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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1144506
審判番号 不服2001-19584  
総通号数 83 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-05-08 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-11-01 
確定日 2006-10-10 
事件の表示 特願2000-320926「パチンコホールで得た景品の換金システム」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 5月 8日出願公開、特開2002-126335〕についてなされた、平成14年10月25日付審決に対して、東京高等裁判所において前記審決を取り消す旨の判決(平成14年(行ケ)第603号 、平成15年9月8日判決言渡)があったので、更に審理の上、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続きの経緯
本願は、平成12年10月20日の出願であって、その特許請求の範囲の請求項1に記載された発明は、平成13年9月19日付で拒絶査定され、これに対して拒絶査定不服の審判が請求(不服2001-19584号)され、平成14年10月25日付で、本件審判の請求は成り立たない旨の審決がなされたところ、請求人はこれを不服として東京高等裁判所に当該審決の取消を求める訴(平成14年(行ケ)第603号)を提起し、前記審判の請求は成り立たない旨の審決は、平成15年9月8日言い渡しの判決にて取り消され、更に審理の上平成16年6月14日付で特許法第36条第4項、6項、及び同法第29条第2項の拒絶理由を通知し、当該拒絶理由通知に対応して平成16年8月6日に意見書を提出すると共に手続補正がなされたものである。


第2.本願発明
本願発明は、平成16年8月6日付手続補正書に記載された以下のとおりのものである。
「パチンコホールのホール端末と、換場業者の換場業者端末と、これらの端末と通信網を介して必要な情報を授受できるサーバーと、を有してなるシステムであって、
通信網を介して注文を受け商品を販売する電子商取引サイトが提供する景品に関する情報を格納する記憶部を有し、
通信網を介してホール端末に対し上記記憶部に格納されている景品情報を提供し、パチンコホールにおいて客が獲得した玉の玉数に応じて玉と交換する景品の注文を受け付け、
注文を受けた景品に関する景品注文データを上記記憶部に記憶し、換場業者端末から送信され換場業者が買い取った注文済目録の景品データを上記記憶部に記憶し、または客が注文した景品の受け取りを希望する旨の通知を受けた場合には上記電子商取引サイトに対して当該景品を客に届ける旨の指示を通知して上記記憶部に記憶するサーバーと、
パチンコホールに設置され、通信網を介して前記サーバより提供される景品情報に含まれる景品を注文するための情報入力手段と、該情報入力手段により入力して注文した景品及び注文に関する情報を記録した情報記録媒体である注文済目録を発行する目録発行手段及び注文された景品の品目と個数を記録した注文明細レシートを発行するレシート発行手段を備えたホール端末と、
客が持参する景品としての注文済目録と注文明細シートを買い上げる換場業者に設置され、前記注文済目録と注文明細レシートに記載された景品情報を読み取る注文済目録読取手段と、注文された景品に対応する金額を表示する表示手段と、該注文済目録表示手段により読み取ったデータとパチンコホールより送信される注文済目録と注文明細レシートに関するデータとを照合する照合手段を有し、買い取った注文済目録の景品データを上記サーバーに送信する換場業者端末と、
からなるパチンコホールで得た景品の換金システム」


