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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1134114
審判番号 不服2001-16852  
総通号数 77 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1994-03-15 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-09-20 
確定日 2006-04-05 
事件の表示 平成 4年特許願第230099号「バーコード読取用カートリッジ」拒絶査定不服審判事件〔平成 6年 3月15日出願公開、特開平 6- 71049〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成4年8月28日の出願であって、平成13年8月9日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年9月20日に拒絶査定に対する審判請求がなされたものである。

2.本願発明
本願の請求項1〜5に係る発明は、平成13年7月27日付の手続補正書の特許請求の範囲の請求項1〜5に記載されたとおりのものであるところ、請求項1に記載された発明(以下、本願発明という。)は以下のとおりである。
「【請求項1】 ゲーム内容を表示するための表示パネルと遊戯者の操作を入力する操作ボタンとが表面に設けられ、前記表面の上辺にゲームカートリッジ用コネクタが設けられたポータブルゲーム装置に装着されるカートリッジであって、
前記ゲームカートリッジ用コネクタに接続されるコネクタと、バーコードを読み取るバーコード読取り部とを有し、バーコードが記載されたバーコードカードを通す溝が前記表示パネルの上辺とほぼ平行に形成されていることを特徴とするバーコード読取用カートリッジ。」

3.引用文献に記載された発明
(1)原査定の拒絶の理由に引用された米国特許第5112051号明細書(以下、引用文献1という。)には、以下の事項が記載されている。

「従来の方式の場合、ゲームの特性、特にその困難さの度合いは、外部データ記憶媒体に記憶されたデータによって予め相当程度まで定められている。そのため、従来のコンピュータゲームは、プレイされる回数が増すにつれて、アピールを失い、プレーヤーのチャレンジする意欲を損なう。換言すれば、ゲームの被プレイ能力が限定されている。・・・本発明の一目的は、読み出し専用メモリ(ROM)を備えたカートリッジのような外部データ記憶媒体を使用する従来のコンピューターゲーム方式の前述した欠点を解消することにある。」(第1欄第49〜64行)

「第1a、1b、1c図に全体として図示したインターフェーシング装置は、浅いケーシング1を有し、このケーシングの一端2は、コンピューターゲームコンソール例えば周知の任天堂コンソールの受入れポートに嵌合するようになっており、他端3は、外部データ記憶媒体(以下単にメモリという)、例えば読み出し専用メモリ(ROM)を備えたカートリッジを受け入れるようになっている。」(第3欄第49行〜第56行)

「本発明のこの実施例によれば、ケーシング1の上壁部6に取り付けたユーザーによって、調節可能なスイッチ5は、メモリ中に記憶されたゲームをプレイする仕方を変更するために利用できる。」(第3欄第63行〜第68行)

「図示したスイッチング形態は、16進法コード化形態に従ってコード化された2進法アドレス及びデータ信号を発生させるのに適合しており、それぞれ4個及び2個の16位置回転スイッチ又は別の構成のスイッチとして実現される。・・・ユーザーによって選択可能なアドレス及びデータ信号は、別の方法として、ラッチに記憶させてもよい。この場合には、種々の形態のデータ入力方式(例えばキーパッド、音声入力など)を、ラッチ設定のために用いることができる。」(第5欄第14〜25行)

これらの記載によれば、引用文献1には、以下の発明が記載されているものと認められる。
「カートリッジを受け入れるようになっているポートが設けられたコンピュータゲームコンソールに装着されるインタフェーシング装置であって、
前記ポートに嵌合するケーシングの一端2と、ゲームをプレイする仕方を変更するために利用できるアドレス及びデータ信号をユーザによって設定する手段を有する装置。」(以下、「引用発明」という。)

(2)同じく、原査定の拒絶の理由に引用された特開平3-268779号公報(以下、引用文献2という。)には、以下の事項が記載されている。

「本発明の目的は・・・迅速にコマンド入力を行うことのできる入力方法を提供することにある。」(第2ページ左上欄第7〜9行)

「第1図は、ゲーム機に記憶媒体の読取り装置を設けた結線関係の一例を示す。この例ではゲーム機本体4は、コントローラ1と別体になっていて、その間にデータ読取り装置2が結合してある。ただしコントローラ1、ゲーム機本体4、データ読取り装置2を一体にしたり、あるいはデータ読取り装置2をコントローラ1もしくはゲーム機本体4に組込むこともでき、これらの構成は自由になしうる。」(第2ページ右上欄第6〜14行)

「第1図では、記憶媒体として、カード3を用いている。記憶手段としては・・・バーコード記入手段その他をとりうる。それに応じてデータ読取り装置2を定める。カード3をデータ読取り装置2に挿入すると、記憶内容はゲーム機本体4に取込まれる。この記憶内容は、第2図(a)に示すコマンド探索手順どおりになっていれば、コントローラ1からのボタン操作と同一の方法で、コマンド命令がゲーム機本体4のプログラム中に割込まれ、ゲームが進行する。」(第2ページ右上欄第15行〜左下欄第4行)

これらの記載及び第1図によれば、引用文献2には、バーコードが記入されたバーコードカードを通す溝が形成された読取り装置を用いて、カードに記憶された記憶内容を迅速にゲーム機本体に取込む技術が開示されていると認めることができる。

