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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1135840
審判番号 不服2002-9614  
総通号数 78 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2001-02-06 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-05-29 
確定日 2006-05-11 
事件の表示 平成11年特許願第204609号「弾球遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 2月 6日出願公開、特開2001- 29597〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成11年7月19日の出願であって、平成13年10月5日付で拒絶理由通知がなされ、同年12月13日付で手続補正がなされ、平成14年4月24日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年5月29日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年6月26日付で手続補正がなされたものである。

2.平成14年6月26日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成14年6月26日付の手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、

「遊技者に有利な第1状態と不利な第2状態とに変換可能な可変入賞手段(16)と、図柄始動手段(15)が遊技球を検出することを条件に、複数個の図柄がリーチパターンを含む所定演出表示を行いながら所定時間変動して停止する図柄表示手段(21)と、該図柄表示手段(21)の変動後の停止図柄が特定図柄の組み合わせとなることを条件に、前記可変入賞手段(16)を第2状態から第1状態に変換させて遊技者に有利な利益状態を発生させる利益状態発生手段(50)とを備えた弾球遊技機において、前記リーチパターン、該リーチパターンの出現率、該リーチパターンの信頼度を含む前記所定演出表示に関する情報を記憶する演出表示情報記憶手段(44)と、前記利益状態の発生中に前記演出表示情報記憶手段(44)の前記演出表示情報を読み出して前記図柄表示手段(21)に大当たり画像と交互に表示させる演出情報表示制御手段(48)とを備えたことを特徴とする弾球遊技機。」

