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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  A63F
管理番号 1131612
審判番号 無効2004-80207  
総通号数 76 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-07-06 
種別 無効の審決 
審判請求日 2004-10-29 
確定日 2005-12-12 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3532404号発明「遊技機」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 特許第3532404号の請求項1〜8に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 第一.手続の経緯
[1].本件特許第3532404号に係る発明(以下「本件発明」という)は、平成9年12月18日に出願され、平成16年3月12日に特許の設定登録がなされた。
[2].これに対して、平成16年10月29日に、石井豪より、本件発明は、甲第1号証〜甲第5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、本件発明は、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたもので、無効である旨の無効審判が請求された。
[3].当該無効審判において、被請求人であるアルゼ株式会社から、平成17年1月17日に答弁書の提出、及び訂正請求がなされた。



第二.訂正の適否
[1].訂正の内容
(A).訂正事項A.
特許請求の範囲の請求項1の記載を、
「遊技機内部に設けられた遊技媒体通路から遊技媒体を払い出すための遊技媒体払出口と、
該遊技媒体払出口の外側に設置されて、該遊技媒体払出口から出た遊技媒体を貯留する遊技媒体受皿とを有する遊技機において、
前記遊技媒体通路内から、前記遊技媒体払出口を通り、前記遊技媒体受皿まで光を照射する照光手段を備えたことを特徴とする遊技機。」と訂正する。
(B).訂正事項B.
特許請求の範囲の請求項7を、「前記照光手段は、前記遊技媒体払出口の後側に前記遊技媒体通路を形成する遊技媒体払出用シュートの上部に設けられ、該遊技媒体払出用シュートの内側を照明する光源と、前記光源の光を前記遊技媒体通路内から、前記遊技媒体払出口を通り、前記遊技媒体受皿に向けて反射する光反射面とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。」と訂正する。
(C).訂正事項C.
明細書の段落【0007】の記載「前記遊技媒体通路内から遊技媒体払出口を通り遊技媒体受皿まで光を照射する」を「前記遊技媒体通路内から、遊技媒体払出口を通り、遊技媒体受皿まで光を照射する」と訂正する。 (D).訂正事項D.
明細書の段落【0013】の記載「前記遊技媒体通路内から遊技媒体払出口を通り遊技媒体受皿に向けて反射する光反射面」を「前記遊技媒体通路内から、遊技媒体払出口を通り、遊技媒体受皿に向けて反射する光反射面」」と訂正する。
(E).訂正事項E
明細書段落【00014】の記載「遊技機内部の遊技媒体通路内から遊技媒体払出口を通り外側の遊技媒体受皿まで光を照射するので」を「遊技機内部の遊技媒体通路内から、遊技媒体払出口を通り、外側の遊技媒体受皿まで光を照射するので」と訂正する。
(F).訂正事項F
明細書段落【0020】の記載「遊技媒体通路内から遊技媒体払出口を通り遊技媒体受皿に向けて反射される。」を「遊技媒体通路内から、遊技媒体払出口を通り、遊技媒体受皿に向けて反射される。」と訂正する。

[2].結論
本件訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書き、及び同条第5項において準用する同法前第126条第3項、4項の規定に適合するので当該訂正を認める。



第三.請求人の主張要旨、及び証拠方法
[1].請求人の主張要旨
請求項1に係る本件発明は、甲第1号証記載の発明と、甲第3号証、甲第4号証又は甲第5号証のいずれかに記載の発明に基づいて、また、請求項2〜8に係る本件発明は、甲第1号証記載の発明と甲第3号証〜甲第5号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明できるものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、請求項1〜請求項8に係る本件特許は、無効とされるべきものである。

[2].証拠方法
(1).甲第1号証:特開平6-261973号公報
(2).甲第2号証:実願昭61-38098号(実開昭62-149394号)のマイクロフィルム
(3).甲第3号証:実願昭53-97523号(実開昭55-14674号)のマイクロフィルム
(4).甲第4号証:実願昭54-151868号(実開昭56-73061号)のマイクロフィルム
(5).甲第5号証:実願昭60-159973号(実開昭62-71780号)のマイクロフィルム



第四.被請求人の主張要旨
[1].証拠について、
(1).甲第1〜5号証には、本件発明の構成要件である「遊技媒体通路内から前記遊技媒体払出口を通り、前記(すなわち、遊技媒体払出口の外側に設置されて、該遊技媒体払出口から出た遊技媒体を貯留する)遊技媒体受皿まで光を照射する照光手段を備えた」点については記載されていない。
(2).甲第1号証には、「遊技機内部に設けられた遊技媒体通路」については記載されておらず、甲第2号証では、「第2図には、メダル通路に対応するものの一部がメダル払出口18と連通した状態が図示されているに過ぎない。」から、甲第1号証及び甲第2号証には、本件発明における照光手段が記載されていない。
(3).甲第3号証には、「たばこ等のパッケージ商品の商品通路に相当するものが、ダブルコラム2の放出口3より商品取出口10へ商品を導く案内片24と受板23とで形成され、前記受板は前記商品通路下端の下に設けられており、照明灯14の光が、商品通路及び受板23を同時に照射して取出口10全体を照明すること」は開示されている(答弁書第18頁第12〜16行)が、「払出する対象物品が全く異なり、前記自動販売機は遊技機と密接な関連性を有するものではない。」
(4).甲第4号証記載のものは、「たばこ等の商品の自動販売機に関するものであって、払出する対象物品が全く異なり、前記自動販売機は遊技機と密接な関連性を有するものではない。」、「シュートが板状のものとして形成されていて、シュート下端が商品払出出口として形成されていない」点等で相違する。
(5).甲第5号証記載のものは、「飲物6の缶又はビンの自動販売機に関するものであって、払出する対象物品が全く異なり、前記自動販売機は遊技機と密接な関連性を有するものではない。」、「飲物6の通路が一体として形成されて」、本件発明の様に、遊技媒体通路と遊技媒体払出口とが明確に区分されていない。

