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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1134216
審判番号 不服2001-17960  
総通号数 77 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-03-23 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-10-09 
確定日 2006-04-10 
事件の表示 平成 9年特許願第244335号「スロットマシン」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 3月23日出願公開、特開平11- 76498〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成9年9月9日に出願され、平成13年8月22日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年10月9日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年11月8日付で手続補正がなされたものである。

2.平成13年11月8日付の手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成13年11月8日付の手続補正を却下する。

[理由]
2-1.補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項5は、
「【請求項1】入賞制御手段、
リール位置検出手段及び複数のリール停止位置指定テーブルを含むリール停止制御手段により遊戯の制御を行うスロットマシンにおいて、
前記リール停止位置指定テーブルには、「BB」入賞図柄配列か、又は「BB」入賞フラグ成立時特定図柄配列のみを窓部より可視表示させる停止図柄配列とするように停止コマ位置を指定してリール停止位置が指定されている「BB」フラグ成立時リール停止位置指定テーブルが含まれ、リール停止制御手段は、「BB」フラグ成立時に、前記「BB」フラグ成立時リール停止位置指定テーブルによってリールを停止させ、入賞制御手段により大当たり入賞が得られているにも拘わらず有効ライン上に大当たり入賞図柄配列を揃えられないときには特定の図柄配列を窓部に可視表示させるようにリールを停止させることを特徴とするスロットマシン。」と補正された。

前記補正は、請求項1ないし4の削除に伴い、請求項1に繰り上げられた請求項5に記載した発明を特定するために必要な事項である「図柄配列としたリール停止位置が指定されている」を「停止図柄配列とするように停止コマ位置を指定してリール停止位置が指定されている」と補正して、「「BB」フラグ成立時リール停止位置指定テーブル」についての構成を限定し、同じく「「BB」入賞図柄配列テーブルか、又は、前記「BB」フラグ成立時リール停止位置指定テーブル」を「前記「BB」フラグ成立時リール停止位置指定テーブル」と補正し、同じく「課し表示」を「可視表示」と補正して誤記を訂正するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮、及び、同項第3号の誤記の訂正を目的とするものに該当する。

以上のとおり、前記補正は、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とする補正を含むものであるから、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて以下に検討する。

2-2.引用例及び周知例
引用例1:特開平7-51431号公報
周知例1:特開平6-304300号公報
周知例2:特公平5-18594号公報

(1)引用例1(特開平7-51431号公報)に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用され本願の出願の日前に頒布された引用例1には、図面と共に以下の事項が記載されている。
(1-a)「【0015】図2中、10は、スロットマシンを示すものであり、このスロットマシン10は、・・・方形の表示部11〜13が横並びに複数個、本実施例では3個設けられている。前記表示部11〜13には、各表示部11〜13に対応して、合計で3個の回転リールが配置されている。
【0016】・・・回転リール14〜16は、外周に複数個の絵柄が各々表示され、3個の絵柄が上記各表示部11〜13ごとに表示され、3個の表示部11〜13の全体で合計9個の絵柄が表示可能に形成されている。」
(1-b)「【0021】つぎに、本実施例におけるスロットマシンの遊技について説明する。まず、遊技者がスロットマシン10に所定数のメダルを投入してスタートスイッチ50を操作すると、各回転リール14〜16が回転を開始し、複数の図柄が順次、高速に移動表示される。そして、遊技者がストップスイッチ40〜42を操作する・・・と、回転リール14〜16の回転が停止し、表示部11〜13に図柄が停止表示される。
【0022】・・・上記表示部11〜13に停止表示される図柄の組み合わせは、スタートスイッチ50が操作された時点、あるいは予め定めた一定時間が経過した時点でソフト的に決定される。そして、ストップスイッチ40〜42の操作に応じて、その操作タイミングが多少ずれていたとしても、所定の許容範囲にある場合には、決定されたボーナス図柄が表示部11〜13に出現する位置に回転リール14〜16が停止するよう制御される。
【0023】このとき、予め定めた確率にしたがって、遊技者にとって通常遊技よりもさらに有利なボーナスゲームを行わせるボーナス図柄が出現する。
このボーナス図柄が出現する場合には、スロットマシン10を電気的に制御する電気的制御装置の制御ソフトにおいて、ボーナスフラグが出力され、このボーナスフラグが発生した状態でストップスイッチ40〜42が操作されると、図4Aに示すように、各表示部11〜13の中央にを結ぶライン、すなわち中央ラインの停止図柄が、ボーナス図柄を表す停止図柄、例えば「7」「7」「7」となる。
【0024】一方、ストップスイッチ40〜42の操作タイミングがずれて、これが所定の許容範囲を越える場合には、各回転リール14〜16が、ボーナス図柄が表示部11〜13に出現する位置で停止できない場合がある。この場合には、ボーナスフラグが発生されているにもかかわらず、ボーナス図柄を出現させる代わりに、ボーナス図柄を停止制御できない場合に出現する特定種類の図柄の組合せ、すなわちリーチ目が出現する。」