と補正された。

上記補正は、平成13年12月13日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記利益状態の発生中に前記演出表示情報記憶手段(44)の前記演出表示情報を読み出して前記図柄表示手段(21)に表示させる演出情報表示制御手段(48)」を「前記利益状態の発生中に前記演出表示情報記憶手段(44)の前記演出表示情報を読み出して前記図柄表示手段(21)に大当たり画像と交互に表示させる演出情報表示制御手段(48)」と限定するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成15年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開平9-66144号公報(以下、引用例1という。)には、図面とともに、
「表示制御手段の制御に基づいて可変表示部を可変表示する可変表示装置を備え、前記可変表示部に表示される表示結果が予め定めた特定表示結果を導出したときに特定遊技状態を発生し得る弾球遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記可変表示部に遊技機の性能に係る情報を表示する情報表示手段を備えた・・・弾球遊技機。」(特許請求の範囲、請求項1)、
「前記可変表示部への特定表示結果の導出率を前記情報表示手段による遊技機の情報とした・・・。」(特許請求の範囲、請求項2)、
「前記特定遊技状態の発生に伴って遊技者が獲得し得る価値内容を前記情報表示手段による遊技機の情報とした・・・。」(特許請求の範囲、請求項3)、
「前記特定表示結果は、前記特定遊技状態の発生に加えて特別遊技状態を発生し得る特別表示結果を包含し、該特別表示結果に関する内容を前記情報表示手段による遊技機の情報とした・・・。」(特許請求の範囲、請求項4)、
「【発明の属する技術分野】
本発明は、表示制御手段の制御に基づいて可変表示部を可変表示する可変表示装置を備え、前記可変表示部に表示される表示結果が予め定めた特定表示結果を導出したときに特定遊技状態を発生し得る弾球遊技機に関するものである。」(段落【0001】)、
「【従来の技術】
従来、一般に、弾球遊技機としてのパチンコ遊技機に設けられる可変表示装置は、複数列の可変表示部で識別情報(図柄)を可変表示し、各可変表示部の表示結果が予め定めた特定表示結果(大当り図柄)となったときに特定遊技状態を発生して遊技者に特定の遊技価値を付与するようになっていた。・・・。」(段落【0002】)、
「【発明が解決しようとする課題】
・・・、上記従来の遊技機では、遊技機内のメモリに大当り確率等の情報がプログラムされることで大当り確率等が事前に遊技設定されてはいるものの、設定された情報は、取り分け遊技者に報知されることがないので、遊技者は、各種遊技機毎の設定を遊技前に把握することができない。また、遊技者は、大当り図柄の導出率、即ち大当り確率・・・確率変動に関する事項(・・・)を把握することにより遊技する遊技機を選択しているが、遊技機によっては、大当り組合せ等の若干の仕様情報を・・・遊技領域外の一隅に配置したものがあるが、これでは情報が制限されると共に必ずしも配置されるものではなく、遊技者が遊技機の性能を把握できないという問題を有していた。本発明は、・・・、大当り確率等の遊技機の情報を可変表示部に表示することで遊技設定の把握を可能にし得る弾球遊技機を提供することにある。」(段落【0003】)、
「【課題を解決するための手段】
表示制御手段は、可変表示部に遊技機の性能に係る情報を表示する情報表示手段を備えたので、遊技者が視認し易い可変表示部により多くの遊技機情報を表示することができる。また、遊技者は遊技設定の事前把握が可能になり、安心して遊技を行うことができる。・・・。」(段落【0004】)、
「・・・、情報表示手段による遊技機の情報としては、可変表示部への特定表示結果の導出率(大当り確率)・・・等を表示情報とすることができ、・・・る。」(段落【0005】)、
「【発明の実施の形態】
・・・、図1を参照して実施形態に係る弾球遊技機(図示ではパチンコ遊技機)の遊技盤1の構成について・・・。遊技領域3のほぼ中央には、左・中・右の各特別図柄表示部(可変表示部)33a〜33cでの識別情報(以下、特別図柄という)の可変表示(以下、変動ともいう)を可能にする可変表示装置としての特別可変表示装置30が配置されている。・・・。」(段落【0006】)、
「特別可変表示装置30の下方には、特別図柄の変動を許容する始動機能を有する普通可変入賞球装置4が配置され・・・、その普通可変入賞球装置4には入賞した打玉を検出する始動玉検出器7が設けられている。・・・。」(段落【0007】)、
「・・・、普通可変入賞球装置4の下方には、・・・特別可変入賞球装置8が配置され・・・。特別可変入賞球装置8の中央部には、特別可変入賞口10が開設されており、該特別可変入賞口10は、ソレノイド11による開閉板12の可動によって開閉制御されるようになっている。・・・。」(段落【0008】)、
