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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  H04N
管理番号 1128910
異議申立番号 異議2003-73775  
総通号数 74 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2002-10-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-12-26 
確定日 2005-10-31 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3452198号「画像印刷装置および方法、印刷媒体、並びにプログラム」の請求項1から請求項5まで、請求項7から請求項11まで、請求項13および請求項14に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3452198号の請求項1から請求項5まで、請求項7から請求項11まで、請求項13および請求項14に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許(特許第3452198号:請求項の数14)に係る発明についての出願は、平成12年8月25日にした特許出願(特願2000-256295号)の一部を新たな特許出願とした出願(特願2001-331474号、平成13年10月29日出願)について、その一部をさらに新たな特許出願とした平成14年1月16日の出願であり、その発明について、平成15年7月18日に特許権の設定の登録がされた。
その後、その請求項1から請求項5まで、請求項7から請求項11まで、請求項13および請求項14に係る特許に対して、平成15年12月26日に、森崎慎二から特許異議の申立てがあった。
平成17年5月18日付けで取消しの理由が通知されたところ、同通知において指定された期間内(平成17年8月1日)に、訂正請求書が提出された。

2.訂正の請求
(1)結論
訂正を認める。
(2)理由
(a)請求の趣旨
平成17年8月1日付け訂正請求書(本件訂正という)の趣旨は、願書に添付した明細書(特許明細書)を訂正請求書に添付した訂正した明細書(訂正明細書)のとおりに訂正することを求めるものである。
(b)訂正の内容
〈訂正事項1〉
請求項1において、
「前記落書き手段は、前記選択手段により選択された前記第1の落書き対象画像と前記第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像だけでなく、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像だけでなく、前記第1の落書き対象画像に落書きする処理を繰り返し、」(訂正前)とあるのを、
「前記落書き手段は、前記選択手段により選択された前記第1の落書き対象画像と前記第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像に落書きし、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像にされた落書きを前記第2の落書き対象画像に反映させて、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像にされた落書きを前記第1の落書き対象画像に反映させて、前記第1の落書き対象画像に落書きする処理を繰り返し、」(訂正後)と書き換える。
〈訂正事項2〉
請求項8において、
「前記落書きステップの処理では、前記選択ステップの処理により選択された前記第1の落書き対象画像と前記第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像だけでなく、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像だけでなく、前記第1の落書き対象画像に落書きする処理を繰り返し、」(訂正前)とあるのを、
「前記落書きステップの処理では、前記選択ステップの処理により選択された前記第1の落書き対象画像と前記第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像に落書きし、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像にされた落書きを前記第2の落書き対象画像に反映させて、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像にされた落書きを前記第1の落書き対象画像に反映させて、前記第1の落書き対象画像に落書きする処理を繰り返し、」(訂正後)と書き換える。
〈訂正事項3〉
請求項14において、
「前記落書きステップの処理では、前記選択ステップの処理により選択された前記第1の落書き対象画像と前記第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像だけでなく、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像だけでなく、前記第1の落書き対象画像に落書きする処理を繰り返し、」(訂正前)とあるのを、
「前記落書きステップの処理では、前記選択ステップの処理により選択された前記第1の落書き対象画像と前記第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像に落書きし、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像にされた落書きを前記第2の落書き対象画像に反映させて、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像にされた落書きを前記第1の落書き対象画像に反映させて、前記第1の落書き対象画像に落書きする処理を繰り返し、」(訂正後)と書き換える。
〈訂正事項4〉
段落0007、段落0015、段落0016、段落0017および段落0018のそれぞれにおいて、 「第1の落書き対象画像と第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、第1の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第1の落書き対象画像だけでなく、第2の落書き対象画像に落書きし、第2の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第2の落書き対象画像だけでなく、第1の落書き対象画像に落書きする処理を繰り返し、」(訂正前)とあるのを、
「第1の落書き対象画像と第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、第1の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第1の落書き対象画像に落書きし、第1の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第1の落書き対象画像にされた落書きを第2の落書き対象画像に反映させて、第2の落書き対象画像に落書きし、第2の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第2の落書き対象画像に落書きし、第2の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第2の落書き対象画像にされた落書きを第1の落書き対象画像に反映させて、第1の落書き対象画像に落書きする処理を繰り返し、」(訂正後)と書き換える。
(c)訂正の適合性
(c-1)訂正の目的
〈訂正事項1から訂正事項3まで〉
各訂正は、いずれも、第1の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいてする、「第1の落書き対象画像だけでなく、第2の落書き対象画像に落書きする処理」(訂正前)を、「第1の落書き対象画像に落書きし、第1の落書き対象画像にされた落書きを第2の落書き対象画像に反映させて、第2の落書き対象画像に落書きする処理」(訂正後)とさらに限定するものであり、同じく、第2の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいてする、「第2の落書き対象画像だけでなく、第1の落書き対象画像に落書きする処理」(訂正前)を、「第2の落書き対象画像に落書きし、第2の落書き対象画像にされた落書きを第1の落書き対象画像に反映させて、第1の落書き対象画像に落書きする処理」(訂正後)とさらに限定するものである。いずれも、特許請求の範囲の減縮に該当する。
上記各訂正に伴い、残る請求項の全て(請求項1または請求項8を引用する請求項)も訂正されることとなるところ、これらの請求項に係る訂正も、同じく、特許請求の範囲の減縮に該当する。
〈訂正事項4〉
各訂正は、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合をとるためにする訂正である。いずれも、明りょうでない記載の釈明に該当する。
(c-2)訂正の範囲
訂正事項1から訂正事項4までについては、特許明細書の段落0080から段落0083まで、段落0085、図14および図15にその旨の記載がある。いずれも、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてする訂正である。
(c-3)特許請求の範囲の拡張・変更
訂正事項1から訂正事項4までについては、訂正の前後において、特許請求の範囲の記載された用語の意義の解釈、産業上の利用分野、解決しようとする課題及び効果に変更をもたらすものではない。いずれも、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
(c-4)独立特許要件
訂正後の請求項1から請求項14までについてする訂正がいずれも特許請求の範囲の減縮に該当することは前記のとおりであるところ、そのうち、特許異議の申立てがされていない請求項は、請求項6および請求項12である。そこで、訂正後の請求項6および請求項12に係る発明につき、その独立特許要件について検討する。
訂正後の請求項6および請求項12に係る発明はいずれも、下記主要構成を含むものである。他方、同主要構成を含む発明を、下記証拠方法に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることができないことは、後記のとおりである。訂正後の請求項6および請求項12に係る発明のいずれも、同様の理由により、下記証拠方法に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。
訂正後の請求項6および請求項12に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
(c-5)小括(適合性)
以上、本件訂正は、特許法第120条の4第2項の規定および同条第3項で準用する第126条第2項から第4項までの規定に適合する。
(d)むすび
以上のとおりであるから、本件訂正を認める。

3.本件発明
本件訂正を認める。
本件において、訂正後の請求項1から請求項14までに係る発明は、それぞれ、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1から請求項14までに記載された事項によりに特定される下記のとおりのものである。下線は訂正部分を示す。
記(訂正明細書の特許請求の範囲)
【請求項1】 被写体を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された前記被写体の複数の画像のうちの、落書きの対象となる落書き対象画像の一覧を表示するとともに、前記落書き対象画像の一覧から選択された第1の落書き対象画像および第2の落書き対象画像を表示する、同一筐体に設けられた第1の表示画面と第2の表示画面から構成される表示手段と、
前記表示手段により表示された前記落書き対象画像の一覧の中から、前記第1の表示画面に表示させる前記第1の落書き対象画像および前記第2の表示画面に表示させる前記第2の落書き対象画像を選択する選択手段と、
前記第1の表示画面に表示された前記第1の落書き対象画像に対して入力された落書き入力を受け付ける第1の受付手段と、
前記第2の表示画面に表示された前記第2の落書き対象画像に対して入力された落書き入力を受け付ける第2の受付手段と、
