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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04Q 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04Q |
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管理番号 | 1124953 |
審判番号 | 不服2002-6180 |
総通号数 | 72 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2000-09-08 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-04-11 |
確定日 | 2005-10-13 |
事件の表示 | 平成11年特許願第 39850号「携帯情報端末を用いた速報伝送システム」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 9月 8日出願公開、特開2000-244971〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成11年2月18日の出願であって、平成14年2月18日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年4月11日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年5月9日付で手続補正がなされたものである。 2.平成14年5月9日付の手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成14年5月9日付の手続補正を却下する。 [理由] (1)補正後の本願発明 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、次のとおりに補正された。 「複数の基地局を備えた移動体通信網において当該基地局と無線接続される携帯電話又はPHS若しくはPDAからなる携帯情報端末に向けて、コンピュータネットワークを通じて速報を伝送する速報伝送システムであって、 前記コンピュータネットワークにおけるWWWブラウザを備えたクライアント機からの要求に応答して、当該クライアント機に、少なくとも速報内容、前記携帯情報端末の宛先アドレスおよび送信グループ選択、伝送時刻などの伝送条件の入力項目を含む登録用入力フォームを提供するWWWサーバを用いた速報登録手段と、 前記速報登録手段による登録データを記憶し管理するとともに前記速報登録手段を用いて前記携帯情報端末への伝送情報の登録又は変更を受け付け、送信グループを選択可能なデータベース管理手段と、 前記速報内容を電子メールに含めて選択された送信グループの携帯情報端末の宛先アドレスに向けて送信する電子メール管理手段と、 前記データベース管理手段を参照し、前記伝送条件に合致するタイミングで前記電子メール管理手段に指示して速報を伝送させる速報伝送制御手段と、 を備えて構成される速報伝送システム。」 上記補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「携帯情報端末」について「携帯電話又はPHS若しくはPDAからなる」との限定を付加し、同じく「クライアント機」について「WWWブラウザを備えた」との限定、「速報登録手段」について「WWWサーバを用いた」との限定、「データベース管理手段」について「送信グループを選択可能な」との限定、「携帯情報端末の宛先アドレス」について「選択された送信グループの」との限定をそれぞれ付加するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際、独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する平成15年法律第47号による改正前の特許法第126条第4項の規定に適合するか)について以下に検討する。 (2)引用刊行物 原査定の拒絶の理由に引用された特開平10-191409号(以下、「刊行物1」という。)には、図面とともに次の記載がある。 (ア)「この発明は、別々に運用されていたページャ、PHS、その他各種情報端末と、インターネット等のコンピュータネットワークを結合するための情報予約送信方式及び情報予約送信方法並びに送信サーバを提供するためのものである。」(第4欄第43-47行) (イ)「また、この発明は、コンピュータネットワークから情報端末へのメッセージ送信を可能するとともに、複雑な操作を必要とせず、任意の機種の情報端末について容易な操作を可能にするものである。」