[2].したがって、請求項1〜8に係る本件発明は甲第1〜5号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明できたものではないから請求人の主張は誤りである。



第五.特許無効(特許法第29条第2項規定違反)についての当審の判断
[1].本件発明
前記「第二.訂正の適否」に記載したように平成17年1月17日付の訂正が認められるものであるから、本件特許第3532404号に係る発明は、平成17年1月17日付訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1〜8に記載されたとおりのもの(以下「本件発明1〜8」という)である。

[2].無効審判請求人が提出した甲号証の記載事項
(A).特開平6-261973号公報(請求人提出の甲第1号証、以下「刊行物A」という)記載事項。
(A-1).「【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来のスロットマシンでは、化粧用パネルを通過した蛍光灯からの光がメダル受皿に届かないため、室内照明の暗い場所に設置されると、前記メダル受皿が暗くなり、遊技者が払い出されたメダルを視認しずらいという問題があった。この問題を解決するために、メダル受皿を照明する照明光源を本体もしくは前扉に取り付ければよいが、この方法によれば照明光源及びその設置スペースが必要となり、製造コストが高くなったり、スロットマシンが大型化するという他の問題が生じる。」(第2頁左欄第35〜45行)
(A-2).「【0009】各リール10〜12には種々のシンボル例えば「7」,「BAR」,「チェリー」等・・・、有効化された入賞ライン上に並んだ前記シンボルの組み合わせが入賞である場合には、周知のホッパー装置(図示省略)が駆動し、メダル払出口26から入賞役に応じた枚数のメダル21がメダル受皿27内に払い出される。」(第2頁右欄第33〜42行)
(A-3).「【0010】前記メダル受皿27は、本体3に設けられている。このフレーム5の下端部には、前記蛍光灯8からの光を導き、前記メダル受皿27を照明する照明機構28が設けられている。この照明機構28は図3に示すように、フレーム5の下端部に長手方向に沿って、帯状に突出された一対の導光板30,31で構成されている。これらの導光板30,31は例えばアクリル樹脂を図2に示すような形状にしたものであり、その各下面30a,31aが拡散面になっている。また導光板30,31の一端面30b,31bはそれぞれ円弧状に整形され、更に例えば緑色に着色されている。なお、この実施例では端面30b,31bを緑色に着色したが、無色もしくは他の色に着色してもよい。また導光板の端面30b,31bを着色したが、導光板30,31の全体を着色してもよい。」(第2頁右欄第43行〜第3頁左欄第7行)
(A-4).「【0013】このように構成されたスロットマシン2の作用について説明する。スロットマシン2の電源がONされると、蛍光灯8が点灯され、化粧用パネル7,導光板30,31等が照明される。化粧用パネル7に照らされた一部の光は、化粧用パネル7を透過し、外部に導かれる。また導光板30,31に照らされた光は、各上面30c,31cから内部に入射し、拡散面で反射される。この拡散面で反射された光の大部分は、内部反射を繰り返し、端面30b,31bに導かれる。
【0014】前記端面30b,31bに導かれた光は、ここで緑色に着色されて外部に放出され、メダル受皿27を上方から照明する。これにより、メダル受皿27内は明るくなる。更にメダル受皿27内を照明した光は、メダル受皿27内のメダル21に反射されるので、遊技者はメダル21を容易に観察することができる。またメダル受皿27が緑色に照明されるので、スロットマシン2に装飾効果を持たせることができる。」(第3頁左欄第21〜同頁右欄第1行)
(A-5).してみると刊行物Aには以下の発明(以下「引用発明」という)が記載されている。
「スロットマシン2の電源がONになり蛍光灯8が点灯すると、化粧用パネル7が照明されると共に、蛍光灯8の光の一部が緑色に着色されたアクリル樹脂製の導光板30,31を介してメダル受皿27を緑色に照明し、入賞した場合、周知のホッパー装置からメダル払出口26を介してメダルがメダル受皿27に払い出されるスロットマシン。」

(B).実願昭53-97523号(実開昭55-14674号)のマイクロフィルム(請求人提出の甲第3号証、 以下「刊行物B」という)記載事項。
(B-1).「図において1は、たばこ等のパッケージ商品を積み重ねて販売する自動販売機の本体で、内部には、商品を積み重ねて収容するダブルコラム2と、このダブルコラム2の下部に設けられて商品をダブルコラム2の商品放出口3側へ送り出す商品放出機構4とを備えている。」(第2頁第16行〜第3頁第1行)
(B-2).「上記商品取出口10は、扉5に形成された開口21にフラップ22を設け、その裏面に放出口3より送り出された商品を受る受板23を設けており、奥行方向にふくらんで形成されている。 24は上記コラム2の放出口3より前方で下方へ傾斜した案内片でコラム2に取付けられており、その先端は扉5の裏面まで延出している。この案内片24はアクリル板や他の実施例としてスリット25を形成し、反射板17からの光を透過する。このようなものにおいて、商品取出口10は、展示室9の照明灯14を利用して反射板17と案内板24を介して照明するので、取出口10全体を照明できるとともに、・・・。また放出口3から商品が放出されると、案内板24を通過してくる光が、商品により一時的にさえぎられるので、この明暗により購入者に商品が出てくることを知らせることができるものである。」(第4頁第2行〜第5頁第1行)
(B-3).してみると、刊行物Bには、以下の発明が記載されている。
前記(B-2)の「放出口3から商品が放出されると、案内板24を通過してくる光が、商品により一時的にさえぎられる」記載及び図1から、当該光が、商品の放出通路内に進入することは明らかであることを考慮すると、
「商品を受る受板23を備え、奥行方向にふくらんでいる商品取出口10への照光手段として、展示室を照明する照明灯より発した光の一部の照射経路を反射板17にて変更させ、該光がさらにアクリルの案内片24を透過して、商品の放出通路内に進入し、当該放出通路から放出商品が貯留する受板23を照明する放出商品照光手段。」

