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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1129889
審判番号 不服2003-20232  
総通号数 75 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2001-05-11 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-10-16 
確定日 2006-01-20 
事件の表示 平成11年特許願第309564号「プリンタ、プリントシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 5月11日出願公開、特開2001-125757〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は平成11年10月29日の出願であって、平成15年9月11日付で拒絶査定がなされ、これに対して平成15年10月16日に拒絶査定に対する審判が請求されるとともに、同年11月12日付で手続補正がなされたものである。

2.平成15年11月12日付手続補正について
[補正却下の決定の結論]
平成15年11月12日付手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は次のとおり補正された。
「ジョブの種類を示すジョブタイプ領域とジョブの内容が格納されるジョブデータ領域とを有するプリントジョブデータをホスト装置から受け付けると、前記ジョブタイプ領域に格納されたデータに従って前記受け付けたプリントジョブデータのタイプを判別し、
前記受け付けたプリントジョブデータがプリントデータを生成するための第1のプリントジョブデータであると判別した場合には、前記第1のプリントジョブデータのジョブデータ領域に格納されたデータに基づいてプリントデータを生成し、前記生成したプリントデータに所定の識別情報を関連付けて所定の記憶装置に記憶し、
前記受け付けたプリントジョブデータが、すでにホスト装置から送られプリンタに投入されたプリントジョブデータを制御するための第2のプリントジョブデータであると判別した場合には、前記第2のプリントジョブデータのジョブデータ領域に格納されたデータに含まれる所定の識別情報に従って、前記記憶したプリントデータを読み出して、前記読み出したプリントデータに基づいて印刷記録媒体に対して印刷を行うことを特徴とするプリンタ。」

上記補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項であるプリンタにおけるプリントジョブデータの受信に関し、「ジョブの種類を示すジョブタイプ領域とジョブの内容が格納されるジョブデータ領域とを有するプリントジョブデータをホスト装置から受け付けると、前記ジョブタイプ領域に格納されたデータに従って前記受け付けたプリントジョブデータのタイプを判別し」との限定を付加し、プリントデータの生成、生成したプリントデータの所定の記憶装置への記憶に関し、「ジョブデータ領域に格納されたデータに基づいてプリントデータを生成し、前記生成したプリントデータに所定の識別情報を関連付けて所定の記憶装置に記憶し」との限定を付加し、記憶したプリントデータの読み出しに関し、「第2のプリントジョブデータのジョブデータ領域に格納されたデータに含まれる所定の識別情報に従って、前記記憶したプリントデータを読み出して」との限定を付加するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1)引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願日前に頒布された刊行物「特開平9-174956号公報」(以下「引用刊行物」という。)には図面とともに以下の記載がある。
(イ)「【0005】
【課題を解決するための手段】図1は本発明によるプリンタ制御装置の原理構成を示す図である。この図において、プリンタ制御装置は、外部装置などからページ記述言語で書かれたプリントデータを受けると、そのジョブを登録するジョブ登録手段1と、受けたプリントデータを印刷可能なデータに展開するデータ展開手段2と、展開された印刷可能なデータを保存する記憶手段3と、ジョブ登録手段1に登録されたジョブデータを基にして記憶手段3に保存されている全てのジョブおよび全てのページの中から任意にページを選択して新たなジョブを再構成し、そのジョブをジョブ登録手段1に登録するジョブ生成手段4と、ジョブ登録手段1に登録されたジョブデータに従って記憶手段3に保存されたジョブを読み出し、プリンタ7に送出して印刷するよう制御するジョブ制御手段5と、ジョブ生成手段4において選択すべきジョブを表示する表示手段6とを備えている。また、ジョブ生成手段4はこれによって生成されたジョブのデータをジョブ登録手段1に登録するように構成されている。
【0006】ジョブ生成手段4によって新たなジョブを作成するときには、記憶手段3に保存されているプリントデータに関するデータを表示手段6に表示し、表示されたデータからジョブ/ページを任意に選択する。選択されたページを組み合わせることによって1つのジョブが作成される。このジョブはジョブ登録手段1に登録され、印刷する場合は、ジョブ制御手段5によって該当するページを記憶手段3から読み出してプリンタ7に送る。
【0007】このため、本発明のプリンタ制御装置によれば、1つのジョブの中の複数の任意のページを選択して新しいジョブとしてプリント指示できるため、必要なページのみ印刷することができる。また、別ジョブのページも任意に組み合せてジョブとして登録できるため、表紙と本文といった組合せのジョブを先にプリンタ制御装置に送っておき、後で、別の表紙を作成して送ったときに、既に送ってある本文と組み合せて別のジョブを作り、このジョブに従って印刷をするといったことが可能になる。したがって、ジョブ間で共通なページがあればこれを複数持たなくても済み、記憶手段の効率的な利用を図ることができる。」(第2頁右欄第19-第3頁左欄第8行)

