ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63B |
---|---|
管理番号 | 1145381 |
審判番号 | 不服2004-1316 |
総通号数 | 84 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2000-02-22 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-01-19 |
確定日 | 2006-10-10 |
事件の表示 | 平成11年特許願第201180号「ゴルフスイング補助器及び練習装置」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 2月22日出願公開、特開2000- 51423〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続きの経緯・本願発明 本願は、平成11年7月15日(パリ条約による優先権主張1998年7月29日、米国)の出願であって、平成15年10月10日付けで拒絶査定となり、それに対する審判が平成16年1月19日に請求され、同日付けで手続補正書が提出されたが、当審において、平成17年7月29日付けで拒絶理由が通知され、平成18年2月6日に手続補正書が提出された。 本願の請求項1ないし4に係る発明は、平成18年2月6日付けの手続補正書で補正された明細書および図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるとおりのものと認められ、その請求項1に記載された発明(以下「本願発明」という。)は次のとおりである。 (本願発明) 「ゴルフスイングの指導用ゴルフスイング補助器であって、 バックスイングの弧を描く第一の湾曲軌道手段と、 ダウンスイングの弧を描く第二の湾曲軌道手段にして、前記第一の湾曲軌道手段から該ゴルフスイング補助器の練習者の下方及び後方に向かって変位した位置に設けられた第二の湾曲軌道手段と、 前記第一の湾曲軌道手段の終点を下方及び後方へ向けて前記第一の湾曲軌道手段の終点から隔置された前記第二の湾曲軌道手段の始点へ連続的に接続する第三の湾曲軌道手段と を有し、これにより、練習者がゴルフスイングを達成するためのバックスイングとダウンスイングを練習できるゴルフスイング補助器。」 2.引用文献 これに対して、当審において平成17年7月29日付けで通知した拒絶理由に引用され、本願の優先日前に国内において頒布された刊行物である、特公昭47-47743号公報(以下、「引用文献」という。)には、特に第2,3,6図とともに下記の記載がある。 (イ)「1 ゴルフスイングの面にほぼ一致する傾斜した支持体、ゴルフスイングの少くともバツクスイング部分とフオアスイング部分を通じてゴルフクラブを案内するための軌道装置、使用者に関して前記フオアスイング軌道装置よりも概略外方に前記バツクスイング軌道装置を取付け且つ前記バツクスイング軌道装置の面よりも実質的に後ではあるが該面と交叉する面内に前記フオアスイング軌道装置を取付けてインサイドアウト・ゴルフスイングを通じ前記ゴルフクラブを案内するようにした取付手段、ならびにバツクスイング及びフオアスイング軌道装置の上方部分を長くしまたは短くするための手段より成るゴルフスイング練習用装置。」(特許請求の範囲) (ロ)「第1〜3図を詳しく見るに、図示のゴルフスイング練習用装置10は使用者14がその上に立つ基底12を有する。バック及びフオアスイング軌道部材18及び20のための支持体乃至傾斜プラツトホーム16が基底12に蝶接乃至他の方法で枢接される。傾斜プラツトホーム16は直立控え22によつて複数の傾斜位置に支持され得るのであり、控えは・・・基底12に固着した一対の調整ブラケツトに下端において連結可能である。ブラケツト24は複数の調整開口26を有し、これによつて控え22の下端は基底12の側縁に沿い調整自在に位置づけられる。・・・ 第3図に明示される如く、バツクスイング軌道部材18は実質的に等長の複数のコラム状支持部材27によつてプラツトホーム16に関し持上がつた関係に取付けられる。他方、内方即ちフオアスイング軌道部材20はその上端で・・・バツクスイング軌道部材の上端に結合される。軌道部材18,20はその下端で合体し、・・・Y連結部となる。・・・ 第1乃至2図と第3図の比較は、フオアスイング軌道部材20が外方即ちバツクスイング軌道部材18と使用者14との間に取付けられているだけでなく、その長さの大部分にわたつて後方に即ちプラツトホーム16のより近くへと圧下されていることを示す。その他の点で、フオアスイング軌道部材20は第3図に明示する如く複数のコラム状支持体34上に同様にして取付けられる。・・・かくしてクラブはプラツトホーム16の傾斜に拘わりなく完全なインサイドアウト乃至「型にはまつた」スイングへと案内される。・・・ 軌道部材18,20の各々はクラブ案内手段を備え、・・・案内手段の1態様は、夫々軌道部材18及び20に形成されそして本実施例では第4図に明示する如くほぼ倒立T字状断面を有する溝44及び46を包含する。