(第4欄48行-第5欄第1行) (ウ)「符号51a〜51cは、インターネットのユーザである。これらは主としてPC(Personal Computer)により構成される。符号51d〜51fは、インターネットサービスプロバイダ設備1のユーザであるプロバイダユーザである。これらも主としてPCにより構成される。」(第8欄第20-25行) (エ)「呼出サーバ15はデータベース16と接続され、WWWサーバ14からの呼出命令に従って所定の命令信号を生成し、ファクスモデムドライバ17に対し出力する。また、呼出サーバ15は、図示しない時計ユニットを備える。通常、すべてのパソコン、ワークステーションは時計ユニットを備える。」(第9欄第1-6行) (オ)「ファクスモデムドライバ17は、呼出サーバ15の制御に基づき、ファクスモデム19a,19bを動作させるための信号を出力する。ファクスモデム19a,19bは、ISDN TA20を介してPSTN/ISDN55に接続される。そして、命令信号は、サービス業者31a〜31cのうちの対応する一部あるいは全部に送信される。」(第9欄第10-16行) (カ)「図2は、メッセージ送信予約受け付けプログラムのフローチャートである。このプログラムは、ユーザからの送信予約依頼発生時に起動され、インターネットから「1.送信内容」「2.送信日時」「3.送信先」「4.送信方式(端末種類)」を受信するステップST1と、送信予定ファイルに「送信内容」「送信日時」「送信先」「送信方式」を記録するステップST2とからなる。」(第9欄第19-26行) (キ)「ユーザはPC51からインターネットまたはPPPサーバ経由でプロバイダ1に接続し(ST21)、WWWサーバ14のホームページに接続する(ST22)。情報登録画面に接続され(ST23a)、この画面で電話番号を入力する(ST23b)。次に信号を送信する相手である業者を選択する(ST24)。図4では、業者A〜Cのうちの業者Aが選択される。なお、業者B,Cが選択されたときでも、ST25以下の処理は同様である。次にメッセージを表示する相手側の機種(ページャであるか、携帯用データ端末であるか等。さらに詳細には、どのメーカのどの型番であるか等)を選択する(ST25)。」(第10欄第4―15行) (ク)「ユーザ、ブラウザ、WWWサーバの基本的な関係は次のようになっている。ユーザが入力する文字データはブラウザソフトによりURLに変換されることによりWWWサーバにアクセスされる。WWWサーバからのHTMLデータはブラウザソフトにより変換されてユーザ端末上の画面に表示される。」(第11欄第2-7行) (ケ)「次に、登録情報をまとめてファイル化する(ST33)。ファイルは、例えば「呼出電話番号」「送信文字列」から構成される。このファイルは、呼出サーバ15のスプール領域に送信される(ST34)。」(第11欄第20行、第12欄第1-4行) (コ)「データベース16には、例えば、図12に示されるように、転送日時ごとにデータが格納され、時間になったら取り出されて送信される。図12の各項目は上述のように入力される。」(第14欄第47-50行) (サ)「図13の場合、通知する電子メールを選択するフィルタリング機能を持たせることもできる。例えば、特定の発信者の電子メールのみを転送したり、特定のタイトルの電子メールのみを転送したり、一定範囲の日時に受信あるいは送信された電子メールのみを転送したり、テキスト形式の電子メールのみを転送したり、サイズが一定範囲内にある電子メールのみを転送したりすることが考えられる。」(第15欄第13-20行) これら(ア)-(サ)の記載及び図面によれば、刊行物1には、次の発明が記載されているものと認められる(以下、「刊行物1発明」という。)。 「ページャ、PHS、その他各種情報端末と、インターネット等のコンピュータネットワークを結合し、コンピュータネットワークを通じて情報を送信する情報予約送信方式であって、 ユーザはブラウザソフトを備えたパーソナルコンピュータから前記インターネットまたはPPPサーバ経由でプロバイダ1に接続し、WWWサーバ14のホームページに接続し、「送信内容」「送信日時」「送信先」などの入力項目を含む情報登録画面を提供するWWWサーバ14と、 インターネットから「1.送信内容」「2.送信日時」「3.送信先」「4.送信方式(端末種類)」を受信し、転送日時ごとにデータが格納されるデータベース16と、 データベース16と接続され、時間になったらデータを取り出して送信先へ送信させる呼出サーバ15と を備えて構成される情報予約送信方式。」 (3)対比 本願補正発明と刊行物1発明とを比較する。 (ア)ページャ、PHSは複数の基地局を備えた移動体通信網に係るものである。また、携帯情報端末としてPDAもこの出願の時においてよく知られていたものである。