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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G09F
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G09F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G09F
管理番号 1135208
審判番号 不服2004-13576  
総通号数 78 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-01-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-07-01 
確定日 2006-04-14 
事件の表示 特願2001- 78901「電気光学装置の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 1月31日出願公開、特開2002- 32031〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、特許法第41条に基づく優先権主張を伴う平成13年3月19日(優先日:平成12年5月12日、出願番号:特願2000-140540号)の出願であって、平成16年5月25日付けで拒絶査定がなされ、平成16年7月1日付けで審判請求がなされるとともに、平成16年7月22日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成16年7月22日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成16年7月22日付けの手続補正を却下する。
[理由]
(1)補正後の本願発明
平成16年7月22日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲の請求項1は、
「電気光学物質を保持する基板を備えた電気光学パネルと、前記基板より線膨張係数が大きな実装基材とを接合する電気光学装置の製造方法であって、複数の第1端子から構成される第1端子群、及び前記第1端子群の両端に前記第1端子群とは離れて配置される第1アライメントマークを前記基板に同一工程にて形成する工程と、前記第1端子のピッチとは異なるピッチで配置される複数の第2端子から構成される第2端子群、及び前記第2端子群の両端に前記第2端子群とは離れて配置される第2アライメントマークを前記実装基材に同一工程にて形成する工程と、前記第1アライメントマーク、及び前記第2アライメントマークが形成された部分には異方性導電膜を貼り付けることなく、前記基板または前記実装基材のいずれか一方のうち他方と接合されるべき部分に異方性導電膜を貼り付ける工程と、前記第1アライメントマークと前記第2アライメントマークとが合致するように、前記基板と前記実装基材とを位置合わせする位置合わせ工程と、前記基板と前記実装基材とを前記異方性導電膜によって接合することによって前記複数の第1端子と前記複数の第2端子とを相互に接続する接続工程と、を有し、前記接続工程においては、前記接合の際に生じる前記基板または前記実装基材の熱による変形に伴って略同一のピッチとなった前記複数の第1端子と前記複数の第2端子とを熱圧着により接続することを特徴とする電気光学装置の製造方法。」
と補正された。

(2)目的要件違反について
本件補正の請求項1に対する補正事項「前記第1アライメントマーク、及び前記第2アライメントマークが形成された部分には異方性導電膜を貼り付けることなく、前記基板または前記実装基材のいずれか一方のうち他方と接合されるべき部分に異方性導電膜を貼り付ける工程」は、補正前の特許請求の範囲に記載のない「異方性導電膜」なる用語を使用して新たな工程を追加するものであるので、本件補正は、「特許請求の範囲の減縮」でも、「誤記の訂正」でも、「明りょうでない記載の釈明」でもない。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第4項に規定した補正の目的のいずれにも該当しないので、特許法第159条第1項において読み替えて準用する特許法53条第1項の規定により却下すべきものである。

(3)独立特許要件違反について
もし、仮に、本件補正が特許法第17条の2第4項に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする補正であるとした場合に、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について検討する。

