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審決分類 |
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 B43K |
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管理番号 | 1124881 |
審判番号 | 不服2002-3891 |
総通号数 | 72 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1995-12-12 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-03-07 |
確定日 | 2005-10-12 |
事件の表示 | 平成 6年特許願第140979号「シャ-プペンシルの芯保持部材」拒絶査定不服審判事件〔平成 7年12月12日出願公開、特開平 7-323692〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成6年5月31日の出願であって、平成14年1月25日付けで拒絶査定がなされ、平成14年3月7日付けで拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年4月5日付けで手続補正がなされたものである。 2.平成14年4月5日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成14年4月5日付けの手続補正を却下する。 [理由] (1)平成14年4月5日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、平成6年改正前特許法第17条の2第1項第5号の規定に基づく明細書の補正であって、特許請求の範囲を補正する補正を含むものである(補正部分に下線を付した)。 そして、この特許請求の範囲の補正は、 「【請求項1】軸筒の内部に鉛芯繰り出し機構が配置され、この鉛芯繰り出し機構の前方に鉛芯の保持を行う芯保持部材が配置されたシャ-プペンシルであって、前記芯保持部材の鉛芯通過方向に対する保持力を35g乃至100gに設定したことを特徴とするシャ-プペンシルの芯保持部材。」から、 「【請求項1】軸筒の内部に鉛芯繰り出し機構が配置され、この鉛芯繰り出し機構の前方に鉛芯の保持を行う芯保持部材が配置されたシャ-プペンシルであって、そのシャープペンシルを約60度傾斜させ、かつ、筆記荷重が400gにおける前記芯保持部材の鉛芯通過方向に対する保持力を35g乃至100gに設定したことを特徴とするシャ-プペンシルの芯保持部材。」と補正するものである。 (2)本件補正について検討する。 (2-1).本件補正の目的について 補正前の請求項1についてする補正は、補正前の請求項1に係る発明の構成である「芯保持部材の鉛芯通過方向に対する保持力を35g乃至100gに設定」を、出願当初の明細書の段落【0009】〜【0017】の記載に基づき「シャープペンシルを約60度傾斜させ、かつ、筆記荷重が400gにおける」と試験条件を限定し、補正後の請求項1とするものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2-2).本件補正の独立特許要件について そこで、本件補正による特許請求の範囲に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるか否か(特許法第17条の2第4項において準用する同法第126条第3項の規定に適合するか否か)について検討する。 補正後の請求項1に係る発明は次のとおりのものと認める。 「【請求項1】軸筒の内部に鉛芯繰り出し機構が配置され、この鉛芯繰り出し機構の前方に鉛芯の保持を行う芯保持部材が配置されたシャ-プペンシルであって、そのシャープペンシルを約60度傾斜させ、かつ、筆記荷重が400gにおける前記芯保持部材の鉛芯通過方向に対する保持力を35g乃至100gに設定したことを特徴とするシャ-プペンシルの芯保持部材。」(以下、「補正発明」という。) また、本願明細書には、 (イ).【発明が解決しようとする課題】として、「これら以外のシャ-プペンシルであっても云えることであるが、筆記に連れ芯が短くなった場合、この芯は、鉛芯繰り出し機構の芯の把持を行なう三割チャック、ボ-ルチャックなどのチャックから開放される。そして、チャックから開放された芯は、チャック先端からシャ-プペンシル先端(芯保護管)までの間に残ることになる。この残った芯(以下残芯という)は、芯保持部材に軽く保持されているだけである。よって、この残芯部分で筆記を行うと芯が回転してしまい、筆記感が悪くなり、一般的には後続芯により押出し排出させたり、引き抜いたりして破棄してしまうものであった。」(段落【0003】)と記載され、 (ロ).【作用】に、「残芯筆記時においても、鉛芯の回転が鉛芯通過方向に対する保持力が35g乃至100gに設定された芯保持部材により防止される。