ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正しない G01M 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正しない G01M |
---|---|
管理番号 | 1142908 |
審判番号 | 訂正2006-39017 |
総通号数 | 82 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2004-06-10 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2006-02-08 |
確定日 | 2006-09-01 |
事件の表示 | 特許第3533651号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.請求の趣旨 本件審判の請求の趣旨は、特許第3533651号(平成15年1月7日特許出願、平成16年3月19日設定登録)の明細書(以下、「特許明細書」という。)を、審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、下記のとおり訂正することを求めるものである。 特許明細書における請求項5の「前記偏光分割型サニャック型干渉光路を出力した参照光とプローブ光間の位相差を掃引する位相差掃引機構は、上記偏光分割型サニャック型干渉光路の出力端と前記干渉強度を検出する測定器との間に配置される、λ/4波長板と偏光子とからなり、この偏光子を回転して上記参照光とプローブ光間の位相差を掃引することを特徴とする、請求項1に記載の時間分解非線形複素感受率測定装置。」を、「参照光とプローブ光が伝搬するサニャック型干渉光路と、この光路中に配置される被測定試料に照射する光パルスを供給し、かつ、上記サニャック型干渉光路に光パルスを供給する光パルス光源と、上記参照光とプローブ光との干渉光強度を測定する測定器とを有する、時間分解・非線形複素感受率測定装置において、 上記参照光とプローブ光とが互いに直交する偏光であり、 上記サニャック型干渉光路が偏光分割型サニャック型干渉光路であり、 上記偏光分割型サニャック型干渉光路中で上記参照光及びプローブ光の偏光方向を90度回転する偏光方向変換機構と、 上記偏光分割型サニャック型干渉光路を出力した上記参照光とプローブ光間の位相差を掃引する位相差掃引機構と、を有し、 上記位相差掃引機構は、上記偏光分割型サニャック型干渉光路の出力端と前記干渉強度を検出する測定器との間に配置される、λ/4波長板と偏光子とからなり、この偏光子を回転して、上記偏光分割型サニャック型干渉光路から出力した参照光とプローブ光間の位相差を掃引し、この掃引する各々の位相差における参照光とプローブ光との干渉光強度を測定して得られる位相差掃引干渉波形から、時間分解・非線形複素感受率を求めることを特徴とする、時間分解非線形複素感受率測定装置。」と訂正する。(下線部分は訂正箇所である。) 2.訂正拒絶理由 平成18年5月11日(起案日)付けで通知した訂正拒絶理由は、「本件の訂正は、特許法126条第1項ただし書き各号のいずれをも目的としておらず、また同条第4項の規定に適合していない。」というものである。 そして、この訂正拒絶理由の通知に対して、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、審判請求人からは何らの応答もない。 3.当審の判断 以下に、上記の訂正事項について訂正の可否を検討する。 (1)本件審判の請求における訂正は、明りょうでない記載の釈明を目的として、その内容は、特許請求の範囲の請求項5を引用記載形式から独立記載形式に変更し、その際に請求項5(引用する請求項1)に記載した発明を特定するために必要な事項である「上記参照光とプローブ光間の位相差を、上記光パルスが偏光分割型サニャック型干渉光路へ入射する前に補償する位相差補償機構」の削除を求めるものである。 しかしながら、請求項5に係る発明において、前記位相差補償機構自体の記載内容は明らかである。そして、発明の実施の形態【0035】の末文「また、この場合には、周期関数Aと周期関数Bの相対的位相のずれを測定すればよいので、参照光とプローブ光間の固定位相を補償する必要がなく、位相差補償機構を省略することができる。」の記載によれば、請求項5に係る発明において、前記位相差補償機構は任意付加的な事項ということもできるが、出願人自らが前記位相差補償機構を必要な事項であるとした請求項5に係る発明は、特許請求の範囲,発明の詳細な説明又は図面中の他の記載との関係で技術的もしくは文理的に不合理を生じているとは認められない。 したがって、当該訂正事項は、明りょうでない記載の釈明を目的とするものではなく、また、特許請求の範囲の減縮,誤記又は誤訳の訂正を目的とするものでもないことは明らかである。 (2)また、上記の訂正事項が、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当したとしても、特許請求の範囲の請求項5における前記位相差補償機構の削除は、直列的に記載された構成要素の一部を削除することであるから、実質上特許請求の範囲を拡張するものであることは明らかである。 4.むすび 以上のとおりであるから、本件の訂正は、特許法126条第1項ただし書き各号のいずれをも目的としておらず、また同条第4項の規定に適合していない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-07-05 |
結審通知日 | 2006-07-10 |
審決日 | 2006-07-21 |
出願番号 | 特願2003-1549(P2003-1549) |
審決分類 |
P
1
41・
853-
Z
(G01M)
P 1 41・ 854- Z (G01M) |
最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
高橋 泰史 |
特許庁審判官 |
▲高▼見 重雄 櫻井 仁 |
登録日 | 2004-03-19 |
登録番号 | 特許第3533651号(P3533651) |
発明の名称 | 時間分解・非線形複素感受率測定装置 |
代理人 | 平山 一幸 |