「・・・特別可変入賞球装置8は、・・・、打玉が普通可変入賞球装置4に入賞して始動玉検出器7をONさせると、特別可変表示装置30が変動を開始し、一定時間が経過すると、例えば左・右・中の順で特別図柄が確定され、その確定された図柄の組み合せが所定の大当り組合せ(同一図柄のゾロ目)となったときに特定遊技状態(大当り遊技状態ともいう)となる。そして、この特定遊技状態においては、特別可変入賞球装置8の開閉板12が所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞玉が発生するまで開放する(開放サイクル)ように設定され、・・・る。・・・。」(段落【0009】)、
「・・・、本発明の特定遊技状態とは、上記に限らず以下に示す(1)〜(5)の制御のうちいずれか1つの制御又は組合せた制御を実行する状態であればよい。」(段落【0010】)、
「(1) 打玉の入賞を容易にする第一の状態と、打玉が入賞できない・・・第二の状態と、に変化可能な可変入賞球装置に対して・・・する制御
(2) ・・・、打玉の入賞を容易にする第一の状態と、打玉が入賞できない・・・第二の状態と、に変化可能な可変入賞球装置に対して・・・する制御
(3) ・・・制御
(4) ・・・制御
(5) ・・・制御
・・・。特別可変表示装置30は、・・・、左・中・右の特別図柄を個々に可変表示する各特別図柄表示部33a〜33cを有するCRT表示器33・・・が設けられる・・・。」(段落【0011】)、
「・・・CRT表示器33の特別図柄表示部33a〜33cに表示される左・中・右の各特別図柄について・・・。左・中・右の各特別図柄は、図5に示すように、それぞれ「1〜9・A〜G」の16種類から構成されており、これら左・中・右の各図柄には、・・・(図6・・・)の各ランダム数が対応して設けられている。大当り図柄の組合せは、左・中・右の各図柄が同一図柄にて揃った組合せであ・・・る。・・・CRT表示器33は、・・・所定態様を報知するための表示及び遊技機の仕様(性能)等の情報表示を行うようになっている。」(段落【0013】)、
「・・・遊技装置は、・・・遊技制御回路によって制御される。図2及び図3は、遊技制御回路をブロック構成で示す回路図であり、図示しないMPU、ROM、RAM、及び入出力回路を含み本発明の表示制御手段をなす基本回路41によって制御されている。しかして、基本回路41は、入力回路42を介して始動玉検出器7、・・・からの検出信号が入力され、アドレスデコード回路43から基本回路41にチップセレクト信号が与えられる。・・・。」(段落【0014】)、
「・・・、基本回路41からは、・・・、CRT回路46を介してCRT表示器33に表示制御信号が与えられ、・・・、ソレノイド回路48を介して各ソレノイド5・11に駆動信号が与えられ、・・・る。・・・。」(段落【0015】)、
「・・・CRT回路46を介して表示制御信号を受け取るCRT表示器33は、図4に示す画像表示制御基板60を備えており、この画像表示制御基板60は、CPU61、WRAM(ワークRAM)62、ROM63、VCE(ビデオカラーエンコーダ)64、VDC(ビデオディスプレイコントローラ)65、及び各VRAM(ビデオRAM)66・67から構成されている。そして、CRT回路46側には、CN(コネクタ)68を介してCPU61が接続される一方、CRT表示器33の表示部(特別図柄表示部33a〜33c)側には、CN69を介してCPU61とVCE64とが接続される。」(段落【0016】)、
「・・・CPU61は、・・・CRT回路46側から与えられる画像表示のためのコマンド(表示制御信号)を受け取る。そして、CPU61は、ROM63に格納されている画像表示用のプログラム及びデータに基づいて・・・画像表示のための処理を行う。ROM63に格納されている画像表示用のデータには、CRT表示器33の表示部に表示される識別情報(図柄)や報知情報等に関する画像データが含まれる。」(段落【0017】)、
「CPU61の処理手順・・・。CPU61は、受け取ったコマンドに従ってROM63から画像表示用のデータを読み出し、このデータをVDC65に与える。このとき、CPU61は、画像データの他に表示のための座標及びスクロール等のVRAMコントロール用のデータもVDC65に与える。VDC65は、識別情報や報知情報等に関する画像表示用のデータを受け、これらのデータをそれぞれ各VRAM66・67に割り付けると共に、色・・・等に関する加工を行う。VDC65は、そのようにして作成された画像表示用のデータをVCE64に与える。VCE64は、各VRAM66・67からそれぞれ与えられたデータを表示部で表示するための復号同期信号に変換し、この信号を・・・表示部に与える。」(段落【0018】)、
