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審決分類 審判 訂正 2項進歩性 訂正しない H04M
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正しない H04M
管理番号 1140854
審判番号 訂正2006-39021  
総通号数 81 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-12-15 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2006-02-14 
確定日 2006-07-31 
事件の表示 特許第3354549号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第3354549号に係る発明は、平成8年7月1日に出願した特願平8-171526号の一部を平成12年4月21日に新たな特許出願(特願2000-120638号)としたものであって、平成14年9月27日にその設定登録がなされたところ、異議申立(2003-71469)がなされ、訂正請求がなされて、平成16年2月20日付けで訂正を認める、異議の申立を却下するとの決定がなされ、その後平成17年5月19日に訂正審判(2005-39080)が請求され、平成17年7月15日付けで訂正拒絶理由通知が通知されたところ、平成17年8月22日に請求が取り下げられ、その後平成18年2月14日に訂正審判(2006-39021)が請求され、平成18年4月5日付けで訂正拒絶理由通知が通知されたところ、その指定期間内である平成18年5月10日付けで意見書が提出されたものである。

2.審判請求の要旨
本件審判請求の要旨は、特許第3354549号発明に係る明細書を、本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおりに訂正しようとするものであって、その訂正事項の内容は以下のとおりのものである。

(2-1)訂正事項a
請求項1に係る発明の「表示部を備えた携帯電話装置」とあるのを「通信状態を表す画面を表示する表示部を備えた携帯電話装置」と訂正する。
(2-2)訂正事項b
請求項1に係る発明の「特定のキーが押下されると、前記画面に、当該装置が備えている機能に対応し、当該機能を表現するアイコンを複数一度に表示し、」とあるのを「キー入力部を構成する特定のキーが押下されると、当該装置が備えている機能に対応し、当該機能を表現するアイコンを複数一度に、その内の特定の1のアイコンに対してその機能を実現する文字列を表示し、かつ、その選択位置を表示した状態で、前記通信状態を表す画面に同時に表示し、」と訂正する。
(2-3)訂正事項c
請求項1に係る発明の「操作により前記アイコンの1つが選択されると、前記選択されたアイコンの機能を表現する文字列を表示する」とあるのを「前記入力部の操作により前記アイコンの1つが選択されると、前記通信状態を表す画面が表示された状態で、当該選択されたアイコンの選択状態が表示され、前記選択されたアイコンの機能を表現する文字列を表示する」と訂正する。
(2-4)訂正事項d
請求項2に係る発明の「前記制御部が、前記入力部において機能選択画面を表示させる操作が行われた場合に、前記記憶部から前記アイコンの表示データを複数読み出して前記表示部に出力し、前記表示部に表示された複数のアイコンの内1つが選択された場合に、前記記憶部から前記選択されたアイコンに対応する文字列の表示データを読み取って前記表示部に出力する制御部であり、」とあるのを「前記制御部が、前記入力部において機能選択画面を表示させるための特定のキー操作が行われた場合に、前記記憶部から前記アイコンの表示データを複数読み出して前記表示部に出力して前記アイコンの内の特定の1のアイコンの選択位置を示す表示データを前記表示部に出力し、前記表示部に表示された複数のアイコンの内1つが前記入力部の操作により選択された場合に、前記記憶部から前記選択されたアイコンに対応する文字列の表示データを読み取って前記表示部に出力する制御部であり、」と訂正する。
(2-5)訂正事項e
請求項2に係る発明の「前記表示部が、通信状態を表す画面を表示し、前記制御部から複数のアイコンの表示データが入力されると当該表示データに従って、複数のアイコンを一度に表示し、前記制御部から文字列の表示データが入力されると当該表示データに従って文字列を表示する表示部である」とあるのを「前記表示部が、通信状態を表す画面を表示し、前記制御部から複数のアイコンとアイコンの選択位置を示す表示データが入力されると、当該表示データに従って、複数のアイコンを一度に、その内の特定の1のアイコンに対してその機能を表現する文字列を表示し、かつ、その選択位置を表示した状態で、前記通信状態を表す画面に同時に表示し、前記入力部の操作により前記アイコンの1つが選択され、前記制御部から文字列の表示データが入力されると、前記通信状態を表す画面が表示された状態で、当該選択されたアイコンの選択状態が表示され、当該表示データに従って文字列を表示する表示部である」と訂正する。
(2-6)訂正事項f
請求項3を削除する。
(2-7)訂正事項g
明細書の発明の詳細な説明の段落【0013】、【0014】を「【0013】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための請求項1記載の発明は、通信状態を表す画面を表示する表示部を備えた携帯電話装置において、前記表示部に、通信状態を表す画面が表示され、キー入力部を構成する特定のキーが押下されると、当該装置が備えている機能に対応し、当該機能を表現するアイコンを複数一度に、その内の特定の1のアイコンに対してその機能を実現する文字列を表示し、かつ、その選択位置を表示した状態で、前記通信状態を表す画面に同時に表示し、前記入力部の操作により前記アイコンの1つが選択されると、前記通信状態を表す画面が表示された状態で、当該選択されたアイコンの選択状態が表示され、前記選択されたアイコンの機能を表現する文字列を表示することを特徴としており、表示部に一度に多くの機能を表示することができ、また、選択されたアイコンに対応する文字のガイダンスを表示することにより、アイコンに不慣れな利用者でも、文字のガイダンスによって機能の選択が容易になり、使い勝手を向上させることができる。
【0014】
上記従来例の問題点を解決するための請求項2記載の発明は、データを表示する表示部と、操作が行われる入力部と、データを記憶する記憶部と、前記入力部からの入力に従って制御を行う制御部とを備えた携帯電話装置において、前記記憶部が、前記携帯電話装置で実行される機能と、前記機能を表現するアイコンの表示データと、前記機能を表現する文字列の表示データとを対応づけて複数記憶する記憶部であり、前記制御部が、前記入力部において機能選択画面を表示させるための特定のキー操作が行われた場合に、前記記憶部から前記アイコンの表示データを複数読み出して前記表示部に出力して前記アイコンの内の特定の1のアイコンの選択位置を示す表示データを前記表示部に出力し、前記表示部に表示された複数のアイコンの内1つが前記入力部の操作により選択された場合に、前記記憶部から前記選択されたアイコンに対応する文字列の表示データを読み取って前記表示部に出力する制御部であり、前記表示部が、通信状態を表す画面を表示し、前記制御部から複数のアイコンとアイコンの選択位置を示す表示データが入力されると、当該表示データに従って、複数のアイコンを一度に、その内の特定の1のアイコンに対してその機能を表現する文字列を表示し、かつ、その選択位置を表示した状態で、前記通信状態を表す画面に同時に表示し、前記入力部の操作により前記アイコンの1つが選択され、前記制御部から文字列の表示データが入力されると、前記通信状態を表す画面が表示された状態で、当該選択されたアイコンの選択状態が表示され、当該表示データに従って文字列を表示する表示部であることを特徴としており、表示部に一度に多くの機能を表示することができ、また、選択されたアイコンに対応する文字のガイダンスを表示することにより、アイコンに不慣れな利用者でも、文字のガイダンスによって機能の選択が容易になり、使い勝手を向上させることができる。」と訂正する。
(2-8)訂正事項h
明細書の発明の詳細な説明の段落【0037】、【0038】を「【0037】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、特定のキーが押下されると、当該装置が備えている機能に対応し、当該機能を表現するアイコンを複数一度に、その内の特定の1のアイコンに対してその機能を実現する文字列を表示し、かつ、その選択位置を表示した状態で、前記通信状態を表す画面に同時に表示し、前記入力部の操作により前記アイコンの1つが選択されると、前記通信状態を表す画面が表示された状態で、当該選択されたアイコンの選択状態が表示され、前記選択されたアイコンの機能を表現する文字列を表示する携帯電話装置としているので、表示部に一度に多くの機能を表示することができ、また、選択されたアイコンに対応する文字のガイダンスを表示することにより、アイコンに不慣れな利用者でも、文字のガイダンスを見て機能を選択することができ、機能の選択を容易にして使い勝手を向上させることができる効果がある。
【0038】
請求項2記載の発明によれば、記憶部で、当該装置で実行される機能と、機能を表現するアイコンの表示データと、機能を表現する文字列の表示データとを対応づけて記憶しており、制御部が、機能選択画面を表示させるための特定のキー操作が行われた場合に、前記記憶部から前記アイコンの表示データを読み出して前記表示部に出力してアイコンの内の特定の1のアイコンの選択位置を示す表示データを表示部に出力し、前記表示部に表示された複数のアイコンの内1つが前記入力部の操作により選択された場合に、前記記憶部から前記選択されたアイコンに対応する文字列の表示データを読み取って前記表示部に出力し、表示部が、通信状態を表す画面を表示し、前記制御部から複数のアイコンとアイコンの選択位置を示す表示データが入力されると、当該表示データに従って複数のアイコンを一度に、その内の特定の1のアイコンに対してその機能を表現する文字列を表示し、かつ、その選択位置を表示した状態で、前記通信状態を表す画面に同時に表示し、前記入力部の操作により前記アイコンの1つが選択され、前記制御部から文字列の表示データが入力されると、前記通信状態を表す画面が表示された状態で、当該選択されたアイコンの選択状態が表示され、当該表示データに従って文字列を表示する携帯電話装置としているので、表示部に一度に多くの機能を表示することができ、また、選択されたアイコンに対応する文字のガイダンスを表示することにより、アイコンに不慣れな利用者でも、文字のガイダンスを見て機能を選択することができ、機能の選択を容易にして使い勝手を向上させることができる効果がある。」と訂正する。

