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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01H
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01H
管理番号 1143025
審判番号 不服2004-14528  
総通号数 82 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2001-04-20 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-07-12 
確定日 2006-09-04 
事件の表示 平成11年特許願第283145号「車両用レバースイッチ」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 4月20日出願公開、特開2001-110280号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成11年10月4日の出願であって、平成16年6月7日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年7月12日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年8月6日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成16年8月6日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成16年8月6日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「一端をケース(6)内に揺動自在に配置し、他端を該ケース(6)から突出させて配置すると共に固定ノブ(14)内に配置したレバー(3)と、該レバー(3)の先端部分に設置したスイッチのノブ(15)と、該スイッチに電気的に接続するターミナルブロック(13)と、を備えた車両用レバースイッチであって、前記レバー(3)は、係止部(3g)を一体形成し、前記ターミナルブロック(13)は、弾性係止片(13b)を一体形成すると共に、該弾性係止片(13b)を前記係止部(3g)に係止することで、前記レバー(3)に固定され、前記ターミナルブロック(13)に、前記固定ノブ(14)を固定すると共に前記ノブ(15)を支持したことを特徴とする車両用レバースイッチ。」
と補正された。(下線は補正箇所を示す。)
上記補正は、補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「レバー(3)」について「固定ノブ(14)内に配置した」との限定を付加するとともに、「ターミナルブロック(13)」について「前記ターミナルブロック(13)に、前記固定ノブ(14)を固定すると共に前記ノブ(15)を支持した」との限定を付加したものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用した特開平9-129091号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。
(a)「本発明はレバーコンビネーションスイッチに関する。」(段落【0001】)
(b)「車両にはレバーコンビネーションスイッチの一形式であるターンシグナルスイッチやワイパスイッチが装備されている。」(段落【0002】)
(c)「図1には本発明の一実施形態に係るレバーコンビネーションスイッチ30が示されている。当該レバーコンビネーションスイッチ30は上下または左右の回動操作により方向指示器のスイッチング作動を行うレバー31と、レバー31の後端側外周に嵌合して固定した中空構造のロアノブボディ32と、レバー31の前端側外周に回転可能に嵌合したフォグランプ用ノブ33と、レバー31の前端部に固着したステーター34と、ステーター34の中間部に設けた拡径部34aの外周に嵌合して固定した筒状のミドルノブボディ35と、ステーター34の前端側外周に回転可能に嵌合し、ステーター34の前端部に嵌着したサブステーター36で抜け止めしたライト用ノブ37を備えている。」(段落【0006】)
(d)「レバー31の後部外周には凹部31aとスリット32bが形成されている。一方、ロアノブボディ32のレバー31が嵌込まれる筒部32a内面に突起32bと凸条32cが形成されている。レバー31は突起32bが凹部31aに係合して抜け止めされ、凸条32cがスリット31bに係合して回り止めが施されている。このレバー31には6本の導体金属片38がインサート成形により埋設され、各金属片38の前端部がレバー31の前端面から突出し、後端部がレバー31の後端面から突出している。レバー31は後端面がノブボディ32の筒部32aの後端開口に露出するように嵌込まれ、後端開口から突出した導体金属片38の後端部にサブコネクタ39が着脱可能に連結され、サブコネクタ39とメインコネクタ40がリード線41で接続されている。」(段落【0007】)
(e)「レバー31とステーター34はレバー31の前端面に形成した孔31cにステーター34の後端部を嵌合し、孔31cの内面に設けた突起31dをステーター34の後端部外周に形成した凹部34bに係止して一体に固定されている。フォグランプ用ノブ33は収納孔33aを有し、同孔33aに導体金属製のボール42と、このボール42を付勢するスプリング43が収納されている。一方、ステーター34の拡径部34aの後端面には図2に示すように、フォグランプ用ノブ33を回転したときスプリング43で付勢したボール42が係合して同ノブ33を位置決めする凹部34c,34dが2箇所に形成されている。また、ステーター34の拡径部34aには6個の導体金属片44がインサート成形により埋設され、図2及び図4に示すように各導体金属片44の一端が拡径部34aの後端面に露出している。拡径部34aの後端面に露出した導体金属片44の端部はU字形の断面形状を有し、レバー31の前端面から突出する導体金属片の各端部が嵌合して圧接している。ステーター34に埋設した導体金属片44のうち2個の金属片44の他端は凹部34cの内面に露出し、この凹部34cにボール42が係合したとき、ボール42を介して両金属片44の露出した端部間が導通するように所要の間隔で配置されている。一方、ステーター34の拡径部34aの前端面にはライト用ノブ37の収納孔37aに収納してスプリング45で付勢した導体金属製のボール46が係合することにより、ライト用ノブ37の回転位置を位置決めする凹部34e,34f,34gが3箇所設けられ、図3及び図4に示すようにそのうち2箇所の凹部34e,34fの内面に前記凹部34cと同じように各2個の導体金属片44の他端44bが露出している。」(段落【0008】)
(f)図1には、ミドルノブボディ35の後端側にロアノブボディ32を配置し、該ロアノブボディ32の前端側にスイッチのライト用ノブ37を配置したレバーコンビネーションスイッチが図示されている。
(g)また、図1に図示されたレバーコンビネーションスイッチは、前記(b)及び(c)に摘記したように、車両に装備されるターンシグナルスイッチであり、車両のステアリングコラムに設けられていることは明らかであるから、ロアノブボディ32は、後端をステアリングコラム内に上下または左右に回動操作可能に配置し、前端を該ステアリングコラムから突出させて配置したものであるということができる。

