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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F04B
管理番号 1137642
審判番号 不服2003-2653  
総通号数 79 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-09-19 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-02-20 
確定日 2006-06-09 
事件の表示 平成11年特許願第 60673号「食品材料を送るピストンポンプ」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 9月19日出願公開、特開2000-257550〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成11年3月8日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成14年11月1日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載される事項により特定される次のとおりのものと認められる(以下、「本願発明」という)。

「【請求項1】一対のポンプシリンダにそれぞれ往復ピストンが設けられ、前記各ポンプシリンダにそれぞれ電気駆動モータおよび送りねじが設けられており、前記各電気駆動モータおよび送りねじによって前記各往復ピストンを往復移動させることができ、さらに、前記各電気駆動モータが制御装置に接続されており、前記制御装置によって前記各電気駆動モータがシーケンス制御またはプログラム制御され、一方のポンプシリンダの電気駆動モータによって一方のポンプシリンダの往復ピストンが一方向移動し、食品材料が前記一方のポンプシリンダに吸入され、反対に、他方のポンプシリンダの電気駆動モータによって他方のポンプシリンダの往復ピストンが逆方向移動し、前記食品材料が前記他方のポンプシリンダから吐出され、その後、前記一方のポンプシリンダの電気駆動モータによって前記一方のポンプシリンダの往復ピストンが逆方向移動し、前記食品材料が前記一方のポンプシリンダから吐出され、反対に、前記他方のポンプシリンダの電気駆動モータによって前記他方のポンプシリンダの往復ピストンが一方向移動し、前記食品材料が前記他方のポンプシリンダに吸入され、この工程が順次交互に繰り返されるようにしたことを特徴とする食品材料を送るピストンポンプ。」

2.引用例記載の発明
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である、特開平4-22767号公報(以下、「引用例」という)には、次の事項が記載されている。
a.「〔実施例〕以下、本発明の実施例について図面に基いて説明する。
第1図に示すように、このプランジャ型液圧ポンプPにおいては、ケースブロック1と同筒状のケース部材2と枢支ブロック3とは複数の固定ボルト4で固定され、ケース部材2とケースブロック1内にはプランジャ孔5が形成され、プランジャ孔5にはプランジャ6が軸方向に液密摺動自在に装着され、プランジャ6の右側に加圧室5aが形成され、プランジャ6に液密摺動自在に挿通した2本のロッド7が設けられ、各ロッド7の右端部はケースブロック1の穴に嵌入されまた左端部は枢支ブロック3の穴に嵌入され、プランジャ6は2本のロッド7により回転しないように拘束されている。
ケースブロック1の上端部には貯液タンク8に接続される吸入ポート10であって吸入チェック弁9付きの吸入ポート10が設けられ、吸入ポート10は加圧室5aの右端部に接続されている。
ケースブロック1の右端部には例えば液圧シリンダなどのアクチュエータに接続される吐出ポート12であって吐出用チェック弁11付きの吐出ポート12が設けられ、吐出ポート12は加圧室5aの右端中央部に接続されている。
上記プランジャ6を往復駆動する為に、ボールネジ用スクリュシャフトからなるスクリュ軸13がプランジャ6と同心状且つ平行に配設され、その右端部がプランジャ6に固着され、スクリュ軸13はケース部材2外へ連出されている。枢支ブロック3に枢支されたドライブナット14はボールネジナットからなり、ドライブナット14はスクリュ軸13に相対回転自在に螺合され、ドライブナット14の外周部にはギヤ歯15が形成され、このギヤ歯15に噛み合ったドライブギヤ16が枢支ブロック3内に設けられ、ドライブギヤ16は枢支ブロック3のカバー部材3aに固定されたステッピングモータ17の出力軸17aに固定され、モータ17によりドライブギヤ16を介してドライブナット14を正逆回転駆動するようになっている。上記モータ17を制御するコントロールユニット(図示略)はマイクロコンピュータを備えた一般的なもので、モータ17の回転角を精密に制御し得るようになっている。」(第3頁左上欄第6行〜同頁左下欄第9行。なお、下線は引用箇所の理解のために付した。以下同様。)
b.「次に、上記プランジャ型液圧ポンプPの作用について説明する。
上記モータ17によりドライブギヤ16とドライブナット14とスクリュ軸13を介してプランジャ6を左方へ駆動すると、吸入ポート10から液体が加圧室5a内に吸入され、またプランジャ6を右方へ駆動すると、加圧室5a内の液体はプランジャ6の受圧面積とプランジャ6を駆動する駆動力とに応じた圧力に加圧されて吐出ポート12より吐出される。
プランジャ6が右限位置に達すると、モータ17の回転方向が自動的に反転されてプランジャ6が左方へ駆動されて、吸入行程に切換えられ、プランジャ6が左限位置に達するとモータ17の回転方向が自動的に反転されて吐出行程に切換えられる。
上記モータ17の回転角を精密に自由に制御できるので、吸入量や吐出量を精密に制御することが出来る。それ故、この液圧ポンプPは、通常の油圧ポンプとして活用し得るだけでなく、食品や薬品などを製造する場合に食品原料液の加圧/計量や薬品液の加圧/計量に活用することが出来る。」(第3頁左下欄第10行〜同頁右下欄第11行)
上記記載a、b及び第1、2図の記載によれば、上記引用例には、「ケース部材2にプランジャ6が設けられ、前記ケース部材2にステッピングモータ17およびスクリュ軸13が設けられており、前記ステッピングモータ17およびスクリュ軸13によって前記プランジャ6を往復移動させることができ、さらに、前記ステッピングモータ17がコントロールユニットに接続されており、前記コントロールユニットによって前記ステッピングモータ17が制御され、ケース部材2のステッピングモータ17によってケース部材2のプランジャ6が一方向移動し、液体が前記ケース部材2に吸入され、その後、前記ケース部材2のステッピングモータ17によって前記ケース部材2のプランジャ6が逆方向移動し、前記液体が前記ケース部材2から吐出され、この工程が順次交互に繰り返されるようにした液体を送るプランジャ型液圧ポンプP」の発明(以下、「引用例記載の発明」という。)が記載されているものと認められる。