第3. 理 由
[1].特許法第36条第4項について、
(1). 換金を目的とする場合としない場合で景品注文データの送信先が相違するのは、端末20から注文する景品として、換金を目的とする場合は、「特殊景品」等のように「景品」が特定されているのか、または、注文明細レシートR及び注文済目録tから成る引換券のみを要し、景品自体を不必要としたものであるのか依然として不明瞭である。
すなわち、
明細書の段落【0032】の「景品を現金に交換することを希望する場合、又はインターネットのショッピングモール上の景品を希望する場合は、端末20を操作して、景品を注文する。ここでは換金を目的とする場合であるため、端末20の操作によりインターネットのショッピングモール上の景品を注文する(S4)。なお、端末20により景品を注文すると、注文明細レシートR及び注文済目録tが発行され、客はそれらの注文明細レシートR及び注文済目録(磁気カード)tを持って換場業者Eに行く(S5)。端末20により注文された景品注文データは換場業者の専用端末(パソコン)30に送信され(S6)、同時に景品業者Mの端末50及び管理会社Aのサーバ40にも送信される(S7、S8)。」との記載によると、換金を目的とする場合、端末20よりショッピングモール上の景品を注文すると、その景品注文データは、換場業者Eと景品業者M、管理会社Aに送信されることとなる。
一方換金を目的としない場合には、明細書の段落【0091】の「ところで、客が注文した景品の換金を希望しない場合、即ち、注文した景品を受け取ることを希望する場合も想定される。この場合、ホールHで景品をホール端末20を介して注文する場合に景品を購入する旨のデータを管理会社に送信することとなる。そして、この場合、例えば、自宅への配送、あるいはホールHでの受け取り等、受け取り場所も併せて送信する。この場合、管理会社Aは、その旨をショッピングモールサイトSMに伝達し、商品を客に届ける(図3、S200)。」との記載から、景品交換を目的とする場合、管理会社Aは、その旨をショッピングモールサイトSMに伝達し、商品を客に届けることとなる。
さらに、第1の実施形態を示す図3においては、ホールは、景品(仕入れ)データ、最新景品情報コンテンツ(S20)等の単なるデータのみ受け入れているのに対し、第1の実施形態から「景品業者」を除いた第2の実施形態を示す 第12図においては、景品仕入れ(S102)として、景品が受け入れられている。
してみると、
換金を目的とする場合と景品交換を目的とする場合とでは景品注文データの送信先が異なっているが、換金を目的とする場合は、景品を指定するまでもなく景品が特定されているのか、それとも景品を不要とするのか不明瞭である。
なお、
(ア).この点に関して請求人は、平成16年8月6日付意見書(以下「意見書」という)において以下(ア-1)〜(ア〜3)のように主張する。
(ア-1).「景品は特定されている。ただし、「特殊景品」のように換金のみを目的として限定された景品ではなく、換金する場合も景品を入手する場合も、注文明細レシートに記録された景品には全く区別が無い、という意味で「特殊景品」として特定されるものではない。
(ア-2).「景品を入手する場合は、その意思表示をし、ホールではその意思表示を受けてホール端末20を介して景品を購入する旨のデータを管理会社に送信します。それ以後は、客が景品を手にするために必要な処理が行われます。当然ながら、その場合は、換場における換金は出来ないように、サーバが処理します。換言すれば、上記サーバーによって景品の購入処理が行われていないことを条件として注文済目録と注文明細レシートを換場に持っていくことによって換金することができます。」
(ア-3).「客が換金を目的とする場合も、換金を目的としない場合も、インターネットのショッピングモール上の景品を注文するようになっていることは明らかであります。「ショッピングモール上の景品を注文する」とはいえ、換金する場合は、景品の配送を依頼することが無いので、注文データがショッピングモールに届いていないのです。」
(イ).しかしながら、
(イ-1).明細書の段落【0059】に「ここで、POSレジ21は、更に、操作部に、客がインターネット上の景品以外の景品を望むとき、あるいは、換金可能な景品と交換を望むときに操作する交換ボタン(図示せず)を備えている」と記載されており、当該記載に基づけば、景品には換金可能な景品と換金できない景品が存在することとなり、このことは、いわゆる「特殊景品」とそれ以外の「景品」と区別されることを意味するものであるから、請求人の前記(ア-1)の主張と齟齬する。
したがって、請求人の前記(ア-1)の主張は採用できない。
(イ-2).換金しない場合、換場における換金は出来ないようにサーバが処理する旨の主張に関する記載は明細書には認められない。さらに、インターネットのショッピングモール上で注文した景品は、如何に処理されるのか記載されていないから、換金用景品を不要としているのか否か依然として不明である。
したがって、請求人の前記(ア-2)、(ア-3)の主張は、各々明細書の記載に基づかない主張、不明点が解消されない主張であるから採用できない。

(2).「注文明細レシートRと注文済目録t」の性格が依然として不明である。
すなわち、
(i). 段落【0036】に「なお、ここで注文明細レシートRと注文済目録tは注文内容と景品の内容を示すものであり、注文された特定の景品のみと交換できる引換券であり、有価証券には該当しないものである。」と記載され、
(ii).段落【0038】に「次に換場業者Eは、買い取った景品を景品業者Mに売却する(S11)。」と記載され、
(iii).段落【0042】に「客がホールHにおいて景品を注文すると、ホールにおいては注文済目録tが発行され、その注文済目録が事実上の景品となって、以後流通するが、ホールは注文に見合う景品、すなわち、発行した注文済目録tに見合う景品を仕入れる必要がある。」と記載されている
(iv).段落【0071】に「[景品業者Mの装置および操作]・・・。また、景品業者Mは換場業者Eにより景品、すなわち注文済目録tを買い取ることとなるが、・・・」と記載されている
(v).してみると、
(a).注文済目録は、「事実上の景品」、「買い取った景品」となって、以後流通するものであるから、「注文明細レシートR」は景品引換券としての機能を果たさないこととなるので、「注文明細レシートR」の如何なる性格を以て引換券とするのか依然として不明瞭である。
(b).前記段落【0042】によると、発行した注文済目録tに見合う景品を仕入れる必要があるとされているが、第1の実施形態を示す図3においては、第2の実施形態を示す第12図に示されるような、「景品仕入れ(S102)」が示されていない。しかも、景品の仕入れは、管理会社AがショッピングモールSMとの間で販売受託契約を結び景品業者Mをとおしてホールに卸しているものであるが、当該管理会社Aは、保管している、買い取った引換券である「注文済目録」を前記景品の仕入れに利用するのか、あるいは、仕入れと関係しないのか不明瞭である。
してみると、発行した注文済目録tに見合ように仕入れられた景品に対して、ホールH発行の引換券は如何なる作用を為すのかその性格が不明瞭である。
(ア).なお、
この点に関してして請求人は、換場で換金された場合は、ホール、管理会社、換場業者、景品業者からなる当事者間において決済するためには注文済目録があればよく、注文明細レシートは必要ありません。さらに言えば、注文済目録は当事者間で決済するために必須のものである旨主張する。
(イ).しかしながら、
「注文済目録」が、「当事者間で決済するため」のものであることは明細書には記載されていないばかりでなく、「当事者間で決済するため」のものとすると、換金は「注文明細レシート」のみにて行われこととなるから、当該「注文明細レシート」はパチンコ店が発行した有価証券としての性格を持つといえる。一方、「注文済目録」は管理会社、景品業者等の第3者間において「売買」されることを勘案すれば、単なるデータ伝票ではなく有価価値を持つものと認められる。
してみると、当該主張は、明細書の「注文された特定の景品のみと交換できる引換券であり、有価証券には該当しない」との説明と整合しないものであるから、採用できないものである。

