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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1145844
審判番号 不服2003-4841  
総通号数 84 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-08-03 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-03-24 
確定日 2006-10-26 
事件の表示 平成10年特許願第 12864号「パチンコ機」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 8月 3日出願公開、特開平11-206974〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 【1】本願の手続の経緯
本願は、平成10年1月26日の出願であって、平成14年9月19日付けで拒絶理由が通知され、これに対し平成14年10月3日付けで手続補正がなされ、平成15年2月28日付けで拒絶査定がなされ、これに対し平成15年3月24日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに同日付けで手続補正がなされたものである。

【2】平成15年3月24日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成15年3月24日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1.補正後の本願発明
平成15年3月24日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】遊技球通路を有する筒状の遊技部材が、遊技領域に設置されており、その遊技部材が、遊技領域を流下する遊技球の流下態様に変化を与えるとともに、その遊技部材の上端縁を、遊技球が転動可能になっているパチンコ機であって、
遊技領域は図柄始動口を備えたものであって、 前記遊技部材は、透明な合成樹脂によって形成され、前記遊技球通路の略延長線上に前記図柄始動口が位置するように設置されているとともに、 該遊技部材は、上部壁面の外側と下部壁面の外側とに、底面と略同一の厚みを有する取付片を突設したものであり、前記底面の厚みと略同一の深さとなるように遊技盤表面に設けられた凹部に嵌め込まれていることを特徴とするパチンコ機。」

2.補正の適否の検討
平成15年3月24日付けの手続補正は、平成14年10月3日付けで補正された【請求項1】に記載の「遊技領域」に関して、「遊技領域は図柄始動口を備えたものであって、」と記載事項を付加し、同じく、【請求項1】に記載の「遊技部材」に関して、「透明な合成樹脂によって形成され、前記遊技球通路の略延長線上に前記図柄始動口が位置するように設置されている」なる事項を付加するものであるから、実質的に平成15年改正前特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本願補正発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成15年改正前特許法第17条の2第5項の規定において準用する同法第126条第4項の規定に適合するか)について以下に検討する。

