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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1135106 |
審判番号 | 不服2003-16264 |
総通号数 | 78 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2006-06-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-08-22 |
確定日 | 2006-04-19 |
事件の表示 | 特願2002-568265「個別対応化粧品調製システム」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 9月 6日国際公開、WO02/69215〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続きの経緯・本願発明 本願は、平成14年2月7日(優先権主張平成13年2月28日)の出願であって、平成15年7月10日付けで拒絶の査定がされ、これに対し平成15年8月22日に拒絶査定に対する審判請求がなされ、その後、平成15年9月17日に手続補正がなされたものである。 2.平成15年9月17日付け手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成15年9月17日付けの手続補正を却下する。 [理由] (1)補正後の本願発明 平成15年9月17日付けの手続補正により、特許請求の範囲の請求項1〜4は、 「【請求項1】顧客が使用する入力手段を有した顧客端末と、相互に通信可能なデータベースサーバを備えた化粧品調製システムにおいて、 前記データベースサーバは、前記顧客が応答する問診表を格納した問診マスタと、前記顧客の所定の個人情報である顧客情報が格納された顧客マスタと、調製される化粧品固有の情報が格納された商品詳細情報マスタと、前記問診表に応答した問診結果を記憶し、さらに前記顧客に対してアドバイスを行うアドバイスシートを作成する問診結果マスタと、前記顧客が応答した問診結果を数値化する配合数値化手段とを有し、 前記問診マスタには、全ての化粧品に対して共通の問診である共通問診マスタと、各化粧品種別固有の問診である商品固有問診マスタを含む構成であって、 前記顧客端末は、前記データベースサーバの前記問診マスタより前記共通問診及び前記商品固有問診を受信し、それに基づいて前記入力手段によって入力された、前記共通問診及び前記固有問診の結果を前記データベースサーバに送信し、 前記データベースサーバは、前記顧客情報マスタに前記顧客の個人情報を記憶すると共に、前記問診結果マスタに前記共通問診及び前記固有問診の問診結果を記憶し、前記共通問診マスタ及び前記商品固有問診マスタの各設問の問診文言が、肌または身体の環境的要因からくるストレスや、精神的要因からくるストレス度合い、肌の乾燥度合い、脂性度合い、身体全体の恒常性保持機能の度合い、自覚コンディションの度合い、栄養バランスの度合いの属性を問診属性としてもち、使用感、成分追加、香り・濃度・オリジナルネームを含む前記顧客が入力した問診結果に応じて、前記問診属性に対応した各成分の加点数を問診数値化計算モジュールが算出し、および/または店舗における前記顧客の肌の機械計測によって得られる、肌の水分、皮脂計測、皮膚の拡大写真から得られたデータ、肌の弾力の計測、肌のpH計測、肌の酸化についての計測結果の入力が店舗にある店舗端末から入力がなされ、前記店舗端末が最終的な各成分の調合割合を計算し、化粧品調製装置の処理可能な形態のデータに変換して前記化粧品調製装置に送信し、 前記化粧品調製装置は、前記処理可能な形態のデータに基づいて化粧品成分を調製し、前記商品詳細情報マスタに前記調製された化粧品成分の詳細が記憶され、また、前記共通問診及び前記商品固有問診毎に問診属性をもたせ、前記問診属性、商品詳細情報マスタ、顧客情報マスタに対応して、前記問診結果マスタが前記アドバイスシートを作成することにより顧客個別に最適な化粧品成分を調合した化粧品を提供することを特徴とする化粧品調製システム。 【請求項2】前記化粧品調製装置は、前記配合数値化手段から出力されるデータを受信し、調製の指示を出力する調製制御装置へと、前記調製制御装置から出力される調製の指示によって駆動されるポンプと、それぞれに前記化粧品成分が入れられた2以上のタンクと、調合された化粧品を注入する容器とを有し、前記タンク中の化粧品成分はチューブなどを介して前記ポンプによって前記容器に注入される請求項1に記載の化粧品調製システム。 【請求項3】さらに、触感テストを行うためのプレートを用いて作成したサンプルを基に、前記顧客の嗜好についての入力が前記店舗端末からなされる請求項1及び2に記載の化粧品調製システム。 【請求項4】前記顧客端末が前記データベースサーバと相互に通信可能であって、前記顧客端末から前記データベースサーバの顧客情報マスタにアクセス可能であることによって、前記顧客端末から前記顧客情報マスタ上の顧客データ閲覧と、前記顧客端末から前記顧客情報マスタへの顧客データの書込みができる請求項3に記載の化粧品調製システム。」 