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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1144123
審判番号 不服2004-11818  
総通号数 83 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-01-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-06-10 
確定日 2006-09-19 
事件の表示 平成 9年特許願第164465号「基板処理装置」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 1月22日出願公開、特開平11- 16981〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成9年6月20日の出願であって、審査官の拒絶理由通知に対して平成15年12月25日付けで意見書とともに手続補正書が提出され、平成16年4月26日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年6月10日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年7月9日付けで明細書を補正対象書類とする手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。

2.本件補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。
[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲は、
「【請求項1】 基板に所定の処理を施す複数の処理ユニットを配置したユニット配置部と、当該ユニット配置部との間で基板を受け渡す基板搬入搬出部とを備える基板処理装置であって、
前記基板搬入搬出部は、基板を保持する移載アームを鉛直軸回りに回転させ鉛直軸に沿って昇降させる回転昇降機構と、前記移載アームを略水平方向に直線的に複数段にわたって伸縮する伸縮機構とを有する基板移載装置と、所定の方向に配列する複数の載置台とを備え、前記ユニット配置部は、前記移載アームとの間で基板の受け渡しを行う基板搬送ロボットを備え、前記移載アームは、前記所定の方向に沿って移動しつつ、前記載置台に載置されたカセットとの間で基板の受け渡しを行うとともに、前記ユニット配置部内において、前記基板搬送ロボットとの間で基板の受け渡しを行うことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】 基板に所定の処理を施す複数の処理ユニットを配置したユニット配置部と、当該ユニット配置部との間で基板を受け渡す基板搬入搬出部とを備える基板処理装置であって、
前記基板搬入搬出部は、基板を保持する移載アームの基端部を鉛直軸回りに回転させ鉛直軸に沿って昇降させる回転昇降機構と、前記移載アームを略水平面内で複数段にわたって屈伸することによって前記移載アームの先端部の姿勢を維持したまま略水平方向に直線的に移動させる屈伸機構とを有する基板移載装置と、所定の方向に配列する複数の載置台とを備え、前記ユニット配置部は、前記移載アームとの間で基板の受け渡しを行う基板搬送ロボットを備え、前記移載アームは、前記所定の方向に沿って移動しつつ、前記載置台に載置されたカセットとの間で基板の受け渡しを行うとともに、前記ユニット配置部内において、前記基板搬送ロボットとの間で基板の受け渡しを行うことを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】 前記ユニット配置部は、前記複数の処理ユニットを当該処理ユニットとの間で基板を受け渡す基板搬送装置の周囲に配置したものであることを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか記載の基板処理装置。 【請求項4】 前記移載アームは、先端部の基板載置部を含んで3個以上の奇数個のアームセグメントを回転可能に連結してなる連結体であり、前記基板載置アームを除く各アームセグメントの有効長が等しいことを特徴とする請求項2記載の基板処理装置。」
と、補正された。
