• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B41F
管理番号 1130477
審判番号 不服2002-8413  
総通号数 75 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-08-15 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-05-13 
確定日 2006-02-06 
事件の表示 平成10年特許願第547615号「グラビア輪転印刷機」拒絶査定不服審判事件〔平成10年11月12日国際公開、WO98/50232、平成12年 8月15日国内公表、特表2000-510401〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.経緯および本願発明
本願は、1998年5月2日(パリ条約による優先権主張 1997年5月5日 独国)を国際出願日とする出願であって、その請求項1に係る発明は、平成17年5月12日付け手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりの、次のとおりのものと認める。
「多色両面印刷用の、塔形構造で構成され互いに上下に配置された多数の印刷装置(03,04,06,07,08,09,11,12)を備えたグラビア輪転印刷機(01)において、印刷装置(03,04,06,07,08,09,11,12)が、被印刷物(02)の表面印刷側(28)と裏面印刷側(29)とを交互に印刷するように配置されており、表面印刷のための少なくとも4つの印刷装置(03,04,06,07)と、裏面印刷のための少なくとも4つの印刷装置(08,09,11,12)とが、それぞれ互いに上下に、かつ互いに水平方向に対向して配置されており、表面印刷のための各印刷装置(03,04,06,07)と、裏面印刷のための各印刷装置(08,09,11,12)との間に乾燥装置(21,22)が配置されていることを特徴とする、グラビア輪転印刷機。」(以下、「本願発明」という。)

2.刊行物
これに対して、当審の拒絶の理由に引用した、特開昭58-173659号公報(以下、「刊行物1」という。)、実願平3-96840号(実開平6-17933号)のCD-ROM(以下、「刊行物2」という。)、米国特許第2104026号明細書(1938年)(以下、「刊行物3」という。)には、それぞれ図面と共に下記の事項が記載されている。
(刊行物1):
a.「本発明は帯状印刷担体を連続印刷するためのデッキ型構造の多色凹版輪転印刷機であって、相上下して配置された複数の凹版印刷ユニットと、該凹版印刷ユニットと同じ高さで延びる気密なケーシングとを有し、印刷済み帯状印刷担体が該ケーシング内を密閉状態のもとで印刷ユニットから印刷ユニットへと案内されるようになっている形式のものに関する。」(第2頁右上欄2〜9行)。
b.「デッキ型構造の凹版印刷輪転印刷機は2つの印刷ユニット塔から成り、第1図には第1の印刷ユニット塔1が示されており、該印刷ユニット塔1内で帯状印刷担体Aの片面に4色の印刷が行なわれている。この印刷ユニット塔1は4つの互いに上下して配置された印刷ユニット2,3,4,5を有している。・・・第1図における最上段の印刷ユニット2内で帯状印刷担体Aに印刷が行なわれると該帯状印刷担体Aは検出装置14の所を通過して乾燥室15内に達する。」(第2頁右下欄10行〜第3頁左上欄11行)。
c.「乾燥作業の後に帯状印刷担体Aは乾燥室15から去り、耐火性の中間壁19を介して下の乾燥室16内に走入する。・・・続いて帯状印刷担体Aは乾燥室15内におけるのと同様に乾燥室16を、そして印刷ユニット4の乾燥室17及び印刷ユニット5の乾燥室18を貫通案内され、それによって帯状印刷担体Aはこの第1の印刷ユニット塔1内で片面に4色印刷を施されることになる。」(第3頁右上欄19行〜左下欄15行)。
d.「更に第2図に示されたような、第1図による印刷ユニット塔1に対して鏡面対称的に形成された印刷ユニット塔1′が帯状印刷担体Aの他面側に印刷を行なうために配設されている。即ち第1図の印刷ユニット塔1内では4色表面印刷が、そして第2図の印刷ユニット塔1′内では4色裏面印刷が行なわれ得る。第2図の印刷ユニット塔1′では第1図の印刷ユニット塔1と同じ部材に同じ符号がアポストロフを付して用いられている。印刷ユニット塔1と印刷ユニット塔1′が近接していることによって(両印刷ユニット塔は直接に隣接していてもよい)、乾燥装置部分の構造が極めてエネルギ節約的なものにされ得、しかも印刷済みの帯状印刷担体Aが常に密閉状態の中にあり、それによって蒸気、例えばトルエン蒸気が外気中に流出することが防がれている。」(第3頁左下欄16行〜右下欄12行)。
e.「第1図及び第2図に示された乾燥室15,16,17,18又は15′,16′,17′,18′を有する印刷ユニット塔1,1′は、互いの背壁28,28′が接触するほど密に隣接配置することが可能である。」(第4頁左上欄10〜14行)。

