• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G03G
管理番号 1133341
審判番号 不服2003-13522  
総通号数 77 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2001-09-14 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-07-16 
確定日 2006-03-16 
事件の表示 特願2001- 39403「画像形成機」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 9月14日出願公開、特開2001-249527〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 【本願発明の認定】
本願は、平成7年1月10日に出願した特願平7-17442号(優先権主張平成6年1月14日(以下、(本願優先日)という。)、同年1月17日及び同年3月14日)の分割出願として平成13年2月16日に出願したもの(優先権主張特願平7-17442号に同じ)であって、その請求項1に係る発明は、明細書及び図面の記載からみて、本願の特許請求の範囲の請求項1に記載された「画像形成機」に関するものであるところ、その請求項1に記載された発明(以下、「本願発明1」という。)は、次のとおりのものである。

「【請求項1】 像担持手段と、該像担持手段上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、該像担持手段上の静電潜像をトナー像に現像するための現像手段と、該像担持手段上のトナー像をシート部材上に転写するための転写手段と、該像担持手段上のトナー像をシート部材上に転写した後に該像担持手段上に残留するトナーを該像担持手段上から除去するためのクリーニング手段とを具備し、該現像手段は、トナーとキャリア粒子とから成る現像剤を収容する現像容器と、該現像容器内の現像剤を該像担持手段上に適用するための現像剤適用手段と、該現像容器内に配設された搬送・攪拌手段とを具備し、
該現像容器内には幅方向に並列して延在する上流側経路と下流側経路とから成る循環経路が規定されており、該上流側経路と該下流側経路とは幅方向両端部において相互に連通せしめられており、
該搬送・攪拌手段は該上流側経路に配設された上流側搬送・攪拌機構と、該下流側経路に配設された下流側搬送・攪拌機構とを含み、該上流側搬送・攪拌機構は該上流側循環経路中を幅方向に延びる回転軸と該回転軸の周表面に配設された螺旋羽根とから構成され、該下流側搬送・攪拌機構は該下流側循環経路中を幅方向に延びる回転軸と該回転軸の周表面に配設された螺旋羽根とから構成されており、
該現像剤適用手段は該下流側経路に沿って幅方向に延びるスリーブ部材を含み、該下流側経路に存在する現像剤を該スリーブ部材の周表面に汲み上げて該像担持手段に適用する、画像形成機において、
該下流側搬送・攪拌機構は、周方向に間隔をおいて該回転軸の周表面に配設された多数のパドル片を含み、該パドル片の各々は該回転軸の周表面から半径方向に且つ該螺旋羽根間を軸線方向に延び、該パドル片の各々の半径方向先端縁は該螺旋羽根の外周縁よりも半径方向内側に位置する、ことを特徴とする画像形成機。」

