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審決分類 審判 全部無効 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正を認める。無効とする(申立て全部成立) H04N
審判 全部無効 2項進歩性 訂正を認める。無効とする(申立て全部成立) H04N
管理番号 1136740
審判番号 無効2004-35164  
総通号数 79 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-11-15 
種別 無効の審決 
審判請求日 2004-03-26 
確定日 2006-03-28 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3447718号「データ転送システムおよびファクシミリ送信システム」の特許無効審判事件についてされた平成16年11月 9日付け審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の決定(平成16年行ケ第545号平成17年2月28日)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 特許第3447718号の請求項1ないし13に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 1.手続の経緯・当事者の主張
(1)本件特許第3447718号の請求項1ないし14に係る発明についての出願は、平成13年4月27日に出願され、平成15年7月4日にその発明について特許の設定登録がされたものである。
(2)これに対して、平成16年3月26日に請求人は、本件特許の請求項1ないし14に係る発明の特許を無効とする、との審決を求めて本件無効審判の請求をし、その理由として、
ア 本件特許の請求項1ないし14に係る発明は、甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明することができたものであり、したがって、同発明は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたと主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出している。
また、
イ 特許請求の範囲の請求項13の記載は、特許を受けようとする発明が明確でないから、特許法第36条第6項第2号の規定に違反してなされたと主張している。
(3)これに対して、被請求人は、本件特許の請求項1ないし14に係る発明は、甲第1号証ないし甲第5号証に記載も示唆もされていないものであるので、甲第1号証ないし甲第5号証に記載の発明から容易に発明をすることができたものではない旨主張している。
(4)その後、平成16年11月9日に上記請求は成り立つとする審決がなされたところ、東京高等裁判所において特許法第181条第2項の規定により審決取消の決定(平成16年(行ケ)第545号、平成17年2月28日)があったので、本件について更に審理する。
(5)被請求人は、特許法第134条の3第3項の規定により訂正審判(2005-39032号)の平成17年2月22日付け請求書に添付した訂正した明細書又は図面を援用して、平成17年3月22日に訂正を求めた。
なお、この訂正請求により、平成16年6月18日付け訂正請求は、特許法第134条の2第4項の規定により取り下げられたものと見なされる。
(6)被請求人は、平成17年3月22日の訂正請求において、
(主張ア)本発明のポイントは、送信対象データをプリンタドライバで、送信先を、アプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムでと、送信プログラムを2つに分けたことにあり、このポイントを無視することは誤りである旨、
(主張イ)個々の相違点について公知文献と対比して進歩性を判断することは誤りである旨、
(主張ウ)最終送信先が決められている送信対象データについて、送信対象データをプリンタドライバで、送信先をブラウザから指定させるというような分割方法は、特殊であり、証拠を挙げることもなく、これを設計事項と認定することは認められない旨、
(主張エ)本件特許発明1は、アプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないという制約のあるブラウザを用いたデータ転送ができるという効果を奏し、この制約があるため当業者はブラウザプログラムとの組み合わせを考えない旨、
を主張している。

2.訂正の適否
(1)訂正の内容
被請求人が求めている訂正の内容は、以下のとおりである。
ア 訂正事項a
本件特許明細書の発明の名称を「データ転送方法およびファクシミリ送信システム」と訂正する。
イ 訂正事項b
本件特許明細書の特許請求の範囲を次のとおりに訂正する。
「【請求項1】A )以下のa1),a2)を備え
a1)指定された送信先へ送信対象データをファクシミリ送信するサーバ、
a2)前記サーバにネットワーク接続されたクライアント、
前記サーバは前記クライアントから送信対象データおよび送信先データを受け取ると、指定された送信先へ前記送信対象データを送信するファクシミリ送信システムであって、
B)前記クライアントにはプリンタドライバとして、以下のような自動通信処理プログラムがインストールされており、
b1)送信対象データ作成可能アプリケーションプログラムにて、作成された送信対象データの出力先を制御するプリンタードライバとして選択されて、送信対象データが出力指定されると、前記サーバに当該送信対象データを送信先の特定されていない送信対象データとして送信し、
b2)その後、前記クライアントの、アプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムを起動して、定められた送信先データ作成画面データを生成するURIにアクセスさせる、
C)前記サーバは、前記クライアントから送信された送信対象データを、前記送信先データ作成画面データで表示された画面にて入力された送信先データによって特定される送信先に、ファクシミリ送信すること、
を特徴とするファクシミリ送信システム。
【請求項2】ネットワーク接続されたサーバを介して、指定された送信先へ送信対象データをファクシミリ送信するクライアントであって、
送信対象データ作成アプリケーションプログラムから送信先の特定されていない送信対象データを受け取り、その送信対象データを前記サーバに送信するプリンタドライバがインストールされており、
前記プリンタドライバは、前記送信対象データを前記サーバに送信すると、アプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムによって前記送信対象データの送信先データを入力させる送信先データ入力画面を表示させること、
を特徴とするファクシミリ送信クライアント。
【請求項3】請求項1のファクシミリ送信システムにおいて、
前記サーバは、前記クライアントから個別セッションidが特定された送信対象データを受け取るとこれを記憶するとともに、前記送信対象データの送信先データを特定するためのウェブページを送信すること、
を特徴とするもの。
【請求項4】請求項3のファクシミリ送信システムにおいて、
前記サーバは、前記クライアントからセッション開始要求を受け取ると、個別セッションidを当該クライアントに送信すること、
を特徴とするもの。
【請求項5】請求項3または請求項4のファクシミリ送信システムにおいて、
前記送信対象データの送信先データを特定するためのウェブページの送信は、前記サーバが、前記クライアントから個別セッションidを特定するウェブページの送信要求を受け取って実行されること、
を特徴とするもの。
【請求項6】請求項1のファクシミリ送信システムまたは請求項2のファクシミリ送信クライアントにおいて、
前記クライアントは個別セッションidが特定された送信対象データを前記サーバに送信し、当該送信対象データの送信先データを特定するためのウェブページを送信させる送信要求を前記サーバに送信すること、
を特徴とするもの。
【請求項7】請求項6のファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信クライアントにおいて、
前記クライアントは、前記サーバにセッション開始要求を送信し、受け取った個別セッションidの前記送信対象データとして送信すること、
を特徴とするもの。
【請求項8】請求項6または請求項7のファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信クライアントにおいて、
前記クライアントは、前記サーバに対して個別セッションidを特定するウェブページの送信要求を送信し、前記送信対象データの送信先データを特定するためのウェブページを受信すると、これを表示すること、
を特徴とするもの。
【請求項9】請求項6〜請求項8のいずれかのファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信クライアントにおいて、
前記クライアントは、前記送信対象データ用の送信先をクライアントの操作者が指定するための画面データを受け取るためのリソース識別子を、前記ブラウザプログラムに渡して、起動すること、
を特徴とするもの。
【請求項10】ネットワーク接続されたサーバを介して、指定された送信先へ送信対象データをファクシミリ送信するクライアントとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータ可読のプログラムであって、
プリンタドライバとして、送信対象データ作成アプリケーションプログラムから送信先の特定されていない送信対象データを受け取り、その送信対象データを前記サーバに送信するとともに、前記送信対象データを送信した後、前記送信対象データの送信先データを入力させる送信先データ入力画面が表示されるように、アプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムを起動させる 、
ためのコンピュータ可読のプログラム。
【請求項11】指定された送信先へ送信対象データをファクシミリ送信するサーバにクライアントをネットワーク接続し、前記クライアントから送信対象データおよび送信先データを受け取ると、前記サーバは指定された送信先へ前記送信対象データを送信するファクシミリ送信方法であって、
前記クライアントは、送信対象データ作成可能アプリケーションプログラムにて作成された送信対象データの出力先を制御するプリンタードライバとして選択された状況で送信対象データが出力指定されると、前記サーバに当該送信対象データを送信先の特定されていない送信対象データとして送信するとともに、前記送信対象データの送信後、その送信先データを入力する画面を表示する画面データを受け取るためのリソース識別子をアプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムに与え、
前記サーバは、前記クライアントから送信された送信対象データを、前記送信先データを入力する画面にて入力された送信先データによって特定される送信先に、ファクシミリ送信すること、
を特徴とするファクシミリ送信方法。
【請求項12】ネットワーク接続されたサーバを介してクライアントから指定された送信先へ送信対象データをファクシミリ送信するファクシミリ送信方法であって、
前記クライアントから、送信対象データを送信先の特定されていない送信対象データとして送信対象データ作成アプリケーションプログラムの印刷コマンドから専用プリンタドライバを介して前記サーバに送信し、
前記送信対象データを前記サーバに送信すると、前記クライアントの、アプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムによって前記送信対象データの送信先データを入力させる送信先データ入力画面を表示させること、
を特徴とするクライアントを用いたファクシミリ送信方法。
【請求項13】指定された送信先へ送信対象データをデータ転送するサーバにクライアントをネットワーク接続し、前記クライアントから送信対象データおよび送信先データを受け取ると、前記サーバは指定された送信先へ前記送信対象データを転送するデータ転送方法であって、
前記サーバは、前記クライアントの送信対象データ作成可能アプリケーションプログラムにて作成された送信先の特定されていない送信対象データが、プリンタードライバとして機能する通信プログラムを介して送信されるとこれを記憶しておき、
その後、前記クライアントから、前記送信対象データの送信先データを入力する画面を表示するための送信先データ作成画面データのダウンロード要求があると、前記サーバは当該クライアントの、アプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムに前記通信プログラムを介して送信された送信対象データの送信先を特定する送信先データ作成画面データを送信し、
前記クライアントから送信された送信対象データを、前記送信先データ作成画面データに対して返信された送信先データによって特定される送信先に、転送すること、
を特徴とするデータ転送方法。」
ウ 訂正事項c
特許明細書の段落0014ないし0025を次のとおりに訂正する。
「【0014】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
1)本発明にかかるファクシミリ送信システムは、A )以下のa1),a2)を備え、a1)指定された送信先へ送信対象データをファクシミリ送信するサーバ、a2)前記サーバにネットワーク接続されたクライアント、前記サーバは前記クライアントから送信対象データおよび送信先データを受け取ると、指定された送信先へ前記送信対象データを送信するファクシミリ送信システムであって、B)前記クライアントにはプリンタドライバとして、以下のような自動通信処理プログラムがインストールされており、b1)送信対象データ作成可能アプリケーションプログラムにて、作成された送信対象データの出力先を制御するプリンタードライバとして選択されて、送信対象データが出力指定されると、前記サーバに当該送信対象データを送信先の特定されていない送信対象データとして送信し、b2)その後、前記クライアントの、アプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムを起動して、定められた送信先データ作成画面データを生成するURIにアクセスさせる、C)前記サーバは、前記クライアントから送信された送信対象データを、前記送信先データ作成画面データで表示された画面にて入力された送信先データによって特定される送信先に、ファクシミリ送信する。したがって、クライアントの操作者は、前記アプリケーションプログラムにて作成した送信対象データを自動通信処理プログラムへ出力すれば、自動的にブラウザプログラムが起動して、表示画面にしたがい、送信先データを入力すれば、所望の相手にファクシミリが可能となる。
【0015】
3)本発明にかかるファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信サーバにおいては、前記サーバは、前記クライアントから個別セッションidが特定された送信対象データを受け取るとこれを記憶するとともに、前記送信対象データの送信先データを特定するためのウェブページを送信する。したがって、複数の送信対象データを受け取った場合でも、送信先データと正確な関連づけが可能となる。
【0016】
4)本発明にかかるファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信サーバにおいては、前記サーバは、前記クライアントからセッション開始要求を受け取ると、個別セッションidを当該クライアントに送信する。このように、クライアントの要求に応じて、前記個別セッションidが発行されるので、複数の送信対象データを受け取った場合でも、送信先データと正確な関連づけが可能となる。
【0017】
5)本発明にかかるファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信サーバにおいては、前記送信対象データの送信先データを特定するためのウェブページの送信は、前記サーバが、前記クライアントから個別セッションidを特定するウェブページの送信要求を受け取って実行される。したがって、前記サーバは個別セッションidを発行して、クライアントからのダウンロード要求があれば、これに対応するデータを送信することにより、複数の送信対象データを受け取った場合でも、送信先データとの正確な関連づけが可能となる。
【0018】
6)本発明にかかるファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信クライアントにおいては、前記クライアントは個別セッションidが特定された送信対象データを前記サーバに送信し、当該送信対象データの送信先データを特定するためのウェブページを送信させる送信要求を前記サーバに送信する。サーバは、かかる要求に応じて、前記個別セッションidが発行することにより、前記サーバは複数の送信対象データを受け取った場合でも、送信先データとの正確な関連づけが可能となる。
【0019】
7)本発明にかかるファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信クライアントにおいては、前記クライアントは、前記サーバにセッション開始要求を送信し、受け取った個別セッションidの前記送信対象データとして送信する。したがって、前記クライアントとサーバ間のデータ送受信を特定することができる。これにより、送信対象データと送信先データとの正確な関連づけが可能となる。
【0020】
8)本発明にかかるファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信クライアントにおいては、前記クライアントは、前記サーバに対して個別セッションidを特定するウェブページの送信要求を送信し、前記送信対象データの送信先データを特定するためのウェブページを受信すると、これを表示する。したがって、送信対象データと送信先データと正確な関連づけが可能となる。
【0021】
9)本発明にかかるファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信クライアントにおいては、前記クライアントは、前記送信対象データ用の送信先をクライアントの操作者が指定するための画面データを受け取るためのリソース識別子を、前記ブラウザプログラムに渡して、起動する。これにより、ブラウザプログラムに送信先データを入力する画面を自動表示することができる。
【0022】
11)本発明にかかるファクシミリ送信方法は、指定された送信先へ送信対象データをファクシミリ送信するサーバにクライアントをネットワーク接続し、前記クライアントから送信対象データおよび送信先データを受け取ると、前記サーバは指定された送信先へ前記送信対象データを送信するファクシミリ送信方法であって、前記クライアントは、送信対象データ作成可能アプリケーションプログラムにて作成された送信対象データの出力先を制御するプリンタードライバとして選択された状況で送信対象データが出力指定されると、前記サーバに当該送信対象データを送信先の特定されていない送信対象データとして送信するとともに、前記送信対象データの送信後、その送信先データを入力する画面を表示する画面データを受け取るためのリソース識別子をアプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムに与え、前記サーバは、前記クライアントから送信された送信対象データを、前記送信先データを入力する画面にて入力された送信先データによって特定される送信先に、ファクシミリ送信する。したがって、クライアントの操作者は、前記アプリケーションプログラムにて作成した送信対象データを所定のプリンタドライバへ出力すれば、自動的にブラウザプログラムが起動して、表示画面にしたがい、送信先データを入力すれば、所望の相手にファクシミリが可能となる。
【0023】
本発明にかかるデータ転送サーバは、ネットワーク接続されたクライアントから送信先を指定された送信対象データを受け取ると、前記送信先へ送信対象データをデータ転送するデータ転送サーバであって、クライアントから送信対象データを受け取ると、これを記憶するとともに、送信対象データ用の送信先をクライアントの操作者が指定するためのデータを要求する送信先データ特定データ要求を前記クライアントのブラウザプログラムから受け取ると、前記送り先を指定するためのデータをクライアントに送信し、前記クライアントから送信先データを受け取ると、前記送信対象データを指定された送信先へ転送する。したがって、アプリケーションプログラムが作成したデータを直接受け取ることができないというブラウザプログラムの制約がある場合であっても、指定された送信先へ前記送信対象データを転送することができる。
【0024】
本発明にかかるデータ転送サーバは、ネットワーク接続されたクライアントから送信先を指定された送信対象データを受け取ると、前記送信先へ送信対象データをデータ転送するデータ転送サーバであって、クライアントから送信対象データを受け取ると、これを記憶するとともに、かかる送信対象データ用の送信先をクライアントの操作者が指定するためのデータをクライアントに送信し、前記クライアントから前記送信対象データに関連づけられた送信先データを受け取ると、関連づけられた送信対象データをこの送信先へ転送する。したがって、送信対象データとその送信対象データの送信先データを別々にサーバに送った場合でも、指定された送信先へ前記送信対象データを転送することができる。
【0025】
本発明にかかるデータ転送サーバは、クライアントから送信対象データ用の送信先を指定するための画像データの送信要求があると、かかるデータを当該クライアントに送信し、当該クライアントから送信先の特定されていない送信対象データを受け取ると、これを記憶するとともに、当該クライアントに送信対象データ特定idを送信し、前記クライアントから送信対象データ特定idが付与された送信対象データを受け取ると、この送信対象データ特定idによって特定される送信先へ当該送信対象データを転送する。したがって、送信対象データとその送信対象データの送信先データを別々にサーバに送った場合でも、指定された送信先へ前記送信対象データを転送することができる。
13)本発明にかかるデータ転送方法は、指定された送信先へ送信対象データをデータ転送するサーバにクライアントをネットワーク接続し、前記クライアントから送信対象データおよび送信先データを受け取ると、前記サーバは指定された送信先へ前記送信対象データを転送するデータ転送方法であって、前記サーバは、前記クライアントの送信対象データ作成可能アプリケーションプログラムにて作成された送信先の特定されていない送信対象データが、プリンタードライバとして機能する通信プログラムを介して送信されるとこれを記憶しておき、その後、前記クライアントから、前記送信対象データの送信先データを入力する画面を表示するための送信先データ作成画面データのダウンロード要求があると、前記サーバは当該クライアントの、アプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムに前記通信プログラムを介して送信された送信対象データの送信先を特定する送信先データ作成画面データを送信し、前記クライアントから送信された送信対象データを、前記送信先データ作成画面データに対して返信された送信先データによって特定される送信先に転送する。したがって、クライアントの操作者は、前記アプリケーションプログラムにて作成した送信対象データを前記通信プログラムへ出力すれば、送信先を特定するための表示画面が表示されるので、送信先データを入力すれば、所望の相手へのデータ転送が可能となる。」

