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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1134276
審判番号 不服2003-22868  
総通号数 77 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2001-06-08 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-11-25 
確定日 2006-04-12 
事件の表示 特願2000-300616「半導体電力モジュール及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 6月 8日出願公開、特開2001-156253〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 [1]手続の経緯・本願発明
本願は、平成12年9月29日(パリ条約による優先権主張1999年10月1日、韓国)の出願であって、その請求項1〜14に係る発明は、平成14年9月10日付け、平成15年6月3日付け、及び平成15年12月25日付けの各手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1〜14に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1に記載された発明(以下、「本願発明1」という。)は次のとおりである。
「【請求項1】電力回路が実装されている中央部の第1部分と、前記第1部分の周りに前記第1部分と異なる高さで形成されており前記電力回路を駆動するための制御回路が実装されている第2部分と、前記第2部分に連結されており外部から電気的な信号を出力したり伝達を受けるためのターミナルとを含むリードフレームと、
絶縁性及び熱伝導性を有する物質からなっており、前記電力回路が形成されている前記第1部分の一面に対向する前記リードフレームの他の面に接触するように形成されている絶縁体と、
絶縁性を有する物質で形成され前記電力回路及び前記制御回路を囲んでおり、前記リードフレームと前記絶縁体に結合されている封止材とを含む半導体電力モジュール。」

[2]引用刊行物の記載事項
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本願優先日前に頒布された刊行物である特開平9-102580号公報(以下、「刊行物1」という。)、及び同じく頒布された刊行物である特開平9-139461号公報(以下、「刊行物2」という。)には、夫々以下の事項が記載されている。
[2-1]刊行物1:特開平9-102580号公報
(1a)「【請求項2】金属板の加工によって回路構成された少なくとも第1の金属基板および第2の金属基板と、前記第1の金属基板上に搭載されたパワー半導体素子と、前記第2の金属基板上に搭載された制御用集積回路素子と、前記第1,第2の金属基板の底面領域を固定した第1の樹脂部と、少なくとも前記パワー半導体素子および前記制御用集積回路素子を搭載した前記第1,第2の金属基板の表面領域を封止した第2の樹脂部と、前記第2の樹脂部より突出して設けられ、前記第1,第2の金属基板と接続した外部電極とを備えた樹脂封止型半導体装置。」(【特許請求の範囲】【請求項2】)、
(1b)発明の技術分野について、「【0001】【発明が属する技術分野】本発明はパワー半導体素子、制御用集積回路素子等を搭載して大電力を扱う樹脂封止型半導体装置およびその製造方法、特に放熱特性を改善した小型の樹脂封止型半導体装置およびその製造方法に関するものである。」(段落【0001】)、
(1c)発明の課題について、「【0004】本発明は、絶縁特性と放熱(熱抵抗)特性という二つの特性を改善しようとするものであり、樹脂封止型半導体装置として、一体化させるのに用いる封止樹脂によって従来の金属基板上の絶縁膜に相当する絶縁領域を得るものである。」(段落【0004】)、
(1d)発明の実施の形態として、図1が示されるとともに、