上記補正は、請求項1の発明の「基板搬入搬出部」について、「所定の方向に配列する複数の載置台」を備えるとの限定、及び、「移載アームは、前記所定の方向に沿って移動しつつ、前記載置台に載置されたカセットとの間で基板の受け渡しを行うとともに、前記ユニット配置部内において、前記基板搬送ロボットとの間で基板の受け渡しを行う」との限定を付加するものであって、これは、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

(2)請求項1に係る発明について
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明1」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に適合するか)について以下に検討する。
(2-1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開平4-85812号公報(以下、「引用例1」という。)には、
「半導体製造装置」に関して、
「ウェハに所定の処理を施す塗布処理部、現像処理部、加熱処理部および上記処理部にウェハを搬送する移載機構を備えた半導体製造装置において、少なくとも1つの上記処理部は上記移載機構を中心とする円周の周囲に複数配置して一処理平面とし、この処理平面を多段に設けたことを特徴とする半導体製造装置。」(【特許請求の範囲】)
「第1図において処理前の半導体ウェハが25枚収容されたキャリアを載置するローダ部1と半導体製造装置で所定の処理が施こされた半導体ウェハが収容されるキャリアを載置するアンローダ部2と、図示しない露光装置にウェハを搬入搬出するインターフェース部3と、ウェハを冷却する冷却部4と、所定のウェハ処理前もしくは処理後において一時ウェハを保管するバッファ部5と、載置されたウェハの位置調整を行うアライメントステージ部6とが設けられ、上記各部の間でウェハをアームに保持して搬入搬出するウェハ搬送部7は水平回転、水平移動、垂直移動可能に設けられている。
また、半導体ウェハにフォトレジスト塗布処理するレジスト塗布機構8と、塗布されたフォトレジスト中に残存する溶剤を加熱蒸発処理するプリベーク機構9と、露光されたウェハのフォトレジストを現像処理する現像機構10と、現像によってパターン形成されたフォトレジストに残留する現像液や洗浄水を蒸発除去しウェハとフォトレジストの密着性を強化処理するためのポストべーク機構11とが略同一平面に設けられ、さらに第2図に示す如く上記各処理機構平面は多段に積み重ねて構成されており、上記各処理機構及び上記アライメントステージ部6の間でウェハを搬入搬出するウェハ移載機構12が上下方向に2組設けられている。」(公報第2頁右上欄第19行〜右下欄第5行)
「また、第3図に示す如く装置本体と分離可能に構成された側板16には、滑車17が設けられ上記側板16の移動が容易に構成されており、上記側板16には図示しないモータによってレール上に各々独立に昇降移動可能に構成された昇降機構18が2組設けられ、この昇降機構18に上記ウェハ移載機構12が設けられている。上記側板16の周囲4ケ所に位置決めピン19が設けられ、装置本体に設けられて図示しない凹部と嵌合して±100μm以下の取付再現性が得られ、組立や装置の点検、修理が容易に行えるように、支持軸20を中心に回転して上記塗布機構8を装置本体から取り出すことができるように構成されている。」(公報第3頁左上欄第9行〜右上欄第3行)
「また、上記ウェハ移載機構12には半導体ウェハを保持する複数組例えば2組のアーム13が設けられ、これらアーム13は各々独立に水平方向に伸縮移動可能に構成されており、上記各処理機構に半導体ウェハを搬入搬出する際、一方のアーム13で処理済みの半導体ウェハを上記各処理機構から搬出した後、他方のアーム13に保持された処理前の半導体ウェハを上記各処理機構に搬入するようにして効率良くウェハの搬入搬出が可能の如く構成されている。このようなローディング操作はアーム13の軸からみて同一平面内で前後動する。この同一平面に各処理機構で多少の上下動はある。」(公報第2頁右下欄第9〜20行)
「次に上記実施例の半導体製造装置で半導体ウェハを塗布、露光、現像処理する場合の動作について説明する。まず、ローダ部1に載置されたキャリア内の処理前の半導体ウェハは、上記搬送部7に設けられたアームに保持して搬出され、アライメントステージ部6に搬入載置される。