と補正された。 (2)補正の適否 前記平成15年9月17日付けの手続補正は、補正前の請求項1〜4に記載された発明を特定するために必要な事項を限定するための補正であるから、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに相当する。 そこで、平成15年9月17日付けの手続補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)、すなわち 「【請求項1】顧客が使用する入力手段を有した顧客端末と、相互に通信可能なデータベースサーバを備えた化粧品調製システムにおいて、 前記データベースサーバは、前記顧客が応答する問診表を格納した問診マスタと、前記顧客の所定の個人情報である顧客情報が格納された顧客マスタと、調製される化粧品固有の情報が格納された商品詳細情報マスタと、前記問診表に応答した問診結果を記憶し、さらに前記顧客に対してアドバイスを行うアドバイスシートを作成する問診結果マスタと、前記顧客が応答した問診結果を数値化する配合数値化手段とを有し、 前記問診マスタには、全ての化粧品に対して共通の問診である共通問診マスタと、各化粧品種別固有の問診である商品固有問診マスタを含む構成であって、 前記顧客端末は、前記データベースサーバの前記問診マスタより前記共通問診及び前記商品固有問診を受信し、それに基づいて前記入力手段によって入力された、前記共通問診及び前記固有問診の結果を前記データベースサーバに送信し、 前記データベースサーバは、前記顧客情報マスタに前記顧客の個人情報を記憶すると共に、前記問診結果マスタに前記共通問診及び前記固有問診の問診結果を記憶し、前記共通問診マスタ及び前記商品固有問診マスタの各設問の問診文言が、肌または身体の環境的要因からくるストレスや、精神的要因からくるストレス度合い、肌の乾燥度合い、脂性度合い、身体全体の恒常性保持機能の度合い、自覚コンディションの度合い、栄養バランスの度合いの属性を問診属性としてもち、使用感、成分追加、香り・濃度・オリジナルネームを含む前記顧客が入力した問診結果に応じて、前記問診属性に対応した各成分の加点数を問診数値化計算モジュールが算出し、および/または店舗における前記顧客の肌の機械計測によって得られる、肌の水分、皮脂計測、皮膚の拡大写真から得られたデータ、肌の弾力の計測、肌のpH計測、肌の酸化についての計測結果の入力が店舗にある店舗端末から入力がなされ、前記店舗端末が最終的な各成分の調合割合を計算し、化粧品調製装置の処理可能な形態のデータに変換して前記化粧品調製装置に送信し、 前記化粧品調製装置は、前記処理可能な形態のデータに基づいて化粧品成分を調製し、前記商品詳細情報マスタに前記調製された化粧品成分の詳細が記憶され、また、前記共通問診及び前記商品固有問診毎に問診属性をもたせ、前記問診属性、商品詳細情報マスタ、顧客情報マスタに対応して、前記問診結果マスタが前記アドバイスシートを作成することにより顧客個別に最適な化粧品成分を調合した化粧品を提供することを特徴とする化粧品調製システム。」 が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか、すなわち平成15年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法126条第4項の規定に適合するかどうかについて以下に検討する。 (3)引用例 原審の拒絶の理由に引用された特開平4-281555号公報(平成4年10月7日出願公開、以下「引用例1」という。)には、図面と共に以下の各記載がある。 (ア)「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ファンデーション等の化粧品のオーダーメイドシステムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】基礎化粧品,メイクアップ化粧品のように、シリーズで商品展開を行っていくものについては、シリーズ毎に共通コンセプトが設定され、容器のデザイン等は統一したものとすることが一般的である。 【0003】消費者の購買意識は時代とともに移り変わり、他人と同じものが欲しいという意識に対応して少品種大量生産を行ってきた時代から、今日は、他人とは違うもの、差別化されたものが欲しいという要望に応えるために多品種少量生産を行う時代へと移り変わってきている。 【0004】そして、更には、自分だけのもの、他人が持っていないものが欲しいという欲望へと発展し、オリジナル性を売り物にした個人対応生産も進んできている。 【0005】このような状況下にあって、化粧品分野においては、コンパクト容器に個人の名前を入れたり好みの絵を描いたりしてオリジナル性を高める工夫がなされている。 【0006】また、ファンデーション等の化粧料は、オークル系,ピンク系というように複数色取り揃えられ、自分の肌色に適合したものを購入できるようになっている。更に、夏用ファンデーションとしてさっぱりしたタイプのものを、冬用ファンデーションとしてしっとりしたタイプのものを提供することも行われている。 