(ロ)「【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図2は本発明によるプリンタ制御装置の構成例を示すブロック図である。
【0009】プリンタ制御装置10は、これのユーザインタフェースである表示装置20と、プリンタ30とに接続されており、外部装置からプリント要求ジョブを受けるプリント要求受付部11と、受け付けたプリント要求ジョブを登録するジョブデータベース12と、ページ記述言語(PDL:Page Description Language)で書かれたプリントデータを印刷可能なデータに展開するPDL処理部13と、展開されたデータを記憶する記憶装置14と、PDL処理部13の管理およびページ毎の処理を制御するジョブ制御部15と、新たなジョブを作成するジョブ作成部16と、ページ単位のイメージデータを格納するページバッファ17と、ページイメージのデータをプリンタ30へ送信するデータ送信部18と、プリンタ30の動作状態を管理するプリンタ管理部19とによって構成されている。PDL処理部13はプリントデータからプリンタ30にて印刷可能なラスタデータに展開する印刷データ作成部13aと、プリントデータから表示装置20の表示のために使用される縮小イメージデータを作成する表示用データ作成部13bとによって構成されている。また、記憶装置14は作成されたデータを一時的に格納している内部記憶領域14bと、ディスク等からなる外部記憶領域14aとによって構成される。」(第3頁左欄第9-35行)

(ハ)「【0010】外部装置からネットワークを介してページ記述言語で書かれたプリント要求ジョブが送られてくると、プリント要求受付部11はこれを受け付けし、ジョブをジョブデータベース12に登録する。PDL処理部13では、印刷データ作成部13aにおいてPDLを印刷可能なラスタデータに展開を行うとともに表示用データ作成部13bにおいてPDLから低解像度の表示用の縮小イメージデータを作成する。PDL処理部13で作成されたデータは記憶装置14に記憶される。ジョブ制御部15は、プリント実行の際に、記憶装置14に記憶されたラスタデータをページ単位でページバッファ17に送り、データ送信部18を介してプリンタ30に送信し、そのページを印刷する。
【0011】ジョブ作成部16はジョブデータベース12に登録されているジョブデータまたは記憶装置14に保存されている表示用のイメージデータを表示装置20に表示し、表示された情報を基にして、ジョブ/ページを任意に選択し、新たにジョブを生成し、生成したジョブをジョブデータベース12に登録する。」(第3頁左欄第36行-右欄第4行)

(ニ)「【0012】図3はジョブ作成イメージを例示した説明図である。この図において、(A)は記憶装置14の外部記憶領域14aに格納されている複数のジョブのページイメージを示しており、ここでは、例としてジョブ作成対象の3つのジョブのページイメージ41,42,43が示されている。(B)は格納されている3つのジョブから任意のページを選択して新たに作成されたジョブのページイメージ44を示している。
【0013】図示のジョブ作成例によれば、1ページ目にジョブJob2の1ページ目が、2ページ目にジョブJob3の4ページ目が、そして、3ページ目にジョブJob1の2ページ目が選択され、これら複数のジョブから選択されたページによって1つのジョブが生成されている。このように、3つのジョブから新しいジョブが生成されると、以下のようなジョブデータが作成される。
【0014】図4はジョブデータのデータ構造を例示した図である。ジョブデータ51はジョブ名、用紙サイズ、総ページ数、プリンタ30における出力先、片面/両面の指定、印刷部数等のジョブ固有の属性とそれぞれ選択されたジョブのページデータ52へのポインタとを持つ。ページデータ52は、ページ番号、用紙サイズ等の属性と印刷/表示データ53へのポインタを持つ。印刷/表示データ53は参照されているジョブIDと印刷可能なデータを示すファイル名、表示用のデータを示すファイル名を持つ。これらのデータはジョブデータベース12に登録され、また、ページデータ52および印刷/表示データ53については印刷可能なラスタデータとともにその印刷属性として記憶装置14に格納されている。」(第3頁右欄第5-34行)

(ホ)「【0015】図5および図6はプリンタ制御装置の動作を説明するフローチャートである。まず、プリント要求受付部11が、ワークステーション等からプリント要求ジョブを受信する(ステップS1)。受信されたジョブはジョブデータベース12に登録される(ステップS2)。PDL処理部13において印刷用のラスターデータおよび表示用の低解像度の縮小イメージデータを作成する(ステップS3)。作成されたデータは印刷属性等の必要な情報とともに記憶装置14に格納される(ステップS4)。ここで、プリンタ30へ出力するように指示をし(ステップS5)、出力するジョブのID、ページ番号(P)を指定する(ステップS6)。次いで、指定されたジョブID、ページ番号(P)の印刷データをページバッファ17に読み出し、データ送信部18よりプリンタ30に送り(ステップS7)、プリンタ30により印刷を実行する(ステップS8)。」(第3頁右欄第35-50行)