3.訂正の目的の適否、新規事項の追加の有無及び拡張・変更の存否について
(3-1)訂正事項aについて
請求項1に係る発明の「表示部を備えた携帯電話装置」とあるのを「通信状態を表す画面を表示する表示部を備えた携帯電話装置」と訂正することは、「通信状態を表す画面を表示する」という構成要件を直列的に付加するものだから、特許請求の範囲の減縮に該当する。
(3-2)訂正事項bについて
請求項1に係る発明の「特定のキーが押下されると、前記画面に、当該装置が備えている機能に対応し、当該機能を表現するアイコンを複数一度に表示し、」とあるのを「キー入力部を構成する特定のキーが押下されると、当該装置が備えている機能に対応し、当該機能を表現するアイコンを複数一度に、その内の特定の1のアイコンに対してその機能を実現する文字列を表示し、かつ、その選択位置を表示した状態で、前記通信状態を表す画面に同時に表示し、」と訂正することは、「キー入力部を構成する」等の構成要件を直列的に付加するものだから、特許請求の範囲の減縮に該当する。
(3-3)訂正事項cについて
請求項1に係る発明の「操作により前記アイコンの1つが選択されると、前記選択されたアイコンの機能を表現する文字列を表示する」とあるのを「前記入力部の操作により前記アイコンの1つが選択されると、前記通信状態を表す画面が表示された状態で、当該選択されたアイコンの選択状態が表示され、前記選択されたアイコンの機能を表現する文字列を表示する」と訂正することは、「前記入力部の」等の構成要件を直列的に不可するものだから、特許請求の範囲の減縮に該当する。
(3-4)訂正事項dについて
請求項2に係る発明の「前記制御部が、前記入力部において機能選択画面を表示させる操作が行われた場合に、前記記憶部から前記アイコンの表示データを複数読み出して前記表示部に出力し、前記表示部に表示された複数のアイコンの内1つが選択された場合に、前記記憶部から前記選択されたアイコンに対応する文字列の表示データを読み取って前記表示部に出力する制御部であり、」とあるのを「前記制御部が、前記入力部において機能選択画面を表示させるための特定のキー操作が行われた場合に、前記記憶部から前記アイコンの表示データを複数読み出して前記表示部に出力して前記アイコンの内の特定の1のアイコンの選択位置を示す表示データを前記表示部に出力し、前記表示部に表示された複数のアイコンの内1つが前記入力部の操作により選択された場合に、前記記憶部から前記選択されたアイコンに対応する文字列の表示データを読み取って前記表示部に出力する制御部であり、」と訂正することは、「ための特定のキー」等の構成要件を直列的に付加するものだから、特許請求の範囲の減縮に該当する。
(3-5)訂正事項eについて
請求項2に係る発明の「前記表示部が、通信状態を表す画面を表示し、前記制御部から複数のアイコンの表示データが入力されると当該表示データに従って、複数のアイコンを一度に表示し、前記制御部から文字列の表示データが入力されると当該表示データに従って文字列を表示する表示部である」とあるのを「前記表示部が、通信状態を表す画面を表示し、前記制御部から複数のアイコンとアイコンの選択位置を示す表示データが入力されると、当該表示データに従って、複数のアイコンを一度に、その内の特定の1のアイコンに対してその機能を表現する文字列を表示し、かつ、その選択位置を表示した状態で、前記通信状態を表す画面に同時に表示し、前記入力部の操作により前記アイコンの1つが選択され、前記制御部から文字列の表示データが入力されると、前記通信状態を表す画面が表示された状態で、当該選択されたアイコンの選択状態が表示され、当該表示データに従って文字列を表示する表示部である」と訂正することは、「とアイコンの選択位置を示す」等の構成要件を直列的に付加するものだから、特許請求の範囲の減縮に該当する。
(3-6)訂正事項f
請求項3を削除することは、特許請求の範囲の減縮に該当する。
(3-7)訂正事項g、h
明細書の発明の詳細な説明の段落【0013】、【0014】、【0037】、【0038】に係る訂正は、上記特許請求の範囲の訂正に起因して記載を明りょう化するものだから、明りょうでない記載の釈明に該当する。

上記のとおり、訂正事項a〜fは、特許請求の範囲の減縮を目的とし、訂正事項g、hは、明りょうでない記載の釈明を目的とするから、これらの訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書き第一号及び第三号に該当する。
また、これらの訂正は、いずれも願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされるものであり、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、上記訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第一号及び第三号に該当し、かつ、同条第3項及び第4項の規定に適合する。

4.独立特許要件の適否について
上記訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、上記訂正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのかどうかについて、以下検討する。

(4-1)訂正後の発明
訂正後の本件請求項1、2に係る発明(以下、「訂正発明1、訂正発明2」という。)は、審判請求書に添付した全文訂正明細書の特許請求の範囲の記載からみて、次の事項により特定されるものである。
「【請求項1】通信状態を表す画面を表示する表示部を備えた携帯電話装置において、
前記表示部に、通信状態を表す画面が表示され、キー入力部を構成する特定のキーが押下されると、当該装置が備えている機能に対応し、当該機能を表現するアイコンを複数一度に、その内の特定の1のアイコンに対してその機能を実現する文字列を表示し、かつ、その選択位置を表示した状態で、前記通信状態を表す画面に同時に表示し、前記入力部の操作により前記アイコンの1つが選択されると、前記通信状態を表す画面が表示された状態で、当該選択されたアイコンの選択状態が表示され、前記選択されたアイコンの機能を表現する文字列を表示することを特徴とする携帯電話装置。
【請求項2】データを表示する表示部と、操作が行われる入力部と、データを記憶する記憶部と、前記入力部からの入力に従って制御を行う制御部とを備えた携帯電話装置において、
前記記憶部が、前記携帯電話装置で実行される機能と、前記機能を表現するアイコンの表示データと、前記機能を表現する文字列の表示データとを対応づけて複数記憶する記憶部であり、
前記制御部が、前記入力部において機能選択画面を表示させるための特定のキー操作が行われた場合に、前記記憶部から前記アイコンの表示データを複数読み出して前記表示部に出力して前記アイコンの内の特定の1のアイコンの選択位置を示す表示データを前記表示部に出力し、前記表示部に表示された複数のアイコンの内1つが前記入力部の操作により選択された場合に、前記記憶部から前記選択されたアイコンに対応する文字列の表示データを読み取って前記表示部に出力する制御部であり、
前記表示部が、通信状態を表す画面を表示し、前記制御部から複数のアイコンとアイコンの選択位置を示す表示データが入力されると、当該表示データに従って、複数のアイコンを一度に、その内の特定の1のアイコンに対してその機能を表現する文字列を表示し、かつ、その選択位置を表示した状態で、前記通信状態を表す画面に同時に表示し、前記入力部の操作により前記アイコンの1つが選択され、前記制御部から文字列の表示データが入力されると、前記通信状態を表す画面が表示された状態で、当該選択されたアイコンの選択状態が表示され、当該表示データに従って文字列を表示する表示部であることを特徴とする携帯電話装置。」

(4-2)訂正拒絶理由通知の概要
当審が通知した訂正拒絶理由通知の概要は、本件訂正明細書の請求項1、2に係る発明は下記の引用刊行物に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないというものである。
( 引用刊行物)
刊行物1:特開平8-125724号公報
刊行物2:特開平6-120893号公報
刊行物3:特開平6-12209号公報
刊行物4:特開平5-244241号公報
刊行物5:特開平8-69367号公報