【引用刊行物記載の発明】
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本願優先日前である平成1年1月11日に頒布された刊行物である実願昭62-98078号(実開昭64-4451号公報)の願書に添付された明細書及び図面の内容を撮影したマイクロフィルム(以下、「引用刊行物1」という。)には、次の(あ)〜(き)の事項が図面とともに記載されている。
(あ)「【実用新案登録請求の範囲】
1 トナーとキャリアを混合しつつ搬送するためのスクリューコンベアが内蔵されているトナー現像装置において、
前記スクリューコンベアの端部から、その回転軸線の延在方向にトナーを供給する手段が備えられ、このトナー供給手段のトナー供給速度は、前記スクリューコンベアのキャリア搬送速度よりも大であることを特徴とするトナー現像装置。
2 トナー供給手段は、スクリューコンベアの回転軸線と共通の回転軸線を有するスクリューである実用新案登録請求の範囲第1項に記載のトナー現像装置。
3 スクリューコンベアには、その回転軸線の延在方向と平行な方向に延在するかくはん羽根が備えられており、トナー供給用のスクリューにはかくはん羽根が備えられていない実用新案登録請求の範囲第2項に記載のトナー現像装置。」
(い)「(イ)産業上の利用分野
本考案は、感光体上の静電潜像をトナーにて現像するための、トナー現像装置に関するものである。」(同マイクロフィルム第2ページ第2行〜同ページ第5行)
(う)「(ロ)従来の技術
従来のトナー現像装置には、例えば特公昭54-40942号公報に示されているように、1対のスクリューコンベアが備えられ、現像剤であるトナーとキャリアの混合物は、このスクリューコンベアによって混合されつつ搬送される。
この従来の現像装置について、第2図ないし第4図に従がい説明する。
第2図は、静電潜像をトナー現像するための一般的な現像装置の概要を示す断面図である。先ず、この図に基き現像装置の概要につき説明する。
(1)は周側表面にアモルファスシリコン等の光導電物質がコーティングされている感光体ドラムで、この感光体ドラム(1)に、図示せぬ手段にて静電潜像が形成される。
(2)は現像室が形成される筐体で、前記感光体ドラム(1)に対峙する部分に開口(3)が形成されている。この開口(3)の内側に、固定磁石(4)・・・が内挿された非磁性スリーブ(5)が回転自在に装着されている。
前記スリーブ(5)の後方には、1対のスクリュー(6a)(6b)が平行並設されている。(7)はトナー濃度を検知する濃度センサである。」(同マイクロフィルム第2ページ第6行〜第3ページ第9行)
(え)「第3図は平面図で、第4図は第3図におけるIV-IV断面図である。
これらの図において、(9)は金属製の円柱状のシャフトで、このシャフト(9)に複数個のスクリューユニット(8)・・・が連続的に嵌着されている。このスクリューユニット(8)はポリエチレン、ポリアセタール等のプラスチックにて形成されており、実質的に1ピッチ分の螺旋帯(10)およびその回転軸線の延在方向と平行な方向に延在するかくはん羽根(11)が一体成型されている。」(同マイクロフィルム第3ページ第10行〜同ページ第19行)
(お)「ところで、前記装置では、第3図におけるA領域の上方からトナー(15)が落下供給され、供給されたトナー(15)は矢印に沿ってロ字状に搬送されつつキャリア(16)と混合されるが、トナー(15)はキャリア(16)よりもその比重が極めて小さいので、トナー(15)とキャリア(16)が同一速度で搬送されたのでは、十分混合されない(第4図参照)。」(同マイクロフィルム第5ページ第3行〜同ページ第9行)
(か)「第1図はおよび第5図ないし第7図は本考案の一実施例を示し、第5図は第1図におけるV-V断面図である。
なお、この実施例において、前記従来装置と同一部分には同一の符号を付し説明は略す。
この実施例では、第1図に示すように、一方のスクリューコンベア(6b)の一端が、その回転軸線の延在方向に突出し、この突出部の上方にトナーホッパ(17)が設けられている。」(同マイクロフィルム第6ページ第19行〜第7ページ第3行)
(き)「第7図は、スクリューコンベア(6b)の前記突出部に装着されているスクリューユニット(8)の平面図で、第6図は前記突出部以外の部位に装着されているスクリューユニット(8c)である。」(同マイクロフィルム第7ページ第16行〜同ページ第19行)

また、第1図〜第3図の記載よりスクリュー(6a)が、トナーおよびキャリアの混合物を非磁性スリーブ(5)の周表面に汲み上げて感光体ドラム上の静電潜像を現像すること及び引用刊行物1に記載された「トナー現像装置」が「感光体上の静電潜像をトナーにて現像する画像形成機」に用いられるものであることは明らかであるから、この記載事項によると、引用刊行物1には、
「感光体ドラムと、該感光体ドラム上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、該感光体ドラム上の静電潜像をトナー像に現像するためのトナー現像装置と、を具備し、該トナー現像装置は、トナー(15)とキャリア(16)とから成る混合物を収容する現像室と、該現像室内の混合物を該感光体ドラム上に適用するための非磁性スリーブ(5)と、該現像室内に配設された1対のスクリュー(6a)(6b)とを具備し、
該現像室内には、一対のスクリュー(6a)(6b)が平行並設され、これによりトナー(15)はロ字状に搬送されつつキャリア(16)と混合され、
該1対のスクリュー(6a)(6b)は、その端部にトナーホッパ(17)よりトナーを供給するスクリュー(6b)と、非磁性スリーブ(5)側のスクリュー(6a)とを含み、該スクリュー(6b)は金属性の円柱状のシャフト(9)に嵌着される複数個のスクリューユニット8(の胴部)と該胴部の周表面に一体成型された螺旋帯(10)とから構成され、該スクリュー(6a)は金属性の円柱状のシャフト(9)に嵌着される複数個のスクリューユニット8(の胴部)と該胴部の周表面に一体成型された螺旋帯(10)とから構成されており、
該非磁性スリーブ(5)は該スクリュー(6a)に沿って幅方向に延びるものであり、スクリュー(6a)が、トナーおよびキャリアの混合物を非磁性スリーブ(5)の周表面に汲み上げて感光体ドラム上の静電潜像を現像する画像形成機において、
該スクリュー6(a)は、周方向に間隔をおいて該回転軸の周表面に配設された多数のかくはん羽根(11)を含み、該かくはん羽根(11)の各々は該回転軸の周表面から半径方向に且つ該螺旋帯(10)間を軸線方向に延びた画像形成機。」
の発明が記載されていると認められる。

