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審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 F16L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F16L
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F16L
管理番号 1137218
審判番号 不服2005-5000  
総通号数 79 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-08-14 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-03-23 
確定日 2006-05-24 
事件の表示 特願2001- 29018「耐圧ホース」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 8月14日出願公開、特開2002-228059〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成13年2月6日の出願であって、平成16年9月24日付で手続補正がなされたが、平成17年2月8日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年3月23日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年4月22日付で手続補正がなされたものである。

2.平成17年4月22日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成17年4月22日付の手続補正を却下する。
[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、補正前の特許請求の範囲(平成16年9月24日付の手続補正で補正された明細書に記載のもの)の
「【請求項1】 内周面を全長に亘って同一径の平坦な面に形成していると共に外周面に両端部を除いて合成樹脂製補強線条物からなる一定高さの補強螺旋突条を一体に設けてなる合成樹脂製可撓管の外周面を全長に亘って金属細線又は合成樹脂モノフィラメントを編粗してなる補強編筒によって被覆してあり、さらに、この合成樹脂製可撓管の両端部を上記補強螺旋突条の高さに達する肉厚を有し且つ外周面が全長に亘って平坦な面に形成した肉厚端部に形成していることを特徴とする耐圧ホース。」
は、
「【請求項1】 内周面を全長に亘って同一径の平坦な面に形成していると共に外周面に両端部を除いて合成樹脂製補強線条物からなる一定高さの補強螺旋突条を一体に設けてなる合成樹脂製可撓管の外周面を全長に亘って金属細線又は合成樹脂モノフィラメントを編組してなる補強編筒によって被覆していると共に、この合成樹脂製可撓管の両端部を上記補強螺旋突条の高さに達する肉厚を有し且つ外周面が全長に亘って平坦な面に形成した肉厚端部に形成し、この合成樹脂製可撓管の上記肉厚端部内にニップルを挿嵌すると共に該肉厚端部の外周面に金属製短筒体を被嵌してこの金属製短筒体を縮径方向に圧縮することにより肉厚端部を介して上記ニップルを固着してあり、さらに、この合成樹脂製可撓管の開口両端から突出した上記ニップルのフランジ部の背面に上記金属製短筒体上に回転自在に被嵌したユニオンナットを係止させていることを特徴とする耐圧ホース。」
と補正された。

(2)補正の目的の適否について
補正後の請求項1は、補正前の請求項1に「この合成樹脂製可撓管の上記肉厚端部内にニップルを挿嵌すると共に該肉厚端部の外周面に金属製短筒体を被嵌してこの金属製短筒体を縮径方向に圧縮することにより肉厚端部を介して上記ニップルを固着してあり、さらに、この合成樹脂製可撓管の開口両端から突出した上記ニップルのフランジ部の背面に上記金属製短筒体上に回転自在に被嵌したユニオンナットを係止させている」なる耐圧ホースと継ぎ手との関連を規定する発明特定事項を追加するものであるが、補正前の請求項1には、耐圧ホースと継ぎ手に関する事項が見あたらないから、この発明特定事項を請求項に追加する上記補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項を限定する、いわゆる「限定的減縮」に該当するものではない。また、誤記の訂正にも、明りょうでない記載の釈明にもあたらない。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第4項の規定に違反するものである。

(3)独立特許要件について
仮に、本件補正がいわゆる「限定的減縮」に該当するとした場合に、補正後の請求項1に係る発明(以下、「補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて、念のため、検討する。

(3-1)引用文献に記載された発明
原査定の拒絶理由に引用した、本願の出願前国内において頒布された刊行物である、登録実用新案第3074272号公報(以下、「引用文献」という。)には、図面とともに次の記載がある。

・「【0008】
本考案では、上記管材が筒状の保護ジャケットで被覆されている。保護ジャケットにはステンレス細線などの金属細線を編組した構造のものを好適に用いることができ、そのようなものでは、柔軟な管材の傷付きや破断が保護ジャケットによって防止されるほか、保護ジャケットの持つ高い保形性によって管材が偏平に圧潰されて水流れが損なわれるといったような事態を生じにくくなる。」

