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審決分類 |
審判 全部申し立て 特120条の4、2項訂正請求(平成8年1月1日以降) D01F 審判 全部申し立て (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) D01F 審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備 D01F 審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備 D01F |
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管理番号 | 1141404 |
異議申立番号 | 異議2001-73449 |
総通号数 | 81 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1995-07-20 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2001-12-25 |
確定日 | 2006-07-18 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第3179105号「ポリカプロラクタムを基礎とする高速紡糸されたフィラメント糸およびその製造法」の請求項1ないし7に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第3179105号の請求項1ないし7に係る特許を取り消す。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件特許第3179105号の請求項1ないし請求項7に係る発明についての出願は、平成 5年 5月25日(パリ条約による優先権主張1992年 6月 6日 独国)を国際出願日とする出願であって、平成13年 4月13日にその発明について特許権の設定登録がされ、その後、特許異議の申立てがされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成16年 8月13日に訂正請求がされた後、平成17年 8月15日付で当該訂正請求についての訂正拒絶理由通知を兼ねた取消理由通知がされ、期間を指定して意見を求めたが、権利者からは、当該通知に対して、何らの応答もなかったものである。 2.訂正拒絶理由通知を兼ねた取消理由通知 当該訂正拒絶理由通知を兼ねた取消理由通知は、以下のとおりである。 『I.訂正拒絶理由 1.訂正の適否について 1-1.訂正の内容 特許権者が平成16年 8月13日付けでした訂正請求に係る訂正は、下記訂正事項a、b及びeを含むものである。(なお、下記下線は、訂正箇所を明らかとするために、当審が便宜上付したものである。) ・訂正事項a: 特許査定時の明細書(以下、単に「特許明細書」という。)の特許請求の範囲の請求項1の 「(a)本質的にポリカプロラクタムからなる溶融液を紡糸ノズルを通して押出し、したがってポリカプロラクタムフィラメントを形成させ; (b)こうして得られたフィラメントを冷却し、 (c)冷却されたフィラメントを引き出すことによって得ることができる、ポリカプロラクタムを基礎とする2.0〜3.0の相対的粘度RV(96重量%の硫酸中で100ml当たりフィラメント糸1gの濃度で測定した)を有するフィラメント糸において、冷却されたフィラメントが少なくとも[3600+1250・(3.0-RV)]m/minの速度で引き出されたものであり、この場合使用されたポリカプロラクタムは、 - C4〜C10-アルカンジカルボン酸、 - C5〜C8-シクロアルカンジカルボン酸、 - 2個までのスルホン酸基を有することができかつそのカルボン酸基が隣接していないベンゼンジカルボン酸およびナフタリンジカルボン酸、 - N-C1〜C6-アルキル-N,N-ジ(C4〜C10-アルカンカルボン酸)アミン、 - 1,4-ピペラジン-ジ(C1〜C10-アルカンカルボン酸) からの群から選択された少なくとも1つのジカルボン酸の存在下に得られたものであることを特徴とする、ポリカプロラクタムを基礎とする2.0〜3.0の相対的粘度RV(96重量%の硫酸中で100ml当たりフィラメント糸1gの濃度で測定した)を有するフィラメント糸。」