(3).買い取った、引換券である注文済目録tを管理会社Aが保管する意義(作用・効果)が依然として不明である。
すなわち、
管理会社Aは、景品引換券である注文済目録tを以てショッピングモールから景品を受領するか、又は、当該引換券は、換場業者、景品業者と売買されてきた経緯からすると財産的価値を有するものであるから売却するケースも考えられるが、第3図には当該引換券の売却先は示されていない。
したがって、注文済目録tの処分として、管理会社Aが保管する意義(作用・効果)が依然として不明瞭である。
なお、
(ア).この点に関して、請求人は、
ショッピングモールに景品の配送依頼をしていないので、換場業者が客から買い取った注文済目録は、景品業者に売却され、景品業者は注文済目録を管理会社に売却し、管理会社はこれをストックします。ストックされた註文済目録はホールに提供して再利用することも出来る旨主張する。
(イ).しかしながら、
(イ-1).ショッピングモールに景品の配送依頼をしていないことは、ショッピングモールに対して管理会社Aは、景品を注文していないこととなるが、景品引換券である、注文明細レシートRと注文済目録tは、どのようにして景品に引き換えることが出来るのか不明である。
(イ-2).また、ストックされた注文済目録はホールに提供して再利用できる旨主張するが、注文済目録には、ホール名、注文番号、注文日時が記載されており、これらの記載事項を如何に処理して如何に再利用するのか、さらには、ホール端末からプリントアウトされる注文済目録と注文レシート等と再利用される引換券との間を如何に調整して再利用するのか不明であるばかりでなく、そもそも前記事項は明細書に記載されていない事項である。
したがって、請求人の当該主張は採用できない。

[2].特許法第36条第6項の拒絶理由
(1).特許請求の範囲の請求項1には、サーバー、ホール端末、買い上げる注文済目録と注文レシートの景品に対応する金額表示手段、及びデータ照合手段を備えた換場業者端末等、個々の装置の存在は記載されているが、換場業者が客に払い出した金銭をホールがどのように支払うのかそのシステムが不明瞭であるから、換金システムとしての発明が明確ではない 。
すなわち、
遊技者が遊技場で獲得した玉は遊技場では景品と交換して持ち帰ることとなっており、景品を現金や有価証券などに替えることはできないので、パチンコ店は換金用の景品を客に渡し、客は景品交換所にてその景品を売却し、景品交換所は問屋を通じて再びパチンコ店に環流される、いわゆる「三店方式」にて換金しているものであるから、客が換金する金額の実質的負担者がパチンコ店であることは明らかである。
しかしながら、客が換場業者で換金した金額、すなわち、景品データは「サーバ」に記憶されるのみで、パチンコ店は、客が換場業者で換金した金額を如何に負担するのか明確ではない。
(2).特許請求の範囲の請求項1に記載されている「客が持参する景品としての注文済目録と注文明細シート」の意味が明確でない。
すなわち、
注文済目録と注文明細シートは、引換券であって、景品ではないのに対し、前記記載は、注文済目録と注文明細シートが景品である旨の記載となっておりこの点明確でない。
(3).特許請求の範囲の請求項1に、「注文済目録」の記載事項である「景品及び注文に関する情報」は、注文明細レシートに記録された「注文された景品の品目と個数」を文言上含むと認められ、すると、注文済目録と注文明細レシートの相違が不明瞭である。
(4).まとめ
したがって、請求項1に記載された発明は、特許を受けようとする発明が明確でない。
なお、
(ア).この点について請求人は
図11「資金(景品代)の流れ」を参照すれば、ホールから換場業者に対して金銭の支払いは発生しておらず、客から受け取った注文済目録を景品業者に売却することによって換場業者の決済が行われる旨主張する。
(イ).しかしながら、
特許請求の範囲には、注文済目録の景品データは「サーバ」に記憶されるのみで、当該記憶による作用・効果も明細書の詳細な説明には記載されていないから、誰が景品を換金した際の換金金額を負担するのか不明であるばかりでなく、特許請求の範囲には、景品業者が注文済目録を買い取ることは記載されていない。
したがって、請求人の当該主張は特許請求の範囲に基づく主張ではないので採用できない。