また、前記保持力がチャックの繰り出し力よりも小さく設定されているので鉛芯の繰り出しも良好に行える。尚、残芯筆記時における鉛芯の後退は、後続する鉛芯によって阻止されるものである。」(【0006】)と記載され、 (ハ).【発明の効果】に、「本発明は、軸筒の内部に鉛芯繰り出し機構が配置され、この鉛芯繰り出し機構の前方に鉛芯の保持を行う芯保持部材が配置されたシャ-プペンシルであって、前記芯保持部材の鉛芯通過方向に対する保持力を35g乃至100gに設定したので、残芯筆記時においても良好な筆記をすることができ、よって、鉛芯の無駄を低減することができる。尚、残芯を極力短くするために芯保持部材を先部材のなるべく前方に配置するのが好ましい。」(【0024】)と記載されている。 (引用例) これに対して、原査定の理由に引用された特開平4-138298号公報(以下、「引用例」という。)には、次の事項が記載されている(記載中「・・・」は中略を表す。)。 (引用例) a.「従来から、芯が短くなった場合、この芯は、芯を把持する三つ割チャック、ボールチャック等のチャックから開放される。チャックから開放された芯は、チャック先端からシャープペンシル(芯保護管)先端までの間に残ることになる。この残った芯(以下、残芯という)は、芯戻り止めに軽く把持されているだけである。よって、この残芯部分で筆記を行うと芯が回転してしまい筆記感が悪くなり、一般的には後続芯により押出し排出させたり、引き抜いたりして破棄するというものであった。また、芯戻り止めから外れた残芯であると、前記した現象は顕著にみられ、芯が落下してしまうということも起こった。そこで、この残芯を無くすか極力小にして芯を有効に活用するために種々の提案がなされてきている。」(第1頁左欄14行〜右欄10行)、 b.「残芯を有効活用するために芯保護管に要求される機能は次の2点である。第1点は残芯が保護管内にあるとき落下しない芯保護管であること(芯保持機能があること)である。第2点は残芯で筆記した際に残芯が回転しないような芯保護管であること(残芯筆記機能があること)である。」(第1頁右欄14〜19行)、 c.「その目的は、芯保持機能と残芯筆記機能の両方を具備することにより、残芯を有効活用できるようにしたシャープペンシルを提供することである。本発明の要旨は、「 内面にゴム等よりなる弾性被膜が形成されている芯保護管を先端部に有するシャープペンシルにおいて、前記弾性被膜の圧縮永久歪み値が10%以下であることを特徴とするシャープペンシル」である。」(第2頁左上欄最下行〜右上欄7行)、 d.「第1図において、参照符号1は、シャープペンシルの軸筒であり、前方には先部材2が螺着されている。この軸筒1と先部材2とは一体であっても良い。更に、先部材2の先端には...芯保護管3が圧入...されている。この先部材2と芯保護管3とは一体であっても良い。前記先部材2内部にはチャックリング4を外嵌したチャック5を配置している。」(第2頁右上欄11〜19行) e.「本発明の特徴は、芯保護管3の少なくとも内面に...圧縮永久歪み値が10%以下である弾性皮膜7を形成した点にある。この弾性被膜7は...芯Lを極力有効に活用するためには保護管3の内面先端部に形成することが好ましい。尚、弾性被膜7を形成した芯保護管3の内部には、中空の芯通路8(第1図に示すA-A線拡大断面図の第2図参照)が形成されている。芯Lを保持するために、この芯通路8の径は使用される芯Lの外径より小さく形成されている。一般に、弾性被膜7は、程度の差はあるが圧縮永久歪みを示し、・・・やがてその機能が失われることがある。この現象を防ぐためには、予め芯通路8の径を可能な限り小さく形成しておくことが必要である。しかしながら、例えばその外径がJISにより0.55〜0.58mmと規定されている0.5mm芯を用いた場合、芯通路8の径は0.50mm以上なければならない。さもないと、使用初期の芯が外径0.58mmであった場合、芯通路8の保持力が大き過ぎ芯を繰り出すことが不可能なためである。一方、筆記時に芯の回転を防ぐための保持力を得るためには、芯の外径が芯通路8の径より0.01mm以上大きくなければならない。」(第2頁左下欄5行〜右下欄11行)。 f.「芯通路の径が0.50mm、肉厚が0.08mmとなる様に弾性被膜を形成して芯保護管とした。この芯保護管を先部材に圧入したのち、これを軸筒に螺着しシャープペンシルとした。」(第3頁左下欄18行〜右下欄2行)、 g.「上記、実施例及び比較例で得たシャープペンシルの芯保護管内に外径0.58mmの芯を通したまま3ヶ月放置した後、外径0.55〜0.58mmの芯を用いて残芯時に芯の回転が発生することなく筆記できるか否かを試験した。結果を表1に示す。」(第4頁左欄11〜16行)。 h.第1図には、チャック5の前方に芯保護管3が配置された点が示されている。 (対比・判断) 引用例の上記摘示の記載a.〜h.