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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 B65D
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B65D
管理番号 1132247
審判番号 不服2004-1267  
総通号数 76 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-08-13 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-01-16 
確定日 2006-02-08 
事件の表示 平成 6年特許願第520092号「使い捨て液体投与装置」拒絶査定不服審判事件〔平成 6年 9月15日国際公開、WO94/20379、平成 8年 8月13日国内公表、特表平 8-507485〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、1994年(平成6年)3月1日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1993年(平成5年)3月8日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成15年10月8日に拒絶査定され、、これに対し、平成16年1月16日付けで拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、平成16年2月9日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成16年2月9日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の結論]
平成16年2月9日付けの手続補正を却下する。
[理由]
(1)本件補正は、特許請求の範囲の請求項1,2を次のとおり補正するものである。
【請求項1】液体を保存し、複数回に分けて制御しながら投与する容器であって、投与端部、液溜め端部および機械的押出し制御手段を備え、前記投与端部は、同一平面上に1つまたは複数のノズルを有し、各ノズルが少なくとも1つの液体投与用開口部を有し、各開口部が着脱可能な封止手段により封止されており、前記液溜め端部は、内側に向かって変形可能な一対の対向した側壁、側壁に並行に整列され且つ垂直に取り付けられた内側に向かって変形可能な一対の対向した縁壁、および側壁と縁壁に垂直に取り付けられ且つ投与端部に対向した底部縁より成り、前記投与端部が側壁および縁壁に垂直に取り付けられており、液溜め端部の壁の内側の機械的押出し制御手段は、2つの等間隔でフリースタンディングして延伸した平坦面を有する長方形リブより成り、前記リブは容器内で中央部に側壁および縁壁の長手方向に沿って延伸し、且つ容器の底部縁に取り付けられており、リブの前記平坦面は、容器の側壁および縁壁に並行に整列されており、容器の側壁および縁壁の押圧が、側壁および縁壁をリブに接触させて側壁および縁壁の変形を減少し、液体の容器からの投与を減少することを特徴とする前記容器。
【請求項2】液体を保存し、複数回に分けて制御しながら投与する容器であって、投与端部、液溜め端部および機械的押出し制御手段を備え、前期投与端部は、同一平面上に1つまたは複数のノズルを有し、各ノズルが少なくとも1つの液体投与用開口部を有し、各開口部が着脱可能な封止により封止されており、前記液溜め端部は、内側に向かって変形可能な一対の対向した側壁、内側に向かって変形可能な一対の対向した縁壁、および側壁と縁壁に垂直に取り付けられ且つ投与端部に対向した底部縁より成り、前記側壁と縁壁とは並行に整列され且つ相互に垂直に取り付けられており、前記投与端部が側壁および縁壁に垂直にとりつけられており、機械的押出し制御手段は、容器内でフリースタンディングして延伸し、容器の底部縁に取り付けられた内部コアより成り、前記内部コアは容器の側壁および縁壁に対向した側壁および縁壁を有し、且つ容器の側壁および縁壁に並行に配列されており、更に前記内部コアは中央部に側壁および縁壁の長手方向に沿って延伸しており、内部コアの縁壁と容器の縁壁との間の距離が、内部コアが容器の低部縁から投与端部に延伸すると共に増加し、容器の長手方向に沿った種々の位置での縁壁の押圧が、側壁および縁壁を内部コアの種々の位置と接触させて側壁および縁壁の変形を減少し、液体の容器からの投与を制御することを特徴とする前記容器。