(4-3)訂正発明1について
(4-3-1)訂正発明1
訂正後の請求項1に係る訂正発明1は、上記「(4-1)訂正後の発明」の項で認定したとおりである。

(4-3-2)引用刊行物の記載について
イ.上記刊行物1には、以下の事項が記載されている。
イ-1.
【発明の名称】「パーソナル通信装置の表示画面上でテキストをマークする装置および方法」(第1頁下欄項目(54))
イ-2.
「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、データ処理システムに関し、より詳細にはタッチ検知表示画面を有するパーソナル・データ処理通信システムに関する。」(第3ページ右欄)、
イ-3.
「【0003】前記の出願に開示されているように、1994年にIBMコーポレイションから発表されたパーソナル通信装置SIMONは、パーソナル通信を容易にする多くの機能を含んでいる。図1と図2に示したように、SIMONパーソナル通信装置2の外観はセルラ電話に似ており、また実際にセルラ電話である。さらに、電子ページャでもある。さらにまた、ファクシミリの送受信ならびに電子メールの送受信が可能である。さらに、システム2中には、コンピュータ・ノート・パッド、住所録およびカレンダがすべて提供される。」(第3ページ右欄)、
【0004】図に示すように、システム2は、スピーカ4、オン・オフ・スイッチ6、音量調整スイッチ8aおよび8b、タッチ検知画面10、PCMCIAカード収容スロット12、PCMCIAカード放出スイッチ14、バッテリ・パック16、入出力コネクタ18およびマイクロホン20を有する。また、システム2は、タッチ検知画面10と対話するために使用できるスタイラス22も備える。ただし、スタイラス22の代わりに、ユーザが自分の指を使うこともできることに留意されたい。セルラ装置として動作させるために、装置2の本体からアンテナ24を延ばすことができる。」(第3ページ右欄)、
イ-4.
「【0011】
【実施例】図3を参照すると、本発明のパーソナル通信装置の表示装置10は、画面下部の電話アイコン26をユーザが押すことによって、ユーザが装置2をセルラ電話として使用できるようにする、電話画面を有するように選択できる。」(第4ページ左欄〜右欄)
イ-5.
「【0012】画面の下部のアイコン28に触れると、図4に示した移動オフィス画面が表示される。図から分かるように、装置2のデータ処理システムが使用できるいくつかの異なるアプリケーションがある。たとえば、装置2は、装置自体のカレンダとメモ帳ならびにファイラと住所録を有する。さらに、「メール」という名称のアイコンにより電子メール操作が、また「ファックス」という名称のアイコンによりファクシミリ操作が可能である。」(第4ページ右欄)、
イ-6.
「【0019】ユーザは・・・図示したように、画面6Cは、2つの領域、すなわちテキスト領域62と機能領域64に分割される。領域62には数字、文字およびスペースを含むテキストが表示され、領域64にはいくつかの機能キーとアイコンが表示される。したがって、後向きの矢印アイコンに触れることにより、装置2の表示が画面6Cから画面6Bに戻る。同じ手法で、電話アイコンを押すと、図3に示した電話画面が現れる。同様に、移動オフィス・アイコン(便箋の前に封筒があるように示された)を押した場合は、図4に示した移動オフィス画面が現れる。疑問符を押した場合は、照会ができる。図示した機能キーと矢印キーは説明不要と思われる。」(第5ページ左欄)、
イ-7.
「【0027】マーク・モードの終りに、図9に示すように、マークされたテキストがポップアップ・ウィンドウ70に表示される。ポップアップ画面は、適切なテキストがマークされたという確認をユーザに提供する。ポップアップ画面70の他にも、画面上にいくつかの機能キーが現れる。様々な機能キーはそれぞれ、マークされたテキストに関して選ぶことのできるオプションを提供する。たとえば、ユーザが、Joe Smithの電話番号として正しいテキストがマークされたと判断した場合は、次に「ダイヤル」機能キー72を押すことにより、その番号に電話をかけるようシステムに指示することができる。・・・したがって、本発明では、何も書き留める必要なしに、ユーザは、単に所望の電話番号をマークし、次いで「ダイヤル」機能キーを押すことによって、何かに直接電話をかけることができる。」(第6ページ左欄)、
イ-8.
第9頁の図3の電話画面において、「Signal Strength」と表される部分は、信号強度を示すものであるから、該画面は、通信状態を表すものである。

上記記載、図面ならびにこの分野の技術常識を考慮すれば、刊行物1には、
「通信状態を表す画面を表示する表示部を備えたパーソナル通信装置において、
前記表示部に、通信状態を表す画面が表示され、特定のアイコンに触れられると、移動オフィス画面を表示する状態に移行して、当該装置が備えている機能に対応し、当該機能を表現する複数のアイコンを、複数一度に表示し、表示されたアイコンの一つに触れる入力操作により前記アイコンの一つが選択されることを特徴とするパーソナル通信装置。」の発明(以下、「引用発明1」という。)が開示されているものと認められる。

ロ.上記刊行物2には、次の事項が記載されている。
ロ-1.
「【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、電話装置に設けられた表示部に関し、電話装置が有する機能の使用状態を表示する電子機器の機能設定装置に関する。」(第2ページ左欄)、
ロ-2.
「【0008】
【実施例】以下、この発明が適用されたセルラ電話装置の一実施例を図面を参照して説明する。図1には、セルラ電話装置の斜視図が示される。図1において、セルラ電話装置1の表面部には、ダイヤルするためのテンキー2、メニューキー等からなるファンクションキー3が配設される。テンキー2の上部には、種々の情報を表示するための、例えばLCDからなる液晶表示部4が設けられる。」(第2ページ右欄)、
ロ-3.
「【0016】図6には、固定表示領域13に表示される階層レベル番号と、メイン表示領域12に表示される第2レベルメニューとの関係が示される。図6において、ファンクションキー3に設けられたメニューキーを操作すると、固定表示領域13には、「F」が表示されると共に、メイン表示領域12には、第1レベルメニューのファンクションが表示される。例えば、テンキーの「2」を操作することにより、この第1レベルメニューの中から「ツウワキロク」ファンクションが選択されると、メイン表示領域12には、「ツウワキロク」ファンクションの第2レベルメニューが表示される。この時に、固定表示領域13の表示は、「F2」とされる。
【0017】さらに、第2レベルメニューの「3:ハッチャクシン」が選択されると、固定表示領域13には、「F23」と表示される。これと共に、メイン表示領域12には、通話記録番号(発信先及び発信元の電話番号)が表示される。この通話記録番号はスクロールされ、所望の電話番号が見出されると、メニューキーが操作される。これにより、その電話番号が確定とされる。次に、発信キーが操作されると、選択された電話番号がダイヤルされる。通話が終了すると、終了キーによって通話が切断される。」(第3ページ右欄)。

上記段落及び図6の記載ならびにこの分野の技術常識を考慮すれば、刊行物2には、「キー入力部(具体的には「テンキー及びファンクションキー」)及び表示部を備えた携帯電話装置において、キー入力部を構成する特定のキー(具体的には「メニューキー」)が押下されると、当該携帯電話装置が備えている機能を複数一度に表示し(具体的には「1 デンワチョウ」、「2 ツウシンキロク」等)、前記入力部の操作により、前記機能の一つが選択されることを特徴とする携帯電話装置。」が開示されていると認められる。

ハ.上記刊行物3には、次の事項が記載されている。
ハ-1.
「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実行すべき作業をアイコンにより選択するメニュ画面の表示機能をもつ、ハードディスクパックがオプションで実装可能なパーソナルコンピュータに関する。」(第2ページ左欄)、
ハ-2.
「【0027】図3はそれぞれDOSーROM21のDOSによりシステムが立ち上がった際に、液晶ディスプレイ24に表示されるメニュ画面の具体的な構成を示す図である。
【0028】図3に於いて、a1乃至a12はそれぞれ作業選択のためのメニュアイコンである。これらアイコンのうち、a1はシステムに装備されたアプリケーションソフトウェアのうちのワードプロセッサを起動するワープロアイコン、a2はシステムに装備されたアプリケーションソフトウェアのうちの表計算ソフトウェアを起動する表計算アイコン、a3はカレンダ、電卓、世界時計等のアクセサリを起動するアクセサリアイコンである。a4、a5は市販ソフトウェア等の任意ソフトウェアをメニュに登録し起動するユーザ登録アイコンである。・・・(中略)・・・c1はメッセージ行(タイトルバー)であり、選択状態にあるアイコン、即ち反転表示等により強調表示されたアイコンの作業内容等が表示される。」(第4ページ左欄〜右欄)、
ハ-3.
「【0038】メニュ画面を表示するための起動処理に於いては、先ず、主メモリ12に設定されたハードRAMから、メニュ表示管理情報ファイル内のメニュ画面表示に必要な各メニュアイコンの位置情報、前回実行された(反転表示対象となる)アイコン情報、アイコンタイトル、メッセージ行(説明文)、各ファンクションキーの機能表示部等のメニュ構成部品が主メモリ12に読み込まれ(図4ステップA1 )、続いてユーザ登録用アイコンの各情報(タイトル、実行コマンド、説明文、アイコンイメージ等)が読み込まれた(図4ステップA2 )後、上記各情報に従い、図4に示すようなメニュ画面が表示される(図4ステップA3 )。このメニュ画面上で実行すべき作業に従うアイコンを選択してメニュ処理を実行する(図4ステップA4 )。この際のメニュ処理について図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0039】上記図5に示すメニュ画面上で、カーソルキー及び確定キー操作により、実行したい作業のアイコンを選択する。即ち、例えば右方向のカーソルキーを操作することにより反転表示されるアイコンが順次右方向に移り、目的とするアイコンを反転表示状態とした後、確定入力として[Enter ]キーを操作する(図5ステップB1 ,B2 )。
【0040】このアイコンの選択操作により、選択されたアイコンの位置情報がメニュ表示管理情報ファイルに反映されて上記ファイル内のアイコン位置情報が更新され、更にその選択されたアイコンの作業が開始される。即ちアイコン選択を確定する[Enter ]キーが操作されると、ファイル内のアイコン位置情報が、今、選択したアイコン位置に更新され、更に選択されたアイコンに対応するコマンドが実行される(図5ステップB3 ,B4 )。次回のメニュ表示では、この更新されたアイコン位置情報に従うアイコンが初期選択対象アイコンとして反転表示される。
【0041】上記選択されたコマンドの実行が終了すると、再びメニュ表示処理プログラム(P MENU)21a が起動されて、図3に示すメニュ画面が表示されるが、この際の際は、ファイル内の更新されたアイコン位置情報をもとに、初期選択対象アイコンが反転表示される。即ち、今、終了したコマンドのアイコンが初期選択対象アイコンとして反転表示される(図5ステップB5 ,B6 )。」(第5ページ右欄〜第6ページ左欄)。
上記記載、図面ならびにこの分野の技術常識を考慮すれば刊行物3には、
「キー入力部及び表示部を備えたパーソナルコンピュータにおいて、前記表示部に、メニュ画面を表示するための起動処理が行われると、当該パーソナルコンピュータが備えている機能に対応し、当該機能を表現するアイコンを複数一度に、その内の特定の1のアイコンに対してその機能を実現する文字列を表示し、かつ、その選択位置を表示した状態で表示し、前記入力部の操作により前記アイコンの1つが選択されると、当該選択されたアイコンの選択状態が表示され、前記選択されたアイコンの機能を表現する文字列を表示することを特徴とするパーソナルコンピュータ」が開示されていると認められる。

