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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B25J
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B25J
管理番号 1137281
審判番号 不服2004-12916  
総通号数 79 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-05-18 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-06-24 
確定日 2006-06-01 
事件の表示 平成10年特許願第 47593号「基板処理装置および基板搬入搬出装置」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 5月18日出願公開、特開平11-129184〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件出願は、平成10年2月27日(優先権主張平成9年9月1日)の特許出願であって、同15年11月10日付で拒絶の理由が通知され、同16年1月19日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同16年5月20日付で拒絶をすべき旨の査定がされ、これに対し、同16年6月24日に本件審判の請求がされ、同16年7月23日に明細書を補正対象書類とする手続補正(以下「本件補正」という。)がされたものである。

第2 本件補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。
[理由]
1 補正の内容の概要
本件補正は特許請求の範囲を含む明細書について補正をするものであって、補正前後の請求項1の記載は以下のとおりである。
(1) 補正前の請求項1
「高さ方向に伸縮自在の基板搬送手段が、高さ方向に積層された複数の処理部に対して基板を搬送して所定の処理を行う基板処理装置であって、
前記基板搬送手段は、
(a) 基板を保持して前記複数の処理部との間で基板の受け渡しを行う搬送アームと、
(b) 収納部材と当該収納部材に収納される被収納部材とを含み、前記収納部材と前記被収納部材との相対昇降動作により前記搬送アームを昇降させる伸縮昇降機構と、
(c) 前記伸縮昇降機構の上部に設けられており、前記搬送アームを鉛直軸周りに回転させる回転駆動機構と、
を備えることを特徴とする基板処理装置。」
(2) 補正後の請求項1
「高さ方向に伸縮自在の基板搬送手段と、高さ方向に積層されており、前記基板搬送手段の周囲を囲むように配置された複数の処理部と、を有し、前記基板搬送手段から前記複数の処理部に対して搬送された基板に対して所定の処理を行う基板処理装置であって、
前記基板搬送手段は、
(a) 基板を保持して前記複数の処理部との間で基板の受け渡しを行う搬送アームと、
(b) 収納部材と当該収納部材に収納される被収納部材とを含み、前記収納部材と前記被収納部材との相対昇降動作により前記搬送アームを昇降させる伸縮昇降機構と、
(c) 前記伸縮昇降機構の上部に設けられており、前記搬送アームを鉛直軸周りに回転させる回転駆動機構と、
を備えることを特徴とする基板処理装置。」
2 補正の適否
請求項1における補正は、複数の処理部が基板搬送手段の周囲を囲むように配置されており、所定の処理が基板搬送手段から複数の処理部に対して搬送された基板に対して行われる旨の限定事項を付加するものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて、以下検討する。
(1) 補正発明
補正発明は、本件補正により補正がされた明細書及び図面の記載からみて、前記1の(2) の補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。
(2) 引用例記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された本件出願の優先権主張日前に日本国内において頒布された刊行物である特開平8-46010号公報(以下「引用例」という。)には、以下のとおり記載されている。
ア 第2欄末行-第3欄第2行
「【産業上の利用分野】本発明は、半導体基板やLCD基板等の被処理基板を枚葉式で処理する一連の処理ユニットを備えた処理システムに関する。」
イ 第6欄第27-37行
「処理ステーション12では、図1に示すように、中心部に垂直搬送型の主ウエハ搬送機構24が設けられ、その周りに全ての処理ユニットが1組または複数の組に亙って多段に配置されている。この例では、5組G1,G2,G3,G4,G5の多段配置構成であり、第1および第2の組G1,G2の多段ユニットはシステム正面(図1において手前)側に並置され、第3の組G3の多段ユニットはカセットステーション10に隣接して配置され、第4の組G4 の多段ユニットはインタフェース部14に隣接して配置され、第5の組G5 の多段ユニットは背部側に配置されている。」
ウ 第10欄末行-第11欄第49行
「図10および図11に示すように、主ウエハ搬送機構24は、上端および下端で接続された相対向する一対の垂直壁部91,92からなる筒状支持体94の内側にウエハ搬送体96を上下方向(Z方向)に移動可能に取り付けている。筒状支持体94は、回転駆動モータ98の回転軸に接続されており、モータ98の回転駆動力によって回転軸を回転中心としてウエハ搬送体96と一体に回転するようになっている。回転駆動モータ98は本システムのベース板100に固定されており、モータ98の周りには給電用の可撓性ケーブルベア102が巻かれている。なお、筒状支持体94は、回転駆動モータ98によって回転される別の回転軸(図示せず)に取着するように構成してもよい。
