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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1140835
審判番号 不服2004-7645  
総通号数 81 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2004-01-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-04-15 
確定日 2006-08-03 
事件の表示 特願2002-136368「イベント提供システム及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 1月29日出願公開、特開2004- 29858〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成14年5月13日の出願であって、平成16年3月11日に拒絶査定がされ、これに対して平成16年4月15日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同日付けで手続補正なされたものである。

2.平成16年4月15日付けの手続補正について
平成16年4月15日付の手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲は、次のとおりに補正された。
「【請求項1】 イベント参加者が所持する参加者端末にイベント情報を配信するイベント提供システムであって、
公共交通機関の停車駅所在地の周辺地域を目的地に指定する目的地情報と該目的地において前記イベント参加者に課題を課す課題情報とからなるイベント情報を記憶するイベント情報記憶手段と、
前記イベント参加者が前記公共交通機関の停車駅に設置されたパスゲートを通過した際に、当該停車駅の構内への入場を示す検知信号を前記公共交通機関の利用開始を示す利用開始信号として検知し、または当該停車駅の構内からの退場を示す検知信号を前記公共交通機関の利用終了を示す利用終了信号として検知するパスゲート手段と、
前記パスゲート手段が検知した利用開始信号または利用終了信号を受信する検知信号受信手段と、
前記検知信号受信手段によって受信した前記検知信号が前記利用開始信号であるか前記利用終了信号であるかを判断し、利用開始信号であった場合には、前記目的地情報と前記課題情報からなる前記イベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込むイベント情報取得手段と、
前記イベント情報取得手段が前記イベント情報記憶手段から読み込んだ前記イベント情報を前記参加者端末に送信する情報送信手段と、
を有することを特徴とするイベント提供システム。
【請求項2】 イベント参加者が所持する参加者端末にイベント情報を配信するイベント提供システムであって、
公共交通機関の停車駅所在地の周辺地域を目的地に指定する目的地情報と該目的地において前記イベント参加者に課題を課す課題情報とからなるイベント情報を記憶するイベント情報記憶手段と、
前記イベント参加者が前記公共交通機関の停車駅に設置されたパスゲートを通過した際に、当該停車駅の構内への入場を示す検知信号を前記公共交通機関の利用開始を示す利用開始信号として検知し、または当該停車駅の構内からの退場を示す検知信号を前記公共交通機関の利用終了を示す利用終了信号として検知するパスゲート手段と、
前記パスゲート手段が検知した利用開始信号または利用終了信号を受信する検知信号受信手段と、
前記検知信号受信手段によって受信した前記検知信号が前記利用開始信号であるか前記利用終了信号かを判断し、利用開始信号であった場合には、前記目的地情報と前記課題情報からなる前記イベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込むイベント情報取得手段と、
前記イベント情報取得手段が前記イベント情報記憶手段から読み込んだ前記イベント情報のうち、前記目的地情報を前記参加者端末に送信するとともに、前記検知信号受信手段が前記利用終了信号を受信すると、前記イベント情報取得手段が前記イベント情報記憶手段から読み込んだ前記イベント情報のうち、前記課題情報を送信する情報送信手段と、を有することを特徴とするイベント提供システム。
【請求項3】 イベント参加者が所持する参加者端末にイベント情報を配信するイベント提供システムであって、
公共交通機関の停留所所在地の周辺地域を目的地に指定する目的地情報と該目的地において前記イベント参加者に課題を課す課題情報とからなるイベント情報を記憶するイベント情報記憶手段と、
前記イベント参加者が前記公共交通機関で運行される運行車両の乗降口に設置されたパスゲートを通過した際に、当該運行車両の乗車を示す検知信号を前記公共交通機関の利用開始を示す利用開始信号として検知し、または当該運行車両の降車を示す利用終了信号として検知するパスゲート手段と、
前記パスゲート手段が検知した利用開始信号または利用終了信号を受信する検知信号受信手段と、
前記検知信号受信手段によって受信した前記検知信号が前記利用開始信号であるか前記利用終了信号かを判断し、利用開始信号であった場合には、前記目的地情報と前記課題情報からなる前記イベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込むイベント情報取得手段と、
前記イベント情報取得手段が前記イベント情報記憶手段から読み込んだ前記イベント情報を前記参加者端末に送信する情報送信手段と、
を有することを特徴とするイベント提供システム。
【請求項4】 イベント参加者が所持する参加者端末にイベント情報を配信するイベント提供システムであって、
公共交通機関の停留所所在地の周辺地域を目的地に指定する目的地情報と該目的地において前記イベント参加者に課題を課す課題情報とからなるイベント情報を記憶するイベント情報記憶手段と、
前記イベント参加者が前記公共交通機関で運行される運行車両の乗降口に設置されたパスゲートを通過した際に、当該運行車両の乗車を示す検知信号を前記公共交通機関の利用開始を示す利用開始信号として検知し、または当該運行車両の降車を示す利用終了信号として検知するパスゲート手段と、