との記載を、 「(a)本質的にポリカプロラクタムからなる溶融液を紡糸ノズルを通して押出し、したがってポリカプロラクタムフィラメントを形成させ; (b)こうして得られたフィラメントを冷却し、 (c)冷却されたフィラメントを引き出すことによって得ることができる、ポリカプロラクタムを基礎とする2.0〜3.0の相対的粘度RV(96重量%の硫酸中で100ml当たりフィラメント糸1gの濃度で測定した)を有するフィラメント糸において、冷却されたフィラメントが少なくとも[3600+1250・(3.0-RV)]m/minの速度で引き出されたものであり、但し、極限粘度が1.037(即ち、RV=2.4)で、紡糸速度が5000m/minである場合を除くものとし、この場合使用されたポリカプロラクタムは、 - C4〜C10-アルカンジカルボン酸、 - C5〜C8-シクロアルカンジカルボン酸、 - 2個までのスルホン酸基を有することができかつそのカルボン酸基が隣接していないベンゼンジカルボン酸およびナフタリンジカルボン酸、 - N-C1〜C6-アルキル-N,N-ジ(C4〜C10-アルカンカルボン酸)アミン、 - 1,4-ピペラジン-ジ(C1〜C10-アルカンカルボン酸) からの群から選択された少なくとも1つのジカルボン酸の存在下に得られたものであることを特徴とする、ポリカプロラクタムを基礎とする2.0〜3.0の相対的粘度RV(96重量%の硫酸中で100ml当たりフィラメント糸1gの濃度で測定した)を有するフィラメント糸。」と訂正する。 ・訂正事項b: 明細書の特許請求の範囲の請求項4の 「(a)本質的にポリカプロラクタムからなる溶融液を紡糸ノズルを通して押出し、したがってポリカプロラクタムフィラメントを形成させ; (b)こうして得られたフィラメントを冷却し、 (c)冷却されたフィラメントを引き出すことにより、請求項1記載のポリカプロラクタムを基礎とする2.0〜3.0の相対的粘度RV(96重量%の硫酸中で100ml当たりフィラメント糸1gの濃度で測定した)を有するフィラメント糸を製造する方法において、 冷却されたフィラメントを少なくとも[3600+1250・(3.0-RV)]m/minの速度で引き出し、 この場合使用されたポリカプロラクタムは、 - C4〜C10-アルカンジカルボン酸、 - C5〜C8-シクロアルカンジカルボン酸、 - 2個までのスルホン酸基を有することができかつそのカルボン酸基が隣接していないベンゼンジカルボン酸およびナフタリンジカルボン酸、 - N-C1〜C6-アルキル-N,N-ジ(C4〜C10-アルカンカルボン酸)アミン、 - 1,4-ピペラジン-ジ(C1〜C10-アルカンカルボン酸) からの群から選択された少なくとも1つのジカルボン酸の存在下に得られたものであることを特徴とする、請求項1記載のポリカプロラクタムを基礎とするフィラメント糸の製造法。」との記載を、 「(a)本質的にポリカプロラクタムからなる溶融液を紡糸ノズルを通して押出し、したがってポリカプロラクタムフィラメントを形成させ; (b)こうして得られたフィラメントを冷却し、 (c)冷却されたフィラメントを引き出すことにより、請求項1記載のポリカプロラクタムを基礎とする2.0〜3.0の相対的粘度RV(96重量%の硫酸中で100ml当たりフィラメント糸1gの濃度で測定した)を有するフィラメント糸を製造する方法において、 冷却されたフィラメントを少なくとも[3600+1250・(3.0-RV)]m/minの速度で引き出し、但し、極限粘度が1.037(即ち、RV=2.4)で、紡糸速度が5000m/minである場合を除くものとし、 この場合使用されたポリカプロラクタムは、 - C4〜C10-アルカンジカルボン酸、 - C5〜C8-シクロアルカンジカルボン酸、 - 2個までのスルホン酸基を有することができかつそのカルボン酸基が隣接していないベンゼンジカルボン酸およびナフタリンジカルボン酸、 - N-C1〜C6-アルキル-N,N-ジ(C4〜C10-アルカンカルボン酸)アミン、 - 1,4-ピペラジン-ジ(C1〜C10-アルカンカルボン酸) からの群から選択された少なくとも1つのジカルボン酸の存在下に得られたものであることを特徴とする、請求項1記載のポリカプロラクタムを基礎とするフィラメント糸の製造法。」と訂正する。 ・訂正事項e: 明細書第7頁6行(なお、前記頁及び行の特定は、平成6年12月6日付けで提出された国内書面翻訳文に基づく。以下、下記2.においても、同じである。)(本件特許第3179105号公報(以下、単に、「本件特許公報」という。)第3頁第6欄37行)の 「フィラメントを安定には形成しない。」との記載を、 「フィラメントを安定には形成しない。但し、極限粘度が1.037(即ち、RV=2.4)で、紡糸速度が5000m/minである場合を除くものとする。」と訂正する。 1-2.当審の判断 (1)訂正事項a及びbについて 訂正事項a及びbは、何れも、「但し、極限粘度が1.037(即ち、RV=2.4)で、紡糸速度が5000m/minである場合を除くものとし」との記載を、請求項1及び4中に組み入れることによって、所謂「除くクレーム」の形式とするものと認められ、当該訂正事項a及びbに関し、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、前記「RV」は「相対粘度」(ηrel。)を意味するものと認められる。 しかし、相対粘度(ηrel。)は、溶液の粘度(η)と溶媒の粘度(η0)の比(η/η0)の値であり、溶媒の種類と測定温度と溶液の濃度とに依存するものである。 