(ヘ)「【0017】一方、再印刷指示の場合は、記憶装置14に格納されているジョブの属性等のデータを、まず、表示装置20に表示する(ステップS18)。次いで、表示されたデータからジョブ/ページを選択して組み合せ、1つのジョブにまとめ(ステップS19)、部数等のジョブとしての印刷属性を指定し(ステップS20)、ジョブ作成部16でジョブを作成してジョブデータベース12に登録する(ステップS21)。これ以降は、ステップS5に進み、通常のジョブと同様に扱われる。」(第4頁左欄第27-36行)

(2)対比
本願補正発明と引用刊行物に記載された発明を対比すると、
引用刊行物の「外部装置」及び「記憶装置14」は、それぞれ、本願補正発明の「ホスト装置」及び「所定の記憶装置」に相当し、引用刊行物の「プリンタ制御装置」及び「プリンタ」は本願補正発明の「プリンタ」に相当する。
また、引用刊行物の、PDL処理部13で展開された「印刷可能なラスタデータ」は、本願補正発明の「プリントデータ」に相当し、引用刊行物の、外部装置からプリント制御装置に入力される「プリント要求ジョブ」は本願補正発明のホスト装置から受け付けるプリントジョブデータの内、「第1のプリントジョブデータ」に相当し、引用刊行物において、プリンタ制御装置において作成される「新たなジョブ」は、すでにホスト装置から送られてプリンタの記憶装置に記憶されたプリントジョブデータの任意のページをポインタにより指定して印刷を行わせるためのデータである(記載事項(ニ)、図4)から、本願補正発明の「第2のプリントジョブデータ」に相当する。
また、引用刊行物において、「印刷可能なラスタデータ」(本願補正発明の「プリントデータ」)がどのように記憶装置14に格納されているか必ずしも明らかではないが、格納されたデータはジョブID、ページ番号を指定して出力される(記載事項(ホ))から、引用刊行物の「印刷可能なラスタデータ」(本願補正発明の「プリントデータ」)がジョブIDと関連づけられて記憶装置に格納されていることは明らかである。また、引用刊行物において、プリンタ制御装置において作成される「新たなジョブ」(本願補正発明の「第2のプリントジョブデータ」)にもジョブIDが含まれており(記載事項(ニ)、図4)、「新たなジョブ」も通常のジョブと同様に印刷される(記載事項(ヘ))から、「新たなジョブ」もまた、ジョブID、ページ番号を指定して出力されると考えられることから、引用刊行物の「ジョブID」は、本願補正発明の、プリントデータを所定の記憶装置に記憶するときに関連づけられ、第2のプリントジョブデータのジョブデータに含まれて記憶したプリントデータを読み出す為に使用される「所定の識別情報」に相当する。
また、引用刊行物では、外部装置から送られてくる「プリント要求ジョブ」の詳細は明らかではないが、「プリント要求ジョブ」がジョブのデータが格納される「ジョブデータ領域」を有していることは当然のことである。

したがって、両者は
「ジョブの内容が格納されるジョブデータ領域を有する第1のプリントジョブデータをホスト装置から受け付け、プリントデータを生成するための第1のプリントジョブデータのジョブデータ領域に格納されたデータに基づいてプリントデータを生成し、前記生成したプリントデータに所定の識別情報を関連付けて所定の記憶装置に記憶し、
すでにホスト装置から送られプリンタに投入されたプリントジョブデータを制御するための第2のプリントジョブデータのジョブデータ領域に格納されたデータに含まれる所定の識別情報に従って、前記記憶したプリントデータを読み出して、前記読み出したプリントデータに基づいて印刷記録媒体に対して印刷を行うプリンタ。」の点で一致し、以下の点で相違している。