前記第1の受付手段により前記第1の落書き対象画像に対して入力が受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像に落書きし、前記第2の受付手段により前記第2の落書き対象画像に対して入力が受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像に落書きする落書き手段と、
前記落書き手段により落書きされた前記落書き対象画像をシートに印刷する印刷手段と
を備え、
前記落書き手段は、前記選択手段により選択された前記第1の落書き対象画像と前記第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像に落書きし、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像にされた落書きを前記第2の落書き対象画像に反映させて、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像にされた落書きを前記第1の落書き対象画像に反映させて、前記第1の落書き対象画像に落書きする処理を繰り返し、
前記表示手段は、前記落書き手段により落書きされた前記第1の落書き対象画像を前記第1の表示画面に表示し、前記落書き手段により落書きされた前記第2の落書き対象画像を前記第2の表示画面に表示する
ことを特徴とする画像印刷装置。
【請求項2】 前記撮影手段により撮影された前記被写体の複数の画像を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記選択手段は、前記記憶手段により記憶されている前記複数の画像の中から、前記表示手段により表示される前記第1の落書き対象画像および前記第2の落書き対象画像を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像印刷装置。
【請求項3】 前記第1の受付手段および前記第2の受付手段は、前記落書きを消去する操作をさらに受け付け、
前記落書き手段は、前記落書きを消去する前記操作に従って、前記落書きを消去する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像印刷装置。
【請求項4】 前記表示手段は、前記シートの分割数を選択するための分割数選択画面をさらに表示する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像印刷装置。
【請求項5】 前記第1の表示画面と前記第2の表示画面は、前記筐体の同一面の左右に設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像印刷装置。
【請求項6】 前記第1の受付手段と前記第2の受付手段が、前記第1の落書き対象画像および前記第2の落書き対象画像の同一位置に落書き入力を受け付けた場合、前記表示手段は、利用者が意図していない図形を表示させる
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像印刷装置。
【請求項7】 前記表示手段は、前記選択手段により前記落書き対象画像の一覧の中から前記落書き対象画像が選択された場合、前記第1の表示画面または前記第2の表示画面に表示させる前記落書き対象画像を変更する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像印刷装置。
【請求項8】 被写体を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された前記被写体の画像を表示する、同一筐体に設けられた第1の表示画面と第2の表示画面から構成される表示手段と
を備える画像印刷装置の画像印刷方法において、
前記被写体の複数の画像のうちの、落書きの対象となる落書き対象画像の一覧の前記表示手段への表示、並びに前記落書き対象画像の一覧から選択された第1の落書き対象画像および第2の落書き対象画像の前記表示手段への表示を制御する第1の表示制御ステップと、
前記第1の表示制御ステップの処理により前記表示手段への表示が制御された前記落書き対象画像の一覧の中から、前記第1の表示画面に表示させる前記第1の落書き対象画像および前記第2の表示画面に表示させる前記第2の落書き対象画像を選択する選択ステップと、
前記第1の表示画面に表示された前記第1の落書き対象画像に対して入力された落書き入力を第1の受付手段により受け付け、前記第2の表示画面に表示された前記第2の落書き対象画像に対して入力された落書き入力を第2の受付手段により受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップの処理により前記第1の落書き対象画像に対して入力が受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像に落書きし、
前記第2の落書き対象画像に対して入力が受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像に落書きする落書きステップと、
前記落書きステップの処理により落書きされた前記落書き対象画像をシートに印刷する印刷ステップと
を含み、
前記落書きステップの処理では、前記選択ステップの処理により選択された前記第1の落書き対象画像と前記第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像に落書きし、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像にされた落書きを前記第2の落書き対象画像に反映させて、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像にされた落書きを前記第1の落書き対象画像に反映させて、前記第1の落書き対象画像に落書きする処理を繰り返し、
前記第1の表示制御ステップの処理では、前記落書きステップの処理により落書きされた前記第1の落書き対象画像の前記第1の表示画面への表示を制御し、前記落書きステップの処理により落書きされた前記第2の落書き対象画像の前記第2の表示画面への表示を制御する
ことを特徴とする画像印刷方法。
【請求項9】 前記撮影ステップの処理により撮影された前記被写体の複数の画像を記憶する記憶ステップをさらに含み、
前記選択ステップの処理では、前記記憶ステップの処理により記憶されている前記複数の画像の中から、前記第1の表示制御ステップの処理により表示が制御される前記第1の落書き対象画像および前記第2の落書き対象画像を選択する
ことを特徴とする請求項8に記載の画像印刷方法。
【請求項10】 前記第1の受付手段および前記第2の受付手段は、前記落書きを消去する操作をさらに受け付け、
前記落書きステップの処理では、前記落書きを消去する前記操作に従って、前記落書きを消去する
ことを特徴とする請求項8または9に記載の画像印刷方法。
【請求項11】 前記シートの分割数を選択するための分割数選択画面の表示を制御する第2の表示制御ステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の画像印刷方法。
【請求項12】 前記第1の受付手段と前記第2の受付手段が、前記第1の落書き対象画像および前記第2の落書き対象画像の同一位置に落書き入力を受け付けた場合、前記第1の表示制御ステップの処理では、利用者が意図していない図形を表示させる
ことを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の画像印刷装置。
【請求項13】 前記第1の表示制御ステップの処理では、前記選択ステップの処理により前記落書き対象画像の一覧の中から前記落書き対象画像が選択された場合、前記第1の表示画面または前記第2の表示画面に表示させる前記落書き対象画像を変更する
ことを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の画像印刷方法。
【請求項14】 被写体を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された前記被写体の画像を表示する、同一筐体に設けられた第1の表示画面と第2の表示画面から構成される表示手段と
を備える画像印刷装置を制御するコンピュータに、
前記被写体の複数の画像のうちの、落書きの対象となる落書き対象画像の一覧の前記表示手段への表示、並びに前記落書き対象画像の一覧から選択された第1の落書き対象画像および第2の落書き対象画像の前記表示手段への表示を制御する表示制御ステップと、
前記表示制御ステップの処理により前記表示手段への表示が制御された前記落書き対象画像の一覧の中から、前記第1の表示画面に表示させる前記第1の落書き対象画像および前記第2の表示画面に表示させる前記第2の落書き対象画像を選択する選択ステップと、
前記第1の表示画面に表示された前記第1の落書き対象画像に対して入力された落書き入力を第1の受付手段により受け付け、前記第2の表示画面に表示された前記第2の落書き対象画像に対して入力された落書き入力を第2の受付手段により受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップの処理により前記第1の落書き対象画像に対して入力が受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して入力が受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像に落書きする落書きステップと、
前記落書きステップの処理により落書きされた前記落書き対象画像をシートに印刷する印刷ステップと
を実行させ、
前記落書きステップの処理では、前記選択ステップの処理により選択された前記第1の落書き対象画像と前記第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像に落書きし、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像にされた落書きを前記第2の落書き対象画像に反映させて、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像にされた落書きを前記第1の落書き対象画像に反映させて、前記第1の落書き対象画像に落書きする処理を繰り返し、
前記表示制御ステップの処理では、前記落書きステップの処理により落書きされた前記第1の落書き対象画像の前記第1の表示画面への表示を制御し、前記落書きステップの処理により落書きされた前記第2の落書き対象画像の前記第2の表示画面への表示を制御する
ことを特徴とするプログラム。

4.特許異議の申立て
特許異議の申立ての理由は、概略、下記のとおりである。
記(申立ての理由)
対 象:請求項1から請求項14まで(請求項6および請求項12を 除く)
違反条項:特許法第29条第2項
証拠方法:特開平11-234602号公報(甲第1号証)
特開平5-165932号公報(甲第2号証)
特開2000-69404号公報(参考文献1)
特開2000-36920号公報(参考文献2)
意匠登録第924490号公報(参考文献3)
特開平11-244529号公報(参考文献4)

5.申立ての理由の検討
(5-1)本件各発明について
(a)請求項1から請求項14まで(請求項6および請求項12を除く)に係る発明(本件各発明という)が備える下記の構成(主要構成という)は、申立人が提出した証拠方法のいずれにも記載されていない。また、各証拠方法に記載された事項を組み合わせても導き出すことはできない。
記(本件各発明が備える主要構成)
第1の落書き対象画像と第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、第1の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第1の落書き対象画像に落書きし、第1の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第1の落書き対象画像にされた落書きを第2の落書き対象画像に反映させて、第2の落書き対象画像に落書きし、第2の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第2の落書き対象画像に落書きし、第2の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第2の落書き対象画像にされた落書きを第1の落書き対象画像に反映させて、第1の落書き対象画像に落書きする処理を繰り返すこと。
