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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1136912
審判番号 不服2002-9610  
総通号数 79 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2001-01-23 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-05-29 
確定日 2006-05-18 
事件の表示 平成11年特許願第191382号「弾球遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 1月23日出願公開、特開2001- 17676〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成11年7月6日の出願であって、平成13年10月2日付で拒絶理由通知がなされ、同年12月7日付で手続補正がなされ、平成14年4月24日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年5月29日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年6月26日付で手続補正がなされたものである。

2.平成14年6月26日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成14年6月26日付の手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「遊技者に有利な第1状態と不利な第2状態とに変換可能な可変入賞手段(16)と、図柄始動手段(15)が遊技球を検出することを条件に、1又は複数個の図柄が所定時間変動して停止する図柄表示手段(21)と、該図柄表示手段(21)の変動後の停止図柄が特定図柄又は特定図柄の組み合わせとなることを条件に、前記可変入賞手段(16)を第2状態から第1状態に変換させて遊技者に有利な第1利益状態を発生させる第1利益状態発生手段(34)と、前記第1利益状態発生手段(34)による第1利益状態の終了後に、遊技者に有利な第2利益状態を発生させる第2利益状態発生手段(35)と、該第2利益状態発生手段(35)により第2利益状態を発生させるか否かを判定する利益状態発生判定手段(37)とを備えた弾球遊技機において、前記利益状態発生判定手段(37)の判定情報(22a) を遊技者に報知する報知手段(22)を備え、前記報知手段(22)は、図柄表示手段(21)の変動後の停止図柄が特定図柄又は特定図柄の組み合わせを表示した直後から第1利益状態発生手段(34)による第1利益状態の終了までの間に、その図柄の背景画像となるように前記判定情報(22a) を断続的に表示するようにしたことを特徴とする弾球遊技機。」
と補正された。
上記補正は、平成13年12月7日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記報知手段(22)は図柄表示手段(21)の前記図柄の確定直後の所定時間に」を「前記報知手段(22)は、図柄表示手段(21)の変動後の停止図柄が特定図柄又は特定図柄の組み合わせを表示した直後から第1利益状態発生手段(34)による第1利益状態の終了までの間に」と限定し、同じく「前記判定情報(22a) を表示する」を「前記判定情報(22a) を断続的に表示する」と限定するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成15年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例および周知例
本件出願前には、背景画像による演出手法が、一例として、特開平11-57143号公報(以下「周知例1」という。)を平成14年4月24日付の拒絶査定で引用しているように周知である。そこで同公報には、図面とともに、
「図柄表示部に種々の図柄を変動させながら所定配列で表示させる表示装置と、遊技者の操作に応じて変化する遊技状況を検出する遊技状況検出手段と、同検出手段の検出結果に基づいて前記表示装置の図柄の変動表示を実行させる変動表示実行手段と、リーチ状態を経た後に有利な特別遊技状態を発生させるための特別遊技図柄モード、リーチ状態を経た後に特別遊技状態とならない外れリーチ状態を発生させるための外れリーチ図柄モード及びリーチ状態を経ずに特別遊技状態の発生とならない外れ状態を発生させるための外れ図柄モードの中から1つのモードを選択するモード選択手段と、前記モード選択手段により特別遊技図柄モード又は外れリーチ図柄モードが選択された場合にリーチ状態であることを遊技者に報知するリーチ報知制御手段と、前記各図柄モードに応じた停止図柄を前記表示装置の表示部に表示させる停止図柄表示手段とを有する遊技機において、
リーチ状態の報知前にリーチ状態となることを予告報知するリーチ予告報知制御手段を設けた・・・遊戯機。」(特許請求の範囲、【請求項1】)、
「前記リーチ報知制御手段は大当たりとなる期待値の高い特別リーチ状態を前記表示部に表示させるように制御し、前記リーチ予告報知制御手段は少なくともこの特別リーチ状態の発生前に特別リーチ状態となることを予告報知するものである請求項1に記載の遊戯機。」(特許請求の範囲、【請求項2】)、
「【従来の技術】
遊技機の一種として、複数種類の図柄等を変動させてあらかじめ定められた配列で複数の図柄表示部に表示させ、配列に応じた遊技上の利益を与えるパチンコ機が知られている。
このようなパチンコ機では始動口への入賞に基づいて図柄表示部の図柄等が変動を開始し、停止した図柄等(停止図柄)の配列状態によって大入賞口が開き大量の賞球が得られる特別遊技状態(大当たり状態)が発生する。この特別遊技状態は複数の図柄表示部がリーチ状態を経た後、例えばすべての図柄が一致するようなあらかじめ定められた特殊な停止図柄の場合に生じる。
ここに、リーチ状態とは最後に停止する図柄表示部以外の他のすべての図柄表示部の停止図柄が特別遊技状態となる条件を満たしている状態、又はすべての図柄表示部の図柄が特別遊技状態となる条件を満たしたまま変動している状態をいう。また、リーチ状態にはその状態を経て大当たり状態となる場合と外れに終わる場合がある。リーチ状態を経たにもかかわらず、結局特別遊技状態の図柄等が揃わずに図柄等が停止する場合のリーチを「外れリーチ」という。一方、リーチ状態を経ることもなく停止図柄が停止する場合は単に「外れ」という。」(段落【0002】)、
「【発明が解決しようとする課題】
リーチ状態は大当たりへの期待感を高揚するものとして遊技者は大当たりの前提であるリーチ状態自体を非常な期待感を持って待ち望んでいる。しかし、リーチ状態は実際にその状態になって初めて認め得るものであって、リーチ状態以前には格別リーチ状態に移行することについての期待感を高揚させることはなかった。また、リーチ状態から大当たり状態、・・・への変化の時間は比較的短いため、大当たりへの期待感もそれに応じて短いものとなっていた。」(段落【0003】)、
「また、リーチには大当たりに移行する期待値の高いリーチ(このようなリーチをスーパーリーチという)と、・・・期待値の低いリーチ(このようなリーチをノーマルリーチという)等がある。
遊技者にとってスーパーリーチでリーチ状態になればいやが上にも大当たりへの期待感は高まるが、現状ではこのようなスーパーリーチも実際にリーチ状態となって初めて認め得るためスーパーリーチ自体への期待感を高揚させる手段はなかった。・・・。」(段落【0004】)、
「【発明の実施の形態】
・・・、本発明の1実施の形態である第1種始動口付きパチンコ機(以下単にパチンコ機という)・・・。」(段落【0009】)、
「・・・。図3に示すように、遊技盤3の中央には特別図柄表示装置(以下単に表示装置という)15が組み込まれている。・・・。」(段落【0011】)、
「表示装置15の下方には普通電動役物である第1種始動口18が配置されている。・・・。第1種始動口18への入賞に基づいて前記表示装置15が駆動される。・・・。」(段落【0012】)、
「前記第1種始動口18の下方には大入賞口22が配置されている。大入賞口22は常時はシャタ23が閉塞されており、前記表示装置15が作動されて特別遊技状態となると開放される。シャタ23は遊技盤3の裏面側に配設されたソレノイド23aによって駆動される。・・・。」(段落【0014】)、
「・・・。表示装置15は・・・表示画面15aを備えている。・・・。表示画面15aには左図柄列30、中図柄列31及び右図柄列32の3つの表示列が表示される。各図柄列30,31,32は「0」から「9」までの数字図柄と2種類のキャラクターの図柄及びオールマイティ図柄である金貨図柄Gによって構成されており、これら図柄が各図柄列30,31,32毎にスクロールされて表示画面15aに表示される。」(段落【0016】)、
「これら図柄列30,31,32が表示される表示画面15aの背景画面は複数パターンが用意されている。そして、各背景に応じて3つの図柄列30,31,32の表示画面15a上における図柄の表示方法は異なる。例えば、図4(a)・・・、図4(b)・・・あるいは図4(c)・・・等様々なパターンがある。」(段落【0017】)、
「これら図柄列30,31,32の図柄変動は遊技球が第1種始動口18へ入賞することで開始する。変動が開始された後大当たり図柄、外れリーチ図柄及び外れ図柄のうちから1つが選択され、停止図柄として設定され・・・左図柄列30、右図柄列32及び中図柄列31の順に停止させられる。・・・。」(段落【0018】)、
「大当たりとなる期待値は背景画面によって異なる。すなわち、同じリーチ状態であっても大当たり状態となりやすい背景画面となりにくい背景画面がある。尚、ここで背景画面とは表示画面15aにスクロール表示される変動図柄以外の画面部分をいい、例えば表示画面15aにアニメーション画面を表示させキャラクターが登場して遊技者の注目を誘う表示処理、変動図柄を拡大させたり縮小させたりして表示することで遊技者の注目を誘う表示処理、キャラクターが変動図柄の周囲で動作を行い遊技者の注目を誘う表示処理等が挙げられる。
特に必ず大当たり状態になる背景画面、及び大当たり状態になる期待値の高い背景画面におけるリーチはスーパーリーチという。スーパーリーチの画面は複数用意され、それぞれ期待値が異なってもよい。スーパーリーチ以外のリーチをノーマルリーチという。ここに、大当たり状態とは、リーチ状態を経た後に大入賞口22が開放されて入賞が格段に増える状態で多くの賞球を獲得できる状態をいう。本実施の形態では各図柄列30,31,32の停止図柄が同一種類の場合(例えば「111」、「444」等)、あるいはそのうちの最後の停止図柄が金貨図柄Gである場合(例えば「7G7」)に大当たり状態となる。」(段落【0019】)、