一方、極限粘度(又は「固有粘度」、通常、[η]で表される。)は、溶液の比粘度をηsp(=ηrel。-1)とし、濃度をcとするとき、[limc→0(ηsp/c)]で表される値、即ち、比粘度の濃度0への外挿値である。そして、極限粘度は、溶媒の種類と測定温度とに依存するものである。 上記訂正事項a及びb中の「極限粘度が1.037(即ち、RV=2.4)」である場合を除く旨の記載に関し、「極限粘度」の測定溶媒及び測定温度について、及び、前記「RV」(相対粘度)の測定溶媒と測定時の溶液濃度及び測定温度について、特許明細書中に測定条件が何ら規定されていない。 したがって、測定条件が確定できないことから、前記「極限粘度が1.037」及び「RV=2.4」との数値限定自体が、何れも、明確に特定されたものとはいえない。 しかも、上記「極限粘度が1.037(即ち、RV=2.4)」との記載の意味するところは、「極限粘度が1.037」である場合は、「即ち」「RV=2.4」であるという趣旨と、一応、解されるが、特定の高分子化合物の極限粘度が一に定まるとき、同一の高分子化合物の溶液であっても、この極限粘度に相関して、溶液濃度に依存する変数である「RV」(相対粘度)の値も、(測定時の溶液濃度の高低を問わず)一に定まるということは、あり得ないことである。 したがって、上記「極限粘度が1.037(即ち、RV=2.4)」との記載は、技術的にみて、意味不明である。 よって、上記訂正事項a及びbに係る上記「極限粘度が1.037(即ち、RV=2.4)」である場合を除く旨の訂正は、如何なる具体的条件で測定された「極限粘度が1.037」又は「RV=2.4」である場合を除くのか、そして、「極限粘度が1.037(即ち、RV=2.4)」である場合を除くとは、如何なることか、その意図するところが、不明である。 そうであれば、上記訂正事項a及びbによっては、請求項1及び4から「除く」態様が確定しない。つまり、当該訂正によって「除かれず」に残される態様は、その範囲が不確定なものであり、そのような態様が本件特許明細書に記載されていたとはいえないから、上記訂正事項a及びbに係る訂正が、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであるとはいえない。 (2)訂正事項eについて 訂正事項eは、上記のとおり、明細書中に、「但し、極限粘度が1.037(即ち、RV=2.4)で、紡糸速度が5000m/minである場合を除くものとする。」との記載を挿入するものであるが、上記訂正事項a及びbは、上記(1)に記載した理由により採用できないことから、前記両訂正事項と整合を図るためにすると解される該訂正事項eは、明りょうでない記載の釈明を目的としたものではなく、また、誤記の訂正を目的としたものでもない。 また、訂正事項eは、上記(1)において記載した理由と同様の理由により願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであるとはいえない。 1-3.むすび 以上のとおりであるから、上記平成16年 8月13日付けの訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書及び第2項の規定に違反するので、当該訂正を認めない。 II.取消理由 2.特許法第36条第4項並びに第5項及び第6項違反について 上記のとおり平成16年 8月13日付けの訂正は認められないので、特許明細書の記載が下記の点で不備のため、本件出願は、特許法第36条第4項並びに第5項及び第6項に規定する要件を満たしていない。 記 2-1.特許請求の範囲(請求項1及び4)及び平成12年4月14日付け手続補正書(以下、単に「補正書」という。)第2頁(2)に係る補正箇所(明細書第1頁5行〜第2頁3行に対応)(本件特許公報第2頁第3欄50行))に記載の「相対的粘度」は、常用されている技術用語であるとは認められず、その意味が不明りょうである。 したがって、特許請求の範囲は発明の構成に欠くことができない事項のみを記載したものとは認められないとともに、発明の詳細な説明は請求項に係る発明を当業者が容易に実施し得る程度に記載されているものとも認められない。 なお、明細書第4頁17行等には、全て「相対粘度」と記載されている。 2-2.特許請求の範囲、請求項6には、次のとおり記載されている。 「繊維および表面形成体を製造するための請求項1、2もしくは3に記載のフィラメント糸または請求項4もしくは5の記載により得られたフィラメント糸の使用。」 (1)上記「表面形成体」という用語について、その字義通りに「表面を形成する物体」と捉えられるところ、本件特許明細書には「表面形成体は、製織、編織またはメリヤス編みによって得ることができる。」(明細書第15頁6〜8行)(本件特許公報第5頁第10欄28〜30行)と記載されており、当該記載によって、「表面形成体」は製織、編織またはメリヤス編みという手段によって得ることができると記載されていることから、織物、編物を意味するものと解すべきものと取れる。