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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61F
管理番号 1124153
審判番号 不服2001-19864  
総通号数 71 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-02-04 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-11-06 
確定日 2005-10-07 
事件の表示 平成 7年特許願第181867号「生理用ナプキン」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 2月 4日出願公開、特開平 9- 28729〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 〔1〕手続の経緯
本願は、平成7年7月18日の出願であって、平成13年10月10日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成13年11月6日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、平成13年12月4日に手続補正がなされたものである。

〔2〕平成13年12月4日にした手続補正(以下、「本件手続補正」という。)についての補正却下の決定
〔補正却下の決定の結論〕
本件手続補正を却下する。
〔理由〕
1 補正後の本願発明
本件手続補正により、明細書の特許請求の範囲の請求項1は、
「透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸収性コアが介在し、前後方向に長い生理用ナプキンにおいて、
前記コアが粉砕パルプを少なくとも60重量%含み前記前後方向に延在する基層部分と、熱可塑性合成繊維であって捲縮している親水性繊維を少なくとも60重量%含み、前記基層部分の後端部上面に位置するとともに、該後端部の巾方向のほぼ全体に延在するクッション層部分とからなり、前記クッション層部分は、見かけ厚み10mm以上を有し、35g/cm2加圧時の厚みが5mm以下であるとともにこの35g/cm2で30秒間加圧して、その加圧を除去してから60秒後の厚み回復率が80%以上であり、かつ、その吸水性が前記基層部分の吸水性より低くなっていることを特徴とする前記ナプキン。」と補正された。
上記補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定する事項である「クッション層部分」について、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された「35g/cm2で30秒間加圧して、その加圧を除去してから60秒後の厚み回復率が80%以上であり、かつ、その吸水性が前記基層部分の吸水性より低くなっていること」との事項により限定を付加するものであり、且つ、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が異なるものではないので、上記補正は、特許法第17条の2第4項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

