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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F |
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管理番号 | 1137629 |
審判番号 | 不服2001-11400 |
総通号数 | 79 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1994-08-09 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-07-04 |
確定日 | 2006-06-09 |
事件の表示 | 平成 5年特許願第 14148号「ゲーム装置」拒絶査定不服審判事件〔平成 6年 8月 9日出願公開、特開平 6-218142〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1.手続の経緯・本願発明 本願は、平成5年1月29日に出願され、平成13年5月23日付で拒絶査定されたもので、これに対して拒絶査定不服の審判が請求されると共に平成13年7月4日に手続補正書が提出されたものであって、本願発明は、前記手続補正書の特許請求の範囲に記載された請求項1〜4に記載されとおりのものと認められるところ、請求項1に記載された発明は次のとおりである。 「表示部にゲーム画面を表示し、ゲームの進行を制御する制御部を有するゲーム装置であって、 ゲームを操作する入力手段を接続する複数の入力インターフェースを含み、 前記制御部は、前記入力手段の接続状況を所定周期ごとにチェックし、前記入力手段の種別により異なる形式のデータを、ゲームの制御に適合したデータ形式に変換し、 ゲームの途中で入力手段を取り替えても、取り替えた入力手段で引き続きキャラクタまたはカーソルのうち少なくとも一方の制御ができるようにすることを特徴とするゲーム装置」(以下「本願発明」という)。 第二.刊行物に記載された発明 原査定の拒絶理由に引用された、特開平3-7189号公報には、以下の事項が記載されている。 [A].特開平3-7189号公報(以下「刊行物A」という) (A-1).「「従来の技術」 ビデオゲームへのゲーム操作入力をするゲーム操作端末はいわゆるジョイステイックやパッド、あるいはコントローラ、トラックボール等があり、これらゲーム操作端末はビデオゲーム機本体に電線ケーブルによって接続されているものが最も一般的である。」(第3頁右上欄第7〜13行) (A-2).「「課題を解決するための手段」 かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、 1 TVセットあるいは画面モニタに接続されるビデオゲーム機本体に、離間した位置からゲーム操作入力できるようにするビデオゲームの遠隔操作装置であって、ビデオゲーム機本体側に設けた受信装置と、該受信装置から離間し、ゲーム操作端末を接続ケーブルを介して接続する送信装置とより成り、」(第3頁右下欄第7〜16行) (A-3).「送信制御部では、・・・ポーリングサイクルがポーリング設定部により設定されていて、端末判断部がコネクタに接続されたゲーム操作端末の種類を選別して端末種類情報を出力し、信号編成部では端末種類情報及びゲーム操作端末からのゲーム操作信号を合わせ、ポーリング設定部によるポーリングサイクルにて伝達信号を編成する。」(第5頁右下欄第1〜9行) (A-4).「受信装置では、無線入力部が送信装置からの無線伝送媒体を受け受信電気信号に変換して受信制御部に入力する。・・・受信制御部は、その端末判断部が受信した端末種類情報を受けてゲーム操作端末を識別し、この識別結果に応じて信号処理部が端末情報を含む受信電気信号を調整して操作信号発生部に出力する。操作信号発生部は、・・・前記信号処理部からの入力をビデオゲーム機本体の入力信号に変換する。この信号変換ブロックはゲーム操作端末と等価に構成されておりゲーム操作端末をビデオゲーム機本体へ直接接続したのと同様にゲーム操作端末のゲーム操作入力がビデオゲーム機本体へ入力する。」(第5頁右下欄第18行〜第6頁左上欄末行) (A-5).「ゲーム操作端末としては、コントローラ2a、トラックボール(2b)、光線銃2c、パワーパッド2d、VR式パッド2e等多数の種類がある。」(第6頁右上欄第18〜20行) (A-6).「コントローラ2a、トラックボール(2b)等のゲーム操作端末は、コネクタ21a、21b・・・のいずれかへ接続する。ゲームに応じて複数を同時に接続してもよく、単数でもよい。」(第7頁左上欄第2〜5行) (A-7).してみると、刊行物Aには以下の発明(以下「引用発明」という)が記載されている。 