「表面形成体」という用語は、明細書における通常使用されている用語の意味と異なる意味の上記定義的な記載と「表面形成体」という用語から本来的に捉えられる、表面を形成する物体という意味とが一致しない曖昧さのため記載しているところが不明である。 特許権者は、平成16年8月13日付けで提出した特許異議意見書(以下、単に「意見書」という。)において、「「表面形成体は、例えば製織、編織またはメリヤス編みによって得ることができる。」と定義されているのであって、何も不明確な表現でもないと考えます。」(第11頁20〜22行)と主張しているが、当該記載については 上記したとおり、「製織、編織などで得ることができるもの」とされているものが「表面形成体」という用語で通常表現されるものとは一致しないので、記載自体不明確である。 また、「繊維および表面形成体を製造するための・・・」との記載について、「繊維および表面形成体」とは、「繊維」と「表面形成体」とが単一のものではないから、その範囲が不明であるとともに、「・・・製造するための・・・フィラメント糸の使用」との記載自体不明である。また、「繊維および表面形成体を製造するための」との記載の文章上の掛かり具合が明確でない(請求項1〜3はフィラメント糸の発明、請求項4,5はフィラメント糸の製造方法の発明であることを明確にするように記載する必要がある。)。 特許権者は「繊維と表面形成体というのは、繊維と編織物という意味であり」(第11頁20〜22行)と主張しているが、「表面形成体」については上記のとおり不明確であり、「編織物」と同義であることは、明細書に記載されていないから、特許権者の前記主張は採用できない。 (2)一般に「繊維」という用語は、広義に解することができる。そして、「モノフィラメント」は「繊維」の代表的な一形態であるといえる。そうであれば、請求項6に係る「繊維・・・を製造するための・・・フィラメント糸の使用」との記載は、文意不明である。 なお、特許権者は、意見書において、「“フィラメント”は、単糸(モノフィラメント)を意味し、“フィラメント糸”は、マルチフィラメントまたはフィラメントヤーンと呼ばれ、単糸が複数本集束したものを指します」(第11頁26〜28行)と認めている。 また、上記「繊維」との記載を、例えば、「繊維製品」と訂正することは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のこととは認められない。 (3)上記の「請求項4もしくは5の記載により得られたフィラメント糸」との記載は、その意味が明りょうではない。 (4)まとめ 以上のとおり、特許請求の範囲は発明の構成に欠くことができない事項のみを記載したものとは認められないとともに、発明の詳細な説明は請求項に係る発明を当業者が容易に実施し得る程度に記載されているものとも認められない。 なお、請求項6については、上記のとおりであるから、再度の訂正請求を行う場合に、該請求項6を削除することにより取消理由は解消される。 2-3.特許請求の範囲、請求項7には、「請求項6記載の使用によって得られた繊維および表面形成体」と記載されている。 (1)上記「表面形成体」との記載については、上記2-2.(1)に記載した理由のとおりの不備がある。 (2)(フィラメント糸の)「使用によって得られた繊維」との記載については、上記2-2.(2)に記載した理由とほぼ同じ理由により、その意味が不明りょうである。(つまり、「マルチフィラメント」を「使用」して得られた「モノフィラメント」の態様を含むが、明らかに矛盾している。) (3)請求項7に係る発明の対象が「繊維および表面形成体」とされており、単一のものではないから、その範囲が不明である。 (4)まとめ 以上のとおり、特許請求の範囲は発明の構成に欠くことができない事項のみを記載したものとは認められないとともに、発明の詳細な説明は請求項に係る発明を当業者が容易に実施し得る程度に記載されているものとも認められない。 なお、請求項7については、上記のとおりであるから、再度の訂正請求を行う場合には、該請求項7を削除することにより当該取消理由は解消される。 2-4.明細書第6頁2〜22行(本件特許公報第3頁第6欄11〜29行)には、次のとおり記載されている。 「本発明によれば、本質的に上記に定義されたポリカプロラクタムを含有する溶融液が紡糸され、この場合冷却されたフィラメントは、少なくとも[3600+1250・(3.0-RV)]m/min、有利に少なくとも[3800+1250・(3.0-RV)]m/minの速度で引き出される。[3600+1250・(3.0-RV)]m/minよりも高い紡糸速度の場合には、最大の引張力の予想すべき改善は観察されない。このことは、[3600+1250・(3.0-RV)]m/minを上廻る紡糸装置が所定のRVでよりいっそう高く選択されるにつれて、このように紡糸されたフィラメントの最大の引張力の増加率はますます大きくなることを表わす。