【0007】そして、販売店においては、顧客の肌の皮脂量や水分量を測定し、その測定結果により顧客の肌特性に適合したタイプの化粧料を推奨することが行われている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】このように、消費者の要望に応え個人対応生産の方向へと生産体制が移行し、完全な受注生産体制をとるようになると、生産にロスがなくなり、また店頭在庫が不要になるという大きな長所が生まれてくる。 【0009】しかしながら、化粧品においては、化粧料自体だけでも色,肌特性に対応するタイプ等の組合せにより多くの種類のものが構成され、その上に容器のデザインにまで変化をもたせるとなると、管理が極めて困難になることは明らかである。 【0010】また、オーダーメイドということになれば、顧客の生活環境,嗜好等の要因も加味したいという要望が出てくることも予測されるが、それだけ多数の情報を多数の顧客から収集して、夫々について適合する化粧料を製造し提供していくことはほとんど不可能である。 【0011】更に、受注生産を行うと、コストアップにつながるのみならず、受注から納品までのリードタイムがひどく長くなることを免れない。 【0012】本発明は、上述のような実情に鑑みなされたものであって、顧客の肌特性,好み等を受注データとし、肌特性等に適合した化粧料を好みのデザインの容器に収容して提供する個人対応生産を実現しうる化粧品オーダーシステムの提供を目的とするものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明の化粧品のオーダーメイドシステムは次のような構成をとっている。即ち、容器に化粧料を収容してなる化粧品のオーダーメイドシステムであって、肌の皮脂量,水分量,色等の肌特性データを組合せた基本パターンデータ及びこの基本パターンデータに適合する化粧料を選定した化粧料データを記憶する記憶手段と、個人の肌特性データを入力する個人データ入力手段と、入力された個人データと前記基本パターンデータとを比較し、前記化粧料データからの適合化粧料の選定を行う化粧料選定手段と、容器設計のためのデータ処理を行う容器設計データ処理手段とを備えてなり、前記化粧料データと容器設計データとに基づき化粧料と容器とが夫々製造され、これら両者を組合せて化粧品を完成することを要旨とするものである。 【0014】また、上記記憶手段が基本パターンデータ及び化粧料データとともに、生活環境,嗜好等の要因データを組合せたサンプルデータを記憶しており、個人データ入力手段から個人の肌特性データとともに個人データとして得られる前記要因データを入力し、入力された個人データと前記基本パターンデータ及びサンプルデータとを比較することにより、前記化粧料データからの適合化粧料の選定を行うようにすると、より一層オリジナル性の高いものを得ることができる。」 なお、下線は審決において附された。以下、同様。 (イ)「【0015】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 【0016】図1は、本発明の化粧品オーダーメイドシステムの一実施例を示す全体構成図である。原理的には、この図は販売店(H)と化粧品工場(K)と容器工場(Y)との3つの主な部分に分けられており、販売店(H)と化粧品工場(K)、及び販売店(H)と容器工場(Y)とは、データ通信ネットワークにより結ばれている。 【0017】販売店(H)は、化粧品受発注システム(S)を備えている。以下、このシステムにつき説明する。 【0018】図1において、(1)は全体制御部であって、これに接続された記憶部(2),個人データ入力部(3),化粧料選定部(4),及び容器設計データ処理部(5)を順次起動し、結果の出力まで各機能を制御するようになっている。 【0019】記憶部(2)には、図2に示す基本パターンデータテーブル(6)と、図3に示すサンプルデータテーブル(7)と、図4に示す化粧料データテーブル(8)とが接続されている。 【0020】基本パターンデータテーブル(6)は、図2に示すように、肌の皮脂量と水分量とを夫々「多」,「普通」,「少」と分類し、肌性を9分類し、更に肌色を5分類し、これらを合わせたものを肌特性の基本パターンとして格納しているものである。 【0021】また、サンプルデータテーブル(7)には、図3に示すように、生活環境や嗜好のデータのサンプルが複数個格納されている。この生活環境,嗜好データは、後に述べるアンケートの質問内容に対応したものである。 【0022】そして、図4に示す化粧料データテーブル(8)においては、前記基本パターンデータテーブル(6)のパターンデータと、サンプルデータテーブル(7)のサンプルデータとが夫々組合され、その組合せに最適な化粧料データが格納されている。即ち、基本パターンデータテーブル(6)におけるパターンA-(1)と、サンプルデータテーブル(7)におけるサンプル(イ)とを組合せたタイプには、化粧料PA が適合するということがわかるのである。 【0023】個人データ入力部(3)は、顧客の肌特性データ及び生活環境,嗜好等の要因データを記憶部(2)へと入力する。 【0024】上記肌特性データにおいて、皮脂量や水分量は店頭用測定機器による測定結果とし、また肌色は、サンプル色とのカラーマッチング等により調べた結果を用いることができる。 【0025】生活環境,嗜好等の要因データは、店頭におけるアンケート調査により得ることができる。