「【0007】【発明の実施の形態】上述の構成のように、熱伝導率の大きい成型樹脂材料(第1の樹脂、第2の樹脂)を絶縁部の形成にも利用することで、放熱特性を向上(熱抵抗を低く)させ、また絶縁部の厚みを大きくして、絶縁耐圧を高くすることができるようになり、従来のような絶縁性と放熱性のトレードオフの関係を改善できるものである。すなわち、放熱性や絶縁性の点で好適な絶縁性のエポキシ樹脂またはポリフェニレンサルファイド(PPS樹脂)で外囲領域を封止することにより、パワー半導体素子、制御用集積回路素子等を搭載して大電力を扱う樹脂封止型半導体装置の放熱性と絶縁耐性を向上させることができる。
【0008】・・・・・金属板の打ち抜き加工により、回路構成した金属基板には外部電極(外部端子)に相当する領域を形成しておくことにより、その後の金属基板の切断や折曲げ加工などで外部電極とすることができる。これも材料部品コストを低減させ、製造原価を安価にする一因となる。
【0010】図1の本実施の形態の樹脂封止型半導体装置は、厚み0.5mmの銅板をリードフレーム加工のごとく、打ち抜き加工によって所望の金属板領域を有して回路構成された金属基板11a,11b上にパワー半導体素子12、および制御用集積回路素子13、その他の電子部品14が搭載され、図においては、パワー半導体素子12と外部端子18とが金属細線15で接続されている。そして、高熱伝導率の成形用の第1の樹脂16で金属基板11a,11b間およびその底面領域が封止固定されている。また、パワー半導体素子12、制御用集積回路素子13、その他の電子部品14が搭載された金属基板11a,11b面および底面の前記第1の樹脂16の端部領域は、高熱伝導率の成形用の第2の樹脂17で封止されている。・・・・・
【0012】前記第1の樹脂16および第2の樹脂17としては、絶縁性のエポキシ樹脂またはポリフェニレンサルファイド(PPS樹脂)が放熱性、絶縁性の点で好適であり、いずれも封止成形工程に使用しても支障はない。また他には、液晶ポリマー、ポリスチレンなどの樹脂材料も封止成形用に利用できる。さらに、前記の樹脂に対して、放熱性向上のための添加するフィラーとしては、シリカ(SiC)、アルミナ、マグネシア、および窒化アルミニウムなどがよく、特にシリカ、およびアルミナは、熱伝導率性、樹脂の熱応力の低減において有用なものである。
【0013】また、金属基板11a,11bにおいてその厚みに差を設け、金属基板11aも厚みを0.7mmとしてパワー半導体素子12を搭載し、金属基板11bの厚みを0.5mmとして制御用集積回路素子13を搭載することで、放熱特性、絶縁特性がさらに向上する。そのときの金属基板11a,11bの底面領域の樹脂厚は、パワー半導体素子12の下部の第1の樹脂16では(0.3±0.08)mm、制御用集積回路素子13の下部では(0.5±0.1)mmである。・・・・・
【0014】なお、銅板を打ち抜き加工によって所望の金属板領域を有して回路構成された金属基板11a,11bは、あらかじめメッキした金属板を打ち抜き加工したものであり、さらに金属基板11は、成形用の第1の樹脂16との密着性を向上させるため、その底面領域のみを黒化処理により、その表面を荒し、粗面としたものである。」(段落【0007】、【0008】、【0010】、【0012】〜【0014】)、
(1e)発明の製造工程の形態として、図2〜6が示されるとともに、
「【0016】まず図2に示すように、たとえばあらかじめ表面をメッキした厚み0.5mmの銅板を打ち抜き加工し、さらに底面領域を粗面加工し、回路構成した厚み0.5mmの金属基板11上の目的とする各領域(11a,11b)上にパワー半導体素子12、制御用集積回路素子13、その他の電子部品14を搭載する。この搭載は、半田、導電性接着剤等を用いて行なう。そして、パワー半導体素子12と金属基板11aや、パワー半導体素子12間とを金属細線15により結線する。この結線は、通常のワイヤーボンディング工法により行なう。
【0017】次に図3に示すように、高熱伝導率の成形用の第1の樹脂16で金属基板11間および底面領域を封止固定する。この工程では、後工程で金属基板11のタイバーカット部11cの切断や外枠フレーム11dを切断して回路構成体を形成した際に、各金属基板11a,11bが離脱しないように連結固定する。なお、図においては、第1の樹脂16の部分を示すため、一部ハッチングしている。またこの工程では、金属基板11の底面領域は、黒化処理等により、その表面を荒し、粗面としているので、第1の樹脂16との密着性は向上している。・・・・・