軌道部材18及び20の上方連結部28において、溝44,46は円滑な凹入カーブ48によつてつながる。」(4頁7欄27行〜8欄43行) (ハ)「第2図に実線で示す如く、バツクスイングの上限において、練習用クラブ60及びスロツト案内72は前述の凹入カーブ48によつて外方軌道部材18のスロツト44から内方即ちフオアスイング軌道部材20のスロツト46の上端の中へと円滑に案内される。フオアスイングの開始時に使用者14は容認されているゴルフスイングのやり方に従つて自分の腰を次いでその肩を回わし、練習用クラブ60が内方軌道部材20に沿い下向きに移動するにつれて自分の身体運動をクラブの軌跡に一致させねばならない。」(5頁10欄1〜11行) (ニ)「第6図に示す変更凹入軌道端手段の使用は、長さの異なるバツクスイングと従って個々の使用者における種々の身体柔軟度に適合すべく上方領域における軌道部材18’及び20’の長さの調整を可能にする。かくて、上方凹入部材92によつて短いバツクスイングが与えられるのであり、部材92の端は、・・・軌道部材18’及び20’の端に夫々接合される。」(6頁11欄6〜14行) (ホ)第2,3図をみると、フオアスイング軌道部材20は、ゴルフスイング練習用装置10の使用者14の下方及び後方に向かってバツクスイング軌道部材18から変位した位置に設けられている。 (ヘ)第6図をみると、凹入部材92(102,116)が、軌道部材から成り、バツクスイング軌道部材18’の終点と、該バツクスイング軌道部材18’の終点から下方及び後方に向けて隔置されたフオアスイング軌道部材20’の始点とを連続的に接続している。 これらの記載を参照すると、引用文献には、下記の発明(以下、「引用文献記載の発明」という。)が記載されている。 (引用文献記載の発明) 「ゴルフスイングのゴルフスイング練習用装置であって、 バツクスイングの弧を描くバツクスイング軌道部材と、 フオアスイングの弧を描くフオアスイング軌道部材にして、前記バツクスイング軌道部材から該ゴルフスイング練習用装置の使用者の下方及び後方に向かって変位した位置に設けられたフオアスイング軌道部材と、 前記バツクスイング軌道部材の終点を、該バツクスイング軌道部材の終点から下方及び後方に向けて隔置されたフオアスイング軌道部材の始点へ円滑な凹入カーブによって連続的に接続する軌道部材から成る凹入部材とを有し、 これにより、使用者がゴルフスイングを達成するためのバツクスイングとフオアスイングの練習ができるゴルフスイング練習用装置」 3.対比・判断 (1)対比 本願発明と引用文献記載の発明を比較すると、引用文献記載の発明の「バツクスイング軌道部材」、「フオアスイング」、「フオアスイング軌道部材」、「使用者」、「ゴルフスイング練習用装置」は、それぞれ、本願発明の「第一の湾曲軌道手段」、「ダウンスイング」、「第二の湾曲軌道手段」、「練習者」、「(指導用)ゴルフスイング補助器」に相当し、引用文献記載の発明の「凹入部材」と、本願発明の「第三の湾曲軌道手段」とは、「上端連結軌道手段」である点で共通しているから、 両者は、 「ゴルフスイングの指導用ゴルフスイング補助器であって、 バックスイングの弧を描く第一の湾曲軌道手段と、 ダウンスイングの弧を描く第二の湾曲軌道手段にして、前記第一の湾曲軌道手段から該ゴルフスイング補助器の練習者の下方及び後方に向かって変位した位置に設けられた第二の湾曲軌道手段と、 前記第一の湾曲軌道手段の終点を下方及び後方へ向けて前記第一の湾曲軌道手段の終点から隔置された前記第二の湾曲軌道手段の始点へ連続的に接続する上端連結軌道手段とを有し、 これにより、練習者がゴルフスイングを達成するためのバックスイングとダウンスイングを練習できるゴルフスイング補助器」の点で一致し、次の点で相違している。 (相違点) 上端連結軌道手段は、本願発明では第三の湾曲軌道手段であるのに対し、引用文献記載の発明では凹入部材である点。 (2)判断 上記相違点について検討すると、引用文献によれば、上端連結軌道手段(凹入部材)は、図面ではほぼ鋭角的に凹入されているが、「円滑な凹入カーブ48」を有するのであるから(引用文献の4頁8欄41〜43行参照)、引用文献のこのような記載に接した当業者であれば、各自の理想とする軌道に合わせて適宜湾曲し、第三の湾曲軌道手段とすることは、容易に推考し得ることにすぎない。 4.むすび 以上のように、本願発明は、引用文献記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、請求項2〜4に係る発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-04-24 |
結審通知日 | 2006-05-09 |
審決日 | 2006-05-22 |
出願番号 | 特願平11-201180 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(A63B)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 山崎 仁之、▲吉▼川 康史 |
特許庁審判長 |
木原 裕 |
特許庁審判官 |
西田 秀彦 安藤 勝治 |
発明の名称 | ゴルフスイング補助器及び練習装置 |
代理人 | 明石 昌毅 |