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審決分類 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない。 A61K
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61K
管理番号 1136100
審判番号 不服2001-11863  
総通号数 78 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-11-09 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-07-09 
確定日 2006-05-10 
事件の表示 平成11年特許願第 77756号「慢性狭窄性肺疾患、気管支炎及び呼吸器疾患を治療する薬用植物組成物、並びに該組成物の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成11年11月 9日出願公開、特開平11-310535〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯

本願は、平成11年3月28日(優先権主張 1998年3月23日 インド)の出願であって、平成13年3月30日付で拒絶査定がなされ、これに対し、平成13年7月9日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年8月8日付で手続補正がなされたものである。

2.平成13年8月8日付の手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成13年8月8日付の手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願発明

本件補正は本願明細書の特許請求の範囲(請求項1〜23)を補正し請求項1〜12とするものであり、そのうち請求項1についての補正は

「【請求項1】 慢性狭窄性肺疾患、気管支炎および呼吸器疾患を治療する薬用植物組成物であって、該活性成分が、
(a)以下の少なくとも2つから抽出された物質の75-100重量%と:
ブリオニア
イペカクアンハ
ドロセラ;および
(b) 酒石酸アンチモニルカリウム - 100重量%まで
とを含有する組成物。」

「【請求項1】 慢性狭窄性肺疾患を治療する薬用植物組成物であって、
ブリオニア |
イペカクアンハ | 80-90重量%:
ドロセラ |
および
酒石酸アンチモニルカリウム - 10-20重量%
を含有する組成物。」
と補正するものである。

上記補正は、請求項1の発明における(a)成分の配合量75-100重量%を80-90重量%に、(b)成分の配合量を0〜25重量%から10-20重量にそれぞれ限定するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

これに対し当審では、本願明細書の段落番号[0060]から[0166]に記載の臨床試験に用いた薬物DCBT1234が、同段落番号[0056]に記載の毒性試験において使用したブリオニア、イペカクアンハ、ドロセラおよび酒石酸アンチモニカルカリウムを25:25:25:25の重量%で含有する組成物であると解されるとしても、抗住血吸虫活性及び催吐活性は知られているがその他の作用は知られていない酒石酸アンチモニカルカリウムを、慢性狭窄性肺疾患(以下、COPDという。)の治療にあたり、ブリオニア、イペカクアンハ、ドロセラと併用することの技術的意義が不明であることを審尋により指摘したが、何ら応答がない。
そして、酒石酸アンチモニカルカリウムをCOPDの治療に使用する意義が不明である以上、補正後の本願請求項1に記載の発明は当業者が容易に実施できる程度に記載されているとはいえない。
そうすると、本願明細書の発明の詳細な説明の項における補正後の請求項1の発明についての記載に不備があるから、特許法第36条第4項の要件を満たすものではなく、本出願は特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明について

平成13年8月8日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成12年2月29日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。

「【請求項1】 慢性狭窄性肺疾患、気管支炎および呼吸器疾患を治療する薬用植物組成物であって、該活性成分が、
(a)以下の少なくとも2つから抽出された物質の75-100重量%と:
ブリオニア
イペカクアンハ
ドロセラ;および
(b) 酒石酸アンチモニルカリウム - 100重量%まで
とを含有する組成物。」
そして、(a)成分を80-90重量%に、(b)成分を10-20重量%と限定した本願補正発明についてその成分の配合の技術的意義が本願明細書の発明の詳細な説明からは不明である以上、これをを包含する本願発明にしても同様に当業者はその配合の意義を理解することができず、容易に実施することができないものである。

(3)むすび

以上のとおり、本願明細書の発明の詳細な説明には、通商産業省令で定めるところの当業者が容易に実施できる程度の明確かつ十分な記載を欠くものであるから、本出願は特許法第36条第4項の規定に違反し特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-11-25 
結審通知日 2005-11-29 
審決日 2005-12-13 
出願番号 特願平11-77756
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A61K)
P 1 8・ 536- Z (A61K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鶴見 秀紀  
特許庁審判長 森田 ひとみ
特許庁審判官 谷口 博
亀田 宏之
発明の名称 慢性狭窄性肺疾患、気管支炎及び呼吸器疾患を治療する薬用植物組成物、並びに該組成物の製造方法  
代理人 白根 俊郎  
代理人 坪井 淳  
代理人 村松 貞男  
代理人 橋本 良郎  
代理人 鈴江 武彦  

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