「・・・。特別可変表示装置30では、図6に示すような5種類のランダム数が使用されており、・・・。WC RND RCHは、「0〜99」の100通りの数値が0.002秒毎及び割り込み処理の余り時間に1ずつ加算されることで刻々と変化するものである。」(段落【0019】)、
「・・・。図11において、普通可変入賞球装置4に打玉が入賞し始動玉検出器7(図11中には、始動口入賞と記載)が始動信号を導出すると、その始動信号の立ち上がり時に、WC RND1及びWC RND Cから数値を抽出してこれを格納する。その後、始動信号の立ち上がりより0.002秒後には、格納したWC RND1を読み出して判定を行い、その0.002秒後には、WC RND L・R及びWC RND RCHから数値を抽出すると共に、格納したWC RND Cの読み出しを行う。そして、始動信号の立ち上がりより0.300秒後に、左・中・右の全図柄列を変動パターンAにて変動させる。その後、左図柄列は、・・・変動パターンAにて変動された後、・・・変動パターンBにて変動されて停止する。右図柄列は、・・・変動パターンAにて変動された後、・・・変動パターンBにて変動されて停止する。・・・。」(段落【0022】)、
「・・・、中図柄は、図12に示すように、リーチ以外のとき、・・・変動パターンAにて変動された後、・・・変動パターンBにて変動されて停止する。また、リーチ1での中図柄は、変動パターンAでの7.220秒間の変動の後に5.628秒間の変動パターンCにて変動され、その後0〜8.288秒間変動パターンCにて変動されて停止する。リーチ2・・・。リーチ3での中図柄は、・・・変動されて停止する。」(段落【0023】)、
「・・・、リーチ4・・・。リーチ5・・・。リーチ6での中図柄は、・・・変動されて停止する。なお、上記したリーチ1〜6の選択は、図11中に記載の各条件1〜3及び前記WC RND RCHの抽出値に基づいて設定されるものであり、具体的には図12及び図13に示す通りである。・・・。」(段落【0024】)、
「・・・、特別可変表示装置30の変動終了後の動作について・・・、変動の結果、大当り図柄の組合せとなった場合では、図16(A)に示すように、中図柄の変動停止から1.300秒後に大当りの判定を行う。そして、この大当り判定から6.000秒後に特別可変入賞球装置8の開閉板12(図16中には、大入賞口と記載)を29.500秒間開放し、・・・開放終了から2.000秒が経過すると、再度開閉板12の開放動作を繰り返す。・・・。一方、変動の結果、外れ図柄の組合せとなりその時点で特別図柄の始動記憶がある場合では、・・・、中図柄の変動が停止して1.104秒が経過すると、左・中・右の各図柄列の変動が順次開始される。なお、この場合、中図柄の変動停止から0.800秒後に格納したWC RND1の読み出し及び判定を行い、その0.004秒後には、WC RND L・R・RCHの抽出を行うと共に格納したWC RND Cの読み出しを行う。・・・。」(段落【0027】)、
「・・・、CRT表示器33での所定態様報知及び情報表示の各種画像制御及び具体的な画像について・・・。なお、・・・、3分割の特別図柄表示部33a〜33cに換えた表示画面全体を便宜上、可変表示部33dとして記載する・・・。」(段落【0032】)、
「・・・、デモ表示の制御・・・。図27において、普通可変入賞球装置4の始動玉検出器7(図27中には、始動SWと記載)がONしたか否か、即ち特別図柄の変動の有無を判別し(S11)、・・・図柄変動がない場合は、・・・未入賞時点から30秒が経過したか否かを判別し(S14)、・・・、30秒が経過しているときはAの値を判別する(S15)。・・・、Aの値が「0」の場合は、・・・機種名のボード71aを持ったキャラクター71を可変表示部33dに表示することで機種名の情報表示を行う(S16)。・・・。」(段落【0034】)、
「・・・Aの値が「1」となる場合は、・・・遊技方法を説明するキャラクター72を可変表示部33dに表示することで遊技説明の情報表示を行う(S20)。・・・Aの値が「2」となる場合は、図37(C)に示すように大当り確率等の情報が記されたボード73aを指し示して機種仕様を説明するキャラクター73を可変表示部33dに表示することで機種仕様の情報表示を行う(S24)。・・・、S24の処理制御が本発明の情報表示手段を構成するものである。また、S24で表示される図37(C)の画像は、「大当り確率」・・・を機種仕様としてボード73aに表示しているが、ボード73aに表示される機種仕様は、図38に示すように「大当り確率」から「時間短縮回数」までの各縦列項目であり、この縦列項目を順次スクロール表示することで多項目の情報を遊技者に報知するようになっている。」(段落【0035】)、
