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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1128507
審判番号 不服2000-11029  
総通号数 74 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-02-08 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-07-19 
確定日 2006-01-04 
事件の表示 平成10年特許願第219771号「遊技装置」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 2月 8日出願公開、特開2000- 37501〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
第1、手続きの経緯・本願発明
本願は、平成10年7月16日の出願であって、その請求項1及び2に係る発明は、平成11年7月12日付け及び平成17年5月30日付けで補正された明細書及び出願当初の図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1及び2に記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項1に記載された発明は次のとおりのものである。
【請求項1】 複数種のシンボルを順次連続的に表示するための3の表示手段と、
その表示手段における前記連続的表示を停止させてシンボルを固定表示させるための表示固定手段と、
入賞条件達成の有無を判定する入賞判定手段とを有し、
前記表示固定手段を遊技者が操作して前記表示手段にシンボルを固定的に表示させることができ、前記表示手段が固定的に表示したシンボルの種類と位置が所定の入賞条件を達成することと入賞とが対応するゲームを実行する遊技機であって、
前記3の表示手段が何れも2の有効シンボルを固定的に表示し得、
それらの表示手段においてそれぞれ固定的に表示し得る一方の有効シンボルである3つの有効シンボルが一定直線上に位置し、それらの表示手段においてそれぞれ固定的に表示し得る他方の有効シンボルである3つの有効シンボルが前記一定直線に並列する他の直線上に位置し、
前記ゲームに賭けられる価値手段が1、2又は3であり、前記入賞判定手段による判定において、賭けられる価値手段が1である場合は前記一定直線上のシンボルの組み合わせのみが入賞条件達成上有効となり、賭けられる価値手段が2である場合は前記一定直線上のシンボルの組み合わせと前記他の直線上のシンボルの組み合わせの2通りがそれぞれ入賞条件達成上有効となり、賭けられる価値手段が3である場合は各表示手段により固定的に表示された有効シンボルから任意の1つずつを全表示手段について採用した場合の全ての組み合わせである8通りがそれぞれ入賞条件達成上有効となるものであることを特徴とする遊技装置。(以下「本願発明」という)

第2、当審の拒絶理由
一方、当審において平成17年3月22日付けで通知した拒絶理由の概要は、本願発明は、特開平9-75517号公報及び実公平6-5824号公報に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

第3、刊行物に記載された発明
特開平9-75517号公報(以下、「引用刊行物1」という)の
段落番号【0001】には、
「【産業上の利用分野】本発明は、パチンコ機、コイン遊技機、スロットマシン等の遊技機に関するものであり、詳しくは、複数の図柄を表示する図柄表示装置が設けられており、その図柄表示装置に表示される複数の図柄が特定の組み合わせになった場合に、遊技者にとって有利な状態となる、いわゆる図柄合わせタイプの遊技機に関するものである。」と、
段落番号【0013】には、