(b)そして、本件各発明は、上記主要構成を備えることにより、「上述した公報に記載されている画像印刷装置は、画像の表示部が1つであるため、多くの利用者が撮影画像を迅速に確認することが困難である課題があった。 また、任意の文字、マークなどをタッチパネル上に書き込む入力ペンが複数設けられているのに対して、入力部となるタッチパネルが1つしかないため、一方の利用者が書き込みを行っている近傍のエリアに他方の利用者が書き込みを行うことが困難となり、結局、多数の利用者が短い時間内に、多くの文字、図形などを書き込んで楽しむことが困難である課題があった。」(段落0004、段落0005)との課題を解決し、「集入力を迅速かつ効率的に入力することができる。また、複数の利用者が同時に編集を行うことができ、さらに、複数の画像の編集操作が行い易くなる。」(段落0106)との効果を奏するものである。
(c)訂正後の請求項1から請求項14まで(請求項6および請求項12を除く)に係る発明は、上記証拠方法に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。

(5-2)証拠方法の検討
本件各発明は、要約、2つの落書き対象画像(第1の落書き対象画像と第2の落書き対象画像)のそれぞれに対して落書き入力を受け付けることを前提に(請求項1の10行〜18行)、受け付けられた落書き入力を2つの落書き対象画像の相互間において反映させるものである。この点を中心に提出された証拠方法について検討を加えておく。
(a)甲第1号証(特開平11-234602号公報)
(a1)甲第1号証には、「装置の前に立ったユーザはCCDカメラ2により撮影され、その撮影された映像情報が制御装置5に送られる。制御装置5内では、カメラ2よりの映像情報(被写体画像)とタイトル情報供給装置11よりの映像情報(背景画像)を合成装置52により合成し、モニタ(情報表示装置)3に出力する。」(段落0017)との動作をする映像プリント遊戯装置に関して、「2台の映像プリント遊戯装置100A、Bを接続して情報通信を行う場合」(段落0015)について記載され、具体的には、「装置100Aでカメラ2により撮影されたオリジナル画像OGaは制御装置5に送られ、映像編集装置51により必要部分のみを切り抜いた切抜画像KGaを得る。この切抜画像KGaは合成装置52に送られるとともに、通信により外部に送信する場合には出力(Out)画像となる。・・・装置100Aでは、自己の画像KGaと装置100Bより送られてきた入力(In)画像KGbとを合成装置52により合成し、モニター3に表示する。ユーザは・・・印刷装置6により合成画像GGaをプリントして排出する。」(段落0020、段落0021、図3)との動作を行うことが記載されている。
(a2)ここで、装置100Aの表示装置3と装置100Bの表示装置3は、いずれも合成画像(GGa、GGb)を表示する点においては同じであるものの、画像内容から見ると、合成画像GGaと合成画像GGbは同一の画像ではない。甲第1号証の「2台の映像プリント装置を接続して情報通信を行う場合」(段落0015)を、本願各発明にいう「第1の落書き対象画像と第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合」に相当するとすることはできない。
(a3)また、「本実施形態では各遊戯装置が夫々制御装置(画像処理装置)5を備えているので、各装置毎にユーザの希望する態様で画像処理や合成が可能である。例えば、各自の画像の並べ方や背景画像の種類等を各装置で個別に設定することもできる。」(段落0022)、および、「各装置において編集済みの画像(切抜画像)が送信されるが、未編集の映像を他の装置に送ることもできる。また、各装置で受信した他の装置からの編集済み画像あるいは未編集映像を各装置において編集可能に構成することもできる。」(段落0023)の各記載によれば、各装置で個別に編集・合成が可能であることが認められるが、一方の装置から他方の装置に送信される「編集済みの画像」は単に「切抜画像」であることから、上記編集・合成を、本件各発明にいう「第1の落書き対象画像にされた落書きを第2の落書き対象画像に反映させて、第2の落書き対象画像に落書きし、」に相当するとすることはできない。
(b)甲第2号証(特開平5-165932号公報)
(b1)甲第2号証には、「複数のユーザが同じ画像データを見ながら、同時にその画像データを編集できる画像編集方法及びシステム」(段落0005)について記載されている。
(b2)しかし、その編集された同一の画像データが複数の端末装置に表示される態様は、各端末装置が同一の画像ファイル5aにアクセスし同一の画像データを読み出して表示することによる結果にすぎない(段落0011)。甲第2号証は、本件各発明が前提とする上記「2つの落書き対象画像」に相当する構成を欠いている。
なお、各端末装置が画像ファイル5aから読み出した画像データを保持する手段(あるいは編集作業中の画像データを保持する手段)を備えることは明らかである。仮に、この保持手段に保持された画像データを上記「2つの落書き対象画像」に対応させたとしても、甲第2号証には、各端末装置の保持手段間で編集に関連した何某かの処理を行う趣旨の記載はないから、上記「2つの落書き対象画像の相互間において反映させる」に相当する構成を欠いていると言うべきである。
(b3)甲第2号証の「同時」の実質も、「この作業中の混乱を避けるため、あるオブジェクトに対して変更作業を行っている間、そのオブジェクトが表示されている画面上に「変更中」のメッセージを表示し、その人の作業が終わるまで他の人の変更作業は受けないようにしている。」(段落0017)との記載によれば、本件各発明の上記主要構成の「処理を繰り返すこと」による「複数の利用者が同時に編集を行うこと」(段落0106)とは異なるものである。
(c)参考文献1および参考文献2は撮影画像を編集する点において本件各発明との共通点が認められるが、本件各発明が前提とする上記「2つの落書き対象画像のそれぞれに対して落書き入力を受け付けること」について記載がない。参考文献3および参考文献4はゲーム装置に関するものであり、「落書き」を想定したものではない。

(5-3)まとめ
以上、訂正後の請求項1から請求項14まで(請求項6および請求項12を除く)に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとすることはできない。

6.むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、訂正後の請求項1から請求項5まで、請求項7から請求項11まで、請求項13および請求項14に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に、訂正後の請求項1から請求項5まで、請求項7から請求項11まで、請求項13および請求項14に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定をする。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
画像印刷装置および方法、印刷媒体、並びにプログラム
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】被写体を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された前記被写体の複数の画像のうちの、落書きの対象となる落書き対象画像の一覧を表示するとともに、前記落書き対象画像の一覧から選択された第1の落書き対象画像および第2の落書き対象画像を表示する、同一筐体に設けられた第1の表示画面と第2の表示画面から構成される表示手段と、
前記表示手段により表示された前記落書き対象画像の一覧の中から、前記第1の表示画面に表示させる前記第1の落書き対象画像および前記第2の表示画面に表示させる前記第2の落書き対象画像を選択する選択手段と、
前記第1の表示画面に表示された前記第1の落書き対象画像に対して入力された落書き入力を受け付ける第1の受付手段と、
前記第2の表示画面に表示された前記第2の落書き対象画像に対して入力された落書き入力を受け付ける第2の受付手段と、
前記第1の受付手段により前記第1の落書き対象画像に対して入力が受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像に落書きし、前記第2の受付手段により前記第2の落書き対象画像に対して入力が受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像に落書きする落書き手段と、
前記落書き手段により落書きされた前記落書き対象画像をシートに印刷する印刷手段と
を備え、
前記落書き手段は、前記選択手段により選択された前記第1の落書き対象画像と前記第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像に落書きし、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像にされた落書きを前記第2の落書き対象画像に反映させて、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像にされた落書きを前記第1の落書き対象画像に反映させて、前記第1の落書き対象画像に落書きする処理を繰り返し、
前記表示手段は、前記落書き手段により落書きされた前記第1の落書き対象画像を前記第1の表示画面に表示し、前記落書き手段により落書きされた前記第2の落書き対象画像を前記第2の表示画面に表示する
ことを特徴とする画像印刷装置。
【請求項2】前記撮影手段により撮影された前記被写体の複数の画像を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記選択手段は、前記記憶手段により記憶されている前記複数の画像の中から、前記表示手段により表示される前記第1の落書き対象画像および前記第2の落書き対象画像を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像印刷装置。
【請求項3】前記第1の受付手段および前記第2の受付手段は、前記落書きを消去する操作をさらに受け付け、
前記落書き手段は、前記落書きを消去する前記操作に従って、前記落書きを消去する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像印刷装置。
【請求項4】前記表示手段は、前記シートの分割数を選択するための分割数選択画面をさらに表示する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像印刷装置。
【請求項5】前記第1の表示画面と前記第2の表示画面は、前記筐体の同一面の左右に設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像印刷装置。
【請求項6】前記第1の受付手段と前記第2の受付手段が、前記第1の落書き対象画像および前記第2の落書き対象画像の同一位置に落書き入力を受け付けた場合、前記表示手段は、利用者が意図していない図形を表示させる
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像印刷装置。
【請求項7】前記表示手段は、前記選択手段により前記落書き対象画像の一覧の中から前記落書き対象画像が選択された場合、前記第1の表示画面または前記第2の表示画面に表示させる前記落書き対象画像を変更する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像印刷装置。
【請求項8】被写体を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された前記被写体の画像を表示する、同一筐体に設けられた第1の表示画面と第2の表示画面から構成される表示手段と
を備える画像印刷装置の画像印刷方法において、
前記被写体の複数の画像のうちの、落書きの対象となる落書き対象画像の一覧の前記表示手段への表示、並びに前記落書き対象画像の一覧から選択された第1の落書き対象画像および第2の落書き対象画像の前記表示手段への表示を制御する第1の表示制御ステップと、
前記第1の表示制御ステップの処理により前記表示手段への表示が制御された前記落書き対象画像の一覧の中から、前記第1の表示画面に表示させる前記第1の落書き対象画像および前記第2の表示画面に表示させる前記第2の落書き対象画像を選択する選択ステップと、
前記第1の表示画面に表示された前記第1の落書き対象画像に対して入力された落書き入力を第1の受付手段により受け付け、前記第2の表示画面に表示された前記第2の落書き対象画像に対して入力された落書き入力を第2の受付手段により受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップの処理により前記第1の落書き対象画像に対して入力が受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して入力が受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像に落書きする落書きステップと、