3.引用例に記載の発明
(1)原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前に頒布された特開平9-182834号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。
(ア)「本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、可変表示装置の真下に配置される始動入賞口及び可変入賞球装置への打玉の誘導率の調整が行い易い弾球遊技機を提供することにある。」(段落【004】)
(イ)「このように構成することにより、図2に示すように、上方から自然落下する打玉Pが始動入賞口12に向けて傾斜して植設される上段誘導釘群26(上段誘導部材)と下段誘導釘群27(下段誘導部材)とにスムーズに振り分けられるため、1本の誘導釘群で誘導される場合に比較して始動入賞口12及び可変入賞球装置15へ向かう打玉の流下状態を安定させることができ、これによって始動入賞口12及び可変入賞球装置15への打玉の誘導率、ひいては始動入賞口12及び可変入賞球装置15への入賞率を安定させることができる。このことは、最終的に始動入賞口12への入賞率を調整する障害釘28,29の調整において、上段誘導釘群26によって誘導される打玉だけを考慮すれば良いし、最終的に可変入賞球装置15への入賞率を調整する障害釘42を主として下段誘導釘群27によって誘導される打玉を主眼において調整すれば良いから、結果的に始動入賞口12及び可変入賞球装置15への誘導率、ひいては入賞率の調整が行い易いということである。」(段落【0007】)
(ウ)「また、上段誘導部材及び下段誘導部材として、上段誘導釘群26及び下段誘導釘群27に代えて図3に示すように、少なくともその上下端に植設される釘31,32、34,35と、該上下端の釘31,32、34,35の間に配置される誘導レール部材30、33a,33bとから構成しても良い。このように構成することにより、上下端の釘31,32、34,35によって誘導レール部材30、33a,33b側への誘導率や始動入賞口12及び可変入賞球装置15への入賞率を調整することができると共に、上段誘導釘群26及び下段誘導釘群27に比べて釘間での打玉の玉止まり現象を少なくすることができる。」(段落【0008】)
(エ)「【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。まず、図1を参照して実施形態に係る弾球遊技機の遊技盤1の構成について説明する。図1は、遊技盤1の遊技領域2の正面図である。図において、遊技盤1の外レール3と内レール4とに囲まれた遊技領域2のほぼ中央に可変表示装置5が配置され、その中央下方に始動入賞口12が配置され、さらに始動入賞口12の下方に可変入賞球装置15が配置されている。」(段落【0013】)
(オ)「・・更に、遊技領域2には、多数の釘が植設されており、その釘のうち、可変表示装置5の下部側方と始動入賞口12との間に本実施形態の要部を構成する上段誘導部材としての上段誘導釘群26が植設されており、該上段誘導釘群26の下方であって可変表示装置5の下部側方と可変入賞球装置15との間に本実施形態の要部を構成する下段誘導部材としての下段誘導釘群27が植設されている。また、始動入賞口12への最終的な入賞率を調整する障害釘28,29(図2参照)も始動入賞口12の上部に植設されており、可変入賞球装置15の開閉板16への最終的な入賞率を調整する障害釘42(図2参照)も開閉板16の両端部上方に植設されている。」(段落【0017】)
(カ)「即ち、本実施形態においては、図1に示すように、可変表示装置5の下部側方から始動入賞口12に向けて打玉を誘導する上段誘導部材としての上段誘導釘群26と、該上段誘導釘群26の下方であって可変表示装置5の下部側方から可変入賞球装置15に向けて打玉を誘導する下段誘導部材としての下段誘導釘群27と、を配置することにより、図2に示すように、上方から自然落下する打玉Pが始動入賞口12に向けて傾斜して植設される上段誘導釘群26(上段誘導部材)と下段誘導釘群27(下段誘導部材)とにスムーズに振り分けられるため、1本の誘導釘群で誘導される場合に比較して始動入賞口12及び可変入賞球装置15へ向かう打玉の流下状態を安定させることができ、これによって始動入賞口12及び可変入賞球装置15への打玉の誘導率、ひいては始動入賞口12及び可変入賞球装置15への入賞率を安定させることができる。このことは、最終的に始動入賞口12への入賞率を調整する障害釘28,29の調整において、上段誘導釘群26によって誘導される打玉だけを考慮すれば良いし、最終的に可変入賞球装置15への入賞率を調整する障害釘42を主として下段誘導釘群27によって誘導される打玉を主眼において調整すれば良いから、結果的に始動入賞口12及び可変入賞球装置15への誘導率、ひいては入賞率の調整が行い易いということである。」(段落【0021】)
(キ)「なお、上段誘導釘群26によって誘導された打玉Pは、障害釘28,29の影響で始動入賞口12へ入賞するルートaと、始動入賞口12に入賞せずに下方に向かうルートbとに分かれ、下段誘導釘群27によって誘導された打玉P及び前記ルートbからの打玉Pは、障害釘42の影響で可変入賞球装置15の開閉板16に向かうルートcと、開閉板16とサイド入賞口20との間に向かうルートdとに分かれる。また、誘導釘群26,27は、必ずしも直線状に植設する必要はなく、曲線又は折れ線状に植設しても良い。」(段落【0022】)
(ク)「また、上段誘導部材及び下段誘導部材として、上段誘導釘群26及び下段誘導釘群27に代えて図3に示すように、少なくともその上下端に2本ずつ植設される釘31,32と該釘31,32の間に配置される上段誘導レール部材30とからなる上段誘導部材と、少なくとも上下端に1本ずつ植設される34,35と該上下端の釘34,35の間に配置される2つの連続する下段誘導レール部材33a,33bとからなる下段誘導部材と、から構成しても良い。このように構成することにより、上下端の釘31,32、34,35によって誘導レール部材30、33a,33b側への誘導率や始動入賞口12及び可変入賞球装置15への入賞率を調整することができると共に、上段誘導釘群26及び下段誘導釘群27に比べて釘間での打玉の玉止まり現象を少なくすることができる。なお、このように構成される上段誘導部材及び下段誘導部材によって誘導される打玉Pのルートは、上記したと同じようなルートを通るものである。また、上下端釘の本数及び誘導レール部材の個数は、任意に設ければ良い。」(段落【0023】)
上記記載事項(ア)乃至(ク)の記載、及び図面の記載からみて、引用例には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

