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審決分類 審判 一部無効 2項進歩性  E02D
審判 一部無効 特174条1項  E02D
管理番号 1129502
審判番号 無効2005-80056  
総通号数 75 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-10-09 
種別 無効の審決 
審判請求日 2005-02-18 
確定日 2005-11-10 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3597789号発明「マンホール構造、マンホール構造用止水可とう継手及びマンホール構造の施工方法」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1.手続の経緯
平成13年3月27日 出願(特願2001-89285号、
国内優先日:平成13年1月23日)
平成16年9月17日 特許権の設定登録(特許第3597789号)
平成17年2月18日 本件審判の請求(無効2005-80056号)
平成17年4月19日 答弁書、訂正請求書(1)
平成17年5月26日 弁駁書(1)
平成17年6月30日 補正許否の決定通知、当審無効理由通知
平成17年7月29日 意見書、訂正請求書(2)
平成17年8月31日 弁駁書(2)


第2.請求人の主張及び提出した証拠方法
請求人の請求の趣旨は、「特許明細書の請求項1〜4及び7〜10に係る特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」ものであり、以下の無効理由を挙げ、本件特許は特許法第123条第1項の規定により無効とされるべきであると主張する。
なお、請求の理由の一部が弁駁書(1)により補正され、その要旨を変更するものとなったので、当審は、「特許法第131条の2第2項の規定に基づき、弁駁書(1)において新たに追加された甲第6〜8号証により立証しようとする事実に基づく請求の理由の補正については、許可しない。」という補正許否の決定を行った。

無効理由1:本件の請求項1に係る発明は、甲第1、2、4、5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当する。
無効理由2:本件の請求項1に係る発明は、補正により、出願当初の明細書に記載されていない新規事項を付加したものであり、特許法第17条の2第3項の規定に違反する。
無効理由3:本件の請求項2に係る発明は、甲第3、5号証に記載されているように公知公用の技術であるので、特許法第29条の2の規定(当審注:「特許法第29条第1項第1、2、3号の規定」の誤りであると解する。)に該当する。
無効理由4:本件の請求項3に係る発明は、甲第5号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第1、2、3号の規定に該当する。
無効理由5:本件の請求項4に係る発明は、甲第2号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当する。
無効理由6:本件の請求項7に係る発明は、甲第1、2号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当する。
無効理由7:本件の請求項8に係る発明は、甲第1、2、4、5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当する。
無効理由8:本件の請求項8に係る発明は、補正により、出願当初の明細書に記載されていない新規事項を付加したものであり、特許法第17条の2第3項の規定に違反する。
無効理由9:本件の請求項9に係る発明は、甲第1、2号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当する。
無効理由10:本件の請求項10に係る発明は、甲第1、2、4、5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当する。
無効理由11:本件の請求項10に係る発明は、補正により、出願当初の明細書に記載されていない新規事項を付加したものであり、特許法第17条の2第3項の規定に違反する。

証拠方法
甲第1号証:「下水道技術・技術審査証明報告書 下水道用可とう性マンホール継手ESジョイント」、財団法人下水道新技術推進機構、平成9年3月発行
甲第2号証:パンフレット「ESジョイント」、全国ユニホール工業会
甲第3号証:新技術概要説明情報「プレハブ立坑沈設工法」、国土交通省関東地方整備局関東技術事務所のホームページからのプリント
甲第4号証:特開平11-286955号公報
甲第5号証:技術資料「耐震ジョイント」、テイヒュー株式会社
参考図1〜5

また、請求人は弁駁書(2)において、「訂正請求書(2)による本件特許明細書の、請求項1、8、10に係る訂正は新規事項の追加に該当するものであり、請求項1、2、8、10に係る訂正は実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものであるから、認められない」と主張する。


第3.被請求人の主張及び訂正請求の内容
1.被請求人の答弁の趣旨は、「本件特許第3597789号の明細書の請求項1〜4及び7〜10に係る特許を無効とする理由はない、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」ものである。

2.訂正請求の内容
訂正請求書(2)による訂正は、本件特許明細書を訂正請求書(2)に添付した訂正明細書のとおり訂正するものであり、次の訂正事項からなる。
訂正事項1:請求項1に「前記筒状可とう体の少なくとも一部が前記筒状体に固定されており、前記筒状可とう体の一端が前記立坑内から締め付け可能な締結バンドによって前記管の外周に締め付け圧着固定されており、」とあるのを、「前記筒状可とう体の立坑壁面側の一端が前記筒状体に固定されており、前記筒状可とう体の他端が前記管の端部に向けられており、前記他端が前記立坑の中心側から締め付け可能な締結バンドによって前記管の端部の外周に締め付け圧着固定されており、」と訂正する。
訂正事項2:請求項2に「前記マンホールの壁が、前記マンホール壁用充填剤を流し込むことによって形成されている」とあるのを、「マンホール壁が、型枠内に前記マンホール壁用充填剤としての現場打ちコンクリートを流し込むことによって形成されている」と訂正する。
訂正事項3:請求項3に「前記マンホールの壁に」とあるのを、「マンホール壁に」と訂正する。
訂正事項4:請求項4に「前記マンホールの壁側に」とあるのを、「マンホール壁側に」と訂正する。
訂正事項5:請求項7に「前記筒状可とう体の他端が」とあるのを、「前記筒状可とう体の一端が」と訂正する。
訂正事項6:請求項8に「前記筒状可とう体の少なくとも一部が前記筒状体に固定されており、…前記筒状可とう体の一端が前記立坑内から締め付け可能な締結バンドによって前記管の外周に締め付け圧着固定され、」とあるのを、「前記筒状可とう体の立坑壁面側の一端が前記筒状体に固定されており、…前記筒状可とう体の他端が前記管の端部に向けられ、前記他端が前記立坑の中心側から締め付け可能な締結バンドによって前記管の端部の外周に締め付け圧着固定され、」と訂正する。
訂正事項7:請求項9に「前記筒状可とう体の他端が」とあるのを、「前記筒状可とう体の一端が」と訂正する。
訂正事項8:請求項10に「前記筒状可とう体の少なくとも一部を前記筒状体に固定し、前記筒状可とう体の一端を前記立坑内から締め付け可能な締結バンドによって前記管の外周に締め付け圧着固定し、」とあるのを、「前記筒状可とう体の立坑壁面側の一端を前記筒状体に固定し、前記筒状可とう体の他端を前記管の端部に向け、前記他端を前記立坑の中心側から締め付け可能な締結バンドによって前記管の端部の外周に締め付け圧着固定し、」と訂正する。
訂正事項9:発明の詳細な説明の段落【0009】に「前記筒状可とう体の少なくとも一部が前記筒状体に固定されており、前記筒状可とう体の一端が前記立坑内から締め付け可能な締結バンドによって前記管の外周に締め付け圧着固定されており、」とあるのを、「前記筒状可とう体の立坑壁面側の一端が前記筒状体に固定されており、前記筒状可とう体の他端が前記管の端部に向けられており、前記他端が前記立坑の中心側から締め付け可能な締結バンドによって前記管の端部の外周に締め付け圧着固定されており、」と訂正する。
訂正事項10:発明の詳細な説明の段落【0089】に「図1にマンホール構造1の」とあるのを、「図1のマンホール構造1の」と訂正する。


第4.訂正の適否について
上記訂正事項1、6、8は、本件特許明細書の、
「【0074】筒状可とう体7の一端7aは、筒状体6の内面に拡張バンド8によって圧着固定されており、筒状可とう体7の他端7bは、管3の外周に締結バンド9によって締め付け圧着固定されている。」
「【0075】拡張バンド8は、その円周が伸びて放射状に拡がり、筒状可とう体7の一方の端部7aを筒状体6の内側に押し付ける。また、締結バンド9は、筒状可とう体7の他方の端部7bを外側から管3に向かって締め付けることにより固定する。」
「【0091】また、図4のマンホール構造11では、筒状可とう体17の一端17aが、筒状体16の内面に拡張バンド18によって圧着固定されており、筒状可とう体17の他端17bが、管13の外周に締結バンド19によって締め付け圧着固定されて、」
等の記載や、図面に照らして自明な事項に基づく訂正であり、特許請求の範囲の減縮および明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
上記訂正事項2は、本件特許明細書の、
「【0091】また、図4のマンホール構造11では、筒状可とう体17の一端17aが、筒状体16の内面に拡張バンド18によって圧着固定されており、筒状可とう体17の他端17bが、管13の外周に締結バンド19によって締め付け圧着固定されて、筒状体16の外周には、ケーシング鋼管20を外型枠として、立坑14内にコンクリートが流し込まれることによって、マンホール壁12が形成されている点は、マンホール構造1と同様である。」等の記載や、図面に照らして自明な事項に基づく訂正であり、特許請求の範囲の減縮および明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
上記訂正事項3、4、5、7、10は、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
上記訂正事項9は、訂正事項1に伴い必要となった明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

よって、上記訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書き、および同条第5項において読み替えて準用する同法第126条第3項、第4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。