前記落書きステップの処理により落書きされた前記落書き対象画像をシートに印刷する印刷ステップと
を含み、
前記落書きステップの処理では、前記選択ステップの処理により選択された前記第1の落書き対象画像と前記第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像に落書きし、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像にされた落書きを前記第2の落書き対象画像に反映させて、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像にされた落書きを前記第1の落書き対象画像に反映させて、前記第1の落書き対象画像に落書きする処理を繰り返し、
前記第1の表示制御ステップの処理では、前記落書きステップの処理により落書きされた前記第1の落書き対象画像の前記第1の表示画面への表示を制御し、前記落書きステップの処理により落書きされた前記第2の落書き対象画像の前記第2の表示画面への表示を制御する
ことを特徴とする画像印刷方法。
【請求項9】前記撮影ステップの処理により撮影された前記被写体の複数の画像を記憶する記憶ステップをさらに含み、
前記選択ステップの処理では、前記記憶ステップの処理により記憶されている前記複数の画像の中から、前記第1の表示制御ステップの処理により表示が制御される前記第1の落書き対象画像および前記第2の落書き対象画像を選択する
ことを特徴とする請求項8に記載の画像印刷方法。
【請求項10】前記第1の受付手段および前記第2の受付手段は、前記落書きを消去する操作をさらに受け付け、
前記落書きステップの処理では、前記落書きを消去する前記操作に従って、前記落書きを消去する
ことを特徴とする請求項8または9に記載の画像印刷方法。
【請求項11】前記シートの分割数を選択するための分割数選択画面の表示を制御する第2の表示制御ステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の画像印刷方法。
【請求項12】前記第1の受付手段と前記第2の受付手段が、前記第1の落書き対象画像および前記第2の落書き対象画像の同一位置に落書き入力を受け付けた場合、前記第1の表示制御ステップの処理では、利用者が意図していない図形を表示させる
ことを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の画像印刷装置。
【請求項13】前記第1の表示制御ステップの処理では、前記選択ステップの処理により前記落書き対象画像の一覧の中から前記落書き対象画像が選択された場合、前記第1の表示画面または前記第2の表示画面に表示させる前記落書き対象画像を変更する
ことを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の画像印刷方法。
【請求項14】被写体を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された前記被写体の画像を表示する、同一筐体に設けられた第1の表示画面と第2の表示画面から構成される表示手段と
を備える画像印刷装置を制御するコンピュータに、
前記被写体の複数の画像のうちの、落書きの対象となる落書き対象画像の一覧の前記表示手段への表示、並びに前記落書き対象画像の一覧から選択された第1の落書き対象画像および第2の落書き対象画像の前記表示手段への表示を制御する表示制御ステップと、
前記表示制御ステップの処理により前記表示手段への表示が制御された前記落書き対象画像の一覧の中から、前記第1の表示画面に表示させる前記第1の落書き対象画像および前記第2の表示画面に表示させる前記第2の落書き対象画像を選択する選択ステップと、
前記第1の表示画面に表示された前記第1の落書き対象画像に対して入力された落書き入力を第1の受付手段により受け付け、前記第2の表示画面に表示された前記第2の落書き対象画像に対して入力された落書き入力を第2の受付手段により受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップの処理により前記第1の落書き対象画像に対して入力が受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して入力が受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像に落書きする落書きステップと、
前記落書きステップの処理により落書きされた前記落書き対象画像をシートに印刷する印刷ステップと
を実行させ、
前記落書きステップの処理では、前記選択ステップの処理により選択された前記第1の落書き対象画像と前記第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像に落書きし、前記第1の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第1の落書き対象画像にされた落書きを前記第2の落書き対象画像に反映させて、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記第2の落書き対象画像に落書きし、前記第2の落書き対象画像に対して受け付けられた前記落書き入力に基づいて、前記2の落書き対象画像にされた落書きを前記第1の落書き対象画像に反映させて、前記第1の落書き対象画像に落書きする処理を繰り返し、
前記表示制御ステップの処理では、前記落書きステップの処理により落書きされた前記第1の落書き対象画像の前記第1の表示画面への表示を制御し、前記落書きステップの処理により落書きされた前記第2の落書き対象画像の前記第2の表示画面への表示を制御する
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像印刷装置および方法、印刷媒体、並びにプログラムに関し、特に、複数の利用者が異なる画像編集入力を分担して、より快適に画像を印刷できるようにする画像印刷装置および方法、印刷媒体、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、利用者の画像を撮影し、これを予め用意された背景画像と合成してシール紙などに印刷して出力する画像印刷装置(例えば、プリント倶楽部(商標))が知られている。
【0003】
例えば、特開2000-69404号公報には、このような画像印刷装置において、撮影し、表示部に表示されている画像上に付属のペンで、文字、図形などを書き込むことができるようにすることが提案されている。この場合、利用者は、自分の撮影画像上に任意の文字、マークなどを書き込んでプリント画像を作成することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した公報に記載されている画像印刷装置は、画像の表示部が1つであるため、多くの利用者が撮影画像を迅速に確認することが困難である課題があった。
【0005】
また、任意の文字、マークなどをタッチパネル上に書き込む入力ペンが複数設けられているのに対して、入力部となるタッチパネルが1つしかないため、一方の利用者が書き込みを行っている近傍のエリアに他方の利用者が書き込みを行うことが困難となり、結局、多数の利用者が短い時間内に、多くの文字、図形などを書き込んで楽しむことが困難である課題があった。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、多くの利用者が、編集入力を迅速かつ効率的に入力することができるようにするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像印刷装置は、被写体を撮影する撮影手段と、撮影手段により撮影された被写体の複数の画像のうちの、落書きの対象となる落書き対象画像の一覧を表示するとともに、落書き対象画像の一覧から選択された第1の落書き対象画像および第2の落書き対象画像を表示する、同一筐体に設けられた第1の表示画面と第2の表示画面から構成される表示手段と、表示手段により表示された落書き対象画像の一覧の中から、第1の表示画面に表示させる第1の落書き対象画像および第2の表示画面に表示させる第2の落書き対象画像を選択する選択手段と、第1の表示画面に表示された第1の落書き対象画像に対して入力された落書き入力を受け付ける第1の受付手段と、第2の表示画面に表示された第2の落書き対象画像に対して入力された落書き入力を受け付ける第2の受付手段と、第1の受付手段により第1の落書き対象画像に対して入力が受け付けられた落書き入力に基づいて、第1の落書き対象画像に落書きし、第2の受付手段により第2の落書き対象画像に対して入力が受け付けられた落書き入力に基づいて、第2の落書き対象画像に落書きする落書き手段と、落書き手段により落書きされた落書き対象画像をシートに印刷する印刷手段とを備え、落書き手段は、選択手段により選択された第1の落書き対象画像と第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、第1の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第1の落書き対象画像に落書きし、第1の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第1の落書き対象画像にされた落書きを第2の落書き対象画像に反映させて、第2の落書き対象画像に落書きし、第2の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第2の落書き対象画像に落書きし、第2の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第2の落書き対象画像にされた落書きを第1の落書き対象画像に反映させて、第1の落書き対象画像に落書きする処理を繰り返し、表示手段は、落書き手段により落書きされた第1の落書き対象画像を第1の表示画面に表示し、落書き手段により落書きされた第2の落書き対象画像を第2の表示画面に表示することを特徴とする。
【0008】
撮影手段は、例えば、いわゆるディジタルカメラなどの撮影装置により、表示手段は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display),CRT(Cathode Ray Tube)などにより、選択手段は、例えば、画像印刷装置の動作を制御するCPU、表示プロセッサ、タッチペン、およびタッチパネルにより、受付手段は、例えば、画像印刷装置の動作を制御するCPU、表示プロセッサ、およびタッチパネルにより、編集手段は、例えば、画像印刷装置の動作を制御するCPUにより、印刷手段は、例えば、プリンタにより、それぞれ構成される。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
撮影手段により撮影された被写体の複数の画像を記憶する記憶手段をさらに備え、選択手段は、記憶手段により記憶されている複数の画像の中から、表示手段により表示される第1の落書き対象画像および第2の落書き対象画像を選択するようにすることができる。
【0013】
記憶手段は、例えば、撮影画像を記憶する表示プロセッサのフレームバッファなどにより構成される。
【0014】
前記第1の受付手段および前記第2の受付手段には、前記落書きを消去する操作をさらに受け付けるようにさせ、前記落書き手段には、前記落書きを消去する前記操作に従って、前記落書きを消去するようにさせることができる。
前記表示手段には、前記シートの分割数を選択するための分割数選択画面をさらに表示するようにさせることができる。
前記第1の表示画面と前記第2の表示画面は、前記筐体の同一面の左右に設けられているようにすることができる。
前記第1の受付手段と前記第2の受付手段が、前記第1の落書き対象画像および前記第2の落書き対象画像の同一位置に落書き入力を受け付けた場合、前記表示手段には、利用者が意図していない図形を表示させるようにさせることができる。
前記表示手段には、前記選択手段により前記落書き対象画像の一覧の中から前記落書き対象画像が選択された場合、前記第1の表示画面または前記第2の表示画面に表示させる前記落書き対象画像を変更するようにさせることができる。
【0015】