2 独立特許要件について
そこで、本件手続補正後の上記請求項1に記載された事項により特定される発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する特許法第126条第4項の規定に適合するか)について、以下に検討する。
(1)引用例の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平2-144059号公報(以下、「引用例1」という。)には、次の記載がある。
a「1.液体透過性の表面材、液体保持性の吸収体及び液体不透過性の紡漏材を具備し、実質的に縦長の吸収性物品において、少なくとも吸収性物品後方部の巾方向中央部において、前記表面材と前記吸収体の間に弾性体が存在し、前記後方部の巾方向中央部の圧縮剛性率が15〜38%であり、かつ、乾燥圧縮回復率が25%以上であることを特徴とする吸収性物品」(特許請求の範囲第1項)
b「〔産業上の利用分野〕本発明は高度な防漏性をもつ吸収性物品に関し、特に使用者の臀部の溝からの漏れを飛躍的に低減せしめた生理用ナプキン等の吸収性物品に関するものである。」(1頁右下欄3〜7行)
c「このように使用感を損なうことなく臀部との密着性を改善し、臀部の溝からの漏れを効果的に防止することができなかったために、特に就寝時において使用者や介護者の衛生的及び心理的不快感を解消することは不可能であり、深刻な問題となっていた。」(2頁右上欄4〜9行)
d「本発明者らは、前記課題、即ち、使用感の悪化の回避と臀部の溝への密着性の向上という相反する要求に対して、少なくとも後方部の巾方向中央部において、表面材と吸収体との間に高度の柔軟性と圧縮回復性を有する弾性体を存在せしめることにより、対応が可能であることを見いだした」(2頁左下欄5〜11行)
e「使用感の悪化を回避するには、弾性体が適度の柔軟性を有することが必要である。この柔軟性は圧縮剛性率(測定法は実施例参照のこと)として数値化される。この圧縮剛性率とは、吸収性物品の後方中央部について、所定の条件下で圧縮試験を行った際に、実際に測定される圧縮仕事量(第5図の図形ADBCの面積に相当する)と、吸収性物品が完全弾性体であると仮定した場合の圧縮仕事量(第5図の三角形ABCの面積に相当する)との比を100倍した値であり、圧縮剛性率が小さいほど、柔軟性に富むことを示す。……また、密着性も考慮すると、圧縮剛性率が15%以上であることが必要であり……圧縮剛性率が15%より小さいと、隆起部の柔軟性が高すぎ、隆起部がその形を維持することが困難となり密着性が低下する……。一方、前述の隆起部の実質的消失を防止するためには、弾性体が少なくとも乾燥時において高度の圧縮回復性を有することが必要である。この乾燥時の圧縮回復性は乾燥圧縮回復率(測定法は実施例参照のこと)として数値化される。この乾燥圧縮回復率とは、所定の条件下で圧縮回復試験を行った際に測定される圧縮回復仕事量(第5図の図形AEBCの面積に相当する)と圧縮仕事量(第5図の図形ADBCの面積に相当する)との比を100倍した値であり、乾燥圧縮回復率が高いほど圧縮回復性に富むことを示す。」(2頁左下欄12行〜3頁左上欄5行)
f「弾性体の柔軟性と圧縮回復性が共に特に好ましい範囲であれば、第2図や第3図に示すように弾性体2を構成しても、防漏性と使用感が共にかなり良好な吸収性物品が得られる。」(3頁右上欄18行〜左下欄1行)
g「本発明において、弾性体の好ましい寸法は、吸収性物品の寸法や弾性体の物性などにより変化するので、明確に規定されるものではない。ただし、就寝時用の生理用ナプキンとして一般的な、長さと巾が各々250mm、75mm程度の吸収性物品においては、一般に、弾性体の長さ、巾及び厚さは各々20〜250、10〜60、5〜50mmが好ましく、50〜150、20〜40、20〜40mmがより好ましい。」(3頁左下欄5〜13行)
h「弾性体の組成としては、……圧縮回復性を考慮すると、ポリエステル系繊維を含むことが好ましい。また、吸収性能を考慮すると、弾性体が適度な親水性を有することが好ましいので、弾性体は親水性物質と疎水性物質の混合物であることが好ましい。特に、ポリエステル系繊維とレーヨン繊維が各々混合重量比40/60〜80/20からなるウェブが好ましい。この場合、疎水性物質の表面が親水化処理されていると、弾性体全体の親水性のより微妙な制御が可能となるため、非常に好ましい。」(3頁右下欄8行〜4頁左上欄1行)
i「本発明の吸収性物品において、表面材、吸収体及び防漏材としては、特に限定されず、従来公知の吸収性物品に用いられているものが使用される。」(4頁左上欄5〜8行)
以上の記載及び第2図、第5図〜第7図によると、引用例1には、
「液体透過性の表面材と液体不透過性の防漏材との間に液体保持性の吸収体と弾性体が介在し、実質的に縦長の生理用ナプキンにおいて、
弾性体は、ポリエステル系繊維のような疎水性繊維とレーヨン繊維のような親水性繊維との混合物からなり、液体保持性の吸収体の後方部上面に位置するとともに、後方部の巾方向のほぼ全体に延在し、その厚さが20〜40mmであり、圧縮回復性を備えている、生理用ナプキン」
の発明が記載されていると認められる。

同じく原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平6-237956号公報(以下、「引用例2」という。)には、次の記載がある。
j「【請求項1】透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸収体が介在する体液吸収性物品において、前記吸収体は、少なくとも熱可塑性繊維と粉砕パルプとからなる混合物であって、前記熱可塑性繊維がスパイラル状にクリンプし、互いに接触する部位の多くにおいて融着しており、かつ、前記混合物の40〜90重量%を占めていることを特徴とする前記体液吸収性物品。
【請求項2】前記熱可塑性繊維は、その少なくとも50重量%が親水性である請求項1に記載の体液吸収性物品。」(特許請求の範囲)
k「【産業上の利用分野】この発明は、生理用ナプキンや母乳パッドなどの体液吸収性物品に関する。」(段落【0001】)
l「【作用】このように構成した吸収性物品では、その吸収体がスパイラル状にクリンプした熱可塑性繊維を含むことにより、圧縮弾性、殊に湿潤時の圧縮弾性が高く、復元性が良好である。……吸収性物品は弾性と柔軟な感触とを有するものになる。」(段落【0008】)
m「吸収体4において、繊維5は、その少なくとも50重量%が親水性であることが好ましく、そのために必要ならば疎水性の熱可塑性繊維に親水化処理を施す。……」(段落【0015】)