例えば、「アルコールをよく飲みますか」,「睡眠時間を充分にとっていますか」というような質問に対して「はい」,「いいえ」で答えていくのである。 【0026】また、個人データ入力部(3)からは、上記のデータ以外に、色調の好み等、具体的要望事項も入力されるようになっている。 【0027】然して、上記のように入力された個人データを、記憶部(2)に接続された基本パターンデータテーブル(6)及びサンプルデータテーブル(7)に格納されているデータと比較して一致又は類似するデータを取出す。そして、化粧料選定部(4)において、化粧料データテーブル(8)をみるとともに具体的要望事項等を要件に入れた上で対象となる顧客用の化粧料を選定するのである。 【0028】尚、上記化粧料選定部(4)及び記憶部(2)には、個人データテーブル(9)が接続されており、上述の如く入力された各種データ及び選定された化粧料データを格納し、これを顧客カルテとして用いるようになっている。 【0029】このようにして選定された化粧料データは、通信ネットワークを介して化粧品工場(K)内の中央コンピュータ(21)へと送られ、製造部(22)において送られたデータに基づく製造が開始されるようになっている。 【0030】容器設計データ処理部(5)には、容器設計データテーブル(10)が接続されている。この容器設計データテーブル(10)は、容器の形状,大きさ,表面デザイン,色等を選択項目とし、夫々の項目毎に複数個の選択データを格納している。 【0031】また、図5に示すように、容器を構成する各部品について、夫々複数種類の中から選択を行っていき、更に夫々色決定を行うような選択式テーブル(10′)としてもよい。 【0032】更に、CADシステムを利用し、対話方式により顧客が自由に容器のデザイン設計を行うようにすることもできる。 【0033】このようにして、決定された容器設計データは、通信ネットワークを介して容器工場(Y)内の中央コンピュータ(31)へと送られ、製造部(32)においてこのデータに基づく容器製造が開始されるのである。 【0034】尚、容器設計データ処理部(5)にも前記個人データテーブル(9)が接続され、決定した容器設計データも化粧料データとともに格納しておくようになっている。 【0035】容器工場(Y)においては、多品種少量即生産に対応すべく、カセット式の金型を用いている。これは、射出成形金型において、製品部に相当する部分をベース金型に入れ換え可能としたものであって、多数個取りとすることもでき、フレキシブル生産、生産工程の大幅な合理化を実現しうるものである。 【0036】また、図5に示す選択式テーブル(10′)を用いて部品の選択式で容器設計を行う場合には、予めその部品を準備しておくことにより、受注即組立体制が可能となる。 【0037】更に、CADシステムを利用して設計を行う場合には、作成された設計データをCAMシステムに送ってそのまま工作機械による金型製作を行うことができる。 【0038】以上のようにして、容器工場(Y)において容器設計データに基づき製造された容器は、化粧品工場(K)へと出荷される。そして、化粧品工場(K)において製造された化粧料が、組立部(23)で容器に充填,包装されて最終商品となり、注文者の手へ渡る物流ルートに出荷されるのである。 【0039】尚、本発明において、対象とする化粧料を化粧水,乳液等の基礎化粧品とする場合には、色に関するデータは必要なく、皮脂量,水分量等の肌性を重点的に肌特性データとすればよい。 【0040】また、口紅や毛髪化粧品を対象とする場合には、唇や頭皮又は毛髪のデータを用いることにより、本発明のシステムを適用することができる。」 (ウ)「【0041】 【発明の効果】以上述べた通り、本発明のシステムによれば、顧客の肌特性に適合した化粧料を好みの容器に収容してなる化粧品を1人1人に対して提供することができ、今日の消費者の欲求を充分に満足させることが可能となる。 【0042】そして、化粧料データ及び容器設計データが夫々合理的に設定されて各製造工場へと送られるため、受注から生産までを極めてスムーズに進めることができる。 【0043】また、このような受注生産体制をとることにより、完成した化粧品を工場や販売店に在庫として置いておく必要がなくなり、コスト面,スペース面においても優位に立てることは明らかである。」 以上の記載からみて、引用例1には、次の発明が記載されているものと認められる。 「容器に化粧料を収容してなる化粧品のオーダーメイドシステムであって、 肌の皮脂量,水分量,及び肌色等の肌特性データを組合せた基本パターンデータ、この基本パターンデータに適合する化粧料を選定した化粧料データ、そして基本パターンデータ及び化粧料データと共に生活環境,嗜好等の要因データを組合せたサンプルデータを記憶する記憶手段と、 個人の肌特性データと共に個人データとして得られる前記要因データを入力する個人データ入力手段と、 入力された個人データと前記基本パターンデータ及びサンプルデータとを比較することにより、前記化粧料データからの適合化粧料の選定を行う化粧料選定手段と、 容器設計のためのデータ処理を行う容器設計データ処理手段とを備えてなり、 前記化粧料データと容器設計データとに基づき化粧料と容器とが夫々製造され、これら両者を組合せて化粧品を完成する化粧品オーダーメイドシステム。」 (4)対比 本願補正発明と引用例1に記載された発明を対比すると、引用例1に記載された発明の「個人データ入力部(3)」は、本願補正発明の「顧客端末」に相当し、引用例1に記載された発明の「化粧品オーダーメイドシステム」は、本願補正発明の「化粧品調整システム」に相当し、引用例1に記載された発明の個人データ入力部(3)と相互に通信可能な「化粧品受発注システム(S)」は、本願補正発明の「データベースサーバ」に相当し、 引用例1に記載された発明の「アンケート調査」及び「アンケートの質問内容」は、それぞれ本願補正発明の「問診」及び「問診文言」に相当し、引用例1に記載された発明の「肌特性の基本パターンを格納している基本パターンデータテーブル(6)及び生活環境や嗜好データのサンプルを格納しているサンプルデータテーブル(7)」は、本願補正発明の「問診マスタ」に相当し、引用例1に記載された発明の「顧客の個人データ」及び「個人データテーブル(9)」は、本願補正発明の「顧客の個人情報」及び「顧客マスタ」に相当し、引用例1に記載された発明の「化粧料データテーブル(8)」は、本願補正発明の「商品詳細情報マスタ」に相当し、引用例1に記載された発明の顧客がアンケートに応えて入力した各種データを格納した「顧客カルテ」は、本願補正発明の「問診結果マスタ」に相当し、引用例1に記載された発明の「顧客の肌特性を測定する店頭用測定機器」は、本願補正発明の「顧客の肌を機械計測する手段」に相当し、引用例1に記載された発明の「化粧料選定部(4)」は、本願補正発明の「配合数値化手段」に相当し、引用例1に記載された発明の化粧品を製造する「製造部22」は、本願補正発明の「化粧品調整装置」に相当することは明らかである。 引用例1には、化粧品オーダーメイドシステム(化粧品調整システムに相当)が、個人データ入力部(3)(顧客端末に相当)と、該個人データ入力部(3)と相互に通信可能な化粧品受発注システム(S)(データベースサーバに相当)とを備えていることが記載されているから、本願補正発明と引用例1に記載された発明とは、 「顧客が使用する入力手段を有した顧客端末と、相互に通信可能なデータベースサーバを備えた化粧品調製システム」 である点において、差異はない。 引用例1には、前記化粧品受発注システム(S)は、基本パターンテーブル(6)及びサンプルデータテーブル(7)(問診マスタに相当)、化粧料データテーブル(8)(商品詳細情報マスタに相当)、個人データテーブル(9)(顧客マスタに相当)、および顧客カルテ(問診結果マスタに相当)を有することが記載されており、また引用例1には、 「【0026】また、個人データ入力部(3)からは、上記のデータ以外に、色調の好み等、具体的要望事項も入力されるようになっている。 【0027】然して、上記のように入力された個人データを、記憶部(2)に接続された基本パターンデータテーブル(6)及びサンプルデータテーブル(7)に格納されているデータと比較して一致又は類似するデータを取出す。そして、化粧料選定部(4)において、化粧料データテーブル(8)をみるとともに具体的要望事項等を要件に入れた上で対象となる顧客用の化粧料を選定するのである。」 との記載がなされており、この記載からみるに、該化粧品受発注システム(S)は、個人データ入力部(3)から入力された個人データに基づいて顧客用の化粧料を選定する化粧料選定部(4)(配合数値化手段に相当)を有するものであるから、本願補正発明と引用例1に記載された発明とは、 「前記データベースサーバは、前記顧客が応答する問診表を格納した問診マスタと、前記顧客の所定の個人情報である顧客情報が格納された顧客マスタと、調製される化粧品固有の情報が格納された商品詳細情報マスタと、前記問診表に応答した問診結果を記憶する問診結果マスタと、前記顧客が応答した問診結果を数値化する配合数値化手段とを有する」 点で差異はない。 引用例1には、化粧品受発注システム(S)は、個人データ入力部(3)が基本パターンデータテーブル(6)及びサンプルデータテーブル(7)(問診マスタに相当)に基づいて入力したアンケート調査結果(問診結果に相当)を 受け取り前記アンケートの調査結果を顧客カルテ(問診結果マスタに相当)として記憶部(2)に格納し、 生活環境・嗜好等の要因データ、色調の好み、及び具体的要望事項を含む顧客が入力したアンケート調査結果に応じて、質問属性に対応した各化粧料(成分)を選定し、 および、販売店(H)にある店頭用測定機器(機械計測をする手段に相当)により顧客の皮脂量、水分量等の肌特性データを測定し、販売店(H)にある端末から入力がなされ、 そして、販売店(H)の化粧料選定部(4)は、各化粧料(成分)を選定し、販売店(H)にある端末から製造部(22)(化粧品調整装置に相当)が処理可能なデータに変換した後、中央コンピュータ(21)を介して製造部(22)へ送信することが記載されているから、本願補正発明と引用例1に記載された発明とは、 「前記顧客端末は、前記データベースサーバの前記問診マスタに基づいて前記入力手段によって入力された、前記問診結果を送信し、 前記データベースサーバは、前記顧客情報マスタに前記顧客の個人情報を記憶すると共に、前記問診結果マスタに前記問診結果を記憶し、前記顧客が入力した問診結果に応じて、前記問診属性に対応した各成分を求め、および/または店舗における前記顧客の肌の機械計測によって得られる、肌の水分、皮脂計測についての計測結果の入力が店舗にある店舗端末から入力がなされ、前記店舗端末が最終的な各成分の調合割合を計算し、化粧品調製装置の処理可能な形態のデータに変換して前記化粧品調製装置に送信」 する点で差異はない。 