4.本願発明と引用発明との対比
引用発明における「カートリッジ」、「ポート」、「インタフェーシング装置」及び「ケーシングの一端2」は、本願発明における「ゲームカートリッジ」、「ゲームカートリッジ用コネクタ」、「カートリッジ」及び「ゲームカートリッジ用コネクタに接続されるコネクタ」に相当する。

引用発明における「コンピューターゲームコンソール」と本願発明における「ポータブルゲーム装置」とは、ゲームカートリッジを用いてゲームを行う装置としての「ゲーム装置」である点において共通する。

よって、本願発明と引用発明は、「ゲームカートリッジ用コネクタが設けられたゲーム装置に装着されるカートリッジであって、
前記ゲームカートリッジ用コネクタに接続されるコネクタを有するカートリッジ。」である点で一致し、以下(1)及び(2)の点で相違する。

(1)本願発明は、ゲーム装置が、ゲーム内容を表示するための表示パネルと遊戯者の操作を入力する操作ボタンとが表面に設けられ、前記表面の上辺にゲームカートリッジ用コネクタが設けられたポータブルゲーム装置であるのに対して、引用発明は、ゲーム装置が、ゲームカートリッジ用コネクタが設けられている点以外、本願発明のように特定されていない点。(以下、相違点1という。)

(2)本願発明は、カートリッジが、バーコードを読み取るバーコード読取り部を有し、バーコードが記載されたバーコードカードを通す溝が表示パネルの上辺とほぼ平行に形成されているバーコード読取用カートリッジであるのに対して、引用発明は、カートリッジが、そのようになっていない点。(以下、相違点2という。)

5.相違点についての検討
(1)相違点1について
引用文献1第3欄第52行〜第53行には「コンピューターゲームコンソール例えば周知の任天堂コンソール」と記載されている。
そして、本願出願当時において、任天堂コンソールとして、ゲーム内容を表示するための表示パネルと遊戯者の操作を入力する操作ボタンとが表面に設けられ、前記表面の上辺にゲームカートリッジ用コネクタが設けられたポータブルゲーム装置として構成されている「ゲームボーイ」(登録商標、1989年4月21日発売)は、周知のものであり、また、引用文献1において、引用発明が適用されるゲーム装置として、ポータブルゲーム装置を阻害する記述も見あたらない。
したがって、ゲーム内容を表示するための表示パネルと遊戯者の操作を入力する操作ボタンとが表面に設けられ、前記表面の上辺にゲームカートリッジ用コネクタが設けられたポータブルゲーム装置の構成を引用発明におけるゲーム装置の構成として採用し、前記相違点1に係る本願発明の構成のようにすることは、当業者が容易になし得ることである。

(2)相違点2について
引用文献1第5欄第22〜25行に「ユーザによって選択可能なアドレス及びデータ信号は、別の方法として、ラッチに記憶させてもよい。この場合には、種々の形態のデータ入力方式(例えば、キーパッド、音声入力など)を、ラッチ設定のために用いることができる。」と記載されている。
そして、データを迅速に装置に取込むことは、広く情報技術の分野において、常に課題となっているところ、上記3.(2)で認定したとおり、引用文献2には、バーコードが記入されたバーコードカードを通す溝が形成された読取り装置を用いて、カードに記憶された記憶内容を迅速にゲーム機本体に取込む技術が記載されているので、引用発明において、アドレス及びデータ信号をユーザによって設定するにあたって、引用文献2に記載の技術を適用して、引用発明におけるカートリッジについて、バーコードを読み取るバーコード読取り部とを有し、バーコードが記載されたバーコードカードを通す溝が形成されているバーコード読取用カートリッジに変更することは当業者が容易になし得ることである。
また、従来周知のバーコードを用いた電子ゲーム(必要であれば、特開平3-193074号公報、1991年から発売の株式会社エポック社製ゲーム装置「バーコードバトラー」を参照されたい。)が、バーコードカードの通過経路上に筐体が位置しないように設計されていること、上記5.(1)で述べた周知のポータブルゲーム装置「ゲームボーイ」のカートリッジ用コネクタの配置を考慮すれば、引用発明のゲーム装置をポータブルゲーム装置とした場合に、バーコードカードを通す溝を表示パネルの上辺とほぼ平行に形成することは、当業者が適宜なし得る設計的な事項にすぎない。
そうすると、引用発明におけるカートリッジについて、従来周知の事項を考慮した上で、引用文献2に記載の技術を適用し、前記相違点2に係る本願発明の構成のようにすることは、当業者が容易に想到できるものである。

また、本願発明の効果が、引用文献1及び2に記載された発明の効果、ならびに、周知事項に基づく効果の総和以上の格別なものとは認められない。

したがって、本願発明は、引用文献1及び2に記載された発明、ならびに、周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

6.むすび
以上のとおり、本願発明は、上記引用文献1及び2に記載された発明、ならびに、周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願の他の請求項について検討するまでもなく、本願は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-01-26 
結審通知日 2006-01-31 
審決日 2006-02-13 
出願番号 特願平4-230099
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 植野 孝郎  
特許庁審判長 中村 和夫
特許庁審判官 辻野 安人
宮本 昭彦
発明の名称 バーコード読取用カートリッジ  
代理人 北野 好人  
代理人 三村 治彦  

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