上記補正によって、請求項1の「機械的押出し制御手段」は、「2つの等間隔でフリースタンディングして延伸した平坦面を有する長方形リブより成り、前記リブは容器内で中央部に側壁および縁壁の長手方向に沿って延伸し、且つ容器の底部縁に取り付けられており、リブの前記平坦面は、容器の側壁および縁壁に並行に整列されており、容器の側壁および縁壁の押圧が、側壁および縁壁をリブに接触させて側壁および縁壁の変形を減少し、液体の容器からの投与を減少」するものとなり、
請求項2の「機械的押出し制御手段」は、「器内でフリースタンディングして延伸し、容器の底部縁に取り付けられた内部コアより成り、前記内部コアは容器の側壁および縁壁に対向した側壁および縁壁を有し、且つ容器の側壁および縁壁に並行に配列されており、更に前記内部コアは中央部に側壁および縁壁の長手方向に沿って延伸しており、内部コアの縁壁と容器の縁壁との間の距離が、内部コアが容器の低部縁から投与端部に延伸すると共に増加し、容器の長手方向に沿った種々の位置での縁壁の押圧が、側壁および縁壁を内部コアの種々の位置と接触させて側壁および縁壁の変形を減少し、液体の容器からの投与を制御」するものとなった。
しかしながら、請求項1の「長方形リブ」、請求項2の「内部コア」に対応する記載としては、当初明細書(明細書の翻訳文)第6頁8〜末行に「本発明においては、押出し量を3つの方法のうちいずれかによって調整するのが好ましい。第1の方法は、射出成形した、外表面が平坦または湾曲した瓶の内部に内部リブまたはコア(第4図および第5図を参照)を付け加えることである。瓶を圧迫していくと、成形された瓶の壁部位置から所定の距離で、反対側にある剛性リブまたは瓶内のコアと接触して抵抗が生じ、それ以上圧迫できなくなる。押圧負荷をゆるめると、瓶はもとの形状にもどり、アプリケータにもう一度ストロークを与えることができるようになる。単位投与量当たりの圧迫回数に影響を与える要因は、リブの高さ、数量、形状、ノズルのオリフィスの大きさ、瓶の形状、およびプラスチック樹脂の弾性係数である。」と記載されるとともに、同第10頁8〜12行に「第4図および第5図に示す本発明の別の実施例において、瓶20は、瓶内に配置した内部コア20a、または少なくとも1つの瓶壁部に配置した1つまたは複数の内部リブ20bを有し、瓶に圧力が加わった場合のストロークを制限するようになっている」と記載されるほかには、第4図及び第5図の記載があるのみである。
これらの記載及び第4図・第5図には、長方形リブが容器の底部縁に取り付けられることについては、何ら記載されておらず、また、他の記載からみて導きだされるものでもなく、且つ自明なことであるとも認められないので、本件補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものとは認められない。
したがって、この手続補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項の規定で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により、却下すべきものである。

3.本願発明について
平成16年2月9日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1、2に係る発明は、平成15年7月4日付手続補正書に記載された以下のとおりのものである。
「1.液体を保存し、複数回に分けて制御しながら投与する容器であって、投与端部および液溜め端部を備え、前記投与端部は、同一平面上に1つまたは複数のノズルを有し、各ノズルが少なくとも1つの液体投与用開口部を有し、各開口部が着脱可能な封止手段により封止され、前記液溜め端部が、内側に向かって変形可能な一対の対向した側壁、側壁に垂直に配置された一対の対向した縁壁、および側壁と縁壁に取り付けられた底部縁を有し、前記投与端部が底部縁に取り付けられている容器において、前記容器が、前記液溜め端部の側壁の内部に配置された平坦面を有する複数の長方形の内部リブよりなる機械的押出し制御手段を有し、前記内部リブの平坦面は前記液溜め端部の一対の縁壁に平行に配置されており、前記液溜め端部の側壁の押圧が、側壁を内部リブに接触させて側壁の変形を減少し、液体の容器からの投与を減少することを特徴とする前記容器。
2.液体を保存し、複数回に分けて制御しながら投与する容器であって、投与端部および液溜め端部を備え、前記投与端部は、同一平面上に1つまたは複数のノズルを有し、各ノズルが少なくとも1つの液体投与用開口部を有し、各開口部が着脱可能な封止手段により封止され、前記液溜め端部が、内側に向かって変形可能な一対の対向した側壁、側壁に垂直に配置された一対の対向した縁壁、および側壁と縁壁に取り付けられた底部縁を有し、前記投与端部が底部縁に取り付けられている容器において、前記容器が、前記液溜め端部の内部に配置された内部コアよりなる機械的押出し制御手段を有し、前記内部コアは前記液溜め端部の側壁および縁壁に平行し、且つ中央部に延長して配置されており、前記液溜め端部の側壁の押圧が、側壁を内部コアに接触させて側壁の変形を減少し、液体の容器からの投与を減少することを特徴とする前記容器。」