[3].引用発明と本件発明1との対比
(a).本件発明1
前記「第二.」で示したように前記訂正が認められるものであるから、本件発明1は、前記訂正に係わる訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された下記のとおりのものである。
「遊技機内部に設けられた遊技媒体通路から遊技媒体を払い出すための遊技媒体払出口と、
該遊技媒体払出口の外側に設置されて、該遊技媒体払出口から出た遊技媒体を貯留する遊技媒体受皿とを有する遊技機において、
前記遊技媒体通路内から、前記遊技媒体払出口を通り、前記遊技媒体受皿まで光を照射する照光手段を備えたことを特徴とする遊技機。」
(b).発明特定事項の対応関係
(i).引用発明における「メダル受皿27」は本件発明1における「遊技媒体受皿」に対応する。
(ii).引用発明における「メダル払出口26」は、本件発明1における「遊技媒体払出口」に対応する。
(iii).引用発明における「導光板30,31を介してメダル受皿27を緑色に照明する」ことと、本件発明1における「照光手段」とは、「遊技媒体受皿」を照光する「照明手段」において共通する。
(c).両者の一致点
スロットマシンにおいては、遊技媒体受皿へ遊技媒体を払出す払出口は、遊技機内部に設けられた遊技媒体払出装置(ホッパー装置)から通路を介して連通される構成が周知の構成であることを考慮すると、両者は、以下の点で一致する。
「遊技機内部に設けられた遊技媒体通路から遊技媒体を払い出すための遊技媒体払出口と、
該遊技媒体払出口の外側に設置されて、該遊技媒体払出口から出た遊技媒体を貯留する遊技媒体受皿とを有する遊技機において、
前記遊技媒体受皿まで光を照射する照明手段を備えたことを特徴とする遊技機」
(d).相違点
遊技媒体受皿を照明する照明手段の光照射経路として、本件発明1は、遊技媒体通路内から前記遊技媒体払出口を介して遊技媒体受皿に達するのに対し、引用発明は、直接遊技媒体受皿に達している点
(e).相違点の検討
引用発明における遊技媒体受皿の照明手段として、刊行物Bに示される放出商品照光手段を採用することは、下記に示す理由により当業者が容易に想到できることであり、しかも、当該採用したことによる効果も予測の範囲内のことである。
すなわち、
刊行物Bに示される、放出商品照光手段は、蛍光灯より発した光がアクリル製案内板を透過して、「商品収納ダブルコラム2」の商品放出口3から「商品取出口10」に向けて放出通路内に放出された「パッケージ商品」を照らし、さらに、前記放出通路から、放出された「パッケージ商品」が貯留される「受板23」を照らす光照射経路を持つ照光手段であり、当該照光手段における、「放出通路」、「パッケージ商品」、「商品を受る受板23」が、引用発明において、各々「遊技媒体通路」、放出された商品である「遊技媒体」、当該商品を貯留する「遊技媒体受皿」に相当することは当業者ならば容易に認識できる事項であるから、前記放出商品照光手段を引用発明の遊技媒体受皿の照光手段に採用することは当業者が容易に想到できることである。
しかも、当該照光手段を採用することにより、反射率が高く、移動する遊技媒体に光が照射されれば輝く遊技媒体との効果は当業者の予測範囲内のことである。
(f).本件発明1のまとめ
以上のように相違点は格別のものではないから、本件発明1は、前記刊行物A,Bに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。
したがって、本件発明1についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法123条第1項第2号に該当する。

[4].引用発明と本件発明2との対比
(a).本件発明2
前記「第二.」で示したように前記訂正が認められるものであるから、本件発明2は、前記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項2に記載された下記のとおりのものである。
「前記照光手段は、遊技機前面の化粧用パネルを照明するために設けた内部光源と、
該内部光源の光の一部を前記遊技媒体払出口の内側から前記遊技媒体受皿に向けて反射する光反射面とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。」
(b).発明特定事項の対応関係
(i).引用発明における「メダル受皿27」は本件発明2における「遊技媒体受皿」に対応する。
(ii).引用発明における「メダル払出口26」は、本件発明2における「遊技媒体払出口」に対応する。
(iii).引用発明における「蛍光灯8」は、本件発明2における「内部光源」に対応する。
(iv).引用発明における「導光板30,31を介してメダル受皿を緑色に照明する」ことと、本件発明1における「照光手段」とは、「遊技媒体受皿」を照光する「照明手段」において共通する。
(c).相違点、及び当該相違点の検討
本件発明2は、本件発明1における「照光手段」について、その光源が化粧用パネルを照明する内部光源より発する光の一部である点、及び当該光を反射板等の光反射手段にて光照射経路を調整して対象物を照射する点を限定したものであり、当該限定事項以外は、前記「[3].引用発明と本件発明1との対比」で検討したように刊行物A,Bに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、当該限定事項を相違点として以下検討する。
引用発明における「蛍光灯8」は、化粧用パネルの照明用光源と遊技媒体受皿用光源を兼用させる、本件発明2の「内部光源」と同様の兼用型光源であり、さらに、刊行物Bにおける放出商品照光手段の光源も、展示室の照明の一部を反射板等の光反射手段を利用して光照射経路を調整して放出商品の照明に利用する兼用型光源であるから、前記放出商品照光手段を引用発明に適用するに際し、その光源の位置、照射すべき方向等に応じて、化粧用パネルの照明用光源の一部を反射板等の光反射手段にて光照射経路を調整することは当業者が適宜なし得る設計的事項である。
したがって、当該相違点は格別のものではない。
(d).本件発明2のまとめ
以上のように各相違点は格別のものではなく、それらを総合的に判断しても格別の作用効果は認められないから、本件発明2は前記刊行物A,Bに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。
したがって、本件発明2についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法123条第1項第2号に該当する。