本発明の画像印刷方法は、被写体の複数の画像のうちの、落書きの対象となる落書き対象画像の一覧の表示手段への表示、並びに落書き対象画像の一覧から選択された第1の落書き対象画像および第2の落書き対象画像の表示手段への表示を制御する第1の表示制御ステップと、第1の表示制御ステップの処理により表示手段への表示が制御された落書き対象画像の一覧の中から、第1の表示画面に表示させる第1の落書き対象画像および第2の表示画面に表示させる第2の落書き対象画像を選択する選択ステップと、第1の表示画面に表示された第1の落書き対象画像に対して入力された落書き入力を第1の受付手段により受け付け、第2の表示画面に表示された第2の落書き対象画像に対して入力された落書き入力を第2の受付手段により受け付ける受付ステップと、受付ステップの処理により第1の落書き対象画像に対して入力が受け付けられた落書き入力に基づいて、第1の落書き対象画像に落書きし、第2の落書き対象画像に対して入力が受け付けられた落書き入力に基づいて、第2の落書き対象画像に落書きする落書きステップと、落書きステップの処理により落書きされた落書き対象画像をシートに印刷する印刷ステップとを含み、落書きステップの処理では、選択ステップの処理により選択された第1の落書き対象画像と第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、第1の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第1の落書き対象画像に落書きし、第1の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第1の落書き対象画像にされた落書きを第2の落書き対象画像に反映させて、第2の落書き対象画像に落書きし、第2の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第2の落書き対象画像に落書きし、第2の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第2の落書き対象画像にされた落書きを第1の落書き対象画像に反映させて、第1の落書き対象画像に落書きする処理を繰り返し、第1の表示制御ステップの処理では、落書きステップの処理により落書きされた第1の落書き対象画像の第1の表示画面への表示を制御し、落書きステップの処理により落書きされた第2の落書き対象画像の第2の表示画面への表示を制御することを特徴とする。
前記撮影ステップの処理により撮影された前記被写体の複数の画像を記憶する記憶ステップをさらに含むようにさせ、前記選択ステップの処理では、前記記憶ステップの処理により記憶されている前記複数の画像の中から、前記第1の表示制御ステップの処理により表示が制御される前記第1の落書き対象画像および前記第2の落書き対象画像を選択するようにさせることができる。
前記第1の受付手段および前記第2の受付手段は、前記落書きを消去する操作をさらに受け付け、前記落書きステップの処理では、前記落書きを消去する前記操作に従って、前記落書きを消去するようにさせることができる。
前記シートの分割数を選択するための分割数選択画面の表示を制御する第2の表示制御ステップをさらに含むようにすることができる。
前記第1の受付手段と前記第2の受付手段が、前記第1の落書き対象画像および前記第2の落書き対象画像の同一位置に落書き入力を受け付けた場合、前記第1の表示制御ステップの処理では、利用者が意図していない図形を表示させるようにさせることができる。
前記第1の表示制御ステップの処理では、前記選択ステップの処理により前記落書き対象画像の一覧の中から前記落書き対象画像が選択された場合、前記第1の表示画面または前記第2の表示画面に表示させる前記落書き対象画像を変更するようにさせることができる。
【0016】
本発明のプログラムは、被写体を撮影する撮影手段と、撮影手段により撮影された被写体の画像を表示する、同一筐体に設けられた第1の表示画面と第2の表示画面から構成される表示手段とを備える画像印刷装置を制御するコンピュータに、被写体の複数の画像のうちの、落書きの対象となる落書き対象画像の一覧の表示手段への表示、並びに落書き対象画像の一覧から選択された第1の落書き対象画像および第2の落書き対象画像の表示手段への表示を制御する表示制御ステップと、表示制御ステップの処理により表示手段への表示が制御された落書き対象画像の一覧の中から、第1の表示画面に表示させる第1の落書き対象画像および第2の表示画面に表示させる第2の落書き対象画像を選択する選択ステップと、第1の表示画面に表示された第1の落書き対象画像に対して入力された落書き入力を第1の受付手段により受け付け、第2の表示画面に表示された第2の落書き対象画像に対して入力された落書き入力を第2の受付手段により受け付ける受付ステップと、受付ステップの処理により第1の落書き対象画像に対して入力が受け付けられた落書き入力に基づいて、第1の落書き対象画像に落書きし、第2の落書き対象画像に対して入力が受け付けられた落書き入力に基づいて、第2の落書き対象画像に落書きする落書きステップと、落書きステップの処理により落書きされた落書き対象画像をシートに印刷する印刷ステップとを実行させ、落書きステップの処理では、選択ステップの処理により選択された第1の落書き対象画像と第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、第1の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第1の落書き対象画像に落書きし、第1の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第1の落書き対象画像にされた落書きを第2の落書き対象画像に反映させて、第2の落書き対象画像に落書きし、第2の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第2の落書き対象画像に落書きし、第2の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第2の落書き対象画像にされた落書きを第1の落書き対象画像に反映させて、第1の落書き対象画像に落書きする処理を繰り返し、表示制御ステップの処理では、落書きステップの処理により落書きされた第1の落書き対象画像の第1の表示画面への表示を制御し、落書きステップの処理により落書きされた第2の落書き対象画像の第2の表示画面への表示を制御することを特徴とする。
【0017】
本発明の画像印刷装置および方法、並びにプログラムにおいては、表示された落書き対象画像の一覧の中から、落書きの対象となる第1の落書き対象画像および第2の落書き対象画像が選択され、第1の表示画面に表示された第1の落書き対象画像に対して入力された落書き入力が第1の受付手段により受け付けられ、第2の表示画面に表示された第2の落書き対象画像に対して入力された落書き入力が第2の受付手段により受け付けられ、受け付けられた落書き入力に基づいて落書き対象画像に落書きされ、落書きされた落書き対象画像が印刷される。また、第1の落書き対象画像と第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、第1の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第1の落書き対象画像に落書きし、第1の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第1の落書き対象画像にされた落書きを第2の落書き対象画像に反映させて、第2の落書き対象画像に落書きし、第2の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第2の落書き対象画像に落書きし、第2の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第2の落書き対象画像にされた落書きを第1の落書き対象画像に反映させて、第1の落書き対象画像に落書きする処理が繰り返され、落書きされた第1の落書き対象画像が第1の表示画面に表示され、落書きされた第2の落書き対象画像が第2の表示画面に表示される。
【0018】
本発明の画像印刷装置および方法、並びにプログラムによれば、表示された落書き対象画像の一覧の中から、落書きの対象となる第1の落書き対象画像および第2の落書き対象画像を選択し、第1の表示画面に表示された第1の落書き対象画像に対して入力された落書き入力を第1の受付手段により受け付け、第2の表示画面に表示された第2の落書き対象画像に対して入力された編集入力を第2の受付手段により受け付け、受け付けられた落書き入力に基づいて落書き対象画像に落書きし、落書きされた落書き対象画像を印刷する。また、第1の落書き対象画像と第2の落書き対象画像が同一の画像であった場合、第1の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第1の落書き対象画像に落書きし、第1の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第1の落書き対象画像にされた落書きを第2の落書き対象画像に反映させて、第2の落書き対象画像に落書きし、第2の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第2の落書き対象画像に落書きし、第2の落書き対象画像に対して受け付けられた落書き入力に基づいて、第2の落書き対象画像にされた落書きを第1の落書き対象画像に反映させて、第1の落書き対象画像に落書きする処理を繰り返す。さらに、落書きされた第1の落書き対象画像を第1の表示画面に表示し、落書きされた第2の落書き対象画像を第2の表示画面に表示するようにしたので、複数の利用者が同時に編集を行うことができ、さらに、複数の画像の編集操作が行い易くなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用した画像印刷装置の外観の構成を示している。画像印刷装置1の筐体10の前面の左右には、上方から下方へ向かってスピーカ11-1およびスピーカ11-2、照明装置12-1および照明装置12-2、操作パネル13-1および操作パネル13-2、操作パネル13-1および操作パネル13-2のそれぞれに表示された画像に対して、編集図形、文字などを入力するタッチペン14-1およびタッチペン14-2が設けられる。なお、以下において、スピーカ11-1およびスピーカ11-2のそれぞれを個々に区別する必要がない場合、まとめてスピーカ11と、照明装置12-1および照明装置12-2のそれぞれを個々に区別する必要がない場合、まとめて照明装置12と、操作パネル13-1および操作パネル13-2のそれぞれを個々に区別する必要がない場合、まとめて操作パネル13と、タッチペン14-1およびタッチペン14-2のそれぞれを個々に区別する必要がない場合、まとめてタッチペン14と、それぞれ称する。
【0020】
筐体10のほぼ垂直な面10Aに配置されたスピーカ11は、利用者に対して、硬貨を投入してからの撮影手順の進行を案内するガイダンスや、利用者が操作パネル13に表示されている自分自身の撮影画像に対して、後述する編集を行う際のガイダンスなどを出力する。
【0021】
筐体10のほぼ垂直な(若干上方を向いている)面10Bに配置された照明装置12は、撮影の際のフラッシュとして機能するとともに、筐体10および利用者を囲む図示せぬ背景幕により外光が遮断されているため、撮影前の状態においても利用者を照明する。
【0022】
照明装置12-1と照明装置12-2の間には、利用者を撮影するためのCCD(Charge Coupled Device)カメラ15が設けられ、CCDカメラ15が撮影している取り込み画像は、CCDカメラ15の下方に設けられている取り込み画像表示部16に表示される。CCDカメラ15と取り込み画像表示部16により撮影装置17が構成され、利用者は、足リモートコントローラ(以下、足リモコン21と称する)を操作して駆動装置18の駆動可能範囲内で、撮影装置17を上下方向に移動させることができる。
【0023】
筐体10のほぼ水平(若干上方を向いている)な面10Cに配置されている操作パネル13は、液晶ディスプレイまたはCRT(Cathode-Ray Tude)より構成されるモニタと、その上部に積層されるタッチパネルから構成される。操作パネル13の近傍には、それぞれタッチペン14が設けられ、CCDカメラ15により撮影された画像が操作パネル13に表示されるため、利用者は、タッチペン14を利用して撮影画像に後述する落書き処理を施すことができる。また、操作パネル13には、撮影画像の他に、画像プリントの作成および印刷処理の進行段階に応じて種々の選択ボタン、メッセージなどが表示され、操作パネル13に表示された選択ボタンをタッチペン14を利用して選択することにより撮影手順が進行される。
