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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1141038
審判番号 不服2002-23972  
総通号数 81 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-08-08 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-12-12 
確定日 2006-07-31 
事件の表示 平成 6年特許願第 1704号「携帯用ゲーム機、ユニットケース及び画像表示方法」拒絶査定不服審判事件〔平成 7年 8月 8日出願公開、特開平 7-204351〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯
本願は、平成6年1月12日の出願であって、平成14年8月20日付の拒絶理由通知が通知され、平成14年10月22日付で意見および手続補正がなされ、平成14年11月13日付の拒絶査定がなされ、平成14年12月12日に審判請求されるとともに平成15年1月9日付で手続補正がなされたものである。

2.平成15年1月9日付手続補正についての補正却下について
[補正却下の決定の結論]
平成15年1月9日付の手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願補正発明
補正後の本願補正発明は、平成15年1月9日付の手続補正により補正された明細書及び図面からみて、本願の特許請求の範囲の請求項3に係る次のとおりのものである。
「【請求項3】ディスプレイを備えた携帯用ゲーム機本体に脱着可能に構成されたユニットケースが内蔵する検出手段が検出する前記携帯用ゲーム機本体の傾斜方向に関する情報に対応して前記ディスプレイの画面に表示されるキャラクタの移動方向を制御する、画像表示方法。」(以下、「本願補正発明」という。)

そして、平成15年1月9日付の手続補正は、平成14年10月22日付の手続補正の内容を下位概念化し、発明を特定するための事項の限定に相当するものであり、平成15年改正前特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本願補正発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成15年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項に適合するか)について以下に検討する。

1)引用刊行物について
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である実公平4-11753号公報(以下、「引用刊行物」という。)には、以下の技術事項が図面と共に記載されている。

・記載事項1
「本装置は遊戯者が装置本体を卓上で、あるいは装置本体を片手に持つて左右へ傾けることによりプレイを楽しむものである。装置本体1は実際の自動二輪車に模した形状にし、表示装置2、メインスイツチ3、操作スイツチ4が配設されている。操作スイツチ4はスタートスイツチとアクセルスイツチとの兼用となつている。」(公報第2頁第3欄8行〜15行)

・記載事項2
「遊戯者は表示装置2を見ながら装置本体1を傾かせることによつて装置本体1内に設けた左右検出スイツチ機構を操作しながら操作スイツチ4を操作して複数の表示パターンより所望のパターンを表示させる。したがつて遊戯者は、装置本体1を操作することにより実際のオートバイレース感覚を味わうことができる。」(公報第2頁第3欄17行〜24行)

・記載事項3
「したがつて遊戯者は、左右検出スイツチ機構を内蔵した装置本体1を実際に自動二輪車を操作しているかのように左右に傾けながら操作スイツチ4によりアクセル調整をすることにより公知の技術をもつて構成された本体内部の制御手段たとえばワンチツプマイクロコンピユータにより制御され表示パネル2内のプレイヤーバイク21を操作して相手バイク22,パイロン23に接触しないようにしながらタイムメータ25に示す時間内にスタートからゴールまで走破するゲームを行う。」(公報第2頁第4欄5行〜15行)

・記載事項4
「なお本実施例では、自動二輪車に内蔵した操縦玩具としたが2方向の操作を必要とする遊戯装置においても当然適用可能である。表示装置は液晶パネルを使用したが液晶TVを使用することも可能である。」(公報第2頁第4欄18行〜21行)

以上の記載事項及び第1図〜第4図によれば、引用刊行物には次の発明が記載されていると認められる。
「表示装置2を備えた遊戯装置本体1に内蔵する左右検出スイッチ機構が検出する遊戯装置本体1の傾斜方向に関する情報に対応して、表示装置2の画面に表示されるプレイヤーバイク21を制御する、画像表示方法。」(以下、「引用刊行物に記載された発明」という。)

2)対比
引用刊行物に記載された発明と本願補正発明を対比すると、引用刊行物に記載された発明の「表示装置2」は本願補正発明の「ディスプレイ 」に相当し、「遊戯装置本体1」は「携帯用ゲーム機本体 」、「左右検出スイッチ機構」は「検出手段」、「プレイヤーバイク21」は「キャラクタ」にそれぞれ相当している。
なお、引用刊行物の記載事項1の「本装置は遊戯者が装置本体を卓上で、あるいは装置本体を片手に持つて左右へ傾けることによりプレイを楽しむものである。・・・」なる記載から、引用刊行物の1の装置は、卓上や片手で持ってプレイするものであることは明らかである。
そして、引用刊行物に記載された発明の遊戯装置は携帯用ゲーム機であることは上記したとおりである。
そうすると、引用刊行物に記載された発明の遊戯装置本体1は、携帯用ゲーム機と言い換えることができることも明らかなことである。