アライメントステージ部6に載置された半導体ウェハは図示しない位置合せ機構により半導体ウェハがアライメントステージ部6の所定の位置に位置決めされ、ウェハ移載機構12に設けられたアーム13の水平方向の伸縮と回転動作により半導体ウェハがアーム13に保持して搬出され、塗布機構8に搬入載置される。塗布機構8に搬入載置された半導体ウェハは、フォトレジストが塗布されスピン処理が行われ半導体ウェハ表面に均一にフォトレジストが塗布される。
フォトレジストが塗布された半導体ウェハは、上記と同様にウェハ移載機構12に設けられたアーム13の水平方向の伸縮と回転動作により、塗布機構8から搬出されプリベーク機構9に搬入載置される。
プリベーク機構9に載置された半導体ウェハは所定の熱処理が行われ、ウェハ移載機構12により搬出されアライメントステージ部6に搬入載置される。アライメントステージ部で所定の位置合せが行われた半導体ウェハは、搬送部7の所定の動作によりインターフェイス部3に搬入される。
インターフェイス部3に搬入された半導体ウェハは図示しない露光装置に搬出され、所定の露光処理が施され、インターフェイス部に再び搬入される。
露光処理が施された半導体ウェハは上記と同様の搬送部7,ウェハ移載機構12の動作により現像機構10,ポストベーク機構11で所定のウェハ処理が施された後、アンローダ部2に載置されたキャリア内に半導体ウェハを搬入載置して一連の塗布、露光、現像処理が終了する。」(公報第3頁右上欄第4行〜右下欄第5行)
との記載が認められる。
以上によれば、引用例1には、
「基板に所定の処理を施す複数の処理機構を配置した各処理機構と、当該各処理機構との間で基板を受け渡す搬送部とローダ部及びアンローダ部とを備える半導体製造装置であって、
前記搬送部とローダ部及びアンローダ部は、基板を保持する移載アームを鉛直軸回りに回転させ回転機構と、前記移載アームを略水平方向に直線的に伸縮する伸縮機構とを有する搬送部と、所定の方向に並んだ複数のローダ部とアンローダ部とを備え、前記各処理機構は、前記移載アームとの間で基板の受け渡しを行うウェハ移載機構を備え、前記搬送部のアームは、前記所定の方向に沿って移動しつつ、前記ローダ部とアンローダ部に載置されたキャリアとの間で基板の受け渡しを行うとともに、前記ウェハ移載機構との間で基板の受け渡しを行う半導体製造装置。」との発明(以下、「引用例発明1」という。)が開示されていると認められる。

同じく、原査定の拒絶の理由に引用された特開平9-36200号公報(以下、「引用例2」という。)には、
「多段スライド装置」に関して、図面とともに、以下の記載がある。
「【発明の属する技術分野】
本発明は、長いストロークを得ることができるスライド装置であって、1つのモータを駆動するだけで、抵抗が少なくスムーズに伸縮駆動可能な多段スライド装置に関するものである。」(段落【0001】)
「 【従来の技術】
半導体の生産ラインにおいて、ウェハの搬送に使用されるチャンバには従来から次に示すようなものが使用されている。図10は、第1従来例であるアーム型チャンバを示した側面図であり、図11は、その平面図である。図10に示すようにチャンバ51は、基台52上に固設されている。基台52には、不図示の駆動手段に連結された回転軸53が突出して形成されている。その回転軸53には、第1アーム54の端部が固設され、他端には第2アーム55が回転可能に軸着されている。更にその第2アーム55にはその上面に、先に第1アーム54に軸着された側とは別の端部にフィンガ56が軸着されている。」(段落【0002】)
「 そして、チャンバ51の周りにはエッチング等の半導体生産工程を行うための各処理容器が配設されており、図面では左右に容器58,59のシャッタ60部分を示してある。
このような構成による従来のチャンバ51は、次のように作用する。先ず、チャンバ51は、図11に示すように旋回範囲を330゜有しており、所定位置で第1アーム54及び第2アーム55内に構成された不図示の駆動機構によってアーム54,55及びフィンガ56を回転させてその伸縮を行い、例えば、処理容器58のウェハ57を処理容器59へ搬送する。」(段落【0003】)
「従来の旋回型アームチャンバーは、旋回するためのスペースを必要とするため、無駄な空間を設けざるを得ず、スペース効率を低下させていた。
その問題を解決するために、直動型スライダーを2段、3段と、多段に設けることが考えられる。この場合に、各スライダーの各々に駆動用モータを設けたのでは、駆動モータ用のスペースを必要とし、特に、各スライダー上に駆動モータを配設すると、スライダーも大型化して、全体が大型化する問題があった。