・「【0014】
この可撓管Aでは、管接続機能を具備する筒状の接続金具3が、柔軟な管材5の端部に差し込まれて保持されている。・・・・」

・「【0016】
図1のように接続金具3に外装キャップ6が外嵌されている。この外装キャップ6は、前端に内向きに突き出た口縁部61を有していると共に、初期形状は円筒状であり、また、初期状態での内径が上記した接続金具3の差込領域31の外径やその差込領域31などに形成されている補強リブ32,33の頂部外径よりも大きくなっている。
【0017】
次に、管材5には、内面が平滑でかつ螺旋状に延びるリブ51を備えたゴム又は合成樹脂製の柔軟なホースが用いられている。この管材5の初期状態での内径は、上記した接続金具3の差込領域31の外径やその差込領域31などに形成されている補強リブ32,33の頂部外径と同等であっても、それらよりも少し短くても、それらよりも少し長くてもよい。このような柔軟な管材5が保護ジャケット7で被覆されている。保護ジャケット7には、ステンレス細線などの金属細線を編組したものが用いられている。そのため、柔軟な管材5の傷付きや破断が保護ジャケット7によって防止されるほか、保護ジャケット7の持つ高い保形性によって管材5が偏平に圧潰されて水流れが損なわれるといったような事態を生じにくくなっている。
【0018】
図1のように、管材5とその管材5を被覆している保護ジャケット7とが接続金具3の差込領域31を含む部分とその接続金具3に外嵌された筒状の外装キャップ6との相互間に配備されていると共に、外装キャップ6は、図1の下半分に示したように多角形に加締めて縮径されている。このように外装キャップ6が加締めて縮径されることにより、接続金具3の差込領域31と加締めて縮径された外装キャップ6とによって管材5と保護ジャケット7の各端部が挾圧保持されていると、管材5と接続金具3とが確実に結合されて両者が離れる方向に引っ張られたとしても接続金具3が管材5の端部から抜け落ちるという事態が容易には起こり得ない。」

・「【0022】
図1のように接続金具3の先端部には、その筒壁を膨出状に成形することにより形成された鍔部37が備わっており、この鍔部37が、接続金具3にあらかじめ外嵌された袋ナット8を抜止めしている。この可撓管において、袋ナット8を別の管側に設けられたねじ付き接続口部(不図示)にねじ込んで締め付けると、その別の管と管材2の管路同士が接続金具3を介して連通される。」

上記記載及び図面からみて、引用文献には、次の発明が記載されている。

「内周面を全長に亘って同一径の平坦な面に形成していると共に外周面に一定高さの螺旋状のリブ51を一体に設けてなる合成樹脂製可撓管材5の外周面を全長に亘って金属細線を編組してなる保護ジャケット7によって被覆していると共に、この合成樹脂製可撓管材の端部内に接続金具3を挿嵌すると共に該端部の外周面に外装キャップ6を被嵌してこの外装キャップを縮径方向に圧縮することにより端部を介して上記接続金具を固着してあり、さらに、この合成樹脂製可撓管材の開口端部から突出した上記接続金具の鍔部37の背面の上記接続金具上に回転自在に被嵌した袋ナット8を係止させているホース。」(以下、「引用例発明」という。)

(3-2)対比・判断
補正発明と引用例発明とを対比すると、引用例発明の「螺旋状のリブ51」は、補正発明の「補強螺旋突条」に相当し、以下同様に「管材5」は、「管」に、「保護ジャケット7」は、「補強編筒」に、「接続金具3」は、「ニップル」に、「外装キャップ6」は、「短筒体」に、「鍔部37」は、「フランジ部」に、「袋ナット8」は、「ユニオンナット」に、それぞれ相当するとともに、引用文献には耐圧ホースであるとの明記はないが、管材にリブが設けられているとともに金属細線を編組してなる保護ジャケットを管材外周面に被覆してあることから引用例発明も耐圧性を有することは明らかであるから、
両者は、
「内周面を全長に亘って同一径の平坦な面に形成していると共に外周面に一定高さの補強螺旋突条を一体に設けてなる合成樹脂製可撓管の外周面を全長に亘って金属細線又は合成樹脂モノフィラメントを編組してなる補強編筒によって被覆していると共に、この合成樹脂製可撓管の端部内にニップルを挿嵌すると共に該端部の外周面に金属製短筒体を被嵌してこの金属製短筒体を縮径方向に圧縮することにより端部を介して上記ニップルを固着してあり、さらに、この合成樹脂製可撓管の開口端部から突出した上記ニップルのフランジ部の背面に回転自在に被嵌したユニオンナットを係止させていることを特徴とする耐圧ホース。」
である点で一致し、次の点で相違している。

[相違点1]補正発明では、補強螺旋突条を、合成樹脂製補強線条物を合成樹脂製可撓管外周面に一体に設けて形成したのに対して、引用例発明では、合成樹脂可撓管自体を螺旋状に突出させて形成した点。

[相違点2]補正発明では、補強螺旋突条を合成樹脂製可撓管の両端部を除いて設け、該可撓管の両端部を上記補強螺旋突条の高さに達する肉厚を有し且つ外周面が全長に亘って平坦な面に形成した肉厚端部に形成しているのに対して、引用例発明では、合成樹脂製可撓管の全長に亘って補強螺旋突条を設けた点。