前記パスゲート手段が検知した利用開始信号または利用終了信号を受信する検知信号受信手段と、
前記検知信号受信手段によって受信した前記検知信号が前記利用開始信号であるか前記利用終了信号かを判断し、利用開始信号であった場合には、前記目的地情報と前記課題情報からなる前記イベント情報を前記イベント記憶手段から読み込むイベント情報取得手段
と、
前記イベント情報取得手段が前記イベント情報記憶手段から読み込んだ前記イベント情
報のうち、前記目的地情報を前記参加者端末に送信するとともに、前記検知信号受信手段
が前記利用終了信号を受信すると、前記イベント情報取得手段が前記イベント情報記憶手
段から読み込んだ前記イベント情報のうち、前記課題情報を送信する情報送信手段と、
を有することを特徴とするイベント提供システム。
【請求項5】 イベント参加者が所持する参加者端末にイベント情報を配信するイベント提供システムであって、
前記イベント参加者が利用する乗用車を駐車する駐車場の周辺地域を目的地に指定する目的地情報と該目的地において前記イベント参加者に課題を課す課題情報とからなるイベント情報を記憶するイベント情報記憶手段と、
前記駐車場に設置された入退出ゲートを通過した際に、前記乗用車の退場を示す検知信号を前記公共交通機関の利用開始を示す利用開始信号として検知し、または前記乗用車の入場を示す利用終了信号として検知するパスゲート手段と、
前記パスゲート手段が検知した利用開始信号または利用終了信号を受信する検知信号受信手段と、
前記検知信号受信手段によって受信した前記検知信号が前記利用開始信号であるか前記利用終了信号かを判断し、利用開始信号であった場合には、前記目的地情報と前記課題情報からなる前記イベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込むイベント情報取得手段と、
前記イベント情報取得手段が前記イベント情報記憶手段から読み込んだ前記イベント情報を前記参加者端末に送信する情報送信手段と、
を有することを特徴とするイベント提供システム。
【請求項6】 イベント参加者が所持する参加者端末にイベント情報を配信するイベント提供システムであって、
前記イベント参加者が利用する乗用車を駐車する駐車場の周辺地域を目的地に指定する目的地情報と該目的地において前記イベント参加者に課題を課す課題情報とからなるイベント情報を記憶するイベント情報記憶手段と、
前記駐車場に設置された入退出ゲートを通過した際に、前記乗用車の退場を示す検知信号を前記公共交通機関の利用開始を示す利用開始信号として検知し、または前記乗用車の入場を示す利用終了信号として検知するパスゲート手段と、
前記パスゲート手段が検知した利用開始信号または利用終了信号を受信する検知信号受信手段と、
前記検知信号受信手段によって受信した前記検知信号が前記利用開始信号であるか前記利用終了信号かを判断し、利用開始信号であった場合には、前記目的地情報と前記課題情報からなる前記イベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込むイベント情報取得手段と、
前記イベント情報取得手段が前記イベント情報記憶手段から読み込んだ前記イベント情報のうち、前記目的地情報を前記参加者端末に送信するとともに、前記検知信号受信手段が前記利用終了信号を受信すると、前記イベント情報取得手段が前記イベント情報記憶手段から読み込んだ前記イベント情報のうち、前記課題情報を送信する情報送信手段と、を有することを特徴とするイベント提供システム。
【請求項7】 前記イベント情報記憶手段は、前記課題情報に対する正解情報をさらに記憶し、
前記課題情報に対応する回答情報を前記参加者端末から受信すると、前記イベント情報取得手段は、受信した該回答情報が前記正解情報に定める条件を満たしたか否かを判断し、満たした場合には、新たなイベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のイベント提供システム。
【請求項8】 前記イベント情報記憶手段は、前記課題情報に対する正解情報とともに前記課題のクリアを示す情報および前記目的地にいるイベント協力者に対する指示情報をさらに記憶し、
前記イベント情報取得手段は、前記イベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込む際には、対応する前記正解情報とともに前記課題のクリアを示す情報および前記指示情報を読み込み、
前記情報送信手段は、前記イベント情報取得手段が前記イベント情報記憶手段から読み込んだ前記正解情報、前記課題のクリアを示す情報および前記指示情報を前記イベント協力者の所持する協力者端末に送信し、
前記課題情報に対応する前記課題のクリアを示す情報を受信すると、前記イベント情報取得手段は、受信した該回答情報が前記正解情報に定める条件を満たしたか否かを判断し、満たした場合には、新たなイベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のイベント提供システム。
【請求項9】 前記イベント情報記憶手段は、前記課題情報に対するクリア条件に関する情報とともに前記課題のクリアを示す情報および前記目的地にいるイベント協力者に対する指示情報をさらに記憶し、
前記イベント情報取得手段は、前記イベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込んだ際には、対応する前記クリア条件に関する情報とともに前記課題のクリアを示す情報および前記指示情報を読み込み、
前記情報送信手段は、前記イベント情報取得手段が前記イベント情報記憶手段から読み込んだ前記クリア条件に関する情報、前記課題のクリアを示す情報および前記指示情報を前記イベント協力者の所持する協力者端末に送信し、
前記課題情報に対応する前記課題のクリアを示す情報を受信すると、前記イベント情報取得手段は、受信した該回答情報が前記正解情報に定める条件を満たしたか否かを判断し、満たした場合には、新たなイベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のイベント提供システム。
