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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1137310
審判番号 不服2002-20245  
総通号数 79 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-07-11 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-10-17 
確定日 2006-05-31 
事件の表示 平成 7年特許願第333128号「マルチメディアブース」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 7月11日出願公開、特開平 9-179653〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯
本願は、平成7年12月21日の出願であって、平成14年9月5日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年10月17日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年11月14日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成14年11月14日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成14年11月14日付けの手続補正を却下する
[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「1個の高寸の筐体内に、事務処理に必要な各種の情報処理手段に対する電力供給手段、並びに情報伝達手段を組み込んでなるマルチメディアタワーの側面に、前後方向に屈曲可能な仕切板の側端を着脱自在に連結したことを特徴とするマルチメディアブース。」と補正された。
上記補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「仕切板」についてマルチメディアタワーの側面に、「側端を着脱自在に」連結したとの限定を付加するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に適合するか)について以下に検討する。
(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例1乃至3には、以下の点が記載されている。
引用例1:特開平4-261606号公報
a.【請求項1】 机上の前方および側面にパーテーションを有する机において、前記パーテーション内に情報処理装置の入出力機器および/または周辺機器を実装したことを特徴とするシステム机。
b.【請求項2】 請求項1記載のシステム机において、入出力機器および/または周辺機器を接続した情報処理装置をネットワークおよび/または通信回線に接続することを特徴とするシステム机。
(公報【特許請求の範囲】の欄)
引用例2:特開平7-250748号公報
c.図13及び図14は、本発明における各衝立の変った使用例二態様を代表的に示した夫夫の斜視図であって、図13では、五連接の衝立板を中央部に平面形正方形状で前面開口の凹部23を設けるよう屈曲させて立設し、該凹部内において両側衝立板の中段部で夫夫前後両支柱間に掛止孔を利用して横桟24、24を架設し、該両横桟間に台板25を橋架し、台板上に各種物品を載置したり、又は卓板や机板として利用する使用例を示す。
図14では、四連接の衝立板を平面形ジグザグ状に屈曲させて立設し、中央凹部26の開口部において、左右両支柱間に掛止孔を利用して横桟27を架設し、該横桟に物品を掛け吊りしたり、支持させたりするに用いる使用例を示す。なお、この使用例の外にも各種形態に衝立を立設して各種の装置を任意に設けられる。
(公報、段落【0017】の記載)
引用例3:特開平7-34573号公報
d.細目で縦長の多数のパネル部材を、各パネル部材同士の左右幅方向において屈曲可能に連結して成り、任意の平面投影形状に屈曲させて床面に立設するようにしたことを特徴とするフレキシブルパーティション。
(公報、【特許請求の範囲】【請求項1】の記載)
(3)対比
そこで、本願補正発明と引用例1に記載の発明(以下、「引用例1発明」という。)とを比較すると、記載aの「情報処理装置」は、本願補正発明の「情報処理手段」に相当し、記載bの「ネットワークおよび/または通信回線に接続する」ことは、本願補正発明の「情報伝達手段」に相当する。
また、記載aの「側面にパーテーションを有する」点は、本願補正発明の「仕切板」を設ける点に相当する。
さらに、「電力供給手段」を備えることは、普通に行われることであるから、両者は、「事務処理に必要な各種の情報処理手段に対する電力供給手段、並びに情報伝達手段を組み込んでなるマルチメディアタワーの側面に、仕切板を設けたマルチメディアブース。」である点で一致し、以下の点で相違する。
相違点1:本願補正発明においては、「1個の高寸の筐体内に」組み込まれているのに対し、引用例1発明は特段の記載がない点。
相違点2:本願補正発明の仕切板が「前後方向に屈曲可能」であって、マルチメディアタワーの側面に「その側端を着脱自在に連結した 」ものであるのに対し、引用例1発明ではそうではない点。
(4)判断
相違点1について
事務処理等に必要とする手段を「1個の高寸の筐体内」に組み込むことは、本願出願前周知技術であって、引用例1発明に採用して本願補正発明のように構成することに格別の創意を要するものではない。
(前記周知技術の例として特開昭63-317893号公報及び特開平7-275050号公報等を参照。)
相違点2について
仕切板を「前後方向に屈曲可能」であって、「側端を着脱自在に連結」することは、引用例2のcの「 衝立板を・・屈曲させて立設し、・・掛止孔を利用して・・台板25を橋架し、・・机板として利用する」旨の記載並びに引用例3のdの「多数のパネル部材を、各パネル部材同士の左右幅方向において屈曲可能に連結」する旨の記載からみて本願出願前普通に行われた技術的事項であり、引用例1記載の発明に採用して本願補正発明のように構成することに格別の創意を要するものではない。
また、本願補正発明のように構成することによる作用効果も各引用例記載の事項からみて格別のものでもない。
したがって、本願補正発明は、引用例1乃至3に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明について
平成14年11月14日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成13年9月14日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「1個の高寸の筐体内に、事務処理に必要な各種の情報処理手段に対する電力供給手段、並びに情報伝達手段を組み込んでなるマルチメディアタワーの側面に、前後方向に屈曲可能な仕切板を連設したことを特徴とするマルチメディアブース。」
(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、および、その記載事項は、前記「2.(1)」に記載したとおりである。
(2)対比・判断
本願発明は、前記2.で検討した本願補正発明から「仕切板」についてマルチメディアタワーの側面に、「側端を着脱自在に」連結したとの限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(3)」に記載したとおり、引用例1乃至3及び、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例1乃至3及び、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1乃至3に記載された発明、及び、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-03-10 
結審通知日 2006-03-28 
審決日 2006-04-10 
出願番号 特願平7-333128
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06F)
P 1 8・ 575- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 津幡 貴生  
特許庁審判長 川嵜 健
特許庁審判官 野崎 大進
藤内 光武
発明の名称 マルチメディアブース  
代理人 竹沢 荘一  
代理人 中馬 典嗣  

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