「大当たり状態となると改めて当たり図柄と「大当たり」の文字が表示された「大当たり画面」に変わる(図5)。そして、遊技者の注目を集めるため図5(a)及び図5(b)に示されるように、「大当たり」の文字を色違いで交互に表示させる。そして、大入賞口22が開放される。
大入賞口22は一旦開放された後、29.5秒経過か、あるいは29.5秒以内に大入賞口22に遊技球が10個入賞した場合のいずれかに閉鎖される。この大入賞口22が開放されてから閉鎖されるまでを1ラウンドとする。29.5秒以内にVゾーン24を遊技球が通過する限りは次のラウンドに移行できるが、遊技球が通過しなかった場合には大当たり状態はそのラウンドで終了する。本実施の形態では最高16ラウンドまで大当たり状態が続く。」(段落【0020】)、
「・・・図6に基づいて大入賞口22の開放中における表示装置15の表示画面15aの表示状態について・・・。図6の画面は大入賞口22の開放状態における表示画面15aに表示される画面である。画面の上方には左・中・右の各当たり状態表示部33,34,35が表示される。左当たり状態表示部33には現在のラウンド回数が数字図柄として表示される。例えば、図6の表示は1ラウンド目を示す。また、右当たり状態表示部35には大入賞口22に入賞した遊技球の数が表示される。」(段落【0021】)、
「中当たり状態表示部34には大当たりになった停止図柄パターンを報知する図柄が表示される。図6に示すように、例えば、「777」で大当たりした場合には「7」が表示される。またオールマイティ図柄の金貨図柄Gが含まれた大当たりの場合、例えば「7G7」の場合では「7」と「金貨図柄G」が表示画面15aに交互に点滅して表示される。
従来ではどのような図柄で大当たりになったかは、大当たり直後に図5のような画面を表示していた。ところが、大当たり直後だけの表示であったのでパチンコホール側が遊技者がどのような状況で大当たりになったか確認するのは困難であった。上記のような大当たり後の遊技状況下で大当たりになったパターンを報知する報知手段によって、パチンコホール側では遊技者がどのような状況で大当たりになったかが、ラウンド途中でも確認できるため、ホール側の独自のサービス(例えば、「777」で大当たりの場合には出球で無制限に遊技してよい特権を与える。)を付与することが可能となる。
また、オールマイティ図柄の金貨図柄Gが含まれた大当たりの場合「7」と「金貨図柄G」を表示画面15aに交互に点滅表示させるようにしているため、オールマイティ図柄が含まれている大当たりを単一図柄で大当たりの場合と容易に区別することができる。したがって、これらの当たりの間でホール側の独自のサービスに違いがある場合にこれを容易に見分けることが可能となる。尚、「7」と「金貨図柄G」が表示画面15aに交互に点滅して表示する場合の点滅間隔は自由に設定可能である。」(段落【0022】)、
「また、大当たりの組み合わせパターンのうち特に本実施の形態では「333」「555」「777」の場合を「特定図柄」と称して、これら選択された組み合わせにおいて遊技者に更に有利な遊技状態を与える。本実施の形態ではこの更に有利な遊技状態として、(1)普通図柄表示装置16のスクロールタイミングが早くなり、(2)普通図柄表示装置16が作動した際に「9」で停止する確率(普通電動役物の確率)、すなわち第1種始動口18の開閉羽根19が開放される確率が高くなり、更に(3)開閉羽根19が開放された場合にその開放時間が長くなる。という三つの利益を与える。このような更に有利な遊技状態を与えられた状態を「普通電動役物の確率及び時間変動モード(以下、時短モードという)」という。
一旦、特定図柄で大当たり状態となると同時短モードになるため第1種始動口18への入賞が飛躍的に増加する。そして、結果的に再度大当たりする確率が非常に高くなる。通常同時短モードは複数回の入賞又は複数回の大当たりに渡って継続される。本実施の形態では5回目の大当たりまで同時短モードが継続する。すなわち、5回目の大当たりまで第1種始動口18への入賞し易さが続く。」(段落【0023】)、
「図7は特定図柄で大当たりした場合の表示画面15aの表示例である。表示画面15aの下方には「チャンスタイム」という文字図柄37が表示されている。文字図柄37は文字の輪郭だけで構成された中抜き文字で表示され、尚且つ点滅する。チャンスタイムとは時短モードであることを意味する。時短モードであるチャンスタイムは例えば複数回の入賞や複数回の大当たりに渡って継続される。そのため、遊技状況によって表示画面15aの表示が変動しても遊技者にチャンスタイムであることを常時認識させるように時短モードになると同モードが終了するまでこのように表示画面15aにチャンスタイムの表示がされる。」(段落【0024】)、
「この場合に、文字図柄37が背景や、変動図柄を覆い隠してしまうことを防止するために、時短モードである旨の表示では背景や変動図柄が透けて見えるように文字の輪郭だけで構成された中抜き文字として表示されるのが望ましい。また、遊技者の注意を喚起し、なるべく背景や、変動図柄を隠さないように点滅させるのが望ましい。また、時短モードである旨が報知できればよいため、時短モードになっている場合にはその旨を定期的に音声で報知をしてもよい。また、時短モードである旨の報知であれば、報知手段はなんでもよい。例えば、時短モードである場合にその旨の音声報知をしたりパチンコ機を振動させたり、パチンコ機からの匂いを放出させたり等種々の手段が考えられる。また、表示画面15a上への表示と音声報知の両方で報知したり、これら具体的報知手段を組み合せても構わない。」(段落【0025】)、
「・・・、図8・・・本実施の形態のパチンコ機の電気的構成について・・・。制御装置ユニット10内にはリードオンリーメモリ(ROM)41、ランダムアクセスメモリ(RAM)42、中央処理装置(CPU)43が配設されている。第1の主記憶装置としてのROM41はパチンコ機の制御プログラムや制御プログラムを実行するための初期データをあらかじめ記憶する。第2の主記憶装置としてのRAM42は新たな入力データやCPU43による演算結果を一旦記憶する。CPU43はこれらメモリのプログラムやデータ、更に検出手段たる近接スイッチ18a,20a,21a,22a,24aの検出値等に基づいて各種演算処理を実行する。また、CPU43はスピーカ8、表示部15a、7セグ表示部17、ソレノイド19a,23a、保留ランプ16a〜16d、34a〜34d、装飾ランプ25a〜25oを制御する。」(段落【0026】)、
「変動表示実行手段、モード選択手段、リーチ報知制御手段、リーチ予告報知制御手段、時短モード制御手段としてのCPU43は補助記憶装置としての図柄乱数バッファB1〜B6及び入賞判定フラグFEを有している。図9(a)に示すように、図柄乱数バッファB1〜B6は左、中、右の3つの外れ図柄乱数バッファB1〜B3と、左、中、右の3つの外れリーチ図柄乱数バッファB4〜B6とによって構成されている。また、CPU43は各種カウンタCを有する。カウンタCにはラウンドカウンタCRと、入賞カウンタCVと、保留カウンタCH、内部乱数カウンタCIと、外れリーチ乱数カウンタCOと、大当たり図柄乱数カウンタCBと、左、中、右の3つの図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDR、リーチ種別決定カウンタCLがある。」(段落【0027】)、
「・・・ステップS6の条件が成立されない場合にはその図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDRの乱数値の組み合せがすなわち大当たり図柄の組み合せとなる場合である。大当たり図柄の組み合せの場合には乱数値は格納はしない。」(段落【0034】)、
「・・・、CPU43はステップS11において、第1種始動口18の近接スイッチ18aの検出結果に基づいて第1種始動口18に遊技球が入賞したか否かを判定する。・・・。」(段落【0036】)、
「・・・、図12に基づいて「特別電動役物制御ルーチン」について・・・。同ルーチンは前述の「バッファ格納処理ルーチン」及び「エリア格納処理ルーチン」の演算結果に基づいて特別電動役物を制御するためのものでる。このルーチンはCPU43により実行され、本実施の形態でパチンコ機の所定タイミングで行われる。」(段落【0038】)、
「・・・、ステップS29に戻り大当たり処理を実行する。CPU43により実行される大当たり処理の補助ルーチンについて図15に基づいて・・・。・・・、CPU43は、ステップS301でラウンドカウンタCRに「1」を加算する。・・・、ステップS303で・・・ソレノイド23aを励磁させ大入賞口24(シャッタ23)を開放させる。」(段落【0049】)、
「・・・、ステップS305で大入賞口24の開放時間(本実施の形態では29.5秒)が経過したか、つまり閉鎖時期がきたかどうかが判定される。・・・閉鎖時期がこない限り大入賞口24の開放は継続する。一方、・・・・、ステップS306でCPU43はソレノイド23aを消磁させ大入賞口24(シャッタ23)を閉塞させる。」(段落【0050】)、
「・時短モード中においては時短モードであることを報知制御する報知制御手段たるCPU43によって図7のように表示画面15aに常時「チャンスタイム」の文字図柄37が表示がされる。この文字図柄37は文字の輪郭だけで構成された中抜き文字であるために図柄列30,31,32や背景のアニメーションを視認する際の視野が妨げられにくく、かつ点滅表示されるため中抜き文字であっても視認されやすい。」(段落【0054】)、
「・上記実施の形態においては最高16ラウンドまで大当たりが続くような設定であった。これは、例えば大当たり停止図柄の組み合せで特定図柄の場合(例えば「777」のような奇数図柄)の場合に最高16ラウンドまで設定可能として、それ以外の図柄(例えば「444」のような偶数図柄)では半分の8ラウンドにするように停止図柄によってラウンド回数の設定を変更するものである。もちろん、停止図柄によってこのようなラウンド回数の設定をしなくとも構わない。
・ラウンド回数の設定条件の変更は停止図柄の種類に基づく場合に限られず、その他の条件、例えばスーパーリーチの種類に基づくようにしてもよい。例えば、第1のスーパーリーチ報知を経て大当たりになった場合に最高ラウンドの16ラウンドまで設定可能とし、それ以外で大当たりになった場合には8ラウンドに制限する等が考えられる。・・・。」(段落【0056】)