[3].特許法第29条第2項の拒絶理由
なお、本願発明は前記のように、明細書記載事項が不明瞭であり、請求項1に記載された発明は明確でない等の不備を有するものであるが、当該不備の点は実施例を参酌しながら請求項1に記載された発明に基づいて発明の進歩性に関する判断を以下に記載する。
(1).刊行物に記載された発明
原審において、拒絶の理由に引用された特開平11-57178号公報(以下「刊行物1」という。)には、以下のことが記載されている。
(A-1).「【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来の直接景品引渡システムでは、店頭に景品を陳列するため、店頭のスペースや店頭在庫が必要であった。また、客がカタログで景品を選択して、選択された景品を指定された配達先に宅配する景品宅配システムでは、配送センターに在庫が必要であり、配達の手間もかかる。いずれの場合も在庫や配送のコストがかかるという問題がある。」(第2欄第12〜19行)」
(A-2).「【0006】【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明では、遊戯場の店頭で客が景品を選択すると、ネットワークを介して景品を扱っている商店に通知して、景品の引渡を依頼するとともに、商店では、客が来店すると本人であることを確認して景品を引き渡すように構成する。」(第2欄第23〜29行)
(A-3).「【0015】パチンコホールで、客は遊戯場端末1に接続された計数装置(図示せず)で玉を計数してもらう。他の種類の遊戯場と共通の景品を提供するために、計数値は点数に換算され、その点数でもらえる景品のカタログが遊戯場端末1に表示される。図3に示すように、客は画面に表示された景品のカタログから景品を選択する。景品を選択すると、景品の種類と数量のデータが、遊戯場端末1から通信回線2を経由してセンターサーバ3に伝送される。センターサーバ3では、その景品を扱っている商店のメールボックスに、景品の種類と数量と取引識別符号などからなる景品引渡依頼を書き込む。それと同時に、遊戯場端末1に対して、景品の種類と数量と識別符号を送信する。遊戯場端末1では、景品を引き渡す商店と識別符号を書いた個人認証票を発行して客に渡す。個人認識票には、バーコードなどの機械読取り可能な符号を印刷する。」(第3欄第44行〜第4欄第9行)
(A-4).「【0016】客は、個人認証票を持って指定された商店に出向き、景品の引渡しを請求する。商店では、個人認証票のバーコードを読み取って確認し、商店端末5を使ってセンターサーバ3をアクセスし、景品引渡情報をメールボックス4で確認して、客に景品を引き渡す。その後、センターサーバ3に、景品引渡しが完了したことを通知する。センターサーバ3では、景品引渡し完了を受信すると、取引を記録してメールボックス4の当該データを消去する。」(第4欄第12〜20行)
(A-5).してみると、刊行物1には以下の発明「以下、「引用発明」という)が記載されている。
「客がカタログで景品を選択して、選択された景品を指定された配達先に宅配する景品宅配システムでは、配送センターに在庫が必要であり、配達の手間もかかり、在庫や配送のコストがかかるという問題を解決するために、遊戯場の店頭で客が景品を選択すると、ネットワークを介して景品を扱っている商店に通知して景品の引渡を依頼するとともに、商店では、客が来店すると本人であることを確認して景品を引き渡すシステムであって、
具体的には、景品のカタログが表示された遊戯場端末1にて景品を選択すると、景品の種類と数量のデータが、遊戯場端末1から通信回線2を経由してセンターサーバ3に伝送され、センターサーバ3では、その景品を扱っている商店のメールボックスに、景品の種類と数量と取引識別符号などからなる景品引渡依頼を書き込むと同時に遊戯場端末1において、景品を引き渡す商店と識別符号を書いた個人認証票を発行して客に渡し、客は個人認証票を持って指定された商店に出向いて景品の引渡しを請求すると、商店では、個人認証票のバーコードを読み取って確認し、商店端末5を使ってセンターサーバ3をアクセスし、景品引渡情報をメールボックス4で確認して、客に景品を引き渡した後、センターサーバ3に、景品引渡しが完了したことを通知すると、センターサーバ3では、景品引渡し完了を受信し、取引を記録してメールボックス4の当該データを消去する景品引渡システム。」