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
ア 訂正事項aは、訂正事項bにおいて訂正された特許請求の範囲の記載と整合をとるために発明の名称の記載を訂正するものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。そして、訂正事項aは、下記イと同様に、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
イ 訂正事項bの請求項1、2、10、12及び13に関してはそれぞれ発明特定事項を限定するものであり、また訂正前の請求項13を削除するものであるから、この訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、特許明細書の訂正前の請求項13及び段落0009の記載から見て、この訂正は願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内でなされたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
ウ 訂正事項cは、訂正事項bで訂正された特許請求の範囲の記載と整合をとるために発明の詳細な説明の記載を訂正するものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。そして、訂正事項cは、上記イと同様に、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)結論
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第134条の2第1項及び同条第5項において準用する特許法第126条第3項から第6項までの規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.本件特許発明
上記2.のとおり訂正が認められるから、本件特許の請求項1ないし13に係る発明(以下、それぞれ「本件特許発明1」などという。)は、訂正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし13に記載されたとおりのものと認める。(2.(1)イ参照)

4.甲第1号証ないし甲第3号証及び甲第5号証
(1)甲第1号証(Windows対応FAXソフトウエアEasy Faxユーザーズマニュアル)には、以下の事項が記載されている。
ア 「本マニュアルでは、サーバー・クライアントで利用できる機能については、次のマークを使用しています。お使いの環境に合わせてお読み下さい。
2000 :Easy Fax 2000で利用できる機能です。
PRO 2000:Easy Fax PRO2000で利用できる機能です。
Client :クライアント版で利用できる機能です。」(はじめにi頁23〜27行)
イ 「●Windowsアプリケーションから直接ファックス
Windows95/98およびNT4.0対応のアプリケーションで作成したデータは、そのままファックス送信が可能です。通常のプリンタの代わりにEasy Faxをプリンタドライバに設定することで、ファイル印刷と同じ感覚で送信できます。」(4頁5〜8行)
ウ 「Easy Faxマネージャから送る 2000 PRO2000 Client
・・・
2 [新規送信]機能ボタンをクリックします。
・・・
FAX送信ウィザードが起動して[FAX送信]ダイアログが表示されます。
3 [送信先]ボックスに相手の名前、[FAX番号]ボックスにファックス番号を入力します。
ここでは、送信先の氏名とファックス番号のみを入力します。」(48頁1行〜49頁6行)
エ 「アプリケーションから送る 2000 PRO2000 Client
Windowsのアプリケーションで作成したデータをEasy Faxから送信してみましょう。プリンタの代わりにEasy Faxを利用して、アプリケーションで作成したデータを送信する仕組みになっています。・・・
1 アプリケーションで送信したいファイルを開きます。
2 [ファイル]メニューの[印刷]を選び、[プリンタ名]に「AISOFT Easy Fax (95/98)」または「AISOFT Easy Fax (NT40)」が設定されていることを確認します。
・・・
3 印刷範囲を指定し、[OK]ボタンをクリックします。
[FAX送信]ダイアログが表示されます。「Easy Faxマネージャから送る」で説明した[FAX送信]ダイアログと同じものです。ダイアログ内の各項目については、「Easy Faxマネージャから送る(P.48)やヘルプを参照して下さい。
・・・
5 ファックスを送る相手をクリックします。
指定した相手の氏名とファックス番号が、[送信先]や[FAX番号]に表示されます。
・・・
10 [送信]ボタンをクリックします。
[表示]サブウィンドウが閉じて送信を開始します。送信中は、送信状況を表す[送信ステータス]ダイアログが表示されます。クライアント版では、ファックスはサーバー経由で指定した送信先に送信されます。
送信先には、コメント入りの表紙とアプリケーションで作成したデータが送られます。送信後のファックスの確認や表示、削除などは「送信ログ」で管理します。→「送信ログを確認する(P.73)」参照」(56頁1行〜61頁3行)
オ 「6.1モデム共有(サーバー/クライアント)機能
2000 PRO2000 Client
2000/PRO2000に接続されているモデムを使用して、他のPCにインストールしたクライアント版からファックスを送信することができます。この場合2000/PRO2000は、クライアント版からの送信要求を処理するファックスサーバーとなります。
サーバーとクライアントは、次のように動作します。
●サーバーPC
クライアントから送られた送信要求メールにしたがって、実際にファックスを送信します(単独でもファックス送信可能)。
●クライアントPC
ファックスの送信や送信の中止をすると、サーバーへ送信要求メールや送信中止要求メールが送付されます。
ファックスの送信結果は、サーバーから送信結果メールとして受け取ります。」(202頁1〜15行)