を含む明細書及び図面に記載された事項によれば、引用例には、 「軸筒1の前方の先部材2内部にチャック5が配置され、チャック5の前方に芯保護管3が配置されたシャ-プペンシルであって、残芯が保護管内にあるとき落下しない芯保持機能があり、残芯で筆記した際に残芯が回転しない残芯筆記機能があるその内面に圧縮永久歪み値が10%以下である弾性皮膜7を形成したシャ-プペンシルの芯保護管3。」(以下、「引用例発明」という。)が記載されている。 そこで、補正発明と引用例発明を対比する。 引用例発明の「チャック5」は、開閉により鉛芯繰り出し動作を行うものであるから、補正発明の「鉛芯繰り出し機構」に包含されることが明らかである(本願明細書の前記摘示の記載(イ)参照)。 「軸筒1と先部材2とは一体であっても良い。」(摘示の記載d.)から、引用例発明の軸筒1の前方の先部材2内部に配置された「チャック5」は、軸筒の内部に配置されたともいえる。 引用例発明のその内部に弾性被膜7を形成した芯保護管3は、チャック5(鉛芯繰り出し機構)の前方で芯(鉛芯)の保持を行うものであるから、補正発明の「芯保持部材」に相当する。 引用例の上記摘示の記載e.によれば、芯保護管の芯通路の保持力について、芯を保持するために芯通路の径は使用される芯の外径より小さく形成されるが、あまり小さくすると保持力が大きくなり過ぎて芯を繰り出せず、一方、芯通路の径より0.01mm以上芯の外径が大きければ、筆記時に芯の回転を防ぐための保持力を得られることが明らかである。 したがって、引用例発明の「芯保護管3」は、残芯で筆記した際に残芯が回転せず、かつ、芯を繰り出すことが可能な保持力を有するものであるから、補正発明の「芯保持部材」と、残芯筆記時においても鉛芯の回転が防止され、かつ、鉛芯の繰り出しが行える保持力を有する点で共通する。 そうすると、両者は、 「軸筒の内部に鉛芯繰り出し機構が配置され、この鉛芯繰り出し機構の前方に鉛芯の保持を行う芯保持部材が配置されたシャ-プペンシルであって、残芯筆記時においても鉛芯の回転が防止され、かつ、鉛芯の繰り出しが行える保持力を有するように設定したシャ-プペンシルの芯保持部材」である点で一致し、次の点で相違する。 相違点:芯保持部材の残芯筆記時においても、鉛芯の回転が防止され鉛芯の繰り出しも行える保持力を、補正発明が、シャープペンシルを約60度傾斜させ、かつ、筆記荷重が400gにおける前記芯保持部材の鉛芯通過方向に対する保持力を35g乃至100gに設定したと試験条件や保持力の値を規定しているのに対して、引用例発明が、その内面に圧縮永久歪み値が10%以下である弾性皮膜7の形成によって規定している点。 前記相違点について検討する。 芯保持部材の芯に対する保持力は、芯の材質、芯の外径と芯通路の内径との差、芯通路内径部の材質により変化し、定まるものであり、このことは、補正発明、引用例発明のいずれにおいてもいえることである。 補正発明においては、「そのシャープペンシルを約60度傾斜させ、かつ、筆記荷重が400gにおける芯保持部材の鉛芯通過方向に対する保持力」と、鉛芯が芯保持部材内に存在する段階での、芯保持部材が鉛芯を押圧する力として、35g乃至100gを採用したものである。 一方、引用例発明においては、芯保持部材の内面に、単に「圧縮永久歪み値が10%以下である弾性皮膜7」が形成されているとしているだけであるが、残芯筆記時においても、鉛芯の回転が防止され鉛芯の繰り出しも行える程度の保持力、即ち、芯保持部材が鉛芯を押圧する力を持ちうるように弾性皮膜7の材質が決定されている。ここで補正発明において、「そのシャープペンシルを約60度傾斜させ」ること、「筆記荷重が400g」であることを条件とする技術的意味について本願明細書中に特段の説明はされていないものの、補正発明の目的に照らし、典型的な使用態様を前提とするものと解される。 してみれば、引用例発明においても、典型的な使用態様を想定した条件設定が行われているものと解することが自然であって、弾性被膜7の材質という異なる特定であるとしても適正な鉛芯押圧力を備えるものと解される。 そして、その適正な鉛芯押圧力の範囲は大概補正発明と同等のものと推察されるのであり、補正発明の特定は当業者が設計するに際して通常試行錯誤の結果に採用する範囲を記載したに過ぎないものといわざるを得ない。 したがって、補正発明は実質的に引用例発明と同一であり、特許法第29条第1項第3号に規定する発明に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 したがって、上記の理由により、本件補正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるものとされた同法[第1条の規定]による改正前の特許法第17条の2第4項において読み替えて準用する同法第126条第3項の規定に違反するので、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定によって却下すべきものである。 3.本願発明について 平成14年4月5日付け手続補正は、上記2.