「一方、パチンコ機1は、特別図柄として、特別図柄表示装置3に、2行×3列の行列状に並べられた麻雀牌の動画を表示できるようになっており(図3参照、以下、各特別図柄を左上図柄a、中上図柄b、右上図柄c、左下図柄d、中下図柄e、右下図柄fという)、普通電動役物4に遊技球が入賞した場合には、それらの6つの特別図柄が変動し、新たな特別図柄と切り替わるようになっている(以下、本発明においては、特別図柄の横方向の配列を「行」といい、特別図柄の縦方向の配列を「列」という)。特別図柄の変動は、図4の如く、2行×3列に配置された6つの麻雀牌が各列毎に上から下に流れるように循環する動画を表示することによって行われ、左列では、図5(a)の順番で、中列では、図5(b)の順番で、右列では、図5(c)の順番で、それぞれ各種の麻雀牌が次々と出現するようになっている。なお、図5(a)〜(c)から明らかなように、左列および中列の特別図柄(麻雀牌)の配列(三元牌,1,2,3,4,5,6,7,8,9,・・)は同一になっており、右列の特別図柄の配列(9,8,7,6,5,4,3,2,1,三元牌,・・)は、それらの配列と逆になっている。」と、
段落番号【0014】には、
「また、特別図柄表示装置3が6つの特別図柄を表示した状態において、左上図柄a、中上図柄b、右上図柄cを表示する上側の行と、左下図柄d、中下図柄e、右下図柄fを表示する下側の行は、それぞれ「当たりライン」になっている(以下、左上図柄a、中上図柄b、右上図柄cの「当たりライン」を「上側当たりライン」といい、左下図柄d、中下図柄e、右下図柄fの「当たりライン」を「下側当たりライン」という)。」と、
段落番号【0015】には、
「さらに、パチンコ機1は、特別図柄の変動開始から所定時間を経過した後に、特別図柄表示装置3の画面の各列を循環している特別図柄を、左列、中列、右列の順に、停止させるようになっている(左列を停止した場合には、左上図柄aおよび左下図柄dが停止表示となり、中列、右列を停止した場合には、それぞれ中上図柄bおよび中下図柄e、右上図柄c右下図柄fが停止表示となる)。・・・そして、全ての特別図柄が停止した際に、「上側当たりライン」あるいは「下側当たりライン」に停止表示された3つの特別図柄が特定の組み合わせとなった場合には、遊技者にとって有利な「大当たり状態」あるいは「中当たり状態」(後述する)が生起し、大入賞口7が開成するように構成されている。・・・」と、
段落番号【0016】には、
「また、パチンコ機1には、・・・、「大当たり」あるいは「中当たり」の生起を決定するカウンタであるLUCRND、「大当たり図柄」あるいは「中当たり図柄」を「上側当たりライン」あるいは「下側当たりライン」の何れの「当たりライン」に表示するかを決定するカウンタであるLCO、上側あるいは下側の何れかの「当たりライン」に表示される各特別図柄の「大当たり図柄」を決定するカウンタであるLUCZGR、「上側当たりライン」に表示される各特別図柄の「はずれ図柄」を決定するカウンタであるRNDA、RNDB、RNDC等の各カウンタが内蔵されている。」と、
段落番号【0024】には、
「遊技球が普通電動役物4に入賞した瞬間のLUCRND、RNDA、RNDB、RNDCの各カウンタの値が記憶された後には、まず、LUCRNDの値が取り出され、「大当たり・中当たり判定」が行われる。LUCRNDの値が「7」の場合には「大当たり」と判定され、「0」〜「4」である場合には「中当たり」と判断され、「7」および「0」〜「4」以外の場合には「はずれ」と判定される。」と、
段落番号【0025】には、
「・・・一方、「大当たり」と判定された場合には、その瞬間のLUCZGRの値が取り出される。そして、取り出されたLUCZGRの値に対応した「大当たり図柄(図6参照)」が、その回の停止図柄(表示図柄)として、特別図柄表示装置3の「上側当たりライン」あるいは「下側当たりライン」の内、取り出されたLCOの値に対応した何れかの「当たりライン」に表示される(たとえば、「大当たり」と判定された瞬間に取り出されたLCO,LUCZGRの値が、それぞれ「0」、「1」である場合には、「上側当たりライン」に「2,2,2」の「大当たり図柄」が表示される)・・・」と、