【0047】ウエハ搬送体96の上下方向の移動範囲は、ウエハ搬送体96が第1〜第4組G1〜G5の多段ユニットの全てにアクセスできるように設定されている。
【0048】ウエハ搬送体96は、搬送基台104上に、X方向(前後方向)に移動可能な複数本たとえば3本のピンセット106A,106B,106Cを備えている。各ピンセット106は、筒状支持体94の両垂直壁部91,92の間の側面開口部93を通り抜けできるようになっている。各ピンセット106をX方向に移動させるためのX方向駆動部は、搬送基台104に内蔵された駆動モータおよびベルト(図示せず)によって構成されている。
・・・
【0050】図11、図12および図13に示すように、一方の垂直壁部91の内側のほぼ中央の上端部および下端部に一対のプーリ108,110が取り付けられ、これらのプーリ108,110間に垂直駆動用の無端ベルト112が掛け渡されている。この垂直駆動ベルト112にベルトクランプ114を介してウエハ搬送体96の搬送基台104が接続されている。下部プーリ110は、筒状支持体94の底面に固定配置された駆動モータ116の回転軸116aに接続され、駆動プーリを構成している。また、図12および図13に明示するように、垂直壁部91の内側の左右端部に一対のガイドレール116,118が垂直方向に延在して設けられ、搬送基台104の側面に突設された一対の水平支持棹120,122の先端にそれぞれ設けられたスライダ124,126が両ガイドレール116,118に摺動可能に係合している。このような垂直ベルト駆動機構および垂直スライダ機構により、ウエハ搬送体96は駆動モータ116の駆動力で垂直方向に昇降移動できるようになっている。」
エ 第21欄第39行-末行
「各ユニットに対して、主ウエハ搬送機構24は、筒状支持体94をθ方向に回転移動させると同時にウエハ搬送体96を上下方向に移動させ、ピンセット106をX方向に前進・後退移動させて、ウエハWの受け取りを行う。主ウエハ搬送機構24のウエハ搬送体96は3本のピンセット106A,106B,106Cを備えているので、たとえば第1のピンセット106Aで半導体ウエハW1を保持した状態で所望のユニットへアクセスし、先ず手の空いている第2のピンセット106Bで当該ユニットから処理済みの半導体ウエハW2を搬出し、次に第1のピンセット106Aで半導体ウエハW1を当該ユニットへ搬入する。」
オ 図10及び図11
ウエハ搬送体96をZ軸方向に移動する機構の下部に、該機構をモータ98の駆動力によりZ軸まわりに回転させる機構が設けられていること。
以上のとおりであるので、引用例には、次の事項が記載されていると認める。
ウエハ搬送機構24と、多段に配置されており、前記ウエハ搬送機構24の周囲を囲むように配置された複数の処理ユニットと、を有し、前記ウエハ搬送機構24から前記複数の処理ユニットに対して搬送された半導体ウエハに対して所定の処理を行う処理システムであって、
前記ウエハ搬送機構24は、
(a) 半導体ウエハを保持して前記複数の処理ユニットとの間で半導体ウエハの受け渡しを行うピンセット106A,106B,106C及びX方向駆動部と、
(b) 前記ピンセット106A,106B,106C及び前記X方向駆動部を昇降させる垂直ベルト駆動機構及び垂直スライダ機構と、
(c) 前記垂直ベルト駆動機構及び垂直スライダ機構の下部に設けられており、これらの機構と一体に前記ピンセット106A,106B,106C及びX方向駆動部をモータ98の駆動力によりZ軸まわりに回転させる機構と、
を備える処理システム(以下「引用例記載の発明」という。)。
(3) 対比
補正発明と引用例記載の発明とを対比すると、引用例記載の発明の「ウエハ搬送機構」は、補正発明の「基板搬送手段」に相当しており、以下同様に、「多段に配置」は「高さ方向に積層」に、「処理ユニット」は「処理部」に、「半導体ウエハ」は「基板」に、「処理システム」は「基板処理装置」に、「ピンセット及びX方向駆動部」は「搬送アーム」に、及び、「モータの駆動力によりZ軸まわりに回転させる機構」は「鉛直軸周りに回転させる回転駆動機構」にそれぞれ相当していることが明らかである。
また、引用例記載の発明の「搬送アームを昇降させる垂直ベルト駆動機構及び垂直スライダ機構」は、搬送アームを昇降させる昇降機構であることに限り、補正発明の「収納部材と当該収納部材に収納される被収納部材とを含み、前記収納部材と前記被収納部材との相対昇降動作により搬送アームを昇降させる伸縮昇降機構」と一致しており、引用例記載の発明の「垂直ベルト駆動機構及び垂直スライダ機構の下部に設けられており、これらの機構と一体に搬送アームを鉛直軸周りに回転させる回転駆動機構」は、搬送アームを鉛直軸周りに回転させる回転駆動機構であることに限り、補正発明の「伸縮昇降機構の上部に設けられており、搬送アームを鉛直軸周りに回転させる回転駆動機構」と一致している。
以上のとおりであるので、両者は、次の「基板処理装置」で一致している。
基板搬送手段と、高さ方向に積層されており、前記基板搬送手段の周囲を囲むように配置された複数の処理部と、を有し、前記基板搬送手段から前記複数の処理部に対して搬送された基板に対して所定の処理を行う基板処理装置であって、
前記基板搬送手段は、
(a) 基板を保持して前記複数の処理部との間で基板の受け渡しを行う搬送アームと、
(b) 前記搬送アームを昇降させる昇降機構と、
(c) 前記搬送アームを鉛直軸周りに回転させる回転駆動機構と、
を備える基板処理装置。
そして、両者は、次の点で相違している。
ア 相違点1
補正発明では、昇降機構が収納部材と当該収納部材に収納される被収納部材とを含み、前記収納部材と前記被収納部材との相対昇降動作により搬送アームを昇降させる伸縮昇降機構であり、基板搬送手段が高さ方向に伸縮自在であるのに対し、引用例記載の発明では、昇降機構がそのような伸縮昇降機構ではなく、基板搬送手段も高さ方向に伸縮自在ではない点。