4.刊行物記載の発明
(1)刊行物1
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に日本国内において頒布された刊行物である特開昭61-226049号公報(以下、「刊行物1」という。)には、次のとおりの記載がある。
a「本発明の一実施例においては、容器1は比較的に偏平であり、すなわち、垂直方向の範囲(第2図において距離h=14mm)は、幅(第1図におけるb=28mm)および長さ(第1図におけるl=49mm)よりも可成り小さい。この容器1は円形の輪郭に沿つて円形であり且つ円筒形である全面にわたつて延びる端壁部分5を有し、そして小さい曲率半径6および7をそれぞれ有する中間部分を介して上側側壁部分8およびそれに対向した下側側壁部分9のそれぞれに連続している。上側側壁部分8は、実質的に平面状のまたは外方に膨出した環状部分8a(第3図)ならびに中央の比較的に大きい外方に(上方に)僅かにわん曲した部分8bを備えており、また、下側側壁部分9は同様に環状部分9aおよび外方に(下方に)わん曲した部分9bを備えている。円形であり且つ円筒形の端壁部5および該端壁部5に連結された切頭円錐形の放出部分2が幾何学的な形状に形成された結果極めて形状変化がないが、一方、僅かにわん曲した部分8bおよび9bは、2本またはそれよりも多数の指で(例えば一方の側を親指、そして他方の側を人差し指で)絞ることにより容易に変形させることができる。そのとき、各々のそれぞれのわん曲部分8b,9bは波状の中央位置(第3図に短い点鎖線で示した)を占め、そして最終的に完全にくぼんだ内方にわん曲した最終位置(第3図に長い点鎖線で示した)に変形せしめられる。その結果、容器の容積は所望の投与量に相当する正確に定められた容積だけ減少せしめられる。この容器は所望により二回分またはそれ以上の回数の投与のために充分な容積の製品を収納することができる。(シール部分3を破断した後)対向したわん曲部分8b,9bを一回絞ることにより、正確に定められた投与量が得られる。図示した実施例においては、容器1の容積は約5mlである。対向したわん曲部分8b,9bを完全に圧縮した(この圧縮には、特に大きい力は不要)ときに、所望の投与量2mlが得られる。この容器1には一回分の投与量に相当する2mlまたは二回分の投与量に相当する4mlを充填することができる。第3図に示した横断面図から、容器1が壁部全体にわたつて(約0.8mm)のほぼ同じ壁厚を有していることが明らかである。放出部分2とシール部分3との間の遷移領域10においては壁部の厚さを減少してあり、弱くなつた部分が構成され、これは破断するときに利用することができるようになつている。シール部分3の破断は、偏平な容器1を片手で保持すると共に保持用タブ4を他方の手で保持し、遷移領域10においてせん断力をうける材料が破断するまでねじることにより便利良く実行することができる。」(第4頁左下欄第6行〜第5頁右上欄第9行)
また、同じく原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に日本国内において頒布された刊行物である特開昭52-143177号公報(以下、「刊行物2」という。)には、次のとおりの記載がある。
b「この発明は、弾性質の材料より成る容器本体の内壁面の要所に、その対向壁面に当接して周壁の加圧変形量を規制するストツパーを設け、このストツパーの存在によつて前記欠点を全く一挙に解決し、器体の加圧操作により内容液を常に一定量づつ正確に容器から吐出させて使用し得るように改善したものである。・・・内容量の吐出量に応じて器体の加圧変形量を所定の容積差に規制するための間隙(S)が設けてある」(第1頁右下欄14行〜第2頁右上欄第2行)
更に同じく原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に日本国内において頒布された刊行物である実願昭48-55182号(実開昭50-3949号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物3」という。)には、次のとおりの記載がある。
c「この考案は合成樹脂等で作られた弾力性の有る容器に於て、必要とする液量がその容器を圧迫するだけで一度に取出せる様にしたものである。図について説明すると、第2及び第3図に示す様、出口に小穴を設けたる容器(1)の中にストツパー(2)を面(3)に、面(4)を外から圧迫すれば突き当たる様にして設けたものである。・・・この様に本案は、必要とする液量が、自由に表示される目盛の上を指で一押しするだけで取出せる。」(第1頁第18行〜第2頁第20行)