段落番号【0026】には、
「また、「中当たり」と判定された場合には、・・・「中当たり図柄」として「白、発、中」の図柄が表示される。・・・」と、
段落番号【0027】には、
「・・・(したがって、たとえば、「はずれ」と判定された場合であって、RNDA=1,RNDB=1,RNDC=8と記憶されている場合には、左図柄、右図柄、中図柄として特別図柄表示装置3に「1,1,2」の「はずれ図柄」が表示される)・・・」と、
段落番号【0042】には、
「・・・なお、特別図柄表示装置3は、必ずしも液晶テレビ画面からなるものとせず、場合によっては、複数の図柄が描かれた複数のドラムが同軸に枢着された構造のものを利用することもできる。」と、
段落番号【0045】には、
「【発明の効果】本発明の遊技機は、「当たりライン」が2つ以上であるとともに、1つの「当たりライン」が「リーチ状態」である場合には、他の全ての「当たりライン」も「リーチ状態」であるので、本発明の遊技機によれば、遊技者は、「大当たり」を生起させる所定の図柄が何れの「当たりライン」に表示されるのか、ということに高い関心を寄せることになるし、また、一回の「リーチ状態」において、いわばダブルチャンスを味わうことができるし、さらに、「リーチ状態」毎に「大当たり」発生に対する大きな期待感を抱くことになるので、いつまでも興味を持って遊技を続行することができる。」と、それぞれ記載され、
また、図面、特に特別図柄表示装置が特別図柄を表示した状態を示す説明図である【図3】には、「左上図柄a、中上図柄b、右上図柄cを表示する上側の行と、左下図柄d、中下図柄e、右下図柄fを表示する下側の行とは、並列する直線上に位置」していることが示されているから、これらの記載を併せると、
引用刊行物1には、
「複数種の特別図柄を上から下に流れるように変動表示するための3のドラムを有し、
そのドラムにおける前記変動表示を変動開始から所定時間を経過した後に、順次停止させて特別図柄を停止表示させることができ、全ての特別図柄が停止した際に複数の特別図柄が特定の組み合わせになった場合に、遊技者にとって有利な状態となる遊技機であって、
(ア)前記3のドラムが何れも2の特別図柄を停止表示し得、
それらのドラムにおいてそれぞれ停止表示し得る一方の特別図柄である3つの特別図柄が一定直線上に位置し、それらのドラムにおいてそれぞれ停止表示し得る他方の特別図柄である3つの特別図柄が前記一定直線に並列する他の直線上に位置し、
上側当たりラインあるいは下側当たりラインに停止表示された3つの特別図柄が特定の組み合わせとなった場合には、遊技者にとって有利な状態となる遊技機であり、
(イ)LUCRNDカウンタの値が「7」の場合には「大当たり」と判定され「大当たり図柄」が停止表示され、「0」〜「4」である場合には「中当たり」と判断され「中当たり図柄」が停止表示され、「7」および「0」〜「4」以外の場合には「はずれ」と判定され「はずれ図柄」が停止表示される、
遊技機」の発明(以下、「引用刊行物1に記載された発明」という)が記載されていると認められる。

実公平6-5824号公報(以下、「引用刊行物2」という)の
第2頁第3欄第39行乃至第45行には、
「〔作用〕
3個のリールの中で、中間に位置するリールとその両側に位置するリールの間で、各リールの絵柄を順に結ぶ線が略山型又は略谷型となるように入賞ラインを形成することにより、既存のリール配列を活かして入賞ラインを、従来の5ラインに加え2ライン又は4ラインが加わりゲーム性が高まる。」と、
第2頁第3欄第46行乃至第4欄第8行には、
「〔実施例〕
次に、本考案の実施例について図に拠り説明する。
図に於て、1はスロットマシンの正面パネル、2,3,4はこのパネルに隣接して設けた表示窓、5,6,7は前記表示窓2〜4の背面に配設した3個のリールで、各リールにはその外面に所定絵柄等P1〜Pnが表示されている。なお、絵柄等には、文字,記号が含まれる。
ここで、上記絵柄P1〜Pnは、1リールについて少なくとも3個が各表示窓2〜4から見えるように、各リール5〜7の外径、或は、絵柄P1〜Pnの大きさやそのピッチ、若しくは、表示窓2〜4の大きさが整合されているものとする。」と、