との記載が認められる。また、上記摘記事項および図15より、大当たり状態とは、大入賞口22が開放されて入賞が格段に増える状態で多くの賞球を獲得できる状態をいい、CPU43により実行される大当たり処理の補助ルーチンについて図15のステップS303で、ソレノイド23aを励磁させ大入賞口24(シャッタ23)を開放させ、ステップS306でソレノイド23aを消磁させ大入賞口24(シャッタ23)を閉塞させることから、CPU43は、「大入賞口22を開放して多くの賞球を獲得できる大当たり状態を発生させる大当たり状態発生手段」を備えるものと認められ、また、上記摘記事項および図7等より、(1)普通図柄表示装置16のスクロールタイミングが早くなり、(2)普通図柄表示装置16が作動した際に「9」で停止する確率(普通電動役物の確率)、すなわち第1種始動口18の開閉羽根19が開放される確率が高くなり、更に(3)開閉羽根19が開放された場合にその開放時間が長くなるような更に有利な遊技状態を「普通電動役物の確率及び時間変動モード(以下、時短モードという)」というものがあり、大当たりの組み合わせパターンのうち特に「333」「555」「777」の場合を「特定図柄」と称して、これら選択された組み合わせにおいて遊技者に更に有利な遊技状態を与えるためには、CPU43は、「遊技者に更に有利な時短モードを発生させる時短モード発生手段」を備えるものと認められ、また、上記摘記事項および図7等より、CPU43が時短モード制御手段でもあり、時短モードを制御するためには、CPU43は、「時短モード発生手段により時短モードを発生させるか否かを判定する時短モード発生判定手段」を備えるものと認められ、また、上記摘記事項および図7等より、従来ではどのような図柄で大当たりになったかは、大当たり直後だけの表示であったこと、および、図7は特定図柄で大当たりした場合の表示画面15aの表示例であり、「チャンスタイム」という文字図柄37が表示され、尚且つ点滅すること、また、時短モードであるチャンスタイムは例えば複数回の入賞や複数回の大当たりに渡って継続されるため、遊技状況によって表示画面15aの表示が変動しても遊技者にチャンスタイムであることを常時認識させるように時短モードになると同モードが終了するまでこのように表示画面15aにチャンスタイムの表示がされる。また、時短モード中においては時短モードであることを報知制御する報知制御手段たるCPU43によって図7のように表示画面15aに常時「チャンスタイム」の文字図柄37が表示がされることなどから、表示画面15aには『特定図柄の組み合わせを表示した時短モードになると同モードが終了するまで、複数回の入賞や複数回の大当たりに渡る遊技状況表示画面の背景画面となるように「チャンスタイム」という文字図柄37を点滅表示する』ものと認められる。さらに、段落【0022】に記載の「7」と「金貨図柄G」が表示画面15aに交互に点滅して表示する場合の点滅間隔は自由に設定可能であることなどを考慮すると、「チャンスタイム」という文字図柄37の点滅表示の間隔を変えることは、当業者ならば容易に想到できるものである。
これらの記載によれば、周知例1には、