【請求項10】 イベントを提供する範囲が予めイベント提供エリアとして定めてある場合には、前記検知信号受信手段が受信した前記検知信号が前記イベント参加者のイベントエリア外への退場を示しているとき、情報送信手段は、前記イベント参加者がイベントエリアを退場しようとしている旨を知らせる通知情報を、前記イベント参加者の関係者が所持する関係者端末に送信することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のイベント提供システム。
【請求項11】 イベント参加者が所持する参加者端末にイベント情報を配信するイベント提供方法であって、
公共交通機関の停車駅所在地の周辺地域を目的地に指定する目的地情報と該目的地において前記イベント参加者に課題を課す課題情報とからなるイベント情報をイベント情報記憶手段が記憶し、
次に、前記イベント参加者が前記公共交通機関の停車駅に設置されたパスゲートを通過した際に、パスゲート手段が、当該停車駅の構内への入場を示す検知信号を前記公共交通機関の利用開始を示す利用開始信号として検知し、または当該停車駅の構内からの退場を示す検知信号を前記公共交通機関の利用終了を示す利用終了信号として検知し、
次に、前記パスゲート手段が検知した利用開始信号または利用終了信号を検知信号受信手段が受信し、
次に、イベント情報取得手段が、前記検知信号受信手段によって受信した前記検知信号が前記利用開始信号であるか前記利用終了信号であるかを判断し、利用開始信号であった場合には、前記目的地情報と前記課題情報からなる前記イベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込み、
次に、情報送信手段が、前記イベント情報取得手段によって前記イベント情報記憶手段から読み込まれた前記イベント情報を前記参加者端末に送信することを特徴とするイベント提供方法。
【請求項12】 イベント参加者が所持する参加者端末にイベント情報を配信するイベント提供方法であって、
公共交通機関の停車駅所在地の周辺地域を目的地に指定する目的地情報と該目的地において前記イベント参加者に課題を課す課題情報とからなるイベント情報をイベント情報記憶手段が記憶し、
次に、前記イベント参加者が前記公共交通機関の停車駅に設置されたパスゲートを通過した際に、パスゲート手段が、当該停車駅の構内への入場を示す検知信号を前記公共交通機関の利用開始を示す利用開始信号として検知し、または当該停車駅の構内からの退場を示す検知信号を前記公共交通機関の利用終了を示す利用終了信号として検知し、
次に、前記パスゲート手段が検知した利用開始信号または利用終了信号を検知信号受信手段が受信し、
次に、イベント情報取得手段が、前記検知信号受信手段によって受信した前記検知信号が前記利用開始信号であるか前記利用終了信号かを判断し、利用開始信号であった場合には、前記目的地情報と前記課題情報からなる前記イベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込み、
次に、情報送信手段が、前記イベント情報取得手段によって前記イベント情報記憶手段から読み込まれた前記イベント情報のうち、前記目的地情報を前記参加者端末に送信するとともに、前記検知信号受信手段が前記利用終了信号を受信すると、前記イベント情報取得手段によって前記イベント情報記憶手段から読み込まれた前記イベント情報のうち、前記課題情報を送信することを特徴とするイベント提供方法。
【請求項13】 イベント参加者が所持する参加者端末にイベント情報を配信するイベント提供方法であって、
公共交通機関の停留所所在地の周辺地域を目的地に指定する目的地情報と該目的地において前記イベント参加者に課題を課す課題情報とからなるイベント情報をイベント情報記憶手段が記憶し、
次に、前記イベント参加者が前記公共交通機関で運行される運行車両の乗降口に設置されたパスゲートを通過した際に、パスゲート手段が、当該運行車両の乗車を示す検知信号を前記公共交通機関の利用開始を示す利用開始信号として検知し、または当該運行車両の降車を示す利用終了信号として検知し、
次に、前記パスゲート手段が検知した利用開始信号または利用終了信号を、検知信号受信手段が受信し、
次に、イベント情報取得手段が、前記検知信号受信手段によって受信した前記検知信号が前記利用開始信号であるか前記利用終了信号かを判断し、利用開始信号であった場合には、前記目的地情報と前記課題情報からなる前記イベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込み、
次に、情報送信手段が、前記イベント情報取得手段によって前記イベント情報記憶手段から読み込まれた前記イベント情報を送信することを特徴とするイベント提供方法。
【請求項14】 イベント参加者が所持する参加者端末にイベント情報を配信するイベント提供方法であって、
公共交通機関の停留所所在地の周辺地域を目的地に指定する目的地情報と該目的地において前記イベント参加者に課題を課す課題情報とからなるイベント情報を、イベント情報記憶手段が記憶し、
次に、前記イベント参加者が前記公共交通機関で運行される運行車両の乗降口に設置されたパスゲートを通過した際に、パスゲート手段が、当該運行車両の乗車を示す検知信号を前記公共交通機関の利用開始を示す利用開始信号として検知し、または当該運行車両の降車を示す利用終了信号として検知し、
前記パスゲート手段が検知した利用開始信号または利用終了信号を、検知信号受信手段が受信し、
次に、イベント情報取得手段が、前記検知信号受信手段によって受信した前記検知信号が前記利用開始信号であるか前記利用終了信号かを判断し、利用開始信号であった場合には、前記目的地情報と前記課題情報からなる前記イベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込み、
次に、情報送信手段が、前記イベント情報取得手段によって前記イベント情報記憶手段から読み込まれた前記イベント情報のうち、前記目的地情報を前記参加者端末に送信するとともに、前記検知信号受信手段が前記利用終了信号を受信すると、前記イベント情報取得手段によって前記イベント情報記憶手段から読み込まれた前記イベント情報のうち、前記課題情報を送信することを特徴とするイベント提供方法。
