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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F16L
管理番号 1135821
審判番号 不服2005-1756  
総通号数 78 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2001-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-02-03 
確定日 2006-05-12 
事件の表示 平成11年特許願第319403号「管継手の構造」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 5月25日出願公開、特開2001-141169〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成11年11月10日の出願であって、その請求項1に係る発明(以下、請求項1に係る発明を「本願発明」という。)は、平成16年6月11日付の手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。

「【請求項1】 端部外周面に雄ねじ部が形成されているとともに、管が貫通もしくは係合する内周面の端部には外端に近付くほど漸次大径となるテーパ面が形成されている樹脂製の継手本体と、
筒形部分の内周面に上記継手本体の雄ねじ部に螺合する雌ねじ部が形成されているとともに、筒形部分の一端に連なる端壁部分の中心部に上記管の挿通孔が形成されている袋状ナットと、
上記管に外嵌させて継手本体の端部と袋状ナットの端壁部分との間に介在され、その外周面には上記継手本体のテーパ面に対接するテーパ面が形成されている樹脂製のリング状抜止部材とを備え、
上記袋状ナットの締付けによってリング状抜止め部材をテーパ面に沿って縮径させてその内周面を管の外周面に押圧し抜止めさせるように構成してなる管継手の構造において、
上記継手本体側のテーパ面の角度を、上記リング状抜止め部材側のテーパ面の角度よりも大に設定し、
前記リング状抜止部材は、その内端側は垂直に切り落とされその内端内周面が管に対して強く圧接する強圧接係止部に形成されているとともに、外端側は上記袋状ナットの端壁部分の内面に当接係止される垂直面に形成されている管継手の構造。」

2.引用文献に記載された発明
これに対して、原査定の拒絶理由に引用した、本願の出願前国内において頒布された刊行物である、特公平1-54599号公報(以下、「引用文献」という。)には、図面とともに次の記載がある。

・「図面は樹脂製管継手を示し、第1図〜第4図において、この樹脂製管継手11は、継手本体12と、ナツト13と、チユーブ14と、スリーブ15とから構成され、これらは全て樹脂材により成形される。
・・・・・
上述の継手本体12は、管端外周面に雄ねじ16を有し、その端面中心部にはチユーブ14の端部を挿通して係止する凹部状のチユーブ係止面17を形成し、この係止面17の周面にはこの係止面17に向けて小径となる内周テーパ面18を形成している。
上述のナツト13は、六角形状の外周面を有する筒形の一端面に壁面を有し、その開放端側の内周面には上述の継手本体12の雄ねじ16に螺合する雌ねじ19を刻設しており、外端側の壁面中心部にはチユーブ挿通孔20を貫設し、・・・・。さらに、ナツト13の内端面には後述するスリーブを保持するための係止段部22を設けている。
上述のスリーブ15は、円筒形状を有し、その内周面はチユーブ14上に外嵌し得る大きさで、外周面の内端側は継手本体12の内周テーパ面18に同角度で周面対接する外周テーパ面23を形成し、さらに内端側は垂直に切落して設け、その内端内周面側をチユーブ14に対する係止部兼用の食込み部24に設定し、また内周面の外端側には比較的大きく面取りして設けられる隙間部25を形成している。そして、スリーブ15の外端側は前述のナツト13の係止段部22に係止される。
・・・・・
上述のチユーブ14は、ナツト13のチユーブ挿通孔20を貫通して継手本体12のチユーブ係止面17に一端が係止され、その係止状態でナツト13の小径食込み部21aに対応する該チユーブ外周面に周溝28を刻設し、さらに、スリーブ15の食込み部24の内端より若干内側に対応する該チユーブ外周面にチユーブ14の縮径変形を許容すべく抜止め係止用に設定した周溝27を刻設している。」(第2頁第3欄41行〜第3頁第5欄4行)