第5.本件発明
上記のように、訂正が認められるから、本件特許の請求項1〜4及び7〜10に係る発明は、上記訂正請求書(2)に添付した訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1〜4及び7〜10に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
「【請求項1】マンホールと管とが接続されている、マンホール構造であって、
前記管が立坑内で推進敷設されており、前記管の外周に、マンホール構造用止水可とう継手が設けられており、
前記マンホール構造用止水可とう継手が、剛性の筒状体と、前記筒状体の内側の筒状可とう体とを備えており、前記筒状可とう体が、前記筒状体と前記管との間の変位を吸収する弾性体から形成されており、
前記筒状可とう体の立坑壁面側の一端が前記筒状体に固定されており、
前記筒状可とう体の他端が前記管の端部に向けられており、前記他端が前記立坑の中心側から締め付け可能な締結バンドによって前記管の端部の外周に締め付け圧着固定されており、
前記筒状体の外周がマンホール壁用充填剤によって固定されていることを特徴とするマンホール構造。
【請求項2】前記マンホールが現場打ちコンクリート製のマンホールであり、
マンホール壁が、型枠内に前記マンホール壁用充填剤としての現場打ちコンクリートを流し込むことによって形成されていることを特徴とする請求項1記載のマンホール構造。
【請求項3】前記マンホールが既製の組み立てマンホールであり、
マンホール壁に削孔面が設けられており、
前記筒状体の外周と前記削孔面との間に、前記マンホール壁用充填剤が流し込まれていることを特徴とする請求項1記載のマンホール構造。
【請求項4】前記筒状体が、マンホール壁側に突出している帯状の突出部を有しており、
前記筒状体の外周に流し込まれる前記マンホール壁用充填剤の端部が、前記突出部によって位置決めされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のマンホール構造。
【請求項7】前記筒状可とう体の一端が前記筒状体の内面に拡張バンドによって圧着固定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載のマンホール構造。
【請求項8】マンホールと管とを接続するための、マンホール構造用止水可とう継手であって、
前記マンホール構造用止水可とう継手が、剛性の筒状体と、前記筒状体の内側の筒状可とう体とを備えており、前記筒状可とう体が、前記筒状体と前記管との間の変位を吸収する弾性体から形成されており、
前記筒状可とう体の立坑壁面側の一端が前記筒状体に固定されており、
マンホール構造を形成する際、前記管が立坑内で推進敷設され、前記管の外周に、前記マンホール構造用止水可とう継手が装着され、
前記筒状可とう体の他端が前記管の端部に向けられ、前記他端が前記立坑の中心側から締め付け可能な締結バンドによって前記管の端部の外周に締め付け圧着固定され、
前記筒状体の外周がマンホール壁用充填剤によって固定されることを特徴とする、マンホール構造用止水可とう継手。
【請求項9】前記筒状可とう体の一端が前記筒状体の内面に拡張バンドによって圧着固定されていることを特徴とする請求項8記載のマンホール構造用止水可とう継手。
【請求項10】マンホールと管とを接続して、マンホール構造を施工するにあたり、
前記管を立坑内で推進敷設し、前記管の外周に、マンホール構造用止水可とう継手を装着し、
前記マンホール構造用止水可とう継手が、剛性の筒状体と、前記筒状体の内側の筒状可とう体とを備えており、前記筒状可とう体が、前記筒状体と前記管との間の変位を吸収する弾性体から形成されており、
前記筒状可とう体の立坑壁面側の一端を前記筒状体に固定し、
前記筒状可とう体の他端を前記管の端部に向け、前記他端を前記立坑の中心側から締め付け可能な締結バンドによって前記管の端部の外周に締め付け圧着固定し、
前記筒状体の外周にマンホール壁用充填剤を流し込むことを特徴とする、マンホール構造の施工方法。」
(以下、「本件発明1〜4及び7〜10」という)


第6 当審の判断
1 特許法第17条の2について(無効理由2、8、11)
無効理由2、8、11は、より具体的には、『本件特許明細書の請求項1、8、10に係る発明は、補正により「立坑内から締め付け可能な締結バンド」という、出願当初の明細書又は図面に記載されていない新規事項を付加したものであり、特許法第17条の2第3項の規定に違反する。仮に同規定に違反していなくても、「立坑内」即ちマンホール外壁と掘った孔の内壁面との空間に人が入れない場合は締結バンドを締めることができないので、発明として不明確であり、また、締結バンドによって前記管の外周に締め付け圧着固定される筒状可とう体の一端の「一端」が、発明の詳細な説明の記載では「他端」もしくは「他方の端部」と称されており、発明として不明確である。』というものである。

ところで、本件出願当初の明細書の、
「【0074】筒状可とう体7の一端7aは、筒状体6の内面に拡張バンド8によって圧着固定されており、筒状可とう体7の他端7bは、管3の外周に締結バンド9によって締め付け圧着固定されている。」
「【0075】拡張バンド8は、その円周が伸びて放射状に拡がり、筒状可とう体7の一方の端部7aを筒状体6の内側に押し付ける。また、締結バンド9は、筒状可とう体7の他方の端部7bを外側から管3に向かって締め付けることにより固定する。」
「【0091】また、図4のマンホール構造11では、筒状可とう体17の一端17aが、筒状体16の内面に拡張バンド18によって 圧着固定されており、筒状可とう体17の他端17bが、管13の外周に締結バンド19によって締め付け圧着固定されて、」等の記載や図面によれば、
立坑内からとは、立坑の中心側からと解釈できるものであること、筒状可とう体の他端を立坑の中心側から締め付け可能な締結バンドによって締め付けていること、は自明であるといえるので、「立坑内から締め付け可能な締結バンド」は新規事項であったとはいえない。また、「立坑内」を、マンホール外壁と掘った孔の内壁面との空間と解釈することには無理があった。
なお、「立坑内から締め付け可能な締結バンド」は「立坑の中心側から締め付け可能な締結バンド」と訂正された。
また、締結バンドによって前記管の外周に締め付け圧着固定される筒状可とう体の一端の「一端」は、「他端」と訂正されたので、発明の詳細な説明の記載との齟齬は解消されている。
したがって、請求人の主張する無効理由2、8、11は、失当である。

2 特許法第29条について(無効理由1、3〜7、9、10)
2-1 証拠及び証拠に記載された技術的事項
2-1-1 刊行物の公知日
請求人が提出した甲第2号証には、最終頁の右下に「9707coma」とあるが、これをもって、1997年7月に頒布されたものとは直ちにはいえず、公知日は明確でない。
同じく甲第3号証には、開発年1996年(平成8年)とあるが、これをもって当該技術の公知日とはいえず、登録年月日とある2002(平成14年)年6月26日以降に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものであるので、当該技術の公知日は本件出願後と認める。
同じく甲第5号証には、発行日の記載が無く公知日は不明である。

よって、特許法第29条の規定違反を根幹とする無効理由1、3〜7、9、10に関しては、少なくとも甲第3号証は証拠として採用しない。

2-1-2 刊行物に記載された事項
A.請求人が提出した、本件出願前に国内において頒布されている刊行物である甲第1号証には、以下の技術事項が記載もしくは開示されている。
(イ)「ESジョイントは、マンホールと管との接合に用いる可とう性及び止水性の確保を目的とする下水道用可とう性マンホール継手であり、ゴムソケット、拡張バンド、締付けバンド及び鋼製支管で構成される。ゴムソケットは、拡張バンドにより…鋼製支管の内面に押圧し固定する。現場では、ゴムソケットに管を挿入し外面より締付バンドで締付け、ゴムソケットと管を固定する。また、本技術は従来の可とう継手が小口径管のみの対応であったのに対し、マンホールの径に対して、管の径が大きい場合には鋼製支管を用いたことで大口径管への対応を可能にしたものである。マンホールにゴムソケットを直接取付けた場合(直接取付けタイプ)の状況を図1-1、写真1-1に、また鋼製支管を介する場合(支管取付けタイプ)の状況を図1-2、写真1-2に示す。」(6頁 1.1技術の概要の欄)
(ロ)ゴムソケットのマンホール中心側の一端が鋼製支管の内面に拡張バンドによって圧着固定されており、前記ゴムソケットの他端が管の端部と逆方向に向けられており、前記他端がマンホールの外側で締め付け可能な締付けバンドによって管の外周に締め付け圧着固定されており、前記鋼製支管の鍔部分がメカニカルアンカーによってマンホールの外周面に固定されている状況が示されている。(7頁、図1-2と写真1-2)
(ハ)「(1)管種…3)推進工法用鉄筋コンクリート管(呼び径250〜1500)…(2)マンホール 組立マンホール…」(7頁 1.1.1適用範囲の欄)
(ニ)「(1)ゴムソケット ESジョイントのゴムソケット本体の材質はインプレンゴムで、その物性はJISX6353(水道用ゴム)に規定するIV類に準じたものである。(2)拡張バンド 拡張バンドの材質は、JISG4305(冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯)に規定するSUS304に準じたステンレス材である。(3)締付けバンド 締付けバンドの材質は、スクリュー部は、JISG4305(冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯)に規定するSUS305、それ以外の部品はSUS304に準じたステンレス材である。(4)鋼製支管 鋼製支管の材質は、JISG3101(一般構造用圧延鋼材)に規定するSS400である。 なお、防食のためJISK5664(タールエポキシ樹脂塗料)に規定する材料で塗装するものとする。(5)メカニカルアンカー 鋼製支管をマンホールに固定するメカニカルアンカーは、JISG4303(ステンレス鋼棒)に規定するSUS304である。(6)シーリング材 シーリング材は、ウレタン系水膨張性弾性シーリング材である。」(9頁 1.1.2使用材料の欄)
(ホ)「ゴムソケット及び鋼製支管は工場で取付けるため、現場作業が少なく、止水性が現場作業の良否に関係することは少ない。現場ではステンレスの締付けバンドで管とゴムソケットを締付ける作業のため、簡単で天候に左右されにくい。」(11頁 表1-2の本技術の欄)