【請求項15】 イベント参加者が所持する参加者端末にイベント情報を配信するイベント提供方法であって、
前記イベント参加者が利用する乗用車を駐車する駐車場の周辺地域を目的地に指定する目的地情報と該目的地において前記イベント参加者に課題を課す課題情報とからなるイベント情報を、イベント情報記憶手段が記憶し、
次に、前記駐車場に設置された入退出ゲートを通過した際に、パスゲート手段が、前記乗用車の退場を示す検知信号を前記公共交通機関の利用開始を示す利用開始信号として検知し、または前記乗用車の入場を示す利用終了信号として検知し、
次に、前記パスゲート手段が検知した利用開始信号または利用終了信号を検知信号受信手段が受信し、
次に、イベント情報取得手段が、前記検知信号受信手段によって受信した前記検知信号が前記利用開始信号であるか前記利用終了信号かを判断し、利用開始信号であった場合には、前記目的地情報と前記課題情報からなる前記イベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込み、
次に、情報送信手段が、前記イベント情報取得手段によって前記イベント情報記憶手段から読み込まれた前記イベント情報を前記参加者端末に送信することを特徴とするイベント提供方法。
【請求項16】 イベント参加者が所持する参加者端末にイベント情報を配信するイベント提供方法であって、
前記イベント参加者が利用する乗用車を駐車する駐車場の周辺地域を目的地に指定する目的地情報と該目的地において前記イベント参加者に課題を課す課題情報とからなるイベント情報を、イベント情報記憶手段が記憶し、
次に、前記駐車場に設置された入退出ゲートを通過した際に、パスゲート手段が、前記乗用車の退場を示す検知信号を前記公共交通機関の利用開始を示す利用開始信号として検知し、または前記乗用車の入場を示す利用終了信号として検知し、
次に、前記パスゲート手段が検知した利用開始信号又は利用終了信号を、検知信号受信手段が受信し、
次に、イベント情報取得手段が、前記検知信号受信手段によって受信した前記検知信号が前記利用開始信号であるか前記利用終了信号かを判断し、利用開始信号であった場合には、前記目的地情報と前記課題情報からなる前記イベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込み、
次に、情報送信手段が、前記イベント情報取得手段によって前記イベント情報記憶手段から読み込まれた前記イベント情報のうち、前記目的地情報を前記参加者端末に送信するとともに、前記検知信号受信手段が前記利用終了信号を受信すると、前記イベント情報取得手段によって前記イベント情報記憶手段から読み込まれた前記イベント情報のうち、前記課題情報を送信することを特徴とするイベント提供方法。
【請求項17】 前記イベント情報記憶手段は、前記課題情報に対する正解情報をさらに記憶し、
前記課題情報に対応する回答情報を前記参加者端末から受信すると、前記イベント情報取得手段は、受信した該回答情報が前記正解情報に定める条件を満たしたか否かを判断し、満たした場合には、新たなイベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込むことを特徴とする請求項11〜16のいずれかに記載のイベント提供方法。
【請求項18】 前記イベント情報記憶手段は、前記課題情報に対する正解情報とともに前記課題のクリアを示す情報および前記目的地にいるイベント協力者に対する指示情報さらに記憶し、
前記イベント情報取得手段は、前記イベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込む際には、対応する前記正解情報とともに前記課題のクリアを示す情報および前記指示情報を読み込み、
前記情報送信手段は、前記イベント情報取得手段によって前記イベント情報記憶手段から読み込まれた前記正解情報、前記課題のクリアを示す情報および前記指示情報を前記イベント協力者の所持する協力者端末に送信し、
前記課題情報に対応する前記課題のクリアを示す情報を受信すると、前記イベント情報取得手段は、受信した該回答情報が前記正解情報に定める条件を満たしたか否かを判断し、満たした場合には、新たなイベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込むことを特徴とする請求項11〜16のいずれかに記載のイベント提供方法。
【請求項19】 前記イベント情報記憶手段は、前記課題情報に対するクリア条件に関する情報とともに前記課題のクリアを示す情報および前記目的地にいるイベント協力者に対する指示情報をさらに記憶し、
前記イベント情報取得手段は、前記イベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込む際には、対応する前記クリア条件に関する情報とともに前記課題のクリアを示す情報および前記指示情報を読み込み、
前記情報送信手段は、前記イベント情報取得手段が前記イベント情報記憶手段から読み込まれた前記クリア条件に関する情報、前記課題のクリアを示す情報および前記指示情報を前記イベント協力者の所持する協力者端末に送信し、
前記課題情報に対応する前記課題のクリアを示す情報を受信すると、前記イベント情報取得手段は、受信した該回答情報が前記正解情報に定める条件を満たしたか否かを判断し、満たした場合には、新たなイベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込むことを特徴とする請求項11〜16のいずれかに記載のイベント提供方法。
【請求項20】 イベントを提供する範囲が予めイベント提供エリアとして定めてある場合には、前記検知信号受信手段が受信した前記検知信号が前記イベント参加者のイベントエリア外への退場を示しているとき、情報送信手段は、前記イベント参加者がイベントエリアを退場しようとしている旨を知らせる通知情報を、前記イベント参加者の関係者が所持する関係者端末に送信することを特徴とする請求項11〜19のいずれかに記載のイベント提供方法。」