これらの記載からみて、甲第1号証には下記の発明が記載されているものと認められる。
「アプリケーションで作成したデータをクライアントPC上のクライアント版からサーバーPCを経由してファックスを送信するシステムであって、クライアントPC上のクライアント版はアプリケーションでプリンタドライバとして設定されており、印刷範囲を指定して[OK]ボタンをクリックすると、[FAX送信]ダイアログが表示され、ここで送信先を指定して[送信]ボタンをクリックすると指定した送信先に送信されるシステム。」

(2)甲第2号証(特開2001-101132号公報)には、以下の事項が記載されている。
「【0018】図5はWebブラウザ6の処理フローを示している。先ず、APPからの接続要求を待つ(ステップS11)、次にAPP からの接続要求WebCONNECTにより、APPと接続する(ステップS12)。APPからのURL表示要求WebURLを受信し(ステップS13)、URL表示要求にサイズ指定があれば指定されたサイズをセーブし、なければデフォルト・サイズとする(ステップS14)。URL表示要求に位置指定があれば指定された位置をセーブし、なければデフォルト位置とする(ステップS15)。URL表示要求に最大表示時間指定があれば指定されたタイマーをセットする (ステップS16)。次に指定に従い、該当のURLのWebサーバ9と接続し、該当するHTMLのダウンロード要求を行い、指定された、サイズ、位置に表示する (ステップS17)。そして、Webサーバ9との交信データのトレースを開始する(ステップS18)。次に、データ入力前にタイムアウトか否かを判定し(ステップS19)、NOであれば図6のステップ21に行き、YESであれば、タイムアウトをAPPに通知して、APPからの次のURL表示要求を待つ(ステップS20)。
【0019】図6は図5の処理フローの続きを示しており、該当のHTML画面に対して、データを入力し、送信操作により、Webサーバ9にアクション名と項目データ(アクションデータ)を送信しWebサーバ9からの応答のHTMLを待つ(ステップS21)。」(4頁5欄48行〜同6欄22行)

(3)甲第3号証(特開平5-153309号公報)には、以下の事項が記載されている。
ア 「【特許請求の範囲】
【請求項1】ローカルエリアネットワークと網との通信を制御するサーバ手段を有したサーバ型ファクシミリシステムにおいて、
前記サーバ手段は、
前記ローカルエリアネットワークからの受け取った複数の送信文書を蓄積する蓄積手段と、
前記蓄積手段で蓄積中の一送信文書及び該一送信文書の送信先情報の指示を受け付ける受け付け手段と、
前記受け付け手段で受け付けた指示に従って前記一送信文書のデータフォーマットを前記送信先情報に基づく送信先のデータフォーマットに変換制御する変換制御手段と、
前記変換制御手段の変換制御によって得られたデータフォーマットの送信文書を送信する送信手段とを備えることを特徴とするサーバ型ファクシミリシステム。」(2頁1欄1〜16行)
イ 「【0001】
【産業上の利用分野】本発明はサーバ型ファクシミリシステムに関し、例えば相手先端末指定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のFAX(ファクシミリ)送信のうち、少なくとも1つのクライアント端末と、LAN(ローカルエリアネットワーク)でつながったファイルを蓄積する蓄積機能を有するサーバ装置と公衆網とFAXとをつないだクライアント・サーバ型ファクシミリシステムでは、ユーザの使用するクライアント端末より相手先を入力し、サーバ装置にある送信可能なファクシミリを選び送信するものであつた。これによりパソコン(パーソナルコンピュータ)、または、ワークステーション上で作られたファイルを送信することが出来るといった利点がある。」(2頁1欄21〜36行)

(4)甲第5号証(特開平10-177548号公報)には、以下の事項が記載されている。
ア 「図1は、本発明の実施の形態(クライアント/サーバシステム)の構成図である。」(4頁6欄10〜12行)
イ 「このテーブルには、ネットワーク通信リンク110毎(セッション毎)に、リンクID(セッションID)、ユーザ名、サーバ名、及びネットワークバインド等の情報が保持される。
【0031】このように、本発明の実施の形態では、例えば同一ユーザによって実行される複数のアプリケーション106が同一のリンクIDを継承することにより、それらとネットワークサーバ・モジュール103との間の通信を、同一のネットワーク通信リンク110を共用して同一のセッション上で実行することができる。」(5頁7欄6〜16行)
ウ 「【0041】サーバ・コンピュータ101上のネットワークサーバ・モジュール103は、クライアント・コンピュータ105から#1のネットワーク通信リンク110を介して、上記ログイン要求を受信することにより、ユーザ認証処理を実行する(ステップ304)。例えばソケットを用いたネットワーク通信プロトコルを用いてより具体的に説明すると、ネットワークサーバ・モジュール103は、オペレーティングシステムに対して listen システムコールと accept システムコールを発行した後、オペレーティングシステムから#1のネットワーク通信リンク110に対応するソケットディスクリプタを返された時点で、#1のネットワーク通信リンク110を処理するための新たなプロセス(又はスレッド)を起動し( fork し)、そのプロセス(又はスレッド)上で、上述のソケットディスクリプタを指定した recv システムコールをオペレーティングシステムに発行することにより上記ログイン要求の文字列を受信する。或いは、ネットワークサーバ・モジュール103は、上記プロセス(又はスレッド)上で、上記ソケットディスクリプタを指定してファイルをオープンした後、そのファイルディスクリプタを指定した read システムコールをオペレーティングシステムに発行することによって上記ログイン要求の文字列を受信する。そして、ネットワークサーバ・モジュール103は、上記プロセス(又はスレッド)上で、上記ログイン要求の文字列に対して、予め登録されているユーザ認証用ファイルを参照すうことにより、ユーザ認証を実行する。
【0042】ネットワークサーバ・モジュール103は、ユーザ認証に成功すると、#1のネットワーク通信リンク110に対応する新たなセッションのための識別子であるリンクID111(#1)を発行する(図3のステップ305)。このリンクIDとしては、例えば、前述の#1のネットワーク通信リンク110を処理するためのプロセスのプロセスIDが設定される。
【0043】 次に、ネットワークサーバ・モジュール103は、上述したリンクID111(#1)、ユーザ名、クライアントマシン名、及びコンテキスト等のセッション情報を、図1に示されるセッション管理テーブル104に登録する(図3のステップ306)。
【0044】続いて、ネットワークサーバ・モジュール103は、#1のネットワーク通信リンク110を用いて、クライアント・コンピュータ105上のネットワーククライアント・モジュール107に、ユーザ認証成功の通知と共に、上記リンクID111(#1)を送信する。」(6頁9欄33〜27行)

5.本件特許発明1について
(1)対比
本件特許発明1と甲第1号証に記載された発明とを対比すると、甲第1号証記載の発明においてクライアントPCとサーバーPCがネットワークで接続されていること及び[FAX]ダイアログを表示するためにデータを用いていることは明らかであり、甲第1号証に記載された発明の「クライアントPC」、「サーバーPC」、「アプリケーションで作成したデータ」、「クライアント版」、「印刷範囲を指定して[OK]ボタンをクリックする」及び「[FAX送信]ダイアログ」は、本件特許発明1の「クライアント」、「サーバ」、「送信対象データ」、「自動通信処理プログラム」、「出力指定」及び「送信先データ作成画面」に相当するから、両者は、
「A )以下のa1),a2)を備え
a1)指定された送信先へ送信対象データをファクシミリ送信するサーバ、
a2)前記サーバにネットワーク接続されたクライアント、
前記サーバは前記クライアントから送信対象データおよび送信先データを受け取ると、指定された送信先へ前記送信対象データを送信するファクシミリ送信システムであって、
B)前記クライアントにはプリンタドライバとして、以下のような自動通信処理プログラムがインストールされており、
b1)送信対象データ作成可能アプリケーションプログラムにて、作成された送信対象データの出力先を制御するプリンタードライバとして選択されて、送信対象データが出力指定されると、
b2)その後、送信先データ作成画面を表示し、
C)前記サーバは、前記クライアントから送信された送信対象データを、前記送信先データ作成画面データで表示された画面にて入力された送信先データによって特定される送信先に、ファクシミリ送信すること、
を特徴とするファクシミリ送信システム。」である点で一致するが、以下の点で相違する。

(相違点1)本件特許発明1では、送信対象データが出力指定されるとサーバに当該送信対象データを送信先の特定されていない送信対象データとして送信し、その後、送信先データ作成画面を表示するのに対し、甲第1号証記載の発明では、出力指定されると送信先データ作成画面を表示しその後送信が行われる点。
(相違点2)本件特許発明1では、送信先データ作成画面の表示を、前記クライアントの、アプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムを起動して、定められた送信先データ作成画面データを生成するURIにアクセスさせることで行うのに対し、甲第1号証記載の発明ではこの表示をどのように行うのか具体的な開示がない点。