これらを含む甲第1号証全体の記載および図面によれば、甲第1号証には、次の3つの発明が記載されているものと認める。かっこ内は、対応する甲第1号証における構成・用語である。
「マンホールと管とが接続されている、マンホール構造であって、
前記管が立坑内で推進敷設されており、前記管の外周に、マンホール構造用止水可とう継手(下水道用可とう性マンホール継手)が設けられており、
前記マンホール構造用止水可とう継手が、剛性の筒状体(鋼製支管)と、前記筒状体の内側の筒状可とう体(ゴムソケット)とを備えており、前記筒状可とう体が、前記筒状体と前記管との間の変位を吸収する弾性体(インプレンゴム)から形成されており、
前記筒状可とう体のマンホール中心側の一端が前記筒状体に固定されており、
前記筒状可とう体の他端が前記管の端部と逆方向に向けられており、前記他端がマンホールの外側で締め付け可能な締結バンド(締付けバンド)によって前記管の外周に締め付け圧着固定されており、
前記筒状体の鍔部分がメカニカルアンカーによってマンホール外周面に固定されているマンホール構造」
(以下、「甲第1号証発明1」という)

「マンホールと管とを接続するための、マンホール構造用止水可とう継手であって、
前記マンホール構造用止水可とう継手が、剛性の筒状体と、前記筒状体の内側の筒状可とう体とを備えており、前記筒状可とう体が、前記筒状体と前記管との間の変位を吸収する弾性体から形成されており、
前記筒状可とう体のマンホール中心側の一端が前記筒状体に固定されており、
マンホール構造を形成する際、前記管が立坑内で推進敷設され、前記管の外周に、マンホール構造用止水可とう継手が装着され、
前記筒状可とう体の他端が前記管の端部と逆方向に向けられ、前記他端がマンホールの外側で締め付け可能な締結バンドによって前記管の外周に締め付け圧着固定され、
前記筒状体の鍔部分がメカニカルアンカーによってマンホール外周面に固定される、マンホール構造用止水可とう継手」
(以下、「甲第1号証発明2」という)

「マンホールと管とを接続して、マンホール構造を施工するにあたり、
前記管を立坑内で推進敷設し、前記管の外周に、マンホール構造用止水可とう継手を装着し、
前記マンホール構造用止水可とう継手が、剛性の筒状体と、前記筒状体の内側の筒状可とう体とを備えており、前記筒状可とう体が、前記筒状体と前記管との間の変位を吸収する弾性体から形成されており、
前記筒状可とう体のマンホール中心側の一端を前記筒状体に固定し、
前記筒状可とう体の他端を前記管の端部と逆方向に向け、前記他端をマンホールの外側で締め付け可能な締結バンドによって前記管の外周に締め付け圧着固定し、
前記筒状体の鍔部分をメカニカルアンカーによってマンホール外周面に固定するマンホール構造の施工方法。」
(以下、「甲第1号証発明3」という)

B.同じく請求人が提出した、公知日が明確でない甲第2号証には、以下の技術事項が記載もしくは開示されている。
(ヘ)「マンホールと管きょの接続部を地盤の不等沈下・地震などから守る 耐震性に優れたマンホールとパイプの接続材 快適な生活や社会を維持するために、欠くことのできないライフライン。その循環機能、静脈にあたる下水道を地震や地盤の不等沈下から守る画期的な可とう性継手、それがESジョイントです。このESジョイントは、管きょとマンホール本体との接続部に可とう性を持たせることにより、地盤の変動に追随させ、管きょの破損を防止するとともに、水密性を維持します。また、ESジョイントは従来にはない小口径から大口径まで、そしてY号(内径600mm)から5号(内径2200mm)のマンホールと、あらゆるニーズにお応えできます。ESジョイントの特長…2 高い水密性を確保!ユニホールとパイプを確実に固定。(侵入水を防止)…4 優れた施工性で安心作業!工場で取付け出荷、現場ではパイプを継ぐだけ。…」(1頁)
(ト)ゴム製ソケットのマンホール中心側の一端が鋼製支管の内面に拡張バンドによって圧着固定されており、前記ゴム製ソケットの他端が管の端部と逆方向に向けられており、前記他端がマンホールの外側で締め付け可能な締付けバンドによって管の外周に締め付け圧着固定されており、前記鋼製支管の鍔部分がアンカーによってマンホールの外周面に固定されている状況が示されている。(2頁、支管取付け(5号マンホール)の写真と支管取付けの図)
(チ)「支管取付けの場合 1 底版及びあらかじめ工場にて支管を取り付けた管取付壁を所定の位置に設置し、ESジョイントを拡張バンドで管取付壁に直接固定する。2 ESジョイントに管を差し込む。3 管をマンホールの内径に合わせて位置を決め、セットする。4 ESジョイントに締付けバンド(一本目)をセットする。5 ドライバーで締付ける。6 締付けバンド(二本目)をセットし締付け、管を固定する。※施工後の可とう性を確保するため、マンホールと管の間に弾性充填材を用い、仕上げを行う。」(6頁)

C.同じく請求人が提出した、本件出願前に国内において頒布されている刊行物である甲第4号証には、「マンホールへの推進管の連結方法」に関して、以下の技術事項が記載されている。
(リ)「【請求項1】推進工法により敷設された推進管の、発進立坑又は到達立坑内に突出された推進管の端部を、前記立坑内に配設されたマンホールにマンホール継手を介して連結するマンホールへの推進管の連結方法であって、前記マンホール継手をマンホールの貫通孔に挿通して固定し、該マンホール継手にその内側から調整用短管をゴム輪を介して挿通し、その先端部を前記推進管の端部に接続することを特徴とするマンホールへの推進管の連結方法である。」
(ヌ)「【0010】【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1及び図2は、本発明のマンホールへの推進管の連結方法の一例の工程を順次説明する一部断面図である。図1に示すように、推進工法により敷設された推進管11の端部が、発進立坑又は到達立坑12内に突設されている。立坑12内にはマンホール13が配設されている。最初の工程にて、図1に示すように、推進管11の端部111に接続継手15の一端部をねじ接合方式にて接続する。接続継手の他端部の外周にゴム輪16を装着する。第2の工程にて、図2に示すように、マンホール継手14として、継手本体141と、継手本体141の外周面から張り出しマンホール13の外壁面131に接続固定される鞍部142を備え、継手本体141のマンホール外壁から突出される部分の内側にゴム輪143が装着されたものを用いて、その継手本体141をマンホール13の貫通孔132に挿通するとともに、鞍部142をマンホール13の外壁面131に固定する。【0011】第3の工程にて、図2に示すように、マンホール継手14の継手本体141内に、マンホール側から、先端部にゴム輪接続可能な接続端部171を有する調整用短管17をゴム輪143を介して挿通し、その接続端部171を推進管11の端部111に接続された接続継手15の他端部上に被せるように押し込んでゴム輪接続する。」

D.同じく請求人が提出した、公知日が不明な甲第5号証には、以下の技術事項が記載もしくは開示されている。
(ル)「1.製品の概要 耐震(可とう)継手には、マンホールと管きょの接続部に使用する耐震(可とう)継手BMJと、管と管の接続部に使用する耐震(可とう)継手BPJがあり、止水性・可とう性を有した耐震(可とう)継手である。3分割された鋼製バンド部とステンレス製のスリーブからなり、管とバンド部の隙間にリング状の継手ゴムを、中央部(管端部)にクッション材を有している。2.構造と各部品の機能および材質 (1)構造および補助部品 耐震(可とう)継手BMJおよびBPJは、3分割鋼製バンド部と管の隙間に継手ゴムを中央部(管端部)にクッション材を用い、耐震(可とう)継手BMJはマンホールとの接続部にステンレス製のスリーブを用いる。3分割鋼製バンドとステンレス製スリーブはボルトで固定される。3分割鋼製バンドの各フランジ接合部および3分割鋼製バンド、スリーブ接合部の金属接面には、シール材が充填される(図2-1〜14)。」(1頁)
(ヲ)スリーブと構造物壁のシールとして樹脂モルタルまたはコンクリートを充填した状況が示されている。(13頁、図5.2-13構造物とのシール)
(ワ)耐震(可とう)継手BMJの施工例が示されている。(18〜最終頁)