ニ.上記刊行物4には、次の事項が記載されている。
ニ-1.
「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電話機、特に、携帯電話機の小型化に寄与する技術に関する。」(第2ページ第1欄)、
ニ-2.
「【0021】図1において、1は本実施例の携帯電話機、2はアンテナ、3はスピーカ、4はディスプレイ、6はモードキー(MOD)、7はカーソルキー、8はエンターキー(ENT)、9はマイク、10はサウンダである。」(第3ページ第4欄)、
ニ-3.
「【0031】また、ディスプレイ4にオフフック記号が表示されている場合は、カーソルキー7を押下することにより、ディスプレイ4に表示されたオフフック記号の下にカーソルを移動させ、エンターキー8を押下することにより、入力した被呼者ダイヤル番号に発信するよう指示するようにしてもよい。」(第4ページ第5欄)

上記段落【0031】に記載された「オフフック記号」は、アイコンであることが明らかである。すると、上記記載、図面ならびにこの分野の技術常識を考慮すれば刊行物4には、
「キー入力部を備えた携帯電話装置において、通信状態を表す画面にアイコンを同時に表示する携帯電話装置」が開示されていると認められる。

(4-3-3)対比
(a)引用発明1の「パーソナル通信装置」は、上記イ-3.に「実際にセルラ電話である」、上記イ-4.に「ユーザが装置2をセルラ電話として使用できるようにする、電話画面を有するように選択できる」と記載されるように「セルラ電話」であるというのだから、訂正発明1の「携帯電話装置」に相当することが明らかである。
(b)引用発明1の「パーソナル通信装置」は、上記刊行物1の図3の電話画面において移動オフィスアイコンに触れることにより、当該パーソナル通信装置が備える「パーソナル通信を容易にする多くの機能」(段落【0003】参照)としてのカレンダやメモ帳等のアイコンを図4の画面において表示させるものである。そしてその機能の一つであるメモ帳や電子メールにおいて、「ダイヤル」機能により直接電話をかけることが開示され(段落【0027】参照)ているから、引用発明1は「電話画面(図3)」以外においてもセルラ電話機即ち携帯電話装置として機能するものと認められる。
(c)引用発明1の「特定のアイコンに触れられる」と訂正発明1の「キー入力部を構成する特定のキーが押下される」は、いずれも装置に対する入力操作を意味するから、両者は、「特定の入力操作が行われる」点で一致する。
(d)引用発明1の「触れる入力操作により」と訂正発明1の「前記入力部の操作により」は、いずれも装置に対する入力操作を意味するから、両者は、「入力操作により」の点で一致する。

そうしてみると、訂正発明1と引用発明1は、
「通信状態を表す画面を表示する表示部を備えた携帯電話装置において、
前記表示部に、通信状態を表す画面が表示され、特定の入力操作が行われると、当該装置が備えている機能に対応し、当該機能を実現する複数のアイコンを複数一度に表示し、入力操作により前記アイコンの1つが選択されることを特徴とする携帯電話装置。」である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点1)「特定の入力操作が行われる」について、訂正発明1では「キー入力部を構成する特定のキーが押下される」であるのに対し、引用発明1では、「特定のアイコンに触れられる」ものである点、

(相違点2) 訂正発明1は、「装置が備えている機能に対応し、当該機能を表現するアイコンを複数一度に表示する」際、「その内の特定の1つのアイコンに対してその機能を表現する文字列を表示し、かつ、その選択位置を表示した状態で、前記通信状態を表す画面に同時に表示する」のに対して、引用発明1は、「装置が備えている機能に対応し、当該機能を表現するアイコンを複数一度に表示する(図4の移動オフィス画面参照)」ものである点

(相違点3) 訂正発明1は「入力部の操作によりアイコンの1つが選択されると、通信状態を表す画面が表示された状態で、当該選択されたアイコンの選択状態が表示され、前記選択されたアイコンの機能を表現する文字列を表示する」のに対し、引用発明1は「表示されたアイコンの一つに触れる入力操作によりアイコンの1つが選択される」ものである点

(4-3-4)判断
上記相違点1〜3について、以下のとおり検討する。

(相違点1について)
「表示部を備えた携帯型情報処理装置において、入力操作として「画面タッチ入力方式」(引用発明1)と「キーによるカーソル移動入力方式」(訂正発明1)は、何れも周知技術であり、適宜採用可能なものである。例えば、引用発明1と同じ携帯電話装置における「キーによるカーソル移動入力方式」の周知例として、上記刊行物2や刊行物4を例示することができる。
そして、当該周知技術を引用発明1に適用することに特段の阻害要因は見あたらないのだから、引用発明1の「特定のアイコンに触れる」(「画面タッチ入力方式」)に代えて上記周知の入力方式(「キーによるカーソル移動入力方式」)を採用し、訂正発明1の「キー入力部を構成する特定のキーが押下される」ように構成することは当業者が適宜なし得る設計事項と認められる。

(相違点2について)
「装置が備えている機能に対応し、当該機能を表現するアイコンを複数一度に表示する」際、「その内の特定の1つのアイコンに対してその機能を表現する文字列を表示し、かつ、その選択位置を表示した状態で表示する」点は、例えば、上記刊行物3に開示されているようにパーソナルコンピュータ等の分野で周知技術である。
そして、アイコンによるマンマシンインターフェースの手法は、パーソナルコンピュータの分野で確立し、これが他の分野に適用され波及発展したことが良く知られているが、携帯電話の分野においても、携帯電話装置を示す刊行物1の図3や携帯電話装置として機能する図4の画面にアイコンが表示されていることからわかるように、あるいは、同じく携帯電話装置を示す刊行物4の図1のディスプレイ4の下部にアイコンが表示されていることからわかるように、「アイコンによるマンマシンインターフェースの手法を携帯電話に適用すること」は分割原の出願前に例えば刊行物1や4によって既に公知なのであるから、上記周知技術を引用発明1に適用することに格別の困難はなく、特段の阻害要因も見あたらない。
また、「携帯電話装置において通信状態を表す画面にアイコンを同時に表示すること」は、上記刊行物1の図3(電話アイコン及び移動オフィスアイコンが表示画面下部に記載されている。)や上記刊行物4(段落【0031】参照)に開示されているとおり公知である。そして、多機能の携帯電話装置の場合、携帯電話装置本来の機能に密着した通信状態を表す画面と、追加機能を表現するアイコンのどちらを重要視するかは、携帯電話装置の使用状況を考慮して決定すればよい事項に過ぎないから、携帯電話装置本来の機能を重視して、付加機能を使用しようとするときにも常に通信状態を画面上に表示すること、即ち、訂正発明1のように、「機能を表現するアイコンを、通信状態を表す画面に同時に表示する」ことは当業者が適宜採用しうることである。

よって、引用発明1に刊行物1や刊行物4に記載されたもの、及び刊行物3に記載された上記周知技術を適用して、訂正発明1のように、「装置が備えている機能に対応し、当該機能を表現するアイコンを複数一度に表示する」際、「その内の特定の1つのアイコンに対してその機能を表現する文字列を表示し、かつ、その選択位置を表示した状態で、前記通信状態を表す画面に同時に表示する」ように構成することに、格別の創意工夫を要するとはいえない。

(相違点3について )
「入力部の操作により前記アイコンの1つが選択されると、当該選択されたアイコンの選択状態が表示され、前記選択されたアイコンの機能を表現する文字列を表示する」点は、例えば、上記刊行物3に開示されているようにパーソナルコンピュータの分野で周知技術である。そして、上記「(相違点2について)」において述べたとおり、当該周知技術を引用発明1に適用することに格別の困難はなく、特段の阻害要因も見あたらない。
また、当該表示を「通信状態を表す画面が表示された状態で」行うことは、上記「相違点2について」で述べたように当業者が適宜採用しうることである。

よって、引用発明1に刊行物1や刊行物4に記載されたもの、及び刊行物3に記載された上記周知技術を適用して、訂正発明1のように、「前記入力部の操作により前記アイコンの1つが選択されると、前記通信状態を表す画面が表示された状態で、当該選択されたアイコンの選択状態が表示され、前記選択されたアイコンの機能を表現する文字列を表示する」ように構成することに、格別の創意工夫を要するとはいえない。