前記の記載事項及び図面の記載からみて、引用例1には、下記の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「遊技の制御を行うスロットマシンにおいて、
ボーナスフラグが発生した状態でストップスイッチ40〜42が操作されると、各表示部11〜13の中央ラインの停止図柄が、ボーナス図柄を表す停止図柄となり、ストップスイッチ40〜42の操作タイミングがずれて、ボーナスフラグが発生されているにもかかわらず、各回転リール14〜16が、ボーナス図柄が表示部11〜13に出現する位置で停止できない場合には、特定種類の図柄の組合せ、すなわちリーチ目が表示部11〜13に出現するように回転リール14〜16を停止させるスロットマシン。」

(2)周知例1(特開平6-304300号公報)に記載された事項
周知例1には、スロットマシンに関し、 図面と共に以下の事項が記載されている。
(2-a)「【0007】・・・請求項1記載の発明は、リール駆動制御手段(90)が、各リール(30〜32)の図柄に対応した駒番号と進み駒数とを記憶した停止駒数指定テーブル(93)と、各ストップスイッチ(70〜72)からのストップ信号の入力時の駒番号から、停止駒数指定テーブル(93)に記憶されている進み駒数を読み取り、この読み取った進み駒数だけ、ストップ信号の入力時の駒番号を進めるテーブルデータサーチ手段(95)とを備えていることを特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明は、リール駆動制御手段(90)が、スタートスイッチ(60)からのスタート信号に基づいて乱数を抽選する乱数抽選手段(92)と、各リール(30〜32)の図柄に対応した駒番号と進み駒数とを記憶した複数の停止駒数指定テーブル(93…)と、前記乱数抽選手段(92)により抽選された乱数に基づいて、複数の停止駒数指定テーブル(93)から特定の停止駒数指定テーブル(93)を選択するテーブル選択手段(94)と、このテーブル選択手段(94)により選択された特定の停止駒数指定テーブル(93)を使用し、各ストップスイッチ(70〜72)からのストップ信号の入力時の駒番号から、前記特定の停止駒数指定テーブル(93)に記憶されている進み駒数を読み取り、この読み取った進み駒数だけ、ストップ信号の入力時の駒番号を進めるテーブルデータサーチ手段(95)とを備えていることを特徴とする。」
(2-b)「【0009】【作用】したがって、請求項1記載の発明によれば、テーブルデータサーチ手段(95)は、各ストップスイッチ(70〜72)からのストップ信号の入力時の駒番号から、停止駒数指定テーブル(93)に記憶されている進み駒数を読み取る。その後、テーブルデータサーチ手段(95)は、読み取った進み駒数だけ、ストップ信号の入力時の駒番号を進め、その駒番号の位置に、当該ストップスイッチ(70〜72)に対応するリール(30〜32)を停止させる。
【0010】請求項2記載の発明によれば、テーブル選択手段(94)は、乱数抽選手段(92)により抽選された乱数に基づいて、複数の停止駒数指定テーブル(93)から特定の停止駒数指定テーブル(93)を選択する。テーブルデータサーチ手段(95)は、選択された特定の停止駒数指定テーブル(93)を使用して、リール(30〜32)の停止位置を制御する。
【0011】すなわち、テーブルデータサーチ手段(95)は、各ストップスイッチ(70〜72)からのストップ信号の入力時の駒番号から、上記選択された特定の停止駒数指定テーブル(93)に記憶されている進み駒数を読み取る。その後、テーブルデータサーチ手段(95)は、読み取った進み駒数だけ、ストップ信号の入力時の駒番号を進め、その駒番号の位置に、当該ストップスイッチ(70〜72)に対応するリール(30〜32)を停止させる。」
(2-c)「【0021】前記リール駆動制御手段90は、乱数を発生させる乱数発生手段91と、スタートスイッチ60からのスタート信号に基づいて、乱数発生手段91により発生した乱数を抽選する乱数抽選手段92と、各リール30〜32の図柄に対応した駒番号と進み駒数とを記憶した複数の停止駒数指定テーブル93…と、前記乱数抽選手段92により抽選された乱数に基づいて、複数の停止駒数指定テーブル93から特定の停止駒数指定テーブル93を選択するテーブル選択手段94と、このテーブル選択手段94により選択された特定の停止駒数指定テーブル93を使用し、前記各ストップスイッチ70〜72からのストップ信号の入力時の駒番号から、前記特定の停止駒数指定テーブル93に記憶されている進み駒数を読み取り、この読み取った進み駒数だけ、ストップ信号の入力時の駒番号を進めるテーブルデータサーチ手段95とを備えている。」