上記補正は、平成15年12月15日付けで補正された特許請求の範囲の記載を補正するもので、主として、平成15年12月15日付けで補正された特許請求の範囲の記載の「イベント情報抽出手段」を「イベント情報取得手段」と補正し、不明確な記載を明確にすることを目的としたものあるから、特許法第17条の2第4項第4号の明りょうでない記載の釈明に該当する。

したがって、上記補正は適法であるから、本補正後の請求項1に記載されている発明(以下、「本願発明」という。)ついて、原査定の拒絶の理由について、以下に検討する。

3.本願発明について
(1)平成16年4月15日付けの手続補正の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。
「イベント参加者が所持する参加者端末にイベント情報を配信するイベント提供システムであって、
公共交通機関の停車駅所在地の周辺地域を目的地に指定する目的地情報と該目的地において前記イベント参加者に課題を課す課題情報とからなるイベント情報を記憶するイベント情報記憶手段と、
前記イベント参加者が前記公共交通機関の停車駅に設置されたパスゲートを通過した際に、当該停車駅の構内への入場を示す検知信号を前記公共交通機関の利用開始を示す利用開始信号として検知し、または当該停車駅の構内からの退場を示す検知信号を前記公共交通機関の利用終了を示す利用終了信号として検知するパスゲート手段と、
前記パスゲート手段が検知した利用開始信号または利用終了信号を受信する検知信号受信手段と、
前記検知信号受信手段によって受信した前記検知信号が前記利用開始信号であるか前記利用終了信号であるかを判断し、利用開始信号であった場合には、前記目的地情報と前記課題情報からなる前記イベント情報を前記イベント情報記憶手段から読み込むイベント情報取得手段と、
前記イベント情報取得手段が前記イベント情報記憶手段から読み込んだ前記イベント情報を前記参加者端末に送信する情報送信手段と、
を有することを特徴とするイベント提供システム。」

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開2002-49681号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに、次のアないしオの記載がある。
ア.「【0010】
本発明の課題は、携帯端末を使用したネットワークゲームにおいて、ゲームの進行に従って、プレーヤーが実際に現実世界を移動し、実在する店舗や施設などから実際の情報を取得することを可能とするエンターテイメントシステムを提供することである。」