(2).「パチンコ業界用語辞典」(株式会社プレイグラフ社編集発行、平成7年9月20日発行、以下「刊行物2」という)には、以下の事項が記載され、当該記載事項は本願出願前既に周知の事項と認められる。
(B-1).「有価証券合法化構想 生活安全研究会の「風俗営業等の在り方に関する調査委員会」において「パチンコ景品に有価証券を認める方向で審議していることを94年に警察庁が公表し、同日のTVニュースと翌日の朝刊各紙で景品としての有価証券の可能性が一斉に報じられた。約10兆円前後と推定される特殊景品市場を新市場にスライドさせる構想内容の衝撃度もさることながら、法律上は明確な違法行為であるのにパチンコ客の暗黙の了解のもと公然と実施され、その是非が論議されることすらなかった「換金問題」に初めてメスを入れた、・・・。ただし生活安全研究会が94年10月に発表した最終報告は、有価証券については「換金需要を減らすための商品券やプリペイドカード提供に関してはさらに慎重な検討を要する」との結論が出され、ひとまずペンディングされた形になった。かわりに換金合法化策に“推奨”されたのが「やむを得ない換金需要については第三者機関を通じてホールが買取るシステム」という「公的な第三者機関」を設けるというものである。」(第173頁)
(B-2).「景品 客が獲得した出玉を店内で交換する商品のことを「景品」と呼んでいる。景品には一般景品(いっぱんけいひん)と特殊景品(とくしゅけいひん)があり(詳細は各項参照)、現在は特殊景品の交換率が圧倒的で9割を越えていると言われる。」(第33頁)
(B-3).「一般景品 出玉と交換する景品のうち、換金用の景品(特殊景品)と区別してこう呼ぶ。タバコ・菓子・雑貨類など様々な種類があり、例えば、総合数250台の店では台数と同じ最低250点以上品揃えすることと、一般景品の陳列スペース(景品コーナー)は、店内面積の一定割合を確保することが監督官庁から指導されている。しかし端玉をタバコやチョコレートなどに交換する「端玉景品」は別として、一般景品の交換率は1割に満たないところがほとんど。そこで90年の風適法改正で景品単価の上限が従来の3000円から一挙に1万円まで引き上げられた。一般景品は等価交換だから、出玉2500個で1万円相当の景品と交換できるため、換金するよりも得。最近は一般景品の品揃えを充実させ集客の目玉にするホールも増えてきた。」(第11頁)
(B-4).「特殊景品 客が景品交換所に持っていく換金用の景品のこと。法律上、換金は禁止されており、店内で現金や有価証券を渡すことができないため、このような流通商品が生まれた。一応現金に換える価値のある景品という建前はあるが、ライター石、ペンダント、文鎮等、を使用している店が多い。最近ではゴールドカードなどが登場している。」(第73頁)
(B-5).「三店方式 現在もつとも一般的に行われているパチンコの特殊景品流通システムの呼び名。パチンコ店は客に景品を提供し、客は(店とは無関係に)景品交換所にその景品を売りに行く。それは問屋を通じて再びパチンコ店に還流されるわけでこの3者間を景品が回っているという図式。いうまでもなく違法と定められている換金行為を、表面上第三者を介入させることで法律に抵触しないようにするために編み出された方式で、長年黙認されてきた。」(第42頁)