(2-d)「【0022】つぎに、上記した停止駒数指定テーブル93について、図3〜5を用いて説明する。まず、図3は、図柄の配列を示すものである。各リール30〜32の外周には、図3に示すように、本実施例ではその外周方向にほぼ等間隔で、例えば21個の図柄が表示されている。このため、1個の図柄に対応した位置を、各リール30〜32の1個の駒と数え、各リール30〜32を21個の駒に分けている。そして、21個の駒には、各リール30〜32の外周方向に、順番に番号を付し、図3の左欄に示すように、第1番目から第21番目までの駒番号として表示している。なお、駒番号の第1番目は、ステッピングモータ40〜42のステップ数の零カウントに一致させている。」
(2-e)「【0024】また、図4は、停止駒数テーブルを示す。進み駒数の値としては、図4に示すように、本実施例では、例えば「0〜4」の5種類を使用している。なお、進み駒数の値は、「0〜4」の5種類に限らず、4種類や6種類であってもよい。上記「0〜4」の数字は、駒番号の進み駒数を意味する。進み駒数の値が、例えば「0」の場合は、駒番号に等しい位置に当該リール30〜32を停止させる。「1」の場合は、駒番号を「1」個だけ進めた位置に当該リール30〜32を停止させる。同様に「2」の場合は、駒番号を「2」個だけ、「3」の場合は駒番号を「3」個だけ、「4」の場合は駒番号を「4」個だけ進めた位置に当該リール30〜32をそれぞれ停止させる。」
(2-f)「【0034】つぎに、図6を用いて、上記した構成を備えたリール駆動制御手段90の動作を説明する。 まず、ステップ120では、スタートスイッチ60がオンとされたか否かが判定される。この判定は、図1に示すように、リール駆動制御手段90の乱数抽選手段92により行われ、具体的には、スタートスイッチ60からのスタート信号が入力されたか否かにより判定される。
【0035】上記ステップ120において、スタートスイッチ60がオンとされた場合には、図6に示すように、次のステップ121に進み、乱数抽選が行われる。この抽選は、スタートスイッチ60からのスタート信号の入力を条件に、乱数抽選手段92により処理され、具体的には、乱数発生手段91により発生した乱数から抽選される。上記乱数抽選後、図6に示すように、ステップ121からステップ122に進み、テーブル選択が行われる。この選択は、テーブル選択手段94により処理され、具体的には、乱数抽選手段92により抽選された乱数に基づいて、複数の停止駒数指定テーブル93から特定の停止駒数指定テーブル93が選択される。
【0036】上記テーブル選択後、図6に示すように、ステップ122からステップ123に進み、当該テーブルデータを読み込む。この読み込みは、テーブルデータサーチ手段95により処理され、具体的には、テーブル選択手段94により選択された特定の停止駒数指定テーブル93に記憶されたテーブルデータをテーブルデータ展開手段96により展開後、読み込まれる。」
(2-g)「【0038】上記サーチ終了後、図6に示すように、ステップ125からステップ126に進み、第1リール30の回転が停止される。この停止は、図1に示すように、テーブルデータサーチ手段95により制御され、具体的には、指定された駒数に達すると、第1ステッピングモータ40への駆動パルスの出力が停止される。
より具体的に説明すると、図4に示した停止駒数指定テーブルが選択された場合を例に挙げると、例えば駒番号の第12番目の位置で、第1ストップスイッチ70からのストップ信号が入力された場合には、進み駒数の値が、「2」となっている。このため、駒番号の第12番目に「2」を加えた、第14番目の駒番号に、第1リール30が停止する。その結果、中央ライン21を基準に考えると、中央ライン21には、図3に示すように、「7」の図柄が、上ライン22には「CH」、すなわちチェリーの図柄が、下ライン23には「BE」、すなわちベルの図柄が表示される。」

