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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A61K
管理番号 1139293
審判番号 不服2003-172  
総通号数 80 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1998-03-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-01-06 
確定日 2006-07-28 
事件の表示 平成 7年特許願第527776号「DNA損傷剤およびр53を含有する組成物」拒絶査定不服審判事件〔平成 7年11月 2日国際公開、WO95/28948、平成10年 3月31日国内公表、特表平10-503476、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 本願は、平成 7年 4月24日(パリ条約による優先権主張 1994年 4月25日 (US)アメリカ合衆国)の出願であって、その請求項1-8に係る発明は、平成18年 6月30日付手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1-8の記載により下記のように特定されている。

【請求項1】 シスプラチンと組み合わせてヒトp53遺伝子を含む、腫瘍治療薬であって、最初にシスプラチンを投与し、続いてヒトp53遺伝子を投与することを特徴とする腫瘍治療薬。
【請求項2】 シスプラチンと組み合わせて、動物細胞においてヒトp53タンパク質を発現する組換えベクターを含む請求項1に記載の腫瘍治療薬。
【請求項3】 前記ヒトp53発現組換えベクターが、裸のDNAプラスミド、リポソーム内のプラスミド、レトロウイルスベクター、AAVベクター、または組換えアデノウイルスベクターである、請求項2に記載の腫瘍治療薬。
【請求項4】 前記ヒトp53発現組換えベクターが組換えアデノウイルスベクターである、請求項3に記載の腫瘍治療薬。
【請求項5】 前記ヒトp53発現組換えベクターが、サイトメガロウイルスIEプロモーターの制御下に位置するヒトp53発現領域を含む組換えアデノウイルスベクターである、請求項4に記載の腫瘍治療薬。
【請求項6】 前記組換えアデノウイルスベクターが、ヒトp53発現領域、サイトメガロウイルスIEプロモーター、およびSV40初期ポリアデニル化シグナルを含む、請求項4に記載の腫瘍治療薬。
【請求項7】 前記組換えアデノウイルスベクターのE1A領域およびE1B領域が欠失しており、前記ヒトp53発現領域がそれらの場所に導入される、請求項4に記載の腫瘍治療薬。
【請求項8】 前記組換えアデノウイルスベクターが組換えアデノウイルス内に存在する、請求項4に記載の腫瘍治療薬。

当審における、平成17年11月 4日付で通知した拒絶の理由では、本願の優先権主張の日前に頒布された刊行物である「キャンサー ジーン セラピー(Cancer Gene Threapy)」1994年3月、第1巻、第1号、第5-13頁(引用文献1)、及び「オンコジーン(oncogene)」1993年、第8巻、第307-318頁(引用文献2)を引用した。

引用文献1の記載(特に、第12頁左欄第18-21行)は、p53遺伝子とシスプラチンを組み合わせるとH358細胞とH322細胞がアポトーシスに至ることに言及するものであるが、同引用文献には、この組み合わせを「腫瘍治療薬」として用いることについて具体的に記載されていない。
したがって、本願の請求項1-8に係る発明は、引用文献1に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号の規定に該当しない。
また、本願の請求項1-8に係る発明における「最初にシスプラチンを投与し、続いてp53遺伝子を投与する」点については、引用文献1及び引用文献2には教示されておらず、しかも、本願明細書第49頁第9-14行(特表平10-503476号公報第57頁第2-7行)の記載によれば、本願の請求項1-8に係る発明は、この点により腫瘍の増殖を顕著に抑制できるという当業者に予測し得ない効果を奏するのである。
したがって、本願の請求項1-8に係る発明は、特許法第29条第2項の規定にも該当しない。
さらに、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2006-07-14 
出願番号 特願平7-527776
審決分類 P 1 8・ 121- WY (A61K)
最終処分 成立  
前審関与審査官 守安 智田村 聖子  
特許庁審判長 佐伯 裕子
特許庁審判官 吉住 和之
齋藤 恵
発明の名称 DNA損傷剤およびр53を含有する組成物  
代理人 有原 幸一  
代理人 奥山 尚一  

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