(2)判断
そこで、上記(相違点1)について検討すると、データを送信する際に一括して送ることも分割して送ることも、一般に広く行われていることである。さらに通常のプリンタドライバにおいて「出力指定」つまり印刷指定するとただちにアプリケーションプログラムに復帰し、以後操作者の介入なしで印刷制御がバックグラウンドで行われることをかんがみれば、送信先データの入力といった操作者の介入を待たずに時間のかかる送信を可及的にサーバまで行っておいて後から送信先データを入力することは、当業者が容易に想到し得ることである。
また、この際、送信対象データを送信先データと分割して送信することになるが、サーバのアドレスがあればファクシミリの送信先データがなくても送信対象データをサーバに送信することは可能であり、かつこのような設計は甲第3号証にも記載されているから、上記設計を採用するにあたって阻害要因となるものは見あたらない。
また、上記(相違点2)について検討すると、プログラムを作成する際に機能毎にモジュール分割することは当業者の常套手段であり、送信先データ作成画面の表示が通常のプリンタドライバには無い付加的な機能であることを鑑みればこの機能を別のプログラムモジュールで実現することは当業者が当然考慮することである。そして、表示機能を実現する際にURI(URL)を指定してブラウザプログラムに行わせることは甲第2号証に記載されているから、甲第1号証に記載された発明の送信先データ作成画面の表示機能を甲第2号証に記載されたブラウザプログラムで行うように設計することは当業者が容易になし得ることである。
また、その効果も、上記常套手段、甲第1号証及び甲第2号証記載の技術すなわちプリンタドライバ及びブラウザを利用することから当然予想できる程度のものである。
なお、被請求人の(主張ア)(上記1.(6)参照)について検討すると、上記(相違点2)について検討したとおり、プログラムを2つにわけることは当業者にとって容易である。
同(主張イ)について検討すると、請求項の記載を分節して引用発明と対比した上で一致点相違点を認定し、各相違点について段階を踏んだ評価を行うことは確立した進歩性の判断手法であり、複数の相違点を一括して進歩性の評価をしなければならないとする被請求人の主張は独自の見解であり採用することはできない。また、本件特許発明1と甲第1号証記載の発明の対比において、両者は送信先データ作成画面を表示する点については一致しているのであるから、その表示を具体的にどのように行うかという点(相違点2)及びデータの送信順序に関する点(相違点1)に分けて評価することは合理的である。
同(主張ウ)について検討すると、被請求人のいう「特殊」の意味が不明であるが、新規性があるという意味であるとすればそのとおりであり、ただ進歩性が否定されることは上記進歩性の判断のとおりである。上記進歩性の判断は各甲号証に基づいて、経験則及び論理則から合理的に結論を導いており、すべての判断過程について証拠方法を示す必要はないし、示さなくても違法ではない。
同(主張エ)について検討すると、甲第1号証に記載された発明を考えれば、アプリケーションプログラムから送り込まれたデータはプリンタドライバにより送信されるから、ブラウザにアプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないという制約があっても何ら阻害要因にはならない。被請求人の主張は「ブラウザプログラムを用いてファイルを添付する形式でデータをファクシミリ送信する場合」(特許明細書段落0007ないし0009参照)にのみ妥当するのであって、甲第1号証に記載された発明を基にした上記判断とは関係のないものである。

6.本件特許発明2について
本件特許発明2は、本件特許発明1の「送信先データ作成画面」を「送信先データ入力画面」に置き換えた上で、システムを構成するクライアントを表現したものであるから、上記5.と同様の理由により、当業者が容易に発明できたものである。

7.本件特許発明3について
(1)対比
本件特許発明3と甲第1号証に記載された発明とを対比すると、5.(1)に述べたとおり(相違点1)及び(相違点2)で相違し、さらに以下の点で相違する。

(相違点3)本件特許発明3において、サーバは、前記クライアントから個別セッションidが特定された送信対象データを受け取るとこれを記憶するのに対し、甲第1号証に記載された発明においてはサーバの該動作が明示されていない点。
(相違点4)本件特許発明3において、サーバは、前記送信対象データの送信先データを特定するためのウェブページを送信するのに対し、甲第1号証に記載された発明においてはサーバの該動作が明示されていない点。

(2)判断
(相違点1)及び(相違点2)については5.(2)に述べたとおりであり、さらに上記(相違点3)について検討すると、上記5.(2)(相違点1)について述べたとおり送信対象データを送信先データと分割して送信することを前提とした場合、両者の関連を受信側で認識する必要があり、このためにセッションidで特定することは、甲第5号証に記載されているように周知である。そして、送信対象データを受信した後これと関連する送信先データを受信するまで前者をサーバにおいて記憶しておくことは当然のことにすぎない。
また、上記(相違点4)について検討すると、上記5.(2)(相違点2)について述べたとおりURI(URL)を指定してブラウザプログラムに表示をさせることを前提とすれば、これに対応してブラウザプログラムに表示させるためにサーバからウェッブページを送信することは当業者が容易に設計できることにすぎない。

8.本件特許発明4について
(1)対比
本件特許発明4と甲第1号証に記載された発明とを対比すると、7.(1)に述べたとおり(相違点1)ないし(相違点4)で相違し、さらに以下の点で相違する。

(相違点5)本件特許発明4において、サーバは、前記クライアントからセッション開始要求を受け取ると、個別セッションidを当該クライアントに送信するのに対し、甲第1号証に記載された発明においてはサーバの該動作が明示されていない点。

(2)判断
(相違点1)ないし(相違点4)については7.(2)に述べたとおりであり、さらに上記(相違点5)について検討すると、上記7.(2)(相違点3)について述べたとおりセッションidを用いることを前提とすれば、甲第5号証(4.(4)ウ参照。)に記載されているように、クライアントからの要求に応じてセッションidをサーバが発行することは周知技術であるから、この周知技術を採用することは当業者が容易になし得ることである。

9.本件特許発明5について
(1)対比
本件特許発明5と甲第1号証に記載された発明とを対比すると、7.(1)又は8.(1)に述べたとおり(相違点1)ないし(相違点4)又は(相違点1)ないし(相違点5)で相違し、さらに以下の点で相違する。

(相違点6)本件特許発明5において、送信対象データの送信先データを特定するためのウェブページの送信は、前記サーバが、前記クライアントから個別セッションidを特定するウェブページの送信要求を受け取って実行されるのに対し、甲第1号証に記載された発明においては該動作が明示されていない点。

(2)判断
(相違点1)ないし(相違点4)については7.(2)または8.(2)に述べたとおりであり、さらに上記(相違点6)について検討すると、上記7.(2)に述べたとおりセッションidを用いることを前提とすれば、その他の点については周知のHTTPプロトコルにしたがって、個別セッションidを特定するウェッブページの送信要求を受け取ってウェッブページを送信するように設計することは当業者が容易になしうることである。

10.本件特許発明6について
本件特許発明6は、本件特許発明3のシステムをクライアントの観点で表現し、または同システムを構成するクライアントを表現したものであるから、上記7.と同様の理由により、当業者が容易に発明できたものである。

11.本件特許発明7について
本件特許発明7は、本件特許発明4のシステムをクライアントの観点で表現し、または同システムを構成するクライアントを表現したものであるから、上記8.と同様の理由により、当業者が容易に発明できたものである。

12.本件特許発明8について
本件特許発明8は、本件特許発明5のシステムをクライアントの観点で表現し、または同システムを構成するクライアントを表現したものであるから、上記9.と同様の理由により、当業者が容易に発明できたものである。

13.本件特許発明9について
本件特許発明9は、本件特許発明6ないし本件特許発明8の「送信先データ作成(入力)画面データ」を「送信対象データ用の送信先をクライアントの操作者が指定するための画面データ」と、「URI」を「リソース識別子」と、それぞれ言い換えた上で「クライアント」を主語として表現したものであるから、上記10.ないし12.と同様の理由により、当業者が容易に発明できたものである。

14.本件特許発明10について
本件特許発明10は、本件特許発明2のプリンタドライバをコンピュータ可読のプログラムとして表現したものであるから、上記6.と同様の理由により、当業者が容易に発明できたものである。

15.本件特許発明11について
本件特許発明11は、本件特許発明1の「送信先データ作成画面データ」を「その送信先データを入力する画面を表示する画面データ」と、「URI」を「リソース識別子」と、それぞれ言い換えた上で方法として表現したものであるから、上記5.と同様の理由により、当業者が容易に発明できたものである。

16.本件特許発明12について
本件特許発明12は、本件特許発明2の「プリンタドライバ」を「専用プリンタドライバ」と言い換え(該「プリンタドライバ」はファックス送信「専用」に用いられることは明らかであり、またアプリケーションプログラムからデータを受け取るプリンタドライバであるから、アプリケーションプログラムの印刷コマンドから起動されることも明らかである。なお、後者に関しては、甲第1号証(上記4.(1)エの「2 [ファイル]メニューの[印刷]を選び」参照)にも記載されている。)て、同発明のクライアントを用いた方法として表現したものであるから、上記6.と同様の理由により、当業者が容易に発明できたものである。

17.本件特許発明13について
(1)対比
本件特許発明13と甲第1号証に記載された発明(ここでは、上記4.(1)で認定した「システム」を「方法」に読み替える。)とを対比すると、甲第1号証記載の発明においてクライアントPCとサーバーPCがネットワークで接続されていることは明らかであり、甲第1号証に記載された発明の「クライアントPC」、「サーバーPC」、「アプリケーションで作成したデータ」、「クライアント版」及び「[FAX送信]ダイアログ」は、本件特許発明1の「クライアント」、「サーバ」、「送信対象データ」、「通信プログラム」及び「送信先データ作成画面」に相当するから、両者は、
「指定された送信先へ送信対象データをデータ転送するサーバにクライアントをネットワーク接続し、前記クライアントから送信対象データおよび送信先データを受け取ると、前記サーバは指定された送信先へ前記送信対象データを転送するデータ転送方法であって、
前記クライアントの送信対象データ作成可能アプリケーションプログラムにて作成された送信対象データが、プリンタードライバとして機能する通信プログラムを介して送信され、クライアント側で送信先データ作成画面を表示し、
前記クライアントから送信された送信対象データを、前記送信先データ作成画面に対して指定された送信先データによって特定される送信先に、転送すること、
を特徴とするデータ転送方法。」
である点で一致し、以下の点で相違している。

(相違点7)本件特許発明13においては、サーバは、送信先の特定されていない送信対象データが送信されるとこれを記憶しておき、その後、クライアント側で送信先データ作成画面を表示するのに対し、甲第1号証に記載された発明においては、クライアント側で送信先データ作成画面を表示してから送信する点。
(相違点8)本件特許発明13においては、クライアント側で送信先データ作成画面を表示するために、前記クライアントから、前記送信対象データの送信先データを入力する画面を表示するための送信先データ作成画面データのダウンロード要求があると、前記サーバは当該クライアントの、アプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムに前記通信プログラムを介して送信された送信対象データの送信先を特定する送信先データ作成画面データを送信し、これに対して送信先データが返信されるのに対し、甲第1号証に記載された発明においては、クライアントにおいて送信先データ作成画面をどのように表示するのか具体的な開示がない点。

(2)判断
上記(相違点7)について検討すると、データを送信する際に一括して送ることも分割して送ることも、一般に広く行われていることである。さらに通常のプリンタドライバにおいて「出力指定」つまり印刷指定するとただちにアプリケーションプログラムに復帰し、以後操作者の介入なしで印刷制御がバックグラウンドで行われることをかんがみれば送信先データの入力といった操作者の介入を待たずに時間のかかる送信を可及的にサーバまで行い、これを受信側で記憶しておき、後から送信先データを送信することは、当業者が容易に想到し得ることである。
また、この際、送信対象データを送信先データと分割して送信することになるが、サーバのアドレスがあればファクシミリの送信先データがなくても送信対象データをサーバに送信することは可能であり、かつこのような設計は甲第3号証にも記載されているから、上記設計を採用するにあたって阻害要因となるものは見あたらない。
また、上記(相違点8)について検討すると、プログラムを作成する際に機能毎にモジュール分割することは当業者の常套手段であり、送信先データ作成画面の表示が通常のプリンタドライバには無い付加的な機能であることを鑑みればこの機能を別のプログラムモジュールで実現することは当業者が当然考慮することである。そして、表示機能を実現する際にブラウザプログラムに行わせHTMLデータをダウンロードして表示することは甲第2号証に記載されているから、甲第1号証に記載された発明の送信先データ作成画面の表示機能を甲第2号証に記載されたブラウザプログラムで行うように設計し、表示に必要なデータをサーバからダウンロードすることは当業者が容易になし得ることである。そして、送信先データの送信をダウンロードに対する「返信」とすることは表現上の問題にすぎない。