(3)周知例2(特公平5-18594号公報)に記載された事項
周知例2には、スロットマシンに関し、 図面と共に以下の事項が記載されている。
(3-a)「第4図において、モータ制御部14はクロツク信号を受けて駆動パルスpを生成し、この駆動パルスによりリール駆動用のステツピングモータ24を駆動する。このモータ制御部14にはコンピユータ回路部20より始動信号や停止信号が与えられ、これら信号入力によりモータ制御部14の作動およびその停止が制御される。前記駆動パルスpはコンピユータ回路部20の計数部27に与えられて計数されると共に、計数部27による計数値Diはリールが一回転する毎に与えられる基準信号によりリセツトされる。この計数部27は、現在のリールの回転角度位置を検出するためのもので、第5図に示す如く、その計数値Diと各リールの図柄とは1対1の関係にある。この実施例の場合、停止ラインL3の位置を基準位置に設定してあり、例えば第1リールについての計数部27の計数値Diが「18」であれば、停止ラインL3上に「りんご」の図柄9が位置することになる。なお第5図には、「りんご」の図柄9のみが示してあるが、表中の空白部分は他の図柄に対応することは言うまでもない。かくて図柄検出部28はこの計数部27の計数値Diからリール上のどの図柄が有効ライン上に位置するかを検出してその検出結果を入賞図柄判断部29へ出力する。入賞図柄判断部29では各リールの図柄検出部からの検出出力を入力して、有効ライン上に入賞図柄の組み合わせが生成されたか否かを判断する。」(3頁5欄31行〜6欄13行)
(3-b)「このコイン計数部15による計数値と、前記計数部27による計数値Diと、抽選部26による抽選データとは制御部25に与えられ、制御部25はこれら入力データと停止ボタンスイツチ12からの停止操作信号とに基づきモータ制御部14を介してステツピングモータ24の停止動作を制御する。すなわち前記抽選部26はゲーム毎に乱数表などを用いた抽選動作を行つており、その結果、いずれか図柄が抽選で当たると、制御部25は最初の停止操作にかかるリールにつき抽選当たりの図柄が有効化された停止ライン上に可能な限り停止するような図柄の引込み制御を実行するのである。なおこの図柄の引込み制御は、1番目のみならず2番目以降の停止操作にかかるリールについても実行してもよい。」(3頁6欄17〜31行)
(3-c)「第6図は、この引込み制御を実現するために前記ROM22に格納されたテーブルTBを示している。
このテーブルTBは、抽選当たりの図柄毎に、またコイン投入枚数毎に用意されるもので、第6図には、抽選当たりの図柄が「りんご」の図柄9であつて、コイン投入枚数が3枚のときの引込用データが一例として示してある。
このテーブルTBには、各リール毎に数値データが並べてあり、停止操作時におけるリールの回転角度位置、すなわち前記計数部27による計数値Diがアドレスとして与えられると、そのアドレスの数値データK(この例では0≦K≦20)が制御部25により読み出されて所定の記憶領域にセツトされる。その後計数部27による計数値Diがサンプリングされる毎にこの数値データKと比較され、両者が一致したとき、制御部25は停止信号をモータ制御部14へ出力してリールを停止動作させる。
例えば第3リールが最初に停止操作されたときに、計数部27による計数値Diが「17」である場合を想定すると、この停止操作時点では、第7図1に示す如く、「りんご」の図柄9は停止ラインL2の一駒手前に位置している。この場合に計数値Diに対応するテーブルTBのアドレス(図中、斜線Aで示す)には数値データKとして「20」がセツトされているから、この数値データKが制御部25に取り込まれることになる。その結果、計数値Diが「20」に達すると、計数値Diと数値データKとが一致するため、制御部25は停止信号を出力して第3リールを停止動作させる。その結果、「りんご」の図柄9は第7図2に示す如く、停止ラインL3上に停止することになる。
つぎに第3リールが最初に停止操作されたときに、計数部27による計数値Diが「16」である場合を想定すると、この停止操作時点では、第8図1に示す如く、「りんご」の図柄9は停止ラインL2の2駒手前に位置している。この場合に計数値Diに対応するテーブルTBのアドレス(第6図中、斜線Bで示す)には数値データKとして「18」がセツトされているから、この数値データKが制御部25に取り込まれることになる。その結果、計数値Diが「18」に達すると、計数値Diと数値データKとが一致するため、制御部25は停止信号を出力して第3リールを停止動作させる。その結果、「りんご」の図柄9は第8図2に示す如く、前例とは異なる停止ラインL2上に停止することになる。」(3頁6欄32行〜4頁7欄35行)
(3-d)「第9図は、上記スロットマシンの動作、換言すれば前記コンピュータ回路部20によるスロットマシンの制御手順を示しており、・・・。
いま1〜3枚のコインが投入されかつ始動ハンドル6が操作されると、3個のリール1a,1b,1cが一斉回転すると共に、抽選部26で抽選動作が実行される。その後、いずれか停止ボタン5が押操作されると、ステツプ5が“YES”となり、次のステツプ6で前記の抽選動作で抽選当たりがあつたが否かが判定される。
抽選当たりがあると、ステツプ6が“YES”であり、つぎのステツプ7で制御部25は停止操作時における計数部27による計数値DiをアドレスとしてROM22のテーブルTBより数値データKを読み出して記憶領域にセツトする。その後制御部25は、所定のサンプル周期で計数値Diを読み取り(ステツプ8)、その値が前記数値データKと一致するか否かを判定する(ステツプ9)。その結果、一致判定があると、制御部25は停止信号を出力してリールを停止動作させ、他のリール停止処理に移行する。なお抽選当たりがない場合は、ステツプ6の判定は“NO”であり、制御部25は停止操作信号と同タイミングで停止信号を出力し、リールを停止動作させる。」(4頁7欄36行〜8欄18行)