イ.「【0018】
本発明の実施形態では、プレーヤーの位置情報と連動し、イベント(ゲーム中におけるプレーヤーからのアクションの入力を促す表示やプレーヤーからの入力などゲームの進行を制御するゲーム内におけるイベント、なお、イベントは、このような意味の他に実世界における催し物などを示す場合にも使用するが、これらの意味の違いは文脈から明らかであるであろう)を発生させるネットワークゲームを実行する。携帯端末から参加するユーザは、予め自分のプロフィールなどの必要情報を携帯端末から登録しておくことにより、ゲームに参加可能となる。また、プレーヤーは、実在する町の中で自分が今いる場所を携帯電話機やGPS衛星などの位置情報システムにより特定するか、もしくは自ら任意の場所を指定することにより、自分が今いる場所の地図を携帯端末の画面上に表示させる。地図にはプレーヤー自身の現在位置も表示され、プレーヤーが実在の町で移動すると、その動きに合わせて地図上のプレーヤーの位置も移動する。また、同時に他の参加者も地図上に表示されており、参加者が移動する動きに合わせて地図上の参加者の位置も移動する。」

ウ.「 【0021】
図2は、本発明の実施形態を実現するために使用するシステムの構成例を示す図である。
まず、ユーザあるいはプレーヤーは、本発明の実施形態のネットワークゲームを実現するためのソフトウェアと、携帯端末の位置を特定することの出来る位置特定システムを有する携帯端末を保持する。位置特定システムは、GPS衛星を使った位置特定システムでも良いし、携帯端末やPHSの基地局を利用した位置特定システムでも良い。
【0022】
ユーザは、このような携帯端末を使って、基地局を介して、サーバと通信を行い、ユーザ登録をユーザデータベースに行うと共に、ゲームデータベースからの情報に基づいて、ネットワークゲームをプレイする。ネットワークゲームをプレイする際には、サーバはユーザ端末からの位置情報に基づいて、地図データベースを検索し、ユーザ端末にユーザがいる周辺の地図を送信する。ユーザ端末がネットワークゲームのプレイ中に表示画面上に見る情報は、サーバの情報データベースに格納される。また、ユーザがネットワークゲームのプレイ中に表示画面に表示されるクイズやミニゲームの内、実際の店舗の広告情報を基にして構成されるものは、サーバの広告データベースからの情報が使用される。」

エ.「 【0024】
図3は、本発明の実施形態に従ったネットワークゲームの進行に伴う処理の流れを例示するシーケンス図である。
ユーザは、まず、ユーザ端末(携帯端末)を使用して、サーバに対し会員登録を行い、ネットワークゲームへの参加資格を手に入れる。ゲームをスタートさせる場合には、ユーザはユーザ端末を使用して、サーバにログインし、ユーザデータベースの会員登録された情報との照合を受け、サーバが提供するネットワークゲームへの参加が可能か否かが判断される。サーバが当該ユーザがネットワークゲームへの参加を許可するとゲームがスタートする。ユーザ端末からは、ゲームがスタートすると、まずプレーヤーが現在いる位置の特定を始める。
【0025】
プレーヤーの現在地は携帯電話機やGPS衛星などから得られる位置情報により自動的に特定するか、または携帯端末の画面に表示される地域のリストから、プレーヤーが選択し特定する。
現在地が特定されると、サーバは、ユーザ端末から送信されてきた位置情報を基に、地図データベースを検索し、プレーヤが現在いる地域の地図をユーザ端末に表示させる。地図には実在の店や施設、催し物などがゲーム上のイベントスポットとして登録されており、地図上にアイコンで表示されているか、またはイベントスポットの一覧としてテキスト形式で表示される。プレーヤーが現実世界で地図上のイベントスポットとして登録されている店や施設、催し物などの近くに実際に移動すると、携帯電話機やGPSなどの位置情報と連動し、接近したイベントスポットからクイズやミニゲームなどのイベントが発生する。
【0026】
また、地図上のアイコン、もしくは一覧表示されたイベントリストから、イベントスポットを選択することによって、イベントを発生させることも可能である。
イベントスポットから発生するイベントには、クイズやミニゲームなどのイベントや、そのイベントスポットに登録された店や施設、催し物などに関連した内容のものである。商品情報やサービスの案内、催し物会場への勧誘など、その店や施設、催し物などの広告情報をプレーヤーに対して、ゲームの一部として提供する。このため、サーバは、プレーヤーがイベントを選択すると、すなわち、イベントが一覧として表示される場合には、イベントの選択、地図上にイベントが示される場合には、イベントに対応するイベントスポットの近くに移動し、イベントを示すアイコンなどをクリックするなどの操作をすると、広告・情報データベースを参照して、プレーヤーにクイズやミニゲームなどの提供を行う。」

オ.「【0032】
図5は、情報データベースあるいは広告データベースの一部であるイベント開催期間を管理するデータベースの例を示す図である。
クイズやミニゲームは、図5に例示するごとく、時間や期間を限定して提供することも可能である。例えば、期間が限られている催し物や、時間限定で公開されるイベントとして活用することも可能である。」