【対比】
本願発明1と引用刊行物1に記載された発明を対比すると、引用刊行物1に記載の発明の「感光体ドラム」「キャリア粒子」「トナー現像装置」「混合物」「現像室」「非磁性スリーブ(5)」「1対のスクリュー(6a)(6b)」「スクリュー(6b)」「スクリュー(6a)」「螺旋帯(10)」「かくはん羽根(11)」は、それぞれ本願発明1の「像担持手段」「キャリア(16)」「現像手段」「現像剤」「現像容器」「現像剤適用手段」「搬送・撹拌手段」「上流側搬送・撹拌機構」「下流側搬送・撹拌機構」「螺旋羽根」「パドル片」に相当し、また引用刊行物1に記載の発明の「該現像容器内には、一対のスクリュー(6a)(6b)によりロ字状に搬送されつつキャリア(16)と混合され」は、本願発明1の「該現像室内には幅方向に並列して延在する上流側経路と下流側経路とから成る循環経路が規定されており、該上流側経路と該下流側経路とは幅方向両端部において相互に連通せしめられており、」に相当することは明らかであるから、

両者は、
「像担持手段と、該像担持手段上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、該像担持手段上の静電潜像をトナー像に現像するための現像手段とを具備し、該現像手段は、トナーとキャリア粒子とから成る現像剤を収容する現像容器と、該現像容器内の現像剤を該像担持手段上に適用するための現像剤適用手段と、該現像容器内に配設された搬送・攪拌手段とを具備し、
該現像容器内には幅方向に並列して延在する上流側経路と下流側経路とから成る循環経路が規定されており、該上流側経路と該下流側経路とは幅方向両端部において相互に連通せしめられており、
該搬送・攪拌手段は該上流側経路に配設された上流側搬送・攪拌機構と、該下流側経路に配設された下流側搬送・攪拌機構とを含み、該上流側搬送・攪拌機構は該上流側循環経路中を幅方向に延びる回転軸と該回転軸の周表面に配設された螺旋羽根とから構成され、該下流側搬送・攪拌機構は該下流側循環経路中を幅方向に延びる回転軸と該回転軸の周表面に配設された螺旋羽根とから構成されており、
該現像剤適用手段は該下流側経路に沿って幅方向に延びるスリーブ部材を含み、該下流側経路に存在する現像剤を該スリーブ部材の周表面に汲み上げて該像担持手段に適用する、画像形成機において、
該下流側搬送・攪拌機構は、周方向に間隔をおいて該回転軸の周表面に配設された多数のパドル片を含み、該パドル片の各々は該回転軸の周表面から半径方向に且つ該螺旋羽根間を軸線方向に延びた画像形成機」
の点で一致し、以下の点で相違する。

『相違点1』:本願発明1が、像担持手段上のトナー像をシート部材上に転写するための転写手段と、該像担持手段上のトナー像をシート部材上に転写した後に該像担持手段上に残留するトナーを該像担持手段上から除去するためのクリーニング手段とを具備しているのに対して、引用刊行物1に記載された発明では、このような手段を具備しているか否か不明な点。
『相違点2』:本願発明1のパドル片の各々の半径方向先端縁は、螺旋羽根の外周縁よりも半径方向内側に位置するのに対して、引用刊行物1に記載された発明では、このようなものであるか必ずしも明確でない点。

【当審の判断】
まず上記相違点1について検討すると、像担持手段上の静電潜像を現像するいわゆる電子写真方式の画像形成機においては、該像担持手段上のトナー像をシート部材上に転写するための転写手段と、該像担持手段上のトナー像をシート部材上に転写した後に該像担持手段上に残留するトナーを該像担持手段上から除去するためのクリーニング手段とを具備することは、引用文献を示すまでもなく周知の技術的事項であり、相違点1に係る構成にしたことは当業者が適宜なし得ることである。
次に、上記相違点2について検討すると、現像手段内に設けられる搬送・撹拌機構において、搬送・撹拌機構におけるパドル片の各々の半径方向先端縁を、螺旋羽根の外周縁よりも半径方向内側に位置する点は、実願昭60-177604号(実開昭62-87735号公報)の願書に添付された明細書及び図面の内容を撮影したマイクロフィルム及び特開平3-265877号公報にみられるように、本願優先日前に周知の技術的事項であり、相違点2に係る構成にしたことは当業者が適宜なし得ることである。
そして、本願発明1の作用効果は、全体として、引用刊行物1に記載された発明及び上記した周知の技術的事項から予測できる程度のことであって、格別のものではない。

【むすび】
以上のとおりであるので、本願発明1は、引用刊行物1に記載された発明及び上記した周知の技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そして、請求項1に係る発明が特許を受けることができないものである以上、本願の請求項2ないし10に係る発明について検討するまでもなく、この特許出願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-01-10 
結審通知日 2006-01-17 
審決日 2006-02-01 
出願番号 特願2001-39403(P2001-39403)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G03G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 菅藤 政明  
特許庁審判長 山下 喜代治
特許庁審判官 伏見 隆夫
松本 泰典
発明の名称 画像形成機  
代理人 小野 尚純  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