これらの記載事項及び図示内容を総合すると、引用例には、
「後端をステアリングコラム内に上下または左右に回動操作可能に配置し、前端を該ステアリングコラムから突出させて配置すると共にミドルノブボディ35の後端側に配置したロアノブボディ32と、該ロアノブボディ32の前端側に設置したスイッチのライト用ノブ37と、該スイッチに電気的に接続するレバー31及びステーター34と、を備えたレバーコンビネーションスイッチであって、前記ロアノブボディ32は、突起32bを一体形成し、前記レバー31は、凹部31aを一体形成すると共に、該凹部31aを前記突起32bに係止することで、前記ロアノブボディ32に固定され、前記レバー31及びステーター34に、前記ミドルノブボディ35を固定すると共に前記ライト用ノブ37を支持したレバーコンビネーションスイッチ。」の発明(以下、「引用発明」という。)
が記載されていると認めることができる。

(3)対比
そこで、本願補正発明と引用発明とを対比すると、後者における「後端」は前者における「一端」に相当し、同様に「前端」は「他端」に相当する。また、後者における「ステアリングコラム」は、その構造又は機能からみて、前者における「ケース(6)」に相当し、以下同様に、「上下または左右に回動操作可能」が「揺動自在」に、「ミドルノブボディ35」が「固定ノブ(14)」に、「ロアノブボディ32」が「レバー(3)」に、「前端側」が「先端部分」に、「ライト用ノブ37」が「ノブ(15)」に、「レバー31及びステーター34」が「ターミナルブロック(13)」に、「レバーコンビネーションスイッチ」が「車両用レバースイッチ」に、それぞれ相当する。
また、引用発明においては、「レバー(3)」に相当する「ロアノブボディ32」に一体成形された「突起32b」と、「ターミナルブロック(13)」に相当する「レバー31」に一体成形された「凹部31a」とが互いに係止するのに対して、本願補正発明においては、「レバー(3)」に一体成形された「係止部(3g)」と、「ターミナルブロック(13)」に一体成形された「弾性係止片(13b)」とが互いに係止するから、引用発明における「突起32b」と本願補正発明における「係止部(3g)」は、どちらも「係止手段」と言い換えることができ、引用発明における「凹部31a」と本願補正発明における「弾性係止片(13b)」は、どちらも「被係止手段」と言い換えることができる。