[5].引用発明と本件発明3との対比
(a).本件発明3
前記「第二.」で示したように前記訂正が認められるものであるから、本件発明3は、前記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項3に記載された下記のとおりのものである。
「前記照光手段は、遊技機前面の化粧用パネルを照明するために設けた内部光源と、
該内部光源の光の一部を前記遊技機内部に透過させる透過板と、
該透過板を透過した光を前記遊技媒体払出口の内側から前記遊技媒体受皿に向けて反射する光反射面とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。」
(b).相違点、及び当該相違点の検討
本件発明3は、本件発明1における「照光手段」について、その光源が化粧用パネルを照明すると共に、その光の一部を遊技機内部に透過板を介して透過させ、透過した光を光反射手段を用いて光照射経路を調整して照明対象物を照明する点を限定したものであり、当該限定事項以外は、前記「[3].引用発明と本件発明1との対比」で検討したように刊行物A,Bに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、当該限定事項を相違点として検討する。
引用発明に示される蛍光灯は、化粧用パネルの照明用光源と遊技媒体照明用光源を兼用する、本件発明2と同様の兼用型光源である。
また、刊行物Bに示される、放出商品照光手段においても、その光源は兼用型光源であり、照明対象物へ照射する光は、本体前面に設けた商品等の展示出から本体内部に進入するものであり、しかも、光透過板であるアクリル樹脂を透過させ、反射板による光反射手段を用いて光照射経路を調整するものであるから、同様に兼用型光源を用いた照明である引用発明において、前記放出商品照光手段を採用する際に、兼用型光源の位置、照明対象物の位置及び照射方向等を考慮して光透過手段、光反射手段を用いて光照射経路を調整することは当業者が適宜なし得る設計的事項である。
したがって、当該相違点は格別のものではない。
(c).本件発明3のまとめ
以上のように各相違点は格別のものではなく、それらを総合的に判断しても格別の作用効果は認められないから、本件発明3は前記刊行物A,Bに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。
したがって、本件発明3についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法123条第1項第2号に該当する。

[6].引用発明と本件発明4との対比
(a).本件発明4
前記「第二.」で示したように前記訂正が認められるものであるから、本件発明4は、前記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項4に記載された下記のとおりのものである。
「前記照光手段は、遊技機前面の化粧用パネルを照明するために設けた内部光源とは別の光源と、
該別の光源の光を前記遊技媒体払出口の内側から前記遊技媒体受皿に向けて反射する光反射面とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。」
(b).相違点、相違点の検討
本件発明4は、本件発明1における「照光手段」について、その光源を専用の光源として、かつ遊技媒体払出口の内側から媒体受皿に向けて反射させる為の「反射面」を限定したものであり、当該限定事項以外は、前記「[3].引用発明と本件発明1との対比」で検討したように刊行物A,Bに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、当該限定事項を相違点として以下検討する。
一般に、照明箇所が複数存在するときの光源手段として、引用発明のように複数箇所の照明用光源を兼用する兼用型光源手段、または、複数の照明箇所個々に光源を配設する専用型光源手段(例えば、甲第4,5号証参照)は周知の光源手段であるから、前記放出商品照光手段を引用例に適用するに際して、どちらの光源手段を採用するかは当業者が適宜なし得る事項であり、しかも、当該光源の配設位置と遊技媒体払出口との位置関係により、光反射手段を用いて光の光照射経路を調整し、希望の方向から照明対象物に対して照射することも当業者が適宜なし得る設計的事項である。
したがって、当該相違点は格別のものではない。
(c).本件発明4のまとめ
以上のように各相違点は格別のものではなく、それらを総合的に判断しても格別の作用効果は認められないから、本件発明4は前記刊行物A,B、及び周知事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。
したがって、本件発明4についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法123条第1項第2号に該当する。

[7].引用発明と本件発明5との対比
(a).本件発明5
前記「第二.」で示したように前記訂正が認められるものであるから、本件発明5は、前記訂正に係わる訂正明細書の特許請求の範囲の請求項5に記載された下記のとおりのものである。
「前記光反射面は、前記遊技媒体払出口の後側に前記遊技媒体通路を形成する遊技媒体払出用シュートの内側に設けられている請求項2,3又は4記載の遊技機。」
(b).相違点、相違点の検討
本件発明5は、本件発明2,3又は4における「光反射面」の配置について、「遊技媒体払出口の後側に前記遊技媒体通路を形成する遊技媒体払出用シュートの内側」と限定したものであり、当該限定事項以外は、前記[4]、[5]または[6]における、引用発明と本件発明2、3または4との対比で検討したように刊行物A,Bに記載された発明に基づいて、または刊行物A、Bに記載された発明、及び周知事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、当該限定事項を相違点として以下検討する。
刊行物Bの放出商品照光手段には、光源の位置と照射対象物への照射方向等を勘案して、光反射手段にて光照射経路を調整する、光照射経路調整手段が示されており、当該手段における反射板等の光反射手段をシュートすなわち遊技媒体通路の内側に設けるか否かは、光源の位置、当該通路と払出口との接続形態、当該通路形状及び光照射経路等に応じて適宜なし得る程度の事項であり、しかも、当該通路の内側に反射手段を設けることができない理由も認められない。
なお、この点に関して被請求人は「既存の遊技媒体払出用シュートの内側を利用して光反射面を形成しているので、光反射面を有する部材を別途用意する手間と費用がかからず」(答弁書第31頁(iv))と主張する。
しかしながら、
当該主張における「既存の遊技媒体払出用シュートの内側を利用して光反射面を形成」する点は、「コイン払出用シュート22の内面を金属板や金属メッキなどの材料により光反射面として形成したものである。」(特許公報:甲第6号証第4頁左欄第17〜19行)と記載されているように、シュートの「内側」ではなく「内面」であり、しかも材料を限定するものであるから、当該被請求人の主張は明細書の記載に基づかない主張であるが、仮に、本件発明5における「反射面」が「コイン払出用シュート22の内面を金属板やメッキなどの材料により光反射面として形成した」ものを意味するとしても、そのような反射面の形成は、例えば、甲第4号証に示される様に周知の反射面形成手段であるから、当該反射面形成手段を採用するか否かは単なる設計的事項である。
したがって、当該相違点は格別のものではない。
(c).本件発明5のまとめ
以上のように各相違点は格別のものではなく、それらを総合的に判断しても格別の作用効果は認められないから、本件発明4は前記刊行物A,Bに記載された発明、及び周知事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。
したがって、本件発明5についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法123条第1項第2号に該当する。