第2頁第4欄第13行乃至第29行には、
「8〜12は、上記表示窓2〜4の3個の絵柄に対し、平行及び対角線状に付した入賞ライン表示で、これら5本のライン8〜12が従来から用いられている第1乃至第5入賞ラインを形成する。
13は各表示窓2〜4から見える絵柄のうち、リール5の絵柄P3,リール6の絵柄P2,リール7の絵柄Pn-2を結ぶ第6入賞ライン、14は同じようにして、絵柄P3,絵柄P6,絵柄Pn-2を結ぶ第7入賞ラインである。
尚、上記入賞ライン13,14に代え、若しくは、これらに加えて、図の左の絵柄から順に絵柄P1-P4-Pn-1を結ぶライン、或は、絵柄P5-P4-Pn-3を結ぶラインを別の入賞ラインとして形成してもよい。
〔考案の効果〕
このようにすると、既存スロットマシンのリール配列をそのまま活かし、従来の入賞ライン8〜12の5ラインに加え、新たに2ライン、又は、4ラインが加わるので、ゲーム入賞の機会が増え、ゲーム性が高まる。」と、それぞれ記載され、
また、本考案の実施の一例を示す要部の正面図である第1図には「第6及び第7入賞ラインは、上下に隣接する2本の水平な入賞ライン上の絵柄を略山型又は略谷型となるように順に結ぶライン」であることが示されているから、これらの記載を併せると、
引用刊行物2には、
「3個のリールが何れも3個の絵柄を停止表示し得、
3本の平行線及び2本の対角線状に付した計5本の入賞ラインに加え、各リールの絵柄を順に結ぶ線が略山型又は略谷型となるように入賞ラインを2ライン又は4ラインを加え形成する、既存のリール配列をそのまま活かしたスロットマシンであって、上記の略山型又は略谷型となる入賞ラインは、上下に隣接する2本の水平な入賞ライン上の絵柄を順に結ぶものであるスロットマシン」の発明(以下、「引用刊行物2に記載された発明」という)が記載されていると認められる。

第4、本願発明と引用刊行物に記載された発明との比較・検討
本願発明と引用刊行物1に記載された発明とを比較する。
引用刊行物1に記載された発明の「特別図柄」は本願発明の「シンボル」に相当し、以下同様に、「上から下に流れるように変動表示する」は「順次連続的に表示する」に、「ドラム」は「表示手段」に、「停止表示」は「固定的に表示」に、「全ての特別図柄が停止した際に複数の特別図柄が特定の組み合わせになった場合に、遊技者にとって有利な状態となる遊技機」は「表示手段が固定的に表示したシンボルの種類と位置が所定の入賞条件を達成することと入賞とが対応するゲームを実行する遊技機」に、「当たりライン」は「直線」に、それぞれ相当する。そして、引用刊行物1に記載された発明の「LUCRNDカウンタの値により「大当たり・中当たり・はずれ」を判定し「大当たり図柄・中当たり図柄・はずれ図柄」を停止表示」という技術事項は、当業者の技術常識からみれば、本願発明の「入賞条件達成の有無を判定する入賞判定手段」に相当する技術事項を有していることは明らかであり、また同様に当業者の技術常識からみれば、「停止表示された特別図柄」は、「有効シンボル」に相当することは明らかであるから、両者の一致点及び相違点は次のとおりである。

一致点
複数種のシンボルを順次連続的に表示するための3の表示手段と、
入賞条件達成の有無を判定する入賞判定手段とを有し、
前記表示手段にシンボルを固定的に表示させることができ、前記表示手段が固定的に表示したシンボルの種類と位置が所定の入賞条件を達成することと入賞とが対応するゲームを実行する遊技機であって、
前記3の表示手段が何れも2の有効シンボルを固定的に表示し得、
それらの表示手段においてそれぞれ固定的に表示し得る一方の有効シンボルである3つの有効シンボルが一定直線上に位置し、それらの表示手段においてそれぞれ固定的に表示し得る他方の有効シンボルである3つの有効シンボルが前記一定直線に並列する他の直線上に位置する遊技機。
相違点(A)