3.周知発明
ところで、拒絶査定で示した、特公平3-28172号公報、実公平2-9675号公報の記載からも分かるように、
「一対のポンプシリンダにそれぞれ往復ピストンが設けられ、流体駆動ピストンによって、一方のポンプシリンダの往復ピストンが一方向移動し、食品材料が前記一方のポンプシリンダに吸入され、反対に、他方のポンプシリンダの往復ピストンが逆方向移動し、前記食品材料が前記他方のポンプシリンダから吐出され、その後、一方のポンプシリンダの往復ピストンが逆方向移動し、前記食品材料が前記一方のポンプシリンダから吐出され、反対に、前記他方のポンプシリンダの往復ピストンが一方向移動し、前記食品材料が前記他方のポンプシリンダに吸入され、この工程が順次交互に繰り返されるようにした食品材料を送るピストンポンプ」の発明は周知である(以下、「周知発明」という)。

4.本願発明と周知発明との対比
本願発明と周知発明とを対比すると、本願発明と周知発明とは、「一対のポンプシリンダにそれぞれ往復ピストンが設けられ、一方のポンプシリンダの往復ピストンが一方向移動し、食品材料が前記一方のポンプシリンダに吸入され、反対に、他方のポンプシリンダの往復ピストンが逆方向移動し、前記食品材料が前記他方のポンプシリンダから吐出され、その後、一方のポンプシリンダの往復ピストンが逆方向移動し、前記食品材料が前記一方のポンプシリンダから吐出され、反対に、前記他方のポンプシリンダの往復ピストンが一方向移動し、前記食品材料が前記他方のポンプシリンダに吸入され、この工程が順次交互に繰り返されるようにした食品材料を送るピストンポンプ」で一致し、次の点で相違する。
・相違点
往復ピストンの往復移動に関して、本願発明が、「各ポンプシリンダにそれぞれ電気駆動モータおよび送りねじが設けられており、前記各電気駆動モータおよび送りねじによって前記各往復ピストンを往復移動させることができ、さらに、前記各電気駆動モータが制御装置に接続されており、前記制御装置によって前記各電気駆動モータがシーケンス制御またはプログラム制御される」ものであるのに対し、周知発明では、「流体駆動ピストンによって」駆動されるものである点。