常用のポリカプロラクタムは、本出願人の経験によれば、前記の効果を全く示さないかまたは僅かな程度示すにすぎない(比較例、参照)。この効果は、これまでの観察によれば、所定のRVで[3600+1250・(3.0-RV)]m/minの紡糸速度を下廻ると起こらない。 紡糸速度の上限は、一般に8000m/min以下にあり、かつ本質的に紡糸すべき溶融液の粘度および使用された紡糸装置によって左右される。」 上記記載事項を検討するに、「ポリカプロラクタムを含有する溶融液」の「紡糸」に際し、「フィラメント」を「[3600+1250・(3.0-RV)]m/min」以上の速度で「引き出す」ことの有利性について、専ら、記載されていると認められる。 これに対して、上記下線部の記載事項(特に、上記下線部の後半部分)のみが、前後の記載事項と整合しておらず、且つ、明らかに矛盾していることから、上記下線部の意味するところが明りょうではない。 よって、発明の詳細な説明は請求項に係る発明を当業者が容易に実施し得る程度に記載されているものとは認められない。 なお、特許権者は、意見書において「「[3600+1250・(3.0-RV)]m/minよりも高い紡糸速度の場合には、最大の引張力の予想すべき改善は観察されない。」という記載は、「[3600+1250・(3.0-RV)]m/minよりも高い紡糸速度の場合には、最大の引張力の予想だにしなかった改善が観察される。」と斟酌して戴ければ、矛盾のない記載となるものと考えます。」(第7頁2〜7行)と主張しているが、「斟酌」とは、一般に、「条件などを考え合わせて、適当に取捨選択すること」であり、明細書に記載の用語・表現が一に解釈されることを示すために、一般文献等の記載を根拠として示す場合等に採用されることであると解され、特許権者の主張を踏まえても、上記の明細書の記載をそのままとしておいて、その誤記に係る瑕疵が解消されることにはならない。 2-5.「延伸」に係る記載不備について 明細書には、次のとおり記載されている。 a.「経糸織物またはウェブ製品を製造するために、数多くのフィラメント糸は、平行に順次に経糸として経糸編機中もしくは織機中に装入されなければならない。この目的のために、数百ないし数千のフィラメント糸が共通に所謂ビームに巻取られる。この場合、フィラメント糸は、屡々改善されたフィラメント糸の仕上げおよび改善された後加工性を達成するために巻縮され、後油処理され、パラフィン化されるかまたは糊付けされる。多数のこのようなビームは、他の過程でフィラメント糸数を増大させるためにアセンブル化することができる。(部分的)経糸ビームの製造は、全体のフィラメント糸群の共通の延伸と組み合わせることができ(延伸剪断)、同様にフィラメント群の糊付けを行なうことができ(延伸糊付け)、この場合フィラメント糸には、サイズ剤での被覆によって良好な滑り特性の性質および良好な機械的保護が与えられる。 また、延伸は、公知方法で紡糸過程に接続することができるかまたはこの紡糸過程に組み込むことができる(“オンラインで(on line)”)。」(第3頁7〜25行(本件特許公報第2頁第4欄44行〜第3頁第5欄12行)) b.「本発明によるフィラメント糸は、必要に応じて自体公知の方法で延伸し、延伸撚糸し、延伸巻取し、延伸整経し、延伸糊付けし、かつ延伸巻縮嵩高にすることができる。この場合、所謂滑らかな糸に対する延伸は、同一の作業工程で高速紡糸(所謂、完全延伸糸“FDY”または完全配向糸“FOY”)で行なうことができるか、または別個の作業工程で行なうことができる。延伸整経、延伸糊付けおよび延伸巻縮嵩高は、一般に高速紡糸とは別個の作業過程で実施される。」(第14頁21行〜第15頁4行(本件特許公報第5頁第10欄18〜26行)) c.「紡糸のために、ポリカプロラクタムを押出機(・・・)中で溶融し、かつノズル(孔数12、・・・)によって圧縮した。この場合に得られたフィラメント糸をまず吹込シャフト(高さ1600mm、・・・)に導通し、引続き落下シャフト(高さ2000mm)に導通し、・・・2個のギャレット-ドゥオス(・・・)を介して引き出し、かつ・・・の巻取装置で巻取った。 ノズルと油付け器との距離は、1300mmであった。 延伸は、冷時に740m/minで延伸撚糸装置(・・・)上で行なわれた。 延伸巻縮嵩高は・・・の延伸巻縮嵩高装置上で600もしくは800m/minで実施した。」(第20頁12行〜第21頁5行(本件特許公報第7頁第13欄3〜17行)) 明細書には、上記a.のとおり、「(部分的)経糸ビームの製造は、全体のフィラメント糸群の共通の延伸と組み合わせることができ(延伸剪断)」と記載されており、延伸がビームに巻き取った後に別工程として行われる態様について明記されてはいないが、「公知方法で紡糸過程に接続することができるかまたはこの紡糸過程に組み込むことができる(“オンラインで(on line)”)。」と記載されている。