(4-3-5)訂正審判請求人の主張(訂正発明1)について

(イ)請求人は、平成18年5月10日付け意見書の第2〜4頁において、拒絶理由通知の「(1-3)対比」、特に「(b)」の「刊行物1には、移動オフィス画面から選択されたメモ帳又は電子メールにおいて、「ダイヤル」機能により直接電話をかけることが開示されているから、引用発明1は「電話画面(図3)」以外においてもセルラ電話機、即ち携帯電話装置として機能するものと認められる」との認定は明らかに間違いである旨、主張する。その理由として、「刊行物1の図4はデータ処理装置である」、「図4には通信状態を表す画面が表示されていない」、「テンキーを含む入力部が表示されていない」、「電話をかける場合には電話画面に戻らねばならない」、「図4の画面にはSignal Strengthが表示されていないからセルラ電話ではなく、着信を受けることができない」などの点をあげている。そして、その結果、一致点及び相違点の認定は認容できないものである旨、主張する。

しかしながら、引用発明1は、「図4には通信状態を表す画面が表示されていない」、「テンキーを含む入力部が表示されていない」、および「電話をかける場合には電話画面に戻らねばならない」との事項にかかわらず、「(4-3-3)対比」の「(b)」の項で指摘したとおり、電話画面(図3)以外においても、セルラ電話機即ち携帯電話装置として機能するものなのだから、上記請求人の主張は採用できない。
また、「移動オフィス画面ではSignal Strengthが表示されていないため、着信を受けることができない」(意見書第4頁下から6行目)との請求人の主張については、刊行物1にはその旨の記載も示唆も無く、根拠のない主張である。

(ロ)請求人は、同意見書の第7頁5〜10行目において、(訂正拒絶理由通知の「(1-4)判断」の「(相違点1について)」に関して、)『上述した相違点をも考慮した場合、引用発明1では、図3の「電話画面」(携帯電話装置)ではなく、引用発明1の図4の「移動オフィス画面」(データ処理装置)において「キーによるカーソル移動入力方式」の周知例を適用しても、携帯電話装置において、即ち、装置がその表示画面に通信状態を表す画面が表示されている状態において、キー入力部を構成する特定のキーが押下されることが容易になし得る設計事項であったとは、到底、思われない』旨、主張する。
また、『引用発明1の図4の「移動オフィス画面」(データ処理装置)はその技術分野において、携帯電話装置とは明らかに異なっているから、また、常に通信状態を示す画面が表示された状態で、装置が備えている複数の機能を一度に表示して入力部の操作によりアイコンを選択することにより携帯電話装置の使い勝手を向上することが引用発明1に記載も示唆もないから、携帯電話装置に関する上記刊行物2や刊行物4の内容を、引用発明1の図4の「移動オフィス」に関するデータ処理装置に適用することは、明らかに、阻害要因が存在する』旨主張する。

しかしながら、請求人の上記主張については、前記「(4-3-4)判断」の「(相違点1について)」の項および前記「(4-3-3)対比」の「(b)」の項で判断したとおりであるから、上記請求人の主張は採用できない。

(ハ)請求人は、同意見書の第8頁下から5行目〜9頁において、(拒絶理由通知の「(1-4)判断」の「(相違点2について)」に関して、)「甲第11号証及び甲第12号証からも明らかなように、複数のアイコンを携帯電話の小さな画面に表示し、これらアイコンにより携帯電話の機能を操作する技術は、本件特許の出願時において、通常の事項、即ち、周知の事項ではない」旨、主張する。
同じく、意見書の第9頁第7〜12行目において、「甲第13号証及び甲第14号証にも明らかなように、1999年から開始されたネットワークとの接続(所謂、iモードサービス)の出現に端を発するものであり、本件特許の出願時、即ち、未だiモードサービスが導入されていない段階においては、パーソナルコンピュータにおけるアイコンによるマンマシンインターフェースの手法を携帯電話に適用することは、明らかに除外されており、阻害要因があったことは明らかである」旨、主張する。
同じく、意見書の第10頁第7〜12行目において、「その表示画面上に複数の機能アイコンを表示する携帯電話装置は、本件特許の出願以前には発表されておらず、本件特許の出願以降において初めて発表されているという事実に照らして判断すると、携帯電話装置においてアイコンを利用することにより、即ち、携帯電話装置の機能を表現するアイコンを、通信状態を表す画面上において、複数同時に表示することは、当業者が適宜採用し得る程度のものでないことは明らかである」旨、主張する。
同じく、意見書の第11頁第8〜9行目に、「本願発明は、アイコンによるマンマシンインターフェースの手法を、初めて、携帯電話に採用したことに関しては、パイオニア的な発明である」旨主張する。

しかしながら、上記請求人の主張については、前記「(4-3-4)判断」の「(相違点2について)」の項で判断したとおりであるから、請求人の上記主張は採用できない。

(ニ)請求人は、同意見書の第12頁第2〜14行目において、(拒絶理由通知の「(1-4)判断」の「(相違点3について)」に関して、)『「刊行物1では、その図3の「電話画面」(携帯電話の機能時)における通信状態を表す画面上に、特定のキーが押下されると、その機能を表現するアイコンを複数同時に表示することを開示しておらず、また、刊行物3のアイコンによるマンマシンインターフェースの手法を携帯電話に適用することも周知ではない」から、「前記入力部の操作により前記アイコンの1つが選択されると、前記通信状態を表す画面が表示された状態で、当該選択されたアイコンの選択状態が表示され、前記選択されたアイコンの機能を表現する文字列を表示するように構成することには、格別の創意工夫を要するものであることは明白である」』旨主張する。

しかしながら、上記請求人の主張については、前記「(4-3-4)判断」の「(相違点3について)」の項で判断したとおりであるから、請求人の上記主張は採用できない。

(4-3-6)まとめ
以上のとおり、訂正発明1は、上記刊行物1〜4に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものである。
したがって、訂正発明1は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

(4-4)訂正発明2について
(4-4-1)訂正発明2
訂正後の請求項2に係る訂正発明2は、上記「(4-1)訂正後の発明」の項で認定したとおりである。

(4-4-2)引用発明及び周知技術

イ.上記刊行物1には、上記「(4-3-2)引用刊行物の記載について」の「イ.」の項で摘記したイ-1.〜イ-8.の記載事項の他、次の事項が記載されている。
イ-9.
「【0015】図5は、本発明の装置2の簡略化したブロック図であり、本発明に関連する構成要素だけを示す(装置2の様々な部品のより詳しい説明は、最初に参照した関連出願に出ている)。図のように、本発明のシステムのシステム・バス30には処理装置32が接続されている。また、RAM34、EPROM36、追加メモリ38などの多数の異なるタイプのメモリも、システム・バス30に接続されている。メモリ38は、装置2の収容スロット12に差し込まれたPCMCIA(国際パーソナル・コンピュータ・メモリ・カード協会)標準カードの形のものでもよい。図1を参照のこと。メモリ38は、システムで使用される追加データを記憶するための余分のRAMまたはROMを含むこともある。EPROM36はその中に、図4の移動オフィス画面中で言及しアイコンとして参照したアプリケーションのうちのいくつかを記憶している。RAM34は、CPU32用の作業メモリである。
【0016】システム・バス30には、カウンタ42によってその機能が左右されるタッチ検知画面制御装置40も接続され、CPU32によって制御される。カウンタ42は、実際にはシステム・クロックでよい。接触画面制御装置40によってトーン発生器44が制御される。さらに、接触画面制御装置40には、押圧された接点、すなわち表示装置10上で行われた接触を検知する画面接触オーバレイ46(1993年11月1日出願の前記出願で参照された)が接続されている。接触オーバレイ46が重ねられたLCD表示装置10も、バス30に接続されCPU32によって制御される。」(第4ページ右欄〜第5ページ左欄)。

図3に図示されている表示装置の画面において、「Signal Strength」と表される部分は、信号強度を示すものであるから、該画面は、通信状態を表すものである。
上記記載、図面ならびにこの分野の技術常識を考慮すれば、刊行物1には、
「データを表示する表示部と、操作が行われる画面接触オーバレイと、データを記憶するメモリと、前記画面接触オーバレイからの入力に従って制御を行う処理装置とを備えたパーソナル通信装置において、
前記処理装置は、前記画面接触オーバレイにおいて移動オフィス画面を表示させるための特定のアイコンに触れるという入力操作が行われた場合に、前記パーソナル通信装置が備える機能を実現する複数のアイコンを表示部に複数一度に表示させ、前記表示された前記複数のアイコンの内一つに触れるという入力操作が行われた場合に、前記触れられたアイコンが選択される制御を行う処理装置であり、
前記表示部が、通信状態を表す画面を表示し、処理装置からの制御により複数のアイコンを、複数一度に表示する表示部であるパーソナル通信装置。」の発明(以下、「引用発明2」という。)が開示されているものと認められる。

ロ.上記刊行物2には、上記「(4-3-2)引用刊行物の記載について」の「ロ.」の項で記載したとおりの、
「携帯電話装置において、キー操作が行われる入力部を有し、該入力部において特定のキー操作が行われた場合に、機能選択画面を表示する携帯電話装置」が記載されている。

ハ.上記刊行物3には、上記「(4-3-2)引用刊行物の記載について」の「ハ.」の項で記載したとおりの、
「複数のアイコンを複数一度に表示する場合に、その内の特定の1のアイコンだけその選択位置が表示され、かつ、その機能を表現する文字列が表示された状態で表示するパーソナルコンピュータ」が記載されている。

ニ.上記刊行物4には、上記「(4-3-2)引用刊行物の記載について」の「ニ.」の項で記載したとおりの、
「キー入力部を備えた携帯電話装置において、通信状態を表す画面にアイコンを同時に表示する携帯電話装置」が開示されていると認められる。