[8].引用発明と本件発明6との対比
(a).本件発明6
前記「第二.」で示したように前記訂正が認められるものであるから、本件発明6は、前記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項6に記載された下記のとおりのものである。
「前記照光手段は、前記遊技媒体払出口の後側に前記遊技媒体通路を形成する遊技媒体払出用シュートの下部外側に光源を設け、該光源から前記遊技媒体通路内及び前記遊技媒体払出口を通り前記遊技媒体受皿に向けて光を照射することを特徴とする請求項1記載の遊技機。」
(b).相違点、相違点の検討
本件発明6は、本件発明1における「照光手段」について、その光源の配設位置を、遊技媒体払出口の後側に前記遊技媒体通路を形成する遊技媒体払出用シュートの下部外側と限定したものであり、当該限定事項以外は、前記「[3].引用発明と本件発明1との対比」で検討したように刊行物A,Bに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、当該限定事項を相違点として以下検討する。
放出商品照光手段における光源を、遊技媒体払出用シュートの下部外側に配設することは、光透過手段が周知の技術であることを参酌すれば、困難であるとする根拠は認められず、当該位置に配設した効果として、仮に当該払出用シュート(遊技媒体通路)が透光性の材料であって、かつ払出用シュートの下部が払出口と同一平面であるとしても、その効果は予測の範囲内の効果であり格別のものとは認められない。
したがって、当該相違点は格別のものではない。
(c).本件発明6のまとめ
以上のように各相違点は格別のものではなく、それらを総合的に判断しても格別の作用効果は認められないから、本件発明6は前記刊行物A,B、及び周知事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。
したがって、本件発明6についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法123条第1項第2号に該当する。

[9].引用発明と本件発明7との対比
(a).本件発明7
前記「第二.」で示したように前記訂正が認められるものであるから、本件発明7は、前記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項7に記載された下記のとおりのものである。
「前記照光手段は、前記遊技媒体払出口の後側に前記遊技媒体通路を形成する遊技媒体払出用シュートの上部に設けられ、該遊技媒体払出用シュートの内側を照明する光源と、
前記光源の光を前記遊技媒体通路内から、前記遊技媒体払出口を通り、前記遊技媒体受皿に向けて反射する光反射面とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。」
(b).相違点、相違点の検討
本件発明7は、本件発明1における「照光手段」について、その光源の配設位置を、「遊技媒体払出用シュートの上部」と限定し、更に、当該光源からの光を遊技媒体通路内から、前記遊技媒体払出口を通り遊技媒体受皿に向けて反射する様に「光反射面」を発明特定事項として限定したもので、当該限定事項以外は、前記「[3].引用発明と本件発明1との対比」で検討したように刊行物A,Bに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、当該限定事項を相違点として以下検討する。
遊技媒体受皿照明用光源を、遊技媒体払出用シュートの上部に配設することが困難であるとする根拠は認められず、しかも、当該光源の配設位置と照明対象物との位置関係及び照射方向等を考慮して光照射経路を調整する為に光反射手段を配設することは、刊行物Bにも示される様に周知の光照射経路調節手段である。さらに、当該配設による格別の作用効果は認められない。
したがって、当該相違点は格別のものではない。
(c).本件発明7のまとめ
以上のように各相違点は格別のものではなく、それらを総合的に判断しても格別の作用効果は認められないから、本件発明7は前記刊行物A,B、及び周知事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。
したがって、本件発明7についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法123条第1項第2号に該当する。

[10].引用発明と本件発明8との対比
(a).本件発明8
前記「第二.」で示したように前記訂正が認められるものであるから、本件発明8は、前記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項8に記載された下記のとおりのものである。
「前記透過板は、着色したアクリル樹脂の透明板であることを特徴とする請求項3記載の遊技機。」
(b).相違点、相違点の検討
本件発明8は、本件発明3における「透過板」について、その材料を、「着色したアクリル樹脂の透明板」と限定したもので、当該限定事項以外は、前記「[5].引用発明と本件発明3との対比」で検討したように刊行物A、Bに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、当該限定事項を相違点として以下検討する。
刊行物Bには、商品の案内片を光を透過するアクリルとして光源からの光を案内片の内部、すなわち、商品通路に入光させることが示され、しかも、光透過性のアクリル板を着色して、着色光を得ることも、前記(A-3)に示される様に周知の事項である。
したがって、刊行物Bに示される放出商品照光手段を採用する際に、当該照光を着色光とするために、当該放出商品照光手段における透光性アクリル樹脂を着色することは当業者が装飾効果などを勘案して適宜なし得る設計的事項である。
したがって、当該相違点は格別のものではない。
(c).本件発明8のまとめ
以上のように各相違点は格別のものではなく、それらを総合的に判断しても格別の作用効果は認められないから、本件発明8は前記刊行物A,B、及び周知事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。



