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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F16L
管理番号 1133704
審判番号 不服2004-11457  
総通号数 77 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2003-08-15 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-06-04 
確定日 2006-03-31 
事件の表示 特願2002- 26718「継手」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 8月15日出願公開、特開2003-227590〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成14年2月4日の出願であって、請求項1に係る発明は、平成16年3月8日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。

「継手本体と、
前記継手本体に螺合させて取り付け、継手本体に備える接続部に接続するチューブを保持するナットと、
前記チューブ外径面と前記継手本体に螺合されたナットの内径面との間に介在させるスリーブとからなり、
前記スリーブは、前記ナットに対し、外径面においてナット内径面と回転可能に嵌合し、内径面においてチューブ外径面を押さえ込み、かつ、軸方向のナットからの脱出を規制されるような組み付け構造を備え、この組み付け構造は、ナット内径面に突出させたリング状の凸部と、前記凸部に係合するようにスリーブ外径面に設けた段差部と、スリーブあるいはナットのいずれか一方に付加するストッパー部品とによって構成したことを特徴とする継手。」

2.引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用した登録実用新案第3019906号公報(以下、「引用文献」という。)には、図面とともに次のように記載されている。

「本考案に包含されるホース接続装置25について、図1〜図4を参照して説明する。本実施例におけるホース接続装置25は、挿入パイプ26と、締付環27および挿着筒28とを備えている。挿入パイプ26は例えば合成樹脂から形成されてなり、基端側に第1結合手段としての第1ネジ部29が設けられている。第1ネジ部29は雄ネジを形成して外周面に刻設されている。この第1ネジ部29のさらに基端側には接合フランジ部30が設けられ、この接合フランジ部30の基端側には、図示しないホースリールや散水ノズル等に連結されるネジ等から成る連結部31が一体に設けられている。また、挿入パイプ26の第1ネジ部29の先端側には、直径が拡大された係合部32が形成されている。係合部32は先端側に向けて細くなるテーパー状のクサビ形状を成し、係合部32の基部で直径が小さい直管部32aを形成している。係合部32は図4に示す小径ホース33を手作業で圧入嵌合するのに適する直径および形状に設定されている。」(第11頁第15行〜第26行)、

「締付環27は例えば合成樹脂からなり、外周部分に手操作による回転操作を容易にするための凹凸形状による滑り止めを備えている。締付環27の先端側には、第1結合手段に着脱可能な第2結合手段としての第2ネジ部34が設けられている。第2ネジ部34は締付環27の内周面に刻設され第1ネジ部29に螺合するように形成されている。筒状に形成された締付環27は基端側には、大径ホース35の外径と同一か、又は大径ホース35の外径よりも大きい内径の締付部36が設けられている。」(第12頁第3行〜第9行)、

「締付部36は、図2中に示されるごとく輪状に形成されており、締付環27の内周壁に突状に形成された輪状レール37に対して摺動自在に嵌合された摺動輪36である。摺動輪36はホース33,35側に接合し、締付環27の締付または取外し作業時の摩擦の発生を低減するために設けられている。」(第12頁第10行〜第14行)、

「図3中において締付環27は第1ネジ部29に対して第2ネジ部34が螺合され締付けられた状態にあり、締付部36は大径ホース35および挿着筒28をともに係合部32に向けて押圧している。」(第13頁第8行〜第10行)、

「以下、本考案に包含されるホース接続装置25に小径ホース33を接続する構造について、図4〜図6を参照して説明する。本実施例におけるホース接続装置25は、挿入パイプ26と、締付環27および外装筒40とを備えている。挿入パイプ26は例えば合成樹脂から形成されてなり、基端側に第1結合手段としての第1ネジ部29が設けられている。第1ネジ部29は雄ネジを形成して外周面に刻設されている。この第1ネジ部29のさらに基端側には接合フランジ部30が設けられ、この接合フランジ部30の基端側には、図示しないホースリールや散水ノズル等に連結されるネジ等から成る連結部31が一体に設けられている。また、挿入パイプ26の第1ネジ部29の先端側には、直径が拡大された係合部32が形成されている。係合部32は先端側に向けて細くなるテーパー状のクサビ形状を成し、係合部32の基部で直径が小さい直管部32aを形成している。係合部32は図4に示す小径ホース33が嵌合するのに適する直径および形状に設定されている。」(第13頁第15行〜第27行)、

「締付環27は例えば合成樹脂からなり、外周部分に手操作による回転操作を容易にするための凹凸形状による滑り止めを備えている。締付環27の先端側には、第1結合手段に着脱可能な第2結合手段としての第2ネジ部34が設けられている。第2ネジ部34は締付環27の内周面に刻設され第1ネジ部29に螺合するように形成されている。筒状に形成された締付環27は基端側には、大径ホース35の外径と同一か、又は大径ホースの外径よりも大きい内径の締付部36が設けられている。」(第14頁第3行〜第9行)、

「締付部36は、図2中に示されるごとく輪状に形成されており、締付環27の内周壁に突状に形成された輪状レール37に対して摺動自在に嵌合された摺動輪36である。摺動輪36はホース33,35側に接合し、締付環27の締付または取外し作業時の摩擦の発生を低減するために設けられている。」(第14頁第10行〜第14行)、