(刊行物2):
a.「<産業上の利用分野> この考案は、印刷機の形状と機能構造を大幅に変更し、形状を縦型(垂直)にすることにより、インキング装置(オフセット)部分を紙の表裏両面に設置出来るため、一回の紙通しで両面同時に多色印刷を可能にし、印刷時間の短縮と人手不足の解消に貢献できる。さらに機械据付面積を従来の半分以下に縮小できるので、地価上昇に伴う工場敷地の有効利用を計るものである。」(第4頁2〜8行)。
b.「1.第1図は、本考案の縦型(垂直)構造印刷機の構造図である。2.図のように、印刷機本体構造を縦型垂直方向に改良、構造変更した。3.第1図の、(イ)は印刷機本体、(ロA)はA面印刷用インキング装置、(ロB)はB面印刷用インキング装置、(ハA)はA面印刷用版胴、(ハB)はB面印刷用版胴、(ニA)はA面印刷用ブランケット胴、(ニB)はB面印刷用ブランケット胴、(ホ)は圧胴、(ヘ)は乾燥装置、(ト)はフィダー、(チ)は複数パレット方式デリバリ、(チA)(チB)は紙積み用各パレット等の装置である。4.(イ)の印刷機本体、及び(ホ)の圧胴に対してV字型に傾斜をつけて、(ロA)A面印刷用インキング装置と、(ロB)B面印刷用インキング装置、ならびに(ハA)A面印刷用版胴、(ハB)B面印刷用版胴、(ニA)A面印刷用ブランケット胴、(ニB)B面印刷用ブランケット胴、を配置した。5.第1図のような構造と配置により、インキング装置を逆様にセットしないで済むようにし、なおかつインキの流れをスムースに保てるようにして、表裏同時多色印刷を可能にした。」(第4頁20行〜第5頁6行)。

(刊行物3):
a.「If it is desired to perfect a web in multi-color a web W2 may be led up over a guide 11 below and between the cylinders 3 and 3a (see Fig.2 ) to and between the cylinders 1 and 3, then between the cylinders 1a,3a then over a guide 10 to and between cylinders 2 and 4, then cylinders 2a,4a and over a guide 12a to the folder, thus the web is printed in colors on both sides.」(第1頁右欄32〜40行)。(尚、日本語訳は、当審仮訳。)
(もし多色に仕上げることを望むならば、ウエブW2は下のガイド11上を通り、シリンダー3と3aの間を通り(第2図参照)、シリンダー1と3の間、それからシリンダー1aと3aの間、それからガイド10の上を通り、シリンダー2と4の間、それからシリンダー2aと4aの間、ガイド12aの上を折機に向けて導かれる。このようにして、ウエブは両面に多色印刷がなされる。)

3.対比・判断
刊行物1の上記記載a〜eを含む明細書及び図面の記載からみて、刊行物1には、次の発明が記載されているものと認められる。
「デッキ型構造の多色凹版輪転印刷機であって、前記多色凹版輪転印刷機は2つの印刷ユニット塔から成り、帯状印刷担体Aの表面に4色の印刷が行なわれる印刷ユニット塔1は4つの互いに上下して配置された印刷ユニット(2,3,4,5)を有し、前記印刷ユニット塔1に対して鏡面対称的に形成された印刷ユニット塔1′では前記帯状印刷担体Aの裏面に4色印刷が行なわれ、互いに上下して配置された印刷ユニット(2´,3´,4´,5´)を有し、各印刷ユニット(2,3,4,5及び2´,3´,4´,5´)間にはそれぞれ乾燥室(15,16,17,18,15´,16´,17´,18´)が配置されている多色凹版輪転印刷機。」(以下、「刊行物1発明」という。)