(3.1)本願補正発明
上記「2.(1)」に記したとおり。

(3.2)刊行物
原審で拒絶の理由として引用された特開平9-246676号公報(以下、「引用例1」という。)には、以下の記載がある。
「【0004】液晶表示装置は、アクティブマトリクス型の液晶パネル、及びこの液晶パネルを駆動するための駆動回路などを有している。駆動回路は、液晶表示装置の薄型・軽量化、狭額縁化等の要求にともなって、ポリイミド等からなるフレキシブルなベース部材上に駆動回路が実装されて成るテープ・キャリア・パッケージ(以下、TCPと称する)が液晶パネルの周辺部に配置されている。
【0005】図6は、液晶パネルとTCPとの接続部を概略的に示す図である。液晶パネルは、各画素電極に接続されたTFTから引き出されたリード線をTCPに電気的に接続するためのパネルリード部110を有している。また、TCPは、駆動回路の他に、駆動回路と各TFTから引き出されたリード線とを電気的に接続するためのTCPリード部210を有している。
【0006】パネルリード部110は、ガラス基板111、及びこのガラス基板111上に形成され、各TFTに対応して接続されている櫛形の接続端子112を有している。接続端子112は、すべて同一のピッチW100 でガラス基板111上に平行に配列されている。
【0007】TCPリード部210は、例えば、ポリイミド系樹脂製の基板211、及びこの基板上に形成され、駆動回路に接続されている櫛形の接続端子212を有している。この接続端子212は、パネルリード部110の接続端子112に対応するように、接続端子112と同一のピッチW100 で基板211上に平行に配列されている。
【0008】そして、パネルリード部110及びTCPリード部210は、それぞれの接続端子111、211が相対するように、位置合わせを行ない、異方性導電膜300を介して熱圧着などの方法により、接続されている。【0009】しかしながら、TCPリード部210における基板211の線膨張係数に比べてパネルリード部112におけるガラス基板111の線膨張係数の方が小さいため、パネルリード部110の接続端子112とTCPリード部210の接続端子212とを異方性導電膜300により熱圧着する場合、基板211がガラス基板111より大きく伸びた状態で両者が接続される虞がある。
【0010】このため、図7に示すように、両基板111、211の略中心部における、ズレはそれほど大きくないが、基板の両端部に向かうほど大きくズレる可能性が高い。
【0011】このような問題を解決するために、従来、以下に示すような設計方法が提案されている。この方法は、TCPリード部210の基板211が熱圧着により膨張することを考慮して、基板211上に形成された接続端子212の配線ピッチを予め縮小して設計するものである。
【0012】TCPリード部210の接続端子群の中心から任意の接続端子までの距離をL、熱圧着後に接続されたTCPリード部210の接続端子212とパネルリード部110の接続端子112とのズレ量をΔLとした場合、LとΔLとの関係は、図8の点線で示すような線形関数であると仮定する。この線形関数は、熱圧着後におけるTCPリード部210の最外端の接続端子とパネルリード部110の最外端の接続端子とのズレ量を実験的に、あるいは経験的に求めることにより、規定できる。
【0013】そして、図9に示すように、TCPリード部210における接続端子212の配線ピッチW200 は、パネルリード部110における接続端子112の配線ピッチW100 より小さくなるように形成される。TCPリード部210の配線ピッチW200 は、接続端子群の中心から両端部にわたってすべて同一に形成されている。
【0014】より具体的には、まず、基板211上の最外端に形成された接続端子とガラス基板110上の最外端に形成された接続端子との熱圧着によるズレ量Aを図8に示した線形関数により求める。そして、基板211上の接続端子212の配線ピッチをW200 、ガラス基板111上の接続端子112の配線ピッチをW100 、ガラス基板111の接続端子112に対応して基板211上に形成されている接続端子の数をNとした場合、例えば、以下の数式、
W200 =W100 -[A/{(N-1)/2}]
によりTCPリード部210の接続端子212の配線ピッチW200 を算出することができる。そして、この算出された配線ピッチW200 に基づいて、基板211上に接続端子212が形成される。」(下線は当審が付与)

この記載および図面【図5】〜【図7】を参照することにより、刊行物1には、
「ガラス基板(111)を備えた液晶パネルと、前記ガラス基板(111)より線膨張係数が大きい基板(211)とを接合する液晶表示装置の製造方法であって、櫛形の接続端子(112)をガラス基板(111)に形成する工程と、前記櫛形の接続端子(112)のピッチとは異なるピッチで配置される櫛形の接続端子(212)を基板(211)に形成する工程と、櫛形の接続端子(112)が形成されたガラス基板(111)と櫛形の接続端子(212)が形成された基板(211)とを位置合わせする工程と、ガラス基板(111)と基板(211)を異方性導電膜を介して熱圧着により接合することによって櫛形の接続端子(112)と櫛形の接続端子(212)とを接続する工程と、を有し、前記接続する工程においては、熱圧着の際に生じるガラス基板(111)または基板(211)の熱による膨張に伴って略同一のピッチとなる櫛形の接続端子(112)と櫛形の接続端子(212)とを熱圧着により接続することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。」
の発明が記載されていることを読み取ることができる。