してみると、本願補正発明と引用発明とは、
「一端をケース内に揺動自在に配置し、他端を該ケースから突出させて配置したレバーと、該レバーの先端部分に設置したスイッチのノブと、該スイッチに電気的に接続するターミナルブロックと、を備えた車両用レバースイッチであって、前記レバーは、係止手段を一体形成し、前記ターミナルブロックは、被係止手段を一体形成すると共に、該被係止手段を前記係止手段に係止することで、前記レバーに固定され、前記ターミナルブロックに、前記固定ノブを固定すると共に前記ノブを支持した車両用レバースイッチ。」
の点で一致し、以下の点で相違する。
相違点1:本願補正発明においては、レバー(3)を固定ノブ(14)内に配置したのに対して、引用発明においては、ロアノブボディ32をミドルノブボディ35の後端側に配置した点、即ち、レバーを固定ノブの後端側に配置した点。
相違点2:本願補正発明においては、係止手段が「係止部(3g)」であり、被係止手段が「弾性係止片(13b)」であるのに対して、引用発明においては、係止手段が「突起32b」であり、被係止手段が「凹部31a」である点。

(4)判断
上記各相違点について検討する。
(a)相違点1について
レバーを固定ノブ内に配置した車両用レバースイッチは、本願明細書に従来技術を開示する文献として記載された実用新案登録第2566907号公報や実公昭59-25708号公報などにみられるように、従来周知であるから、引用発明に必要に応じて該周知技術を適用することは、当業者であれば容易に想到し得ることである。
したがって、相違点1に係る本願補正発明の構成は、当業者が容易に想到し得たものであるということができる。
(b)相違点2について
引用例の図1を参照すると、引用発明における「突起32b」は、弾性変形して「凹部31a」に係止するものと解されるから、引用発明における「突起32b」は、その機能からみると、本願補正発明における「弾性係止片(13b)」に相当するということができ、「凹部31a」は「係止部(3g)」に相当するということができる。
そうすると、上記相違点2は、本願補正発明においては、係止手段が「係止部」であり、被係止手段が「弾性係止片」であるのに対して、引用発明においては、逆に、係止手段が「弾性係止片」であり、被係止手段が「係止部」である点、と言い換えることができる。
しかしながら、一般に一方の部品を他方の部品に係止・固定するに当たり、そのいずれか一方に弾性係止片を設け、他方に係止部を設けることは、本願の出願前より広く採用されている技術であり、両部品のいずれに弾性係止片を設け、他方に係止部を設けるかは、当業者が両部品の配置関係等に応じて適宜選択し得る程度の事項にすぎないことである。
してみると、引用発明において、互いに係止する係止手段と被係止手段とを逆にするようなことは、当業者にとって単なる設計的事項にすぎないというべきである。
したがって、相違点2に係る本願補正発明の構成も、当業者が容易に想到し得たものであるということができる。

そして、本願補正発明の効果も、引用発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲内のものであって格別なものとはいえない。

したがって、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項において読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成16年1月5日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「一端をケース(6)内に揺動自在に配置し、他端を該ケース(6)から突出させて配置したレバー(3)と、該レバー(3)の先端部分に設置したスイッチのノブ(15)と、該スイッチに電気的に接続するターミナルブロック(13)と、を備えた車両用レバースイッチであって、前記レバー(3)は、係止部(3g)を一体形成し、前記ターミナルブロック(13)は、弾性係止片(13b)を一体形成すると共に、該弾性係止片(13b)を前記係止部(3g)に係止することで、前記レバー(3)に固定されることを特徴とする車両用レバースイッチ。」

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、および、その記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は、前記「2.(1)」で検討した本願補正発明から「レバー(3)」についての限定事項である「固定ノブ(14)内に配置した」との構成を省くとともに、「ターミナルブロック(13)」についての限定事項である「前記ターミナルブロック(13)に、前記固定ノブ(14)を固定すると共に前記ノブ(15)を支持した」との構成を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(3)及び(4)」に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-07-11 
結審通知日 2006-07-12 
審決日 2006-07-25 
出願番号 特願平11-283145
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H01H)
P 1 8・ 121- Z (H01H)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 仁科 雅弘  
特許庁審判長 石原 正博
特許庁審判官 森川 元嗣
川本 真裕
発明の名称 車両用レバースイッチ  
代理人 須藤 雄一  
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