本願発明では、表示手段における連続的表示を停止させてシンボルを固定表示させるために遊技者が操作する表示固定手段を有するのに対し、引用刊行物1に記載された発明では、表示固定手段を有するかどうか不明である点。
相違点(B)
本願発明では、ゲームに賭けられる価値手段が1、2又は3であり、入賞判定手段による判定において、賭けられる価値手段が1である場合は一定直線上のシンボルの組み合わせのみが入賞条件達成上有効となり、賭けられる価値手段が2である場合は前記一定直線上のシンボルの組み合わせと他の直線上のシンボルの組み合わせの2通りがそれぞれ入賞条件達成上有効となり、賭けられる価値手段が3である場合は各表示手段により固定的に表示された有効シンボルから任意の1つずつを全表示手段について採用した場合の全ての組み合わせである8通りがそれぞれ入賞条件達成上有効となるものである遊技装置であるのに対し、引用刊行物1に記載された発明では、ゲームに賭けられる価値手段とシンボルの組み合わせについて不明である点。

そこで、上記相違点について検討する。
相違点(A)について
スロットマシン等の遊技機が通常備えている「ドラムの回転を停止させるストップボタン」は本願発明の「表示手段における連続的表示を停止させてシンボルを固定表示させるために遊技者が操作する表示固定手段」に相当するから、相違点(A)に係る本願発明の発明を特定する事項は、引用刊行物1に記載された発明に、上記遊技機が通常備えているストップボタンを組合せて、当業者が容易になし得たものと認められる。
相違点(B)について
スロットマシン等の遊技装置において、ゲームに賭けられる価値手段が1、2又は3であり、入賞判定手段による判定において、当該価値手段が1である場合は一定水平直線上のシンボルの組み合わせのみが入賞条件達成上有効となり、当該価値手段が2である場合は前記一定水平直線上のシンボルの組み合わせと他の並列する水平直線上のシンボルの組み合わせとが入賞条件達成上有効となり、当該価値手段が3である場合は上記水平直線に加えて他の線上のシンボルの組み合わせを入賞条件達成上有効とすることは、例えば、実公昭56-10388号公報及び実公平5-41731号公報に記載されているように周知の事項であるから、当該周知の事項を引用刊行物1に記載された発明に当てはめると、価値手段が1である場合は上側当たりラインのみまたは下側当たりラインのみが入賞条件達成上有効となり、また、価値手段が2である場合は上側当たりライン及び下側当たりラインの2本のラインが入賞条件達成上有効となることは明らかであり、さらに、価値手段が3である場合に対応する、価値手段が1、2である場合と相違する入賞ラインの設定をするにあたり、上記引用刊行物2に示される入賞ライン、すなわち、左、中、右の3列の図柄を上下2行に配した場合の入賞ラインとして、各列から上下を任意に選択して左、中、右の図柄を順に結ぶことにより略山型又は略谷型となる入賞ラインを、引用刊行物1に記載された発明における価値手段が3である場合に採用することは、当業者が容易になし得ることである。
しかも、当該入賞ラインをいくつ設定するかは単なる設定事項であり、8通りとすることも、3列の図柄を上下2行に配した場合にあっては、単に全ての組合せを採用するものであって、格別の創意工夫、及び効果が存するとは認められない。
したがって、当該相違点(B)は格別のものではない。

第5、むすび
上記のように、本願発明は、当審で通知した拒絶の理由に示された上記刊行物1及び2に記載された発明、並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-10-19 
結審通知日 2005-10-25 
審決日 2005-11-09 
出願番号 特願平10-219771
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宮本 昭彦神 悦彦秋山 斉昭  
特許庁審判長 中村 和夫
特許庁審判官 白樫 泰子
川島 陵司
発明の名称 遊技装置  
代理人 高良 尚志  

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