(2).引用発明と本願発明とを比較する
(A).構成の対応関係 。
(ア).引用発明の「遊技場の店頭で客が景品を選択すると、ネットワークを介して景品を扱っている商店に通知して、景品の引渡を依頼する」記載は、要するに、遊技場からネットワークを介して客が選択した景品の注文を行い、商店はネットワークを介して受けた注文を販売することであるから、本願発明における「通信網を介して注文を受け商品を販売する電子商取引サイト」に相当し、しかも、電子商取引においては、商品に関する情報を記憶しておく記憶部を備えること、及び当該記憶部の所在をサーバーとすることは周知の事項であるから、引用発明のシステムにおいても景品に関する情報を記憶しておく記憶手段が具備されていることは明らかである。
(イ).引用発明における「景品のカタログが表示された遊戯場端末1にて景品を選択すると、景品の種類と数量のデータが、遊戯場端末1から通信回線2を経由してセンターサーバ3に伝送」され、「センターサーバ3では、その景品を扱っている商店のメールボックスに、景品の種類と数量と取引識別符号などからなる景品引渡依頼を書き込む。」点は、本願発明における「ホール端末に対し記憶部に格納されている景品情報を提供し、パチンコホールにおいて客が獲得した玉の球数に応じて玉と交換する景品の注文を受け付け、注文を受けた景品に関する景品注文データを上記記憶部に記憶」する点に相当する。
(ウ).引用発明における「客は画面に表示された景品のカタログから景品を選択すると、景品の種類と数量のデータが遊戯場端末1から通信回線2を経由してセンターサーバ3に伝送される。」記載から、通信網を介して景品を注文するための情報入力手段が刊行物1には存在し、かつ遊技場に設置されていることは明らかである。
(エ).引用発明における「遊戯場端末1では、景品を引き渡す商店と識別符号を書いた個人認証票を発行して客に渡す。」との記載は、識別符号が如何なるものであるかに関しては記載されていないが、前記(A-4)の記載から、個人認証票は、商品引き換え機能を奏するものであることは明らかである。一方、本願明細書の記載、すなわち、【0036】に「なお、ここで、注文明細レシートRと注文済目録tは注文内容と景品の内容を示すものであり、注文された特定の景品のみと交換できる引換券であり、有価証券には該当しないものである。」との記載を参照すると、引用発明における「個人認証票」は、本願発明の「注文済目録、注文明細レシート」と景品引換券において共通し、当該引換券を発行する、引用発明の「遊戯場端末1」は本願発明の「ホール端末」に相当する。
(オ).引用発明における、景品引渡手段と、本願発明における引渡手段は、パチンコ店から送信されてサーバーに記憶された景品引渡情報に基づいて引き渡す点において共通する。
(B).一致点
「パチンコホールのホール端末と、これらの端末と通信網を介して必要な情報を授受できるサーバーと、を有してなるシステムであって、
通信網を介して注文を受け商品を販売する電子商取引サイトが提供する景品に関する情報を格納する記憶部を有し、
ホール端末に対し記憶手段に記憶されている景品情報を提供し、
、パチンコホールにおいて客が獲得した玉の玉数に応じて玉と交換する景品の注文を受け付け、注文を受けた景品に関する景品注文データを上記記憶部に記憶し、景品引渡情報を上記記憶部に記憶するサーバーと、
パチンコホールに設置され、通信網を介して景品を注文するための情報入力手段と、該情報入力手段により入力して注文した景品及び注文に関する情報を記録した情報記録媒体である引換券を発行する発行手段を備えたホール端末と、からなるパチンコホールで得た景品の換金システム」

(C).相違点
(あ).本願発明においては、ホール端末に提供する景品情報の記憶部がサーバーに存在するのに対し、刊行物1では景品情報記憶手段が存在することは前記(ア)のとおりであるが、当該記憶手段が何処に配置されているかは記載されていない点、
(い).本願発明においては、引換券の構成が、「注文した景品及び注文に関する情報を記録した注文済目録」及び「注文された景品の品目と個数を記録した注文明細レシート」から構成されているのに対し、刊行物1においては、「景品を引き渡す商店と識別符号を書いた個人認識票」である点
(う).本願発明においては、「景品としての注文済目録と注文レシート」が買い上げられて換金されるのに対し、引用発明においては、景品の換金ついては記載されていない点、したがって、引用発明には電子商取引における換金に関する情報である、買い取った注文済目録の景品データをサーバに送信する点、さらには、換金対象である注文済目録及び注文レシート、及びその読取、表示、照合等の手段については記載されていない点 、
(え).客が注文した景品の引渡手段として、本願発明は、配送引渡手段によるのに対し引用発明は店頭引渡手段である点