カ.「【0037】
図6、及び図7は、本発明の実施形態に従った処理の流れを説明するフローチャートである。
まず、ステップS1において、ユーザがネットワークゲームを開始すると、タイトル画面が表示される。次に、ステップS2、S3において、ルール説明やヘルプを表示するか否かの問い合わせがユーザに対して行われ、ユーザがルール説明やヘルプを選択した場合には、所定の説明文書が表示される。ユーザがルール説明やヘルプを選択しない場合には、ステップS4あるいは、S5に進む。ユーザが始めてネットワークゲームを行う場合には、ステップS5において、ユーザ登録を行い、次に進む。ユーザ登録した情報は、ユーザデータベースに登録される。ユーザが2回目以降のネットワークゲームの利用者である場合には、ステップS4において、ログインを行って、次に進む。
【0038】
ユーザは、次に、ゲームスタート、蓄積ポイント数照会、ランキング照会等を行う。ステップS6、S7の蓄積ポイント数照会やランキング照会では、やはりユーザデータベースを参照して、ユーザ自身の蓄積ポイント数やネットワークゲームの利用者間のポイント数から算出されるランキングを取得する。
【0039】
ユーザがステップS8のゲームスタートを選択した場合には、ステップS9において、地域の特定を行う。地域の特定は、ステップS10にあるように、携帯端末の位置情報による自動特定とステップS11にあるメニューリストからの地域の選択の何れかを行う。地域の特定が終わると、ステップS12において、地図がユーザ端末に表示される。ステップS13では、必要に応じて縮尺率を設定する。
【0040】
次に、ステップS14において、イベントスポットの選択を行うか、ステップS15において、他の参加者とのコミュニケーションを選択する。他の参加者とのコミュニケーションを選択した場合には、ステップS16のチャットルームかステップS17の掲示板を選択する。これにより、ネットワークゲームの参加者同士でのコミュニケーションを図ることができる。
【0041】
ステップS14のイベントスポットの特定を選択した場合には、ステップS18の携帯端末の位置情報により自動特定あるいは、ステップS19のメニューリストからのイベントの選択を行う。すると、ステップS20において、ネットワークゲーム処理において、イベントが発生し、ステップS26のクイズの出題あるいはステップS22のミニゲームが開始される。ユーザは、クイズの出題を受けた場合には、回答をステップS27において、自分のユーザ端末から入力し、正解(ステップS29ならばステップS30のポイント獲得となる。ステップS28のように不正解の場合には、ステップS36の他のイベントに挑戦するか、ステップS35の地図に戻るかを選択する。他のイベントを選択した場合には、ステップS21に戻って、他のイベントに挑戦する。ステップS35に示すように、地図を選択した場合には、ステップS12に戻る。」

以上、アないしオに記載の事項より、引用例1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。
「プレーヤーが所持するユーザ端末に、ネットワークゲームを送信するエンターテインメントシステムであって、イベントスポットに接近すると、イベントを発生させるネットワークゲームを格納する情報データベースと、携帯端末の位置を特定することの出来る位置特定システムを有する携帯端末と、サーバは、ユーザ端末から送信されてきた位置情報を基に、地図データベースを検索し、プレーヤーが現在いる地域の地図をユーザ端末に表示させ、地図には実在の店や施設、催し物などがゲーム上のイベントスポットとして登録されており、地図上にアイコンで表示されているか、またはイベントスポットの一覧としてテキスト形式で表示され、プレーヤーが現実世界で地図上のイベントスポットとして登録されている店や施設、催し物などの近くに実際に移動すると、地域の特定を携帯端末の位置情報により自動特定し、イベントスポットの特定を携帯端末の位置情報により自動特定し、ネットワークゲーム処理により、携帯端末にイベントが発生するエンターテインメントシステム。」

(3)対比
本願発明と引用発明とを対比する。
本願発明と引用発明とは、両者共に、参加者をイベントに参加させるシステムであることから、引用発明の「エンターテイメントシステム」は、本願発明の「イベント提供システム」に相当し、引用発明の「プレーヤー」、「ユーザ端末」は、それぞれ本願発明の「イベント参加者」、「参加者端末」に相当する。
引用発明の「ネットワークゲーム」は、実在の店や施設、催し物などが地図上の「イベントスポット」として登録されており、イベントスポットにおいて「イベント」を発生させるものであり、引用発明の「ネットワークゲーム」、「イベントスポット」、「イベント」は、本願発明の「イベント情報」、「目的地情報」、「課題情報」にそれぞれ相当し、それらを記憶する手段として、引用発明の「情報データベース」は、本願発明の「イベント記憶手段」に相当する。

よって、本願発明と引用例1に記載された発明とは、以下の【一致点】及び【相違点】を有する。
【一致点】
「イベント参加者が所持する参加者端末にイベント情報を配信するイベント提供システムであって、
目的地情報と該目的地において前記イベント参加者に課題を課す課題情報とからなるイベント情報を記憶するイベント情報記憶手段と、
を有することを特徴とするイベント提供システム。」