「・・・ボード73aに表示される機種仕様の各項目について・・・。「大当り確率」は、大当りとなる確率値を報知するものである。・・・。「大当り」は、大当りとなる図柄(複数桁の場合はその組合せ)及びその数を報知する。「ラッキーNO」・・・。「最高継続回数」と「最高入賞個数」を報知する・・・「最高開成時間」を加えて報知してもよい。「賞球個数」・・・を報知する・・・、各入賞毎に対応させて報知してもよい。「確変突入率」・・・。「確変継続率」・・・。「時間短縮回数」は、・・・、その状態に入る条件を加えて報知してもよい。以上の報知内容は、遊技の勝ち負けに関わるデータであり、遊技者にとって有利なものか否かを判断する要素となり得る。また、「リーチ確率」は、リーチの発生率を報知するものである。「リーチ種類」は、複数種類のリーチ態様の名称や各リーチ発生時の大当り確率を報知しており、各リーチを実演して報知してもよい。「ランク表示」は、特定の情報において・・・、特に初心者においては・・・有効的な表示である。また、特定の情報は、前述した各情報であってもよいが、これに示すのは大当り確率と大当り出玉とを演算した値により、遊技機A・B・Cのうちどの位置になるかを表示していて、演算の対象となる情報は他のものであってもよい。なお、機種仕様の表示項目(情報)は、図38に記載の情報に限定するものではない。」(段落【0036】)、
「・・・本実施形態では、機種名、遊技説明、及び機種仕様のデモ表示を所定時間毎に順次繰り返して行うようになっている。・・・。機種仕様のデモ表示は、遊技をする人がどの様なゲーム仕様であるか分かり、ひいては遊技者の安心感を高めることができ、・・・る。また、このような機種仕様のデモ表示では、遊技者が視認し易い位置の可変表示部(CRT表示器)にスクロール表示で遊技機情報を表示するため、より多くの遊技機情報を遊技者に報知することができる。」(段落【0037】)、
「・・・、リーチ表示の処理制御・・・。図28において、先ず、リーチであるか否かを判別する(S31)。S31でリーチになる場合は、次にこのリーチが確変リーチであるか否かを判別する(S32)。・・・通常リーチの表示を行う(S33)・・・。また、大当り表示の処理制御・・・、図29において、先ず、大当りであるか否かを判別する(S41)。・・・通常大当りの表示を行う(S43)・・・。また、上記S33・・・でのリーチ表示画像、及びS43・・・での大当り表示画像は、図39(A)に示すようにボード74aを指し示すキャラクター74が可変表示部33dに表示された画像である。なお、図39(A)の画像は、ボード74aに「リーチ!」の文字が記された通常リーチ用の表示画像であり、・・・、通常大当りなら「大当り!」、・・・にそれぞれボード74aの文字が換えられる。また、このようなリーチ及び大当りの表示画像としては、図39(B)に示すように旗75aを持つキャラクター75を特別図柄表示部33a〜33cに重畳表示した画像であってもよい。図39(B)の画像は、旗75aに「リーチ!」の文字が記された通常リーチ用の表示画像であり、・・・、通常大当り、・・・の場合は、その都度前記図39(A)の画像と同様に旗75aの文字を換える。」(段落【0038】)、
「・・・本実施形態では、リーチ及び大当りの決定時、これをキャラクター報知するようになっているため、これら大当り決定等の所定態様がより分かり易い。・・・。なお、リーチ決定の表示については、通常リーチ・・・に限定せず、スーパーリーチ(大当り信頼度が高いリーチ)、・・・等、様々なリーチ種類に応じた表示内容のキャラクター報知を行うことが可能であり、大当り決定の表示についても同様に様々な大当り図柄の種類に応じた表示内容のキャラクター報知が可能である。」(段落【0039】)、
「・・・、始動表示の処理制御・・・。図30において、普通可変入賞球装置4の始動玉検出器7(図30中には、始動SWと記載)がONしたか否か、即ち始動入賞の有無を判別し(S51)、・・・、S53でカウンターSが「100」に到達した場合は、図39(C)に示すようにメガホン76aを持って応援するキャラクター76を可変表示部33dに表示することで応援のキャラクター表示を行い(S56)、・・・、メインフローに復帰する。なお、図39(C)のキャラクター表示画像では、キャラクター76があたかも応援するようにメガホン76aから「がんばれ」の文字が発せられる表示を行う・・・。」(段落【0040】)、
「・・・、大当り中表示の処理制御・・・、図31において、大当り中か否かの判別を行い(S61)、大当り中であれば、・・・特別可変入賞口10への入賞の有無を判別する(S62)。そして、・・・入賞が有ると・・・図40(A)に示すように特別可変入賞口10への入賞玉数(・・・、「8個目」と記載)が記された旗77aを持ったキャラクター77を可変表示部33dに表示することで入賞玉の10カウント表示を行う(S64)。なお、図40(A)の表示画像には、大当りを確定した図柄33e(図40(A)には、「777」と記載)が左上端部に表示されるものである。その後は、・・・カウンターVが「1」でない場合は、・・・V入賞の有無を判別し(S67)、V入賞が有ると・・・V入賞の表示を行い(S69)、・・・V入賞の表示画像は、前記図40(A)のキャラクター77が持つ旗77aの文字が「V入賞」の文字に換えられたものである。」(段落【0042】)、