(D).相違点の検討
(あ).相違点(あ)について、
電子商取引においては、商品に関する情報がサーバに蓄積されることは、例えば、特開2000-250980号公報(平成12年9月14日公開)、実用新案登録第3071630号(平成12年9月14日発行)、国際公開第99/07121号パンフレット(1999)に見られるように周知の事項であるから、当該情報の蓄積箇所として、当該サーバとすることは当業者にとっては慣用技術であり、当該箇所とすることにより、ホール端末には商品に関する情報が通信網を介して提供されることも当然の技術的事項である。
したがって、当該相違点は格別のものではない。
(い).相違点(い)について、
注文した景品の引換券の記載事項として、如何なる情報を記載するか、例えば、引換券と同様の機能を奏する、クリーニング店の預り証のように、品名、数量、金額、店名等、引替対象を特定する情報等を記載することは周知の事項であり、このことは、景品においても同様であることは、前記(A-3)に景品の種類、数量、取引識別符号等の引換対象を特定する情報等が記載されていることからも明らかである。
したがって、景品の引換券に相当する注文済目録と注文レシートに記載する、引換対象を特定する情報として、注文した景品、注文に関する情報、景品の品目と個数等を記載することは、当業者が適宜為し得る程度の事項である。
さらに、当該記載事項を、複数片に分けて記載することによる格別の作用効果は認められないから、当該引換券のサイズ、及び、記載事項の多寡に応じて複数片に分けて記載することは、当業者ならば必要に応じて適宜為し得る程度の事項である。
したがって、当該相違点は格別のものではない。
(う) 相違点(う)について、
客が獲得した出玉を、一般景品に交換するか、又は、特殊景品に交換して換金することができること、及び特殊景品による換金が9割を超えていることは刊行物2に記載されるように周知の事項であるから、引用発明における景品引渡システムにおいても、特殊景品による周知の換金手段が併存することは当業者にとっては明らかな事項である。
してみると、引用発明の景品引渡システムを特殊景品による周知の換金手段を含むシステムとすることは、周知の換金手段も景品の引渡を介在させるものであるから当業者ならば適宜なし得る程度の事項である。
そこで、引用発明の景品引渡システムを特殊景品による周知の換金手段を含む具体的システムの進歩性について検討する。
周知の換金手段は、前記(B-5)に記載されるように、客が獲得したパチンコ店の特殊景品を景品交換所が買い上げ、さらに当該特殊景品問屋を通じてパチンコ店に還流されるものであり、当該周知の換金手段と本願発明における換金手段との相違点としては、
(a)景品交換所、すなわち、換場業者が買い上げる対象品が、周知の換金手段では、ライター石、ペンダント等の景品であるのに対し、本願発明の換金手段では、景品及び注文に関する情報を記録した注文済目録、及び注文された景品の品目と個数を記録した注文明細レシートである点、
(b)本願発明の換金手段では、換場業者の買い上げ対象が、注文済目録及び注文レシートであることから、当該目録及びレシートを読取り、及び、景品に対応する金額を表示するための読取手段及び表示手段、さらには当該目録及びレシートの読み取りデータとパチンコホールより送信される注文済目録及び注文明細レシートに関するデータを照合する照合手段を換場業者が有しているが、前者には当該手段に関する記載は認められない点。 (c).本願発明では、買い取った注文済目録の景品データをサーバに送信するものであるが、引用発明には当該事項は備えていない点、
(E).前記相違点の検討
(i).前記(a)について検討する。
実際の景品に代わる物、すなわち、景品代替物として個人認証票のような引換券を利用することが、引用発明に記載されており、特殊景品についても同様に特殊景品引換券を用いることは、例えば、特開平4-105681号公報、実願平1-76815号(実開平3-15594号)のマイクロフィルム、特開平2-23980号公報に示されるように周知であり、当該特殊景品引換券を利用した換金の流れは、当該特殊景品引換券と特殊景品を交換した後、当該特殊景品を現金に換える流れとなるが、当該流れの中において、特殊景品の介在が格別の作用効果を奏するものでないことは、前記(B-4)、(B-5)の記載からも明らかであること、さらに加えて、特殊景品を不介在としたときには、直接現金と交換されることとなる特殊景品引換券が、小切手のような有価証券、すなわち、「財産権を表章する証券であって、その権利の移転・行使が証券をもってなされるもの」( 株式会社有斐閣発行「法律学小辞典」参照)と同様の作用を奏し、そのような有価証券を換金手段とすることが、前記(B-1)、(B-4)に記載されるように、パチンコ分野の換金手段として周知であるから、特殊景品を不介在としても換金の流れに支障を来さないことも明らかである。
してみると、引用発明の景品交換システムにおいても引換券を利用しているものであるから、当該換金に際しても引換券を利用すること、すなわち、当該換金の流れの中において特殊景品を不介在として、特殊景品引換券、すなわち、注文済目録及び注文シートを特殊景品に代えて換金用の買い上げ対象とすることは、当業者ならば容易に為し得ることである。

(ii).前記(b)について検討する。
注文済目録及び注文レシートは本願明細書に記載されているように引換券であり、それが、引用発明における、個人認識票に相当することは前記のとおりである。しかも、当該個人認証票は前記(A-3)、(A-4)の記載より、バーコードなどの機械読取可能な符号が印刷されていること、さらには、景品引渡所である商店は、個人認証票のバーコードを読み取って確認することから読取手段及び表示手段が具備されていること、商店端末を使って景品引渡情報をメールボックスで確認することから、パチンコホールから出力された景品注文データと個人認証票とを照合する照合手段が具備されていること等は明らかである。
してみると、注文済目録及び注文レシートのような引換券を以て処理する本願発明の換場業者に前記、読取、表示手段、端末等具備させること、及び当該手段・端末を一体化する点に格別の困難性は認められない。
また、提供するものが景品ではなく金額の場合に、金額表示を表示項目とすることは、単なる設計的事項である。
したがって、当該相違点は格別なものではない。

(iii)、前記(c)について検討する。
換場業者端末から送信された換場業者が買い取った注文済目録の景品データを単にサーバに記憶することによる格別の作用効果は認められないばかりでなく、取引履歴等、取引に関する事項を記憶させておくことは、前記(A-4)のように周知事項であるから、当該事項は単なる設計的事項である。