2-2 対比・判断
2-2-1 本件発明1について(無効理由1)
本件発明1と甲第1号証発明1を対比すると、両者は、
「マンホールと管とが接続されている、マンホール構造であって、
前記管が立坑内で推進敷設されており、前記管の外周に、マンホール構造用止水可とう継手が設けられており、
前記マンホール構造用止水可とう継手が、剛性の筒状体と、前記筒状体の内側の筒状可とう体とを備えており、前記筒状可とう体が、前記筒状体と前記管との間の変位を吸収する弾性体から形成されており、
前記筒状可とう体の一端が前記筒状体に固定されており、
前記筒状可とう体の他端が締結バンドによって前記管の外周に締め付け圧着固定されており、
前記筒状体がマンホールに固定されているマンホール構造」
である点で一致し、次の点で相違している。

相違点1:本件発明1においては「前記筒状可とう体の立坑壁面側の一端が前記筒状体に固定されており、前記筒状可とう体の他端が前記管の端部に向けられており、前記他端が前記立坑の中心側から締め付け可能な締結バンドによって前記管の端部の外周に締め付け圧着固定されており、前記筒状体の外周がマンホール壁用充填剤によって固定されている」のに対し、甲第1号証発明1においては「前記筒状可とう体のマンホール中心側の一端が前記筒状体に固定されており、前記筒状可とう体の他端が前記管の端部と逆方向に向けられており、前記他端がマンホールの外側で締め付け可能な締結バンドによって前記管の外周に締め付け圧着固定されており、前記筒状体の鍔部分がメカニカルアンカーによってマンホール外周面に固定されている」点。

そこで、相違点1について検討すると、
公知日が明確でない甲第2号証には、甲第1号証発明1と同様な、「前記筒状可とう体のマンホール中心側の一端が前記筒状体に固定されており、筒状可とう体の他端が前記管の端部と逆方向に向けられており、前記他端がマンホールの外側で締め付け可能な締結バンドによって前記管の外周に締め付け圧着固定されており、前記筒状体の鍔部分がメカニカルアンカーによってマンホール外周面に固定されている」という技術は示されているが、本件発明1の上記相違点1に係る事項は示されていない。
甲第4号証にも、「推進工法により敷設された推進管の、発進立坑又は到達立坑内に突出された推進管の端部を、前記立坑内に配設されたマンホールにマンホール継手を介して連結するマンホールへの推進管の連結方法であって、前記マンホール継手をマンホールの貫通孔に挿通して固定し、該マンホール継手にその内側から調整用短管をゴム輪を介して挿通し、その先端部を前記推進管の端部に接続するマンホールへの推進管の連結方法」という技術は記載されているが、本件発明1の上記相違点1に係る事項は示されていない。
公知日が不明な甲第5号証にも、「管とステンレス製スリーブを3分割鋼製バンドで接続し、ステンレス製スリーブの外周に樹脂モルタルまたはコンクリートを充填してマンホールに固定する。」という技術は示されているが、本件発明1の上記相違点1に係る事項は示されていない。ただし、相違点1に係る事項のうち「前記筒状体の外周がマンホール壁用充填剤によって固定されている」の部分を除く。

また、本件発明1の上記相違点1に係る事項は、甲第2、4、5号証に記載の技術から当業者が容易に想到できるものとも認められない。

そして、本件発明1は上記相違点1に係る事項を有することにより、特許明細書に記載の効果の他に、被請求人が主張する「従来、マンホールの外側からしか可とう継手を取り付けられなかったマンホール構造において、マンホールと管とを立抗内から柔結合し止水することができ、地震等におけるマンホールと管との接合部の破損を防ぐことができる」(答弁書7頁)という、格別な効果を奏し得るものである。

したがって本件発明1は、甲第1号証発明1であるとすることはできず、また、仮に甲第2、5号証が本件出願前に頒布された刊行物であったとしても甲第1号証発明1及び甲第2、4、5号証に記載の技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとすることもできない。

ところで、請求人は「向きを逆にしたESジョイント(甲第1、第2号証のもの)を使用してマンホール構造を施工することは、施工業者が適宜、行っていることである。…ESジョイントは、参考図1(a)の様な構造である。…また、ESジョイントの方向を逆にして、取付孔が大きい組立人孔に下水本管を取り付ける場合もある。この場合には、参考図1(b)に示す向きにESジョイントを配するとともに、拡張バンドの位置を調整し、参考図2、参考図4(例2)の1〜4に示す施工手順で行う。」(請求書18〜19頁)、という。
しかし、前記「2-1-2 刊行物に記載された事項」で示した、甲第1号証の技術事項(イ)〜(ホ)、甲第2号証の技術事項(ヘ)〜(チ)にあるように、ESジョイントなるものは工場でマンホールに取付けられて出荷され、現場では管を継ぐだけで良いものである。にもかかわらず、これの向きを逆にしてマンホール構造を施工するとすれば、アンカーによってマンホールの外周面に固定されるために必要であった鋼製支管の鍔部分は無意味となりその機能を逸するものとなる。つまりESジョイントなるものは向きを逆にして施工することを想定していないものであり、施工業者が適宜行っているという請求人の主張はにわかには信じがたいものである。

2-2-2 本件発明2〜4及び7について(無効理由3〜6)
本件発明2〜4及び7は、本件発明1を引用するものであり、甲第1号証発明1との対比において、少なくとも上記相違点1が存在するので、本件発明1に対してした判断に同じく、本件発明2〜4及び7は、甲第1号証発明1であるとすることも、甲第1号証発明1及び甲第2、4、5号証に記載の技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとすることもできない。

2-2-3 本件発明8について(無効理由7)
本件発明8と甲第1号証発明2を対比すると、両者は、
「マンホールと管とを接続するための、マンホール構造用止水可とう継手であって、
前記マンホール構造用止水可とう継手が、剛性の筒状体と、前記筒状体の内側の筒状可とう体とを備えており、前記筒状可とう体が、前記筒状体と前記管との間の変位を吸収する弾性体から形成されており、
前記筒状可とう体の一端が前記筒状体に固定されており、
マンホール構造を形成する際、前記管が立坑内で推進敷設され、前記管の外周に、前記マンホール構造用止水可とう継手が装着され、
前記筒状可とう体の他端が締結バンドによって前記管の外周に締め付け圧着固定され、
前記筒状体がマンホールに固定されるマンホール構造用止水可とう継手。」
である点で一致し、次の点で相違している。

相違点2:本件発明8においては「前記筒状可とう体の立坑壁面側の一端が前記筒状体に固定されており、…前記筒状可とう体の他端が前記管の端部に向けられ、前記他端が前記立坑の中心側から締め付け可能な締結バンドによって前記管の端部の外周に締め付け圧着固定され、前記筒状体の外周がマンホール壁用充填剤によって固定される」のに対し、甲第1号証発明2においては「前記筒状可とう体のマンホール中心側の一端が前記筒状体に固定されており、…前記筒状可とう体の他端が前記管の端部と逆方向に向けられ、前記他端がマンホールの外側で締め付け可能な締結バンドによって前記管の外周に締め付け圧着固定され、前記筒状体の鍔部分がメカニカルアンカーによってマンホール外周面に固定される」点。

ここで、相違点2についての検討結果は、上記相違点1についての検討結果に同一主旨であるので記載を省略する。
したがって、本件発明8は、甲第1号証発明2であるとすることも、甲第1号証発明2及び甲第2、4、5号証に記載の技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとすることもできない。

2-2-4 本件発明9について(無効理由9)
本件発明9は、本件発明8を引用するものであり、甲第1号証発明2との対比において、少なくとも上記相違点2が存在するが、本件発明8に対してした判断に同じく、本件発明9は、甲第1号証発明2であるとすることも、甲第1号証発明2及び甲第2、4、5号証に記載の技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとすることもできない。

2-2-5 本件発明10について(無効理由10)
本件発明10と甲第1号証発明3を対比すると、両者は、
「マンホールと管とを接続して、マンホール構造を施工するにあたり、
前記管を立坑内で推進敷設し、前記管の外周に、マンホール構造用止水可とう継手を装着し、
前記マンホール構造用止水可とう継手が、剛性の筒状体と、前記筒状体の内側の筒状可とう体とを備えており、前記筒状可とう体が、前記筒状体と前記管との間の変位を吸収する弾性体から形成されており、
前記筒状可とう体の一端を前記筒状体に固定し、
前記筒状可とう体の他端を締結バンドによって前記管の外周に締め付け圧着固定する、マンホール構造の施工方法。」
である点で一致し、次の点で相違している。

相違点3:本件発明10においては「前記筒状可とう体の立坑壁面側の一端を前記筒状体に固定し、前記筒状可とう体の他端を前記管の端部に向け、前記他端を前記立坑の中心側から締め付け可能な締結バンドによって前記管の端部の外周に締め付け圧着固定し、前記筒状体の外周にマンホール壁用充填剤を流し込む」のに対し、甲第1号証発明3においては「前記筒状可とう体のマンホール中心側の一端を前記筒状体に固定し、前記筒状可とう体の他端を前記管の端部と逆方向に向け、前記他端をマンホールの外側で締め付け可能な締結バンドによって前記管の外周に締め付け圧着固定し、前記筒状体の鍔部分をメカニカルアンカーによってマンホール外周面に固定する」点。

