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審決分類 |
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 取り消して特許、登録 H04N 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04N |
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管理番号 | 1144467 |
審判番号 | 不服2004-20275 |
総通号数 | 83 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2002-10-04 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-09-30 |
確定日 | 2006-10-17 |
事件の表示 | 特願2001- 91807「放送受信装置」拒絶査定不服審判事件〔平成14年10月 4日出願公開、特開2002-290887、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,平成13年3月28日の出願であって,平成16年8月27日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,平成16年9月30日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに,同日付け及び平成16年10月29日付けで手続補正(いずれも明細書または図面について請求の日から30日以内にする補正)がなされたものである。 第2 平成16年9月30日付け及び平成16年10月29日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成16年9月30日付け及び平成16年10月29日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1 平成16年9月30日付けの手続補正について 1-1 補正の内容 平成16年9月30日付けの手続補正(以下,「本件補正1」ともいう。)は,拒絶査定の対象となった補正前の請求項1ないし8をそれぞれ新たな請求項(補正後の請求項)1ないし8に補正する事項を含むものであるところ,補正前の請求項1ないし8及び本件補正1による補正後の請求項1ないし8はそれぞれ以下のとおりである。 (1)拒絶査定の対象となった補正前の請求項1ないし8 「【請求項1】ディジタル放送波を受信し復調してトランスポートストリームを出力する手段と,前記トランスポートストリームに付加されている付加情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段と,前記トランスポートストリームの全部又は一部を記録する番組記録手段と,記録した番組内容の一覧表を表示する手段と,表示された一覧表のなかから所望の記録番組を選択する記録番組選択手段と,表示された放送予定番組ガイドのなかから一又は連続する二以上の放送予定番組を選択する放送予定番組選択手段と,前記選択された記録番組を前記選択された放送予定番組の時間に再生するように処理する制御手段と,を備えたことを特徴とするディジタル放送受信装置。 【請求項2】請求項1に記載のディジタル放送受信装置において,前記トランスポートストリームに付加されている付加情報に基づいて前記選択された記録番組と長さが同等の一又は連続する二以上の放送予定番組を自動的に抽出して前記放送予定番組ガイド上にて提示するようにしたことを特徴とするディジタル放送受信装置。 【請求項3】ディジタル放送波を受信し復調してトランスポートストリームを出力する手段と,前記トランスポートストリームに付加されている付加情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段と,前記トランスポートストリームの全部又は一部を記録する番組記録手段と,記録した番組内容の一覧表を表示する手段と,表示された一覧表のなかから所望の記録番組を選択する記録番組選択手段と,前記トランスポートストリームに付加されている付加情報に基づいて前記選択された記録番組と長さが同等の一又は連続する二以上の放送予定番組を自動的に抽出して一覧表を表示する手段と,表示された放送予定番組の一覧表のなかから放送予定番組を選択する放送予定番組選択手段と,前記選択された記録番組を前記選択された放送予定番組の時間に再生するように処理する制御手段と,を備えたことを特徴とするディジタル放送受信装置。 【請求項4】請求項2又は請求項3に記載のディジタル放送受信装置において,選択された記録番組がシリーズ仕様の番組である場合,放送予定番組の自動抽出に際しては,シリーズ仕様の放送予定番組を抽出するようにしたことを特徴とするディジタル放送受信装置。 【請求項5】請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のディジタル放送受信装置において,前記選択された記録番組を前記選択された放送予定番組の時間に再生することが確定した場合,放送予定番組ガイドにおける前記選択された放送予定番組の情報が表示されていた箇所に,前記選択された記録番組の情報を書き込んで新たな放送予定番組ガイドを作成するようにしたことを特徴とするディジタル放送受信装置。 