1つの駆動モータで多段のスライダーを駆動させようとする考えは、従来から存在する。例えば、実開昭62-77193号では、図12に示すような多段スライダーが提案されている。」(段落【0004】)
「固定ガイド61にピニオン62が回転可能に保持されおり、ピニオン62は、図示しない駆動モータにより回転される。固定ガイド61には、第一スライダー65が図示しない複数のローラにより摺動可能に保持されている。第一スライダー65には、ピニオン62と対応する位置にラック66が固設されている。第一スライダー65には、第二スライダー68が図示しない複数のローラにより摺動可能に保持されている。第二スライダー68には、第三スライダー70が図示しない複数のローラにより摺動可能に保持されている。
また、第一スライダー65の左端には、第一プーリ64が回転可能に付設されている。そして、第一ベルト63は、その一端が固定ガイド61の右端に固定され、第一プーリ64を周回して他端が第二スライダー68の右端に固定されている。
また、第二スライダー68の左端には、第二プーリ67が回転可能に付設されている。そして、第二ベルト69は、その一端が第一スライダー65の右端に固定され、第二プーリ67を周回して他端が第三スライダー70の右端に固定されている。」(段落【0005】)
「上記構成を有することにより、ピニオン62が駆動モータにより時計廻りに回転されることにより、ラック66を介して第一スライダー65が矢印の方向に移動する。そして、第一プーリ64に引っ張られて、第二スライダー68が矢印の方向に移動する。さらに、第二プーリ67に引っ張られて第三スライダー70が矢印の方向に移動する。
これにより、1台の駆動モータで多段のスライダーを同時に移動させることができる効果がある。
図12に示す構成では、スライダーを矢印と反対の方向に移動させることはできない。多段スライダーの反対側には、対象形にプーリ及びベルトが配設されており、多段スライダー図中矢印と反対の方向に移動させることが可能となっている。」(段落【0006】)
そして、「ウェハの搬送に使用されるチャンバ」は、基板移載アームであり、また、図12によれば、各段のスライダーが直線的に伸縮することが記載されている。
以上の記載によれば、引用例2には、
「半導体の生産ラインにおいてウェハの搬送に使用される基板移載アームあって、直動型スライダーを多段に設けた多段スライド装置を備えた基板移載アーム。」(以下、「引用例発明2」という。)が記載されている。

(2-2)対比
そこで、本願補正発明1と引用例発明1とを比較すると、後者の「各処理機構」は、前者の「ユニット配置部」に相当し、同様に、後者の「搬送部及びローダ部、アンローダ部」が前者の「基板搬入搬出部」に相当している。
そして、後者の「キャリア」が前者の「カセット」に、後者の「ローダ部」と「アンローダ部」が前者の「載置台」に、後者の「搬送部」が前者の「基板移載装置」に、後者の「ウェハ移載機構」が前者の「基板搬送ロボット」に、それぞれ相当することは明らかである。
さらに、引用例1の第1図の記載によれば、半導体ウェハの受け渡しを行うアライメントステージ部6は、塗布機構8と現像機構10の間、つまり、前者の「ユニット配置部」に相当する後者の「各処理機構」内に設けられていると認められるから、「ユニット配置部内において、直接又は間接的に基板搬送ロボットとの間で基板の受け渡しを行う」点も、両者で共通している。
してみれば、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。
[一致点]
「基板に所定の処理を施す複数の処理ユニットを配置したユニット配置部と、当該ユニット配置部との間で基板を受け渡す基板搬入搬出部とを備える基板処理装置であって、
前記基板搬入搬出部は、基板を保持する移載アームを鉛直軸回りに回転させ回転機構と、前記移載アームを略水平方向に直線的に複数段にわたって伸縮する伸縮機構とを有する基板移載装置と、所定の方向に配列する複数の載置台とを備え、前記ユニット配置部は、前記移載アームとの間で基板の受け渡しを行う基板搬送ロボットを備え、前記移載アームは、前記所定の方向に沿って移動しつつ、前記載置台に載置されたカセットとの間で基板の受け渡しを行うとともに、前記ユニット配置部内において、直接又は間接的に前記基板搬送ロボットとの間で基板の受け渡しを行う基板処理装置。」

そして、以下の点で相違している。
[相違点1]