18.むすび
以上のとおりであるから、本件特許発明1ないし13は、甲第1号証ないし甲第3号証及び甲第5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
データ転送方法およびファクシミリ送信システム
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)以下のa1),a2)を備え
a1)指定された送信先へ送信対象データをファクシミリ送信するサーバ、
a2)前記サーバにネットワーク接続されたクライアント、前記サーバは前記クライアントから送信対象データおよび送信先データを受け取ると、指定された送信先へ前記送信対象データを送信するファクシミリ送信システムであって、
B)前記クライアントにはプリンタドライバとして、以下のような自動通信処理プログラムがインストールされており、
b1)送信対象データ作成可能アプリケーションプログラムにて、作成された送信対象データの出力先を制御するプリンタードライバとして選択されて、送信対象データが出力指定されると、前記サーバに当該送信対象データを送信先の特定されていない送信対象データとして送信し、b2)その後、前記クライアントの、アプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムを起動して、定められた送信先データ作成画面データを生成するURIにアクセスさせる、
C)前記サーバは、前記クライアントから送信された送信対象データを、前記送信先データ作成画面データで表示された画面にて入力された送信先データによって特定される送信先に、ファクシミリ送信すること、
を特徴とするファクシミリ送信システム。
【請求項2】
ネットワーク接続されたサーバを介して、指定された送信先へ送信対象データをファクシミリ送信するクライアントであって、
送信対象データ作成アプリケーションプログラムから送信先の特定されていない送信対象データを受け取り、その送信対象データを前記サーバに送信するプリンタドライバがインストールされており、
前記プリンタドライバは、前記送信対象データを前記サーバに送信すると、アプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムによって前記送信対象データの送信先データを入力させる送信先データ入力画面を表示させること、
を特徴とするファクシミリ送信クライアント。
【請求項3】
請求項1のファクシミリ送信システムにおいて、
前記サーバは、前記クライアントから個別セッションidが特定された送信対象データを受け取るとこれを記憶するとともに、前記送信対象データの送信先データを特定するためのウェブページを送信すること、
を特徴とするもの。
【請求項4】
請求項3のファクシミリ送信システムにおいて、
前記サーバは、前記クライアントからセッション開始要求を受け取ると、個別セッションidを当該クライアントに送信すること、
を特徴とするもの。
【請求項5】
請求項3または請求項4のファクシミリ送信システムにおいて、
前記送信対象データの送信先データを特定するためのウェブページの送信は、前記サーバが、前記クライアントから個別セッションidを特定するウェブページの送信要求を受け取って実行されること、
を特徴とするもの。
【請求項6】
請求項1のファクシミリ送信システムまたは請求項2のファクシミリ送信クライアントにおいて、
前記クライアントは個別セッションidが特定された送信対象データを前記サーバに送信し、当該送信対象データの送信先データを特定するためのウェブページを送信させる送信要求を前記サーバに送信すること、
を特徴とするもの。
【請求項7】
請求項6のファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信クライアントにおいて、
前記クライアントは、前記サーバにセッション開始要求を送信し、受け取った個別セッションidの前記送信対象データとして送信すること、
を特徴とするもの。
【請求項8】
請求項6または請求項7のファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信クライアントにおいて、
前記クライアントは、前記サーバに対して個別セッションidを特定するウェブページの送信要求を送信し、前記送信対象データの送信先データを特定するためのウェブページを受信すると、これを表示すること、
を特徴とするもの。
【請求項9】
請求項6〜請求項8のいずれかのファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信クライアントにおいて、
前記クライアントは、前記送信対象データ用の送信先をクライアントの操作者が指定するための画面データを受け取るためのリソース識別子を、前記ブラウザプログラムに渡して、起動すること、
を特徴とするもの。
【請求項10】
ネットワーク接続されたサーバを介して、指定された送信先へ送信対象データをファクシミリ送信するクライアントとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータ可読のプログラムであって、
プリンタドライバとして、送信対象データ作成アプリケーションプログラムから送信先の特定されていない送信対象データを受け取り、その送信対象データを前記サーバに送信するとともに、前記送信対象データを送信した後、前記送信対象データの送信先データを入力させる送信先データ入力画面が表示されるように、アプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムを起動させる、
ためのコンピュータ可読のプログラム。
【請求項11】
指定された送信先へ送信対象データをファクシミリ送信するサーバにクライアントをネットワーク接続し、前記クライアントから送信対象データおよび送信先データを受け取ると、前記サーバは指定された送信先へ前記送信対象データを送信するファクシミリ送信方法であって、
前記クライアントは、送信対象データ作成可能アプリケーションプログラムにて作成された送信対象データの出力先を制御するプリンタードライバとして選択された状況で送信対象データが出力指定されると、前記サーバに当該送信対象データを送信先の特定されていない送信対象データとして送信するとともに、前記送信対象データの送信後、その送信先データを入力する画面を表示する画面データを受け取るためのリソース識別子をアプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムに与え、
前記サーバは、前記クライアントから送信された送信対象データを、前記送信先データを入力する画面にて入力された送信先データによって特定される送信先に、ファクシミリ送信すること、
を特徴とするファクシミリ送信方法。
【請求項12】
ネットワーク接続されたサーバを介してクライアントから指定された送信先へ送信対象データをファクシミリ送信するファクシミリ送信方法であって、
前記クライアントから、送信対象データを送信先の特定されていない送信対象データとして送信対象データ作成アプリケーションプログラムの印刷コマンドから専用プリンタドライバを介して前記サーバに送信し、
前記送信対象データを前記サーバに送信すると、前記クライアントの、アプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムによって前記送信対象データの送信先データを入力させる送信先データ入力画面を表示させること、
を特徴とするクライアントを用いたファクシミリ送信方法。
【請求項13】
指定された送信先へ送信対象データをデータ転送するサーバにクライアントをネットワーク接続し、前記クライアントから送信対象データおよび送信先データを受け取ると、前記サーバは指定された送信先へ前記送信対象データを転送するデータ転送方法であって、
前記サーバは、前記クライアントの送信対象データ作成可能アプリケーションプログラムにて作成された送信先の特定されていない送信対象データが、プリンタードライバとして機能する通信プログラムを介して送信されるとこれを記憶しておき、その後、前記クライアントから、前記送信対象データの送信先データを入力する画面を表示するための送信先データ作成画面データのダウンロード要求があると、前記サーバは当該クライアントの、アプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムに前記通信プログラムを介して送信された送信対象データの送信先を特定する送信先データ作成画面データを送信し、前記クライアントから送信された送信対象データを、前記送信先データ作成画面データに対して返信された送信先データによって特定される送信先に、転送すること、
を特徴とするデータ転送方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、データ転送システムに関し、特に、クライアントコンピュータで作成したデータの簡易な送信に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、ネットワーク対応のファクシミリ送受信システムが知られている。かかるシステムは、サーバコンピュータ(以下サーバと略す)およびクライアントコンピュータ(以下クライアントと略す)にそれぞれ、専用のファクシミリ送受信プログラムをインストールしておく。クライアントで原稿を作成し、送信先を指定してサーバに送信する。サーバはFAXモデムを介して、指定された送信先に電話回線を用いてファクシミリ送信する。一方、受信時には、前記サーバは、他のファクシミリ機から受信要求があると、前記FAXモデムを介してファクシミリデータを受け取り、受け取ったファクシミリデータを所定のクライアントに送信する。クライアントは受け取ったデータを表示する。
【0003】
かかるシステムにおいては、サーバおよびクライアントに専用プログラムをインストールしておく必要があり、外出先にて、かかる専用プログラムがインストールされていない他のコンピュータにて自己宛のファクシミリデータを受け取ることができない。
【0004】
発明者は、かかる問題を解決するために、クライアントに一般的に搭載されているブラウザプログラムを用いて、所定のURIにアクセスし、ファクシミリデータの送受信することを検討した。
【0005】
受信時には、サーバに接続し、ログインして受信画面を選択することにより、ユーザは自己宛のファクシミリデータを受信することができる。
【0006】
一方、送信時には、クライアントの操作者は、ブラウザプログラムを立ち上げて、サーバにアクセスし、図11に示すようなデータ送信用画面をクライアントに表示させる。操作者はかかる画面にて相手先FAX番号などを入力し、送信対象データを本文として記述して、送信ボタン303をクリックすればよい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかるブラウザプログラムを用いてファイルを添付する形式でデータをファクシミリ送信する場合には、以下のような問題があった。
【0008】
ブラウザプログラムを立ち上げて、図11に示すようなデータ送信用画面をクライアントに表示させ、相手先FAX番号などを入力するまでは同じである。この後、またはこの前に、添付ファイルを作成するアプリケーションプログラムを起動して、送信対象のデータ、例えば地図データなどを作成し、所定のファイル名でクライアントのハードディスクに一旦記憶しておく。添付ファイル指定ボタン301をクリックすると、ファイル参照用のダイアログボックスが開かれるので、かかる参照用ダイアログボックスにて、添付すべきファイルを特定する。これにより、送信先情報および送信対象データが決定されたので、操作者は送信ボタン303をクリックする。
【0009】
すなわち、アプリケーションプログラムで作成した送信対象データを、一旦ファイル名を特定して記憶しておき、かかるファイルが記憶されているフォルダを参照して、指定する必要があった。なぜなら、ブラウザプログラムにおいては、セキュリティ確保のために、アプリケーションプログラム側から送り込まれたデータを受け取って送信することができないように決められているからである。
【0010】
この発明は、上記問題を解決し、前記煩雑な処理を必要とせず、クライアントのアプリケーションプログラムで作成した送信対象データを簡易に送信することができるデータ送受信システムを提供することを目的とする。詳しくは、クライアントのアプリケーションプログラムで作成した送信対象データを、前記ブラウザプログラムの制約にとらわれることなく、サーバからファクシミリ送信することができるデータ送受信システムまたはその方法を提供することを目的とする。
【0011】