【請求項6】請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のディジタル放送受信装置において,前記選択された記録番組を前記選択された放送予定番組の時間に再生することが確定した場合,記録した番組内容の一覧表における前記選択された記録番組についてはその再生予定日時を反映させて新たな一覧表を作成するようにしたことを特徴とするディジタル放送受信装置。 【請求項7】請求項5又は請求項6に記載のディジタル放送受信装置において,新たな放送予定番組ガイド又は新たな一覧表を作成する場合,前記選択された記録番組の情報の表示箇所には再生予約済であることを示す情報を付記するようにしたことを特徴とするディジタル放送受信装置。 【請求項8】 ディジタル放送波を受信し復調してトランスポートストリームを出力する手段と,前記トランスポートストリームに付加されている付加情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段と,前記トランスポートストリームの全部又は一部を記録する番組記録手段と,記録した番組内容の一覧表を表示する手段と,表示された一覧表のなかから所望の記録番組を選択する記録番組選択手段と,選択された記録番組がシリーズ仕様の番組である場合,毎日又は毎週の一定時刻の入力を促す手段と,前記選択された記録番組を前記入力された毎日又は毎週の一定時刻に再生するように処理する制御手段と,放送予定番組ガイドにおける前記選択された放送予定番組の情報が表示されていた箇所に,前記選択された記録番組の情報を書き込んで新たな放送予定番組ガイドを作成する手段と,を備えたことを特徴とするディジタル放送受信装置。」 (2)本件補正1による補正後の請求項1ないし8 「【請求項1】放送波を受信し復調する復調手段と,前記復調手段の出力から得られる番組情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段と,前記復調手段の出力の全部又は一部を記録する番組記録手段と,記録した番組内容の一覧表を表示する手段と,表示された一覧表のなかから所望の記録番組を選択する記録番組選択手段と,表示された放送予定番組ガイドのなかから一又は連続する二以上の放送予定番組を選択する放送予定番組選択手段と,前記選択された記録番組を前記選択された放送予定番組の時間に再生するように処理する制御手段と,を備えたことを特徴とする放送受信装置。 【請求項2】請求項1に記載の放送受信装置において,前記番組情報に基づいて前記選択された記録番組と長さが同等の一又は連続する二以上の放送予定番組を自動的に抽出して前記放送予定番組ガイド上にて提示するようにしたことを特徴とする放送受信装置。 【請求項3】放送波を受信し復調する復調手段と,前記復調手段の出力から得られる番組情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段と,前記復調手段の出力の全部又は一部を記録する番組記録手段と,記録した番組内容の一覧表を表示する手段と,表示された一覧表のなかから所望の記録番組を選択する記録番組選択手段と,前記番組情報に基づいて前記選択された記録番組と長さが同等の一又は連続する二以上の放送予定番組を自動的に抽出して一覧表を表示する手段と,表示された放送予定番組の一覧表のなかから放送予定番組を選択する放送予定番組選択手段と,前記選択された記録番組を前記選択された放送予定番組の時間に再生するように処理する制御手段と,を備えたことを特徴とするディジタル放送受信装置。 【請求項4】請求項2又は請求項3に記載の放送受信装置において,選択された記録番組がシリーズ仕様の番組である場合,放送予定番組の自動抽出に際しては,シリーズ仕様の放送予定番組を抽出するようにしたことを特徴とする放送受信装置。 【請求項5】請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の放送受信装置において,前記選択された記録番組を前記選択された放送予定番組の時間に再生することが確定した場合,放送予定番組ガイドにおける前記選択された放送予定番組の情報が表示されていた箇所に,前記選択された記録番組の情報を書き込んで新たな放送予定番組ガイドを作成するようにしたことを特徴とする放送受信装置。 【請求項6】請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の放送受信装置において,前記選択された記録番組を前記選択された放送予定番組の時間に再生することが確定した場合,記録した番組内容の一覧表における前記選択された記録番組についてはその再生予定日時を反映させて新たな一覧表を作成するようにしたことを特徴とする放送受信装置。 【請求項7】請求項5又は請求項6に記載の放送受信装置において,新たな放送予定番組ガイド又は新たな一覧表を作成する場合,前記選択された記録番組の情報の表示箇所には再生予約済であることを示す情報を付記するようにしたことを特徴とする放送受信装置。 【請求項8】放送波を受信し復調する復調手段と,前記復調手段の出力から得られる番組情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段と,前記復調手段の出力の全部又は一部を記録する番組記録手段と,記録した番組内容の一覧表を表示する手段と,表示された一覧表のなかから所望の記録番組を選択する記録番組選択手段と,選択された記録番組がシリーズ仕様の番組である場合,毎日又は毎週の一定時刻の入力を促す手段と,前記選択された記録番組を前記入力された毎日又は毎週の一定時刻に再生するように処理する制御手段と,放送予定番組ガイドにおける前記選択された放送予定番組の情報が表示されていた箇所に,前記選択された記録番組の情報を書き込んで新たな放送予定番組ガイドを作成する手段と,を備えたことを特徴とする放送受信装置。」 