【0018】次に図4に示すように、第1の樹脂16で金属基板11a,11b間および底面領域を封止固定したものに対して、タイバーカットしてタイバーカット部11cを形成して一部外部端子18を形成したり、一部樹脂領域内の開口部を通っている金属板部分を切断して、一部回路を形成する。・・・・・
【0019】次に図5に示すように、金属基板11の外枠フレーム11dを切断して回路構成体を完成させ、また切断後の金属基板11の端部の加工により外部端子18を形成し、樹脂封止型半導体装置構成体19(回路基板)を形成する。
【0021】最後に図6に示すように、前記外部端子18を突出させた構成になるように、前記形成した樹脂封止型半導体装置構成体19の外囲、すなわちパワー半導体素子12、制御用集積回路素子13、その他の電子部品14が搭載された金属基板11面の表面領域および底面の前記第1の樹脂16の端部領域を、高熱伝導率の成形用の第2の樹脂17で封止する。」(段落【0016】〜【0019】、【0021】)が記載されている。

[2-2]刊行物2:特開平9-139461号公報
(2a)「【請求項1】パワー半導体素子を有する電力回路と、このパワー半導体素子を制御する制御回路との、双方の回路が組み込まれた半導体パワーモジュールにおいて、一方主面と他方主面とを有する板状であって、前記双方の回路の各々に属する配線パターンと、前記各々と外部との電気的接続を行うための外部端子と、を構成するとともに、前記各々に属する回路素子が前記一方主面に固着された電気良導性のリードフレームと、前記リードフレームの前記他方主面の中の少なくとも前記電力回路に属する部分に、主面が対向するように配設された熱良導性のヒートシンクと、前記リードフレームと前記ヒートシンクとの間を充填して、これらの間を電気的に絶縁するとともに、これらを互いに固定的に連結する、電気絶縁性でしかも熱良導性の封止樹脂と、を備えることを特徴とする半導体パワーモジュール。」(【特許請求の範囲】【請求項1】)、
(2b)発明の実施の形態として、図9が示されるとともに、
「【0058】<4.実施の形態4>図9は、実施の形態4の半導体パワーモジュールの構成を示す正面断面図である。このモジュール104では、モジュール103と同様に、リードフレーム3が、制御回路8に属する領域と電力回路9に属する領域との間で段差をなしており、しかも折れ曲がり部では緩やかな角度で折れ曲がっている。しかしながら、電力回路9が中央部に設けられ、その両側部に制御回路8が分割されて配置されており、この点が、モジュール103とは特徴的に異なっている。そして、リードフレーム3とヒートシンク1との間を隔てる高熱伝導樹脂2の厚さは、中央部において小さくその両側部において大きくなっている。
【0059】このため、ヒートシンク1の中で、電力回路9の領域から遠く離れた部分が比較的少なく、モジュール103に比べると、ヒートシンク1の中のすべての部分が電力回路9の領域に一層近接している。このため、電力回路9で発生した損失熱が、一層効率よくヒートシンク1を通じて外部へと放散される。すなわち、モジュール104では、放熱効率がさらに改善されるとい利点が得られる。
【0060】また、電力回路9を挟む両側部に配置される制御回路8から外側へ向かって突出する外部端子15,19とヒートシンク1との間は、高熱伝導樹脂2の相対的に厚く設けられた部分によって隔てられている。すなわち、外部端子15,19とヒートシンク1との間の沿面距離が長くなっている。このため、リードフレーム3とヒートシンク1との間の耐圧がさらに高められるという利点が得られる。」(段落【0058】〜【0060】)が記載されている。

[3]対比・判断