「・・・、S72の終了表示の画像は、図40(B)に示すようにメガホン78aを持ったキャラクター78が可変表示部33dに表示され、この画像の左上端部には、大当りを確定した図柄33e(図40(B)には、「777」と記載)が同時に表示されるものである。なお、図40(B)の表示画像は、・・・パンク表示のものでりあり、実際にはメガホン78aから発せられる文字が大当り終了を告げる文字に換えられたものである。・・・。」(段落【0043】)、
「・・・、S75の表示画像は、図40(B)に示すようにキャラクター78があたかもパンク発生を告げるようにメガホン78aから「Vに玉が入らなかったのでおわりだよ」の文字が発せられる表示を行うと共に「終了」の文字78bを表示する。・・・S78の継続表示の画像は、前記図40(B)に示すメガホン78aからの文字が継続を告げる文字に換えられたものである。・・・。」(段落【0044】)、
「・・・本実施形態では、10カウント表示、V入賞表示、終了表示、継続表示、及びパンク表示を大当り中表示として行うようになっている。10カウント表示は、特別可変入賞球装置8への入賞確認が容易になる。V入賞表示は、継続権が成立したことの確認が容易になると共に継続による遊技者の感激を高めることができる。また、終了、継続、あるいはパンクの各表示は、各々の態様が決定したことが分かり易い。」(段落【0045】)、
「・・・、動作状態表示の処理制御・・・。図33において、・・・、S85及びS86の時短中表示の画像は、図41(B)に示すように残りの時間短縮回数(図41(B)には、「あと19回」と記載)が記されたボード80aを持ったキャラクター80を可変表示部33dに図柄変動毎に変動画面を切り換えて表示するものである。また、・・・所定回(始動10回毎)に表示するようにしてもよく、さらには・・・変動画面の一部に重畳表示してもよい。また、S85での表示画像とS86での表示画像との違いとしては、相互に異なったキャラクターを表示させたり、あるいは画像色を異ならせることで可能である。」(段落【0046】)、
「・・・、本実施形態でのキャラクターとは、人間を模倣した表示部を示しているが、これに限らず生物や植物さらには一般的にそれ自体で一個体として意味を持つものであればよい。」(段落【0049】)、
「【発明の効果】
・・・、本発明においては、表示制御手段は、可変表示部に遊技機の性能に係る情報を表示する情報表示手段を備えたので、遊技者が視認し易い可変表示部により多くの遊技機情報を表示することができる。また、遊技者は遊技設定の事前把握が可能になり、安心して遊技を行うことができる。・・・。」(段落【0058】)、
との記載が認められる。
また、上記摘記事項および図39より、CRT表示器33が、左・中・右の特別図柄を個々に可変表示する各特別図柄表示部33a〜33cを有し、所定態様を報知するための表示及び遊技機の仕様(性能)等の情報表示を行うようになっており、リーチ及び大当りの表示画像として、図39(B)に示すように旗75aを持つキャラクター75を特別図柄表示部33a〜33cの変動画面の一部に重畳表示した画像であってもよいことから、CRT表示器33は、「左・中・右の各特別図柄が旗75aを持つキャラクター75を含む所定態様報知を行い」えるものと認められ、また、上記摘記事項より、ROM63には画像表示用のプログラム及びデータ、特にCRT表示器33の表示部に表示される識別情報(図柄)や報知情報等に関する画像データが含まれる画像表示用のデータも格納され、それらを読み出して様々なリーチ種類に応じた表示内容の相互に異なったキャラクター報知を行うことが可能であることから、「旗75aを持つキャラクター75もROM63に記憶させる」ことができるものと認められ、また、上記摘記事項および図38より、機種仕様の表示項目(情報)が、図38に記載の情報に限定するものではないことから、「その他の機種仕様の情報もROM63に記憶させる」ことができるものと認められ、また、上記摘記事項および図38より、「リーチ種類」が、複数種類のリーチ態様の名称や各リーチ発生時の大当り確率を報知していることから、通常リーチ用の表示画像として、「旗75aを持つキャラクター75の期待度もROM63に記憶させる」ことができるものと認められ、また、上記摘記事項および図4・38より、CPU61が、受け取った画像表示のためのコマンドに従ってROM63から識別情報や報知情報等に関する画像表示用のデータを読み出し、この画像データの他に表示のための座標及びスクロール等のVRAMコントロール用のデータもVDC65に与えて、図38に示すような遊技機情報をスクロール表示で表示するための処理を行い、その際に各リーチを実演して報知してもよいことから、「CPU61は、ROM63の前記所定態様報知に関する情報を読み出して前記CRT表示器33にスクロール表示の中で表示させる」ことができるものと認められる。
これらの記載によれば、引用例1には、