そこで、本願補正発明と引用刊行物に記載された発明を対比すると、
「ディスプレイを備えた携帯用ゲーム機本体に内蔵する検出手段が検出する携帯用ゲーム機本体の傾斜方向に関する情報に対応して、ディスプレイの画面に表示されるキャラクタを制御する、画像表示方法。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

・相違点1
傾斜方向を検出する検出手段が、引用刊行物に記載された発明においては「遊技機本体に内蔵される」のに対して、本願補正発明においては「遊技機本体に脱着可能に構成されたユニットケースに内蔵される」点。

・相違点2
キャラクタの制御内容が、引用刊行物に記載された発明においては、「実際に自動二輪車を操作しているかのように左右に傾けながら操作スイツチ4によりアクセル調整をすることにより公知の技術をもつて構成された本体内部の制御手段により制御され表示パネル2内のプレイヤーバイク21を操作して相手バイク22,パイロン23に接触しないようにしながら走破するゲームにおけるプレイヤーバイクの動きである」のに対して、本願補正発明においては「キャラクタの移動方向である」点。

3)判断
上記相違点について検討する。
・相違点1について
ゲーム機に内蔵される種々の機能の内、何れかの機能をゲーム機本体から外部に離して、ユニットケース等のアタッチメントとして、ゲーム機本体に一体的に装着して用いることは、例えば、特開昭64-37986号公報の携帯用ゲーム機の着脱自在な操縦装置、実願昭59-90135号(実開昭61-8357号)のマイクロフイルムの入力部がアタッチメントで脱着自在である携帯用計算機などに示されるように、ゲーム技術分野等においてよく知られている技術事項にすぎない。
また、本願補正発明は、傾斜方向に関する情報に基づき表示の制御を行うものであり、表示の制御自体は傾斜方向の検出方法に影響されるものではないので、引用刊行物に記載された発明に基づいて、傾斜方向の検出手段をゲーム機本体に設けるか、ゲーム機本体に装着自在なユニットケースに設けるかは、当業者が上記周知技術を参酌しながら適宜選択し得る程度の設計事項ということができる。
なお、請求人は、「本願補正発明において、傾斜の検出手段をゲーム機本体と別体かつ装着自在とすることにより、プレイヤが多様な操作を容易にすることができ、構造が単純で小型の携帯用ゲーム機とすることができる」と主張しているが、上記特開昭64-37986号公報において入力部が脱着自在・差し替え自在とすることにより本体をコンパクトにできる点が示されているように、ゲーム機本体は大きいものの多機能なゲームができるゲーム機本体として実現するか、ゲーム機本体を簡素化して小さくし、ゲーム機本体を用いてユニットケース等のアタッチメントの脱着により多機能のゲームを実現するかは、そのゲーム機の得失を考慮して、決定される設計上の常識事項にすぎない。
そうすると、上記周知技術を参酌しつつ、引用刊行物に記載された発明に基づいて、遊技機本体に脱着可能に構成されたユニットケースに傾斜検知装置を内蔵すること、すなわち上記相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることということができ、その作用効果も予測の範囲を超えるものでもない。