前記記載は具体性を欠いていると認められるが、延伸を「紡糸過程」とは別個の工程として独立させない態様があるとの趣旨と解される。なお、前記「オンラインで」とは、一工程で、という意味と解される。 また、上記b.のとおり、「糸に対する延伸」は「同一の作業工程で高速紡糸」で行なうことができるか、又は「別個の作業工程」で行なうことができると記載されている。 一方、実施例には、上記c.のとおり、「延伸は、冷時に」、「740m/min」の速度で行ったとされているから、具体的には、前記のとおり「紡糸」と「延伸」とを「別個の作業工程」で行なう態様のみが記載されているものと解される。 一方、本件請求項(1及び4)に係る発明では、フィラメントを少なくとも[3600+1250・(3.0-RV)]m/minの速度で引き出すことを、要件として含むものである。 これに対して、上記a.のとおり、延伸を「公知方法で紡糸過程に接続する」場合、及び、「紡糸過程に組み込む」場合について、並びに、上記b.のとおり、「同一の作業工程で高速紡糸」で行なう場合について、上記フィラメントの引き出し速度の条件が影響・変更されないのか、また、引き出し速度と延伸速度とはどのような関係となるのか、不明であると認められる。 したがって、特許請求の範囲は発明の構成に欠くことができない事項のみを記載したものとは認められないとともに、発明の詳細な説明は請求項に係る発明を当業者が容易に実施し得る程度に記載されているものとも認められない。 なお、特許権者は、意見書において、「通常の延伸は、上記記載の後に記載された「延伸は、冷時に740m/minで延伸撚糸装置(略)上で行なわれた。延伸巻縮嵩高は(略)の延伸巻縮嵩高装置上で600もしくは800m/minで実施した。」の記載により、紡糸工程と明瞭に区別して書かれていますので、本発明の意味する“延伸”は、紡糸工程での“紡糸速度”に含まれていないことは明らかであると考えます。」(第10頁18〜23行)と主張している。 しかし、上記のとおり、明細書の上記記載は、実施例(具体例)においては、「紡糸工程」と「延伸工程」とを別工程で行ったという趣旨であると解すべきである(なお、実施例の他の全記載を参酌しても、前記解釈を変更する必要はないものと認められる)。 したがって、前記の実施例に係る記載を根拠として、「本発明の意味する“延伸”は、紡糸工程での“紡糸速度”に含まれていない」と一般化していうことはできない。 また、上記a.及び上記b.の記載事項から、上記理由で指摘した態様、すなわち、延伸を「紡糸過程に組み込む」場合、延伸を「同一の作業工程で高速紡糸」で行なう場合が削除されるようにすれば、上記理由の限りではない。 2-6.明細書第20頁12〜23行(本件特許公報第7頁第13欄3〜12行)には、次のとおり記載されている。 「紡糸のために、ポリカプロラクタムを押出機(・・・)中で溶融し、かつノズル(孔数12、・・・)によって圧縮した。この場合に得られたフィラメント糸をまず吹込シャフト(高さ1600mm、・・・)に導通し、引続き落下シャフト(高さ2000mm)に導通し、・・・2個のギャレット-ドゥオス(・・・)を介して引き出し、かつ・・・の巻取装置で巻取った。」 一方、請求項1には、「(a)本質的にポリカプロラクタムからなる溶融液を紡糸ノズルを通して押出し、したがってポリカプロラクタムフィラメントを形成させ;(b)こうして得られたフィラメントを冷却し、(c)冷却されたフィラメントを引き出すこと」と記載されている(請求項4についても、同様である)。 そして、上記記載中、下線部の「フィラメント糸」が意味するものは、前記(a)工程で得られたもの、つまり「ポリカプロラクタムフィラメント」であると認められるから、これを上記のとおりに「フィラメント糸」と記載することは、請求項の記載との対応において、整合しておらず、明らかに不明りょうである。 したがって、特許請求の範囲は発明の構成に欠くことができない事項のみを記載したものとは認められないとともに、発明の詳細な説明は請求項に係る発明を当業者が容易に実施し得る程度に記載されているものとも認められない。 なお、上記「フィラメント糸」は、当初の国内書面翻訳文にあっては「フィラメント」であったものを、補正書により「フィラメント糸」と補正されたものである。 2-7.明細書全体で、「フィラメント」と「フィラメント糸」との用語が混同して使用されており、しかも、“フィラメント”なのか“フィラメント糸”なのかも明確でないことから、本件請求項に係る発明が特定できないとともに、発明の詳細な説明は請求項に係る発明を当業者が容易に実施し得る程度に記載されているものと認められない。 なお、特許権者は、意見書において、「“フィラメント”は、単糸(モノフィラメント)を意味し、“フィラメント糸”は、マルチフィラメントまたはフィラメントヤーンと呼ばれ、単糸が複数本集束したものを指します。従いまして、“フィラメント”は、ノズルから吐出された線状の単糸のフィラメントを意味します。