また、クライアントのアプリケーションプログラムで送信対象データを作成したあと、自動的にブラウザプログラムを立ち上げてサーバから送信することができるデータ送受信システムまたはその方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、ブラウザプログラムを採用する場合に、操作になれていない操作者でも送信処理をスムーズに行うことができるデータ送信システムまたはその方法を提供することを目的とする。
【0013】
また、操作になれていない操作者でもデータ転送処理をスムーズに行うことができるデータ転送システムまたはその方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
1)本発明にかかるファクシミリ送信システムは、A)以下のa1),a2)を備え、a1)指定された送信先へ送信対象データをファクシミリ送信するサーバ、a2)前記サーバにネットワーク接続されたクライアント、前記サーバは前記クライアントから送信対象データおよび送信先データを受け取ると、指定された送信先へ前記送信対象データを送信するファクシミリ送信システムであって、B)前記クライアントにはプリンタドライバとして、以下のような自動通信処理プログラムがインストールされており、b1)送信対象データ作成可能アプリケーションプログラムにて、作成された送信対象データの出力先を制御するプリンタードライバとして選択されて、送信対象データが出力指定されると、前記サーバに当該送信対象データを送信先の特定されていない送信対象データとして送信し、b2)その後、前記クライアントの、アプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムを起動して、定められた送信先データ作成画面データを生成するURIにアクセスさせる、C)前記サーバは、前記クライアントから送信された送信対象データを、前記送信先データ作成画面データで表示された画面にて入力された送信先データによって特定される送信先に、ファクシミリ送信する。したがって、クライアントの操作者は、前記アプリケーションプログラムにて作成した送信対象データを自動通信処理プログラムへ出力すれば、自動的にブラウザプログラムが起動して、表示画面にしたがい、送信先データを入力すれば、所望の相手にファクシミリが可能となる。
【0015】
3)本発明にかかるファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信サーバにおいては、前記サーバは、前記クライアントから個別セッションidが特定された送信対象データを受け取るとこれを記憶するとともに、前記送信対象データの送信先データを特定するためのウェブページを送信する。したがって、複数の送信対象データを受け取った場合でも、送信先データと正確な関連づけが可能となる。
【0016】
4)本発明にかかるファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信サーバにおいては、前記サーバは、前記クライアントからセッション開始要求を受け取ると、個別セッションidを当該クライアントに送信する。このように、クライアントの要求に応じて、前記個別セッションidが発行されるので、複数の送信対象データを受け取った場合でも、送信先データと正確な関連づけが可能となる。
【0017】
5)本発明にかかるファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信サーバにおいては、前記送信対象データの送信先データを特定するためのウェブページの送信は、前記サーバが、前記クライアントから個別セッションidを特定するウェブページの送信要求を受け取って実行される。したがって、前記サーバは個別セッションidを発行して、クライアントからのダウンロード要求があれば、これに対応するデータを送信することにより、複数の送信対象データを受け取った場合でも、送信先データとの正確な関連づけが可能となる。
【0018】
6)本発明にかかるファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信クライアントにおいては、前記クライアントは個別セッションidが特定された送信対象データを前記サーバに送信し、当該送信対象データの送信先データを特定するためのウェブページを送信させる送信要求を前記サーバに送信する。サーバは、かかる要求に応じて、前記個別セッションidが発行することにより、前記サーバは複数の送信対象データを受け取った場合でも、送信先データとの正確な関連づけが可能となる。
【0019】
7)本発明にかかるファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信クライアントにおいては、前記クライアントは、前記サーバにセッション開始要求を送信し、受け取った個別セッションidの前記送信対象データとして送信する。したがって、前記クライアントとサーバ間のデータ送受信を特定することができる。これにより、送信対象データと送信先データとの正確な関連づけが可能となる。
【0020】
8)本発明にかかるファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信クライアントにおいては、前記クライアントは、前記サーバに対して個別セッションidを特定するウェブページの送信要求を送信し、前記送信対象データの送信先データを特定するためのウェブページを受信すると、これを表示する。したがって、送信対象データと送信先データと正確な関連づけが可能となる。
【0021】
9)本発明にかかるファクシミリ送信システムまたはファクシミリ送信クライアントにおいては、前記クライアントは、前記送信対象データ用の送信先をクライアントの操作者が指定するための画面データを受け取るためのリソース識別子を、前記ブラウザプログラムに渡して、起動する。これにより、ブラウザプログラムに送信先データを入力する画面を自動表示することができる。
【0022】
11)本発明にかかるファクシミリ送信方法は、指定された送信先へ送信対象データをファクシミリ送信するサーバにクライアントをネットワーク接続し、前記クライアントから送信対象データおよび送信先データを受け取ると、前記サーバは指定された送信先へ前記送信対象データを送信するファクシミリ送信方法であって、前記クライアントは、送信対象データ作成可能アプリケーションプログラムにて作成された送信対象データの出力先を制御するプリンタードライバとして選択された状況で送信対象データが出力指定されると、前記サーバに当該送信対象データを送信先の特定されていない送信対象データとして送信するとともに、前記送信対象データの送信後、その送信先データを入力する画面を表示する画面データを受け取るためのリソース識別子をアプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムに与え、前記サーバは、前記クライアントから送信された送信対象データを、前記送信先データを入力する画面にて入力された送信先データによって特定される送信先に、ファクシミリ送信する。したがって、クライアントの操作者は、前記アプリケーションプログラムにて作成した送信対象データを所定のプリンタドライバへ出力すれば、自動的にブラウザプログラムが起動して、表示画面にしたがい、送信先データを入力すれば、所望の相手にファクシミリが可能となる。
【0023】
本発明にかかるデータ転送サーバは、ネットワーク接続されたクライアントから送信先を指定された送信対象データを受け取ると、前記送信先へ送信対象データをデータ転送するデータ転送サーバであって、クライアントから送信対象データを受け取ると、これを記憶するとともに、送信対象データ用の送信先をクライアントの操作者が指定するためのデータを要求する送信先データ特定データ要求を前記クライアントのブラウザプログラムから受け取ると、前記送り先を指定するためのデータをクライアントに送信し、前記クライアントから送信先データを受け取ると、前記送信対象データを指定された送信先へ転送する。したがって、アプリケーションプログラムが作成したデータを直接受け取ることができないというブラウザプログラムの制約がある場合であっても、指定された送信先へ前記送信対象データを転送することができる。
【0024】
本発明にかかるデータ転送サーバは、ネットワーク接続されたクライアントから送信先を指定された送信対象データを受け取ると、前記送信先へ送信対象データをデータ転送するデータ転送サーバであって、クライアントから送信対象データを受け取ると、これを記憶するとともに、かかる送信対象データ用の送信先をクライアントの操作者が指定するためのデータをクライアントに送信し、前記クライアントから前記送信対象データに関連づけられた送信先データを受け取ると、関連づけられた送信対象データをこの送信先へ転送する。したがって、送信対象データとその送信対象データの送信先データを別々にサーバに送った場合でも、指定された送信先へ前記送信対象データを転送することができる。
【0025】
本発明にかかるデータ転送サーバは、クライアントから送信対象データ用の送信先を指定するための画像データの送信要求があると、かかるデータを当該クライアントに送信し、当該クライアントから送信先の特定されていない送信対象データを受け取ると、これを記憶するとともに、当該クライアントに送信対象データ特定idを送信し、前記クライアントから送信対象データ特定idが付与された送信対象データを受け取ると、この送信対象データ特定idによって特定される送信先へ当該送信対象データを転送する。したがって、送信対象データとその送信対象データの送信先データを別々にサーバに送った場合でも、指定された送信先へ前記送信対象データを転送することができる。
13)本発明にかかるデータ転送方法は、指定された送信先へ送信対象データをデータ転送するサーバにクライアントをネットワーク接続し、前記クライアントから送信対象データおよび送信先データを受け取ると、前記サーバは指定された送信先へ前記送信対象データを転送するデータ転送方法であって、前記サーバは、前記クライアントの送信対象データ作成可能アプリケーションプログラムにて作成された送信先の特定されていない送信対象データが、プリンタードライバとして機能する通信プログラムを介して送信されるとこれを記憶しておき、その後、前記クライアントから、前記送信対象データの送信先データを入力する画面を表示するための送信先データ作成画面データのダウンロード要求があると、前記サーバは当該クライアントの、アプリケーションプログラムから送り込まれたデータを受け取って当該データを送信することができないブラウザプログラムに前記通信プログラムを介して送信された送信対象データの送信先を特定する送信先データ作成画面データを送信し、前記クライアントから送信された送信対象データを、前記送信先データ作成画面データに対して返信された送信先データによって特定される送信先に、転送する。したがって、クライアントの操作者は、前記アプリケーションプログラムにて作成した送信対象データを前記通信プログラムへ出力すれば、送信先を特定するための表示画面が表示されるので、送信先データを入力すれば、所望の相手へのデータ転送が可能となる。
【0026】
なお、本明細書において、「ファクシミリ送信」とは、電話回線のみでファクシミリ送信する場合はもちろん、一部をインターネット網を介して送信することも含む。
【0027】
また、「リソース識別子」とは、ブラウザで表示される画像データを受け取るためのリソースを識別可能な識別子であり、実施形態ではURI(Uniform Resource Identifier)に該当する。なお、URIはURLを含む概念である。
【発明の実施の形態】
1.概略
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1に本システムの概要を示す。サーバ1にはクライアント10がネットワークを介して接続されている。クライアント0は、作成データ送信手段3および送り先データ送信手段5を備えている。サーバ1は、作成データ記憶手段13および出力手段15を備えている。
【0028】
作成データ送信手段3は、送信対象のデータが与えられると、サーバ1に送信する。サーバ1は作成データ記憶手段13に記憶する。また、作成データ送信手段13は、送り先データ送信手段5に対して、前記送信対象のデータと後で関連づけが可能となるように、関連づけデータを与える。送り先データ送信手段5は、ユーザによって送信先が指定されると、与えられた関連づけデータとともに、サーバ1に送信する。サーバ1の出力手段15は、前記関連づけデータを用いて、作成データ記憶手段13に記憶された作成データの送信先を決定し、送信する。
【0029】
このように、クライアント10は、あらかじめ送信対象の実データをクライアント10からサーバ1に転送しておき、その後前記実データ用の送り先データをサーバ1に転送し、サーバ1は、実データを受け取った後、前記実データに関連づけられた送り先データを受け取ると、当該送り先データで指定された送信先へ前記実データを送信する。このように、両者を分けて送信することにより、実データの送信に制限がある場合であっても、サーバから送り先へ転送することができる。