(G).まとめ
以上のように、本願発明は、引用発明の景品引渡システムを特殊景品による周知の換金手段を含むシステムとすること、その際に必然的に生じる構成、すなわち、電子商取引に適合する構成とすることは、上記のように当業者が容易に発明できるものであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。

なお、
(ア-1).この点に関して請求人は、各引用例には、本願発明のように、パチンコホールと電子商取引サイトを結びつけて、パチンコホールにおいて客が獲得した玉の数に応じて電子商取引サイトから景品をもらうことができるようにするとの発想、獲得した玉の数に応じた額の金銭と換場において換金することができるとの発想、換場における換金に注文済目録と注文レシートを必要とする仕組みにする発想は無いので、相違点(あ)は当業者が容易になし得るものではない旨主張する。
(イ-1). しかしながら、
発想が無いこと、すなわち新規性と当該発想に至ることが容易か否かとは関係のないものであるから、新規性であることを理由として容易でないとの請求人の主張は採用できない。
(ア-2).また請求人は、いわゆる三店方式のもとにおいて、電子商取引サイトから景品をもらうこと換金することとを選択することを実現しようとする本願発明では、・・・引換対象を特定する情報等を記載したレシートの類を発行するだけでは、上記三店間の決済を行うことができません。・・・、上記三店間の決済を行うための注文済目録を発行し、この注文済目録と注文明細レシートをペアとして換場に持参した客のみが換金できるようにしたのです。換場では、換金後、上記注文レシートを保存し、上記注文済目録を景品業者に売却することによって、換場業者は決済を行うことになります。
このように換金のための独特の工夫を施しており、これによって独特の効果を得ることができるものであるから、相違点(い)は必要に応じて当業者が適宜なし得るものではない旨主張する。
(イ-2). しかしながら、
特許請求の範囲には景品業者が注文済目録を買い上げる旨は記載されていないから三店間の決済が行われるものではないこと、注文済目録と注文明細レシートがペアとなって引換券を構成するものであるから、ペアになっていなければ引換券ではないこととなるので、換金できないとすることは当然の理であること、及び引換券を複数券片構成とすることによる作用効果、例えば、複数故に紛失し易いこと、逆に、複数故に別保管すれば盗難等に有利であること等は予測の範囲内の効果であること、さらに、パチンコ店に対する遊技球交換手対象として、景品、換金の選択手段があることは周知の事項であり、当該事項を電子商取引を用いて行うことは前記のように容易な事項である。
したがって、請求人の当該主張は採用できないものである。
(ア-3).また請求人は、従来は、電子商取引サイトから商品を取得することと換金を選択することができるシステムはありませんでした。換金を選択した場合、パチンコホールが発行した注文目録と注文明細レシートと引換に換場で現金を受け取り、換金前に商品を取得する場合、ホール端末から景品購入のデータをサーバに送信すると、サーバーは電子商取引サイトにその旨のデータを送信して商品配送の手配を行い、さらに景品購入のデータは換場業者端末にも送信されて以後の換金を禁止する処理を行います。
このように本願発明は従来の技術には見ることのできない独特の目的を達成するために独特の構成としたものであるから、相違点(う)の認定は誤りである旨主張する。
(イ-3). しかしながら、
本願発明において、換金に関する事項は、買い取った景品データをサーバに送信することのみであるが、そのことが電子商取引サイトから換金を選択することになる根拠が不明であり、さらには、景品購入のデータは換場業者端末にも送信されて以後の換金を禁止する処理は本願発明には記載されていない。
したがって、請求人の当該主張は採用できない。

(4).相違点(え)について、
商品の引渡手段として、店頭引渡手段、配達による引渡手段は周知の引渡手段であるから、どちらの引渡手段を採用するかは単なる設計的事項であり、しかも、後者を採用した場合には当該商品を客に届ける旨の指示を商店に示すことは当然の事項であり、当該指示をサーバに行うこも、電子商取引においてはサーバが取引を管理するものであることを勘案すれば、当業者が電子商取引などの取引形態に応じて適宜なし得る程度の事項である。
したがって、当該相違点は格別のものではない。


第4.むすび
したがって、本願発明における「詳細な説明」は明確且つ十分に記載されておらず、しかも、特許を受けようとする発明も明確ではないから、特許法第36条第4項、第6項の規定を充足しないものであり、さらに、刊行物1、2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることが出来ない。
したがって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2002-09-27 
結審通知日 2005-02-15 
審決日 2002-10-25 
出願番号 特願2000-320926(P2000-320926)
審決分類 P 1 8・ 537- Z (A63F)
P 1 8・ 536- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 神 悦彦  
特許庁審判長 中村 和夫
特許庁審判官 村山 隆
塩崎 進
発明の名称 パチンコホールで得た景品の換金システム  
代理人 道端 慶二郎  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 石橋 佳之夫  
代理人 粕川 敏夫  
代理人 湯川 二朗  

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