5.対比
本願発明1と刊行物1に記載された発明とを比較すると、刊行物1に記載された発明の「放出部分2」「シール部分3」「上側側壁部分8、下側側壁部分9」は、それぞれ、本願発明1の「投与端部」「封止手段」「側壁」に相当する。また、刊行物1の「容器1」の「放出部分2」を除く本体部分は、液体を溜めておく容器本体であるから、本願発明1の「液溜め端部」に相当するものである。そして、刊行物1には、複数回に分けて制御しながら投与することも記載されており、シール部分3の破断により放出部分2の端部が液体投与用開口を有するノズルとなることも記載されている。
よって、両者は、
「液体を保存し、複数回に分けて制御しながら投与する容器であって、投与端部および液溜め端部を備え、前記投与端部は、液体投与用開口部を有するノズルを有し、各開口部が着脱可能な封止手段により封止され、前記液溜め端部が、内側に向かって変形可能な一対の対向した側壁を有する容器」
である点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点1>
本願発明1では、液溜め端部が、側壁と、側壁に垂直に配置された一対の対向した縁壁および側壁と縁壁に取り付けられた底部縁を有しており、この底部縁に投与端部が取り付けられているのに対し、刊行物1に記載された発明では、側壁に垂直に配置された円筒形の端壁部分に放出部分が設けられている点。
<相違点2>
本願発明1では、液溜め端部の側壁の内部に配置された平坦面を有する複数の長方形の内部リブよりなる機械的押出し制御手段を有し、前記内部リブの平坦面は前記液溜め端部の一対の縁壁に平行に配置されており、前記液溜め端部の側壁の押圧が、側壁を内部リブに接触させて側壁の変形を減少し、液体の容器からの投与を減少するのに対し、刊行物1に記載された発明には、そのような機械的押出し制御手段が設けられていない点。

6.当審の判断
<相違点1>について
側壁と、側壁に垂直に配置された一対の対向した縁壁および側壁と縁壁に取り付けられた底部縁を有する形状の液溜め部と、液溜め部の底部縁に投与端部を取り付けることは、刊行物2,3にも記載されるように、従来より周知の構成であり、刊行物1に記載された発明の液溜め端部及び投与端部の形状を、刊行物2,3に記載される周知の形状とすることに格別の困難性はなく、当業者であれば容易になし得る程度のことにすぎない。
<相違点2>について
液体を収容する液溜め部に内部リブを設け、容器の側面を押圧したときに、側面を内部リブに接触させて側面の変形を規制し、液体の取出量を一定量づつとすることは、刊行物2の記載事項b及び刊行物3の記載事項cに記載されるように、液体収容用容器において従来より周知の構成であり(刊行物2、3の「ストッパー」は容器の側面を押圧したときに側面を内部リブに接触させて側面の変形を規制し、液体の取出量を一定量づつとするものであるから、本願発明1の内部リブに相当するものである)、刊行物1に記載された発明の液溜め端部に、刊行物2,3に記載される内部リブを適用すること格別の困難性はなく、当業者であれば容易になし得る程度のことにすぎない。また、刊行物1に記載の発明に内部リブを適用する際に、リブの形状を平坦面を有する長方形とすることや、容器の縁壁に平行に配置することは、単なる設計事項にすぎないものであるから、格別の困難性は認められない。
そして、本願発明1が奏する作用効果は、各刊行物に記載された発明が奏する作用効果に比して格別のものと認めることはできない。

7.むすび
以上のとおり、本願発明1は、刊行物1〜3に記載されたものに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、他の請求項について検討するまでもなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-09-12 
結審通知日 2005-09-13 
審決日 2005-09-27 
出願番号 特願平6-520092
審決分類 P 1 8・ 561- Z (B65D)
P 1 8・ 121- Z (B65D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 神山 茂樹谷治 和文  
特許庁審判長 寺本 光生
特許庁審判官 宮崎 敏長
豊永 茂弘
発明の名称 使い捨て液体投与装置  
代理人 大崎 勝真  
代理人 小野 誠  
代理人 一入 章夫  
代理人 川口 義雄  
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