その意味で、審判長殿の御指摘のように“フィラメント”と“フィラメント糸”の用語が明細書中に不統一に使用されています。しかしながら、上記の定義的説明や文章の脈略から、“フィラメント”が“フィラメント糸”であることは明らかですので、今回は、訂正を行わず、明細書中の「フィラメント」と記載された箇所で「フィラメント糸」と記載しなければならなかった箇所を以下に挙げ、その根拠を記載します:」(第11頁26行〜第12頁7行)と述べている。 しかし、上記のとおり、「フィラメント糸」と記載しなければならなかった摘示箇所を示し、その根拠を記載したからといって、前記箇所の「フィラメント」が「フィラメント糸」と読み替えられるものではない。しかも、前記「箇所」は、意見書12頁8行〜第14頁22行の(1)〜(23)に記載のとおり多数あり、当該箇所がフイラメント糸であることが明らかであるもいえないところであり、また、摘示箇所以外の記載について正しいとも誤りとも区別されておらず、結局、単に主張のみではどちらと解するが妥当なのか不明であり、明細書の記載が不明であるものと認められる。 したがって、明細書全体について、一つ一つ理由・根拠を明らかにしつつ、“フィラメント”と“フィラメント糸”の用語を区別し、統一して記載されたい。フィラメントがフィラメント糸であることが明白であるとするのであれば、「フィラメント糸」と記載しなければならなかった箇所については、「フィラメント糸」と訂正すべきものである。他に、上記理由を回避する方策があるとは解されない。 次に、意見書において特許権者が指摘している「フィラメント糸」と記載しなければならなかった箇所(上記(1)〜(23))についてはチェックした。しかし、更に、これらに加えて、明細書の下記箇所に記載の「フィラメント」についても検討されたい。 (イ)「経糸調整剤として作用するジカルボン酸の存在下で得られたポリカプロラクタムからなるフィラメントについては、記載されていない。」(第4頁8〜11行) (ロ)「高速紡糸されたフィラメントは、フィラメント強度および破断時の伸びに関連して公知技術水準によるフィラメントと比較可能であることが判明している。」(第4頁18〜21行) (ハ)「高速紡糸され、前記により取得されて延伸されたかまたは延伸巻縮嵩高にされたフィラメントの欠点は、このフィラメントが一般に最大の引張力に関連して相応する常法で紡糸された、同様に最大の引張力の伸びになるまで延伸されたかまたは巻縮嵩高にされたフィラメントよりも低い値を有することにある。その上、引張力の変化は、フィラメントを伸ばした際に長手方向の変化に依存して引張力を測定することによって得ることができ(“引張力-長手方向の変化曲線”)、このような高速紡糸されたフィラメントは、一般に不満足な大きさであり、即ち曲線の経過は一般に平らすぎる。」(第4頁22行〜第5頁8行) (ニ)「高速紡糸されたポリアミド66(ポリヘキサメチレンアジピン酸アミド)と比較して、高速紡糸されたポリカプロラクタムフィラメントは、延伸巻縮嵩高の後に同じ最大の引張力の伸びでさらに巻縮安定性が僅かであるという欠点を有する。」(第5頁9〜13行) (ホ)「(25℃で96重量%の硫酸中100ml当たり使用すべきポリカプロラクタムフィラメント1gの濃度で測定した)」(第7頁9〜11行) (ヘ)「紡糸すべきポリカプロラクタムならびにこれから得られたフィラメントは、常用の添加剤および加工助剤を含有することができる。」(第13頁17〜19行) (ト)「更に、本発明によるフィラメント糸は、これまでの観察によれば、これまでに公知の高速紡糸されたポリカプロラクタム-フィラメントと比較して延伸誤差の僅かな数を有する。」(第15頁13〜16行))』 3.当審の判断 上記「1.手続の経緯」に記載のとおり、訂正拒絶理由通知を兼ねた取消理由通知を送付し、期間を指定して意見を求めたが、権利者からは、当該通知に対して、何らの応答もなかったものである。そして、上記「2.訂正拒絶理由通知を兼ねた取消理由通知」の前記「I.訂正拒絶理由」において指摘した、訂正が認められないとする理由は妥当なものと認められるから、上記平成16年 8月13日付けの訂正請求に係る訂正は、特許法第120条の4第3項で準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書及び第2項の規定に適合しないので、当該訂正は認められないものである。 したがって、本件請求項1ないし請求項7に係る発明は、特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし請求項7に記載された、以下のとおりのものである。 「[請求項1] A.(a)本質的にポリカプロラクタムからなる溶融液を紡糸ノズルを通して押出し、したがってポリカプロラクタムフィラメントを形成させ:(b)こうして得られたフィラメントを冷却し、(c)冷却されたフィラメントを引き出すことによって得ることができる B.