・相違点2について
引用刊行物に記載された発明は、出願人が出願当初の明細書において記しているように単に左右の傾斜を検出するものであるが、記載事項2の「遊戯者は表示装置2を見ながら装置本体1を傾かせることによつて・・・複数の表示パターンより所望のパターンを表示させる。・・・」、及び記載事項3の「・・・遊戯者は、・・・装置本体1を・・・左右に傾けながら操作スイツチ4によりアクセル調整をすることにより公知の技術をもつて・・・制御され表示パネル2内のプレイヤーバイク21を操作して相手バイク22,パイロン23に接触しないようにしながら・・・スタートからゴールまで走破するゲームを行う。」なる記載から、引用刊行物に記載された発明は、複数の表示パターンより所望のパターンを表示して、相手バイクやパイロンに接触しないようにしながら走破するのであるから、ゲーム機本体を傾ける操作は、画面上のキャラクタの走行方向に反映されているということができる。
また、記載事項4の 「・・・、自動二輪車に内蔵した操縦玩具としたが2方向の操作を必要とする遊戯装置においても当然適用可能である。・・・」なる記載に見られるように、引用刊行物に記載された発明は、ゲーム機の表示画面上のキャラクタを2方向に移動するものにも適用できることが示唆しており、キャラクタの傾斜以外の方向を含めた二方向の傾斜に関する検出情報を利用できることを示唆しているということができる。
さらに、ゲーム機本体を操作者が傾斜させてゲーム機上のボールや自動車等のキャラクタを移動させることは、従前よりゲーム玩具等で周知な技術事項であり(実願昭48-077216号(実開昭50-25690号)のマイクロフイルム、実願昭58-4628号(実開昭59-111181号)のマイクロフイルム、実願平3-102425号(実開平5-44177号公報)のCD-ROM等参照されたい)、引用刊行物に記載された発明は、上記周知技術を電子画面上において実現しているということができる。
そうすると、ゲーム機本体を傾けてキャラクタの移動方向とする上記周知技術を参酌しつつ、引用刊行物に記載された発明において、ゲーム機本体を傾斜させて得られた傾斜情報を、表示装置上でキャラクタを傾斜させて表示するように利用することに代えて、引用刊行物に記載された上記示唆に基づき、ゲーム機本体を傾斜させて得られた傾斜情報を、表示装置上でキャラクタを移動させて表示するように利用すること、すなわち上記相違点2に係る構成とすることは、引用刊行物に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に想到し得ることということができ、その作用効果も予測の範囲を超えるものでもない。

以上のとおりであるから、本願補正発明は、引用刊行物に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものである。

4)作用効果
本願補正発明によって奏する効果も、引用刊行物に記載された発明及び周知技術から普通に予測できる範囲内のものであって格別のものがあるとは認められない。

5)むすび
上記のとおりであるので、本願補正発明は、引用刊行物に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項により特許を受けることができない。

(2)補正却下の判断
上記(1)のとおり、本願補正発明は、平成15年改正前特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するものであるので、平成15年1月9日の手続補正は、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明について
平成15年1月9日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願発明は、平成14年10月22日付の手続補正書における特許請求の範囲の請求項5において特定される以下のものである。
「【請求項5】ディスプレイを備えた携帯用ゲーム機本体に脱着可能に構成されたユニットケースが内蔵する検出手段が検出する前記携帯用ゲーム機本体の傾斜方向及び/又は傾斜速度に関する情報に対応して前記ディスプレイの画面にテレビゲームを実現する、画像表示方法。」(以下、「本願発明」という。)

(1)引用刊行物について
引用刊行物の記載及びそれらの記載事項は上記2.(1)1)に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は、上記2.(1)で検討した本願補正発明の「傾斜方向に関する情報」を「傾斜方向及び/又は傾斜速度に関する情報」とし、かつ、ディスプレイの画面に「表示されるキャラクタの移動方向を制御する」を「テレビゲームを実現する」と単に表現を変えたものであるが、傾斜速度に関する情報は引用刊行物の記載事項3の「・・・遊戯者は、・・・装置本体1を・・・左右に傾けながら操作スイツチ4によりアクセル調整をすることにより公知の技術をもつて構成された本体内部の制御手段・・・により制御され表示パネル2内のプレイヤーバイク21を操作して・・・スタートからゴールまで走破するゲームを行う。」なる記載から、引用刊行物に記載された発明は、ディスプレイの画面に傾斜速度に対応してディスプレイの画面上においてゲームを行うものであることは明らかである。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含む本願補正発明が、上記に記載したとおり、引用刊行物に記載された発明および周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用刊行物に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用刊行物に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項について検討するまでもなく本願は拒絶されるべきである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-06-01 
結審通知日 2006-06-02 
審決日 2006-06-20 
出願番号 特願平6-1704
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宮本 昭彦  
特許庁審判長 三原 裕三
特許庁審判官 辻野 安人
塩崎 進
発明の名称 携帯用ゲーム機、ユニットケース及び画像表示方法  
代理人 大賀 眞司  
代理人 田中 克郎  
代理人 稲葉 良幸  
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