1-2 補正の目的の適否 本件補正1は,概略,以下の補正事項1ないし8を含む。 補正事項1 補正前の請求項1の「ディジタル放送波を受信し復調してトランスポートストリームを出力する手段」,「前記トランスポートストリームに付加されている付加情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段」,「前記トランスポートストリームの全部又は一部を記録する番組記録手段」を,それぞれ,「放送波を受信し復調する復調手段」,「前記復調手段の出力から得られる番組情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段」,「前記復調手段の出力の全部又は一部を記録する番組記録手段」に補正するとともに,補正前の請求項1の末尾を「ディジタル放送受信装置」から「放送受信装置」に補正する。 補正事項2 補正前の請求項2の「前記トランスポートストリームに付加されている付加情報」を「前記番組情報」に補正するとともに,補正前の請求項2の末尾を「ディジタル放送受信装置」から「放送受信装置」に補正する。 補正事項3 補正前の請求項3の「ディジタル放送波を受信し復調してトランスポートストリームを出力する手段」,「前記トランスポートストリームに付加されている付加情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段」,「前記トランスポートストリームの全部又は一部を記録する番組記録手段」,「前記トランスポートストリームに付加されている付加情報に基づいて前記選択された記録番組と長さが同等の一又は連続する二以上の放送予定番組を自動的に抽出して一覧表を表示する手段」を,それぞれ,「放送波を受信し復調する復調手段」,「前記復調手段の出力から得られる番組情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段」,「前記復調手段の出力の全部又は一部を記録する番組記録手段」,「前記番組情報に基づいて前記選択された記録番組と長さが同等の一又は連続する二以上の放送予定番組を自動的に抽出して一覧表を表示する手段」に補正する。 補正事項4 補正前の請求項4の末尾を「ディジタル放送受信装置」から「放送受信装置」に補正する。 補正事項5 補正前の請求項5の末尾を「ディジタル放送受信装置」から「放送受信装置」に補正する。 補正事項6 補正前の請求項6の末尾を「ディジタル放送受信装置」から「放送受信装置」に補正する。 補正事項7 補正前の請求項7の末尾を「ディジタル放送受信装置」から「放送受信装置」に補正する。 補正事項8 補正前の請求項8の「ディジタル放送波を受信し復調してトランスポートストリームを出力する手段」,「前記トランスポートストリームに付加されている付加情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段」,「前記トランスポートストリームの全部又は一部を記録する番組記録手段」を,それぞれ,「放送波を受信し復調する復調手段」,「前記復調手段の出力から得られる番組情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段」,「前記復調手段の出力の全部又は一部を記録する番組記録手段」に補正するとともに,補正前の請求項8の末尾を「ディジタル放送受信装置」から「放送受信装置」に補正する。 本件補正1は,各補正の内容からみて,特許法第17条の2第4項に規定する,請求項の削除(第1号),誤記の訂正(第3号),明りょうでない記載の釈明(第4号)のいずれを目的とするものでもないことは明らかである。 そこで,本件補正1が,特許法第17条の2第4項第2号(特許請求の範囲の減縮)の規定に適合するか否かにつき検討する。 (1)補正事項1について 補正前の請求項1に係る発明は,「ディジタル放送受信装置」であって,「ディジタル放送波」を受信し復調して「トランスポートストリーム」を出力し,その全部又は一部を記録するとともに,「トランスポートストリームに付加されている付加情報」に基づいて放送予定番組ガイドを表示するものである。 一方,上記補正事項1によれば,補正後の請求項1に係る発明は,「放送受信装置」であって,「放送波」を受信し復調して,その全部又は一部を記録するとともに,「復調手段の出力から得られる番組情報」に基づいて放送予定番組ガイドを表示するものである。 上記補正事項1により,補正後の請求項1に係る発明の受信対象は,「ディジタル放送波」に限らず,例えば,番組情報が垂直同期帰線期間に挿入されたアナログ地上波にまで拡張されることが明らかであり, また,補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「ディジタル放送波を受信し復調してトランスポートストリームを出力する手段」,「前記トランスポートストリームに付加されている付加情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段」,「前記トランスポートストリームの全部又は一部を記録する番組記録手段」を,それぞれ「放送波を受信し復調する復調手段」,「前記復調手段の出力から得られる番組情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段」,「前記復調手段の出力の全部又は一部を記録する番組記録手段」にする補正は,上記特定事項を限定するものとはいえないから, 上記補正事項1は,特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当しない。 (2)補正事項3について 補正前の請求項3に記載した発明を特定するために必要な事項である「ディジタル放送波を受信し復調してトランスポートストリームを出力する手段」,「前記トランスポートストリームに付加されている付加情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段」,「前記トランスポートストリームの全部又は一部を記録する番組記録手段」,「前記トランスポートストリームに付加されている付加情報に基づいて前記選択された記録番組と長さが同等の一又は連続する二以上の放送予定番組を自動的に抽出して一覧表を表示する手段」を,それぞれ「放送波を受信し復調する復調手段」,「前記復調手段の出力から得られる番組情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段」,「前記復調手段の出力の全部又は一部を記録する番組記録手段」,「前記番組情報に基づいて前記選択された記録番組と長さが同等の一又は連続する二以上の放送予定番組を自動的に抽出して一覧表を表示する手段」にする補正は,少なくとも上記特定事項を限定するものとはいえないから,上記補正事項3は,特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当しない。 (3)補正事項2,4ないし8について 補正事項2,4ないし8は,上記(1)と同様の理由により,特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当しない。 (4)まとめ したがって,本件補正1は,特許法第17条の2第4項第2号の規定に適合しない。 以上より,本件補正1は,特許法第17条の2第4項第1号ないし第4号のいずれを目的とするものでもないから,特許法第17条の2第4項の規定に適合しない。 1-3 まとめ 以上のとおり,本件補正1は,特許法第17条の2第4項の規定に適合しないから,特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 2 平成16年10月29日付けの手続補正について 2-1 補正の内容 平成16年10月29日付けの手続補正(以下,「本件補正2」ともいう。)は,上記拒絶査定の対象となった補正前の請求項1ないし8をそれぞれ新たな請求項(補正後の請求項)1ないし8に補正する事項を含むものであるところ,本件補正2による補正後の請求項1ないし8は以下のとおりである。 「【請求項1】放送波を受信し復調する復調手段と,前記復調手段の出力から得られる番組情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段と,前記復調手段の出力の全部又は一部を記録する番組記録手段と,記録した番組内容の一覧表を表示する手段と,表示された一覧表のなかから所望の記録番組を選択する記録番組選択手段と,表示された放送予定番組ガイドのなかから一又は連続する二以上の放送予定番組を選択する放送予定番組選択手段と,前記選択された記録番組を前記選択された放送予定番組の時間に再生するように処理する制御手段と,を備えたことを特徴とする放送受信装置。 【請求項2】請求項1に記載の放送受信装置において,前記番組情報に基づいて前記選択された記録番組と長さが同等の一又は連続する二以上の放送予定番組を自動的に抽出して前記放送予定番組ガイド上にて提示するようにしたことを特徴とする放送受信装置。 【請求項3】放送波を受信し復調する復調手段と,前記復調手段の出力から得られる番組情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段と,前記復調手段の出力の全部又は一部を記録する番組記録手段と,記録した番組内容の一覧表を表示する手段と,表示された一覧表のなかから所望の記録番組を選択する記録番組選択手段と,前記番組情報に基づいて前記選択された記録番組と長さが同等の一又は連続する二以上の放送予定番組を自動的に抽出して一覧表を表示する手段と,表示された放送予定番組の一覧表のなかから放送予定番組を選択する放送予定番組選択手段と,前記選択された記録番組を前記選択された放送予定番組の時間に再生するように処理する制御手段と,を備えたことを特徴とする放送受信装置。 【請求項4】請求項2又は請求項3に記載の放送受信装置において,選択された記録番組がシリーズ仕様の番組である場合,放送予定番組の自動抽出に際しては,シリーズ仕様の放送予定番組を抽出するようにしたことを特徴とする放送受信装置。 【請求項5】請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の放送受信装置において,前記選択された記録番組を前記選択された放送予定番組の時間に再生することが確定した場合,放送予定番組ガイドにおける前記選択された放送予定番組の情報が表示されていた箇所に,前記選択された記録番組の情報を書き込んで新たな放送予定番組ガイドを作成するようにしたことを特徴とする放送受信装置。 