第六.むすび
以上のように、本件発明1〜8は、前記刊行物A、Bに記載された発明、または、刊行物A、Bに記載された発明及び周知事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、本件発明1〜8についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法123条第1項第2号に該当する。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定によって被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機内部に設けられた遊技媒体通路から遊技媒体を払い出すための遊技媒体払出口と、
該遊技媒体払出口の外側に設置されて、該遊技媒体払出口から出た遊技媒体を貯留する遊技媒体受皿とを有する遊技機において、
前記遊技媒体通路内から、前記遊技媒体払出口を通り、前記遊技媒体受皿まで光を照射する照光手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記照光手段は、遊技機前面の化粧用パネルを照明するために設けた内部光源と、
該内部光源の光の一部を前記遊技媒体払出口の内側から前記遊技媒体受皿に向けて反射する光反射面とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記照光手段は、遊技機前面の化粧用パネルを照明するために設けた内部光源と、
該内部光源の光の一部を前記遊技機内部に透過させる透過板と、
該透過板を透過した光を前記遊技媒体払出口の内側から前記遊技媒体受皿に向けて反射する光反射面とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項4】
前記照光手段は、遊技機前面の化粧用パネルを照明するために設けた内部光源とは別の光源と、
該別の光源の光を前記遊技媒体払出口の内側から前記遊技媒体受皿に向けて反射する光反射面とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項5】
前記光反射面は、前記遊技媒体払出口の後側に前記遊技媒体通路を形成する遊技媒体払出用シュートの内側に設けられている請求項2,3又は4記載の遊技機。
【請求項6】
前記照光手段は、前記遊技媒体払出口の後側に前記遊技媒体通路を形成する遊技媒体払出用シュートの下部外側に光源を設け、該光源から前記遊技媒体通路内及び前記遊技媒体払出口を通り前記遊技媒体受皿に向けて光を照射することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項7】
前記照光手段は、前記遊技媒体払出口の後側に前記遊技媒体通路を形成する遊技媒体払出用シュートの上部に設けられ、該遊技媒体払出用シュートの内側を照明する光源と、
前記光源の光を前記遊技媒体通路内から、前記遊技媒体払出口を通り、前記遊技媒体受皿に向けて反射する光反射面とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項8】
前記透過板は、着色したアクリル樹脂の透明板であることを特徴とする請求項3記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コインやパチンコ球等の遊技媒体を使用して遊技を行うスロットマシンやパチンコ機等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、スロットマシンは、種々のシンボルを表示するための複数のリールを配置した可変表示装置を収納した本体と、これに開閉自在に設けられた前扉とを有し、前扉は、合成樹脂製のフレームと、これに嵌め込まれた透明な表示用パネル及び半透明の化粧用パネルとで構成されている。化粧用パネルには、例えば、着色もしくは装飾が施された半透明のプラスチック板が用いられている。この化粧用パネルの装飾効果を高めるために、その背後に光源として、例えば蛍光灯が配置され、パネルを照明するようにしている。
【0003】
このようなスロットマシンでは、遊技媒体としてコイン(又はメダル)が使用される。ゲームの開始に先立って、遊技者により、例えばコインがコイン投入口から投入され、スタートレバーが操作されると、種々のシンボルが移動表示される。これらシンボルの移動表示がストップボタンの操作もしくは所定時間の経過により、前記表示用パネルに形成された表示窓に、前記シンボルがそれぞれ停止表示される。これら停止表示されるシンボルの組合せが入賞態様であるとき、その入賞態様に応じた枚数のコインが本体内から、前扉の下側にあるコイン受皿に払い出される。
【0004】
しかしながら、上述のようなスロットマシンでは、コイン受皿の上部にある化粧用パネルが内部の蛍光灯により照明されているが、これは専ら装飾効果を奏するだけで、コイン受皿を照明するまでには至らず、コイン払出口からコイン受皿に払い出されたコインが視認しずらいという問題があった。そこで、特開平6-261973号公報に示すように、スロットマシンの前扉の化粧用パネルが嵌め込まれたフレーム下端部の内部に導光板(例えば、アクリル樹脂板)を設け、その端面を外部に突出させる。そして、導光板に入射する蛍光灯の光を内部反射の繰り返しで導光板の端面まで導くことにより、導光板の下に位置するコイン受皿を照明するようにした構造が提案された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の導光板による照明では、導光板に入射した光は内部反射の繰り返しによって減衰し、導光板の端面から放出された光力は、コイン受皿を照明するには充分でなく、むしろ導光板の端面を輝かせる装飾的効果を奏するものである。また、入賞によってコインが払い出されるとき、遊技者はコインの払出口を注目するにもかかわらず、従来の遊技機においては、コインの払出口や払い出されるコインに対して充分な照明が施されていなかった。
【0006】
本発明の目的は、コインのような遊技媒体の受皿を充分に照明することで、遊技者が受皿に貯まった遊技媒体を視認できるようにするとともに、遊技者が注目する遊技媒体払い出し時の演出効果をも奏する遊技機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様は、遊技機内部に設けられた遊技媒体通路から遊技媒体を払い出すための遊技媒体払出口と、該遊技媒体払出口の外側に設置されて、該遊技媒体払出口から出た遊技媒体を貯留する遊技媒体受皿とを有する遊技機において、前記遊技媒体通路内から、遊技媒体払出口を通り、遊技媒体受皿まで光を照射する照光手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
第2の態様は、照光手段として、遊技機前面の化粧用パネルを照明するために設けた内部光源と、内部光源の光の一部を遊技媒体払出口の内側から遊技媒体受皿に向けて反射する光反射面とを備える。