ここで、相違点3についての検討結果は、上記相違点1についての検討結果に同一主旨であるので記載を省略する。
したがって、本件発明10は、甲第1号証発明3であるとすることも、甲第1号証発明3及び甲第2、4、5号証に記載の技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとすることもできない。


第7.むすび
以上、請求人の主張および証拠方法によっては、本件発明1〜4及び7〜10に係る特許を無効とすることができない。
また他に、本件発明1〜4及び7〜10に係る特許を無効とすべき理由を発見しない。
審判費用については、特許法第169条第2項の規定において準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
マンホール構造、マンホール構造用止水可とう継手及びマンホール構造の施工方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】マンホールと管とが接続されている、マンホール構造であって、
前記管が立坑内で推進敷設されており、前記管の外周に、マンホール構造用止水可とう継手が設けられており、前記マンホール構造用止水可とう継手が、剛性の筒状体と、前記筒状体の内側の筒状可とう体とを備えており、前記筒状可とう体が、前記筒状体と前記管との間の変位を吸収する弾性体から形成されており、前記筒状可とう体の立坑壁面側の一端が前記筒状体に固定されており、前記筒状可とう体の他端が前記管の端部に向けられており、前記他端が前記立坑の中心側から締め付け可能な締結バンドによって前記管の端部の外周に締め付け圧着固定されており、前記筒状体の外周がマンホール壁用充填剤によって固定されていることを特徴とするマンホール構造。
【請求項2】前記マンホールが現場打ちコンクリート製のマンホールであり、マンホール壁が、型枠内に前記マンホール壁用充填剤としての現場打ちコンクリートを流し込むことによって形成されていることを特徴とする請求項1記載のマンホール構造。
【請求項3】前記マンホールが既製の組み立てマンホールであり、マンホール壁に削孔面が設けられており、前記筒状体の外周と前記削孔面との間に、前記マンホール壁用充填剤が流し込まれていることを特徴とする請求項1記載のマンホール構造。
【請求項4】前記筒状体が、マンホール壁側に突出している帯状の突出部を有しており、前記筒状体の外周に流し込まれる前記マンホール壁用充填剤の端部が、前記突出部によって位置決めされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のマンホール構造。
【請求項5】前記筒状体の外周にフランジが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のマンホール構造。
【請求項6】前記フランジの前記マンホール壁用充填剤との接触面に、前記マンホール壁用充填剤と接着する非加硫ブチルゴムが貼り付けられていることを特徴とする請求項5記載のマンホール構造。
【請求項7】前記筒状可とう体の一端が前記筒状体の内面に拡張バンドによって圧着固定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載のマンホール構造。
【請求項8】マンホールと管とを接続するための、マンホール構造用止水可とう継手であって、
前記マンホール構造用止水可とう継手が、剛性の筒状体と、前記筒状体の内側の筒状可とう体とを備えており、前記筒状可とう体が、前記筒状体と前記管との間の変位を吸収する弾性体から形成されており、前記筒状可とう体の立坑壁面側の一端が前記筒状体に固定されており、マンホール構造を形成する際、前記管が立坑内で推進敷設され、前記管の外周に、前記マンホール構造用止水可とう継手が装着され、前記筒状可とう体の他端が前記管の端部に向けられ、前記他端が前記立坑の中心側から締め付け可能な締結バンドによって前記管の端部の外周に締め付け圧着固定され、前記筒状体の外周がマンホール壁用充填剤によって固定されることを特徴とする、マンホール構造用止水可とう継手。
【請求項9】前記筒状可とう体の一端が前記筒状体の内面に拡張バンドによって圧着固定されていることを特徴とする請求項8記載のマンホール構造用止水可とう継手。
【請求項10】マンホールと管とを接続して、マンホール構造を施工するにあたり、
前記管を立坑内で推進敷設し、前記管の外周に、マンホール構造用止水可とう継手を装着し、前記マンホール構造用止水可とう継手が、剛性の筒状体と、前記筒状体の内側の筒状可とう体とを備えており、前記筒状可とう体が、前記筒状体と前記管との間の変位を吸収する弾性体から形成されており、前記筒状可とう体の立坑壁面側の一端を前記筒状体に固定し、前記筒状可とう体の他端を前記管の端部に向け、前記他端を前記立坑の中心側から締め付け可能な締結バンドによって前記管の端部の外周に締め付け圧着固定し、前記筒状体の外周にマンホール壁用充填剤を流し込むことを特徴とする、マンホール構造の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マンホールの壁と下水道管等の管との接合部分の構造、及びかかる接合部分に用いられるマンホール用止水可とう継手に関し、特に、推進工法のコンクリート製のマンホール構造に用いられるマンホール構造用止水可とう継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
推進工法によるマンホール構造には、図13に示すものが知られている。図13は、かかる従来の推進工法によるマンホール構造の縦断面図である。
【0003】
図13に示すように、従来のマンホール構造41は、推進工法で、まず、立坑42を発進、到達の両方に堀り、次に、立坑42内より横ボーリング機械で掘削しながら、下水道管等の管43をジャッキにて押し込む。
【0004】
また、従来の推進工法では、その後、図13に示すように、下水道管等の管43を推進敷設した立坑42内に型枠を組み、型枠内にコンクリートを流し込んで、マンホール壁44を形成し、マンホール構造41を構築する。
【0005】
立坑を堀る場合の土留め壁は、最小作業範囲になるため、鋼管が使われるのが一般的である。このため、マンホール壁44の形成において、そのケーシング鋼管45が外型枠となる。先に敷設された管43は、マンホール壁44のコンクリート内に埋め込まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなマンホール構造41の場合、マンホール壁44と下水道管等の管43との接合部は剛結合であり、地震時等の地盤の不等沈下によって、マンホール壁44と管43との接合部が破損してしまう。
【0007】
本発明の課題は、現場打ちコンクリート製のマンホール壁と管との接合を、マンホール用止水可とう継手によって柔結合としたマンホール構造を得、地震時等におけるマンホール壁と管との接合部の破損を防ぐことである。
【0008】
また、本発明の課題は、マンホールと管との接合を、マンホール構造用止水可とう継手によって柔結合としたマンホール構造を得、地震時等におけるマンホールと管との接合部の破損を防ぐことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、マンホールと管とが接続されている、マンホール構造であって、前記管が立坑内で推進敷設されており、前記管の外周に、マンホール構造用止水可とう継手が設けられており、前記マンホール構造用止水可とう継手が、剛性の筒状体と、前記筒状体の内側の筒状可とう体とを備えており、前記筒状可とう体が、前記筒状体と前記管との間の変位を吸収する弾性体から形成されており、前記筒状可とう体の立坑壁面側の一端が前記筒状体に固定されており、前記筒状可とう体の他端が前記管の端部に向けられており、前記他端が前記立坑の中心側から締め付け可能な締結バンドによって前記管の端部の外周に締め付け圧着固定されており、前記筒状体の外周がマンホール壁用充填剤によって固定されていることを特徴とするマンホール構造、かかるマンホール構造に用いるマンホール構造用止水可とう継手及びかかるマンホール構造の施工方法に係るものである。
【0010】
本発明者は、現場打ちコンクリート製のマンホール壁と、下水道管等の管とのジョイント部を柔結合にするため、種々のマンホール構造を試作し、検討した。
【0011】
その結果、本発明者は、所定のマンホール用止水可とう継手を用いることによって、推進工法の管と現場打ちコンクリート製のマンホール壁とのジョイント部を柔結合としたマンホール構造が得られることを見出し、本発明に至った。
【0012】
また、本発明者は、既製の組み立てマンホールと、下水道管等の管とのジョイント部を柔結合にするため、種々のマンホール構造を試作し、検討した。
【0013】
その結果、本発明者は、所定のマンホール用止水可とう継手を用いることによって、推進工法の管とマンホールとのジョイント部を柔結合としたマンホール構造が得られることを見出し、本発明に至った。
【0014】
本発明にかかるマンホール用止水可とう継手は、剛性の筒状体と、この筒状体の内側の筒状可とう体とを備えており、この筒状可とう体が弾性体から形成されている。
【0015】
本発明にかかる筒状可とう体は、剛性の筒状体と管との間を連結し、これらの変位を吸収する働きをする。
【0016】
かかる継手は、現場打ちコンクリート製マンホールや組み立てマンホール等のマンホールの壁と管とのジョイント部に適用するマンホール用止水可とう継手である。
【0017】
本発明にかかる筒状体は、外周にコンクリート等のマンホール壁用充填剤が流し込まれマンホール壁が形成される際にダムとなり、筒状体と管との間に空間を確保する。