2-3.対比
本願補正発明と引用発明を対比する。
引用発明の「遊技」は、本願補正発明の「遊戯」に相当し、引用発明の「ボーナスフラグが発生されているにもかかわらず、各回転リール14〜16が、ボーナス図柄が表示部11〜13に出現する位置で停止できない場合には、特定種類の図柄の組合せ、すなわちリーチ目が表示部11〜13に出現するように回転リール14〜16を停止させる」は、本願補正発明の「リール停止制御手段は、入賞制御手段により大当たり入賞が得られているにも拘わらず有効ライン上に大当たり入賞図柄配列を揃えられないときには特定の図柄配列を窓部に可視表示させるようにリールを停止させる」に相当し、
引用発明において、入賞制御手段を含むリール停止制御手段により遊戯の制御を行うことは明らかである。
したがって、両者は、以下の点で一致し、また、相違する。

<一致点>
「入賞制御手段を含むリール停止制御手段により遊戯の制御を行うスロットマシンにおいて、
リール停止制御手段は、入賞制御手段により大当たり入賞が得られているにも拘わらず有効ライン上に大当たり入賞図柄配列を揃えられないときには特定の図柄配列を窓部に可視表示させるようにリールを停止させるスロットマシン。」

<相違点>
本願補正発明では、入賞制御手段の他に、「リール位置検出手段及び複数のリール停止位置指定テーブルを含む」リール停止制御手段であり、「前記リール停止位置指定テーブルには、「BB」入賞図柄配列か、又は「BB」入賞フラグ成立時特定図柄配列のみを窓部より可視表示させる停止図柄配列とするように停止コマ位置を指定してリール停止位置が指定されている「BB」フラグ成立時リール停止位置指定テーブルが含まれ、」リール停止制御手段は、「「BB」フラグ成立時に、前記「BB」フラグ成立時リール停止位置指定テーブルによってリールを停止させ」るものであり、窓部に可視表示させる特定の図柄配列は、「BB」フラグ成立時リール停止位置指定テーブルに含まれる「BB」入賞フラグ成立時特定図柄配列であるのに対して、引用発明では、リール停止制御手段の具体的構成が不明である点。
(なお、請求項1には、「窓部に可視表示させる特定の図柄配列は、「BB」フラグ成立時リール停止位置指定テーブルに含まれる「BB」入賞フラグ成立時特定図柄配列である」点は明記されていないが、本願補正発明は、「「BB」フラグ成立時に、「BB」フラグ成立時リール停止位置指定テーブルによってリールを停止させ」るものであるから、前記の点は明らかである。)