本願発明と刊行物1発明とを対比する。
刊行物1発明における「デッキ型構造」、「印刷ユニット」、「帯状印刷担体A」、「乾燥室」は、それぞれ本願発明の「塔形構造」、「印刷装置」、「被印刷物」、「乾燥装置」に相当する。
そして、グラビア印刷は凹版印刷の一種であり、刊行物1発明における「多色凹版輪転印刷機」は、帯状印刷担体Aの両面に多色印刷がなされるものであり、表面印刷用の少なくとも4つの互いに上下に配置された印刷ユニットと、裏面印刷用の少なくとも4つの互いに上下に配置された印刷ユニットを有しているものである。

そうすると、本願発明と刊行物1発明とは、
「多色両面印刷用の、塔形構造で構成され互いに上下に配置された多数の印刷装置を備えたグラビア輪転印刷機において、印刷装置が被印刷物の両面に印刷するように配置されており、表面印刷のための少なくとも4つの印刷装置と、裏面印刷のための少なくとも4つの印刷装置とが、それぞれ互いに上下に配置されており、各印刷装置の間に乾燥装置が配置されているグラビア輪転印刷機。」である点で一致し、次の点で相違する。

相違点:被印刷物への両面印刷に関して、本願発明においては、表面印刷のための少なくとも4つの印刷装置と、裏面印刷のための少なくとも4つの印刷装置とが、互いに水平方向に対向して配置され、表面印刷、裏面印刷が交互になされ、表面印刷のための各印刷装置と、裏面印刷のための各印刷装置との間に乾燥装置が配置されているのに対して、刊行物1発明においては、表面印刷のための少なくとも4つの印刷装置と、裏面印刷のための少なくとも4つの印刷装置が、鏡面対称的に配置された2つの印刷ユニット塔にそれぞれ配置され、表面印刷終了後に裏面印刷がなされ、各印刷装置の間に乾燥装置が配置されている点。

上記相違点について検討する。
まず、刊行物1の上記記載dには、鏡面対称的に配置された2つの印刷ユニット塔について、両印刷ユニット塔は直接に隣接していてもよい旨、記載されていることからみて、刊行物1発明において、鏡面対称的に配置された2つの印刷ユニット塔を一体化し、表面印刷のための少なくとも4つの印刷装置と、裏面印刷のための少なくとも4つの印刷装置とを、互いに水平方向に対向して配置することは設計事項である。
そして、被印刷物への多色両面印刷に際して、色毎に表面印刷と裏面印刷とを交互に行うことは、刊行物2、刊行物3にもみるように周知であることからみて、それぞれ水平方向に対向して配置された表面印刷装置と裏面印刷装置とで表面印刷と裏面印刷とを交互に行うようにし、その際、交互に行われる表面印刷と裏面印刷の間に乾燥装置を配置し、相違点に係る本願発明の如く構成することは、当業者が容易に想到し得たことである。

4.むすび
以上のとおりであって、本願発明は、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、その出願前国内において頒布された刊行物1に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論の通り審決する。
 
審理終結日 2005-09-08 
結審通知日 2005-09-09 
審決日 2005-09-22 
出願番号 特願平10-547615
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (B41F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中澤 俊彦  
特許庁審判長 砂川 克
特許庁審判官 谷山 稔男
藤本 義仁
発明の名称 グラビア輪転印刷機  
代理人 ラインハルト・アインゼル  
代理人 久野 琢也  
代理人 山崎 利臣  
代理人 ラインハルト・アインゼル  
代理人 矢野 敏雄  
代理人 久野 琢也  
代理人 山崎 利臣  
代理人 矢野 敏雄  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