【相違点1】
本願発明は、目的地情報として「公共交通機関の停車駅所在地の周辺地域を目的地に指定する」とされ、「イベント参加者が前記公共交通機関の停車駅に設置されたパスゲートを通過した際に、当該停車駅の構内への入場を示す検知信号を前記公共交通機関の利用開始を示す利用開始信号として検知し、または当該停車駅の構内からの退場を示す検知信号を前記公共交通機関の利用終了を示す利用終了信号として検知するパスゲート手段と」を有しているのに対して、引用発明は、そのような構成を有していない点。

【相違点2】
本願発明は、「パスゲート手段が検知した利用開始信号または利用終了信号を受信する検知信号受信手段と、前記検知信号受信手段によって受信した検知信号が利用開始信号であるか利用終了信号であるかを判断し、利用開始信号であった場合には、目的地情報と課題情報からなるイベント情報をイベント情報記憶手段から読み込むイベント情報取得手段と、前記イベント情報取得手段が前記イベント情報記憶手段から読み込んだ前記イベント情報を参加者端末に送信する情報送信手段と」を有しているのに対して、引用発明は、イベント情報取得手段と情報送信手段について、明記されていない点。

(4)判断
【相違点1】について
目的地を公共交通機関の停車駅所在地の周辺地域とすることは、単なる人為的取り決めにすぎず、当業者において適宜選択しうる事項である。
一般に、列車等の公共交通機関において、利用者の入場又は出場を検知するパスゲートを備えていることは自明であり、パスゲートを用いた入出場管理システムにおいて、人間の通過を検知する人間検知センサを用いることは、例えば特開平8-263709号公報の【請求の範囲】に記載されているように周知技術である。
引用発明の位置検出手段は、プレイヤーがイベントスポットに近づいたか、すなわち、プレイヤーの居る場所を検出するものであり、パスゲートは、2つ以上の領域を仕切り、通過者がパスゲートを通過したか判定することにより、通過者の居る領域を検出するものともいえるから、引用発明の位置検出手段に換えて、パスゲートを用いることは、当業者が容易に想到しうることである。
そうすると、引用発明に、目的地情報として「公共交通機関の停車駅所在地の周辺地域を目的地に指定する」ことと、「イベント参加者が前記公共交通機関の停車駅に設置されたパスゲートを通過した際に、当該停車駅の構内への入場を示す検知信号を前記公共交通機関の利用開始を示す利用開始信号として検知し、または当該停車駅の構内からの退場を示す検知信号を前記公共交通機関の利用終了を示す利用終了信号として検知するパスゲート手段と」を設けることは、当業者が容易に想到し得ることである。

【相違点2】について
公共交通機関をイベント会場として用いること自体は、人為的取り決めであり、当業者において適宜選択しうる事項である。
また、イベント会場の入口と出口にパスゲート手段を設け、パスゲート手段を通過することにより、イベント会場の利用を開始したものとすることは周知であるから、公共交通機関をイベント会場とした際に、公共交通機関のパスゲート手段の利用開始を示す信号を、イベント会場の利用開始信号として受信する手段を設けることは、当業者であれば普通に考え得ることである。
さらに、引用例1には、「サーバはユーザ端末からの位置情報に基づいて、地図データベースを検索し、ユーザ端末にユーザがいる周辺の地図を送信する」ことが記載((2)ウ.段落【0022】)されており、引用発明は、プレイヤーが現在いる地域の地図をユーザ端末に表示させ、プレイヤーがイベントスポットの近くに移動すると、イベントスポットの特定を携帯端末の位置情報により自動特定し、ユーザ端末にイベントが発生するものであるから、引用発明のサーバには、ユーザ端末に表示させる地域の地図及びイベントに関する情報を取得する手段と、これらの情報を送信する手段が必要であり、このような手段を引用例1のサーバに設けることは当業者が容易に想到しうることである。
そうすると、引用発明に「パスゲート手段が検知した利用開始信号または利用終了信号を受信する検知信号受信手段と、前記検知信号受信手段によって受信した検知信号が利用開始信号であるか利用終了信号であるかを判断し、利用開始信号であった場合には、目的地情報と課題情報からなるイベント情報をイベント情報記憶手段から読み込むイベント情報取得手段と、前記イベント情報取得手段が前記イベント情報記憶手段から読み込んだ前記イベント情報を参加者端末に送信する情報送信手段と」を設けることは当業者が容易に想到しうる事項である。

(5)むすび
以上のとおり、請求項1に係る発明は、引用例1に記載された発明及び周知な事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は、他の請求項に係る発明について論ずるまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-06-01 
結審通知日 2006-06-06 
審決日 2006-06-21 
出願番号 特願2002-136368(P2002-136368)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 574- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 青柳 光代  
特許庁審判長 田口 英雄
特許庁審判官 伊知地 和之
佐藤 敬介
発明の名称 イベント提供システム及び方法  
代理人 青木 輝夫  

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