ホ.上記刊行物5には、次の事項が記載されている。
ホ-1.
「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は文書処理装置のメニュー表示を制御するメニュー表示装置に関するものである。」(第2ページ左欄)、
ホ-2.
「【0008】本発明の課題は・・・また、データファイルや機能モードの名称などの画面上に表示されるアイコンに付随する情報を、該データファイルの内容を画面上に呼び出すことなく簡単かつ迅速に確認できるようにすることである。」(第2ページ右欄)、
ホ-3.
「【0016】図1に示すように、本実施例は、CPU(中央処理装置)1と、ROM(リード・オンリ・メモリ)2と、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)3と、表示部4と、文書メモリ5と、外部記憶装置6と、メニューアイコン制御部7と、基本メニューアイコンイメージ格納部8と、各種アイコンイメージ格納部9と、アイコン管理テーブル10と、キー入力部13と、マウス12から構成される。
【0017】CPU1は、キー入力部13やマウス12を介して入力されるデータに基づいて装置全体を制御する。ROM2は、CPU1が実行する制御プログラム等を格納する記憶装置である。RAM3は、CPU1によって実行される文書作成機能や表計算機能などを備えたアプリケーションプログラムや現在編集中の文書データ等を格納する記憶装置である。
【0018】表示部4は、メニューアイコン等からなるGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)画面や、該GUI画面を介して選択された文書ファイルの内容などを表示するもので、例えば、CRT(cathode ray tube)ディスプレイや液晶ディスプレイなどの表示装置である。文書メモリ5は、3つの文書ファイル(文書ファイルI、II、III )まで格納することができる記憶装置で、例えば、RAMディスクやICメモリカードなどである。外部記憶装置6は、文書ファイルを保存する記憶装置で、例えば、磁気ディスク装置や光磁気ディスク装置などである。
【0019】メニューアイコン制御部7は、キー入力部13やマウス12から入力されるデータ等に基づいて、表示部4の画面上でのGUI画面のメニュー表示処理やマウス12によるアイコンのクリックやダブルクリックなどに対応する処理を行う。
【0020】基本メニューアイコンイメージ格納部8は、図2に示すようなメニュー画面(デスクトップ画面)に表示される基本メニューアイコンのイメージデータを格納する記憶装置であり、例えば半導体メモリからなる。各種アイコンイメージ格納部9は、図3、図4に示すようなメニュー画面上に表示されるその他のアイコンのイメージデータを格納する記憶装置であり、例えば半導体メモリからなる。
【0021】アイコン管理テーブル10は、表示部4に表示されるメニュー画面上に配置されるアイコンを管理する情報を格納するテーブルで、このアイコン管理情報11は、各アイコン毎に個別に格納される。このテーブル10も、例えば半導体メモリ上に作成される。
【0022】該アイコン管理情報11は、「アイコン位置」、「有効フラグ」、「ファンクションコード」及び「名称」の4フィールド11a〜11dからなる。「アイコン位置」フィールド11aには、対応するアイコンの画面上の位置とサイズが格納され、例えば、マウスのクリックによってどのアイコンが選択されたかを判断するのに使われる。
【0023】「有効フラグ」フィールド11bには、対応するアイコンが有効であるかどうかを示す有効フラグが設定される。この有効フラグがどのように使われるかに関しては後述する。
【0024】「ファンクションコード」フィールド11cには、対応するアイコンが選択された時に起動される機能を示すコードが格納される。例えば、図2に示す電卓アイコン24に対しては、電卓モードを示すコードが格納される。
【0025】「名称」フィールド11dには、対応するアイコンに付随する情報が格納される。例えば、文書アイコンであれば、対応する文書ファイルの名称が、図2に示す電卓アイコン24やメモ帳アイコン25などの各種機能モードに対応するアイコンであれば、その機能モードの名称が格納される。」(第3ページ左欄〜第4ページ左欄)、
ホ-4.
「【0027】図2は、表示部4に表示される基本メニューアイコンのイメージを示す図である。カレンダー、時計が壁に掛けられ、スケジュール表が壁にはられ、電卓、メモ帳、住所録、電話が机の上に置かれた状態がそれらのイメージを表す各種アイコン21〜27によって表示されており、それらのアイコン21〜27が本実施例の文書処理装置が提供するいろいろな基本機能を表現している。例えば、電卓アイコン24が画面上で選択されると電卓モードが起動され、電卓機能が提供される。」(第4ページ左欄)、
ホ-5.
「【0031】図5は、メニュー表示処理の処理手順を示すフローチャートである。利用者によって、電源投入されるか、若しくは、キー入力部13のメニューキーが押下されると、CPU1によりメニューアイコン制御部7が起動され、該メニューアイコン制御部7により上記メニュー表示処理が実行される。該メニュー表示処理において、メニューアイコン制御部7は、基本メニューアイコンのイメージデータを基本メニューアイコンイメージ格納部8から読みだして表示部4にメニュー画面の一部として図2に示すような基本メニューアイコンイメージを表示させる(S1)。」(第4ページ右欄)、
ホ-6.
「【0042】図7は、本発明の第2の実施例の文書処理装置で、利用者がマウス12によってメニュー画面上をクリック操作(クリックまたはダブルクリック)した際に実行されるクリック処理の処理手順を説明するフローチャートである。
【0043】この第2の実施例のシステム構成は、図1に示す最初の実施例とほぼ同一であり、アイコン管理テーブルの構成が一部異なるのみである。図10は、第2の実施例においてメニューアイコン制御部7によって図1のアイコン管理テーブル10のかわりに参照されるアイコン管理テーブル10’の構成を示す図である。
【0044】該アイコン管理テーブル10’のアイコン管理情報11’は、図1に示されたアイコン管理テーブル10のアイコン管理情報11に「ふき出しフラグ」フィールド11eを追加したものとなっている。「ふき出しフラグ」フィールド11e以外は、アイコン管理テーブル10と同じなので説明は省略する。「ふき出しフラグ」フィールド11eには、現在、メニュー画面上で、後述する「ふき出し」イメージがアイコンに対応して表示されているか否かを示すふき出しフラグが設定される。」(第6ページ左欄)、
ホ-7.
「【0049】一方、上記ステップS33で、前記クリック操作がダブルクリック操作でないと判別すれば(S33、NO)、該クリック操作された文書アイコン(文書アイコンI31〜III 33のいずれか)のふき出しフラグがセットされているか否かを判別する(S34)。そして、該ふき出しフラグがセットされていなければ(S33、NO)、そのクリック操作された文書アイコンに対応して記憶されている文書名をアイコン管理テーブル10の当該名称フィールド11dから読み出す(S35)。そして、その文書アイコンに対応する所定位置に図11(a) に示すような「ふき出し」枠線イメージ100を表示し(S36)、次に図11(b) に示すようにその「ふき出し」枠線イメージ100内に上記読み出した文書名が表示された「ふき出し」イメージ101を表示させ(S37)、元の処理に戻る。」(第6ページ右欄)、
ホ-8.
「【0056】なお、上記説明では、アイコンが選択された時に、表示される情報を文書アイコン31〜33に対応する文書ファイルI〜III の名称としたが、アイコンに付随するその他の情報、例えば、アイコンを選択することによって起動される動作モード名(例えば、電卓モードやメモモードなど)等を表示するようにしてもよい。こうすることによって、所望の動作モードを誤りなく起動することが可能になり、作業能率が向上する。」(第7ページ左欄)。
ホ-9.
上記ホ-3.の段落【0019】に記載された「メニューアイコン制御部7」の処理は、「キー入力部13やマウス12から入力されるデータ等に基づいて、表示部4の画面上でのGUI画面のメニュー表示処理やマウス12によるアイコンのクリックやダブルクリックなどに対応する処理を行う」というのだから、これは「アイコンによるマンマシンインターフェースの手法」であるということができる。
また、第9頁の図2に記載される画面は、電卓やメモ帳など、装置が備える機能を選択できる画面であるから、複数のアイコンを複数一度に表示する機能選択画面に相当する。
更に、上記記載は、「メニューアイコンイメージ格納部」及び「アイコン管理テーブル」が半導体メモリ上に作成されて、該「アイコン管理テーブル」により、機能を示すコード、すなわち装置で実行される機能と、『ふき出し』イメージとして表示される動作モード名、すなわち機能を表現する文字列の表示データが、各アイコン毎に対応づけられるものであり、表示部に上記機能選択画面を表示する際には、メニューアイコン制御部の制御により、メニューアイコンイメージ格納部からアイコンのイメージデータを読みだして表示部に表示すると共に、選択されたアイコンに対応して記憶されている動作モード名を表示させるものである。

上記記載、図面ならびにこの分野の技術常識を考慮すれば、刊行物5には、
「アイコンによるマンマシンインターフェースの手法を備えた装置であって、記憶部と、制御部と、表示部とを備え、
前記記憶部が、装置で実行される機能と、前記機能を表現するアイコンの表示データと、前記機能を表現する文字列の表示データとを対応づけて複数記憶し、
前記制御部が、複数のアイコンを複数一度に表示する機能選択画面を表示させるために、前記記憶部から前記アイコンの表示データを複数読み出して表示部に出力し、前記表示部に表示された複数のアイコンの内1つが選択された場合に、前記記憶部から前記選択されたアイコンに対応する文字列の表示データを読み取って前記表示部に出力し、
前記表示部が、前記制御部から複数のアイコンの表示データが入力されると、当該表示データに従って、複数のアイコンを、複数一度に表示し、前記制御部から文字列の表示データが入力されると当該表示データに従って文字列を表示することを特徴とする装置」が記載されている。