「ビデオゲーム機本体側に設けた受信装置(30)と、該受信装置と無線にて信号伝達する送信装置(20)とより成り、送信装置は、ポーリングサイクルを設定するポーリング設定部(22a)及び端末種類情報を出力する端末判断部(22b)と、コントローラ2a、トラックボール(2b)、光線銃2c、パワーパッド2d、VR式パッド2eと接続するコネクタ(21a〜21d)等の端末とを含む送信制御部(22)を備え、他方、受信装置は、受信した端末種類情報に応じて信号処理部が端末情報を含む受信電気信号を調整して操作信号発生部に出力する受信制御部(33)と、ゲーム操作端末をビデオゲーム機本体へ直接接続したのと同様に当該操作入力をビデオゲーム機本体へ入力する信号変換ブロックを含む操作信号発生部(34)を備えたビデオゲーム機において、当該端末はゲームに応じて複数を同時に接続しても、単数でもよいものであるビデオゲーム装置。」 第三.引用発明と本願発明との対比 [1].発明特定事項の対応関係 (ア).引用発明における「コネクタ21a〜21d」は本願発明における「複数の入力インターフェース」に対応する。 (イ).引用発明における「コントローラ2a、トラックボール(2b)、光線銃2c、パワーパッド2d、VR式パッド2e等」は、本願発明における「ゲームを操作する入力手段」に対応する。 引用発明における「ポーリングサイクル」は、本願発明における「入力手段の接続状況を所定周期ごとにチェック」に対応する。 (ウ).引用発明における「端末種類情報を受けてゲーム操作端末を識別し、この識別結果に応じて信号処理部が端末情報を含む受信電気信号を調整して操作信号発生部に出力する」は、本願発明における「入力手段の種別により異なる形式のデータを、ゲームの制御に適合したデータ形式に変換」することに対応する [2].一致点 ゲーム機において、表示部にゲーム画面を表示し、ゲームの進行を制御する制御手段、及び各種の動作制御を行なう制御手段を具備することは周知の技術的事項であることを勘案すると、両者は以下の点において一致する。 すなわち、 表示部にゲーム画面を表示し、ゲームの進行を制御する制御手段を有するゲーム装置であって、 ゲームを操作する入力手段を接続する複数の入力インターフェースを含み、 前記入力手段の接続状況を所定周期ごとにチェックし、前記入力手段の種別により異なる形式のデータを、ゲームの制御に適合したデータ形式に変換する制御を行なう制御手段を具備するゲーム装置 [3].相違点 (1).相違点 制御手段に関して、本願発明では、ゲーム画面の表示、ゲーム進行の制御の他に、端末接続状況の周期的チェック、端末に依存するデータをゲームに適合したデーター形式への変換制御を行っているのに対し、引用発明においても、当該制御は行われるものの、1の制御部で行われていない点、それ故に信号伝達手段が無線である点 (2).相違点2 本願発明は、ゲームの途中で入力手段を取り替えても、取り替えた入力手段で引き続きキャラクタまたはカーソルのうち少なくとも一方の制御を可能としているのに対し、引用発明は、ゲーム途中の切換えと複数の入力インターフェースに同時接続された端末との関係については記載されておらず不明である点。 第四.相違点に対する当審の判断 [1].相違点(1)について、 複数制御機能を分散配置すること、又は集中配置することは周知の技術的事項であるから、引用発明において、当該周知の制御機能の集中配置を採用する点に困難性は認められず、しかも、格別の作用効果も認められないから、当該採用は設計的事項である。 また、当該集中配置を採用することにより、信号伝達手段も無線手段に限られるものではないこととなる。 したがって、当該相違点は単なる設計的事項であり、格別のものではない。 [2].相違点(2)について、 入力手段として同一の機能を奏する複数種類の入力手段を具備させることは、例えば、特開平2-181815号公報のマウス入力と、キーボード入力に見られる様に周知の事項であること、複数プレイヤーによる遊技の入力端末が一般的には同一タイプの端末であること、及びポーリングサイクルにて端末種類情報、ゲーム操作信号が出力されること等を勘案すれば、引用発明における、「コントローラ2a、トラックボール(2b)等相違するタイプのゲーム操作端末がゲームに応じて複数を同時に接続してもよい」との記載から、ゲームの途中で入力手段を取り替えても、取り替えた入力手段で引き続きキャラクタまたはカーソルのうち少なくとも一方の制御を可能とすることは当業者が容易に想到できることである。 [3].まとめ 前記相違点を総合的に判断しても、格別の作用効果、困難性は認められない。 第五.むすび したがって、本願発明は、引用刊行物Aに記載された発明、及び周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 |
審理終結日 | 2006-03-15 |
結審通知日 | 2006-03-28 |
審決日 | 2006-04-12 |
出願番号 | 特願平5-14148 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(A63F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 植野 孝郎 |
特許庁審判長 |
中村 和夫 |
特許庁審判官 |
宮本 昭彦 塩崎 進 |
発明の名称 | ゲーム装置 |
代理人 | 三村 治彦 |
代理人 | 北野 好人 |