『常時はシャタ23が閉塞されており、特別遊技状態となると開放される大入賞口22と、第1種始動口18が遊技球の入賞を近接スイッチ18aで検出すると、左図柄列30、中図柄列31及び右図柄列32の3つの表示列の図柄変動が開始され、左図柄列30、右図柄列32及び中図柄列31の順に停止させられる特別図柄表示装置15と、該特別図柄表示装置15の変動後の停止図柄が同一種類の場合、あるいはそのうちの最後の停止図柄が金貨図柄Gである場合に、前記大入賞口22を開放して多くの賞球を獲得できる大当たり状態大当たり状態発生手段と、前記大当たり状態発生手段による大当たり状態の終了後に、遊技者に更に有利な時短モードを発生させる時短モード発生手段と、該時短モード発生手段により時短モードを発生させるか否かを判定する時短モード発生判定手段とを備えたパチンコ機において、前記時短モード発生判定手段の「チャンスタイム」という文字図柄37を遊技者に時短モードである旨を報知する報知手段を備え、前記報知手段は、特別図柄表示装置15の変動後の停止図柄が特定図柄の組み合わせを表示した時短モードになると同モードが終了するまで、複数回の入賞や複数回の大当たりに渡る遊技状況表示画面の背景画面となるように前記「チャンスタイム」という文字図柄37を点滅表示するようにしたパチンコ機。』

との発明(以下「周知例1発明」という。)が開示されていると認めることができる。

また、原査定の拒絶の理由に引用された特開平10-305139号公報(以下、引用例1という。)には、図面とともに、
「・・・、勝敗を決定し得るゲームとしては、・・・、例えば、大当り期間の開始から終了まで連続的に行われるゲーム(例えば、「カーレース」、「競馬」など)としてもよい。」(段落【0013】)、
「本発明の遊技機は、・・・、付加価値判定手段、付加価値表示手段を備え・・・、付加価値判定手段は、大当り判定手段により大当りと判定された後であって入賞制御手段が作動する前に、前記付加価値を付与するか否かを判定する。また、付加価値表示手段は、付加価値判定手段により付加価値を付与すると判定されたとき、勝敗を決定し得るゲームの勝利を収めるパターンを大当り期間中に図柄表示手段に表示し、付加価値判定手段により付加価値を付与しないと判定されたとき、勝敗を決定し得るゲームの敗北を喫するパターンを大当り期間中に図柄表示手段に表示する。」(段落【0014】)、
「・・・、本発明の実施の形態は、・・・実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。・・・。」(段落【0017】)、
「・・・、メイン制御装置40の大当り期間中の制御処理について図4・・・。まず、今回大当りか否かを判断する(S10)。・・・、大当りならば(S10でYES)、・・・1つの付加価値判定用数字を選定する(S11)。続いて、その数字が付加価値数字(ここでは「3」〜「6」)と一致するか否かを判断する(S12)。付加価値判定用数字が付加価値数字と一致する、即ち付加価値当り[大当り期間が終了した後、本パチンコ機を大当りになり易い状態にすること]ならば(S12でYES)、付加価値フラグをオンにし(S13)、勝敗を決し得るゲーム(以下「大ゲーム」という)の勝ちパターンのパターン番号(後述)を選定し、そのパターン番号を表示制御装置25に出力し(S14)、S17に進む。・・・。」(段落【0029】)、
「・・・、メイン制御装置40の上記大入賞口制御処理と並行して実行される、表示制御装置25における大当り期間中の表示処理について図6のフローチャートに基づいて・・・。まず、メイン制御装置40が大入賞口駆動装置35に開信号を出力したか否かを判断し(S50)、・・・。S51でnが「1」ならば(S51でYES)、例えば図3(b)のような説明画面を表示し(S52)、その後、S53に進む。」(段落【0038】)、
「図3(b)では、特図表示装置23の左上部ULに大当り図柄(ここでは大当り図柄が「777」だったことを表す「7」)が表示され、左下部DLに小ゲームの回数即ちnの数値(ここでは1回目を表す「1」)が表示され、下段Dに・・・大入賞口30に入賞した個数が表示され、中央Cに人物等の画像が表示されている。」(段落【0039】)、
「一方、S51でnが「1」でなければ(S51でNO)、・・・S53に進む。S53では、パターン番号に対応する勝ちパターン又は負けパターンにおける第n回目の小ゲーム「あっちむいてホイ」を表示する(S53)。例えば図7(a)〜(e)には、S53の処理における画面表示の変化を示す。この図7は、小ゲームで勝ったときの特図表示装置23の画面を例示したものであり、(a)〜(e)の順に従って順次表示される。」(段落【0040】)、
「その後、メイン制御装置40が大入賞口駆動装置35に閉信号を出力したか否かを判断し(S54)、・・・閉信号を出力したならば(S54でYES)、続いて終了フラグがオンか否かを判断し(S55)、・・・、終了フラグがオンならば(S55でYES)、変動回数カウンタの値nが「16」か否かを判断し(S56)、nが「16」ならば(S56でYES)、大ゲーム終了画面(後述)を表示し(S56)、本処理を終了する。・・・。」(段落【0041】)、
「ここで、大ゲーム終了画面とは、・・・付加価値当りの場合には大ゲームの結果が勝ちであることを表す画面(例えば「日本一」の文字等)をいい、・・・付加価値はずれの場合には大ゲームの結果が負けであることを表す画面(例えば「もう一軒いこお」の文字等)をいう。遊技者は、この大ゲーム終了画面を見ることにより、大ゲームの結果が勝ちならば付加価値が付与されたと知り、大ゲームの結果が負けならば付加価値が付与されなかったと知る。また、大ゲーム終了画面が表示されなければ、パンクにより付加価値が付与されなかったと知る。」(段落【0042】)、
「・・・本実施例のパチンコ機1によれば、大当り期間中に特図表示装置23には大ゲームが表示され、この大ゲームの勝敗に応じて付加価値が与えられるか否かが定まる。・・・。」(段落【0046】)、
「特に本実施例では、・・・、付加価値の有無は大当り用図柄と独立して判定され、大当り用図柄とは相関性がない。従って、遊技者は大当り用図柄により付加価値の有無を判断することができず、大当り期間中に特図表示装置23に表示される大ゲームに対して大きな期待感と臨場感を持つ。」(段落【0047】)

との記載が認められ、これらの記載によれば、引用例1には、

「特別図柄表示装置23は、特別図柄表示装置23の変動後の停止図柄が予め定められた組み合わせとなった大当り期間の開始から終了まで、期待感と臨場感を持つ勝敗を決定し得るゲームを表示する」

との技術的事項(以下「引用例1技術」という。)が開示されていると認めることができる。

(3)対比
そこで、本願補正発明と引用例1発明とを比較すると、引用例1発明の「常時はシャタ23が閉塞されており、特別遊技状態となると開放される」、「大入賞口22」、「第1種始動口18」、「遊技球の入賞を近接スイッチ18aで検出すると」、「左図柄列30、中図柄列31及び右図柄列32の3つの表示列の図柄変動が開始され、左図柄列30、右図柄列32及び中図柄列31の順に停止させられる」、「特別図柄表示装置15」、「停止図柄が同一種類の場合、あるいはそのうちの最後の停止図柄が金貨図柄Gである場合に」、「開放して」、「多くの賞球を獲得できる」、「大当たり状態」、「大当たり状態発生手段」、「遊技者に更に有利な」、「時短モード」、「時短モード発生手段」、「時短モード発生判定手段」、「パチンコ機」、「「チャンスタイム」という文字図柄37」、「時短モードである旨を報知する」、「特定図柄の組み合わせを表示した時短モードになると」、「背景画面」および「点滅表示する」は、本願補正発明の「遊技者に有利な第1状態と不利な第2状態とに変換可能な」、「可変入賞手段(16)」、「図柄始動手段(15)」、「遊技球を検出することを条件に」、「1又は複数個の図柄が所定時間変動して停止する」、「図柄表示手段(21)」、「停止図柄が特定図柄又は特定図柄の組み合わせとなることを条件に」、「第2状態から第1状態に変換させて」、「遊技者に有利な」、「第1利益状態」、「第1利益状態発生手段(34)」、「遊技者に有利な」、「第2利益状態」、「第2利益状態発生手段(35)」、「利益状態発生判定手段(37)」、「弾球遊技機」、「判定情報(22a)」、「報知する」、「特定図柄又は特定図柄の組み合わせを表示した直後から」、「背景画像」および「断続的に表示する」に相当すると認められる。また、引用例1発明の「時短モードが終了するまで」と、本願発明の「第1利益状態発生手段(34)による第1利益状態の終了までの間に」は、「一定期間経過するまでの間に」で共通し、また、引用例1発明の「複数回の入賞や複数回の大当たりに渡る遊技状況表示画面の背景画面となるように」と、本願発明の「特定図柄又は特定図柄の組み合わせ図柄の背景画像となるように」は、「表示画面の背景画像となるように」で共通する。
したがって、両者は、