のとおり却下されたので、本願発明は、願書に最初に添付された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】軸筒の内部に鉛芯繰り出し機構が配置され、この鉛芯繰り出し機構の前方に鉛芯の保持を行う芯保持部材が配置されたシャ-プペンシルであって、前記芯保持部材の鉛芯通過方向に対する保持力を35g乃至100gに設定したことを特徴とするシャ-プペンシルの芯保持部材。」(以下、「本願発明」という。) (引用例) 原査定の拒絶の理由に引用された引用例、及びその記載事項は、前記2.(2)(2-2)に記載したとおりである。 (対比・判断) 本願発明は、補正発明を特定する事項から、芯保持部材の鉛芯通過方向に対する保持力を35g乃至100gに設定した試験条件「そのシャープペンシルを約60度傾斜させ、かつ、筆記荷重が400gにおける」を除いたものである。 してみると、本願発明と引用例発明との間に相違点は存在しないから、本願補正発明についての上記2.(2)(2-2)での(対比・判断)と同様の理由により、本願発明は、引用例発明である。 4.請求人の主張 ところで、請求人は、「引用文献1に記載の発明は、弾性被膜の圧縮永久歪み値を特定しているものであって、本願発明のように芯の保持力を特定しているものではなく、前記永久歪み値から直ちに本願発明の保持力を導き出すことはできず、また、推測することもできません。即ち、圧縮永久歪み値は同等であっても、保持力が相違する材質は種々有ります。本願出願人は、この種々存在している保持力の材質の中から、鋭利研究の末、60度傾斜でかつ400g筆記荷重の時、35g〜100gの保持力を有している材質が最も効果的な材質であることを発見した。しかし、前記試験条件や保持力に関することは引用文献1には、一切記載されていないばかりでなく、示唆もされていない。ちなみに、前記圧縮永久歪み値が10%以下であっても、保持力が35g以下や100gを越える材質も存在し、そのような材質を選択した場合には、本願明細書に記載した問題が発生してしまう危険性があります。この様に、具体的な構成はおろか、作用・効果を異にする引用文献1をもって、審査官殿の「本願発明は、引用文献1の発明に相当する。」という拒絶理由には承伏できません。」(審判請求書を補正した平成14年4月5日付け手続補正書(方式)第2頁6〜20行参照)と主張している。 拒絶理由では引用例発明の永久歪み値から本願発明の保持力を導き出せるといってはいない。本願発明の芯保持部材も、引用例発明の実施例の外径0.55〜0.58mmの芯を管内に挿入保持した、芯通路の径が0.50mmとなる様に管内に弾性被膜を形成した芯保護管も、鉛芯繰り出し機構の前方で鉛芯の保持を行うものであり、芯の繰り出しを良好に行えると共に、残芯筆記時においても良好な筆記をすることができるものであるから、引用例発明の芯保護管は、請求項1に係る発明の「保持力を35g乃至100gに設定した芯保持部材」に相当するといっているのである。この場合、引用例発明の管内に圧縮永久歪み値が10%以下の弾性被膜を形成した芯保護管全ての保持力が60度傾斜でかつ400g筆記荷重の時、35g〜100gであることを要せず、60度傾斜でかつ400g筆記荷重の時、35g〜100gの保持力を有するものがあれば十分である。かつ、前記したように60度傾斜でかつ400g筆記荷重の時という筆記条件はシャープペンシルで記載する時の最も一般的な傾斜角度と荷重と認められれ、筆記条件を上記値に特定した点に格別の技術的意義は認められない。また、鋭利研究の末、種々存在している保持力の材質の中から、60度傾斜でかつ400g筆記荷重の時、35g〜100gの保持力を有している材質が最も効果的な材質であることを発見したと主張するが、そのような材質については本願明細書には何の記載もなく、本願明細書では、60度傾斜でかつ400g筆記荷重の時、35g〜100gの保持力は、芯保持部材の保持力として記載されていると認められる。仮に、請求人主張のように芯保持部材の材質の保持力であるとすれば、芯保持部材の保持力に、密接に関係する芯通路の径や芯径等が特定されていないから、芯保持部材の材質の保持力のみの特定で本願明細書記載の効果を奏することは不可能である。 そして、本願発明が保持力を具体的に数値化したことにより、引用例発明との間に格別な作用効果の差異はみられず、同等の保持力を有するものを、異なる観点から特定したからといって異なる構成をしているとはいえないから、請求人の前記主張は採用できない。 5.むすび したがって、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-07-14 |
結審通知日 | 2005-07-26 |
審決日 | 2005-08-19 |
出願番号 | 特願平6-140979 |
審決分類 |
P
1
8・
113-
Z
(B43K)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 塩崎 進、木村 史郎 |
特許庁審判長 |
砂川 克 |
特許庁審判官 |
藤本 義仁 藤井 靖子 |
発明の名称 | シャ-プペンシルの芯保持部材 |