「図6中において締付環27は第1ネジ部29に対して第2ネジ部34が螺合され締付けられた状態にあり、締付部36は外装筒40および小径ホース33をともに係合部32に向けて押圧している。」(第15頁第9行〜11行)。

また、引用文献の図面図3及び図6等には、組み付け構造を含む次の事項が記載されている。すなわち、引用文献の図面図3及び図6等には、(a)締付部36は、締付環27に対し、外周面において締付環27の内周壁と回転可能に嵌合し、内周面(特に、締付部36の第2ネジ部34側内周面)においてホース33,35の外径面を押さえ込んで締付部36の内周面と挿入パイプ26の係合部32によりホース33,35を挟持しホース33,35を保持すること、(b)締付部36の第2ネジ部34側とは反対側の端部に設けた輪状レール37を挟むよう半径方向外方に突出した部材は、締付環27を緩める方向に回転させた場合でも締付部36が締付環27から離脱するのを防止する機能を有するものと認められ、図3及び図6等に記載された締付部36には、軸方向の締付環27からの脱出を規制させる組み付け構造を有すること、及び、(c)この組み付け構造は、締付環27内壁面に突出させたリング状の輪状レール37と、締付部36に設けた締付環27内周壁に当接する部分と輪状レール37の先端に当接する部分との間に設けた輪状レール37の側面に当接する段差部と、締付部36に設けた締付環27からの離脱を防止する機能を有する半径方向外方に突出した部材とを有すること、が記載されている。

上記記載事項及び図面の記載からみて、引用文献には、
「挿入パイプ26と、
挿入パイプ26に螺合させて取り付け、挿入パイプ26に備える接続部に接続するホース33,35を保持する締付環27と、
前記ホース33,35外径面と前記挿入パイプ26に螺合された締付環27の内周壁との間に介在させる締付部36とからなり、
前記締付部36は、前記締付環27に対し、外周面において締付環27の内周壁と回転可能に嵌合し、内周面においてホース33,35外径面を押さえ込み、かつ、軸方向の締付環27からの脱出を規制されるような組み付け構造を備え、この組み付け構造は、締付環27内周壁に突出させたリング状の輪状レール37と、前記輪状レール37に係合するように締付部36外周面に設けた段差部と、締付部36に一体に設けられた締付環27からの離脱を防止する機能を有する半径方向外方に突出した部材とによって構成したことを特徴とするホース接続装置。」
が記載されている。

3.対比
本願発明と引用文献に記載された発明とを対比すると、引用文献に記載された発明における「挿入パイプ26」、「ホース33,35」、「締付環27」、「ホース33,35外径面」、「締付環27の内周壁」、「締付部36」、「(締付部36の)外周面」、「(締付部36の)内周面」、「リング状の輪状レール37」、「段差部」、「締付環27からの離脱を防止する機能を有する半径方向外方に突出した部材」、「ホース接続装置」は、その機能に照らし、本願発明における「継手本体」、「チューブ」、「ナット」、「チューブ外径面」、「ナットの内径面」、「スリーブ」、「(スリーブの)外径面」、「(スリーブの)内径面」、「リング状の凸部」、「段差部」、「ストッパー部品」、「継手」にそれぞれ相当する。

したがって、上記両者は、
「継手本体と、
前記継手本体に螺合させて取り付け、継手本体に備える接続部に接続するチューブを保持するナットと、
前記チューブ外径面と前記継手本体に螺合されたナットの内径面との間に介在させるスリーブとからなり、
前記スリーブは、前記ナットに対し、外径面においてナット内径面と回転可能に嵌合し、内径面においてチューブ外径面を押さえ込み、かつ、軸方向のナットからの脱出を規制されるような組み付け構造を備え、この組み付け構造は、ナット内径面に突出させたリング状の凸部と、前記凸部に係合するようにスリーブ外径面に設けた段差部と、ストッパー部品とによって構成したことを特徴とする継手。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点]
本願発明では、ストッパー部品が、スリーブあるいはナットのいずれか一方に付加するストッパー部品であるのに対し、引用文献に記載された発明では、ストッパー部品が、スリーブに一体に設けられたストッパー部品である点。

4.当審の判断
そこで、上記[相違点]について以下検討する。

ストッパー部品を、スリーブに一体に設けるか、あるいはスリーブとストッパー部品を別体として、ストッパー部品をスリーブに付加する構成とするかは、当業者が適宜選択し得る設計上の事項にすぎないものと認められる。しかも、継手において、ナット等の内面にストッパー部品(例えば、止め輪)を付加し、スリーブ等の抜け出しを図ることは、従来周知の事項である(例えば、特開平9-79445号公報、特開平9-79446号公報、特開2000-283364号公報 参照)。してみると、[相違点]における本願発明の構成とすることは、上記周知の事項を参酌する等して当業者が容易に想到し得たことである。

そして、本願発明が奏する作用、効果は、引用文献の記載及び上記周知の事項から当業者が容易に予測することができたものである。

5.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、引用文献に記載された発明及び上記周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-12-07 
結審通知日 2006-01-10 
審決日 2006-01-23 
出願番号 特願2002-26718(P2002-26718)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F16L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 内山 隆史  
特許庁審判長 水谷 万司
特許庁審判官 原 慧
櫻井 康平
発明の名称 継手  
代理人 井上 重三  
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