「遊技者に有利な第1状態と不利な第2状態とに変換可能な可変入賞手段と、図柄始動手段が遊技球を検出することを条件に、1又は複数個の図柄が所定時間変動して停止する図柄表示手段と、該図柄表示手段の変動後の停止図柄が特定図柄又は特定図柄の組み合わせとなることを条件に、前記可変入賞手段を第2状態から第1状態に変換させて遊技者に有利な第1利益状態を発生させる第1利益状態発生手段と、前記第1利益状態発生手段による第1利益状態の終了後に、遊技者に有利な第2利益状態を発生させる第2利益状態発生手段と、該第2利益状態発生手段により第2利益状態を発生させるか否かを判定する利益状態発生判定手段とを備えた弾球遊技機において、前記利益状態発生判定手段の判定情報を遊技者に報知する報知手段を備え、前記報知手段は、図柄表示手段の変動後の停止図柄が特定図柄又は特定図柄の組み合わせを表示した直後から一定期間経過するまでの間に、表示画面の背景画像となるように前記判定情報を断続的に表示するようにした弾球遊技機。」

の点で一致し、以下の点で相違している。

相違点1、判定情報の表示時期において、停止図柄が特定図柄の組み合わせを表示した直後から「一定期間経過するまでの間」が、本願補正発明では、「第1利益状態発生手段(34)による第1利益状態の終了までの間」であるのに対して、周知例1発明では「時短モードが終了するまで」である点、

相違点2、背景画像としての判定情報が、本願補正発明では、「特定図柄又は特定図柄の組み合わせ図柄の背景画像となる」ようにしているのに対して、周知例1発明では「複数回の入賞や複数回の大当たりに渡る遊技状況表示画面の背景画面となる」ようにしている点、

(4)判断
上記相違点について検討する。

相違点1について、引用例1技術には、特別図柄表示装置23に大当り期間の開始から終了まで、期待感と臨場感を持つ勝敗を決定し得るゲームを表示する技術的事項が記載されており、判定情報の表示期間を設定するに当たり、複数回の入賞や複数回の大当たりに渡るような遊技状況によって表示画面の表示が変動しても遊技者にチャンスタイムであることを常時認識させるようにするような周知例1発明のように、時短モードになると同モードが終了するまで表示画面にチャンスタイムの表示がされることに代えて、前記引用例1技術を適用して本願補正発明のように第1利益状態発生手段による第1利益状態の終了までの間とすることは、遊技者の気を引く情報をどの時点からどれだけの期間内に表示するかを設定することにおいて格別の創意工夫を要したとはいえず、当業者が容易にできる設計的事項に過ぎない。

相違点2について、周知例1の図7には、特定図柄で大当たりした場合の表示画面15aの表示例が示されており、特定図柄の777の下方には「チャンスタイム」が表示されている。「チャンスタイム」は背景画面であり、本願補正発明の段落【0030】等における文字等またはキャラクター画像、その他の判定情報に相当する。そこで、背景画面について検討すると、周知例1発明の「チャンスタイム」は、複数回の入賞や複数回の大当たりに渡る遊技状況表示画面である全体画面の一連の背景画面となっているが、全体画面の一部である特定図柄の777の背景画面として「チャンスタイム」が表示されることにもなる。したがって、本願補正発明の特定図柄が大当たり期間中に変更になるかどうかは不明であるが、もし仮に、特定図柄が大当たり期間中に変わらないとすれば、周知例1発明の全体画面の一部である特定図柄の777の背景画面となる「チャンスタイム」は、本願補正発明における「特定図柄又は特定図柄の組み合わせ図柄の背景画像」と合致する時点がある。してみると、周知例1発明のチャンスタイムが「複数回の入賞や複数回の大当たりに渡る遊技状況表示画面の背景画面となる」構成を、本願補正発明の判定情報が「特定図柄又は特定図柄の組み合わせ図柄の背景画像となる」構成にすることに、格別の発明力を要したとはいえず、当業者が適宜なし得る程度の設計的事項である。

そして、本願補正発明が奏する効果は、周知例1発明および引用例1技術から当業者が予測し得るものであって格別のものとは認められない。
したがって、本願補正発明は、周知例1発明および引用例1技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、平成15年改正前特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明について
平成14年6月26日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成13年12月7日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「遊技者に有利な第1状態と不利な第2状態とに変換可能な可変入賞手段(16)と、図柄始動手段(15)が遊技球を検出することを条件に、1又は複数個の図柄が所定時間変動して停止する図柄表示手段(21)と、該図柄表示手段(21)の変動後の停止図柄が特定図柄又は特定図柄の組み合わせとなることを条件に、前記可変入賞手段(16)を第2状態から第1状態に変換させて遊技者に有利な第1利益状態を発生させる第1利益状態発生手段(34)と、前記第1利益状態発生手段(34)による第1利益状態の終了後に、遊技者に有利な第2利益状態を発生させる第2利益状態発生手段(35)と、該第2利益状態発生手段(35)により第2利益状態を発生させるか否かを判定する利益状態発生判定手段(37)とを備えた弾球遊技機において、前記利益状態発生判定手段(37)の判定情報(22a) を遊技者に報知する報知手段(22)を備え、前記報知手段(22)は図柄表示手段(21)の前記図柄の確定直後の所定時間に、その図柄の背景画像となるように前記判定情報(22a)を表示するようにしたことを特徴とする弾球遊技機。」

