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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61K |
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管理番号 | 1125666 |
審判番号 | 不服2002-21667 |
総通号数 | 72 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1992-11-17 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-11-07 |
確定日 | 2005-11-02 |
事件の表示 | 平成 4年特許願第 32050号「ケラチン物質の洗浄組成物および洗浄方法」拒絶査定不服審判事件〔平成 4年11月17日出願公開、特開平 4-327523〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本願は、平成4年2月19日(パリ条約に基づく優先権主張日1991年2月19日、仏国)の出願であって、特許を受けようとする発明は平成14年12月9日付けの手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1〜6に記載されたとおりのものである。 2.引用刊行物の記載事項 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された刊行物(以下、引用例1〜3という。)には、以下の事項が記載されている。 引用例1:特開平3-20213号公報 引用例2:特開昭61-12799号公報 引用例3:特開昭54-24908号公報 引用例1-3には、皮膚・毛髪の保護や洗い上がりの毛髪の櫛通りをよくするために、油性物質をシャンプー組成物に配合することが記載され、特に引用例1には、実施例として油性物質として流動イソパラフィンをヤシ油脂肪酸を脂肪酸原料とするメチルタウリンナトリウム水溶液やラウリルジメチルアミンオキシド等の界面活性剤に配合し、乳化可溶化剤としてポリエチレングリコールモノステアレートを使用した身体洗浄剤が記載されており、これは洗い上がりの皮膚につっぱり感がなく、頭髪用にも好適であると記載されている(第6-8頁)。また、引用例2には、油性物質をエチレンオキサイドと脂肪酸の縮合物、ポリエチレン(実施例からみて、ポリオキシエチレンの誤記と認められる)もしくはポリオキシプロピレン誘導体などの乳化剤とともにシャンプーに配合することが記載されている(第4頁上段など)。 3.対比・判断 引用例1の身体洗浄剤で使用されている界面活性剤は、請求項1に係る発明(以下、本願発明という。)のC)成分に相当するものであり、乳化可溶化剤として使用されているポリエチレングリコールモノステアレートは、本願発明のB)のものに相当し、また引用例1の身体洗浄剤の対象である皮膚・毛髪はケラチン物質である。 そうすると、本願の発明の洗浄剤組成物と引用例1に記載の洗浄剤組成物は、いずれも、油性物質として流動性のイソパラフィンを清浄特性をもつ界面活性剤に配合し、ポリエチレングリコールモノステアレートを乳化剤として使用したケラチン物質の洗浄組成物である点において一致し、界面活性剤の配合量が異なること(相違点1)、及び本願発明ではイソパラフィンの構造(nの数)を一定範囲のものに特定し、かつ粘度を細管粘度で一定以下のものに特定しているのに対し、引用例1にはそのような特定をする記載がない点(相違点2)で相違する。そこで、以下に検討する。 相違点1について 本願の請求項1に係る発明で使用される界面活性剤は、引用例1にも記載されているように(5頁左下欄〜右下欄)身体洗浄剤として一般的に使用されるものであり、その配合量も身体洗浄剤に使用するものとして通常の範囲に過ぎないから、当業者が適宜に選定できる程度のことと認められる。 相違点2について 引用例1で使用されているイソパラフィンは市販のものであって、一般に化粧料の油分として使用されるものは分子量の小さい軽量イソパラフィンであるから、本件発明においてイソパラフィンを比較的分子量の小さい範囲及びその粘度が比較的低い点を特定したとしても、これらの点において特に異なるものとはいえない。 4.むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例1-3の記載に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-06-07 |
結審通知日 | 2005-06-10 |
審決日 | 2005-06-22 |
出願番号 | 特願平4-32050 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(A61K)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 福井 悟、齋藤 恵 |
特許庁審判長 |
竹林 則幸 |
特許庁審判官 |
横尾 俊一 森田 ひとみ |
発明の名称 | ケラチン物質の洗浄組成物および洗浄方法 |
代理人 | 歌門 章二 |
代理人 | 浅村 肇 |
代理人 | 浅村 皓 |
代理人 | 長沼 暉夫 |