上記[2-1](1a)〜(1e)に摘記した事項を総合すると、刊行物1には、「外枠フレームと一体に金属板から打ち抜かれ、その後該外枠フレームから切り離される第1の金属基板及び第2の金属基板と、前記第1の金属基板上に搭載されるパワー半導体素子と、前記第2の金属基板上に搭載される制御用集積回路素子と、前記第1,第2の金属基板の底面領域を密着固定する絶縁性及び高熱伝導率の第1の樹脂部と、前記パワー半導体素子及び前記制御用集積回路素子を搭載した前記第1、第2の金属基板の表面領域及び底面の前記第1の樹脂部の端部領域を封止する絶縁性及び高熱伝導率の第2の樹脂部と、前記金属板から打ち抜かれ、その後外枠フレームから切り離され、前記第1、又は第2の金属基板と接続され、前記第2の樹脂部より突出させる外部電極とを備える、大電力を扱う樹脂封止型半導体装置」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
そこで、本願発明1と引用発明とを対比すると、引用発明における「外枠フレームと一体に金属板から打ち抜かれ、その後該外枠フレームから切り離される第1の金属基板」、「外枠フレームと一体に金属板から打ち抜かれ、その後該外枠フレームから切り離される・・・第2の金属基板」、「前記金属板から打ち抜かれ、その後前記外枠フレームから切り離され、前記第1、又は第2の金属基板と接続され、前記第2の樹脂部より突出させる外部電極」は、一枚の金属板から打ち抜かれ、互いに一組のリードフレームに相当する枠状のものを構成しているといえる。そして、それらは夫々、本願発明1におけるリードフレームの「第1部分」、「第2部分」、「第2部分に連結されており外部から電気的な信号を出力したり伝達を受けるためのターミナル」に相当する。
また、引用発明における「第1の金属基板上に搭載されるパワー半導体素子・・・を備える」、「第2の金属基板上に搭載される制御用集積回路素子・・・を備える」は、第1、第2の金属基板上に夫々パワー半導体素子を含む大電力回路、パワー半導体素子を駆動制御する制御用集積回路素子を含む制御回路を搭載することを意味しているから、夫々本願発明1における「電力回路が実装されている」、「電力回路を駆動するための制御回路が実装されている」に相当する。
また、引用発明における「第1,第2の金属基板の底面領域を密着固定する絶縁性及び高熱伝導率の第1の樹脂部」は、パワー半導体素子を含む大電力回路を搭載する上記第1の金属基板の底面領域に密着するように形成される、絶縁性及び高熱伝導率の物質からなる樹脂部の意味であり、一方、本願発明1において、「絶縁体」は、樹脂を排除して記載されているわけではないから、本願発明1における「絶縁性及び熱伝導性を有する物質からなっており、前記電力回路が形成されている前記第1部分の一面に対向する前記リードフレームの他の面に接触するように形成されている絶縁体」に相当する。
また、引用発明における「前記パワー半導体素子及び前記制御用集積回路素子を搭載する前記第1、第2の金属基板の表面領域及び底面の前記第1の樹脂部の端部領域を封止する絶縁性及び高熱伝導率の第2の樹脂部」、「大電力を扱う樹脂封止型半導体装置」は夫々、本願発明1における「絶縁性を有する物質で形成され前記電力回路及び前記制御回路を囲んでおり、前記リードフレームと前記絶縁体に結合されている封止材」、「半導体電力モジュール」に相当する。
そうすると、両発明は、「電力回路が実装されている第1部分と、前記電力回路を駆動するための制御回路が実装されている第2部分と、前記第2部分に連結されており外部から電気的な信号を出力したり伝達を受けるためのターミナルとを含むリードフレームと、絶縁性及び熱伝導性を有する物質からなっており、前記電力回路が形成されている前記第1部分の一面に対向する前記リードフレームの他の面に接触するように形成されている絶縁体と、絶縁性を有する物質で形成され前記電力回路及び前記制御回路を囲んでおり、前記リードフレームと前記絶縁体に結合されている封止材とを含む半導体電力モジュール」の点で一致し、次の点で相違する。
(イ)本願発明1では、リードフレームの中央部に第1部分が形成され、該第1部分の周りに該第1部分と異なる高さで第2部分が形成されているのに対し、引用発明では、第1,第2の金属基板はそのような位置及び高さに形成されていない点。