【0018】
また、本発明にかかる筒状体は、外周にモルタルコンクリート等のマンホール壁用充填剤が流し込まれる際、マンホールの壁の削孔面とマンホール構造用止水可とう継手との間でマンホール壁用充填剤のダムとなり、筒状体と管との間に空間を確保する。
【0019】
本発明では、かかる筒状体と管との間の空間には、弾性体製の筒状可とう体が配置される。かかる筒状可とう体は、筒状体と管との間の変位を吸収する働きをする。
【0020】
本発明のマンホール構造によれば、筒状体の外周にマンホール壁が形成され、筒状体と管との間が弾性体製の筒状可とう体によって連結されるため、地震等の大規模な地殻変動によって、マンホールと管との間に、異なる負荷がかかったり、相対的な変位の差が生じて位置ズレが起きても、筒状可とう体がかかる負荷及び変位を吸収でき、マンホール壁と管との接合部の破損が防止できる。
【0021】
また、本発明のマンホール構造によれば、筒状体の外周がマンホール壁用充填剤によってマンホールの壁に固定され、マンホールの壁と筒状体との間が埋められ、筒状体と管との間が弾性体製の筒状可とう体によって連結されるため、地震等の大規模な地殻変動によって、マンホールと管との間に、異なる負荷がかかったり、相対的な変位の差が生じて位置ズレが起きても、筒状可とう体が、かかる負荷及び変位を吸収して、マンホールと管との接合部の破損が防止できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
本発明のマンホール構造は、現場打ちコンクリート製のマンホールの他、既製の組み立てマンホール等の予め工場等で製造されたマンホールを用いることができる。管と接続するためのマンホール壁面の削孔は、現場で形成しても良いが、工場等の品質管理の行き届いたところで形成するのが良い。
【0023】
本発明のマンホール構造は、現場打ちコンクリート製のマンホール壁と管とが接続されて形成されることができる。
【0024】
本発明にかかる現場打ちコンクリート製のマンホール壁は、立坑等の現場において型枠内にマンホール壁用充填剤を流し込んで形成することができる。また、本発明にかかる管は、かかるマンホールとマンホール等とをつなぐ管であり、代表的には、下水道管等の管である。
【0025】
本発明では、かかる管が、推進工法で、少なくとも2つの立坑間で推進敷設された後、立坑内の型枠にマンホール壁用充填剤を流し込んで、かかる管の周囲にマンホールの壁を形成することができる。
【0026】
かかるマンホール壁用充填剤は、現場打ちマンホールの壁を構成したり、マンホール構造用止水可とう継手を既製の組み立てマンホール等のマンホールの壁の削孔面に固定するのに用いるもので、コンクリート、モルタルコンクリート等、種々の材質のものを用いることができる。
【0027】
また、本発明では、管が、推進工法で、少なくとも2つの立坑間で推進敷設された後、立坑内で、既製のコンクリート部材等を組み立てて、マンホール壁用充填剤によって、マンホール構造用止水可とう継手を組み立てマンホールの壁の削孔面に固定することができる。
【0028】
本発明にかかる筒状体の外周と、組み立てマンホールの壁の削孔面との間に流し込まれるマンホール壁用充填剤は、特に制限されることなく、モルタルコンクリート等、種々のコンクリートでよい。特に、筒状体の外周とマンホールの削孔面との間が狭い場合、無収縮モルタル、樹脂モルタル、エポキシ樹脂等を好適に用いることができる。
【0029】
本発明にかかるマンホール構造用止水可とう継手は、現場打ちコンクリート製マンホールの場合、マンホール壁を形成するのに先立ち、推進工法によって敷設された管に装着することができる。かかるマンホール用止水可とう継手は、剛性の筒状体と、この筒状体の内側の筒状可とう体とを備えており、筒状可とう体は、弾性体から形成されている。
【0030】
また、本発明にかかるマンホール構造用止水可とう継手は、既製の組み立てコンクリート製マンホールの場合には、マンホール壁を形成した後、推進工法によって敷設された管に装着することができる。この場合、マンホール構造用止水可とう継手は、推進工法で敷設された管をマンホールの内面まで継ぎ足した後、マンホールの壁の削孔と継ぎ足した管との間に挿入することができる。
【0031】
本発明にかかる筒状可とう体は、筒状体と管との間の変位を吸収する弾性体であれば、特に、形状の制限なく、種々のものを用いることができる。
【0032】
かかる筒状可とう体としては、例えば、円筒体を用いることができ、筒状可とう体の壁を縦断面で見た場合、四角形、五角形、六角形等の多角形、蛇腹形、バネ状等の形状とすることができる。
【0033】
かかる筒状可とう体は、剛性の筒状体と管との間に挿入することにより、これらの間に設けることができる。
【0034】
本発明では、筒状可とう体の少なくとも一部は、筒状体及び管に固定されている。このようにすることで、マンホールの壁と管との間を一定の間隔で保てると共に、マンホールの壁と管とが異なった変位を起こして位置ズレしても、筒状可とう体が変位を効率的に吸収し、接合部の破損を防ぐことができる。
【0035】
本発明では、マンホール用止水可とう継手は、筒状可とう体の一端が拡張バンドによって筒状体の内面に予め圧着固定されているのが好ましく、この状態で管に装着された後、筒状可とう体の他端が締結バンドによって管の外周に締め付け圧着固定されることになるのが好ましい。
【0036】
本発明では、管に装着されたマンホール用止水可とう継手の筒状体の外周に、コンクリート等のマンホール壁用充填剤が流し込まれ、マンホール壁が形成されることができる。
【0037】
また、本発明では、管に装着されたマンホール用止水可とう継手の筒状体の外周に、マンホール壁用充填剤が流し込まれ、予め形成されたマンホールの壁の削孔面と筒状体との間を埋めることができる。
【0038】
このようにして得られるマンホール構造は、マンホール壁と管とのジョイント部に、マンホール用止水可とう継手が配置されることとなり、マンホール用止水可とう継手の筒状可とう体によって、マンホール壁と管とのジョイント部が柔接合となる。
【0039】
本発明にかかる筒状可とう体は弾性体から形成される。かかる弾性体は、マンホール壁と管との間の変位を吸収できる柔軟さが必要であるが、特に制限されることは無く、種々の材質を用いて形成することができる。
【0040】
かかる弾性体の材質の中でも、特に好ましいのはゴムである。ゴムは、材質自体に弾性を有し、伸縮可能で、管変位に追従性を発揮させるのに好適だからである。
【0041】
本発明にかかる筒状体は、流し込まれる現場打ちマンホール壁用充填剤のダムとなる場合があり、筒状体と管との間で、筒状可とう体のための空間を確保する。このため、かかる筒状体は、好ましくは、打設コンクリート等の圧力によって変形し難いものがよい。
【0042】
本発明では、管と同様の材質の筒状体を用いることができる。しかし、図13に示す従来のマンホール構造41では、下水道管等の管43とマンホール壁44の界面は漏水の水みちになり易い。
【0043】
図14は、従来のマンホール構造を立坑内から見た正面図である。図13及び14に示すように、従来のマンホール構造41では、コンクリート硬化前の脱水沈下により筒状体下部に生じる隙間46、経年後のコンクリート乾燥収縮により生じる微小な隙間47等により、下水道管等の管43とマンホール壁44の界面は漏水の水みちになり易い。
【0044】
そのため、本発明にかかる筒状体に、管と同様の材質の短管を用いる場合、筒状体のコンクリート等のマンホール壁用充填剤と接する面に、筒状体とマンホール壁用充填剤との付着を良くするために、外周面に砂を糊付けした砂付き短管を用いることができる。
【0045】
本発明にかかる筒状体には、マンホール壁を構成するマンホール壁用充填剤と接する面に、コンクリート等のマンホール壁用充填剤と接着する接着材や粘着材を貼り付けることができる。
【0046】
かかる接着材や粘着材としては、水膨張ゴム系接着材や非加硫ブチルゴム系粘着材を用いることができる。
【0047】
また、かかる接着材や粘着材としては、好ましくは、非加硫ブチルゴム系粘着材である。水膨張ゴム系接着材は、浸入水を吸い込み膨張し、その膨張圧で止水するが、ブチルゴム系粘着材は、マンホール壁用充填剤が硬化する過程でマンホール壁用充填剤と化学的に接着するため、止水性が高いからである。
【0048】
かかる接着材や粘着材は、マンホール壁用充填剤の硬化前の脱水沈下により筒状体下部に生じる隙間、経年後のマンホール壁用充填剤の乾燥収縮により生じる微小な隙間等による漏水の発生を防止することができる。
【0049】
本発明にかかる筒状体の外周には、フランジを設けることができる。かかるフランジは、マンホール壁のマンホール壁用充填剤に食い込み、筒状体をマンホール壁のコンクリート等に固定するのに役立ち、筒状体とマンホール壁のマンホール壁用充填剤との密着性を高めることができる。
【0050】
フランジは、マンホール壁のマンホール壁用充填剤に食い込み、マンホール壁用充填剤内で固定されれば、特に材質等の制限はないが、好ましくは、打設するマンホール壁用充填剤の圧によって変形し難いものがよい。
【0051】
また、本発明にかかるフランジのマンホール壁のマンホール壁用充填剤と接する面には、前述の筒状体のマンホール壁と接する面と同様に、マンホール壁用充填剤と接着する接着材や粘着材を貼り付けることができる。
【0052】
かかる接着材や粘着材としては、前述の水膨張ゴム系接着材や非加硫ブチルゴム系粘着材、好ましくは、非加硫ブチルゴム系粘着材を用いることができる。
【0053】