【0030】
なお、かかる関連づけを行うためには、サーバが識別子を発行して、かかる識別子をクライアントが受け取ってデータに付加して送信してもよく、またはクライアントごとにユニークな識別子をあらかじめ決めておき、クライアントが前記識別子にさらに動的に識別番号を付与するようにしてもよい。また、クライアントは前記実データを送信する前に、サーバに対して識別子付与要求を送信してもよく、サーバは前記実データを受け取ると、クライアントに対して識別子を送信してもよい。
【0031】
かかる識別子の用い方としては、送り先データにもかかる識別子を付与して送信してもよい。
【0032】
なお、図1においてはサーバ1に1のクライアントが接続されている場合について説明したが、複数のクライアントを接続することが可能である。
【0033】
2.詳細な機能ブロック図
図1に示すデータ転送システムをファクシミリデータ送信システムとして実現した場合の機能ブロック図を図2に示す。クライアント100は、画像データ生成手段103,通信処理手段105,起動設定手段107,および送り先データ処理手段109を備えている。サーバ200は、通信処理手段201、データ処理手段203、識別id発行管理手段209,画像データ変換手段205,ウェブページ生成手段207,通信管理手段211,通信エンジン213を備えている。
【0034】
クライアント100の画像データ生成手段103は、ユーザの指令等に基づいて送信対象の画像データを生成し、通信処理手段105に与える。通信処理手段105は、画像データを受け取ると、サーバ200に対して、識別id発行要求を送信する。サーバ200の通信処理手段201はかかる要求を識別id発行管理手段209に出力する。識別id発行管理手段209は、ユニークな識別idを発行し、通信処理手段201に出力する。通信処理手段201はクライアント100に返信する。通信処理手段105はかかる識別idを付与して、画像データ生成手段103から与えられた画像データをサーバ200に送信する。通信処理手段201は受け取った画像データをデータ処理手段203に与える。データ処理手段203はかかる画像データを画像データ変換手段205に与える。画像データ変換手段205は与えられた画像データを所定のデータ形式に変換し、データ処理手段203に与える。この例では、プレビュー用のサムネイル形式および実際の送信形式の画像データに変換するようにした。データ処理手段203は変換後のデータを記憶する。
【0035】
一方、通信処理手段105は、画像データを識別idを特定して送信した後、起動設定手段107に当該付与した識別idを与える。起動設定手段107は、あらかじめ定められたURIに前記付与した識別idを追加して送り先データ処理手段109に与える。これにより送り先データ送信手段109は、このURIからデータを受け取る。例えば、あらかじめ定められたURIがhttp://www.megasoft.co.jp/starfax.exeであり、与えられた識別idが100001である場合、http://www.megasoft.co.jp/starfax.exe?ID=100001としてアクセス要求がサーバ200に対して送信される。
【0036】
通信処理手段201は、受け取ったアクセス(接続)要求をウェブページ生成手段207に与える。ウェブページ生成手段207は、要求されたURIに付与された識別idを識別し、その識別idに該当するデータをデータ処理手段203から受け取り、ウェブページを生成する。この場合、前記クライアントから送られてきた画像データを含む入力枠データがウェブページとして生成される。通信処理手段201は、かかるウェブページをクライアント100に送信する。送り先データ処理手段109は、前記入力枠データを表示する。
【0037】
ユーザはかかる入力枠データに送り先データ(例えば、送り先fax番号、宛名など)を入力し、送信先特定完了指示をクライアント100に与える。送り先データ処理手段109はサーバ200に対して、送信先データを送信する。
【0038】
サーバ200のデータ処理手段203は、通信処理手段201を介して、かかる送信先データを画像データとともに通信管理手段211へ送る。通信管理手段211は、これを通信エンジン213に送り結果を待つ。通信エンジン213は、特定された送り先へ画像データを転送する。通信管理手段211は、通信エンジン213の動作を管理しており、転送が完了すると、データ処理手段203に結果を報告する。データ処理手段203は、ウェブページ生成手段207にHTML形式で結果情報を生成させる。ウェブページ生成手段207は通信処理手段201を介してクライアント100に送信する。
【0039】
なお、上記実施形態においては、前記クライアントから送られてきた画像データを含む入力枠データをウェブページとして生成し、これをクライアントに返信するようにしたが、画像データを含まない入力枠データだけをクライアントに返信し、クライアントから画面確認要求があった場合に、確認のためにクライアントに画像データを送るようにしてもよい。
【0040】
3.ハードウェア構成
クライアント100のハードウェア構成について、図3を用いて説明する。図3は、クライアント100をCPUを用いて構成したハードウェア構成の一例である。
【0041】
クライアント100は、CPU123、メモリ127、ハードディスク126、CRT130、CDD(CDROMドライブ)125、キーボード128、マウス131、ネットワーク管理部132およびバスライン129を備えている。CPU123は、ハードディスク126に記憶された各プログラムにしたがいバスライン129を介して、各部を制御する。
【0042】
ハードディスク126には、オペレーティングプログラム(OS)記憶部126o、プリンタドライバ記憶部126p、ブラウザプログラム記億部126b、およびCADプログラム記憶部126cを有する。ブラウザプログラム記憶部126b、CADプログラム記憶部126cに記憶されたプログラムは、それぞれ、ブラウザプログラム、CADプログラムが記憶されている。本実施形態においては、ブラウザプログラムとして、(株)マイクロソフト社製のインターネットエクスプローラを採用した。プリンタドライバ記憶部126pには、自動通信処理プログラムであるドライバ「WebSTARFAX」(商標)がプリンタドライバとして記憶されている。かかるドライバによる処理については後述する。
【0043】
なお、プリンタドライバは、ネットワーク管理部132を介してダウンロードされ、ハードディスク26にインストールされたものである。なお、通信回線を用いてダウンロードする代わりに、CDROM、フレキシブルディスク(FD)、ICカード等のプログラムをコンピュータ可読の記録媒体から、ハードディスクにインストールさせるようにしてもよい。
【0044】
本実施形態においては、ダウンロードしたプログラムをハードディスク26にインストールさせることにより、CDROMに記憶させたプログラムを間接的にコンピュータに実行させるようにしている。しかし、これに限定されることなく、記録媒体に記録させたプログラムをCDD125等から直接的に実行するようにしてもよい。なお、コンピュータによって、実行可能なプログラムとしては、そのままのインストールするだけで直接実行可能なものはもちろん、一旦他の形態等に変換が必要なもの(例えば、データ圧縮されているものを、解凍する等)、さらには、他のモジュール部分と組合して実行可能なものも含む。
【0045】
図4にサーバ200のハードウェア構成を示す。サーバ200のハードウェア構成は、クライアント100とほぼ同じであるが、ファックスモデム34を有している点およびハードディスク126のプログラム記憶部26pにインストールされているプログラムが異なる。かかるプログラムについては、CDROM等のプログラムをコンピュータ可読の記録媒体から、ハードディスクにインストールさせればよい。
【0046】
なお、本実施形態においては、OSプログラム26o、OSプログラム126oとして、マイクロソフト(株)社製のWindows2000(商標)を採用したが、これに限定されるものではない。クライアントのOSは他のOSでもよく、また、サーバの管理する規模が大きい場合には、UNIX(登録商標)やLINUX(商標)等を採用してもよい。さらに、サーバの処理は、複数コンピュータに分散処理させるようにしてもよい。
【0047】
4.フローチャート
つぎに、クライアント100がサーバ200を介して、所望の相手先にデータをファクシミリ送信する場合の処理について、図5を用いて説明する。以下では、クライアント100のCADプログラムで生成した地図データを送信対象データとして送信する場合について説明する。
【0048】
まず、クライアント100のユーザは、CADプログラムにて送信対象データを生成する(図5ステップS1)。具体的には、CADプログラムを起動して、原稿を作成すればよい。
【0049】
つぎに、ユーザはクライアント100から送信対象データを送信する(ステップS3)。サーバ200は、かかる送信対象データを受信して記憶する(ステップS11)。ステップS3,ステップS5の詳細を、図6ステップS21〜ステップS29を用いて説明する。
【0050】
ユーザは、CADプログラムの印刷メニューを開き、プリンタードライバをドライバ「WebSTARFAX」(商標)に設定した状態で、印刷を実行する(図示せず)。これにより、プリンタドライバとして選択されているドライバ「WebSTARFAX」に基づき、CPU123は、処理を実行する。具体的には、TIFF形式で画像ファイルを作成し、メモリ127に記憶する(図6ステップS21)。CPU123は、サーバ200にログインし、セッションオープンを要求する(ステップS23)。なお、ログインに際しては、ユーザに、ユーザidおよびパスワードを入力させるようにしてもよい。
【0051】
サーバ200のCPU23は、プログラム記憶部26pに記憶されたプログラムに基づいて、かかる要求に対して、個別セッションを開き、ユニークなセッション番号を個別セッションidとして、クライアント100に返信する(ステップS25)。このようにサーバ200がユニークなセッション番号を発行することにより、多くのクライアントから同時期にFAX送信要求があった場合にも送り先データと送信対象データとの関連づけをすることができる。
【0052】
クライアント100のCPU123は、受け取ったセッション番号をもちいて、TIFF形式に変換された画像ファイルをサーバ100に送信する(ステップS27)。
【0053】
サーバ200のCPU23はかかる画像ファイルをFAX送信可能なTIFF形式として保存する一方、詳細表示形式およびプレビュー形式のデータに変換し、前記セッション番号に対応する送信対象データとして記憶する(ステップS29)。例えば、クライアント100にて作成された原稿ファイルhomemap.tifがセッション番号100001で送信された場合、セッション番号100001の原稿としてhomemap.tifを保存し、原稿ファイルhomemap.nml、homemap.sumが記憶される。なお、拡張子「.nml」は詳細表示形式、「.sum」は、サムネイル形式でブラウザに表示可能な画像形式のファイルをそれぞれ表す。
【0054】
これにより、図5ステップS3,ステップS11の処理が終了する。つぎに、クライアント100は、送り先データの指定処理を行い(図5ステップS5)、サーバ200は、これを受信する(ステップS13)。かかる処理について、図6ステップS31〜ステップS43を用いて説明する。
【0055】
クライアント100のCPU123は、前記サーバ200への送信が終了すると、ブラウザプログラムに対して、アクセスするURIを指定した立ち上げ命令を与える(ステップS31)。この場合、アクセスするURIはサーバ200の所定のURIに前記セッション番号を付与して、特定される。例えば、サーバ200の所定のURIが、http://www.megasoft.co.jp/starfax.exeでセッション番号が100001である場合、アクセスするURIは、http://www.megasoft.co.jp/starfax.exe?ID=100001となる。
【0056】
ブラウザプログラムが起動し、CPU123は、かかるブラウザプログラムに基づいて、かかるURIにアクセスし、ウェブページ送信要求を出力する(ステップS33)。
【0057】
サーバ200のCPU23は、かかるアクセス要求に基づいて、要求されたウェブページを送信する(ステップS35)。具体的には、リクエストされたURIに付与されたセッション番号を識別し、そのセッション番号に該当する送信先データを入力するための画面データを生成し、クライアント100に送信する。本実施形態においては、コンパイルされたEXE形式(実行ファイル形式)のプログラムで前記画面データを生成するようにしたが、PERL等で記述されたプログラムを用いて生成するようにしてもよい。