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開平10-305139号公報(以下、引用例1という。)には、図面とともに、
「・・・図柄を可変表示する図柄表示手段を備え、該図柄表示手段の停止図柄が大当り用図柄となったとき大当りとなり、大当り期間中は遊技球の入賞が著しく容易な大入賞口が所定時間開放された後閉鎖される操作が所定回数繰り返される遊技機において、
勝敗を決し得るゲームの勝利を収めるパターンが大当り期間中に前記図柄表示手段に表示されたときには大当り期間終了後に遊技上の付加価値が付与され、勝敗を決し得るゲームの敗北を喫するパターンが大当り期間中に前記図柄表示手段に表示されたときには前記付加価値が付与されない・・・遊技機。」(特許請求の範囲、請求項1)、
「・・・図柄を可変表示する図柄表示手段と、
遊技球が始動口へ入賞したことを条件として大当りか否かを判定する大当り判定手段と、
同じく遊技球が始動口へ入賞したことを条件として前記図柄表示手段の図柄を変動させると共に、前記大当り判定手段により大当りと判定されたとき、前記図柄表示手段の停止図柄を大当り用図柄とする変動表示制御手段と、
前記変動表示制御手段により大当り用図柄が表示されたとき、遊技球の入賞が著しく容易な大入賞口を所定時間開放したのち閉鎖する操作を所定回数繰り返す入賞制御手段とを備えた遊技機において、
前記大当り判定手段により大当りと判定された後であって前記入賞制御手段が作動する前に、大当り期間終了後の遊技上の付加価値を付与するか否かを判定する付加価値判定手段と、
前記付加価値判定手段により付加価値を付与すると判定されたとき、勝敗を決定し得るゲームの勝利を収めるパターンを大当り期間中に前記図柄表示手段に表示し、前記付加価値判定手段により付加価値を付与しないと判定されたとき、勝敗を決定し得るゲームの敗北を喫するパターンを大当り期間中に前記図柄表示手段に表示する付加価値表示制御手段とを備えた・・・遊技機。」(特許請求の範囲、請求項2)、
「【発明の属する技術分野】
本発明は、・・・図柄を可変表示する図柄表示手段を備え、該図柄表示手段の停止図柄が予め定められた大当り用図柄となったとき大当りとなり、大当り期間中は遊技球の入賞が著しく容易な大入賞口が所定時間開放された後閉鎖される操作が所定回数繰り返される遊技機に関する。」(段落【0001】)、
「【従来の技術】
従来、例えば、パチンコ機等の遊技機においては、・・・特別図柄表示装置にて・・・図柄が可変表示されることにより遊技の興趣が高められている。多くの遊技機において、この特別図柄表示装置に表示される図柄が予め定められた組み合わせ(以下「大当り用図柄」という)となった場合に大当たりとし、大当り時には、遊技球の入賞が著しく容易な第1種特別電動役物(以下「大入賞口」という)を所定時間(例えば30秒)開放したのち閉鎖する操作を所定回数(例えば16回)繰り返す。そして、大当り時には、今回の大当り用図柄が確率変動図柄(例えば「777」)と一致している場合、大当り終了後に例えば大当り確率をアップする特典などのように付加価値を与えるのである。」(段落【0002】)、
「・・・、このような遊技機では、遊技者は、・・・大当り用図柄を見れば付加価値が得られるか否かの認識ができてしまうため、大入賞口の開閉操作が所定回数繰り返される間(以下「大当り期間」という)、期待感や臨場感を持つことができず、面白味に欠けることがあった。」(段落【0003】)、
「【発明の実施の形態及び発明の効果】
本発明の遊技機は、・・・図柄を可変表示する図柄表示手段(・・・)を備え、該図柄表示手段の停止図柄が大当り用図柄となったとき大当りとなり、大当り期間中は遊技球の入賞が著しく容易な大入賞口が所定時間開放された後閉鎖される操作が所定回数繰り返されるものである。例えば、本発明の遊技機は、図柄表示手段のほかに大当り判定手段、変動表示手段、入賞制御手段を備えていてもよい。このとき、変動表示制御手段は、遊技球が始動口へ入賞したことを条件として図柄表示手段の図柄を変動させると共に、同じく遊技球が始動口へ入賞したことを条件として大当りか否かを判定する判定手段により大当りと判定されたとき、図柄表示手段の停止図柄を大当り用図柄とする。また、入賞制御手段は、変動表示制御手段により大当り用図柄が表示されたとき、遊技球の入賞が著しく容易な大入賞口を所定時間開放したのち閉鎖する操作を所定回数繰り返す。」(段落【0010】)、
「・・・、勝敗を決し得るゲームの勝利を収めるパターンが大当り期間中に図柄表示手段に表示されたときには大当り期間終了後の遊技上の付加価値が付与され、・・・る。」(段落【0011】)、
「・・・、付加価値とは、大当り期間終了後、遊技機を大当りになり易い状態にすることをいう。具体的には、図柄表示手段の図柄が変動し始めてから停止図柄となるまでの変動時間を短縮したり、大当りの出る確率を上げたり、始動口を大きく開口させる時間を長くしたりすることをいう。」(段落【0012】)、
「・・・、勝敗を決定し得るゲームとしては、・・・、例えば、大当り期間の開始から終了まで連続的に行われるゲーム(例えば、「カーレース」、「競馬」など)としてもよい。」(段落【0013】)、
「本発明の遊技機は、上述の図柄表示手段、大当り判定手段、変動表示手段、入賞制御手段に加え、付加価値判定手段、付加価値表示手段を備えていてもよい。このとき、付加価値判定手段は、大当り判定手段により大当りと判定された後であって入賞制御手段が作動する前に、前記付加価値を付与するか否かを判定する。また、付加価値表示手段は、付加価値判定手段により付加価値を付与すると判定されたとき、勝敗を決定し得るゲームの勝利を収めるパターンを大当り期間中に図柄表示手段に表示し、付加価値判定手段により付加価値を付与しないと判定されたとき、勝敗を決定し得るゲームの敗北を喫するパターンを大当り期間中に図柄表示手段に表示する。」(段落【0014】)、
「本発明の遊技機によれば、大当り期間中、図柄表示手段には勝敗を決し得るゲームが表示され、・・・、遊技者が、大当り終了後の遊技上の付加価値が得られたのか否かを知るのは、大当り期間の終了間際か終了後である。・・、遊技者は、大当り期間中は・・・ゲームによって一喜一憂し、十分な期待感と臨場感を持つことができる。特に、・・・判定は、大当り用図柄と相関性を持たないように大当り用図柄と独立して判定することが好ましい。・・・。」(段落【0015】)、
「・・・、本発明の実施の形態は、・・・実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
[実施例]
図1はパチンコ機の正面図、図2はパチンコ機の電気的接続を表すブロック図である。・・・。」(段落【0017】)、
「図1・・・、遊技盤5は、主として、・・・、始動口21(いわゆる第1種始動口)、特別図柄表示装置23(本発明の図柄表示手段に相当)、大入賞口30を備えている。・・・背面にはメイン制御装置40(図2参照)が配設されている。尚、以下には便宜上、・・・、「特別図柄」を「特図」と称する。」(段落【0018】)、
「始動口21は、・・・、開閉可能なチューリップ式の普通電動役物20を有している。この始動口21には遊技球が入ったことを検出する特図始動スイッチ22(図2参照)が設けられている。・・・。」(段落【0020】)、
「特図表示装置23は、・・・、図2に示す表示制御装置25により表示内容が制御される。この特図表示装置23の図柄を変動させるには、始動口21の特図始動スイッチ22がオンされることが条件となる。・・・。」(段落【0021】)、
「大入賞口30は、・・・、図2に示す大入賞口駆動装置35によって遊技球を受け入れない閉状態と遊技球を受け入れ易い開状態のいずれかの状態に選択される。・・・。」(段落【0022】)、
「図2に示すメイン制御装置40は、周知のCPU41、ROM42、RAM43、・・・を含んで構成され、・・・る。また、メイン制御装置40は、・・・、普通電動役物20、大入賞口駆動装置35、・・・等に制御信号を出力する・・・。また、メイン制御装置40は、・・・、特図始動スイッチ22、・・・からの信号を入力するように接続されている。・・・、バス46には特図表示装置23を制御する表示制御装置25(周知のCPU、ROM、RAM等から構成されている)が接続されている。」(段落【0023】)、
「・・・、本実施例のパチンコ機1の動作について・・・。メイン制御装置40は、大当りでない場合、・・・、特図表示装置23を図3(a)のように表示させる。即ち、特図表示装置23の上半分23aに人物等の画像を表示させ、下半分23bは左表示部L、中表示部M、右表示部Rに分ける。各表示部L,M,Rは、「0」〜「9」の数字、「とっくり」「鍋」「ジョッキ」「ちょうちん」「招き猫」の絵の15種類の図柄(停止図柄)のいずれかが表示されている。」(段落【0024】)
「メイン制御装置40は、・・・始動口21に遊技球が入ることにより特図始動スイッチ22がオンになったとき、予めROM42に記憶された大当り用乱数(「0」〜「223」)のうちから1つの大当り判定用数字を選定し、その数字が大当り数字(例えば「7」)と一致するか否か即ち大当りか否かを判定し、その判定結果をRAM43に記憶する。また、予めROM42に記憶された左表示部用乱数、中表示部用乱数、右表示部用乱数(いずれも「0」〜「14」)のうちから各1つの数字を選定し、選定した数字に対応する図柄(上述の15種類の図柄のうちの1つ)を表示制御装置25に記憶させる。そして、表示制御装置25を介して、特図表示装置23を通常の特図変動時間(約6秒)変動させた後、左表示部用の数字に対応する図柄を左表示部Lに表示する。」(段落【0026】)、
「・・・判定結果が大当りならば、表示制御装置25に記憶された図柄にかかわらず、右及び中表示部M,Rも左表示部Lの図柄と同じものを停止図柄として表示する。このように大当りの場合には、特図表示装置23の左、中、右表示部L,M,Rの図柄は揃っているため、遊技者はこの表示により大当りになったことを認識する。・・・。」(段落【0028】)、
「・・・、メイン制御装置40の大当り期間中の制御処理について図4・・・。まず、今回大当りか否かを判断する(S10)。・・・、大当りならば(S10でYES)、予めROM42に記憶した付加価値用乱数(ここでは「0」〜「11」)のうちから1つの付加価値判定用数字を選定する(S11)。続いて、その数字が付加価値数字(ここでは「3」〜「6」)と一致するか否かを判断する(S12)。付加価値判定用数字が付加価値数字と一致する、即ち付加価値当り[大当り期間が終了した後、本パチンコ機を大当りになり易い状態にすること]ならば(S12でYES)、付加価値フラグをオンにし(S13)、勝敗を決し得るゲーム(以下「大ゲーム」という)の勝ちパターンのパターン番号(後述)を選定し、そのパターン番号を表示制御装置25に出力し(S14)、S17に進む。・・・。そして、S17で大入賞口制御ルーチンを実行した後、大当り期間中の制御処理を終了する。」(段落【0029】)、
「・・・、メイン制御装置40の上記大入賞口制御処理と並行して実行される、表示制御装置25における大当り期間中の表示処理について図6のフローチャートに基づいて・・・。まず、メイン制御装置40が大入賞口駆動装置35に開信号を出力したか否かを判断し(S50)、・・・、開信号を出力したならば(S50でYES)、続いてメイン制御装置40のRAM43の開閉回数カウンタの値nが「1」か否かを判断する(S51)。S51でnが「1」ならば(S51でYES)、例えば図3(b)のような説明画面を表示し(S52)、その後、S53に進む。」(段落【0038】)、
「図3(b)では、特図表示装置23の左上部ULに大当り図柄(ここでは大当り図柄が「777」だったことを表す「7」)が表示され、左下部DLに小ゲームの回数即ちnの数値(ここでは1回目を表す「1」)が表示され、下段Dに・・・大入賞口30に入賞した個数が表示され、中央Cに人物等の画像が表示されている。」(段落【0039】)、
「一方、S51でnが「1」でなければ(S51でNO)、S52を飛ばしてS53に進む。S53では、パターン番号に対応する勝ちパターン又は負けパターンにおける第n回目の小ゲーム「あっちむいてホイ」を表示する(S53)。例えば図7(a)〜(e)には、S53の処理における画面表示の変化を示す。この図7は、小ゲームで勝ったときの特図表示装置23の画面を例示したものであり、(a)〜(e)の順に従って順次表示される。」(段落【0040】)、
「その後、メイン制御装置40が大入賞口駆動装置35に閉信号を出力したか否かを判断し(S54)、出力していなければ(S54でNO)、再びS54に戻る。一方、メイン制御装置40が閉信号を出力したならば(S54でYES)、続いて終了フラグがオンか否かを判断し(S55)、終了フラグがオンでなければ(S55でNO)、再びS50に戻る。一方、終了フラグがオンならば(S55でYES)、変動回数カウンタの値nが「16」か否かを判断し(S56)、nが「16」ならば(S56でYES)、大ゲーム終了画面(後述)を表示し(S56)、本処理を終了する。一方、nが「16」でなければ(S56でNO)、いわゆるパンク状態であるため、そのまま本処理を終了する。」(段落【0041】)、
「ここで、大ゲーム終了画面とは、・・・付加価値当りの場合には大ゲームの結果が勝ちであることを表す画面(例えば「日本一」の文字等)をいい、・・・付加価値はずれの場合には大ゲームの結果が負けであることを表す画面(例えば「もう一軒いこお」の文字等)をいう。遊技者は、この大ゲーム終了画面を見ることにより、大ゲームの結果が勝ちならば付加価値が付与されたと知り、大ゲームの結果が負けならば付加価値が付与されなかったと知る。また、大ゲーム終了画面が表示されなければ、パンクにより付加価値が付与されなかったと知る。」(段落【0042】)、
「次に、大当り期間終了後の制御処理について、図8・・・。尚、この処理を実行中、メイン制御装置40の他の種々の処理が適宜割り込まれるものとする。この処理は上述した大当り期間中の制御処理が終了した後にメイン制御装置40によって開始される処理であり、まず、付加価値フラグの状態を判断する(S70)。・・・、S70で付加価値フラグがオンならば、付加価値当りであるため、普図表示装置13及び特図表示装置23の変動時間をそれぞれ短縮し、更にチューリップ式の普通電動役物20の開放時間を延長する(S71)。付加価値の具体例を以下の(1)〜(3)に示す。
(1)普図表示装置13の変動時間は、通常約30秒であるが、これを例えば約7秒に短縮する。・・・。
(2)特図表示装置23の変動時間(ここでは左表示部の変動時間をいう)は、通常約6秒であるが、これを例えば約4.6秒に短縮する。・・・。
(3)チューリップ式の普通電動役物20の開放時間は、通常約0.3秒であるが、これを例えば約3秒に延長する。」(段落【0043】)、
「・・・、付加価値当りであれば、大当り期間終了後に上記(1)〜(3)の遊技上の付加価値が得られる。・・・。」(段落【0045】)、
「・・・本実施例のパチンコ機1によれば、大当り期間中に特図表示装置23には大ゲームが表示され、この大ゲームの勝敗に応じて付加価値が与えられるか否かが定まる。このため、遊技者が今回の大当りによって付加価値が得られたのか否かを知るのは、大当り期間の終了間際か終了後である。・・・。」(段落【0046】)、
「特に本実施例では、付加価値を付与するか否かは付加価値用乱数から選定された数字により判定されるため、付加価値の有無は大当り用図柄と独立して判定され、大当り用図柄とは相関性がない。従って、遊技者は大当り用図柄により付加価値の有無を判断することができず、大当り期間中に特図表示装置23に表示される大ゲームに対して大きな期待感と臨場感を持つ。」(段落【0047】)、
「・・・、本実施例の特図表示装置23が本発明の図柄表示手段に相当し、メイン制御装置40が大当り判定手段、入賞制御手段及び付加価値判定手段に相当し、メイン制御装置40及び表示制御装置25が変動表示制御手段に相当し、表示制御装置25が付加価値表示制御手段に相当する。
・・・。」(段落【0048】)、
「・・・付加価値制御処理においては、付加価値を(1)〜(3)としたが、いずれか1つを付加価値としてもよく、また、付加価値として確率変動(普図表示装置の当りの確率や、大当りの確率をアップする)を行うこととしてもよい。」(段落【0049】)、
との記載が認められる。また、上記摘記事項および図8より、大当り期間終了後の制御処理が、大当り期間中の制御処理が終了した後にメイン制御装置40によって開始される処理であり、付加価値フラグの状態を判断し、付加価値フラグがオンならば、大当り期間終了後、遊技機を大当りになり易い状態にする付加価値当りであるため、普図表示装置13及び特図表示装置23の変動時間をそれぞれ短縮し、更にチューリップ式の普通電動役物20の開放時間を延長することは、メイン制御装置40が「遊技機を大当りになり易い状態にする付加価値を付与させる付加価値付与手段」を備えるものと認められ、また、上記摘記事項および図3・7等より、特図表示装置23が表示制御装置25により表示内容が制御され、特図表示装置23の上半分23aに人物等の画像を表示させ、下半分23bは左表示部L、中表示部M、右表示部Rに分けたり、例えば図3(b)のような説明画面を表示したり、また、大当りか否かを判定する判定手段により大当りと判定されたとき、図柄表示手段の停止図柄を大当り用図柄とすることから、付加価値当りの場合を表す画面の例えば「日本一」の文字等や付加価値はずれの場合を表す画面の例えば「もう一軒いこお」の文字等を特別図柄表示装置23に表示する場合に、『「日本一」や「もう一軒いこお」の文字等を遊技者に見せる認識手段』を備えるものと認められる。
これらの記載によれば、引用例1には、