したがって、刊行物1発明の「ページャ、PHS、その他各種情報端末」は、本願補正発明の「複数の基地局を備えた移動体通信網において当該基地局と無線接続される携帯電話又はPHS若しくはPDAからなる携帯情報端末」に相当する。 (イ)コンピュータのクライアントとは、「ネットワーク上で他のコンピューターからサービスを受けるコンピューター」(広辞苑第5版)である。刊行物1発明において、ユーザの使うパーソナルコンピュータPC51は、WWWサーバ14というコンピュータから情報登録画面を提供され情報の登録というサービスを受けるコンピュータである。してみれば、刊行物1発明におけるパーソナルコンピュータPC51はWWWサーバ14に対してクライアントの位置づけにあることから、刊行物1発明の「パーソナルコンピュータ」は、本願補正発明の「クライアント機」に相当する。 (ウ)データベースシステムとは「情報という資源の有効利用をめざす情報集約型システムの総称.データベースシステムはデータベースとデータベース管理システム(database management system; DBMSと略称)で構成され,通常は計算機システム上に構築される.データベースはデータそのものを指すが,システム全体を単にデータベースということもある.」(岩波情報科学辞典 第1版)というものである。 そして、刊行物1発明の「データベース16」は、前記2.(2)(コ)において「データベース16には、例えば、図12に示されるように、転送日時ごとにデータが格納され、時間になったら取り出されて送信される。」と記載されているごとく、データの格納、取り出しといった管理を行っている。 してみれば、刊行物1発明の「データベース16」に関する構成は、本願補正発明の「データベース管理手段」に相当する構成を含んでいるものと認められる。 (エ)「伝送」とは、順次につたえおくること、電気信号を送り伝えることであり、「送信」とは、相手に伝えるために通信を送ることである。してみれば、刊行物1発明における「情報予約送信方式」は、情報を相手に伝えるために送るシステムであり、本願補正発明と「情報伝送システム」である点で一致する。 (オ)前記2.(2)の(エ)、(ケ)、(コ)を踏まえれば、刊行物1発明の「呼出サーバ15」は、データベース16と接続され、時間になったらデータを取り出し、その取り出したデータを情報として送信先に送信させるものであるから、送信する情報を管理する機能と、情報の伝送制御に関わる機能を備えているものと認められる。 そして、本願補正発明の「速報伝送制御手段」における「速報」は「情報」として捉えることができ、また、本願補正発明の「電子メール管理手段」における「電子メール」は「送信情報」と捉えることができるものであるから、刊行物1発明の「呼出サーバ15」と、本願補正発明の「電子メール管理手段」及び「速報伝送制御手段」とは、ともに「送信情報管理手段」及び「情報伝送制御手段」を備えている点で一致している。 (カ)刊行物1発明の「WWWサーバ」は、「送信内容」、「送信日時」、「送信先」などの入力項目を含む情報登録画面をブラウザソフトを備えたパーソナルコンピュータに提供するものであって、送信内容としての「情報」を登録するものであるから、情報登録機能を備えているものと認められる。 そして、本願補正発明の「速報登録手段」の「速報」も「情報」と捉えることができるものであるから、刊行物1発明の「WWWサーバ」と本願補正発明の「速報登録手段」は、「情報登録手段」として一致している。 (キ)そして、刊行物1発明の「ブラウザソフト」、「送信先」及び「送信日時」は、それぞれ本願補正発明の「WWWブラウザ」、「前記携帯情報端末の宛先アドレス」及び「伝送時刻」に相当する。 したがって、両者は、 「複数の基地局を備えた移動体通信網において当該基地局と無線接続される携帯電話又はPHS若しくはPDAからなる携帯情報端末に向けて、コンピュータネットワークを通じて情報を伝送する情報伝送システムであって、 前記コンピュータネットワークにおけるWWWブラウザを備えたクライアント機からの要求に応答して、当該クライアント機に、少なくとも情報内容、前記携帯情報端末の宛先アドレス、伝送時刻などの伝送条件の入力項目を含む登録用入力フォームを提供するWWWサーバを用いた情報登録手段と、 前記送信情報登録手段による登録データを記憶し管理するとともに前記送信情報登録手段を用いて前記携帯情報端末への伝送情報の登録を受け付けるデータベース管理手段と、 前記情報内容を携帯情報端末の宛先に向けて送信する送信情報管理手段と、 前記データベース管理手段を参照し、前記伝送条件に合致するタイミングで前記情報管理手段に指示して情報を伝送させる情報伝送制御手段と、 を備えて構成される情報伝送システム。」 の点で一致し、以下の点で相違している。 [相違点1]伝送される対象が、本願補正発明においては「速報」であるのに対して、刊行物1発明においては「情報」である点。 [相違点2]送信情報管理手段において送信する情報内容を、本願補正発明においては、電子メールに含めて送信するようになっているのに対して、刊行物1発明においては、送信先へ送信するものの、電子メールに含めて送信するようにはなっていない点。 [相違点3]本願補正発明においては、データベース管理手段において、送信グループを選択可能とし、更に電子メール管理手段において、選択された送信グループの宛先アドレスに向けて電子メールを送るようにしている。つまり、情報の宛先に関し、本願補正発明においては、送信グループを選択可能としているのに対し、刊行物1発明においては、送信グループを選択可能とし、選択された送信グループに送信するように構成されていない点。 [相違点4]本願補正発明においては、データベース管理手段において伝送情報の登録又は変更を受け付ける構成を備えているのに対し、刊行物1発明においては、データベース管理手段は伝送情報の登録は行うものの変更まで行う構成を備えていない点。 (4)判断 [相違点1について] 刊行物1には「予約時刻を「直ちに」に設定すればすぐに(あるいは1分以内に)メッセージが伝達される」(第13欄第45-46行)という記載があり、刊行物1発明は、メッセージとしてすぐに伝達されるもの、すなわち早く他人に通知して、その人が知るようにするものも念頭に置いているものと認められる。 してみれば、刊行物1発明において伝送される情報として「速報」を対象とすることは当業者であれば容易になし得たことである。 [相違点2について] 前記2.(2)の(サ)において引用したとおり、刊行物1には、情報予約送信方式に関して、「電子メール」を「転送」することが記載されており、この記載は情報の送信に電子メールを使用することを示唆しているものと認められる。そして、情報の送信に際して、その情報を電子メールの本文内容として、あるいは添付ファイルとして送信することは周知の技術であるので、送信する情報内容を電子メールに含めて送信するように構成することは、当業者であれば容易になし得たことである。 [相違点3について] 平成14年2月18日付の拒絶査定において示した特開平10-234085号公報には、その第11欄第46-50行に「グループ・アドレス指定を利用することにより・・・メッセージが・・・複数の受取人へコピーされる」と記載されている。 また、特開平9-214546号公報の図2-4に関連して第5欄第42行-第6欄第18行には「電子メールシステムでは、発信先電子メールアドレスの属性条件記述時のルールが定められる。・・・例えば発信先の指定を、”[M50Bd@nec.co.jp”とした場合、発信者はドメインnec.co.jp配下の利用者のうち、50歳男性で格付1がBランク(格付1B)、格付2がdランク(格付2d)の者を対象として発信する。」と記載されている。 更に、特開平10-117211号公報には、図5-9に関連して第9欄第29行-第10欄第6行に「ユーザがクライアント側のパソコンで配信先算出規則IDを指定すると・・・例えば算出規則として「年齢」が指定されている場合は、・・・条件に一致する場合はその配信先アドレスを獲得して・・・通信回線を介して記事を配信先に送信」と記載されている。 つまり、上記各刊行物に記載されているように、電子メールを送信するに際して送信グループを指定することにより複数の相手に送信することは、送信グループの指定に関しクライアントが送信先の呼出番号を知らなくても電子メールなどのメッセージを送信できるようにする点を含めて周知の技術である。 刊行物1において電子メールを送ることへの言及があることをかんがみれば、刊行物1発明に上記周知技術を適用して、送信グループを選択可能として、選択された送信グループに電子メールを送るようにして、本願補正発明の速報登録手段、データベース管理手段のように構成することは当業者であれば容易になし得たことである。 [相違点4について] 特開平7-311807号公報には図1に関連して第4欄第15―40行に「端末機器4によって、・・・必要な情報がすべて入力される。・・・端末機器4に入力された医療情報は、ファイルサーバ2を介して医療情報データバンク1に入力される。・・・医療情報に変更がある場合には、・・・変更があったデータを入力し、医療情報データバンク1に追加・・・端末機器4によって登録、検索および更新できる」と記載されている。 また、特開平11-25177号公報には、図1、12、15に関連して第12欄第8-11行に「予約者の操作に基づきパソコン11で、・・・予約の申込や予約の取消、変更等が、この画面を介して要求することができる。」と記載されている。 入力用フォームを用いて登録したデータを変更することができるようにすることは、上記各刊行物に記載されているごとく周知の技術である。 