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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04N
管理番号 1132401
審判番号 不服2005-17277  
総通号数 76 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-09-08 
確定日 2006-03-28 
事件の表示 特願2001-383313「ファクシミリ装置」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 8月28日出願公開、特開2002-240376、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.手続きの経緯・本願発明
本願は、平成2年7月26日に出願した特願平2-198610号の一部を平成11年3月29日に新たに出願した特願平11-198610号の一部を、更に平成12年7月17日に新たに出願した特願2000-216007号の一部を、更に平成13年12月17日に新たに出願したものであって、平成17年8月4日に拒絶査定がなされ、これに対して同年9月8日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
本願の特許請求の範囲の請求項1〜2に係る発明(以下、「本願発明1」、「本願発明2」という。)は、平成17年10月11日付けで補正された明細書及び図面の記載からみて、本願の特許請求の範囲請求項1〜2に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】
インクフイルムが巻かれた供給用シャフト及び巻取り用シャフトを有するインクフイルム装置と、
カット紙タイプの記録紙を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される記録紙にファクシミリ受信イメージデータを記録する記録手段と、
前記供給用シャフトに巻かれたインクフイルムを、前記巻取り用シャフトに巻き取るように移送する移送手段と、
前記インクフイルム装置、前記搬送手段、前記記録手段、前記移送手段を収容する本体と、
を備えたファクシミリ装置であって、
前記本体は、
前記インクフイルム装置が装着される本体下部と、前記本体下部に対して開閉可能な本体上部と、を有し、
前記本体下部には、前記インクフイルムの、前記供給用シャフトに巻かれるインクフイルム巻取り部分及び前記巻取り用シャフトに巻かれるインクフイルム巻取り部分が挿入される2つのインクフイルム巻取り部分装着用凹部と、前記供給用シャフト及び前記巻取り用シャフトが挿入されるシャフト装着用凹部と、が形成され、前記インクフイルム巻取り部分の、前記インクフイルム巻取り部分装着用凹部への挿入と、前記供給用シャフト及び前記巻取り用シャフトの、前記シャフト装着用凹部への挿入とをもって、前記インクフイルム装置の、本体への装着位置決めを可能とし、
前記記録手段は、
前記インクフイルム装置が前記本体下部に装着された場合に前記供給用シャフトと前記巻取り用シャフトとの間に位置する、前記インクフイルムのインクを前記記録紙に転写するための記録ヘッド部材と、
前記インクフイルムを前記記録ヘッド部材に押し付けるように、前記記録ヘッド部材との間に前記インクフイルムを挟み込むためのヘッドローラー部材と、
を有し、
前記搬送手段は、
前記記録紙を、前記インクフイルムの移送と同方向に搬送し、前記記録手段の前記記録ヘッド部材と前記ヘッドローラー部材との間に通過させる搬送部材を有し、
前記移送手段は、
前記インクフイルム装置のインクフイルムを前記供給用シャフト側から前記巻取り用シャフト側に移送する駆動手段と、
前記インクフイルム装置を前記本体下部の凹部に装着したとき、前記記録ヘッド部材と前記供給用シャフトとの間の第1の位置及び前記記録ヘッド部材と前記巻取り用シャフトとの間の第2の位置において、前記インクフイルムに接触する第1及び第2のインクフイルム支持部を有するインクフイルムガイド手段と、
を有し、
前記インクフイルム装置は、
前記本体の本体上部が開いた状態で前記供給用シャフト及び前記巻取り用シャフトに巻かれたインクフイルム巻取り部分が、前記本体下部の前記インクフイルム巻取り部分装着用凹部に挿入され、前記供給用シャフト及び前記巻取り用シャフトが前記シャフト装着用凹部に挿入されることをもって装着され、
該装着をもって、前記インクフイルムが、前記第1及び第2の支持部によって前記供給用シャフト及び前記巻取り用シャフトの位置よりも前記本体上部側に持ち上げられるように支持され、前記本体上部が閉じられたとき、前記記録ヘッド部材と前記ヘッドローラー部材とが接触し、該接触をもって、前記インクフイルムが、前記第1及び第2の支持部との接触位置よりも下側の位置で、前記記録ヘッド部材と前記ヘッドローラー部材との間に挟み込まれる、
ことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】
請求項1記載のファクシミリ装置であって、
前記インクフイルム装置がインクフイルムカートリッジ構成であることを特徴とするファクシミリ装置。」

2.原査定の理由
一方、原査定の拒絶の理由の概要は、請求項1〜2に係る発明は、その出願前日本国内において頒布された実願昭59-107315号(実開昭61-022645号)のマイクロフィルム、実願昭61-055017号(実開昭62-166047号)のマイクロフィルム及び実願昭61-135024号(実開昭63-041551号)のマイクロフィルム(以下、それぞれ「引用文献1」、「引用文献2」、「引用文献3」という。)に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。