『遊技球を受け入れない閉状態と遊技球を受け入れ易い開状態のいずれかの状態に選択される大入賞口30と、始動口21に遊技球が入ることにより特図始動スイッチ22がオンになったとき、左、中、右表示部L,M,Rの図柄が所定時間変動して停止する特別図柄表示装置23と、該特別図柄表示装置23の変動後の停止図柄が予め定められた組み合わせとなった場合に、前記大入賞口30を遊技球を受け入れない閉状態から遊技球を受け入れ易い開状態に選択させて遊技球の入賞が著しく容易な大入賞口を所定時間開放したのち閉鎖する操作を所定回数繰り返す状態を発生させる入賞制御手段と、前記入賞制御手段による大入賞口を所定時間開放したのち閉鎖する操作を所定回数繰り返す状態の大当り期間終了後に、遊技機を大当りになり易い状態にする付加価値を付与させる付加価値付与手段と、該付加価値付与手段により付加価値を付与するか否かを判定する付加価値判定手段とを備えたパチンコ機1において、前記付加価値判定手段の「日本一」や「もう一軒いこお」の文字等を遊技者に見せる認識手段を備え、前記認識手段は特別図柄表示装置23の前記図柄の確定後の大当り期間の終了間際に、前記「日本一」や「もう一軒いこお」の文字等を表示するようにしたパチンコ機1。』