上記記載及び図面からみて、引用文献には、次の発明が記載されている。

「端部外周面に雄ねじ16が形成されているとともに、チューブ14が係合する内周面の端部には外端に近付くほど漸次大径となる内周テーパ面18が形成されている樹脂製の継手本体12と、
筒形部分の内周面に上記継手本体の雄ねじに螺合する雌ねじ19が形成されているとともに、筒形部分の一端に連なる壁面の中心部にチューブ挿通孔20が形成されているナット13と、
上記チューブに外嵌させて継手本体の端部とナットの壁面との間に介在され、その外周面には上記継手本体の内周テーパ面に対接する外周テーパ面23が形成されている樹脂製のスリーブ15とを備え、
上記ナットの締付けによってスリーブをテーパ面に沿って縮径させてその内周面をチューブの外周面に押圧し抜止めさせるように構成してなる管継手の構造において、
上記継手本体側の内周テーパ面の角度と、上記スリーブ側の外周テーパ面の角度とを同角度に設定し、
前記スリーブは、その内端側は垂直に切り落とされその内端内周面が管に対して強く圧接する強圧接係止部に形成されているとともに、外端側は上記ナットの壁面の内面に当接係止される垂直面に形成されている管継手の構造。」(以下、「引用例発明」という。)

3.対比・判断
本願発明と引用例発明とを対比すると、引用例発明の「雄ねじ16」は、本願発明の「雄ねじ部」に相当し、以下同様に「チューブ14」は、「管」に、「内周テーパ面18」は、「継ぎ手本体のテーパ面」に、「雌ネジ19」は「雌ネジ部」に、「壁面」は、「端壁部分」に、「チューブ挿通孔20」は、「挿通孔」に、「ナット13」は、「袋状ナット」に、「外周テーパ面23」は「リング状抜止部材のテーパ面」に、「スリーブ15」は、「リング状抜止部材」に、それぞれ相当するから、
両者は、
「端部外周面に雄ねじ部が形成されているとともに、管が貫通もしくは係合する内周面の端部には外端に近付くほど漸次大径となるテーパ面が形成されている樹脂製の継手本体と、
筒形部分の内周面に上記継手本体の雄ねじ部に螺合する雌ねじ部が形成されているとともに、筒形部分の一端に連なる端壁部分の中心部に上記管の挿通孔が形成されている袋状ナットと、
上記管に外嵌させて継手本体の端部と袋状ナットの端壁部分との間に介在され、その外周面には上記継手本体のテーパ面に対接するテーパ面が形成されている樹脂製のリング状抜止部材とを備え、
上記袋状ナットの締付けによってリング状抜止め部材をテーパ面に沿って縮径させてその内周面を管の外周面に押圧し抜止めさせるように構成してなる管継手の構造において、
前記リング状抜止部材は、その内端側は垂直に切り落とされその内端内周面が管に対して強く圧接する強圧接係止部に形成されているとともに、外端側は上記袋状ナットの端壁部分の内面に当接係止される垂直面に形成されている管継手の構造。」
である点で一致し、次の点で相違している。

[相違点]本願発明は、継手本体側のテーパ面の角度を、リング状抜止め部材側のテーパ面の角度よりも大に設定したのに対して、引用例発明は、継手本体側のテーパ面の角度と、リング状抜止め部材側のテーパ面の角度とを同一に設定した点。

上記相違点について検討すると、袋状ナットの締付けによってリング状抜止め部材を、継ぎ手本体あるいは袋状ナット内周面に形成したテーパ面に沿って縮径させて、その内周面を管の外周面に押圧し抜止めさせるように構成した管継手において、締付トルク力を軽減させるべく、継手本体あるいは袋状ナット側のテーパ面の角度を、リング状抜止め部材側のテーパ面の角度よりも大に設定することは従来周知の技術手段である(例えば、特開平5-149491号公報の第4頁第6欄10〜12行及び図4、実願昭60-17984号(実開昭61-135087号)のマイクロフィルム、実願昭58-198996号(実開昭60-107683号)のマイクロフィルム、実願昭48-21643号(実開昭49-125318号)のマイクロフィルム参照。)から、引用例発明において、継手本体側のテーパ面の角度を、リング状抜止め部材側のテーパ面の角度よりも大に設定して、本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

そして、本願発明の効果は、引用文献に記載された発明及び周知技術から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、本願の出願前に国内において頒布された引用文献に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-02-28 
結審通知日 2006-03-07 
審決日 2006-03-22 
出願番号 特願平11-319403
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F16L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 谷口 耕之助  
特許庁審判長 小椋 正幸
特許庁審判官 原 慧
櫻井 康平
発明の名称 管継手の構造  
代理人 鈴江 孝一  
代理人 鈴江 正二  
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