本願補正発明1では、基板搬入搬出部の基板移載装置の回転昇降機構が、「基板を保持する移載アームを鉛直軸に沿って昇降させる」のに対し、引用例発明1の搬送部7はそのようなものではない点。
[相違点2]
本願補正発明1では、基板搬入搬出部の基板移載装置の伸縮機構が、「移載アームを略水平方向に直線的に複数段にわたって伸縮する」を有するのに対し、引用例発明1の搬送部はそのようなものではない点。
[相違点3]
本願補正発明1では、基板を保持する移載アームは、「基板搬送ロボットとの間で基板の受け渡しを行う」ものであり、移載アームが直接、基板搬送ロボットに基板の受け渡しを行っているのに対し、引用例発明1においては、搬送部7はアライメントステージ部を介してウェハ移載機構に基板の受け渡しを行っている点。

(2-3)判断
○ 相違点1について
基板移載装置に昇降機構を設けることは、引用例1の、ユニット配置部内のウェハ移載機構12についての記載や、特開平9-153537号公報(以下、「周知例1」という。)記載の基板搬送ロボット3にもみられるように周知事項である。
そして、引用例発明1に上記周知事項を適用し、相違点1とするにあたっての阻害要因も見いだせない。
してみれば、相違点1に係る構成の違いは、引用例発明1に周知事項を組み合わせたにすぎないものであり、当業者が容易に想到し得たものである。
○ 相違点2について
相違点2について検討すると、引用例2には、基板移載アームに直動型スライダーを多段に設けた多段スライド装置を備えたものが記載されており、しかも、当該技術分野が半導体の生産ラインにおけるウェハの搬送装置である点でも、本願補正発明1と引用例発明2とに相違はない。
そして、引用例発明1に引用例発明2を適用し、相違点2とするにあたっての阻害要因も見いだせない。
してみれば、相違点2に係る構成の違いは、引用例発明1に引用例発明2を組み合わせたにすぎないものであり、当業者が容易に想到し得たものである。
○ 相違点3について
基板搬入搬出部の移載アームとユニット配置部の基板搬送ロボットとの間で、基板を直接受け渡しすることは従来周知の事項である。(例えば、前述の周知例1記載の基板搬入搬出ロボット62と基板搬送ロボット3、あるいは、特開平7-245332号公報記載の保持搬送手段108、109と保持搬送手段141、143、等参照。)
してみれば、相違点3に係る構成の違いは、引用例発明1に上記周知事項を適用したにすぎないものであり、当業者が容易に想到し得たものである。
(3)むすび
したがって、本願補正発明1は、引用例発明1、引用例発明2及び周知事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明について
(1)本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし8に係る発明は、平成15年12月25日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載されたとおりのものと認められるところ、請求項1ないし8に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明8」という。)は、以下のとおりのものである。
「 【請求項1】 基板に所定の処理を施す複数の処理ユニットを配置したユニット配置部と、当該ユニット配置部との間で基板を受け渡す基板搬入搬出部とを備える基板処理装置であって、
前記基板搬入搬出部は、基板を保持する移載アームを鉛直軸回りに回転させ鉛直軸に沿って昇降させる回転昇降機構と、前記移載アームを略水平方向に直線的に複数段にわたって伸縮する伸縮機構とを有する基板移載装置を備え、前記ユニット配置部は、前記移載アームとの間で基板の受け渡しを行う基板搬送ロボットを備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】 基板に所定の処理を施す複数の処理ユニットを配置したユニット配置部と、当該ユニット配置部との間で基板を受け渡す基板搬入搬出部とを備える基板処理装置であって、
前記基板搬入搬出部は、基板を保持する移載アームの基端部を鉛直軸回りに回転させ鉛直軸に沿って昇降させる回転昇降機構と、前記移載アームを略水平面内で複数段にわたって屈伸することによって前記移載アームの先端部の姿勢を維持したまま略水平方向に直線的に移動させる屈伸機構とを有する基板移載装置を備え、前記ユニット配置部は、前記移載アームとの間で基板の受け渡しを行う基板搬送ロボットを備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】 基板に所定の処理を施す複数の処理ユニットを配置したユニット配置部と、当該ユニット配置部との間で基板を受け渡す基板搬入搬出部とを備える基板処理装置であって、