【0024】
操作パネル13-1の近傍にタッチペン14-1が、また、操作パネル13-2の近傍にはタッチペン14-2が、それぞれ設けられており、操作パネル13-1および操作パネル13-2のそれぞれに表示された撮影画像に、2人の利用者が同時に落書き処理などを入力することができる。なお、操作パネル13-1と操作パネル13-2に、異なる撮影画像をそれぞれ表示させることができ、利用者は、別々の撮影画像に対して落書き処理などを入力することもできる。
【0025】
操作パネル13の下方の筐体10のほぼ垂直な面10Dには、硬貨投入口19が設けられている。利用者が所定の代金を硬貨投入口19に投入すると、撮影手順が開始される。
【0026】
筐体10の右側面には、シール取出口20が設けられており、撮影し、画像編集した撮影画像が、所定数に分割されたシールに印刷されて排出される。
【0027】
筐体10の前方には、筐体10の幅とほぼ同一の幅の2段の階段22が設置されている。利用者は、撮影する場合、階段22を利用して、様々なポーズを取って、自分自身を撮影することができる。
【0028】
図2は、画像印刷装置1の構成例を示すブロック図である。なお、図1と対応する部分には、同一の符号を付してある。
【0029】
CPU(Centoral Processing Unit)31は、ROM(Read Only Memory)32に記憶されているプログラムに従って、全体の動作、処理を制御する。すなわち、各処理部は、バス30を介してCPU31に接続され、制御される。
【0030】
RAM(Random Access Memory)33は、CPU31の作業用データを記憶するとともに、各処理部において利用者が行った選択、指示などを一時的に記憶する。
【0031】
ドライバ34は、図示せぬCD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory)などの記録媒体を駆動し、記録情報を読み出す。CD-ROMなどの記録媒体には、撮影処理、落書き処理などを含む種々の処理を行うためのプログラムが記録されており、それらのプログラムは実行時に、RAM33に転送されて実行される。また、CD-ROMには、音声のガイダンスデータが記録されており、音声出力装置40-1は、CPU31の指示に基づいてCD-ROMに記録されているガイダンスデータを読み出してスピーカ11-1に出力する。スピーカ11-1が利用者に対して出力するガイダンスには、操作方法や、撮影直前のカウントダウンなどがある。スピーカ11-2にも、スピーカ11-1の出力処理と同様の処理が実行されて、メインの操作パネル13-1からの入力に応じて音声ガイダンスが出力される。なお、音声出力装置40-1と、音声出力装置40-2は、それぞれ操作パネル13-1と操作パネル13-2からの入力に対応して、異なる音声ガイダンスを出力させるようにすることもできる。
【0032】
硬貨処理部35は、硬貨投入口19から投入された硬貨の金額を検出し、所定の代金が投入されたと検出した場合、その旨をCPU31に通知する。
【0033】
プリンタ36は、画像シールを作成する部分であり、CCDカメラ15により撮影され、後述の落書き処理などが施された後の画像(プリントすべきとして確定した画像、以下、プリント画像と称する)をシール紙などに印刷し、出力する。プリンタ36は、利用者が選択したプリント画像を、指定された分割単位(後述する図12参照)で剥がせるようなシールシート上に印刷する。なお、利用者は、1枚のシールシート上に、数種類のプリント画像を選択して印刷させることができる。
【0034】
表示プロセッサ37-1は、CPU31からの指示に基づいて撮影手順の案内画面をモニタ39-1に表示させる。表示プロセッサ37-1は、内部にCCDカメラ15の撮影画像を記憶するためのフレームバッファを有する。フレームバッファは、デュアルポートメモリにより構成され、それぞれの領域が一枚分の撮影画像を記憶できる2つの領域に分けて使用される。フレームバッファの第1の領域には、CCDカメラ15からの取り込み画像が入力され、撮影後は、撮影した画像(利用者がフレーム画像を選択した場合には、撮影画像とフレーム画像)が記憶される。
【0035】
一方、第2の領域は、落書き処理や明るさ調整などの編集処理において使用される記憶領域であり、撮影が終了した時点では、第1の領域と同一の撮影画像が記憶される。すなわち、編集処理において、利用者がタッチペン14-1を利用して落書きを入力すると、その入力データが第2の領域内に書き込まれる。なお、利用者は、消しゴム処理を指定することにより、1度付加した落書きを消去し、元の画像に戻すことができる。その場合、表示プロセッサ37-1は、その消しゴムで指定された部分の画像データを第1の領域から読み出し、第2の領域に書き込むことにより、利用者が消しゴムで指定した部分を、落書き処理を行う前の撮影画像にもどす。
【0036】
操作パネル13-1は、モニタ39-1上に、透明なタッチパネル38-1が積層されて構成されており、モニタ39-1には、上記の表示プロセッサ37-1のフレームバッファの第2の領域に記憶されたデータが表示される。したがって、利用者が落書きなどを入力している最中は、落書きなどが施された撮影画像が、モニタ39-1に表示される。
【0037】
タッチパネル38-1は、タッチペン14-1からの入力を検出する。すなわち、利用者は、モニタ39-1に表示された選択ボタンをタッチペン14-1を用いて選択したり、モニタ39-1に表示された撮影画像に対して、その上に落書きなどを行う。タッチペン14-1による入力データは、タッチパネル38-1により検出され、入力データとして表示プロセッサ37-1のフレームバッファの第2の領域に書き込まれる。
【0038】
表示プロセッサ37-2、タッチパネル38-2、およびモニタ39-2の構成は、それぞれ、表示プロセッサ37-1、タッチパネル38-1、およびモニタ39-1と同様の構成であるため、その構成の説明は、省略する。以下、表示プロセッサ37-1と表示プロセッサ37-2を個々に区別する必要がない場合、まとめて表示プロセッサ37と、タッチパネル38-1とタッチパネル38-2を個々に区別する必要がない場合、まとめてタッチパネル38と、モニタ39-1とモニタ39-2のそれぞれを個々に区別する必要がない場合、まとめてモニタ39と、それぞれ称する。
【0039】
次に、図3および図4のフローチャートを参照して、画像印刷装置1の印刷処理について説明する。また、各ステップの処理を説明する際、必要に応じて、図5乃至図13に示す操作パネル13の表示例を参照する。なお、図5において、例えば、左側に示す図5(A)を操作パネル13-1の表示例とし、右側に示す図5(B)を操作パネル13-1の表示例とする。図6乃至図13の表示例においても、図5の構成と同様とする。また、図に示されている各種ボタンを説明する場合、同一機能を有するボタンには、同一符号を付してあり、説明が重複するものについては、その説明を適宜省略する。
【0040】
ステップS1において、表示プロセッサ37は、CPU31からの指示に基づいて操作パネル13にデモ画面を表示する。操作パネル13-1のモニタ39-1には、例えば、図5(A)に示されるデモ画面が表示され、操作パネル13-2のモニタ39-2には、例えば、図5(B)に示されるようなデモ画面が表示される。デモ画面のデータは、図示せぬCD-ROMからドライバ34により読み込まれ、バス30を介して表示プロセッサ37に転送される。
【0041】
ステップS2において、CPU31は、硬貨処理部35からの通知に基づいて、代金が投入されたか否かを判定する。CPU31は、代金が硬貨投入口19に投入されたと判定するまで表示プロセッサ37に対して、デモ画面(図5)を表示することを指示し、代金が投入されたと判定した場合、処理はステップS3に進む。
【0042】
ステップS3において、表示プロセッサ37は、CPU31からの指示に基づいて、操作パネル13に撮影手順の説明画面を表示する。操作パネル13-1には、例えば、図6(A)および図6(B)に示されるような説明画面が表示され、操作パネル13-2には、例えば、図6(C)に示されるような説明画面が表示される。図6(C)に示される操作パネル13-2は、CCDカメラ15がリアルタイムで撮影している取り込み画像が表示され、図6(A)および図6(B)に示される操作パネル13-1には、操作パネル13-2に表示されているCCDカメラ15の取り込み画像の設定方法を説明する画面が表示されている。
【0043】
図6(A)の表示例においては、取り込み画像を横長に表示するか、または縦長に表示するかの表示切換ボタン50、CCDカメラ15のズーム機能を調整するズーム調整ボタン51、およびCCDカメラ15が取り込む光量を調整する明るさ調整ボタン53が表示されている。また、足リモコン21を操作して、CCDカメラ15を含む撮影装置17を上下方向に移動できることが表示されている。利用者は、この説明画面に応じて、タッチペン14-1を利用して操作パネル13-1に表示されている上記ボタンを操作し、取り込み画像を設定する。図6(B)においては、アップ撮影を説明するデモ画面と、その明るさを調整する明るさ調整ボタン53が表示されている。
【0044】
CCDカメラ15により撮影されている(取り込まれている)取り込み画像は、バス30を介して表示プロセッサ37に転送されるとともに、取り込み画像表示部16に転送されて、表示される。すなわち、ここに動画像が表示される。また、図6(A)および図6(B)に表示される説明画面にあわせて、音声出力装置40は、スピーカ11から音声ガイダンスを出力する。
【0045】
ステップS4において、表示プロセッサ37は、CPU31からの指示に基づいて操作パネル13に取り込み画像を表示する。操作パネル13-1には、例えば、図7(A)に示すように、CCDカメラ15が撮影している取り込み画面が表示される。既に撮影した撮影画像のうち、利用者が後述するキープボタンを操作してキープ画像を選択している場合、操作パネル13-2には、図7(B)に示すように、キープ画像が表示される。なお、利用者は、1枚のシールシートに最大4種類の撮影画像をプリントできるので、最大4種類の画像をキープすることができる。
【0046】
利用者は、操作パネル13-2に表示されている撮影画像からタッチペン14-2で指定することにより、既に撮影した画像を削除することができる。また、操作パネル13-1および、操作パネル13-2のそれぞれには、撮影開始ボタン61が表示されるとともに、撮影までの残り時間を示す残り時間メータ62が表示されている。
【0047】
ステップS5において、CPU31は、タッチパネル38からの通知に基づいて、撮影開始ボタン61が操作されたか否かを判定する。CPU31は、撮影開始ボタン61が操作されたと判定するまで取り込み画像を表示させて待機し、いずれかのタッチパネル38の入力から撮影開始ボタン61が操作されたと判定した場合、処理はステップS6に進む。
【0048】
ステップS6において、表示プロセッサ37は、撮影前のカウントダウン画面を表示する。操作パネル13-1には、例えば、図8(A)のようなカウントダウン画面が表示される。表示プロセッサ37-1は、CPU31からの指示に基づいて、画面左側に表示されているカウントダウンインジゲータ71の1番上の表示から点灯を開始する。CCDカメラ15は、カウントダウンインジゲータ71の1番下の表示が点灯されたとき、撮影を実行する。操作パネル13-2にも、カウントダウンインジゲータ71が表示されており、表示プロセッサ37-2は、表示プロセッサ37-1の処理と同様に点灯させる。また、カウントダウンインジゲータ71の点灯に合わせて、音声出力装置40は、スピーカ11から音声ガイダンスによるカウントダウンを出力する。
【0049】
また、CCDカメラ15の取り込み画像は、CCDカメラ15の下方に設けられている取り込み画像表示部16にも表示される。これにより、利用者は、操作パネル13に視線を向けることなく、CCDカメラ15に視線を合わせて撮影することができる。
【0050】
ステップS7において、表示プロセッサ37は、CPU31からの指示に基づいて、操作パネル13に印刷写真選択画面を表示する。操作パネル13-1には、図9(A)に示すように、それまでに撮影した撮影画像のうち、プリントする(キープする)画像を選択するために表示され、利用者は、タッチペン14-1でカーソルを移動して、キープ画像(印刷する画像)を選択する。また、操作パネル13-2には、図9(B)に示すように、操作パネル13-1に表示されている撮影画像から、選択された画像が拡大して表示される。利用者は、操作パネル13-2に表示されているプリントボタン92を操作し、撮影画像をプリント(キープ)するか、削除ボタン93を操作して撮影画像を削除するかを選択することができる。CPU31は、タッチパネル38-2からの通知に基づいて、利用者がプリントボタン92を操作したと判定した場合、処理はステップS8に進む。