イ 相違点2
搬送アームを鉛直軸周りに回転させる回転駆動機構が、補正発明では、伸縮昇降機構の上部に設けられているのに対し、引用例記載の発明では、昇降機構である垂直ベルト駆動機構及び垂直スライダ機構の下部に設けられている点。
(4) 相違点の検討
前記各相違点について、以下検討する。
ア 相違点1について
収納部材と当該収納部材に収納される被収納部材とを含み、前記収納部材と前記被収納部材との相対昇降動作により被昇降物を昇降させる伸縮昇降機構は、例えば、原査定の拒絶の理由に引用された本件出願の優先権主張日前に日本国内において頒布された刊行物である特開昭62-218394号公報、実願昭59-93344号(実開昭61-10313号)のマイクロフィルム等に記載されているように、特定の技術分野に限定して採用されているものではなく様々な技術分野において採用されている従来周知の事項である。
したがって、引用例記載の発明の基板搬送手段の搬送アームを昇降させる昇降機構に上記従来周知の伸縮昇降機構を採用することにより、収納部材と当該収納部材に収納される被収納部材とを含み、前記収納部材と前記被収納部材との相対昇降動作により前記搬送アームを昇降させる伸縮昇降機構は、当業者が容易に想到することができたことであり、また、このような伸縮昇降機構の採用により、基板搬送手段は、当然に高さ方向に伸縮自在となるものである。
イ 相違点2について
搬送アームを昇降させる昇降機構と、搬送アームを鉛直軸周りに回転させる回転駆動機構とを備える基板搬送手段における回転駆動機構の配置について、例えば、原査定における備考欄に記載した本件出願の優先権主張日前に日本国内において頒布された刊行物である特開平8-64657号公報に第2のネジ軸18、第2の電動モータ19、第2のガイド20及び第2の支持台21等よりなる昇降機構の上部に基板保持部材24を軸芯P1周りに回転させるモータ23を設けること(第4欄第29-39行、図4参照)が記載され、特開昭63-213355号公報にシリンダ45よりなる昇降機構の上部にアーム型基板搬送手段42を鉛直軸周りに回転させるアーム回転駆動源44を設けること(第5頁右下欄第15-18行、第3図参照)が記載されているように、回転駆動機構を昇降機構の上部に設けることは従来周知である。
したがって、前記相違点1について検討した伸縮昇降機構の採用とともに、回転駆動機構の配置について、上記従来周知な事項を採用することにより、搬送アームを鉛直軸周りに回転させる回転駆動機構を伸縮昇降機構の上部に設けることは、当業者が容易に想到することができたことである。
エ 補正発明の作用効果について
補正発明が奏する作用効果は、引用例記載の発明及び前記従来周知の各事項から当業者であれば予測できる程度のものであって格別のものではない。
したがって、補正発明は、引用例記載の発明及び前記従来周知の各事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 むすび
以上のとおりであるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本件発明について
1 本件発明
本件補正は、前記のとおり却下されたので、本件出願の請求項1乃至4に係る発明は、平成16年1月19日付手続補正書により補正がされた明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1乃至4に記載された事項により特定されるとおりのものであると認めるところ、請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、前記第2の1の(1) の補正前の請求項1に示したとおりである。
2 引用例記載事項
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された引用例及びその記載事項は、前記第2の2の(2) に示したとおりである。
3 対比・判断
本件発明は、前記第2の2で述べたとおり、補正発明の特定事項から、前記限定事項が省かれたものである。
そうすると、前記第2の2の(4) で検討したとおり、補正発明は、引用例記載の発明及び前記従来周知の各事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、補正発明の特定事項から前記限定事項が省かれた本件発明についても、同様の理由により、引用例記載の発明及び前記従来周知の各事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
4 むすび
以上のとおりであるので、本件発明は、引用例記載の発明及び前記従来周知の各事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本件出願の請求項2乃至4に係る発明について判断するまでもなく、本件出願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-03-29 
結審通知日 2006-04-04 
審決日 2006-04-17 
出願番号 特願平10-47593
審決分類 P 1 8・ 575- Z (B25J)
P 1 8・ 121- Z (B25J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中島 昭浩  
特許庁審判長 前田 幸雄
特許庁審判官 菅澤 洋二
鈴木 孝幸
発明の名称 基板処理装置および基板搬入搬出装置  
代理人 有田 貴弘  
代理人 吉竹 英俊  
代理人 吉田 茂明  
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