前記ユニット配置部は、基板を保持する搬送アームの基端部を鉛直軸回りに回転させ鉛直軸に沿って昇降させる回転昇降機構と、前記搬送アームを略水平面内で複数段にわたって屈伸することによって前記搬送アームの先端部の姿勢を維持したまま略水平方向に直線的に移動させる屈伸機構とを有する基板搬送装置を備え、前記基板搬入搬出部は、前記搬送アームとの間で基板の受け渡しを行う基板移載ロボットを備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】 基板に所定の処理を施す複数の処理ユニットを当該複数の処理ユニットとの間で基板を受け渡す基板搬送装置の周囲に配置したユニット配置部と、当該ユニット配置部との間で基板を受け渡す基板搬入搬出部とを備える基板処理装置であって、
前記基板搬送装置は、基板を保持する搬送アームの基端部を鉛直軸回りに回転させ鉛直軸に沿って昇降させる回転昇降機構と、前記搬送アームを略水平面内で複数段にわたって屈伸することによって前記搬送アームの先端部の姿勢を維持したまま略水平方向に直線的に移動させる屈伸機構とを有し、前記基板搬入搬出部は、前記搬送アームとの間で基板の受け渡しを行う基板移載ロボットを備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】 前記ユニット配置部は、前記複数の処理ユニットを当該処理ユニットとの間で基板を受け渡す基板搬送装置の周囲に配置したものであることを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか記載の基板処理装置。
【請求項6】 前記移載アームは、先端部の基板載置部を含んで3個以上の奇数個のアームセグメントを回転可能に連結してなる連結体であり、前記基板載置アームを除く各アームセグメントの有効長が等しいことを特徴とする請求項2記載の基板処理装置。
【請求項7】 前記搬送アームは、先端部の基板載置部を含んで3個以上の奇数個のアームセグメントを回転可能に連結してなる連結体であり、前記基板載置アームを除く各アームセグメントの有効長が等しいことを特徴とする請求項3及び請求項4のいずれか記載の基板処理装置。
【請求項8】 前記ユニット配置部は、前記複数の処理ユニットを当該処理ユニットとの間で基板を受け渡す基板搬送装置の周囲に配置するとともに、前記基板搬入搬出部とは反対側にインターフェース部との間で基板の受け渡しを行うための受け渡しポジションを配置したものであることを特徴とする請求項3及び請求項4のいずれか記載の基板処理装置。」
(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、及び、その記載事項、ならびに周知事項は、前記2.に記載したとおりである。
(3)対比・判断
本願発明1は、前記2.で検討した本願補正発明1から、前記2.(1)に記載した補正事項の構成を省いたものである。
そうすると、本願発明1の構成を全て含み、さらに他の構成を付加したものに相当する本願補正発明1が、前記2.(2)、(3)に記載したとおり、引用例発明1、引用例発明2及び周知事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明1も、同様の理由により、引用例発明1、引用例発明2及び周知事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(4)むすび
以上のとおり、本願発明1は、引用例発明1、引用例発明2及び周知事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-07-19 
結審通知日 2006-07-25 
審決日 2006-08-07 
出願番号 特願平9-164465
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中島 昭浩  
特許庁審判長 前田 幸雄
特許庁審判官 佐々木 正章
菅澤 洋二
発明の名称 基板処理装置  
代理人 吉竹 英俊  
代理人 有田 貴弘  
代理人 吉田 茂明  
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