との発明(以下「引用例1発明」という。)が開示されていると認めることができる。

(2)対比
そこで、本願発明と引用例1発明とを比較すると、引用例1発明の「遊技球を受け入れない閉状態と遊技球を受け入れ易い開状態のいずれかの状態に選択される」、「大入賞口30」、「始動口21に遊技球が入ることにより特図始動スイッチ22がオンになったとき」、「左、中、右表示部L,M,Rの図柄」、「特別図柄表示装置23」、「予め定められた組み合わせとなった場合に」、「遊技球を受け入れない閉状態から遊技球を受け入れ易い開状態に選択させて」、「遊技球の入賞が著しく容易な大入賞口を所定時間開放したのち閉鎖する操作を所定回数繰り返す状態」、「入賞制御手段」、「大当り期間終了後」、「遊技機を大当りになり易い状態にする付加価値を付与させる」、「付加価値付与手段」、「付加価値判定手段」、「パチンコ機1」、「「日本一」や「もう一軒いこお」の文字等」、「見せる」、および「認識手段」は、本願発明の「遊技者に有利な第1状態と不利な第2状態とに変換可能な」、「可変入賞手段(16)」、「図柄始動手段(15)が遊技球を検出することを条件に」、「1又は複数個の図柄」、「図柄表示手段(21)」、「特定図柄又は特定図柄の組み合わせとなることを条件に」、「第2状態から第1状態に変換させて」、「遊技者に有利な第1利益状態」、「第1利益状態発生手段(34)」、「終了後」、「遊技者に有利な第2利益状態を発生させる」、「第2利益状態発生手段(35)」、「利益状態発生判定手段(37)」、「弾球遊技機」、「判定情報(22a)」、「報知する」、および「報知手段(22)」に相当すると認められる。また、引用例1発明の「前記図柄の確定後の大当り期間の終了間際」と、本願発明の「前記図柄の確定直後の所定時間」は、「前記図柄の確定後の任意の時間」で共通する。したがって、両者は、

「遊技者に有利な第1状態と不利な第2状態とに変換可能な可変入賞手段と、図柄始動手段が遊技球を検出することを条件に、1又は複数個の図柄が所定時間変動して停止する図柄表示手段と、該図柄表示手段の変動後の停止図柄が特定図柄又は特定図柄の組み合わせとなることを条件に、前記可変入賞手段を第2状態から第1状態に変換させて遊技者に有利な第1利益状態を発生させる第1利益状態発生手段と、前記第1利益状態発生手段による第1利益状態の終了後に、遊技者に有利な第2利益状態を発生させる第2利益状態発生手段と、該第2利益状態発生手段により第2利益状態を発生させるか否かを判定する利益状態発生判定手段とを備えた弾球遊技機において、前記利益状態発生判定手段の判定情報を遊技者に報知する報知手段を備え、前記報知手段は図柄表示手段の前記図柄の確定後の任意の時間に、前記判定情報を表示するようにした弾球遊技機。」

の点で一致し、以下の点で相違している。

相違点1、報知手段が判定情報を特定図柄の組み合わせの確定後の任意の時間に表示するのに、本願発明では、「特定図柄の組み合わせの確定直後の所定時間」であるのに対して、引用例1発明では「予め定められた組み合わせとなった停止図柄の確定後の大当り期間の終了間際」である点、

相違点2、報知手段に表示する判定情報の表示条件において、本願発明では、「特定図柄の組み合わせの背景画像となるように」表示するのに対して、引用例1発明では、そのように記載されていない点

(3)判断
上記相違点について検討する。

相違点1について、一般的に、ラッキーナンバーで大当りが成立した直後から大当り中に、可変表示部に「ラッキースタート」という表示をすることが周知であり(一例として、特開平9-94333号公報(段落【0071】【0087】等)参照)、引用例1発明の大当り期間の終了間際に判定情報を表示することに代えて、前記周知のものを採用して、本願発明の特定図柄の組み合わせの確定直後の所定時間に判定情報を表示するようにすることは、判定情報の時間的条件に格別の発明力を要したとはいえず、当業者が適宜なし得る程度の設計的事項である。

相違点2について、遊技機分野において、特定図柄で大当たりした場合に、表示装置に「チャンスタイム」という文字図柄を特定図柄の組合せである777の背景画面として表示させることが従来周知であり(例えば、特開平11-57143号公報(段落【0024】等)、特開平9-94333号公報参照)、引用例1発明の判定情報である「日本一」や「もう一軒いこお」の文字等を表示するのに、前記周知のものを付加して、本願補正発明の特定図柄の組み合わせの背景画像となるようにすることは、判定情報の表示条件の設定に格別の創意工夫を要したとはいえず、当業者が必要に応じて容易に想到し得るものである。

そして、本願発明が奏する効果は、引用例1発明および周知技術から当業者が予測し得るものであって格別のものとは認められない。

したがって、本願発明は、引用例1発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-03-16 
結審通知日 2006-03-22 
審決日 2006-04-04 
出願番号 特願平11-191382
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小林 英司  
特許庁審判長 二宮 千久
特許庁審判官 辻野 安人
林 晴男
発明の名称 弾球遊技機  
代理人 谷藤 孝司  
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