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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B65D |
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管理番号 | 1145384 |
審判番号 | 不服2004-7922 |
総通号数 | 84 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1996-07-02 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-04-19 |
確定日 | 2006-10-10 |
事件の表示 | 平成 7年特許願第232042号「密封された物品」拒絶査定不服審判事件〔平成 8年 7月 2日出願公開、特開平 8-169476〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.本願発明 本願は、特願平7-232042号として平成7年8月18日に出願されたものであって、パリ条約により米国にされた出願をもとにした平成6年8月23日の優先権主張を伴うものである。本願の請求項1に係る発明は、平成15年10月16日付け手続補正書により補正された請求項1に記載されたとおりの下記のものと認める。 「a)酸素敏感性物品、 b)酸素敏感性物品がその上に配置されているトレー、 c)酸素障壁物質を含んでなる重合体フイルム、及び d)酸素スカベンジャーフイルムストリップ、を含んでなる真空スキンパッケージであり、酸素スカベンジャーフイルムストリップが重合体フイルムと酸素敏感性物品との間に配置されるように重合体フイルムが物品及び酸素スカベンジャーフイルムストリップをこれらと接触して覆っており、酸素スカベンジャーフイルムストリップが少なくとも1つの寸法においてパッケージより狭い、パッケージ。」 2.引用文献の記載事項 原査定時に示した刊行物である特開平4-18271号公報(以下「引用文献1」という)には、下記の事項が記載されている。 ア.「しかも、前記包装材3が酸素バリアー性を有する合成樹脂製の包装フィルムから構成することもできる。」(第2頁左下欄第19行-右下欄第1行) イ.「包装材3として、熱収縮性合成樹脂製包装フィルム3aを用いて、生肉1及びトレー2を密封状態にシュリンク包装することにより、生肉包装体5を形成する。 尚、前記フィルム3a内部は、窒素ガス等の不活性ガスを封入空気と置換するガス充填により、脱酸素状態に維持されていると共に、前記トレー2には、脱酸素剤12が収納されている。」(第3頁左上欄第10-17行) ウ.「しかも、窒素ガス充填包装以外に、真空包装でフィルム3a内部を脱酸素状態に保持するようにしても良い。 更に、前記脱酸素剤12は必ずしもトレー2に収納しておく必要はなく、例えば、第5図の如くトレー2の外面やフィルム3aの内面に固定しても良い。」(第4頁左上欄第8-14行) してみると、引用文献1には、下記の発明が記載されている。 「生肉、生肉がその上に配置されているトレー、酸素バリアー性を有する合成樹脂製の包装フイルム、及び 脱酸素剤、を含んでなる真空包装体であり、脱酸素剤が酸素バリアー性を有する合成樹脂製の包装フイルムと生肉との間に配置されるように酸素バリアー性を有する合成樹脂製の包装フイルムが生肉及び脱酸素剤を覆っており、脱酸素剤が少なくとも1つの寸法において包装体より狭い、包装体。」 原査定時に示した刊行物である特開昭55-109428号公報(以下「引用文献2」という)には、下記の事項が記載されている。 エ.「本発明の脱酸素シートは、包装材料として特に有効に利用される。」(第4頁右上欄第16-17行) オ.「このようにして所望の強度や耐熱性を持った種々の脱酸素複合フィルムを容易に作成することができる。」(第4頁左下欄第17-19行) カ.「第4(a)図は脱酸素シートを袋体として用いた例」(第4頁右下欄第11-12行) 3.対比 引用文献1に記載された発明と、請求項1に係る発明を対比すると、前者の「生肉」,「酸素バリアー性を有する合成樹脂製の包装フイルム」,「脱酸素剤」,「包装体」が後者の「酸素敏感性物品」,「酸素障壁物質を含んでなる重合体フイルム」,「酸素スカベンジャー」,「パッケージ」にそれぞれ相当することから、両者の共通点は、 「酸素敏感性物品、酸素敏感性物品がその上に配置されているトレー、酸素障壁物質を含んでなる重合体フイルム、及び酸素スカベンジャー、を含んでなる真空スキンパッケージであり、酸素スカベンジャーが重合体フイルムと酸素敏感性物品との間に配置されるように重合体フイルムが物品及び酸素スカベンジャーを覆っており、酸素スカベンジャーが少なくとも1つの寸法においてパッケージより狭い、パッケージ。」 であって、相違点は下記のものと認められる。 (1)請求項1に係る発明が「酸素スカベンジャー」を「フィルムストリップ」として用いているのに対して、引用文献1に記載されて発明では、単に「脱酸素剤」であって、その形状等が一切特定されていない点。 (2)請求項1に係る発明が、「真空スキン包装」であるのに対して引用文献1に記載された発明が「真空包装」である点。 4.当審の判断 (1)相違点(1)について ここで、上記記載事項エあるいはカの「シート」,あるいは上記記載事項オの「複合フィルム」と、請求項1に係る発明の「フィルムストリップ」は、その形状・機能から見て同様のものであると認められる。 してみると、上記記載事項エ乃至カには、脱酸素性を有する包装体において、脱酸素剤を「フィルム」乃至「フィルムストリップ」とする点が記載されている。よって、引用文献1に記載された発明に、引用文献2の上記記載事項エ乃至カに記載された脱酸素剤を「フィルム」状とすることを適用して、上記相違点(1)で挙げた請求項1に係る発明のように構成することは、当業者にとって格別困難であるとは認められない。また、本願明細書を検討しても、上記相違点(1)により格別な効果が生じるとも認められない。 (2)相違点(2)について トレイ、フィルムからなる真空包装においては、その形態を真空スキン包装となすことは、周知であると認められる(例えば特開平3-183437号公報第3頁右上欄第19-20行には「トレー状でイン・ライン生産物を真空スキン包装する」と記載されている。)。 してみると、引用文献1に記載された発明の「真空包装」を、「真空スキン包装」となし、上記相違点(2)であげた請求項1に係る発明のように構成することは、当業者が適宜なし得た程度のことと認められる。 5.むすび したがって、請求項1に係る発明は、引用文献1および2に記載された発明、および上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、他の請求項について検討するまでもなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-04-25 |
結審通知日 | 2006-05-09 |
審決日 | 2006-05-22 |
出願番号 | 特願平7-232042 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(B65D)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 溝渕 良一、川本 真裕 |
特許庁審判長 |
寺本 光生 |
特許庁審判官 |
石田 宏之 中西 一友 |
発明の名称 | 密封された物品 |
代理人 | 小田島 平吉 |
復代理人 | 深浦 秀夫 |