ポリカプロラクタムを基礎とする2.0〜3.0の相対的粘度RV(96重量%の硫酸中で100ml当たりフィラメント糸1gの濃度で測定した)を有するフィラメント糸において、 C.冷却されたフィラメントが少なくとも[3600+1250・(3.0-RV)]m/minの速度で引き出されたものであり、 D.この場合使用されたポリカプロラクタムは、 -C4〜C10-アルカンジカルボン酸、 -C5〜C8-シクロアルカンジカルボン酸、 -2個までのスルホン酸基を有することができかつそのカルボン酸基が隣接していないベンゼンカルボン酸およびナフタリンジカルボン酸、 -N-C1〜C6-アルキル-N,N-ジ(C1〜C10-アルカンジカルボン酸) からの群から選択された少なくとも一つのジカルボン酸の存在下に得られたものであることを特徴とする、 E.ポリカプロラクタムを基礎とする2.0〜3.0のRV(96重量%の硫酸中で100ml当たりフィラメント糸1gの濃度で測定した)を有するフィラメント糸。 [請求項2] F.ポリカプロラクタムが少なくとも一つのN,N-ジ-(C1〜C6-アルキル)アミノ-(C2〜C12-アルキル)アミンの存在下で得られたものである請求項1記載のフィラメント糸。 [請求項3] G.フィラメント糸が最大で100%の最大引張力での伸びを有する、請求項1または2記載のフィラメント糸。 [請求項4] A.(a)本質的にポリカプロラクタムからなる溶融液を紡糸ノズルを通して押出し、したがってポリカプロラクタムフィラメントを形成させ:(b)こうして得られたフィラメントを冷却し、(c)冷却されたフィラメントを引き出すことにより、 B.請求項1記載のポリカプロラクタムを基礎とする2.0〜3.0の相対的粘度RV(96重量%の硫酸中で100ml当たりフィラメント糸1gの濃度で測定した)を有するフィラメント糸を製造する方法において、 C.冷却されたフィラメントを少なくとも[3600+1250・(3.0-RV)]m/minの速度での速度で引きだし、 D.この場合使用されたポリカプロラクタムは、 -C4〜C10-アルカンジカルボン酸、 -C5〜C8-シクロアルカンジカルボン酸、 -2個までのスルホン酸基を有することができかつそのカルボン酸基が隣接していないベンゼンカルボン酸およびナフタリンジカルボン酸、 -N-C1〜C6-アルキル-N,N-ジ(C1〜C10-アルカンジカルボン酸) からの群から選択された少なくとも一つのジカルボン酸の存在下に得られたものであることを特徴とする、 E.ポリカプロラクタムを基礎とする2.0〜3.0のRV(96重量%の硫酸中で100ml当たりフィラメント糸Tgの濃度で測定した)を有するフィラメント糸の製造方法。 [請求項5] F.ポリカプロラクタムが少なくとも一つのN,N-ジ-(C1〜C6-アルキル)アミノ-(C2〜C12-アルキル)アミンの存在下で得られたポリカプロラクタムを使用する、請求項4記載のポリカプロラクタムを基礎とするフィラメント糸の製造方法。 [請求項6] H.繊維および表面成形体を製造するための請求項1、2もしくは3に記載のフィラメント糸または請求項4もしくは5の記載により得られたフィラメント糸の使用。 [請求項7] I.請求項6記載の使用によって得られた繊維および表面成形体。」 これに対して、前記訂正拒絶理由通知を兼ねた取消理由通知における前記「II.取消理由 2.特許法第36条第4項並びに第5項及び第6項違反について」において記載したように、明細書の記載が不備で特許法第36条第4項並びに第5項及び第6項に規定する要件を満たしていないものである旨を指摘した不備の点は、依然として解消していない。 4.むすび 以上のとおりであるから、本件請求項1ないし請求項7に係る発明の特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものである。 よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2006-02-27 |
出願番号 | 特願平6-501058 |
審決分類 |
P
1
651・
534-
ZB
(D01F)
P 1 651・ 832- ZB (D01F) P 1 651・ 841- ZB (D01F) P 1 651・ 531- ZB (D01F) |
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 中島 庸子 |
特許庁審判長 |
石井 淑久 |
特許庁審判官 |
澤村 茂実 野村 康秀 |
登録日 | 2001-04-13 |
登録番号 | 特許第3179105号(P3179105) |
権利者 | ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト |
発明の名称 | ポリカプロラクタムを基礎とする高速紡糸されたフィラメント糸およびその製造法 |
代理人 | 久野 琢也 |
代理人 | 矢野 敏雄 |
代理人 | 山崎 利臣 |
代理人 | ラインハルト・アインゼル |