(4-4-3)対比

(a)引用発明2(刊行物1)の「パーソナル通信装置」は、上記イ-3.に「実際にセルラ電話である」、上記イ-4.に「ユーザが装置2をセルラ電話として使用できるようにする、電話画面を有するように選択できる」と記載されるように「セルラ電話」であるというのだから、訂正発明2の「携帯電話装置」に相当することが明らかである。
(b)引用発明2(刊行物1)の「パーソナル通信装置」は、上記刊行物1の図3の電話画面において移動オフィスアイコンに触れることにより、当該パーソナル通信装置が備える「パーソナル通信を容易にする多くの機能」(段落【0003】参照)としてのカレンダやメモ帳等のアイコンを図4の画面において表示させるものである。そしてその機能の一つであるメモ帳や電子メールにおいて、「ダイヤル」機能により直接電話をかけることが開示され(段落【0027】参照)ているから、引用発明2(刊行物1)は「電話画面(図3)」以外においてもセルラ電話機即ち携帯電話装置として機能するものと認められる。
(c)引用発明2(刊行物1)の「画面接触オーバレイ」、「メモリ」、「処理装置」は、それぞれ訂正発明2の「入力部」、「記憶部」、「制御部」に相当する。
(d)引用発明2(刊行物1)の「移動オフィス画面」は、パーソナル通信装置が備える機能を表示し選択できるものなのであるから、該「移動オフィス画面」は訂正発明2の「機能選択画面」に相当する。
(e)訂正発明2の「特定のキー操作」と引用発明2(刊行物1)の「特定のアイコンに触れるという操作」は、いずれも装置に対する入力操作を意味するから、両者は、「特定の入力操作」である点で一致する。
(f)訂正発明2の「前記入力部の操作」と引用発明2(刊行物1)の「触れるという入力操作」は、「入力操作」の点で一致する。
(g)訂正発明2の「アイコンの表示データを複数読み出して前記表示部に出力して前記アイコンの内の特定の1のアイコンの選択位置を示す表示データを前記表示部に出力し、前記表示部に表示された複数のアイコンの内1つが前記入力部の操作により選択された場合に、前記記憶部から前記選択されたアイコンに対応する文字列の表示データを読み取って前記表示部に出力する制御部」は、引用発明2(刊行物1)の「前記画面接触オーバレイにおいて移動オフィス画面を表示させるための特定のアイコンに触れるという入力操作が行われた場合に、パーソナル通信装置が備える機能を実現する複数のアイコンを表示部に複数一度に表示させ、前記表示された前記複数のアイコンの内一つに触れるという入力操作が行われた場合に、前記触れられたアイコンが選択される制御を行う処理装置」と、「複数のアイコンを表示部に複数一度に表示させ、前記表示された複数のアイコンの内一つが入力操作により選択される制御部」である点で一致する。
(h)訂正発明2の「通信状態を表す画面を表示し、前記制御部から複数のアイコンとアイコンの選択位置を示す表示データが入力されると、当該表示データに従って、複数のアイコンを一度に、その内の特定の1のアイコンに対してその機能を表現する文字列を表示し、かつ、その選択位置を表示した状態で、前記通信状態を示す画面に同時に表示し、前記入力部の操作により前記アイコンの1つが選択され、前記制御部から文字列の表示データが入力されると、前記通信状態を表す画面が表示された状態で、当該選択されたアイコンの選択状態が表示され、当該表示データに従って文字列を表示する表示部」と、引用発明2(刊行物1)の「通信状態を表す画面を表示し、処理装置からの制御により複数のアイコンを、複数一度に表示する表示部」は、いずれも「通信状態を表す画面を表示し、複数のアイコンを、複数一度に表示する表示部」である点で、一致する。

そうしてみると、訂正発明2と引用発明2(刊行物1)は、
「データを表示する表示部と、操作が行われる入力部と、データを記憶する記憶部と、前記入力部からの入力に従って制御を行う制御部とを備えた携帯電話装置において、
前記制御部が、前記入力部において機能選択画面を表示させるための特定の入力操作が行われた場合に、複数のアイコンを表示部に複数一度に表示させ、前記表示された複数のアイコンの内一つが入力操作により選択される制御部であり、
前記表示部が、通信状態を表す画面を表示し、複数のアイコンを複数一度に表示する表示部である携帯電話装置。」である点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点1)記憶部について、訂正発明2は「前記携帯電話装置で実行される機能と、前記機能を表現するアイコンの表示データと、前記機能を表現する文字列の表示データとを対応づけて複数記憶する記憶部」を備えるのに対して、引用発明2はこのような構成を備えていない点。

(相違点2)制御部の「入力部において機能選択画面を表示させるための特定の入力操作」及び「複数のアイコンの内一つが入力操作により選択され」について、その「入力操作」が、訂正発明2では「入力部におけるキー操作」及び「入力部の操作」であるのに対して、引用発明2では「アイコンへ触れるという入力操作」である点。

(相違点3)「複数のアイコンを表示部に複数一度に表示させる制御部」について、訂正発明2は「前記記憶部から前記アイコンの表示データを複数読み出して前記表示部に出力して前記アイコンの内の特定の1のアイコンの選択位置を示す表示データを前記表示部に出力し、前記表示部に表示された複数のアイコンの内1つが前記入力部の操作により選択された場合に、前記記憶部から前記選択されたアイコンに対応する文字列の表示データを読み取って前記表示部に出力する」制御部であるのに対して、引用発明2は「複数のアイコンを表示部に複数一度に表示させ、前記表示された複数のアイコンの内一つが入力操作により選択される」制御部を備えるものの、訂正発明2のような構成を備えていない点。

(相違点4)表示部について、訂正発明2は「通信状態を表す画面を表示し、前記制御部から複数のアイコンとアイコンの選択位置を示す表示データが入力されると、当該表示データに従って複数のアイコンを一度に、その内の特定の1のアイコンに対してその機能を表現する文字列を表示し、前記入力部の操作により前記アイコンの1つが選択され、前記制御部から文字列の表示データが入力されると、前記通信状態を表す画面が表示された状態で、当該選択されたアイコンの選択状態が表示され、当該表示データに従って文字列を表示する」のに対して、引用発明2は「通信状態を表す画面を表示し、処理装置からの制御により複数のアイコンを、複数一度に表示する」ものである点。

(4-4-4)判断

(相違点1、相違点3、相違点4について)
上記「(4-4-2)引用発明及び周知技術」の「ホ.」の項で指摘したように、刊行物5には「アイコンによるマンマシンインターフェースの手法を備えた装置であって、記憶部と、制御部と、表示部からなり、
前記記憶部が、装置で実行される機能と、前記機能を表現するアイコンの表示データと、前記機能を表現する文字列の表示データとを対応づけて複数記憶し、
前記制御部が、複数のアイコンを複数一度に表示する機能選択画面を表示させるために、前記記憶部から前記アイコンの表示データを複数読み出して表示部に出力し、前記表示部に表示された複数のアイコンの内1つが選択された場合に、前記記憶部から前記選択されたアイコンに対応する文字列の表示データを読み取って前記表示部に出力し、
前記表示部が、前記制御部から複数のアイコンの表示データが入力されると、当該表示データに従って、複数のアイコンを、複数一度に表示し、前記制御部から文字列の表示データが入力されると当該表示データに従って文字列を表示することを特徴とする装置」が開示されている。
また、「複数のアイコンを複数一度に表示する際に、その内の特定の1のアイコンの選択位置が表示され、かつ、その機能を表現する文字列が表示された状態で表示するパーソナルコンピュータ」は、例えば刊行物3に記載されるように周知である。
そして、引用発明2(刊行物1)と刊行物5に記載されたものや刊行物3に記載された周知技術は、マンマシンインターフェースの手法を使う点で共通する上、引用発明2(刊行物1)の複数のアイコンを複数一度に表示した機能選択画面、すなわち移動オフィス画面を表示部に表示させる際に、これら刊行物に記載されたものや周知技術を適用することに特段の阻害要因は見あたらない。
更に、「通信状態を表す画面にアイコンを同時に表示すること」は、上記刊行物1の図3(画面上部にSignal Strengthが、画面下部に電話アイコン及び移動オフィスアイコンが記載されている。)や上記刊行物4(段落【0031】参照)に開示されているとおり公知である。そして、多機能の携帯電話の場合、携帯電話装置本来の機能に密着した通信状態を表す画面と、追加機能を表現するアイコンのどちらを重要視するかは、携帯電話装置の使用状況を考慮して決定すればよい事項に過ぎないから、携帯電話装置本来の機能を重視して、付加機能を使用しようとするときにも常に通信状態を画面上に表示すること、即ち、訂正発明2のように、「機能を表現するアイコンを、通信状態を表す画面に同時に表示する」ことは当業者が適宜採用しうることである。
よって、引用発明2に上記刊行物1や3〜5に記載された技術を適用し、訂正発明2のように「データを表示する表示部と、操作が行われる入力部と、データを記憶する記憶部と、前記入力部からの入力に従って制御を行う制御部とを備えた携帯電話装置において、
前記記憶部が、前記携帯電話装置で実行される機能と、前記機能を表現するアイコンの表示データと、前記機能を表現する文字列の表示データとを対応づけて複数記憶する記憶部であり、
前記制御部が、前記入力部において機能選択画面を表示させるための特定の入力操作が行われた場合に、前記記憶部から前記アイコンの表示データを複数読み出して前記表示部に出力して前記アイコンの内の特定の1のアイコンの選択位置を示す表示データを前記表示部に出力し、前記表示部に表示された複数のアイコンの内1つが前記入力部の操作により選択された場合に、前記記憶部から前記選択されたアイコンに対応する文字列の表示データを読み取って前記表示部に出力する制御部であり、
前記表示部が、通信状態を表す画面を表示し、前記制御部から複数のアイコンとアイコンの選択位置を示す表示データが入力されると、当該表示データに従って、複数のアイコンを一度に、その内の特定の1のアイコンに対してその機能を表現する文字列を表示し、かつ、その選択位置を表示した状態で、前記通信状態を表す画面に同時に表示し、前記入力部の操作により前記アイコンの1つが選択され、前記制御部から文字列の表示データが入力されると、前記通信状態を表す画面が表示された状態で、当該選択されたアイコンの選択状態が表示され、当該表示データに従って文字列を表示する表示部であることを特徴とする携帯電話装置。」のように構成することに、格別の創意工夫を要するとは認められない。