引用例1には、化粧品の製造部(22)は、送信されてきたデータに基づいて化粧品成分を調整して顧客が求める化粧品を製造し、販売店(H)の個人データ入力部(3)から入力された各種データ及び化粧品選定部(4)により選定された化粧料データは、記憶部(2)に顧客カルテとして格納され、顧客の肌特性に適合した化粧料からなる化粧品は、好みの容器に入れられ顧客が望む名前が付され1人1人に販売提供されることが記載されているから、本願補正発明と引用例1に記載された発明とは、 「前記化粧品調製装置は、前記処理可能な形態のデータに基づいて化粧品成分を調製し、データベースに前記調製された化粧品成分の詳細が記憶され、また、前記問診に問診属性をもたせ、前記問診属性、商品詳細情報マスタ、顧客情報マスタに対応して、顧客個別に最適な化粧品成分を調合した化粧品を提供する化粧品調製システム。」 である点において差異はない。 そうすると、本願補正発明と引用例1に記載された発明とは、 (一致点) 「顧客が使用する入力手段を有した顧客端末と、相互に通信可能なデータベースサーバを備えた化粧品調製システムにおいて、 前記データベースサーバは、前記顧客が応答する問診表を格納した問診マスタと、前記顧客の所定の個人情報である顧客情報が格納された顧客マスタと、調製される化粧品固有の情報が格納された商品詳細情報マスタと、前記問診表に応答した問診結果を記憶する問診結果マスタと、前記顧客が応答した問診結果を数値化する配合数値化手段とを有し、 前記顧客端末は、前記データベースサーバの前記問診マスタに基づいて前記入力手段によって入力された、前記問診結果を送信し、 前記データベースサーバは、前記顧客情報マスタに前記顧客の個人情報を記憶すると共に、前記問診結果マスタに前記問診結果を記憶し、 前記顧客が入力した問診結果に応じて、前記問診属性に対応した各成分を求め、および/または店舗における前記顧客の肌の機械計測によって得られる、肌の水分、皮脂計測についての計測結果の入力が店舗にある店舗端末から入力がなされ、前記店舗端末が最終的な各成分の調合割合を計算し、化粧品調製装置の処理可能な形態のデータに変換して前記化粧品調製装置に送信し、 前記化粧品調製装置は、前記処理可能な形態のデータに基づいて化粧品成分を調製し、データベースに前記調製された化粧品成分の詳細が記憶され、また、前記問診に問診属性をもたせ、前記問診属性、商品詳細情報マスタ、顧客情報マスタに対応して、顧客個別に最適な化粧品成分を調合した化粧品を提供する化粧品調製システム。」 である点において一致し、次の点で相違する。 (相違点1) 本願補正発明の問診マスタは、全ての化粧品に対して共通の問診である共通問診マスタと、各化粧品種別固有の問診である商品固有問診マスタを含む構成であるのに対して、引用例1に記載された発明のサンプルデータテーブル(7)及び基本パターンデータテーブル(6)(問診マスタに相当)は、共通問診マスタと商品固有問診マスタを含む構成を採っていない点。 (相違点2) 本願補正発明においては、商品詳細情報マスタ(化粧料データテーブル(8)に相当)に、調製された化粧品成分の詳細が記憶されるのに対して、引用例1に記載された発明においては、記憶部2に顧客カルテとして、調製された化粧品料の詳細が記憶される点。 (相違点3) 本願補正発明のデータベースサーバが、アドバイスシートを作成する問診結果マスタを有しているのに対し、引用例1に記載された発明の化粧品受発注システム(S)は、顧客カルテ(問診結果マスタに相当)を有するものの、顧客カルテに基づいてアドバイスシートを作成するとは明記しない点。 (相違点4) 本願補正発明では、各設問の問診文言が、肌または身体の環境的要因からくるストレスや、精神的要因からくるストレス度合い、肌の乾燥度合い、脂性度合い、身体全体の恒常性保持機能の度合い、自覚コンディションの度合い、栄養バランスの度合いの属性を問診属性としてもち、また顧客が入力した問診結果が、使用感、成分追加、香り・濃度・オリジナルネームを含むのに対して、引用例1に記載された発明では、アンケートの各質問事項が、生活環境、嗜好等の度合いの属性をアンケート属性として持ち、また顧客が入力したアンケート結果が、生活環境、嗜好等の要因データ、色調の好み、具体的要望を含んでいる点。 すなわち、本願補正発明と引用例1に記載された発明とでは、問診属性及び顧客が入力した問診結果がそれぞれ相違する点。 (相違点5) 本願補正発明においては、各問診文言が問診属性を持ち、各問診属性に対応した各成分の加点数を問診数値化計算モジュールが算出しているのに対し、 引用例1に記載された発明においては、入力された個人データを、基本パターンデータテーブル(6)及びサンプルデータテーブル(7)に格納されているデータと比較して一致又は類似するデータを取出し、化粧料選定部(4)において、化粧料データテーブル(8)をみるとともに色調の好み、具体的要望事項等を要件に入れた上で対象となる顧客用の化粧料を選定している点。 (判断) (相違点1について) 前記相違点1について判断するに、 (i)アンケート(問診)は、一般的質問事項と詳細な質問事項とに分かれて構成されていることは、社会における一般常識である。 (ii)化粧品の調合のために必要な情報は、化粧品の種類によっては一部異なるのであり、それ故に上記情報は、各化粧品に共通の部分と固有な部分とに分かつことができることは自明である。 (iii)引用例1には、「【0020】基本パターンデータテーブル(6)は、図2に示すように、肌の皮脂量と水分量とを夫々「多」,「普通」,「少」と分類し、肌性を9分類し、更に肌色を5分類し、これらを合わせたものを肌特性の基本パターンとして格納しているものである。」との記載がなされており、この記載からみるに、引用例1に記載された発明の基本パターンデータテーブル(6)それ自体が、皮脂及び水分の量を示すパターンデータテーブルと、肌色を示すパターンデータテーブルと、これら2つのテーブルを組み合わせたパターンデータテーブルとから階層的に構成されたものであり、しかも基本パターンデータテーブル(6)とサンプルデータテーブル(7)とを合わせたデータテーブルが、本願補正発明の問診マスタに対応している。 (iv)データベースを幾つのマスタ(マスタファイル)で構成するかは、例えば、特開昭62-117065号公報、及び特開昭60-195653号公報にその開示があるように、システム設計者がデータベース構築状況及び仕様書に応じて適宜決定すべき事項である。 以上の(i)〜(iv)に示される事項に鑑みるとき、問診マスタを、全ての化粧品に対して共通の問診である共通問診マスタと、各化粧品種別固有の問診である商品固有問診マスタに分けて構成することは、当業者が適宜なし得ることであると認められる。 (相違点2について) 相違点2について判断するに、調整された化粧品成分の詳細をコンピュータのメモリに記憶しておき、後に再び顧客の購入注文があった場合、その詳細を参照し、同じ化粧品を直ちに調整することは、原審が拒絶の理由に引用した特表平9-502022号公報(第10頁第22-28行)にその旨の記載があるように当業者には周知な事項であり、また調整された化粧品成分の詳細は、データベースを構成するメモリの何処かに保持され、後に同じ顧客からの注文があった場合それを参照できれば充分であるから、本願発明の如く、データベースの商品詳細情報マスタに記憶するようにすることは、当業者が適宜なし得ることである。 (相違点3について) 前記相違点3について判断するに、デパートの化粧品売り場、薬局等においては、顧客の質問に応じてアドバイスを行うことが一般的に行われており、この周知な技術思想を化粧品調整システムに採用し、本願補正発明の如くアドバイスシートを作成することは、当業者が適宜なし得ることである。 (相違点4について) 前記相違点4について判断するに、問診(アンケート)を行う際、実施者及び対象案件によっては問診事項及び問診属性が相違し、また問診事項及び問診属性が相違することにより顧客の応答結果もそれにつれて相違することは、自明のことである。そして、問診事項及び問診属性は、実施者が適宜設定すべき事項であることも明らかである(例えば、原審が拒絶査定時に引用した特開平2001-52092号公報、特開平10-124585号公報、特開2000-167235号公報を参照)から、本願補正発明の如く問診文言(問診事項)及び問診属性を設定することは、当業者が適宜なし得ることである。 (相違点5について) 前記相違点5について判断するに、質問に予め所定の属性を与え、質問に対する回答に対応した数値を前記属性に基づいて振り分けて、各属性に対応した数値(パラメータ)を増減させることは、当業者には周知な技術事項である。この点については、例えば、原審が拒絶査定時に引用した特開平2001-52092号公報、特開平10-124585号公報、及び特開2000-167235号公報を参照のこと。したがって、問診の回答結果を所定の成分と関連づけて、成分の調合割合を決定するようにすることは、当業者が適宜なし得ることである。 なお、コンピュータに顧客の肌の特性及び化粧品の嗜好等の情報を入力し、これらの情報に基づいて、顧客が望む化粧品を調合することは、引用例1の他にも、原審が拒絶の理由に引用した次の文献1〜3にもその記載がある。 1.特表平9-502022号公報 2.特開平4-215999号公報 3.森永輔,「強い企業のシステム戦略 コーセー ネット専用ブランドを本格立ち上げ Linux使い低コストでシステム構築」,日経コンピュータ,第511号,2000.12.18,日経BP社,第192-196頁 上記文献1には、最初、速やかに5-10mlの試作品が作られ、顧客の使用感により処方の変更要望があった場合には直ちに再度調合が試みられ、良ければ顧客に販売され、その調合結果は中央コンピュータに記憶保存され顧客の再注文に応じることが記載されている(第10頁)。 上記文献1,2には、調合した化粧品は、販売拠点において顧客に直ちに引き渡されることが記載されている。 上記文献3には、Webサーバー(インターネットサーバー)とデータベースサーバ、データベース等とを備え、顧客と受注販売システムとをインターネット回線を介して結びつけ、顧客の肌特性に合い且つ顧客が求める化粧品をインターネット販売する化粧品受注販売システム「カルテ」が記載されている。 (6)むすび 以上のとおり、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができるものではなく、特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するものであるから、平成15年9月17日付けの手続補正は、平成15年改正前特許法第159条第1項で準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、補正却下の決定の結論のとおり決定する。 3.本願発明について 平成15年9月17日付けの手続補正は、前記のとおり却下されるから、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成15年5月22日付けの手続き補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載され次のとおりのものである。 「【請求項1】顧客が使用する入力手段を有した顧客端末と、相互に通信可能なデータベースサーバを備えた化粧品調製システムにおいて、 前記データベースサーバは、前記顧客が応答する問診表を格納した問診マスタと、前記顧客の所定の個人情報である顧客情報が格納された顧客情報マスタと、調製される化粧品固有の情報が格納された商品詳細情報マスタと、前記問診表に応答した問診結果を記憶し、さらに前記顧客に対してアドバイスを行うアドバイスシートを作成する問診結果マスタと、前記顧客が応答した問診結果を数値化する配合数値化手段とを有し、 前記問診マスタには、全ての化粧品に対して共通の問診である共通問診マスタと、各化粧品種別固有の問診である商品固有問診マスタとを含む構成であって、 前記顧客端末は、前記データベースサーバの前記問診マスタより前記共通問診及び前記商品固有問診を受信し、それに基づいて前記入力手段によって入力された、前記共通問診及び前記固有問診の結果を前記データベースサーバに送信し、 前記データベースサーバは、前記顧客情報マスタに前記顧客の個人情報を記憶すると共に、前記問診結果マスタに前記共通問診及び前記固有問診の問診結果を記憶し、前記共通問診マスタ及び前記商品固有問診マスタの各設問の問診文言が、肌または身体の環境的要因からくるストレスや、精神的要因からくるストレス度合い、肌の乾燥度合い、脂性度合い、身体全体の恒常性保持機能の度合い、自覚コンディションの度合い、栄養バランスの度合いの属性を問診属性として持ち、前記顧客が入力した問診結果に応じて、前記問診属性に対応した各成分の加点数を問診数値化計算モジュールが算出し、および/または店舗における前記顧客の肌の機械計測によって得られる、肌の水分、皮脂計測、皮膚の拡大写真から得られたデータ、肌の弾力の計測、肌のpH計測、肌の酸化についての計測結果の入力が店舗にある店舗端末から入力がなされ、前記店舗端末が最終的な各成分の調合割合を計算し、化粧品調製装置の処理可能な形態のデータに変換して前記化粧品調製装置に送信し、 前記化粧品調製装置は、前記処理可能な形態のデータに基づいて化粧品成分を調製し、前記商品詳細情報マスタに前記調製された化粧品成分の詳細が記憶され、また、前記共通問診及び前記商品固有問診毎に問診属性をもたせ、前記問診属性、商品詳細情報マスタ、顧客情報マスタに対応して、前記問診結果マスタが前記アドバイスシートを作成することにより顧客個別に最適な化粧品成分を調合した化粧品を提供することを特徴とする化粧品調製システム。」 (1)引用例 原査定の拒絶の理由に引用された引用例、及びその記載事項は、前記2.(3)項に記載したとおりである。 (2)対比・判断 本願発明は、前記2.(4)項で検討した本願補正発明から、発明を限定する事項である 「使用感、成分追加、香り・濃度・オリジナルネームを含む」 を省いたものである。 そうすると、本願発明を特定する事項をすべて含む本願補正発明が前記2.(5)項に記載したとおり、引用例1に記載された発明及び周知技術とに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例1に記載された発明及び周知技術とに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (3)むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項項について検討するまでもなく、本願は特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-02-08 |
結審通知日 | 2006-02-14 |
審決日 | 2006-02-27 |
出願番号 | 特願2002-568265(P2002-568265) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 丹治 彰、菅原 浩二 |
特許庁審判長 |
関川 正志 |
特許庁審判官 |
岡本 俊威 大野 弘 |
発明の名称 | 個別対応化粧品調製システム |
代理人 | 五十嵐 貞喜 |
代理人 | 安形 雄三 |
代理人 | 北野 進 |