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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C07D |
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管理番号 | 1142105 |
審判番号 | 不服2004-2171 |
総通号数 | 82 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2001-02-20 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-02-05 |
確定日 | 2006-08-16 |
事件の表示 | 特願2000-222094「β-アドレナリン受容体アゴニストの製造用化合物と方法」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 2月20日出願公開、特開2001- 48864〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成12年7月24日(優先権主張 1999年7月23日 米国)の出願であって、平成15年10月30日付で拒絶査定がなされ、これに対し、平成16年2月5日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同日付で手続補正がなされたものである。 2.本願発明について 本願の請求項1の発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成16年2月5日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された以下の事項により特定されるものである。 〔請求項1〕 「 式(I): 【化1】 で示される化合物の製造方法であって、 式(II): 【化2】 [式中、R2とR3は独立的にC1-C3アルキル又はフェニルである]で示される化合物を脱保護することを含み、式(II)の化合物は、 式(IV): 【化3】 [式中、R1はC1-C8アルキルであり、およびR2とR3は上記で定義されている通りである]の化合物のアミド部分を加水分解して製造され、式(IV)の化合物は、 式(20): 【化4】 [式中、R2とR3は上記で定義されている通りである]の化合物と 式(25): 【化5】 [式中、R1は上記で定義されている通りである]の化合物とを反応させることによって製造される、前記製造方法。」 請求項中の【化1】〜【化5】の構造式は省略した。 3.原審の査定の理由 これに対し原査定は本願発明は以下の刊行物1〜5に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。 1.国際公開第96/35671号パンフレット 2.国際公開第98/21184号パンフレット 3.特開平11-92372号公報 4.国際公開第99/32475号パンフレット 5.BRUEKELMAN, S. P., et al.,J. Chem. Soc., Perkin Trans. I,1984,a.2801-2807 4.当審の判断 刊行物1は、本願の目的化合物を包含する一般式(I)(p3)に示される新規化合物の発明に関するものであって、当該化合物の製造方法として、ピリジンの2位のアミンをテトラゾールとして保護したエポキシドを用いるアミノのアルキル化反応(p12のスキーム1、p14スキーム3参照)が記載されている。 また、刊行物2には、本願発明と同一の目的化合物の新規な製造方法に関し、ピリジンの2位のアミンをアミドとして保護したエポキシドを用いるアミノのアルキル化反応(p53実施例15)が記載されている。さらに、刊行物3にも、本願発明と同一の目的化合物の製造方法として、引例1、2と同じ反応が開示されている(p9スキーム1、p25実施例15)。 本願発明の製造方法とこれらの刊行物に記載された製法とを比較すると、前者ではピリジン骨格の2位に結合するアミノ基をピロール環構造を形成することにより保護しているのに対し、後者はテトラゾールあるいはアミドの形成により保護を行う点でのみ相違し、その他の点では一致している。 しかしながら、アミノ基の保護手法として、上記のテトラゾールやアミドのほかに、ピリジンの2位のアミンをピロールとして保護することは本出願前に既に公知であって(刊行物4第24頁の反応スキーム15、刊行物5)、特に刊行物5にはピロールとして保護すると反応収率が高くなるという利点についても言及されている。 そうすると、刊行物1〜3の化合物の製造方法におけるピリジンの2位のアミノ基の保護にあたり、高い反応収率が期待されるピロール環構造による保護の適用を試みることは、当業者が普通に行うことである。 そして、本願明細書の記載から見て、本願発明の効果にしても当業者が予測しうる範囲のものである。 5.むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、刊行物1〜5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-03-22 |
結審通知日 | 2006-03-24 |
審決日 | 2006-04-05 |
出願番号 | 特願2000-222094(P2000-222094) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(C07D)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 荒木 英則 |
特許庁審判長 |
森田 ひとみ |
特許庁審判官 |
横尾 俊一 弘實 謙二 |
発明の名称 | β-アドレナリン受容体アゴニストの製造用化合物と方法 |
代理人 | 山口 晶子 |
代理人 | 増井 忠弐 |
代理人 | 千葉 昭男 |
代理人 | 社本 一夫 |
代理人 | 富田 博行 |
代理人 | 小林 泰 |