(2)対比
本願補正発明と引用例1記載の発明とを対比する。
引用例1記載の発明の「液体透過性の表面材」及び「液体不透過性の防漏材」は、それぞれ本願補正発明の「透液性表面シート」及び「不透液性裏面シート」に相当する。
引用例1記載の発明の「液体保持性の吸収体」と「弾性体」を合わせたものは、本願補正発明の「吸収性コア」に相当し、「液体保持性の吸収体」と「弾性体」は、それらの機能に照らすと、それぞれ本願補正発明の「基層部分」と「クッション層部分」に相当する。
また、引用例1記載の発明の「生理用ナプキン」は、実質的に縦長であり、前後方向に長いといえる。
そうすると、両者は、
「透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸収性コアが介在し、前後方向に長い生理用ナプキンにおいて、
前記コアが、前記前後方向に延在する基層部分と、前記基層部分の後端部上面に位置するとともに、該後端部の巾方向のほぼ全体に延在するクッション層部分とからなり、前記クッション層部分は、見かけ厚み10mm以上を有する、前記ナプキン。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
相違点1
本願補正発明では、吸収性コアの基層部分が、粉砕パルプを少なくとも60重量%含むのに対し、引用例1記載の発明では、該基層部分の材料が特定されていない点。
相違点2
本願補正発明では、吸収性コアのクッション層部分が、熱可塑性合成繊維であって捲縮している親水性繊維を少なくとも60重量%含むのに対し、引用例1記載の発明では、該クッション層部分が、ポリエステル系繊維のような疎水性繊維とレーヨン繊維のような親水性繊維の混合物からなる点。
相違点3
本願補正発明では、吸収性コアのクッション層部分は、35g/cm2加圧時の厚みが5mm以下であるとともにこの35g/cm2で30秒間加圧して、その加圧を除去してから60秒後の厚み回復率が80%以上であるのに対し、引用例1記載の発明では、クッション層部分は、35g/cm2加圧時の厚みについて言及がなく、圧縮回復性を備えているものの、厚み回復率が具体的に示されていない点。
相違点4
本願補正発明では、クッション層部分の吸水性が前記基層部分の吸水性より低くなっているのに対し、引用例1記載の発明では、クッション層部分の吸水性と基層部分の吸水性の高低の関係について言及がない点。

(3)相違点の検討
そこで、上記各相違点について検討する。
相違点1について
引用例1には、吸収体(本願補正発明の「基層部分」に相当)として、従来公知の吸収性物品に用いられているものが使用される旨記載されており(記載i参照。)、吸収体の材料が特定されていないが、生理用ナプキンにおいて、吸収体に粉砕パルプを含ませることは、本願の出願前に周知の技術(例えば、引用例2参照。)であり、どの程度含ませるかは設計的事項であるから、相違点1に係る本願補正発明の事項とすることは、当業者が容易になし得たことである。

相違点2について
引用例1には、生理用ナプキンの吸収性コアのクッション層部分(弾性体)を、ポリエステル系繊維のような疎水性繊維とレーヨン繊維のような親水性繊維との混合物で構成し、圧縮回復性を考慮して疎水性繊維を用いたこと、吸収性能を考慮して親水性繊維を用いたことが記載され、さらに、疎水性繊維の表面を親水化処理して親水性にするのが好ましいことが記載されている(記載h参照。)。一方、引用例2には、吸収性物品の吸収体(本願補正発明の「吸収性コア」に相当)に、圧縮弾性と、さらに親水性とを考慮して、熱可塑性繊維であってスパイラル状にクリンプした親水性繊維(本願補正発明の「熱可塑性合成繊維であって捲縮している親水性繊維」に相当)を用いることが記載されている。そして、引用例1記載の発明と引用例2記載の発明は、共に、吸収性コアの圧縮回復性(又は圧縮弾性)を考慮したものであるから、引用例1記載の発明の吸収性コアのクッション層部分において圧縮回復性を考慮して用いられている疎水性繊維として、引用例2に記載の上記繊維を採用することは、当業者であれば容易に着想し得たことである。
そして、当該繊維をクッション層部分にどの程度含ませるかは、圧縮回復性と吸収性能を考慮して当業者が適宜決め得る設計的事項である。
したがって、相違点2に係る本願補正発明の事項とすることは、当業者が容易になし得たことである。