そこで、上記相違点(イ)について以下検討するに、刊行物1には、「金属基板11a,11bにおいてその厚みに差を設け、金属基板11aも厚みを0.7mmとしてパワー半導体素子12を搭載し、金属基板11bの厚みを0.5mmとして制御用集積回路素子13を搭載することで、放熱特性、絶縁特性がさらに向上する。そのときの金属基板11a,11bの底面領域の樹脂厚は、パワー半導体素子12の下部の第1の樹脂16では(0.3±0.08)mm、制御用集積回路素子13の下部では(0.5±0.1)mmである。」(上記摘記(1d)の段落【0013】参照)との記載により、引用発明の樹脂封止型半導体装置において、第1の金属基板底面領域における第1の樹脂部の樹脂厚を、第2の金属基板底面領域における同樹脂部の樹脂厚より薄くすることで、放熱特性、絶縁特性をさらに向上し得ることが示唆されている。
一方、刊行物2には、パワー半導体素子を有する電力回路とこのパワー半導体素子を制御する制御回路との双方の回路が組み込まれた半導体パワーモジュールにおいて、リードフレームの制御回路に属する領域と電力回路に属する領域との間で段差を設け、中央の電力回路の両側部に制御回路を配置し、該リードフレーム下面に絶縁性でしかも熱良導性の封止樹脂を充填し、該封止樹脂の厚さを、該リードフレームの中央部において小さくし、両側部において大きくして、中央の電力回路で発生した熱を該封止樹脂を介して効率よく外部へ放熱するとともに、両側部の制御回路から外側へ突出する外部端子の絶縁性を高めるようにしたものが記載されている。
そして、上記半導体パワーモジュールにおけるリードフレーム下面の封止樹脂の構造は、電力回路に属する領域下面の樹脂厚が制御回路に属する領域下面の樹脂厚より小さい点において、上述のとおり、刊行物1に記載された樹脂封止型半導体装置の放熱特性、絶縁特性をさらに向上し得ることが示唆されている第1の樹脂部の構造と共通する。また、刊行物2では、リードフレーム中央の電力回路に属する領域とその両側部の制御回路に属する領域との間で段差を設け、該リードフレーム下面の封止樹脂を上記の構造とすることで、その放熱効率及び絶縁性を高め得るとしている。
そうすると、引用発明の樹脂封止型半導体装置の第1、第2の金属基板、及び第1の樹脂部を、刊行物2に記載された上記リードフレーム及びその下面の封止樹脂と同様の構造とすれば、その放熱特性、絶縁特性を向上し得ることは、当業者にとって普通に予測できることであるといえるから、刊行物2に記載された上記リードフレーム及びその下面の封止樹脂の構造を引用発明の樹脂封止型半導体装置に採用し、その第1の金属基板を第1の樹脂部上の中央部に設け、その周りの両側部に段差をなして第2の金属基板を設け、該第1の金属基板底面領域における樹脂厚を該第2の金属基板底面領域における樹脂厚より薄くすること、即ち、リードフレームの中央部に第1部分(引用発明での「第1の金属基板」)を形成し、該第1部分の周りに該第1部分と異なる高さで第2部分(引用発明での「第2の金属基板」)を形成することは、当業者が容易に想到し得たものと認められる。
また、本願発明1の上記相違点(イ)に係る発明特定事項によってもたらされる、半導体電力モジュールの熱を絶縁体により効率的に放出でき、その製造工程を単純化し製造費用を減少できるという効果も、引用発明及び刊行物1、2の記載から当業者が普通に予測し得る程度のものであって格別なものではない。

したがって、本願発明1は、刊行物1、2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)むすび
以上のとおり、本願発明1は、刊行物1、2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
また、上記のとおり本願発明1が特許を受けることができないため、本願の他の請求項2〜14に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-11-09 
結審通知日 2005-11-15 
審決日 2005-11-29 
出願番号 特願2000-300616(P2000-300616)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 今井 拓也北島 健次  
特許庁審判長 城所 宏
特許庁審判官 市川 裕司
日比野 隆治
発明の名称 半導体電力モジュール及びその製造方法  
代理人 志賀 正武  
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