【0058】
クライアント100は、かかる送信設定画面を受信すると、これを表示する。図7に本実施形態において採用した送信設定画面の一例を示す。ユーザはかかる画面にて、送信設定(相手先FAX番号の指定など)を行う。
【0059】
クライアントにて、図8に示すように、入力ボックスに送信先を入力し、設定が完了したらFAXスタートボタン181を押す。これにより、送信先情報がサーバ200に送られる(ステップS41)。
【0060】
サーバ200は、かかる送信要求を受けて、クライアント100に対して、図9に示すようなFAX送信受付完了画面を送信する(ステップS43)。
【0061】
つぎに、サーバ200は、FAX送信処理を行う(図5ステップS15)。具体的には、送信先情報のセッション番号をもつ原稿ファイルをハードディスク26から読み出して、ファックスモデム34を介して相手先に送信する。
【0062】
このように、本実施形態においては、アプリケーションプログラムで作成した送信対象データをサーバに送信しておき、かかる送信対象データの送り先データをブラウザプログラムを用いて特定し、サーバ200から転送させている。送信対象データと送信先データを分けてサーバに転送することにより、他のアプリケーションプログラムからのデータ受け取りができないというブラウザプログラムにおける制約がある場合でも、所望の送り先にデータ転送することができる。
【0063】
また、アプリケーションプログラムで作成した送信対象データを印刷コマンドを用いてプリンタドライバを介して、サーバに送信するとともに、ブラウザプログラムを前記プリンタドライバから自動起動することにより、操作に慣れていないユーザであっても、データ転送が容易となる。なぜなら、ユーザは印刷コマンドで前記プリンタドライバを特定して、印刷コマンドを実行するだけで、それ以降は送信先を入力する画面が自動起動し、送信先データと送信対象データの関連づけを意識することなく、データ転送が可能だからである。
【0064】
このように、印刷コマンドのプリンタードライバとして、上記通信プログラムを設定することにより、印刷コマンドを有するアプリケーションプログラムであれば、どのようなアプリケーションプログラムからでも、簡易にファクシミリ送信が可能となる。
【0065】
また,クライアントにはブラウザプログラムがインストールされていれば、前記サーバの所定のURIにアクセスすることにより、上記通信プログラムをダウンロードすることができるので、前記通信プログラムが設定されていないコンピュータからでも、インターネットを介して、前記サーバにアクセスして、ファクシミリ送信することができる。
【0066】
なお、本実施形態においては、予めサーバに送信対象データを送信しておき、あとから送信先データを入力するようにしている。したがって、両者が間違いなく関連づけられているかを確認できるようにしてもよい。例えば、ユーザが、図8に示す状態でFAXスタートボタン181ではなく、プレビューボタン183を選択すると、プレビュー画面送信要求がサーバ200に送信される。サーバ200は、当該セクションidで特定されるサムネイル形式の画像ファイルをクライアント100に送信する。クライアント100のCPU123は、図10に示すようなプレビュー画面を表示する。サムネイル形式で表示されたプレビュー画面の画像表示領域191がユーザによって選択されると、内容確認可能な画面データの送信要求がサーバ200に送信され、サーバ200は、当該セクションidで特定される詳細表示形式の画像ファイルをクライアント100に送信する。クライアント100のCPU123は、受け取った画像ファイルを表示する。これにより、確認が可能となる。
【0067】
また、クライアント100のユーザが図10に示す画面にて、送信結果レポート要求ボタン195を選択すると、サーバ200にかかる要求が送信され、サーバ200は、送信結果(送信成功・送信失敗)などの情報をHTML形式にして、返信する。これによりクライアント100のユーザは所望の送り先に送信されたか否かを把握することができる。
【0068】
なお、この実施形態においては、送信先データを直接入力する場合について説明したが、予めサーバに記憶しておいた電話帳データを読み出して、それを参照して送り先を指定することもできる。
【0069】
なお、FAX送信処理について説明したが、受信処理については、通常のFAX機で受信してもよく、また、このブラウザプログラムを用いてコンピュータの画面に表示し、さらに印刷することもできる。この場合は、ブラウザプログラムを起動して、ウェブページのURIからユーザ認証を経てログインして、表示するファクシミリデータを選択するようにすればよい。
【0070】
また、送信時に、図10に示す受信ボックス格納データ表示ボタン197を選択することにより受信することもできる。
【0071】
なお、前記セッションidの特定するために、HTMLデータ中に隠蔽属性(hidden属性)を用いてセッションidを埋め込み、これをサーバとクライアント間で付加して送受信するようにすればよい。また、クッキー(cookie)をもちいるようにしてもよい。セッションidが特定できれば既に受け取った画像データを特定することができる。これにより、送信対象データと送信先データを分けて受け取った場合でも、両者を正確に関連づけることができる。
【0072】
5.他の実施形態
なお、上記実施形態においては、送信対象データをアプリケーションプログラムから送信しておき、その後送信先データをブラウザプログラムを用いて前記送信対象データに関連づけて送信するようにしている。したがって、アプリケーションプログラムに印刷メニューさえ用意されていれば、作成した送信対象データをサーバに転送することができる。しかし、これに限定されず、先にブラウザプログラムを用いて送信先データを転送しておき、サーバはその個別セッションidを通信プログラムであるプリンタドライバに送信しておき、添付ファイル指定ボタンがユーザによって選択されると、アプリケーションプログラムを起動して、送信対象データを生成後、印刷メニューからプリンタドライバが選択されると、前記サーバから与えられた個別セッションidを特定してサーバに転送するようにしてもよい。
【0073】
上記実施形態においては、電話回線だけを用いてファクシミリ送信する場合について説明したが、一部をインターネット網を採用してもよい。この場合、送信先として、最終受け先のFAX番号およびゲートウェイコンピュータ用のメールアドレスを指定して、ゲートウェイコンピュータに送信し、ゲートウェイコンピュータが自己のメールボックスに格納されたメールを最終受け先のFAX番号に送信するようにすればよい。
【0074】
また、上記実施形態においては、ファクシミリ送信する場合について説明したが、メール送信の場合も同様に適用することができる。例えば、ウェブメールなどで、地図データを添付して送信する場合、同様にして、地図データを作成するプログラムで、出力先を前記プリンタードライバとし指定すると、一旦サーバに当該地図データを送信しておき、かかる送信対象データの送信先をブラウザプログラムを立ち上げて指定するようにすればよい。
【0075】
また、上記実施形態においては、クライアントから送信対象データを送信したあと、送信先データを送信する場合について説明したが、送信対象データについては、予めサーバにアップロードしておき、かかる送信対象データから選択するようにしてもよい。また、同じクライアント(コンピュータ)から送信対象データおよび送信先データを送信するのではなく、予め送信対象データを送信しておき、別のクライアントから送信先データを送信することもできる。この場合、両者の関連づけは、例えば、サーバから予め記憶された送信対象データのリストを送信先データを入力するクライアントに送信し、選択させるようにすればよい。上記実施形態においては、CADプログラムで作成した場合について説明したが、他の画像データ作成プログラムについても同様に適用できる。また、ファクシミリ送信でなく、データ転送する場合には、画像データ以外の他のデータであっても同様に適用することができる。例えば、聴覚で把握できるものとしては、MIDIデータなどがある。具体的には、アプリケーションプログラムのメニューには、コマンド「送る」のように、外部出力コマンドが用意されていれば、その送り先として上記プリンタドライバのようなサーバ通信プログラムをインストールしておき、かかるサーバ通信プログラムが当該アプリケーションプログラムで作成したデータをサーバに転送するとともに、ブラウザプログラムを立ち上げて上記の送信先を指定するようにすればよい。なお、コマンド「送る」が存在しない場合には、前記サーバ通信プログラムのショートカットアイコンをデスクトップ画面等に貼り付けておき、かかるアイコンに一旦ファイル名をつけて保存したファイルをドラッグアンドドロップするようにしてもよい。
【0076】
さらに、データ転送する場合には、送信対象データは静止画像だけでなく、動画像であってもよい。この場合には、例えば、MPEG形式、または他の動画のファイル形式で送信するようにすればよい。
【0077】
上記実施形態においては、セッションオープンをクライアント100が要求し、サーバ200から与えられたセッション番号を用いて、送信対象データをサーバ200に送信するようにしたが、クライアント100からサーバ200に送信対象データを送信して、受け付けた送信対象データの識別idを前記通信機能を有するプリンタドライバに返信し、かかる識別idを用いてブラウザプログラムを立ち上げるようにしてもよい。
【0078】
また、上記実施形態においては、HTTP形式でファイルをサーバに転送するようにしたので、上記処理を実行するプログラム(CGIを含む)をインストールされたHTTPサーバであれば、FTPサーバを別途用意することなく処理が可能である。
【0079】
また、プリンタドライバとして選択されているドライバ”WebSTARFAX”はTIFF形式で画像ファイルを作成して、サーバ200に送信するようにしたが、他の画像形式例えば、PNG形式,JPEG形式など、どのようなものであってもよい。
【0080】
上記実施形態においては、サーバ200が発行するセッション番号を用いて、送信対象データと送信先データの関連づけを行っている。しかし、これに限定されず、クライアント100が送信先データをサーバ200にアップロードするときに、既にアップロードしている送信対象データとの関連づけを示す関連づけデータを送信先データに付加するようにしてもよい。
【0081】
本実施形態においては、図1に示す機能を実現する為に、CPUを用い、ソフトウェアによってこれを実現している。しかし、その一部もしくは全てを、ロジック回路等のハードウェアによって実現してもよい。
【0082】
なお、プログラムの一部の処理をオペレーティングシステム(OS)にさせるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】全体の概略を示す図である。
【図2】図1をより詳細に説明した詳細ブロック図である。
【図3】図2に示すクライアント100をCPUを用いて実現したハードウエア構成の一例を示す図である。
【図4】図2に示すサーバ200をCPUを用いて実現したハードウエア構成の一例を示す図である。
【図5】全体のフローチャートである。
【図6】詳細フローチャートである。
【図7】送信先入力画面の一例である。
【図8】送信先が入力された状態を示す画面である。
【図9】受付完了を示す画面である。
【図10】プレビュー画面である。
【図11】参照形式でデータを添付する場合の画面である。
【符号の説明】
23・・・CPU
27・・・メモリ
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2005-06-09 
結審通知日 2005-06-14 
審決日 2004-11-09 
出願番号 特願2001-130759(P2001-130759)
審決分類 P 1 112・ 851- ZA (H04N)
P 1 112・ 121- ZA (H04N)
最終処分 成立  
特許庁審判長 杉山 務
特許庁審判官 深沢 正志
大野 弘
登録日 2003-07-04 
登録番号 特許第3447718号(P3447718)
発明の名称 データ転送方法およびファクシミリ送信システム  
代理人 佐々木 康  
代理人 佐々木 康  
代理人 鶴本 祥文  
代理人 古谷 栄男  
代理人 古谷 栄男  
代理人 松下 正  
代理人 鶴本 祥文  
代理人 松下 正  
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