相違点3について
本願明細書の「そこでこの発明は、吸収性コアの後端部上面にクッション層を形成して該後端部の肌に対する密着性を向上させることにより、就寝時などに経血が後方から漏れるという問題の解消を課題にしている。」(段落【0004】)、「……クッション層14は、35g/cm2で30秒間加圧したときの厚みが5mm以下となり、その加圧を除去してから60秒後の厚み回復率が80%以上であると、肌の屈曲に対するフィット性が特によい。……」(段落【0009】)との記載によると、本願補正発明が相違点3に係る事項を採用したのは、肌に対する密着性を向上させ、就寝時などに経血が後方から漏れるのをなくするためである。
一方、引用例1記載の発明も、高度の柔軟性と圧縮回復性を有する弾性体を存在せしめることにより、使用感を損なうことなく臀部との密着性を改善し、臀部の溝からの漏れを効果的に防止する(記載c、d参照。)ものであって、本願補正発明と同様の課題を解決するものであり、引用例1には、吸収体と弾性体を重ねた状態ではあるが、生理用ナプキン等の吸収性物品の後方中央部について圧縮試験を行い、圧縮剛性率と乾燥圧縮回復率を算出して、圧縮剛性率が小さいほど柔軟性に富むこと、乾燥圧縮回復率が高いほど圧縮回復性に富むこと、さらに、弾性体が高度の圧縮回復性を有する必要があることが記載されている(記載e、第6図、第7図参照。)。
してみれば、本願補正発明と引用例1記載の発明はいずれも、肌に対する密着性を向上させ、就寝時などに経血が後方から漏れるのをなくするためには厚み回復率が重要な性質であるとの認識に基づいて生理用ナプキンを設計しているものであり、その性質において実質的に格別の相違があるものとは認められない。
そして、その好ましい性質・条件を記載するに当たり、本願補正発明のように、「クッション層部分は、35g/cm2加圧時の厚みが5mm以下であるとともにこの35g/cm2で30秒間加圧して、その加圧を除去してから60秒後の厚み回復率が80%以上である」という試験条件を採用することに引用例1記載の発明とは異なる格別の技術的意義があるとは認められず、加圧条件、加圧時の厚み、回復率をどの程度にするかは当業者が適宜決め得る設計的事項である。(なお、加圧条件を「35g/cm2」とすることは、後記周知例ウ(特開昭57-10334号公報)により既に知られている。)
したがって、相違点3に係る本願補正発明の事項とすることは、当業者が容易になし得たことである。

相違点4について
生理用ナプキンにおいて、吸収性コアを吸水性の低い部分と高い部分を重ねた構成とし、体液を吸水性の低い部分から高い部分へ移行させることは、本願の出願前に周知の技術(例えば、ア.特開平2-1268号公報、イ.特開平2-1266号公報、ウ.特開昭57-10334号公報参照。)であるから、引用例1記載の発明の吸収性コアに上記周知技術を適用し、相違点4に係る本願補正発明の事項とすることは、当業者が容易になし得たことである。

そして、本願補正発明が奏する効果も、引用例1及び2記載の発明、並びに周知技術から予測できる範囲のものであって、格別顕著なものとは認められない。
したがって、本願補正発明は、引用例1及び2記載の発明、並びに周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(4)まとめ
以上のとおり、本件手続補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

〔3〕本願発明について
1 本願発明
上記のとおり、本件手続補正は却下されたので、本願の請求項1ないし3に係る発明は、平成13年9月17日に補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定されるものであるところ、請求項1は、以下のとおり記載されている。
「【請求項1】透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸収性コアが介在し、前後方向に長い生理用ナプキンにおいて、
前記コアが粉砕パルプを少なくとも60重量%含み前記前後方向に延在する基層部分と、熱可塑性合成繊維であって捲縮している親水性繊維を少なくとも60重量%含み、前記基層部分の後端部上面に位置するとともに、該後端部の巾方向のほぼ全体に延在するクッション層部分とからなり、前記クッション層部分は、見かけ厚み10mm以上を有し、35g/cm2加圧時の厚みが5mm以下であることを特徴とする前記ナプキン。」
(以下、請求項1に係る発明を「本願発明1」という。)

2 引用例の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用例及びその記載事項は、上記〔2〕2(1)に記載したとおりである。

3 対比・判断
本願発明1は、上記〔2〕1で検討した本願補正発明から、「クッション層部分」について付加して限定した事項である「この35g/cm2で30秒間加圧して、その加圧を除去してから60秒後の厚み回復率が80%以上であり、かつ、その吸水性が前記基層部分の吸水性より低くなっていること」との事項を省いたものである。
そうすると、本願発明1を特定する事項を全て含み、さらに他の特定する事項を付加したものに相当する本願補正発明が、上記〔2〕2(3)に記載したとおり、引用例1及び2記載の発明、並びに周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明1も、同様の理由により、引用例1及び2記載の発明、並びに周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
したがって、本願発明1は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-08-03 
結審通知日 2005-08-09 
審決日 2005-08-25 
出願番号 特願平7-181867
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A61F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 清野 千秋山口 昭則内田 淳子今村 玲英子  
特許庁審判長 寺本 光生
特許庁審判官 溝渕 良一
渡邊 豊英
発明の名称 生理用ナプキン  
代理人 白浜 吉治  

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