5.相違点の検討、及び判断
引用例には、上述のように、「ケース部材2にプランジャ6が設けられ、前記ケース部材2にステッピングモータ17およびスクリュ軸13が設けられており、前記ステッピングモータ17およびスクリュ軸13によって前記プランジャ6を往復移動させることができ、さらに、前記ステッピングモータ17がコントロールユニットに接続されており、前記コントロールユニットによって前記ステッピングモータ17が制御され、ケース部材2のステッピングモータ17によってケース部材2のプランジャ6が一方向移動し、液体が前記ケース部材2に吸入され、その後、前記ケース部材2のステッピングモータ17によって前記ケース部材2のプランジャ6が逆方向移動し、前記液体が前記ケース部材2から吐出され、この工程が順次交互に繰り返されるようにした液体を送るプランジャ型液圧ポンプPの駆動機構」の発明が記載されているものと認められる。
ここで、引用例記載の技術における「ケース部材2」は本願発明の「ポンプシリンダ」に相当する。以下同様に、「プランジャ6」は「往復ピストン」に、「ステッピングモータ17」は「電気駆動モータ」に、「スクリュ軸13」は「送りねじ」に、「コントロールユニット」は「制御装置」に、「プランジャ型液圧ポンプP」は「ピストンポンプ」に相当する。
したがって、引用例には「ポンプシリンダに往復ピストンが設けられ、前記ポンプシリンダに電気駆動モータおよび送りねじが設けられており、前記電気駆動モータおよび送りねじによって前記往復ピストンを往復移動させることができ、さらに、前記電気駆動モータが制御装置に接続されており、前記制御装置によって前記電気駆動モータが制御され、ポンプシリンダの電気駆動モータによってポンプシリンダの往復ピストンが一方向移動し、液体が前記ポンプシリンダに吸入され、その後、前記ポンプシリンダの電気駆動モータによって前記ポンプシリンダの往復ピストンが逆方向移動し、前記液体が前記ポンプシリンダから吐出され、この工程が順次交互に繰り返されるようにした液体を送るピストンポンプの駆動機構」の発明(以下、「引用例記載の発明」という。)が記載されているものと認められる。
そして、引用例記載の発明は、上記記載bに示されるように、食品製造にも使用されるものであるから、この発明を上記周知発明に適用することは、当業者が容易に想到し得ることである。
また、引用例記載の発明は、本願発明のように「シーケンス制御またはプログラム制御」するものかどうか不明であるが、ピストンポンプをシーケンス制御することは、周知の技術である(例えば、上記特公平3-28172号公報には、第2頁右欄第1〜5行「各駆動シリンダ6,13の電磁弁をシーケンス制御機構に接続し、・・・原料肉が順次交互に吸入および吐出され」と記載されている)。
してみれば、上記周知発明に引用例記載の発明、及び上記周知の技術を適用して、相違点に関して本願発明のように構成することは、当業者が容易に想到し得ることである。
また、本願発明によってもたらされる効果も、上記周知発明、及び引用例記載の発明、上記周知の技術から予測し得る程度のものである。

6.むすび
したがって、本願発明は、上記周知発明、及び引用例記載の発明、上記周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲 請求人は審判請求書において、請求項1中の「一対のポンプシリンダ」を「横型のピストンポンプであって、水平方向にのび、平行に配置された一対のポンプシリンダ」と補正する機会を求めているが、審判請求時に補正の機会は設けてあるし、また、「横型のピストンポンプであって・・・」と補正したとしても、食品用のピストンポンプのポンプシリンダを横型とすることは、例示するまでもなく周知であるので、このように補正したとしても結論が変わるものでもない。したがって、補正の機会は認めない。

 
審理終結日 2006-04-11 
結審通知日 2006-04-12 
審決日 2006-04-25 
出願番号 特願平11-60673
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F04B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 貴雄  
特許庁審判長 大橋 康史
特許庁審判官 岩瀬 昌治
飯塚 直樹
発明の名称 食品材料を送るピストンポンプ  
代理人 武石 靖彦  
代理人 村田 紀子  

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