3.引用例
引用文献1には、インクシ-ト供給側ロ-ルと、プラテンの間に位置して配設したインクシ-ト懸架用ロ-ラをたる形形状にすることにより、インクシ-トの位置ズレ、及びシワ発生を防止出来る熱転写式プリンターが記載されているとともに第1図に、シャフトの位置よりも、第1,第2の支持部によって、インクフィルムが持ち上げられる構成であり、支持部間でヘッドとローラを挟む構成が記載されている。
引用文献2には、ベースとこのベースの後端に回動可能に枢着されたカバーとで装置本体を構成し、ベースとカバーのいずれか一方に印字ヘツドを、他方にプラテンをそれぞれ配置して、カバーをベース側にセツトした際に上記印字ヘツドとプラテンとの間に介在されるインクシートを収容したインクシートカセツトを上記ベースとカバーのうちの印字ヘツド収容体側に着脱可能に装着するようにした印字装置において、上記印字ヘツド収容体の前側上方で上記インクシートカセツトを載置するカセツト載置台と、このカセツト載置台とともにリンク機構を構成して、上記カセツト載置台にインクシートカセツトを載置した位置から該カセツト載置台を印字ヘツド収容体内の所定位置まで案内する前後1対のリンクとを備えたことを特徴とする印字装置が記載されている。
引用文献3には、プリンタ本体に回動自在に取り付けられた回動フレームを有し、該回動フレームをプリンタ本体に対し上方向へ回動させた場合、該回動フレームに取り付けられたプラテン(またはサーマルヘツド)とプリンタ本体に取り付けられたサーマルヘツド(またはプラテン)とが分離する熱転写式プリンタにおいて、
(a) 前記回動フレームの両側に突起したラツチローラと、
(b) 前記ラツチローラに相い対するプリンタ本体側に回動可能に取り付けられ、かつ、下部がスプリングによつて付勢されたラツチレバーであつて、前記回動フレームが開放状態から閉められる場合に、前記ラツチローラが上方から当接する曲面が上部に形成され、この曲面の下端から一定の角度を内側上方に向つて有し、前記ラツチローラに係合する斜面が形成され、最下部には回動の軸と嵌合する孔が、回動方向に対して該軸とわずかな遊びを有して設けられたラツチレバーと、
(c) 前記プリンタ本体に取り付けられ、前記回動フレームが閉められた場合に、前記回動フレームの先端部に当接するストツパとを具備してなる熱転写式プリンタが記載されている。

4.対比・判断
(1)本願発明1と引用文献1に記載された発明と対比すると、本願発明1は「ファクシミリ装置」であるのに対し、引用文献1に記載された発明は「熱転写式プリンター」である点、本願発明1は、「本体は、前記インクフイルム装置が装着される本体下部と、前記本体下部に対して開閉可能な本体上部とを有し」であるのに対し、引用文献1に記載された発明は、その構成を備えていない点の外に、本願発明1は「前記本体下部には、前記インクフイルムの、前記供給用シャフトに巻かれるインクフイルム巻取り部分及び前記巻取り用シャフトに巻かれるインクフイルム巻取り部分が挿入される2つのインクフイルム巻取り部分装着用凹部と、前記供給用シャフト及び前記巻取り用シャフトが挿入されるシャフト装着用凹部と、が形成され、前記インクフイルム巻取り部分の、前記インクフイルム巻取り部分装着用凹部への挿入と、前記供給用シャフト及び前記巻取り用シャフトの、前記シャフト装着用凹部への挿入とをもって、前記インクフイルム装置の、本体への装着位置決めを可能とし(ている)」(以下、「本願発明1の特徴点」という。)が、引用文献1に記載された発明は、その構成を備えていない点で、相違している。
上記相違点を検討すると、引用文献1には、インクフイルム装置の本体への装着するのために必要とする構成が何ら記載されておらず、また、装着するのための課題について開示も示唆もされていない。
そして、引用文献2、3のいずれからも、本願発明1の特徴点である「前記本体下部には、前記インクフイルムの、前記供給用シャフトに巻かれるインクフイルム巻取り部分及び前記巻取り用シャフトに巻かれるインクフイルム巻取り部分が挿入される2つのインクフイルム巻取り部分装着用凹部と、前記供給用シャフト及び前記巻取り用シャフトが挿入されるシャフト装着用凹部と、が形成され、前記インクフイルム巻取り部分の、前記インクフイルム巻取り部分装着用凹部への挿入と、前記供給用シャフト及び前記巻取り用シャフトの、前記シャフト装着用凹部への挿入とをもって、前記インクフイルム装置の、本体への装着位置決めを可能とし(ている)」についての記載は見出せない。
また、上記特徴点は、本願出願時の技術水準を参酌して、単なる設計事項にすぎないということもできない。
そして、上記特徴点により、装置の大型化及びコスト増の原因となり得るような複雑な構成を設けなくても、インクフイルムの本体への装着が容易に行えるということができるという引用文献1〜3が達成できない作用効果を奏するものと認められる。
以上のとおりであるから、他の相違点を論じるまでもなく、本願発明1は、引用文献1〜3に基いて、当業者が、容易に想到し得たものであるとはいえない。
(2)本願発明2は、請求項1を引用し、さらに限定を加えたものであり、本願発明1の特徴点を備えるものであるから、上記(1)と同様な理由により、当業者が容易に想到し得たものであるといえない。

5.むすび
以上のとおり、本願については、原査定の拒絶の理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2006-03-15 
出願番号 特願2001-383313(P2001-383313)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 渡辺 努  
特許庁審判長 田口 英雄
特許庁審判官 大野 弘
佐藤 敬介
発明の名称 ファクシミリ装置  
代理人 特許業務法人湘洋内外特許事務所  

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