【0051】
ステップS8において、表示プロセッサ37は、CPU31からの指示に基づいて、操作パネル13に明るさ調整画面を表示する。操作パネル13-1には、図10(A)に示すように、ステップS7の処理で印刷することが選択された撮影画像が表示され、その画像の明るさを調整するとき操作される明るさ調整ボタン53、シールに加工しないとき操作される写真風ボタン101、シールシートにプリントするとき操作されるシール風ボタン102、横方向に表示されているキープ画像を縦方向に表示を変更するとき操作される表示切換ボタン50、表示されている画像を削除して再び撮影するとき操作されるとりなおしボタン103、編集対象の画像として残しておくとき操作されるキープボタン104が表示されている。
【0052】
操作パネル13-2には、図10(B)に示すように、利用者がキープボタン104を操作することにより、編集対象の画像として選択したキープ画像が表示される。図10(B)の表示例においては、キープ画像として、既に3枚選択されているので、残り撮影可能枚数ウインドウ110に「残り1枚」と表示されている。また、操作パネル13-2には、削除ボタン93が表示されており、利用者は、これを操作して、選択したキープ画像を削除することができる。さらに、操作パネル13-2には、撮影終了ボタン111が表示されており、利用者は、キープ画像を4枚選択する前でも、次に進むことができる。操作パネル13-1および操作パネル13-2には、残り時間メータ62に明るさ調整の制限時間が表示されている。
【0053】
ステップS9において、CPU31は、明るさ調整画面(図10(A))でとりなおしボタン103が操作されたか否かを判定する。CPU31は、タッチパネル38-1からの通知に基づいてとりなおしボタン103が操作されたと判定した場合、ステップS4に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。
【0054】
ステップS9において、CPU31は、明るさ調整画面(図10(A))でとりなおしボタン103が操作されていないと判定した場合、ステップS10の処理に進む。
【0055】
ステップS10において、CPU31は、明るさ調整画面(図10(A))でキープボタン104が操作されたか否かを判定する。CPU31は、キープボタン104が操作されたと判定した場合、ステップS11において、キープすることが選択された撮影画像をキープ画像に追加する。
【0056】
ステップS12において、CPU31は、表示プロセッサ37に問い合わせ、残り撮影可能枚数が0か否か(4種類のキープ画像が選択されたか否か)を判定する。CPU31は、残り撮影可能枚数が0でない(まだ撮影可能である)と判定した場合、処理はステップS4に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。
【0057】
CPU31は、ステップS12において、残り撮影可能枚数が0であると判定した場合、並びに、ステップS10でキープボタン104が操作されていないと判定された場合、ステップS13の処理に進む。
【0058】
ステップS13において、CPU31は、タッチパネル38-2からの通知に基づいて、操作パネル13-2に表示されている撮影終了ボタン111(図10(B))が操作されたか否かを判定する。CPU31は、撮影終了ボタン111が操作されていないと判定した場合、ステップS8の処理に戻り、明るさ調整画面の表示を続ける。
【0059】
ステップS13において、CPU31は、撮影終了ボタン111が操作されたと判定した場合、ステップS14の処理に進む。また、CPU31は、ステップS12の処理で、残り撮影可能枚数が0と判定すると、利用者に対して撮影終了ボタンしか操作できなくするので、この場合も処理はステップS14に進む。
【0060】
ステップS14において、表示プロセッサ37は、CPU31からの指示に基づいて、操作パネル13に落書き画面を表示する。落書き画面は、例えば、図11(A)および図11(B)に示すように表示される。図11の例では、操作パネル13-1と操作パネル13-2で、異なった落書き対象のキープ画像が選択されている。利用者は、落書き対象のキープ画像を、操作パネル13の右側のキープ画像一覧ウインドウ121に表示されているキープ画像の中から、所定のキープ画像をタッチペン14で選択することで、変更することができる。
【0061】
操作パネル13の左側には、様々な落書き処理のツールを表示させるとき操作される落書きメニューボタン123、実行した処理を再び繰り返すとき操作されるくりかえしボタン124、落書きを消去するとき操作される消しゴムボタン125、後に詳述する落書き可能範囲を選択するとき操作されるクロマキボタン126、および落書き処理を終了してプリントを開始するとき操作されるプリントボタン127が表示されている。また、画面上方には、落書きする文字や図形の色を選択するとき操作される色パレットボタン128、落書きする線の太さを設定するとき操作されるライン選択ボタン129が表示されている。また、落書き処理には、制限時間が設定されており、CPU31は、制限時間が経過したと認識した場合、強制的に次の画面を表示する。制限時間は、残り時間表示ウインドウ122に表示されている。
【0062】
なお、落書き処理には、操作パネル13-1と13-2の一方から入力された落書き処理が他方の処理に反映される反映処理や、落書き可能範囲を制限する処理があるが、その処理については後述する。
【0063】
ステップS14の落書き処理において、CPU31は、プリントボタン127が操作されたか、または、制限時間が経過したと判定した場合、処理はステップS15に進む。
【0064】
ステップS15において、表示プロセッサ37は、CPU31からの指示に基づいて、操作パネル13に分割数選択画面を表示する。操作パネル13-1および操作パネル13-2には、例えば、図12(A)および図12(B)に示すように、「7×4」、「上半分2×2と下半分3×4の組み合わせ」、「4×2」、「2×2」の分割数選択画面が表示される。利用者は、好みの分割数(プリントサイズ)のシートをタッチペン14で選択することができる。CPU31は、タッチパネル38からの通知に基づいてプリンタ36にプリントするシート(写真シートまたはシールシート)を指示する。
【0065】
ステップS16において、表示プロセッサ37は、CPU31からの指示に基づいて、プリントしたシールが横から排出されることを案内する案内画面を、操作パネル13-1および操作パネル13-2に、例えば、図13(A)および図13(B)に示すように表示させる。その後、処理はステップS1に戻る。
【0066】
画像印刷装置1においては、操作パネル13が2つ設けられているため、2人の利用者が分担して画像編集を入力することができる。そのため、例えば、図4のステップS14の処理で表示される落書き画面において、複数の利用者が、1つの画像に対して、同時に落書きを入力することができる。次に、図14および図15のフローチャートを参照して、タッチパネル38-1(以下、タッチパネルAとも称する)から入力された落書きを、タッチパネル38-2(以下、タッチパネルBとも称する)から入力された落書きとして、または、タッチパネル38-2から入力された落書きを、タッチパネル38-1から入力された落書きとして反映させる反映処理について説明する。
【0067】
ステップS31において、CPU31は、タッチパネルAから落書きが入力されたか否かを判定する。利用者がタッチペン14-1を利用して落書きを入力した場合、CPU31は、落書きが入力されたと判定し、ステップS32の処理に進む。
【0068】
ステップS32において、CPU31は、編集対象の画像として、モニタ39-1(以下、モニタAとも称する)とモニタ39-2(以下、モニタBとも称する)で同じキープ画像が表示されているか否かを判定する。操作パネル13-1の利用者と操作パネル13-2の利用者が編集対象の画像として同一のキープ画像を選択している場合、CPU31は、モニタAとモニタBで同じキープ画像が表示されていると認識し、ステップS33の処理に進む。
【0069】
ステップS33において、CPU31は、タッチパネルAから入力された落書きと、タッチパネルBから入力された落書きが、表示プロセッサ37-1(以下、表示プロセッサAとも称する)と表示プロセッサ37-2(以下、表示プロセッサBとも称する)のフレームバッファの第2の領域に記憶されている画像の同じ位置に、同時に入力されたか否かを判定する。CPU31は、タッチパネルAから入力された落書きと、タッチパネルBから入力された落書きが同時に同じ位置に入力されたと判定した場合、ステップS34の処理に進む。
【0070】
ステップS34において、表示プロセッサAは、CPU31からの指示に基づいて、タッチパネルAから落書きが入力された位置と同じ位置に、1個の大きな星の図形をモニタAに表示する。また、表示プロセッサBも、CPU31からの指示に基づいて、タッチパネルBから落書きが入力された位置と同じ位置に、1個の大きな星の図形をモニタBに表示する。
【0071】
図16は、落書き画面において、ステップS34の処理で表示される操作パネル13の表示例を示している。図16(A)は、操作パネル13-1の表示を、図16(B)は、操作パネル13-2の表示をそれぞれ示している。この例においては、キープ画像の左上方にタッチパネルAとタッチパネルBから同時に落書きが入力されたことを示している。
【0072】
ステップS34において、星の図形を表示させた後、CPU31は、ステップS31の処理に戻る。
【0073】
一方、ステップS33において、CPU31は、タッチパネルAから入力された落書きと、タッチパネルBから入力された落書きが、表示プロセッサAと表示プロセッサBのフレームバッファの第2の領域に記憶されている画像情報の同じ位置に、同時に入力されていないと判定した場合、ステップS35の処理に進む。
【0074】
ステップS35において、CPU31は、タッチパネルAから落書きが入力された位置は、既に、タッチパネルBから落書きが入力されている位置か否かを、表示プロセッサBのフレームバッファの第2の領域の記憶状況を確認することにより判定する。CPU31は、タッチパネルAから落書きが入力された位置には、既に、タッチパネルBから落書きが入力されていると判定した場合、ステップS36の処理に進む。
【0075】
ステップS36において、表示プロセッサAは、CPU31からの指示に基づいて、タッチパネルAから落書きが入力された位置と同じ位置に、8個の小さな星の図形をモニタAに表示する。また、表示プロセッサBも、表示プロセッサAと同じ位置に、モニタBに星の図形を表示する。
【0076】
図17は、落書き画面において、ステップS36の処理で表示される操作パネル13の表示例を示している。図17(A)は、操作パネル13-1の表示を、図17(B)は、操作パネル13-2の表示をそれぞれ示している。この例においては、キープ画像の左下方にタッチパネルAから落書きが入力されたが、その位置には、図17(B)に示すように、既に落書きが入力されているため、図17(A)に示すように、8個の小さな星の図形が表示される。
【0077】
図16および図17に示すように、利用者が意図していない(入力していない)図形を表示させることにより、ゲーム性が高くなり、利用者は、楽しみながら落書きを入力することができる。なお、表示させる記号は星に限られるものではない。また、星が表示されると同時に、スピーカ11から効果音が出力されるようにしても良い。
【0078】
ステップS36において、星を表示させた後、CPU31は、ステップS31の処理に戻る。
【0079】
一方、ステップS35において、CPU31は、タッチパネルAから落書きが入力された位置には、タッチパネルBから落書きが入力されていないと判定した場合、ステップS37の処理に進む。また、ステップS32において、CPU31は、編集対象の画像として、モニタAとモニタBで同じキープ画像が表示されていないと判定した場合、ステップS37の処理に進む。
【0080】
ステップS37において、表示プロセッサAは、CPU31からの指示に基づいて、タッチパネルAから入力された落書きを処理する。すなわち、タッチパネルAから入力された落書きを、フレームバッファの第2の領域に記憶させる。
【0081】
ステップS38において、表示プロセッサAは、CPU31からの指示に基づいて、ステップS37の処理でフレームバッファの第2の領域に記憶させたキープ画像(落書きが施された画像)をモニタAに表示させる。
【0082】