「打玉の入賞を容易にする第一の状態と打玉が入賞できない第二の状態とに変化可能な特別可変入賞球装置8と、始動玉検出器7が入賞した打玉を検出し始動信号を導出すると、左・中・右の各特別図柄が旗75aを持つキャラクター75を含む所定態様報知を行いながら一定時間変動して停止するCRT表示器33と、該CRT表示器33の変動後の図柄の組み合せが所定の大当り組合せとなったときに、前記特別可変入賞球装置8を第二の状態から第一の状態に変化させて遊技者に特定の遊技価値を付与するソレノイド回路48とを備えた弾球遊技機において、前記旗75aを持つキャラクター75、その他の機種仕様の情報、該旗75aを持つキャラクター75の期待度を含む前記所定態様報知に関する情報を記憶するROM63と、図柄変動が未入賞時点から30秒が経過しているときに前記ROM63の前記所定態様報知に関する情報を読み出して前記CRT表示器33にスクロール表示の中で表示させるCPU61とを備えた弾球遊技機。」

との発明(以下「引用例1発明」という。)が開示されていると認めることができる。

(3)対比
そこで、本願補正発明と引用例1発明とを比較すると、引用例1発明の「打玉の入賞を容易にする第一の状態と打玉が入賞できない第二の状態とに変化可能な」、「特別可変入賞球装置8」、「始動玉検出器7」、「入賞した打玉を検出し始動信号を導出すると」、「左・中・右の各特別図柄」、「旗75aを持つキャラクター75」、「所定態様報知」、「一定時間変動」、「CRT表示器33」、「図柄の組み合せが所定の大当り組合せとなったときに」、「第二の状態から第一の状態に変化させて」、「遊技者に特定の遊技価値を付与する」、「ソレノイド回路48」、「旗75aを持つキャラクター75の期待度」、「ROM63」および「CPU61」は、本願補正発明の「遊技者に有利な第1状態と不利な第2状態とに変換可能な」、「可変入賞手段(16)」、「図柄始動手段(15)」、「遊技球を検出することを条件に」、「複数個の図柄」、「リーチパターン」、「所定演出表示」、「所定時間変動」、「図柄表示手段(21)」、「停止図柄が特定図柄の組み合わせとなることを条件に」、「第2状態から第1状態に変換させて」、「遊技者に有利な利益状態を発生させる」、「利益状態発生手段(50)」、「リーチパターンの信頼度」、「演出表示情報記憶手段(44)」および「演出情報表示制御手段(48)」に相当すると認められる。なお、本願補正発明の「リーチパターン」は、複数種類のリーチパターンのいずれか一つと認める。
また、引用例1発明の「その他の機種仕様の情報」、「図柄変動が未入賞時点から30秒が経過しているときに」および「スクロール表示の中で表示させる」と、本願発明の「該リーチパターンの出現率」、「前記利益状態の発生中に」および「大当たり画像と交互に表示させる」は、それぞれ順に「演算情報」、「特定の表示時期に」および「特定の表示方式で表示させる」で共通する。したがって、両者は、

「遊技者に有利な第1状態と不利な第2状態とに変換可能な可変入賞手段と、図柄始動手段が遊技球を検出することを条件に、複数個の図柄がリーチパターンを含む所定演出表示を行いながら所定時間変動して停止する図柄表示手段と、該図柄表示手段の変動後の停止図柄が特定図柄の組み合わせとなることを条件に、前記可変入賞手段を第2状態から第1状態に変換させて遊技者に有利な利益状態を発生させる利益状態発生手段とを備えた弾球遊技機において、前記リーチパターン、演算情報、該リーチパターンの信頼度を含む前記所定演出表示に関する情報を記憶する演出表示情報記憶手段と、特定の表示時期に前記演出表示情報記憶手段の前記演出表示情報を読み出して前記図柄表示手段に特定の表示方式で表示させる演出情報表示制御手段とを備えた弾球遊技機。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

相違点1、演出表示情報記憶手段に記憶する演算情報が、本願補正発明では、「リーチパターンの出現率」であるのに対して、引用例1発明では「その他の機種仕様の情報」である点、

相違点2、演出情報表示制御手段が演出表示情報を読み出して図柄表示手段に表示させる特定の表示時期が、本願補正発明では、「利益状態の発生中」であるのに対して、引用例1発明では「図柄変動が未入賞時点から30秒が経過しているとき」である点、

相違点3、演出情報表示制御手段が演出表示情報を読み出して図柄表示手段に特定の表示方式で表示させることにおいて、本願補正発明では、「大当たり画像と交互に表示させる」のに対して、引用例1発明では「スクロール表示の中で表示させる」点、