(相違点2について)
上記「(4-3-4)(相違点1について)」において述べたように、「画面タッチ入力方式」と「キーによるカーソル移動入力方式」の何れを採用するかは当業者が適宜選択可能なものであると共に、「携帯電話装置において、キー操作が行われる入力部を有し、入力部において特定のキー操作が行われた場合に、機能選択画面を表示すること」は、例えば、刊行物2に記載されるように周知であるから、引用発明2において、「特定のアイコンに触れるという操作」を「入力部における特定のキー操作」に変更すること及び「触れるという入力操作」を「入力部の操作」に変更し、訂正発明2のように構成することは、当業者が適宜なし得る事項と認められる。

(4-4-5)訂正審判請求人の主張(訂正発明2)について

(チ)請求人は、平成18年5月10日付け意見書の第12頁第17〜23行目において、訂正拒絶理由通知の「(2-3)対比」、特に「(b)」の『刊行物1には、移動オフィス画面から選択されたメモ帳又は電子メールにおいて、「ダイヤル」機能により直接電話をかけることが開示されているから、引用発明1は「電話画面(図3)」以外においてもセルラ電話機、即ち携帯電話装置として機能するものと認められる』との認定は明らかに間違いである旨、主張する。
しかしながら、引用発明2は前記「(4-4-3)対比」の「(b)」の項で判断したとおり、電話画面(図3)以外においても、セルラ電話機即ち携帯電話装置として機能するものなのだから、請求人の上記主張は採用できない。

(リ)請求人は、同意見書の第14頁第13〜20行目において、(拒絶理由通知の「(2-3)対比」の「(d)」に関して、)『「引用発明2は、「移動オフィス画面」において、パーソナル通信装置が有する機能を選択できるものであるから、該「移動オフィス画面」は訂正発明2の「機能選択画面」に相当する。」との認定には到底認容できない、即ち、「引用発明2(刊行物1)の「移動オフィス画面」は、訂正発明2の「機能選択画面」に相当するものではないことが明らかである」』旨主張する。
しかしながら、引用発明2の「移動オフィス画面」は、前記「(4-4-3)対比」の「(b)」の項および「(d)」の項で判断したとおり、パーソナル通信装置が備える機能を表示し選択できるものなのであるから、請求人の上記主張は採用できない。

(ヌ)請求人は、同意見書の第14頁第2行〜第15頁第10行目において、(拒絶理由通知の「(2-3)対比」の「(g)」に関して、)『「訂正発明2の「通信状態を表す画面を表示し、前記制御部から複数のアイコンとアイコンの選択位置を示す表示データが入力されると、当該表示データに従って、複数のアイコンを一度に、その内の特定の1のアイコンに対してその機能を表現する文字列を表示し、かつ、その選択位置を表示した状態で、前記通信状態を示す画面に同時に表示し、前記入力部の操作により前記アイコンの1つが選択され、前記制御部から文字列の表示データが入力されると、前記通信状態を表す画面が表示された状態で、当該選択されたアイコンの選択状態が表示され、当該表示データに従って文字列を表示する表示部」と、引用発明2の「通信状態を表す画面を表示し、処理装置からの制御により複数のアイコンを、複数一度に表示する表示部」は、いずれも「通信状態を表す画面を表示し、複数のアイコンを、複数一度に表示する表示部」である点で、一致する。」との認定は誤っている、即ち、「刊行物1には、セルラ電話の通信状態を表す画面を表示した状態(図3の「電話画面」)では、データ処理装置からの制御により複数のアイコンを、複数一度に表示する表示部は、何ら開示されていない」』旨、主張する。
しかしながら、訂正発明2の制御部と引用発明2の制御を行う処理装置との比較については、前記「(4-4-3)対比」の「(g)」の項で判断したとおりなのであるから、請求人の上記主張は採用できない。

(ル)請求人は、同意見書の第15頁第19〜22行目において、「訂正発明2と引用発明2との一致点及び相違点の認定も到底認容できない」旨、主張する。また、同意見書の第17頁第9〜17行目に、「更に加えて、訂正発明2では、携帯電話装置において、その表示画面に通信状態を表す画面が表示されている状態において、キー入力部を構成する特定のキーが押下されると、当該装置が備えている機能に対応し、当該機能を表現するアイコンを複数一度に、その内の特定の1のアイコンに対してその機能を表現する文字列を表示するものであるのに対し、引用発明2では、・・・で有る点についても相違点として考慮されるべき」と主張する。
しかしながら、上記請求人の主張については、前記「(チ)」〜「(ヌ)」の項および前記「(4-4-3)対比」の項で判断したとおりであるから、請求人の上記主張は採用できない。

(オ)請求人は、同意見書の第17頁第18行目〜第19頁下から6行目において、「拒絶理由通知の「(2-4)判断」の「(相違点1、相違点3、相違点4について)」の判断は、訂正発明1で述べた同様の理由で認容することができない」旨主張する。
また、『刊行物5及び刊行物3は、パーソナルコンピュータに関するものでしかなく、してみれば、携帯電話装置において、・・・は容易になし得る設計事項ではない、引用発明2の図4の「移動オフィス画面」(データ処理装置)はその技術分野において 明らかに携帯電話装置とは異なっている、常に通信状態を示す画面が表示された状態で、装置が備えている複数の機能を一度に表示して入力部の操作によりアイコンを選択することにより携帯電話装置の使い勝手を向上することが引用発明2に記載も示唆もない、携帯電話装置に関する上記刊行物2や刊行物4の内容を、引用発明2の図4の「「移動オフィス画面」に関するデータ処理装置に適用することには、明らかに困難性が存在していたことを示しており、これは、阻害要因が存在していたことを裏付ける』(意見書第20頁第8行目〜下から6行目)と主張する。
また、甲第13号証及び甲第14号証を引用して、本発明の出願当時にはパーソナルコンピュータに関するアイコンによるマンマシンインターフェースの手法を分野の異なる携帯電話装置に適用することは、想定されておらず、明らかに阻害要因が存在していた(意見書第20頁下から5行目〜第21頁5行目)と主張する。

しかしながら、上記請求人の主張については、前記「(4-4-3)判断」の「(相違点1、相違点3、相違点4について)」の項で判断したとおりであるから、請求人の上記主張は採用できない。

(ワ)請求人は、同意見書の第22頁第13〜19行目において、(訂正拒絶理由通知の「(2-4)判断」の「(相違点2について)」に関して、)「即ち、引用発明2では、図3の「電話画面」(携帯電話装置)ではなく、通信状態が表示されていない図4の「移動オフィス画面」(データ処理装置)において、「キーによるカーソル移動入力方式」の周知例を適用しても、更には、刊行物2に記載された周知技術を採用しても、携帯電話装置において、その表示画面に通信状態を表す画面が表示されている状態において、キー入力部を構成する特定のキーが押下されると複数のアイコンを一度に通信状態を表す画面上に表示することは当業者が適宜になし得る事項ではない」旨、請求人は主張する。
しかしながら、上記請求人の主張については、前記「(4-4-3)判断」の「(相違点2について)」の項で判断したとおりであるから、請求人の上記主張は採用できない。

(4-4-6)まとめ
以上のとおり、訂正発明2は、上記刊行物1〜5に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものである。
したがって、訂正発明2は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

(4-5)むすび
以上のとおり、上記訂正発明1、2に係る訂正は、いずれの訂正発明も特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-06-02 
結審通知日 2006-06-07 
審決日 2006-06-20 
出願番号 特願2000-120638(P2000-120638)
審決分類 P 1 41・ 856- Z (H04M)
P 1 41・ 121- Z (H04M)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 羽鳥 賢一
特許庁審判官 宮下 誠
浜野 友茂
登録日 2002-09-27 
登録番号 特許第3354549号(P3354549)
発明の名称 携帯電話装置  
代理人 佐々木 孝  
代理人 特許業務法人日東国際特許事務所  

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