ステップS39において、CPU31は、タッチパネルAから入力され、ステップS38の処理でモニタAに表示させた落書きを、モニタBにも反映させる(表示させる)必要があるか否かを判定する。すなわち、CPU31は、編集対象のキープ画像としてモニタAとモニタBで同じ画像が選択されている場合、モニタBにもタッチパネルAからの入力を反映して表示させる必要があると判定し、ステップS40の処理に進む。
【0083】
ステップS40において、表示プロセッサBは、CPU31からの指示に基づいて、ステップS37の処理で表示プロセッサAのフレームバッファの第2の領域に記憶された落書き情報を、自らのフレームバッファの第2の領域に記憶させ、記憶させた画像情報をモニタBに表示させる。その後、処理はステップS41に進む。
【0084】
ステップS39において、CPU31は、タッチパネルAから入力された落書きを、モニタBにも反映させる(表示させる)必要がないと判定した場合、ステップS41の処理に進む。また、ステップS31において、CPU31は、タッチパネルAから落書きが入力されていないと判定した場合、ステップS41の処理に進む。
【0085】
ステップS41乃至ステップS50の処理は、ステップS31乃至ステップS40の処理と同様の処理である。すなわち、タッチパネルAとタッチパネルBで、落書き対象の画像として、同じキープ画像が選択されており、同じ落書き処理が同時に入力された場合、ステップS34の処理と同様に星を表示し、また、タッチパネルBから落書きが入力された位置には、既にタッチパネルAから落書きが入力されている場合、ステップS36の処理と同様に、星を表示する。さらに、CPU31は、タッチパネルBから入力され、モニタBに表示されている落書きを、モニタAに反映させて表示させる必要があると判定した場合、ステップS40の処理と同様に、反映処理を行う。
【0086】
ステップS41において、タッチパネルBから落書きが入力されていないと判定された場合、ステップS49において、タッチパネルBから入力された落書きを、モニタAに反映させる必要がないと判定された場合、または、ステップS50の処理が完了した場合、ステップS51の処理に進む。
【0087】
ステップS51において、CPU31は、落書き処理の制限時間が経過したか否か、または、プリントボタン127が操作されたか否かを判定する。CPU31は、落書き処理の制限時間が経過しておらず、かつ、プリントボタン127が操作されていないと判定した場合、ステップS31の処理に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。
【0088】
ステップS51において、CPU31は、落書き処理の制限時間が経過したか、または、プリントボタン127が操作されたと判定した場合、図13および図14のフローチャートの処理を終了し、図4のステップS15の処理に戻る。
【0089】
本発明を適用した画像印刷装置1においては、利用者は、落書きを入力する場合、落書き可能な範囲を予め制限することで、自分の顔に落書きをしないように設定することができる。次に、図18のフローチャートを参照して、落書き範囲制限処理について説明する。図11に示す落書き画面において、クロマキボタン126が操作されたとき、図18のフローチャートの処理が開始される。
【0090】
ステップS61において、CPU31は、クロマキボタン126が操作されたことに応じて、落書き可能範囲のメニュー画面を表示する。図19は、このようにして表示される落書き可能範囲のメニュー画面を示している。図19においては、落書き可能範囲を選択するとき操作される選択ボタン131、選択ボタン132、選択ボタン133の3種類が表示されている。選択ボタン131、選択ボタン132、選択ボタン133のそれぞれには、落書きができる範囲と、できない範囲の例が表示されており、落書きができる範囲は白で、落書きができない範囲は、斜線で表示されている。利用者は、タッチペン14でカーソルを移動させることにより所定の選択ボタンを選択する。なお、利用者は、画面の下方に表示されているスクロールボタン91を操作することにより、他の選択ボタンを表示させることができる。
【0091】
選択ボタン131は、落書き対象として選択したキープ画像のどこにでも落書き可能とするとき操作される。選択ボタン131の右側には、「どこでもらくがきできるよ」のメッセージが表示されている。選択ボタン132は、落書きの対象として選択したキープ画像のうち、斜線部以外の比較的広い範囲(白の範囲)を落書き可能とするとき操作される。選択ボタン132の右側には、「白いところだけらくがきできるよ」のメッセージが表示されている。選択ボタン133は、落書きの対象として選択したキープ画像のうち、斜線部以外の比較的狭い範囲(白の範囲)を落書き可能とするとき操作される。選択ボタン133の右側には、「白いところだけらくがきできるよ(Bよりちょっとらくがきの範囲が狭いよ)」のメッセージが表示されている。以下、図示は省略するが、選択ボタン131,132,133以外に、さらに3個の選択ボタン134,135,136が用意されており、スクロールボタン91を操作することで表示させることができる。
【0092】
図20は、落書き可能範囲の設定の例を示す図である。図20(A)は、表示プロセッサ37のフレームバッファの第1の記憶領域に記憶されたR,G,Bの画素値を表している。なお、画素値は、000乃至255のいずれかの値となる。この例では、暗いエリア(R,G,Bの画素値が全て閾値より小さいエリア)が落書き可能とされる。その閾値としては、選択ボタン131乃至136に対応して、255(A),180(B),128(C),70(D),50(E),0(F)の値が設定されている。
【0093】
従って、図20(A)に示すR,G,Bの値を有する各画素に対して、図20(B)に示すように、閾値A乃至Fが適用される。閾値Aが適用される場合、全ての画素(エリア)に落書きが可能となる。逆に、閾値Fが適用される場合、実質的に、全ての画素(エリア)が落書き不可とされる。
【0094】
ステップS62において、表示プロセッサ37は、CPU31からの指示に基づいて、モニタ39に表示されている落書き対象のキープ画像に、落書き可能範囲を重ねて表示する。図21は、表示プロセッサ37が、落書き可能範囲を表示させたモニタ39の表示例を示している。図21において、落書きの対象は、図11に示すキープ画像であり、落書き不可の範囲(利用者の顔に対応する範囲)を斜線部で示しており、それ以外の部分は落書き可能範囲とされている。
【0095】
通常、利用者の背景には幕が配置されるので、利用者の顔が最も明るくなり、その周囲は暗くなる。そこで、上述したように、所定の閾値より暗いエリアに落書き可能とすることで、利用者の顔に不用意に落書きがされてしまうようなことが抑制される。所定の閾値より明るいエリアに落書き可能とすると、このようなことが抑制できないことになる。
【0096】
ステップS63において、CPU31は、タッチパネル38からの通知に基づいて、落書きが入力されたか否かを判定する。CPU31は、落書きが入力されたと判定するまで待機し、落書きが入力されたと判定した場合、ステップS64の処理に進む。
【0097】
ステップS64において、CPU31は、表示プロセッサ37のフレームバッファの第1の領域に記憶されている各画素値と閾値とを比較して、落書きが入力された位置は、落書きが可能な範囲であるか(画素値が選択された閾値と等しいか、それより小さいか)否かを判定する。CPU31は、落書き可能範囲であると判定した場合、ステップS65の処理に進む。
【0098】
ステップS65において、CPU31は、落書きが入力された位置に対応するフレームバッファの第2の領域の画像データを、入力された落書きの情報で更新し、モニタ39に表示する。
【0099】
一方、ステップS64において、CPU31は、落書きが入力された位置は、落書きが禁止されている(画素値の値が閾値より大きい)範囲であると判定した場合、ステップS66の処理に進む。
【0100】
ステップS66において、表示プロセッサ37は、CPU31からの指示に基づいて入力された落書きを表示しない。すなわち、フレームバッファの第2の記憶領域の画像データは更新されずに、そのままのデータが保持される。
【0101】
ステップS67において、CPU31は、落書き処理の制限時間が経過したか否か、または、プリントボタン127が操作されたか否かを判定する。CPU31は、落書き処理の制限時間がまだ経過しておらず、かつ、プリントボタン127が操作されていないと判定した場合、ステップS63の処理に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。
【0102】
ステップS67において、CPU31は、落書き処理の制限時間が経過した、または、プリントボタン127が操作されたと判定した場合、処理を終了する。
【0103】
なお、図18のフローチャートに示す処理は、操作パネルが1つだけ設けられている画像印刷装置に適用しても良い。
【0104】
以上においては、2つの操作パネル13が設けられている画像印刷装置について説明したが、設置場所の可能な範囲で、操作パネル13を2つ以上に増やしてもよい。
【0105】
さらに、操作パネル13のそれぞれに、1つづつタッチペン14が設けられるとしたが、CPU31が処理できる範囲で、1つの操作パネル13に対して複数のタッチペン14を用意しても良い。
【0106】
【発明の効果】
本発明の画像印刷装置および方法、印刷媒体、並びにプログラムによれば、集入力を迅速かつ効率的に入力することができる。また、複数の利用者が同時に編集を行うことができ、さらに、複数の画像の編集操作が行い易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明を適用した画像印刷装置の外観の例を示す図である。
【図2】
画像印刷装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】
画像印刷装置の印刷処理を説明するフローチャートである。
【図4】
画像印刷装置の印刷処理を説明する図3に続くフローチャートである。
【図5】
デモ画面の表示例を説明する図である。
【図6】
説明画面の表示例を説明する図である。
【図7】
取り込み画像の例を説明する図である。
【図8】
撮影画面の例を説明する図である。
【図9】
印刷写真選択画面の例を説明する図である。
【図10】
明るさ調整画面の例を説明する図である。
【図11】
落書き画面の例を説明する図である。
【図12】
分割数選択画面の例を説明する図である。
【図13】
案内画面の例を説明する図である。
【図14】
画像印刷装置の反映処理を説明するフローチャートである。
【図15】
画像印刷装置の反映処理を説明する図14に続くフローチャートである。
【図16】
他の落書き画面の例を説明する図である。
【図17】
さらに他の落書き画面の例を説明する図である。
【図18】
画像印刷装置の落書き範囲制限処理を説明するフローチャートである。
【図19】
落書き範囲選択メニューの表示例を説明する図である。
【図20】
フレームバッファの例を説明する図である。
【図21】
落書き範囲の表示例を説明する図である。
【符号の説明】
1 画像印刷装置
10 筐体
11-1および11-2 スピーカ
12-1および12-2 照明装置
13-1および13-2 操作パネル
14-1および14-2 タッチペン
15 CCDカメラ
16 取り込み画像表示部
17 撮影装置
18 駆動装置
19 硬貨投入口
20 シール取出口
21 足リモコン
22 階段
30 バス
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 ドライバ
35 硬貨処理部
36 プリンタ
37-1 表示プロセッサ
37-2 表示プロセッサ
38-1 タッチパネル
38-2 タッチパネル
39-1 モニタ
39-2 モニタ
40-1および40-2 音声出力装置
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-10-13 
出願番号 特願2002-6883(P2002-6883)
審決分類 P 1 652・ 121- YA (H04N)
最終処分 維持  
前審関与審査官 石丸 昌平豊島 洋介  
特許庁審判長 新宮 佳典
特許庁審判官 堀井 啓明
清水 正一
登録日 2003-07-18 
登録番号 特許第3452198号(P3452198)
権利者 オムロン株式会社
発明の名称 画像印刷装置および方法、印刷媒体、並びにプログラム  
代理人 稲本 義雄  
代理人 稲本 義雄  

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