(4)判断
上記相違点について検討する。
相違点1について、引用例1には、WC RND RCHで「0〜99」の100通りの数値が0.002秒毎及び割り込み処理の余り時間に1ずつ加算されることで刻々と変化し、リーチ1〜6の選択は、各条件1〜3及び前記WC RND RCHの抽出値に基づいて設定されることが記載され、そして、図11〜13から推測すると、例えば、条件1の場合に、抽出した乱数値が「0〜71」の範囲であれば、リーチ1を選択することが理解できる。そして、各種条件に基づくリーチの出現率を設定することが周知(例えば、特開平8-182824号公報、特開平10-33772号公報参照)であり、このことから計算すると、条件1における旗75aを持つキャラクター75を重畳表示したリーチ1の選択率が72パーセントと見ることもできる。そこで、引用例1が図38に記載の情報に限定するものではないことを考慮すると、前記選択率を機種仕様の表示項目とすれば、前記条件1における旗75aを持つキャラクター75を重畳表示したリーチ1の選択率は「その他の機種仕様の情報」に包含できる。してみると、ROM等に演算情報を記憶するのに、前記引用例1発明の「その他の機種仕様の情報」に換えて、本願補正発明の「リーチパターンの出現率」とすることは、リーチの出現率などの演算における遊技者の期待感に影響を与えるどのような演算の結果を記憶対象とするかの違いであり、本願補正発明のリーチパターンの出現率を記憶することに格別の創意工夫を要したとはいえず、当業者が適宜なし得る程度の設計的事項である。

相違点2について、一般的に、大当り中の期間に各種リーチを紹介する画像をCRT表示器に表示することが周知(一例として、特開平8-266720号公報(段落【0035】等)参照)であり、演出情報表示制御手段が演出表示情報を読み出して図柄表示手段に表示させる特定の表示時期において、引用例1発明の「図柄変動が未入賞時点から30秒が経過しているとき」に表示させるのに代えて、前記周知のものを適用し、本願補正発明の「利益状態の発生中」に表示させるようにすることは、単に表示時期を変更したに過ぎず、当業者が必要に応じて容易に想到し得るものである。

相違点3について、遊技機分野において、大当り進行中に、複数の映像を交互に同一のパネル上に表示することにより、空間効率の向上が実現できることが従来周知(一例として、特開平6-63231号公報(段落【0193】等)参照)であり、演出情報表示制御手段が演出表示情報を読み出して図柄表示手段に表示させる特定の表示方式において、引用例1発明の「スクロール表示の中で表示させる」のに代えて、前記周知のものを適用し、本願補正発明の「大当たり画像と交互に表示させる」ようにすることは、当業者なら容易に想到できることであり、格別の創意工夫を要したとはいえない。

そして、本願補正発明が奏する効果は、引用例1発明および周知技術から当業者が予測し得るものであって格別のものとは認められない。

したがって、本願補正発明は、引用例1発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、平成15年改正前特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明について
平成14年6月26日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成13年12月13日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「遊技者に有利な第1状態と不利な第2状態とに変換可能な可変入賞手段(16)と、図柄始動手段(15)が遊技球を検出することを条件に、複数個の図柄がリーチパターンを含む所定演出表示を行いながら所定時間変動して停止する図柄表示手段(21)と、該図柄表示手段(21)の変動後の停止図柄が特定図柄の組み合わせとなることを条件に、前記可変入賞手段(16)を第2状態から第1状態に変換させて遊技者に有利な利益状態を発生させる利益状態発生手段(50)とを備えた弾球遊技機において、前記リーチパターン、該リーチパターンの出現率、該リーチパターンの信頼度を含む前記所定演出表示に関する情報を記憶する演出表示情報記憶手段(44)と、前記利益状態の発生中に前記演出表示情報記憶手段(44)の前記演出表示情報を読み出して前記図柄表示手段(21)に表示させる演出情報表示制御手段(48)とを備えたことを特徴とする弾球遊技機。」

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、および、その記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(4)」に記載したとおり、引用例1発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例1発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-03-02 
結審通知日 2006-03-07 
審決日 2006-03-28 
出願番号 特願平11-204609
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小林 英司  
特許庁審判長 二宮 千久
特許庁審判官 林 晴男
宮本 昭彦
発明の名称 弾球遊技機  
代理人 谷藤 孝司  
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