【0009】
第3の態様は、照光手段として、遊技機前面の化粧用パネルを照明するために設けた内部光源と、該内部光源の光の一部を遊技機内部に透過させる透過板と、該透過板を透過した光を遊技媒体払出口の内側から遊技媒体受皿に向けて反射する光反射面とを備える。この場合、透過板は、着色したアクリル樹脂の透明板とすることができる。
【0010】
第4の態様は、照光手段として、遊技機前面の化粧用パネルを照明するために設けた内部光源とは別の光源と、該別の光源の光を前記遊技媒体払出口の内側から遊技媒体受皿に向けて反射する光反射面とを備える。
【0011】
第5の態様は、光反射面を、遊技媒体払出口の後側に遊技媒体通路を形成する遊技媒体払出用シュートの内側に設けている。
【0012】
第6の態様は、照光手段として、遊技媒体払出用シュートの下部外側に光源を設け、この光源から前記遊技媒体通路内及び遊技媒体払出口を通り遊技媒体受皿に向けて光を反射するように構成される。
【0013】
第7の態様は、照光手段として、遊技媒体払出用シュートの上部に設けられ、遊技媒体払出用シュートの内側を照明する光源と、この光源の光を前記遊技媒体通路内から、遊技媒体払出口を通り、遊技媒体受皿に向けて反射する光反射面とを備える。
【0014】
【作用及び効果】
本発明の第1の態様によれば、照光手段が、遊技機内部の遊技媒体通路内から、遊技媒体払出口を通り、外側の遊技媒体受皿まで光を照射するので、遊技者が注目する遊技媒体払出口はその内側から照明される。このため、遊技者は、遊技媒体払出口を充分視認できると共に、光力が減少せずに遊技媒体受皿も照明されることにより、遊技媒体受皿に貯留した遊技媒体の数も容易に確認することができる。また、遊技媒体がコインやメダル等のように光を反射する材料で作られている場合には、払い出される遊技媒体は、遊技媒体通路内から遊技媒体払出口に現れるとき、遊技媒体払出口の内側から照射される光を反射しながら出てくることになり、あたかも輝いて出てくるように見えるという演出効果も得られる。これは、遊技媒体が払出口の内側の遊技媒体通路部分から払出口を通って外側の遊技媒体受皿に至るまで顕著な装飾的効果として認識される。
【0015】
第2の態様によれば、遊技機に備わる内部光源を利用して、その光の一部を遊技媒体払出口の内側から遊技媒体受皿に向かって光反射面で反射させて遊技媒体受皿を照射するので、新たに光源を設ける手間と費用がかからず、遊技機本体の構造を変える必要もなく、経済的である。
【0016】
第3の態様によれば、遊技機の内部光源の光の一部が透過板を透過し、光反射面で反射されて、遊技媒体払出口の内側から遊技媒体受皿を照射する。ここで、透過板を着色することにより、内部光源の発光色とは異なる色の光で遊技媒体受皿を照射することができ、光による装飾効果を更に高めることができる。
【0017】
第4の態様によれば、内部光源とは別の光源を点灯したり消灯したりできるので、遊技媒体の払い出しの時だけに光源を点灯させて遊技媒体払出口の内側から光を照射し、遊技媒体受皿を照明するような演出効果が可能となる。また、内部光源の光を遮るカバーを設けることにより、別の光源の光を遊技媒体払出口の内側から遊技媒体受皿に向けることができる。
【0018】
第5の態様によれば、遊技媒体払出口の後側に設けられた既存の遊技媒体払出用シュートの内側を利用して光反射面を形成しているので、光反射面を有する部材を別途用意する手間と費用がかからず、遊技媒体払出口の後側に設けられた遊技媒体通路の構造を変える必要もない。
【0019】
第6の態様によれば、遊技媒体払出用シュートの後側下部に設けた光源の光が直接、遊技媒体通路内及び遊技媒体払出口を通り遊技媒体受皿に向けて照射されるので、前記のような光反射面が不要で、照光手段が簡潔になる。また、遊技媒体払出用シュート内における遊技媒体の通過に支障を来さない照光手段が構成される。
【0020】
第7の態様によれば、遊技媒体払出用シュートの上部に設け設けられて遊技媒体払出用シュートの内側を照明する光源の光が、光反射面により、遊技媒体通路内から、遊技媒体払出口を通り、遊技媒体受皿に向けて反射される。この構成によっても、遊技媒体払出用シュート内における遊技媒体の通過に支障を来さず、遊技媒体受皿を充分に照明できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、実施例として、スロットマシンに本発明を適用した場合について説明する。
【0022】
図1は、本発明を適用したスロットマシンを示す。このスロットマシン1は、リールユニット等を収納する本体3(図2参照)と、この本体3に開閉自在に設けられた前扉2とで構成されている。前扉2は、金属メッキ等により金属的外観を有するように表面処理が施された合成樹脂製のフレーム4と、このフレーム4にそれぞれ設けられた表示用パネル5及び化粧用パネル6とから成る。化粧用パネル6には、着色もしくは装飾が施された半透明プラスチック板が用いられており、本体3の内部が外側から見えないようにしている。また、化粧用パネル6の背後には、装飾効果を増すための内部光源として、蛍光灯20が配置されている。
【0023】
表示用パネル5には、3つのリール7L,7C,7R上のシンボルを観察するためのリール表示窓8、入賞時の配当コイン数が表示される払出カウンタ表示窓9等が設けられている。また、フレーム4にはコイン投入口10が設けられており、ゲームの開始時に、このコイン投入口10から遊技媒体のコイン30(図2参照)を1〜3枚の範囲で投入できる。コイン投入後、遊技者はスタートレバー11の操作をすることができる。
【0024】
スタートレバー11が操作されると、各リール7L,7C,7Rは一斉に回転する。各リール7L,7C,7Rが所定の回転数に達すると、対応する3つのストップボタン12L,12C,12Rの操作が可能となる。遊技者により、これら3つのストップボタン12L,12C,12Rがそれぞれ操作されると、その操作タイミングに応じて、各リール7L,7C,7Rの回転がそれぞれ停止する。
【0025】
各リール7L,7C,7R上には、種々のシンボル(例えば「7」、「BAR」、「チェリー」図柄等)が記されており、これらシンボルが上記リール表示窓8に表示される。このリール表示窓8には、コイン投入枚数に応じて入賞判定時に有効化される入賞ライン13が複数本記されている。有効化された入賞ライン13上に並んだ前記シンボルの組み合わせが入賞である場合には、遊技機の内部に設置された周知のホッパー装置(図示省略)が作動し、入賞役に応じた枚数のコイン30を払い出す。
【0026】
すなわち、ホッパー装置から送出されたコイン30は、前扉2の下側中央に設けられたコイン払出口14の後側に遊技媒体通路を形成するコイン払出用シュート22(図3参照)の開口23に入り、シュート22内を降下して、コイン払出口14から本体3の正面下部に設けられたコイン受皿15内に払い出される。