2-4.判断
前記相違点について検討する。
i.スロットマシンにおいて、リール位置検出手段及び複数のリール停止位置指定テーブルを含むリール停止制御手段、並びに、リール停止制御手段は、停止コマ位置を指定してリール停止位置が指定されているリール停止位置指定テーブルによってリールを停止させる点は、周知技術であり(前記周知例1及び2参照。)、複数のリール停止位置指定テーブルには、抽選で当たった入賞毎のリール停止位置指定テーブルが含まれることも周知技術である(前記周知例2(3-c)の記載事項「テーブルTBは、抽選当たりの図柄毎に、・・・用意される」参照。)から、引用発明において前記周知技術を適用して、リール停止制御手段を、入賞制御手段の他にリール位置検出手段及び複数のリール停止位置指定テーブルを含むものとし、リール停止位置指定テーブルによってリールを停止させるようにすることは、当業者であれば容易に着想し得ることである。
ii.ところで、引用発明は、ボーナスフラグが発生した状態では、各表示部11〜13の中央ラインすなわち有効ライン上の停止図柄が、ボーナス図柄を表す停止図柄となるか、又は、特定種類の図柄の組合せ、すなわちリーチ目となるものであり、ボーナスフラグには「BB」入賞フラグが含まれ、ボーナス図柄には「BB」入賞図柄が含まれるから、引用発明において、「BB」入賞フラグが発生した状態での有効ライン上の停止図柄配列は、「BB」入賞図柄配列か、又は「BB」入賞フラグ成立時特定図柄配列となる。
iii.してみると、引用発明において、前記周知技術を適用するにあたり、リール停止制御手段に含まれる複数のリール停止位置指定テーブルには「BB」フラグ成立時リール停止位置指定テーブルが含まれるようにし、該「BB」フラグ成立時リール停止位置指定テーブルには、「BB」入賞図柄配列か、又は「BB」入賞フラグ成立時特定図柄配列のみを窓部より可視表示させる停止図柄配列とするように停止コマ位置を指定してリール停止位置が指定されているものとし、BBフラグ成立時に、前記「BB」フラグ成立時リール停止位置指定テーブルによってリールを停止させて、前記相違点に係る本願補正発明の特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

そして、本願補正発明によって奏せられる効果は、引用発明及び前記周知技術から当業者であれば当然予測し得るものであり、格別顕著なものではない。

したがって、本願補正発明は、引用発明(引用例1に記載された発明)及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

2-5.むすび
以上のとおり、本件補正は、平成15年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に違反するので、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成13年11月8日付の手続補正は前記のとおり却下されたので、本願の請求項5に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成13年1月23日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項5に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「【請求項5】 入賞制御手段、
リール位置検出手段及び複数のリール停止位置指定テーブルを含むリール停止制御手段により遊戯の制御を行うスロットマシンにおいて、
前記リール停止位置指定テーブルには、「BB」入賞図柄配列か、又は「BB」入賞フラグ成立時特定図柄配列のみを窓部より可視表示させる図柄配列としたリール停止位置が指定されている「BB」フラグ成立時リール停止位置指定テーブルが含まれ、リール停止制御手段は、「BB」フラグ成立時に、「BB」入賞図柄配列テーブルか、又は、前記「BB」フラグ成立時リール停止位置指定テーブルによってリールを停止させ、入賞制御手段により大当たり入賞が得られているにも拘わらず有効ライン上に大当たり入賞図柄配列を揃えられないときには特定の図柄配列を窓部に課し表示させるようにリールを停止させることを特徴とするスロットマシン。」

3-1.引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された引用例1及び周知例1、2に記載された事項は、前記「2-2.」に記載したとおりである。

3-2.対比・判断
本願発明は、前記「2.」で検討した本願補正発明から、「「BB」フラグ成立時リール停止位置指定テーブル」を限定する事項である「停止図柄配列とするように停止コマ位置を指定してリール停止位置が指定されている」との構成を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2-4.」に記載したとおり、引用例1に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例1に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

3-3.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-02-08 
結審通知日 2006-02-09 
審決日 2006-02-21 
出願番号 特願平9-244335
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 土屋 保光  
特許庁審判長 二宮 千久
特許庁審判官 渡部 葉子
白樫 泰子
発明の名称 スロットマシン  
代理人 北村 仁  
代理人 黒田 博道  
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