6)と、を有することを特徴とする負荷抵抗器用抵抗体(10)。」(以下、「本願発明1」という。)
「【請求項2】発電機が正常に発電しているか否かの通電試験を行う負荷抵抗器に使用される負荷抵抗器用抵抗体であって、略円筒状をなす基体(1)と、該基体(1)の外周長手方向に間隔をおいて複数枚取り付けられ、略環状に張り出し、前記通電試験の際に生ずる熱を放熱する張り出し片(2・・・)と、前記基体(1)の内部に設置され、前記発電機からの通電がなされる抵抗用素材(3)と、該抵抗用素材(3)と前記基体(1)の内壁との間に充填された略粉末状をなす絶縁部材(4)と、前記基体(1)の両端部と、該基体(1)の両端部より外側に配置され、前記抵抗用素材(3)に接続された接続用端子(5)との間に介在され、前記基体(1)と略同等の外形をなし、基体(1)の長手方向に向かい略1センチの長さからなるテフロン(登録商標)製絶縁部材(6)と、を有することを特徴とする負荷抵抗器用抵抗体(10)。」(以下、「本願発明2」という。)

2.刊行物に記載された発明
原査定の拒絶の理由に引用された引用刊行物には、上記2.(3)の「刊行物に記載された発明」に記載したとおりの引用発明が記載されている。

3.本願発明1及び2についての対比・判断
本願発明2は、補正発明の「略円筒状をなす略1メートルの長さの基体(1)」から「略1メートルの長さの」なる限定事項が省かれ、また、補正発明の「テフロン(登録商標)製絶縁部材(6)」のうち「基体の両端部内壁内に嵌り込んで取り付けられる凸状嵌り込み部を有する」なる限定事項が省かれ、さらに補正発明の「接続用端子(5)」から「接続用端子(5)の基端は前記基体(1)の内部で前記抵抗用素材(3)に接続されてなると共に、他端側は雄ねじ状に形成されて、前記絶縁部材(6)を軸心方向に向かい螺通して外側に露出され、該露出部にはナットが螺着されて前記絶縁部材(6)に固定され、かつナットが螺挿されて接続部材(14)用の取り付け部が設けられた」なる限定事項が省かれたものである。してみると、上記2.(4)の「補正発明についての対比・判断」における対比と同様に、本願発明2と引用発明とは、上記【一致点】で一致し、次の【相違点6】ないし【相違点8】にて相違する。
【相違点6】
本願発明2において、「抵抗体」は、発電機が正常に発電しているか否かの通電試験を行う負荷抵抗器に使用される負荷抵抗器用のものであり、「張り出し片(2・・・)」は、通電試験の際に生ずる熱を放熱するものであり、また「抵抗用素材(3)」は発電機からの通電がなされるものであるに対し、引用発明では、「抵抗体装置」がどような用途に用いられるかが明らかでない点。
【相違点7】
本願発明2では、「絶縁部材(4)」は略粉末状をなすのに対し、引用発明では、「絶縁物2」がいかなるものか明らかでない点。
【相違点8】
本願発明2では、「端部部材」は、基体(1)と略同等の外形をし、基体(1)の長手方向に向かい略1センチの長さからなるテフロン製絶縁部材(6)であるのに対し、引用発明では、「端部部材」は凸状嵌り込み部を有するものでなく、またその寸法及び材質は明らかでない点。
ここで、【相違点6】ないし【相違点8】は、上記【相違点1】、【相違点3】、【相違点4】と同様のものであるから、【相違点1】、【相違点3】及び【相違点4】について示した理由と同様の理由により、本願発明2は、引用発明及び周知技術に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるといえる。
また、本願発明1は、本願発明2の「テフロン(登録商標)製絶縁部材(6)」について「基体(1)の長手方向に向かい略1センチの長さからなる」という事項が省かれたものであるから、本願発明1は、本願発明2と同様に、引用発明及び周知技術に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるといえる。

4.むすび
したがって、本願発明1及び2は、引用発明及び周知技術に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-07-20 
結審通知日 2005-07-26 
審決日 2005-08-09 
出願番号 特願平7-165520
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G01R)
P 1 8・ 575- Z (G01R)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 武田 知晋  
特許庁審判長 瀧 廣往
特許庁審判官 下中 義之
福田 裕司
発明の名称 負荷抵抗器用抵抗体  
代理人 伊藤 儀一郎  

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