【請求項6】請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の放送受信装置において,前記選択された記録番組を前記選択された放送予定番組の時間に再生することが確定した場合,記録した番組内容の一覧表における前記選択された記録番組についてはその再生予定日時を反映させて新たな一覧表を作成するようにしたことを特徴とする放送受信装置。 【請求項7】請求項5又は請求項6に記載の放送受信装置において,新たな放送予定番組ガイド又は新たな一覧表を作成する場合,前記選択された記録番組の情報の表示箇所には再生予約済であることを示す情報を付記するようにしたことを特徴とする放送受信装置。 【請求項8】放送波を受信し復調する復調手段と,前記復調手段の出力から得られる番組情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段と,前記復調手段の出力の全部又は一部を記録する番組記録手段と,記録した番組内容の一覧表を表示する手段と,表示された一覧表のなかから所望の記録番組を選択する記録番組選択手段と,選択された記録番組がシリーズ仕様の番組である場合,毎日又は毎週の一定時刻の入力を促す手段と,前記選択された記録番組を前記入力された毎日又は毎週の一定時刻に再生するように処理する制御手段と,放送予定番組ガイドにおける前記選択された放送予定番組の情報が表示されていた箇所に,前記選択された記録番組の情報を書き込んで新たな放送予定番組ガイドを作成する手段と,を備えたことを特徴とする放送受信装置。」 2-2 補正の目的の適否 本件補正2は,上記2-1で検討した本件補正1の補正事項1ないし8に加え,補正前の請求項3の末尾を「ディジタル放送受信装置」から「放送受信装置」にする補正(以下,上記補正事項3と本件補正2でさらに補正された事項とを併せた補正を「補正事項3’」ともいう。)を含むものである。 本件補正2は,各補正の内容からみて,特許法第17条の2第4項に規定する,請求項の削除(第1号),誤記の訂正(第3号),明りょうでない記載の釈明(第4号)のいずれを目的とするものでもないことは明らかである。 そこで,本件補正2が,特許法第17条の2第4項第2号(特許請求の範囲の減縮)の規定に適合するか否かにつき検討する。 (1)補正事項1ないし2,4ないし8について 上記2-1のとおり,補正事項1ないし2,4ないし8は,特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当しない。 (2)補正事項3’について 上記補正事項3’により,補正後の請求項3に係る発明の受信対象は,「ディジタル放送波」に限らず,例えば,番組情報が垂直同期帰線期間に挿入されたアナログ地上波にまで拡張されることが明らかであり(上記2-1(1)と同様の理由による。), また,補正前の請求項3に記載した発明を特定するために必要な事項である「ディジタル放送波を受信し復調してトランスポートストリームを出力する手段」,「前記トランスポートストリームに付加されている付加情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段」,「前記トランスポートストリームの全部又は一部を記録する番組記録手段」,「前記トランスポートストリームに付加されている付加情報に基づいて前記選択された記録番組と長さが同等の一又は連続する二以上の放送予定番組を自動的に抽出して一覧表を表示する手段」を,それぞれ「放送波を受信し復調する復調手段」,「前記復調手段の出力から得られる番組情報に基づいて放送予定番組ガイドを表示する手段」,「前記復調手段の出力の全部又は一部を記録する番組記録手段」,「前記番組情報に基づいて前記選択された記録番組と長さが同等の一又は連続する二以上の放送予定番組を自動的に抽出して一覧表を表示する手段」にする補正は,上記特定事項を限定するものとはいえないから, 上記補正事項3’は,特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当しない。 (3)まとめ したがって,本件補正2は,特許法第17条の2第4項第2号の規定に適合しない。 以上より,本件補正2は,特許法第17条の2第4項第1号ないし第4号のいずれを目的とするものでもないから,特許法第17条の2第4項の規定に適合しない。 2-3 まとめ 以上のとおり,本件補正2は,特許法第17条の2第4項の規定に適合しないから,特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 第3 本願発明について 平成16年9月30日付け及び平成16年10月29日付けの手続補正は上記のとおり却下する。 本願の請求項1ないし8に係る発明は,出願当初の特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定されるものであると認める。 そして,本願については,原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2006-10-04 |
出願番号 | 特願2001-91807(P2001-91807) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H04N)
P 1 8・ 572- WY (H04N) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 酒井 朋広 |
特許庁審判長 |
原 光明 |
特許庁審判官 |
堀井 啓明 北岡 浩 |
発明の名称 | 放送受信装置 |
代理人 | ▲角▼谷 浩 |