(3.3)対比
本願補正発明と刊行物1記載の発明(以下、「引用発明」という。)とを比較すると、引用発明における「ガラス基板(111)」は電気光学物質である液晶を保持しているものであるので、本願補正発明における「電気光学物質を保持する基板」に相当する。
以下、同様に引用発明における「液晶パネル」、「基板(211)」、「液晶表示装置」、「櫛形の接続端子(112)」、「櫛形の接続端子(212)」、「熱による膨張」はそれぞれ本願補正発明における「電気光学パネル」、「実装基材」、「電気光学装置」、「複数の第1端子から構成される第1端子群」、「複数の第2端子から構成される第2端子群」、「熱による変形」に相当するので、両者は、
「電気光学物質を保持する基板を備えた電気光学パネルと、前記基板より線膨張係数が大きい実装基材とを接合する電気光学装置の製造方法であって、複数の第1端子から構成される第1端子群を前記基板に形成する工程と、前記複数の第1端子から構成される第1端子群のピッチとは異なるピッチで配置される複数の第2端子から構成される第2端子群を実装基材に形成する工程と、複数の第1端子から構成される第1端子群が形成されたガラス基板と複数の第2端子から構成される第2端子群が形成された実装基材とを位置合わせする工程と、前記基板と実装基材を異方性導電膜を介して接合することによって複数の第1端子から構成される第1端子群と複数の第2端子から構成される第2端子群とを接続する工程と、を有し、前記接続工程においては、熱圧着の際に生じる前記基板または実装基材の熱による変形に伴って略同一のピッチとなる櫛形の接続端子(112)と櫛形の接続端子(212)とを熱圧着により接続することを特徴とする電気光学装置の製造方法。」
で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1]
「第1端子群」を形成する工程で、本願補正発明は、「第1端子群の両端に前記第1端子群とは離れて配置される第1アライメントマーク」を同一工程にて形成するのに対し、引用発明にはアライメントマークを同一工程で形成するとされていない点。
[相違点2]
「第2端子群」を形成する工程で、本願補正発明は、「第2端子群の両端に前記第2端子群とは離れて配置される第2アライメントマーク」を同一工程にて形成するのに対し、引用発明にはアライメントマークを同一工程で形成するとされていない点。
[相違点3]
本願補正発明では、「第1アライメントマーク、及び第2アライメントマークが形成された部分には異方性導電膜を貼り付けることなく、基板または実装基材のいずれか一方のうち他方と接合されるべき部分に異方性導電膜を貼り付ける工程」があるのに対し、引用発明にはそのような工程がない点。
[相違点4]
「位置合わせ」の工程で、本願補正発明では、「第1アライメントマークと前記第2アライメントマークとが合致するように」するのに対し、引用発明では、どのように位置合わせをするかについて限定がされていない点。

(3.4)当審の判断
アライメントを電極・配線と同時に設けることは当業者に周知な技術事項であるとして、本願の拒絶査定の備考欄に示された特開平10-162727号公報(以下、「周知例1」という。)には、プラズマ表示装置においてアライメントマークパターンと透明表示電極を同時に形成すること、アライメントマークパターンとアドレス電極を同時に形成することが記載され、同特開平11-44889号公報(以下、「周知例2」という。)には、液晶パネルの透明電極とアライメントマークを同時に形成することが記載されている。
また、特開平9-258252号公報(以下、「周知例3」という。)には、液晶表示装置のTCPと配線基板の位置合わせのためにアライメント用マーカをダミーリードとダミーランドを回路パターンと同時に形成することが記載されており、図からその位置は入力端子部とは離れていることが読み取れる。
そして、本願の優先日前に頒布された特開平10-253979号公報(以下、「周知例4」という。)には、液晶ディスプレイにおいて、TCPと透明基板を異方性導電フィルムを介して接合する際に、アライメントマークにより位置決めをすることが記載され、配線パターンから離れた位置にアライメントマークを有している図(【図7】参照)が記載され、同特開平11-54877号公報(以下、「周知例5」という。)には、液晶パネルとTCPを異方性導電膜を介して接続する際に電極端子外に位置するアライメントマークにより位置合わせと行うことが記載され、同特開平11-288750号公報(以下、「周知例6」という。)には、異方導電性接着剤はアライメントマークの部分には設けないことが記載(【0009】段落等)されている。

そこで、上記刊行物の記載事項に基づき、[相違点1]〜[相違点4]について検討する。
[相違点1]、[相違点2]および[相違点4]について
そもそも、アライメントマークは2つの部品の位置合わせのために付されるものであり、引用発明と同じ表示パネルとフレキシブル基板の位置合わせを行う場合にアライメントマークを使用し、合致させることは周知例1〜6により周知の技術事項である。
そして、アライメントマークを端子群から離れた位置に配置することは、周知例3〜5に記載されているし、アライメントマークを電極や端子と同時に形成することは、周知例1〜3に記載されている。
とするならば、相違点1、2および4は当業者に周知の技術事項であり、格別のものではないし、格別の作用効果を有するものではない。
[相違点3]について
引用発明には「異方性導電膜を介して熱圧着」との構成があり、このことから、熱圧着する前に、基板または実装基材のいずれかに異方性導電膜を貼り付けることは必要に応じて適宜採用することのできる工程に過ぎない。
また、周知例6には、異方性導電膜をアライメントマークの部分に設けないことが記載され、それによる作用効果も予想される以上のものではない。
このように、[相違点1]〜「相違点4」に係る本願補正発明の発明構成要件は周知技術に基づき当業者が容易に想到し得る程度のものであり、それによる作用効果も当業者が予測できる範囲のものである。

したがって、本願補正発明は、刊行物1に記載された発明および周知技術に基づき当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができるものとは認められない。