かかるフランジとその外面に接着材や粘着材を貼り付けた筒状体を備えるマンホール用止水可とう継手によれば、筒状体の外周の接着材や粘着材が貼られているフランジをマンホール壁のマンホール壁用充填剤中に埋め込むことにより、マンホール壁と筒状体との間の浸入水を遮断でき、マンホール壁用充填剤の界面からの漏水を完全に防止することができる。
【0054】
また、マンホール用止水可とう継手としては、特開平9-32020号公報に記載されたものが知られている。図15は、かかる止水可とう継手を用いる一例の縦断面図である。かかる止水可とう継手301は、ゴム製の可とう継手301の一端301aをマンホール302の削孔面302aに拡張バンド303で圧着固定し、下水道管304の外周を覆う。ゴム製可とう継手301のもう一方の端部301bを締結バンド305で締め付け、管304に圧着固定することにより、マンホール302と下水道管304との接合部を柔構造にすると共に、止水性を確保している。
【0055】
かかるマンホール用止水可とう継手は、管接続前に前もってマンホールに取り付けておかねばならない。
【0056】
マンホールは、工場で製作される場合、下水道管等の管が挿入される孔は、出荷前にコンクリート削孔機にて指定位置にコア抜きする。その削孔面にゴム製可とう部を拡張バンドで圧着固定するが、削孔面は必ずしも平滑ではない。
【0057】
コンクリート削孔機の刃先は、ダイヤモンドが埋め込まれており、モルタル・骨材とも切削するが、削孔機の振動により、2〜3mm程度の凹凸が生じ、特に削孔スピードを上げると、凹凸が大きくなる。また、コンクリート自体若干の気泡を含んでおり、これも凹凸の原因になりうる。これらの削孔面の凹凸は、図16に示す図15の部分拡大図のように、削孔面302aと可とう継手301の一端301aとの間で、漏水の原因となり易い。
【0058】
というのは、ゴム製可とう部は、マンホール削孔面に拡張バンドで圧着固定され、止水するとともに、水圧に耐えながら変位を吸収する必要があり、ある程度硬度があり、クリープしないゴムでなければならない。
【0059】
しかし、そのようなゴム材料の場合、拡張バンドの拡張力だけでは、マンホール削孔面の凹凸に追従しきれず、漏水する場合がある。
【0060】
また、削孔回数が増えるに従い、刃先が摩耗し、削孔径が2〜3mm減少する。すると、所定の拡張バンドでは圧着できなくなる。
【0061】
以上のような不具合には、品質管理のしっかりしたマンホール製造所にて止水可とう継ぎ手を取り付ける必要がある。
【0062】
しかし、推進工法で組み立てマンホール(工場で前もって製作し現場に搬入する)を使用する場合、止水可とう継ぎ手は、現場にて、マンホール設置、管接続後にマンホール削孔と下水道管の間に挿入するため、従来の技術では対応できない。
【0063】
本発明では、管と剛性の筒状体との間に、マンホール構造用止水可とう継手を取り付け、マンホール構造用止水可とう継手のゴム製可とう部がマンホールの削孔面に直接接触しないので、削孔面の凹凸は問題とならない。
【0064】
また、本発明では、組み立てマンホールの削孔面と剛性の筒状体との間に、前述のマンホール壁用充填剤と接着する接着材や粘着材を貼り付けたり、水膨張性高分子樹脂を設けることができる。
【0065】
本発明では、剛性の筒状体が、マンホールの壁側に突出している帯状の突出部を有しているのが好ましい。かかる突出部は、筒状体の外周に流し込まれるマンホール壁用充填剤の端部を位置決めするのに有利である。
【0066】
また、かかる突出部は、マンホール壁用充填剤がマンホールの外側にこぼれ落ちるのを防止できるとともに、筒状体に接触するマンホール壁用充填剤を密にすることができるので、筒状体とマンホールの壁との密着性を向上させることができる。
【0067】
かかる突出部は、種々の形状及び種々の材料で形成することができる。好ましくは、筒状体と同質の材料であり、筒状体と同様に、流し込まれるマンホール壁用充填剤に耐え得る材料及び形状である。
【0068】
本発明にかかる拡張バンド及び締結バンドは、筒状可とう体を筒状体及び管に十分に圧着固定することができ、それらの間を十分に止水することができれば、適度な剛性を持つ高分子材料からなるものでも良い。
【0069】
本発明にかかるフランジ、筒状体、拡張バンド及び締結バンドは、特に望ましくは、鋼製であり、耐腐食性に優れるステンレス鋼である。
【0070】
図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の一例のマンホール構造の縦断面図である。図2は、本発明の他の例のマンホール構造の縦断面図である。図3は、図2のマンホール構造の横断面図である。図4は、本発明の更に他の例のマンホール構造の縦断面図である。図5は、図4のマンホール構造で用いるマンホール用止水可とう継手の斜視図である。図6は、本発明にかかる他の例のマンホール構造用止水可とう継手の斜視図である。図7は、図4のマンホール構造の一例の施工例を示す縦断面図である。図8〜11は、本発明のマンホール構造の一施工例を工程毎に示す縦断面図である。図12は、本発明の更に他の例のマンホール構造の縦断面図である。
【0071】
図1に示すように、本発明の一例のマンホール構造1は、現場打ちコンクリート製のマンホール壁2と管3とが接続されて形成される。
【0072】
マンホール構造1では、管3が立坑4内で推進敷設されており、管3の外周に、マンホール用止水可とう継手5が設けられている。
【0073】
マンホール用止水可とう継手5は、剛性の筒状体6と、筒状体6の内側の筒状可とう体7とを備えており、筒状可とう体7は弾性体から形成されている。この筒状可とう体7は、代表的にはゴム製であり、筒状で、管3を周囲から取り巻いている。
【0074】
筒状可とう体7の一端7aは、筒状体6の内面に拡張バンド8によって圧着固定されており、筒状可とう体7の他端7bは、管3の外周に締結バンド9によって締め付け圧着固定されている。
【0075】
拡張バンド8は、その円周が伸びて放射状に拡がり、筒状可とう体7の一方の端部7aを筒状体6の内側に押し付ける。また、締結バンド9は、筒状可とう体7の他方の端部7bを外側から管3に向かって締め付けることにより固定する。
【0076】
筒状体6の内側への筒状可とう体7の端部7aの取り付け、及び筒状可とう体7の端部7bの管3への取り付けは、いずれも、適切な接着材を選択して使用し、バンドと接着材とを併用して固定することもできる。
【0077】
筒状体6の外周には、コンクリートが流し込まれて、マンホール壁2が形成されている。なお、立坑4の土留め壁は、コンクリート打設の最小作業範囲になるため、ケーシング鋼管10が外型枠となる。
【0078】
このように、図1のマンホール構造1では、マンホール用止水可とう継手5を管3に取り付けた後、マンホール壁2のコンクリートを打設すれば、筒状体6がマンホール壁2のコンクリートのダムとなり、筒状体6と管3との間に空間を確保し、かかる空間内で、弾性体製の筒状可とう体7が筒状体6と管3とを連結する。
【0079】
かかるマンホール構造1の筒状可とう体7は、マンホール壁2と管3との間の伸縮変位、屈曲変位、せん断変位等を管3に負荷をかけることなく、吸収する。
【0080】
なお、図示してはいないが、かかる筒状体6のマンホール壁2のコンクリートと接する面には、コンクリートと接着する接着材や粘着材を貼り付けることができる。
【0081】
図2の他の例のマンホール構造101は、組み立てマンホール102の壁103の削孔面103aとマンホール構造用可とう継手104の間に、モルタルコンクリート105を詰めた状態で示す縦断面図であり、図3は、その横断面図である。
【0082】
筒状体106と下水道管107とを、筒状可とう体108で連結することにより、筒状体106と下水道管107との間に空間109a、109bを確保し、下水道管の伸縮変位、屈曲変位、せん断変位等を下水道管107に負荷をかけることなく吸収できる。
【0083】
筒状可とう体108は、拡張バンド110を用いて筒状体106の内側に固定されている。拡張バンド110は、その円周が伸びて放射状に拡がり、ゴム製筒状可とう体108の一方の端部108aを筒状体106の内側に押し付けている。筒状体106の内側への可とう体108の取り付けは、適切な接着剤を選択して固定しても良い。
【0084】
また、ゴム製筒状可とう体108のもう一方の端部108bの管側取付部は、締結バンド111を用い、管側取付部を外側から締め付けることにより固定されている。筒状体106と管側取付部も、バンド111と接着剤とを併用して固定することもできる。
【0085】
ゴム製筒状可とう体108は、筒状で、管107を周囲から取り巻いている。筒状体106は、モルタルコンクリート105を詰めることにより、マンホール102にしっかり固定されていなければならないが、モルタルコンクリート詰め作業は、マンホール102の内側からしかできない。
【0086】
突出部112は、マンホール102の内側から詰めるモルタルコンクリート105が外側にこぼれることを防ぐ役目をする。
【0087】
また、詰めたモルタルコンクリート105は、経時で乾燥収縮し、マンホール102の削孔面103aや筒状体106の外周面との界面に微小な隙間を生じ漏水の原因となり易い。
【0088】
そこで、マンホール102の削孔面103aや筒状体106の外周面に、水膨張性高分子樹脂113,114等を配置し、微小な隙間からの進入水で膨張した水膨張性高分子樹脂の面圧で止水する。
【0089】
図4は、本発明の他の例のマンホール構造11であり、このマンホール構造11では、図1のマンホール構造1のマンホール用止水可とう継手5に代えて、図5に詳細を示すような、マンホール用止水可とう継手15を用いる。
【0090】