[相違点3]補正発明では、可撓管の開口両端から突出したニップルのフランジ部の背面に金属製短筒体上に回転自在に被嵌したユニオンナットを係止させているのに対して、引用例発明では、可撓管の一端から突出したニップルのフランジ部の背面にニップル上に回転自在に被嵌したユニオンナットを係止させているとともに、短筒体が金属製であるとの限定がない点。

相違点1について検討すると、合成樹脂製補強線条物を合成樹脂製可撓管外周面に一体に設けて補強螺旋突条を形成することは当該技術分野において従来周知の技術手段である(例えば、特開2000-356286号公報、実公昭49-19971号公報参照。)から、引用例発明において、補強螺旋突条を、合成樹脂製補強線条物を合成樹脂製可撓管外周面に一体に設けることにより形成して、相違点1における補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

次に、相違点2について検討すると、螺旋状の補強線条物を有する可撓管端部に継手を管外周から締付具により締め付けて取り付けるに際して、均一に締め付け可能とすべく、補強線条物を合成樹脂製可撓管の端部を除いて設けること(前者)、及び、可撓管の端部を外周面が全長に亘って平坦な面に形成した肉厚端部に形成すること(後者)は、いずれも従来周知の技術手段である(前者については、例えば、実願平2-404518号(実開平4-90785号)のマイクロフィルム、実公昭49-3545号公報、実公昭45-3026号公報、後者については例えば、実公昭49-3545号公報、49-19971号公報参照。)から、引用例発明において、補強螺旋突条を合成樹脂製可撓管の両端部を除いて設けるとともに、該可撓管の両端部を上記補強螺旋突条の高さに達する肉厚を有し且つ外周面が全長に亘って平坦な面に形成した肉厚端部に形成して相違点2における補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

さらに、相違点3について検討すると、引用例発明の短筒体(外装キャップ)のようなカシメ部材は、金属製とするのが一般的であるし、引用例発明において、ニップル、ユニオンナット及び短筒体からなる継手を可撓管の両端部に設けるか一端のみに設けるかは、可撓管の両端の接続対象物に応じて適宜選択される事項である。また、引用例発明がユニオンナットをニップル上に回転自在に被嵌したのに対して、補正発明がユニオンナットを金属製短筒体上に回転自在に被嵌した点は格別の技術的意義を見出すことはできない設計上の微差にすぎない。
したがって、引用例発明において、短筒体を金属製とし、ニップル、ユニオンナット及び短筒体からなる継手を可撓管の両端部に設け、さらにユニオンナットを短筒体上に回転自在に被嵌して相違点3における補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

そして、補正発明の効果は、引用文献に記載された発明、及び周知技術から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。
よって、補正発明は、本願の出願前に国内において頒布された引用文献に記載された発明、及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(4)むすび
以上(2)、(3)で検討したとおり、本件補正は、特許法第17条の2第4項、あるいは特許法第17条の2第5項の規定により準用する特許法第126条第5項の規定に違反してなされたものであり、特許法第159条第1項の規定により読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成17年4月22日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成16年9月24日付の手続補正で補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。

「【請求項1】 内周面を全長に亘って同一径の平坦な面に形成していると共に外周面に両端部を除いて合成樹脂製補強線条物からなる一定高さの補強螺旋突条を一体に設けてなる合成樹脂製可撓管の外周面を全長に亘って金属細線又は合成樹脂モノフィラメントを編組してなる補強編筒によって被覆してあり、さらに、この合成樹脂製可撓管の両端部を上記補強螺旋突条の高さに達する肉厚を有し且つ外周面が全長に亘って平坦な面に形成した肉厚端部に形成していることを特徴とする耐圧ホース。」

なお、請求項1には、「編粗してなる」と記載されているが、「編組してなる」の誤記と認め、本願の請求項1に係る発明を上記のように認定した。

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献、及び、その記載事項は、前記「2.(3-1)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は、前記2.(3)で検討した補正発明から「この合成樹脂製可撓管の上記肉厚端部内にニップルを挿嵌すると共に該肉厚端部の外周面に金属製短筒体を被嵌してこの金属製短筒体を縮径方向に圧縮することにより肉厚端部を介して上記ニップルを固着してあり、さらに、この合成樹脂製可撓管の開口両端から突出した上記ニップルのフランジ部の背面に上記金属製短筒体上に回転自在に被嵌したユニオンナットを係止させている」との構成を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を追加したものに相当する補正発明が、前記「2.(3ー2)」に記載したとおり、引用文献に記載された発明及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用文献に記載された発明及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献に記載された発明及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-03-07 
結審通知日 2006-03-14 
審決日 2006-03-27 
出願番号 特願2001-29018(P2001-29018)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (F16L)
P 1 8・ 121- Z (F16L)
P 1 8・ 572- Z (F16L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 谷口 耕之助  
特許庁審判長 水谷 万司
特許庁審判官 原 慧
今井 義男
発明の名称 耐圧ホース  
代理人 山本 拓也  
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