刊行物1発明においても、データベース管理手段において伝送情報に係るデータの登録をしているのであるから、上記周知技術を採用して登録した伝送情報の変更を受け付けるようにすることは当業者であれば容易になし得たことである。 そして、本願補正発明の作用効果も、刊行物1に記載された発明及び周知技術から当業者が容易に予測できる範囲のものである。 したがって、本願補正発明は、刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際、独立して特許を受けることができないものである。 (5)むすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用する平成15年法律第47号による改正前の特許法第126条第4項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項において読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 3.本願発明について 平成14年5月9日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成13年11月26日付手続補正書の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「複数の基地局を備えた移動体通信網において当該基地局と無線接続される携帯情報端末に向けて、コンピュータネットワークを通じて速報を伝送する速報伝送システムであって、 前記コンピュータネットワークにおけるクライアント機からの要求に応答して、当該クライアント機に、少なくとも速報内容、前記携帯情報端末の宛先アドレスおよび送信グループ選択、伝送時刻などの伝送条件の入力項目を含む登録用入力フォームを提供する速報登録手段と、 前記速報登録手段による登録データを記憶し管理するとともに前記速報登録手段を用いて前記携帯情報端末への伝送情報の登録又は変更を受け付けるデータベース管理手段と、 前記速報内容を電子メールに含めて携帯情報端末の宛先アドレスに向けて送信する電子メール管理手段と、 前記データベース管理手段を参照し、前記伝送条件に合致するタイミングで前記電子メール管理手段に指示して速報を伝送させる速報伝送制御手段と、 を備えて構成される速報伝送システム。」 (1)引用刊行物 原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1、および、その記載事項は、前記2.(2)に記載したとおりである。 (2)対比・判断 本願発明は、前記2.で検討した本願補正発明から「携帯情報端末」の限定事項である「携帯電話又はPHS若しくはPDAからなる」との構成を省き、「クライアント機」の限定事項である「WWWブラウザを備えた」との構成、「速報登録手段」の限定事項である「WWWサーバを用いた」との構成、「データベース管理手段」の限定事項である「送信グループを選択可能な」との構成、「携帯情報端末の宛先アドレス」の限定事項である「選択された送信グループの」との構成をそれぞれ省いたものである。 そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、更に他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記2.(4)に記載したとおり、刊行物1、及び、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、刊行物1、及び、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (3)むすび 以上のとおり、本願発明は、刊行物1に記載された発明、及び、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。したがって、本件出願は、他の請求項について検討するまでもなく拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-08-10 |
結審通知日 | 2005-08-17 |
審決日 | 2005-09-01 |
出願番号 | 特願平11-39850 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H04Q)
P 1 8・ 575- Z (H04Q) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大日方 和幸 |
特許庁審判長 |
井関 守三 |
特許庁審判官 |
堀江 義隆 橋本 正弘 |
発明の名称 | 携帯情報端末を用いた速報伝送システム |
代理人 | 柳野 隆生 |