(4)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第4項に規定した補正の目的のいずれにも該当しないものであるし、仮に特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるとしても、特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるので、特許法第159条第1項において読み替えて準用する特許法53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成16年7月22日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成16年1月26日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲第1項に記載された次のとおりのものと認める。(以下、「本願発明」という。)
「電気光学物質を保持する基板を備えた電気光学パネルと、前記基板より線膨張係数が大きな実装基材とを接合する電気光学装置の製造方法であって、複数の第1端子から構成される第1端子群、及び前記第1端子群の両端に前記第1端子群とは離れて配置される第1アライメントマークを前記基板に同一工程にて形成する工程と、前記第1端子のピッチとは異なるピッチで配置される複数の第2端子から構成される第2端子群、及び前記第2端子群の両端に前記第2端子群とは離れて配置される第2アライメントマークを前記実装基材に同一工程にて形成する工程と、前記第1アライメントマークと前記第2アライメントマークとが合致するように、前記基板と前記実装基材とを位置合わせする位置合わせ工程と、前記複数の第1端子と前記複数の第2端子とを前記基板と前記実装基材との接合に伴って相互に接続する接続工程と、を有し、前記接続工程においては、前記接合の際に生じる前記基板または前記実装基材の変形に伴って略同一のピッチとなった前記複数の第1端子と前記複数の第2端子とを熱圧着により接続することを特徴とする電気光学装置の製造方法。」

4.引用刊行物の発明
原査定の拒絶の理由に引用された引用例1からは、前記「2.(3.2)」に記載した引用発明を読み取ることができる。

5.対比・判断
本願発明と引用発明とを比較すると、引用発明における「ガラス基板(111)」は電気光学物質である液晶を保持しているものであるので、本願補正発明における「電気光学物質を保持する基板」に相当する。
以下、同様に引用発明における「液晶パネル」、「基板(211)」、「液晶表示装置」、「櫛形の接続端子(112)」、「櫛形の接続端子(212)」、「熱による膨張」はそれぞれ本願発明における「電気光学パネル」、「実装基材」、「電気光学装置」、「複数の第1端子から構成される第1端子群」、「複数の第2端子から構成される第2端子群」、「熱による変形」に相当するので、両者は、
「電気光学物質を保持する基板を備えた電気光学パネルと、前記基板より線膨張係数が大きい実装基材とを接合する電気光学装置の製造方法であって、複数の第1端子から構成される第1端子群を前記基板に形成する工程と、前記複数の第1端子から構成される第1端子群のピッチとは異なるピッチで配置される複数の第2端子から構成される第2端子群を実装基材に形成する工程と、複数の第1端子から構成される第1端子群が形成された前記基板と複数の第2端子から構成される第2端子群が形成された実装基材とを位置合わせする工程と、前記基板と実装基材を接合することによって複数の第1端子から構成される第1端子群と複数の第2端子から構成される第2端子群とを接続する工程と、を有し、前記接続する工程においては、接合の際に生じる前記基板または実装基材の変形に伴って略同一のピッチとなる複数の第1端子から構成される第1端子群と複数の第2端子から構成される第2端子群とを熱圧着により接続することを特徴とする電気光学装置の製造方法。」
で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1’]
「第1端子群」を形成する工程で、本願補正発明は、「第1端子群の両端に前記第1端子群とは離れて配置される第1アライメントマーク」を同一工程にて形成するのに対し、引用発明にはアライメントマークを同一工程で形成するとされていない点。
[相違点2’]
「第2端子群」を形成する工程で、本願補正発明は、「第2端子群の両端に前記第2端子群とは離れて配置される第2アライメントマーク」を同一工程にて形成するのに対し、引用発明にはアライメントマークを同一工程で形成するとされていない点。
[相違点3’]
「位置合わせ」の工程で、本願補正発明では、「第1アライメントマークと前記第2アライメントマークとが合致するように」するのに対し、引用発明では、どのように位置合わせをするかについて限定がされていない点。

上記相違点1’、2’および3’は、それぞれ、先に「2.(3.3)」において、引用発明と本願補正発明の相違点とした、相違点1、2および4と同じである。
そして、「2.(3.4)」において、相違点1、2および4は当業者に周知の技術事項であり、格別のものではないし、格別の作用効果を有するものではない、との判断を行ったものであるので、本願発明と引用発明の相違点1’、2’および3’も当業者に周知の技術事項であり、格別のものではないし、格別の作用効果を有するものではない。

したがって、本願発明は、上記刊行物1に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

6.むすび
以上のとおり、本願発明は、刊行物1に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-02-09 
結審通知日 2006-02-15 
審決日 2006-03-01 
出願番号 特願2001-78901(P2001-78901)
審決分類 P 1 8・ 572- Z (G09F)
P 1 8・ 121- Z (G09F)
P 1 8・ 575- Z (G09F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴野 幹夫  
特許庁審判長 上野 信
特許庁審判官 末政 清滋
青木 和夫
発明の名称 電気光学装置の製造方法  
代理人 石井 康夫  

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