相違点
本願補正発明ではジョブデータは、ジョブの種類を示すジョブタイプ領域を有しており、ジョブタイプ領域に格納されたデータに従って前記受け付けたプリントジョブデータのタイプを判別し、第1のプリントジョブデータ、第2のプリントジョブデータを判別して、それぞれのプリントジョブデータに応じた所定の動作(第1のプリントジョブデータの場合にはプリントジョブデータを生成し、記憶装置に記憶し、第2のプリントジョブデータの場合には印刷が行われる。)を行っているのに対して、引用刊行物に記載された発明では、第2のプリントジョブデータはホスト装置から送られるのではなくプリンタにおいて作成されており、従って、プリントジョブデータは「ジョブの種類を示すジョブタイプ領域」を有しておらず、プリンタにおいて、それぞれのプリントジョブデータに応じて所定の動作(第1のプリントジョブデータの場合にはプリントジョブデータを生成し、記憶装置に記憶し、第2のプリントジョブデータの場合には印刷する。)が行われるが、プリントジョブデータのタイプの判別は行われていない点。

(3)当審の判断
以下、上記相違点について検討する。
特開平9-259058号公報(以下、「周知例1」という。第3頁右欄第39行-第4頁左欄第5行、第5頁右欄第32-末行)図6、図7)、特開平9-269879号公報(以下、「周知例2」という。第2頁左欄第1-14)に記載されている様に、プリントサーバにプリントデータを記憶すること、プリントサーバの記憶装置に記憶されたプリントデータの印刷を行うためのデータ(再印刷要求)をクライアント(本願補正発明のホスト装置に相当する)から送信すること、プリントサーバーが送信されたデータ(印刷データ、再印刷データ(再印刷要求))に応じて所定の動作(記憶、あるいは記憶されたデータの印刷)を行うことは周知であり、また、データを送受する場合にデータの種類を示す領域を設けて、受信側で当該信号に基づいてデータのタイプを判別することも上記周知例1(第5頁右欄第32-末行、第6頁左欄第15-18行(設定情報に基づいて、新規印刷であるか、再印刷であるかを判定をしている。)、第6図(転送データ中に「設定情報」の領域があり、当該領域中に「新規印刷」、「再印刷」を示す領域がある。第7図)にも記載されている様に周知であって格別のことではない。
したがって、引用刊行物に記載された発明において、上記周知技術に基づいて、第2のジョブデータをホスト装置から送信し、第1のプリントジョブデータと第2のプリントジョブデータを判別するためにジョブデータにジョブの種類を示すジョブタイプ領域を設けてデータのタイプを判別する構成を採用して本願補正発明の様に構成することは当業者が容易に想到し得ることである。

そして、本願補正発明のように構成したことによる効果も引用刊行物及び周知技術から予測できる程度のものである。

したがって、本願補正発明(請求項1に係る発明)は、引用刊行物及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)むすび
以上のとおりであるから、その余の請求項について論及するまでもなく、本件補正は特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成15年11月12日付手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成14年10月28日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「ホスト装置から送られるプリントジョブデータが、プリントデータを生成するための第1のプリントジョブデータである場合には、前記第1のプリントジョブデータに基づいてプリントデータを生成し、前記生成したプリントデータを所定の記憶装置に記憶し、
ホスト装置から送られるプリントジョブデータが、すでにホスト装置から送られプリンタに投入されたプリントジョブデータを制御するための第2のプリントジョブデータである場合には、前記第2のプリントジョブデータに従って、前記記憶したプリントデータを読み出して、前記読み出したプリントデータに基づいて印刷記録媒体に対して印刷を行うことを特徴とするプリンタ。」

(1)引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された引用刊行物及びその記載事項は、前記「2.(1)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は、前記2.で検討した本願補正発明の、プリンタにおけるプリントジョブデータの受信に関する「ジョブの種類を示すジョブタイプ領域とジョブの内容が格納されるジョブデータ領域とを有するプリントジョブデータをホスト装置から受け付けると、前記ジョブタイプ領域に格納されたデータに従って前記受け付けたプリントジョブデータのタイプを判別し」との限定、プリントデータの生成、生成したプリントデータの所定の記憶装置への記憶に関する「ジョブデータ領域に格納されたデータに基づいてプリントデータを生成し、前記生成したプリントデータに所定の識別情報を関連付けて所定の記憶装置に記憶し」との限定、記憶したプリントデータの読み出しに関する「第2のプリントジョブデータのジョブデータ領域に格納されたデータに含まれる所定の識別情報に従って、前記記憶したプリントデータを読み出して」との限定を削除したものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含みさらに限定を付したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(3)」に記載したとおり引用刊行物及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用刊行物及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明(請求項1に係る発明)は、引用刊行物及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、本願はその余の請求項について論及するまでもなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-11-28 
結審通知日 2005-11-29 
審決日 2005-12-12 
出願番号 特願平11-309564
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 藤井 浩  
特許庁審判長 大野 克人
特許庁審判官 和田 志郎
山崎 慎一
発明の名称 プリンタ、プリントシステム  
代理人 田中 克郎  
代理人 大賀 眞司  
代理人 稲葉 良幸  

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