マンホール用止水可とう継手15では、剛性の筒状体16と、筒状体16の内側の筒状可とう体17とを備えており、筒状可とう体17が弾性体から形成されている点は、マンホール用止水可とう継手5と同様である。
【0091】
また、図4のマンホール構造11では、筒状可とう体17の一端17aが、筒状体16の内面に拡張バンド18によって圧着固定されており、筒状可とう体17の他端17bが、管13の外周に締結バンド19によって締め付け圧着固定されて、筒状体16の外周には、ケーシング鋼管20を外型枠として、立坑14内にコンクリートが流し込まれることによって、マンホール壁12が形成されている点は、マンホール構造1と同様である。
【0092】
しかし、マンホール構造11では、マンホール用止水可とう継手15の筒状体16の外周にフランジ16aが設けられている。図4のマンホール構造11は、図1のマンホール構造1と、この点が異なる。かかるフランジ16aは、マンホール壁12のコンクリートに食い込み、筒状体16をマンホール壁12のコンクリートに固定するのに役立ち、筒状体16とマンホール壁12のコンクリートとの密着性を高める。
【0093】
また、マンホール構造11では、フランジ16aのマンホール壁12のコンクリートと接する面に、コンクリートと接着する非加硫ブチルゴム系粘着材16bが貼り付けられている。
【0094】
図4のマンホール構造11では、マンホール用止水可とう継手15を管13に取り付けた後、マンホール壁コンクリート12を打設すれば、図1のマンホール構造1と同様に、筒状可とう体17が、マンホール壁12と管13との間の伸縮変位、屈曲変位、せん断変位等を管13に負荷をかけることなく、吸収する。
【0095】
マンホール壁12のコンクリートと筒状体16が接する界面は水みちとなり易く、これらの材質が互いに異なる場合、より一層水みちとなり易いが、図4の筒状体16には、フランジ16aが設けられている上、フランジ16aのマンホール壁12のコンクリートと接触する面には、コンクリートと接着する非加硫ブチルゴム系粘着材16bが貼り付けられているため、これ等の間の界面よりの漏水を確実に防止できる。
【0096】
図6のマンホール構造用止水可とう継手104は、マンホール構造101で用いるものである。このマンホール構造用止水可とう継手104は、マンホール用止水可とう継手15と、主として、突出部112を有する点で異なる。かかるマンホール構造用止水可とう継手104は、図2及び3では、組み立てマンホール102に用いているが、図1に示すような現場打ちマンホール構造でも用いることができる。
【0097】
図7は、図4のマンホール構造を施工する際の一工程を示す断面図である。立坑14の間を下水道管等の管13が推進工法で敷設された後、本発明のマンホール用止水可とう継手15を下水道管等の管13に装着するところである。
【0098】
筒状体16と弾性体製の筒状可とう体17とは、筒状可とう体の一端17aが予め拡張バンド18で拡張され連結されており、マンホール用止水可とう継手15を管13に装着後、管13の外周に、筒状可とう体の他端17bを締結バンド19で締め付け、管13に圧着固定する。
【0099】
本発明では、図8〜11に示すようにして、組み立てマンホール102と管107とマンホール構造用可とう継手104とを接続して、図2及び3に示すマンホール構造101を施工することができる。
【0100】
図8は、立坑間を下水道管107が推進工法で敷設された状態を示す縦断面図であり、図9は、マンホール102を吊降ろし、設置した状況である。
【0101】
図10は、ソケット121を用い下水道管122をマンホール102の内面まで延長した状態であり、推進工法の場合、この状態で止水可とう継手104を取り付けることができる。
【0102】
図11は、止水可とう継手104をマンホール102の削孔面103aに挿入しセットする直前の状態であり、セットし、筒状体とマンホールの削孔面の間にモルタルコンクリートを詰めれば、図2及び3に示すマンホール構造を得ることができる。
【0103】
本発明では、また、図12に示すようなマンホール構造を得ることができる。図12に示すマンホール構造21では、マンホール用止水可とう継手25を用いる。
【0104】
マンホール構造21では、コンクリート壁は省略するが、マンホール用止水可とう継手25以外は、図1及び図4のマンホール構造と同様である。
【0105】
マンホール用止水可とう継手25は、剛性の筒状体26と、筒状体26の内側の筒状可とう体27とを備えており、筒状可とう体27が弾性体から形成されており、筒状体26の外周にフランジ26aと未加硫ブチルゴム系粘着材26bとが設けられている点は、マンホール用止水可とう継手15と同様である。
【0106】
また、図12のマンホール構造21では、筒状可とう体27の一端27aが、筒状体26の内面に拡張バンド28によって圧着固定されており、筒状可とう体27の他端27bが、管23の外周に締結バンド29によって締め付け圧着固定されて、筒状体26の外周には、ケーシング鋼管30を外型枠として、立坑24内にコンクリートが流し込まれることによって、マンホール壁が形成される点は、マンホール構造11と同様である。
【0107】
しかし、マンホール構造21は、マンホール用止水可とう継手25に用いられている筒状可とう体27の端部27aが、ケーシング鋼管30の方向とは反対方向に突出して、折り返し構造となっており、この端部27aが筒状体26へ取り付けられている点が、図4のマンホール構造11と異なる。かかる構造は、形状的に、より一層マンホール壁と管との変位を吸収し易く、有利である。
【0108】
【発明の効果】
本発明のマンホール構造によれば、筒状体の外周にマンホール壁が形成され、筒状体と管との間が弾性体製の筒状可とう体によって連結されるため、地震等の大規模な地殻変動によって、マンホール壁と管との間に、異なる負荷がかかったり、相対的な変位の差が生じて位置ズレが起きても、筒状可とう体がかかる負荷及び変位を吸収でき、マンホール壁と管との接合部の破損が防止できる。
【0109】
本発明のマンホール構造によれば、推進工法による管敷設完了後に、管にマンホール用止水可とう継手を装着し、マンホール壁コンクリートを構築することによって、作業性に優れ、簡単に、管とマンホール壁とを柔接合にできると共に、接合部の止水性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例のマンホール構造の縦断面図である。
【図2】本発明の他の例のマンホール構造の縦断面図である。
【図3】図2のマンホール構造の横断面図である。
【図4】本発明の更に他の例のマンホール構造の縦断面図である。
【図5】図4のマンホール構造で用いるマンホール用止水可とう継手の斜視図である。
【図6】本発明にかかる他の例のマンホール構造用止水可とう継手の斜視図である。
【図7】図4のマンホール構造の一例の施工例を示す縦断面図である。
【図8】本発明のマンホール構造の一施工例の一工程を示す縦断面図である。
【図9】本発明のマンホール構造の一施工例の他の工程を示す縦断面図である。
【図10】本発明のマンホール構造の一施工例の更に他の工程を示す縦断面図である。
【図11】本発明のマンホール構造の一施工例の更に他の工程を示す縦断面図である。
【図12】本発明の更に他の例のマンホール構造の縦断面図である。
【図13】従来の推進工法によるマンホール構造の縦断面図である。
【図14】従来のマンホール構造を立坑内から見た正面図である。
【図15】止水可とう継手を用いる一従来例の縦断面図である。
【図16】図15の部分拡大図である。
1,11,21,101 マンホール構造
2,12,22 マンホール壁
3,13,23 管
4,14,24 立坑
5,15,25 マンホール用止水可とう継手
6,16,26 筒状体
7,17,27 筒状可とう体
7a,17a,27a 一端
7b,17b,27b 他端
8,18,28 拡張バンド
9,19,29 締結バンド
10,20,30 ケーシング鋼管
16a,26a フランジ
16b,26b 非加硫ブチルゴム系粘着材
102 組み立てマンホール
103 壁
103a 削孔面
104 マンホール構造用可とう継手
105 モルタルコンクリート
106 筒状体
107 管
108 筒状可とう体
109a,109b 空間
110 拡張バンド
108a 一方の端部
108b もう一方の端部
111 締結バンド
112 突出部
113,114 水膨張性高分子樹脂
41 マンホール構造
42 立坑
43 管
44 マンホール壁
45 ケーシング鋼管
46,47 隙間
301 止水可とう継手
301a 一端
302 マンホール
302a 削孔面
303 拡張バンド
304 管
301b もう一方の端部
305 締結バンド
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2005-09-09 
結審通知日 2005-09-15 
審決日 2005-09-28 
出願番号 特願2001-89285(P2001-89285)
審決分類 P 1 123・ 55- YA (E02D)
P 1 123・ 121- YA (E02D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 柴田 和雄  
特許庁審判長 安藤 勝治
特許庁審判官 木原 裕
南澤 弘明
登録日 2004-09-17 
登録番号 特許第3597789号(P3597789)
発明の名称 マンホール構造、マンホール構造用止水可とう継手及びマンホール構造の施工方法  
代理人 杉村 興作  
代理人 杉村 興作  
代理人 石黒 健二  

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