【0027】
この実施例では、図4に示すように、コイン払出口14の内側から光を照射することでコイン受皿15を照明するために、上記蛍光灯20を光源とする照光手段が設けられている。これは、蛍光灯20の発する光の一部がコイン払出用シュート22の内部に入射できるように、前扉2のフレーム4の下部に光透過用の穴27aを設けると共に、この穴27aを通過してコイン払出用シュート22内に入った光をコイン払出口14の方向に反射するように、コイン払出用シュート22の内面を金属板やメッキなどの材料により光反射面として形成したものである。以上の光の軌跡を、図4に破線で示す。
【0028】
このように構成されたスロットマシン1において、電源がONされると、蛍光灯20が点灯し、化粧用パネルを照明する。それと同時にコイン払出口14の内側から光が照射され、コイン受皿15を照明する。これにより、遊技者は、コイン受皿15に払い出されたコイン30を充分に視認し、その枚数を確認できることに加えて、コイン払出口14から払い出されるコイン30は、コイン払出口14の内側から照射される光を反射しながら現れるので、払出と同時にコイン30が輝くという視覚装飾的な演出効果が得られる。
【0029】
また、上記のように前扉2のフレーム4の下部に設けた穴27aを、その正面側に取り付けた光透過板21で塞ぐことにより、開口23からコイン払出用シュート22内に入ったコインが穴27aに入ったり嵌り込んだりするのを防止することが好ましい。更に、この光透過板21を着色したアクリル樹脂等の透明板で形成するならば、コイン払出口14の内側からコイン受皿15にわたって、上記化粧用パネル6の光源である蛍光灯20の光の色とは異なる着色光を照射できるので、上記のコイン識別及び装飾的演出効果をより高めることができる。
【0030】
上記のような照光手段の光源としては、既存の蛍光灯20とは別の光源を用いてもよい。
【0031】
例えば、図5に示すように、蛍光灯20とは別の光源24を前扉2のフレーム4の下部に設け、この第2の光源24の上側をカバー25で覆って、この光源24の光が穴27aから、遊技媒体通路を形成するコイン払出用シュート22内に入るように構成する。この場合、遊技機の電源ONにより蛍光灯20が常時点灯中でも、これと別の光源24は消灯可能であり、コイン受皿15付近を必要な時だけ照明することが可能となる。例えば、入賞によってコイン30が払い出される時だけ第2の光源24を点灯することにより、前述のようにコインが輝いて出てくる視覚的効果を入賞時の演出効果とすることが可能となる。
【0032】
或いは図6に示すように、蛍光灯20とは別の光源24をコイン払出用シュート22の外側に設けてもよい。この場合、第2の光源24として、コイン払出用シュート22の下部外側に蛍光灯や電球等の発光器を設け、その前方には、コイン払出用シュート22の下部に設けた穴27bを塞ぐように多孔板26を取り付けている。これにより、コイン払出用シュート22内におけるコイン30の通過に支障を来さない照光手段が構成される。なお、多孔板26は、光を通すことができるように複数の孔を有すると共に、その取付位置はコイン30が衝突し得る位置であるから、多孔板26は充分な強度ないし耐久性を有する金属や高硬度樹脂等の材料で形成することが望ましい。
【0033】
この例の照光手段は、第2の光源24からの光が多孔板26を通ってコイン払出用シュート22内に入り、直接コイン払出口14から放出され、コイン受皿15を照明するように構成されている。以上の光の軌跡を、図6に破線で示す。なお、第2の光源24の色を選択し、或いは図4の実施例と同様、光源24と多孔板26との間に着色した光透過板を設けることにより、任意の着色光でコイン受皿15を照射することができる。
【0034】
図7は、更に別の実施例として、第2の光源24をコイン払出用シュート22の上部に設け、この光源の光をコイン払出用シュート22の上部に設けた穴27cから内部に入射させるように構成した照光手段を示す。この構成によれば、光源24の光は、コイン払出用シュート22の穴27cを通過してシュート22内に入り、このコイン払出用シュート22内で反射した光がコイン払出口14から放出され、コイン受皿15を照明する。以上の光の軌跡を、図7に破線で示す。この場合も、コイン払出用シュート22の穴27cと光源24との間に光透過板を設けることにより、任意の着色光を照射させることができる。
【0035】
本発明は、上記実施例のようなスロットマシンに限らず、遊技媒体を払い出す遊技機に適用できる。
【0036】
例えば、パチンコ機の場合、遊技媒体であるパチンコ球の排出口の内側に上記のような照光手段を設けることにより、パチンコ球の受皿(上皿及び下皿)を照明することに加えて、排出されるパチンコ球は、排出口の内側から照射される光を反射しながら出てくるので、輝くパチンコ球による顕著な装飾的効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のスロットマシンの外観を示す正面図。
【図2】図1のスロットマシンから化粧用パネルを取り外した本体下部の斜視図。
【図3】図1のスロットマシンの前扉の裏面を示す図。
【図4】図1のスロットマシンの本体下部の縦断面図。
【図5】本発明の第2の実施例を示すスロットマシンの本体下部の縦断面図。
【図6】本発明の第3の実施例を示すスロットマシンの本体下部の縦断面図。
【図7】本発明の第4の実施例を示すスロットマシンの本体下部の縦断面図。
【符号の説明】
1…スロットマシン、2…前扉、3…本体、4…フレーム、5…表示用パネル、6…化粧用パネル、7L…第1リール、7C…第2リール、7R…第3リール、8…リール表示窓、9…払出カウンタ表示窓、10…コイン投入口、11…スタートレバー、12L…第1ストップボタン、12C…第2ストップボタン、12R…第3ストップボタン、13…入賞ライン、14…コイン払出口、15…コイン受皿、20…蛍光灯、21…光透過板、22…コイン払出用シュート、23…開口、24…光源、25…カバー、26…多孔板、27a,27b,27c…穴、30…コイン。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2005-10-03 
結審通知日 2005-10-14 
審決日 2005-11-01 
出願番号 特願平9-349512
審決分類 P 1 113・ 121- ZA (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 瀬津 太朗  
特許庁審判長 中村 和夫
特許庁審判官 塩崎 進
白樫 泰子
登録日 2004-03-12 
登録番号 特許第3532404号(P3532404)
発明の名称 遊技機  
代理人 藤田 和子  
代理人 黒田 博道  
代理人 藤田 和子  
代理人 布川 俊幸  
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