<引用発明>
「遊技盤1の遊技領域2に始動入賞口12を配置し、始動入賞口12に向けて打玉Pを誘導する上段誘導部材としての上段誘導釘群26と、可変入賞球装置15に向けて打玉Pを誘導する下段誘導部材としての下段誘導釘群27とを配置してなる弾球遊技機であって、上段誘導釘群26によって誘導された打玉Pは、障害釘28,29の影響で始動入賞口12へ入賞するルートaと、始動入賞口12に入賞せずに下方に向かうルートbとに分かれ、下段誘導釘群27によって誘導された打玉P及び前記ルートbからの打玉Pは、障害釘42の影響で可変入賞球装置15の開閉板16に向かうルートcと、開閉板16とサイド入賞口20との間に向かうルートdとに分かれ、上段誘導部材及び下段誘導部材として、上段誘導釘群26及び下段誘導釘群27に代えて、上段誘導レール部材30とからなる上段誘導部材と、2つの連続する下段誘導レール部材33a,33bとからなる下段誘導部材とから構成し、誘導レール部材の個数は任意に設けても良い弾球遊技機。」

4.対比
本願補正発明と引用発明との対比
(1)本願補正発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「遊技領域2」が本願補正発明の「遊技領域」に相当し、以下同様に、「打玉P」が「遊技球」に、「弾球遊技機」が「パチンコ機」にそれぞれ相当している。
(2)同様に、本願補正発明の「遊技部材」に関して引用発明と対比検討すると、
引用例の上記記載事項(ク)「・・上段誘導釘群26及び下段誘導釘群27に代えて・・上段誘導レール部材30とからなる上段誘導部材と、・・2つの連続する下段誘導レール部材33a,33bとからなる下段誘導部材と、から構成しても良い。・・このように構成される上段誘導部材及び下段誘導部材によって誘導される打玉Pのルートは、上記したと同じようなルートを通るものである。」、同じく記載事項(キ)「・・上段誘導釘群26によって誘導された打玉Pは、・・始動入賞口12へ入賞するルートaと、始動入賞口12に入賞せずに下方に向かうルートbとに分かれ、下段誘導釘群27によって誘導された打玉P・・は、・・可変入賞球装置15・・に向かうルートcと、開閉板16とサイド入賞口20との間に向かうルートdとに分かれる。」なる記載及び【図3】の記載からみて、引用発明の「上段誘導レール部材30」と「下段誘導レール部材33a,33b」は、遊技領域に設置されており、共に打玉Pを始動入賞口或いは可変入賞装置15に誘導しているから、「上段誘導レール部材30」と「下段誘導レール部材33a,33b」の間では、遊技部材の遊技球通路を形成するということができる。
そすうると、引用発明の「上段誘導レール部材30」と「下段誘導レール部材33a,33b」と、本願補正発明の「遊技部材」は、
「遊技球通路を有する遊技部材が、遊技領域に設置され」る構成を備える点で一致している。
また、引用例の上記記載事項(キ)の記載に基づけば、引用発明の「上段誘導レール部材30」と「下段誘導レール部材33a,33b」は、ルートa、ルートb、ルートc等のように打玉Pの流下を変化させるから、遊技領域を流下する遊技球の流下態様に変化を与える機能を実質的に備えるということができる。
そうすると、引用発明の「上段誘導レール部材30」及び「下段誘導レール部材33a,33b」と、本願補正発明の「遊技部材」は、
「遊技領域を流下する遊技球の流下態様に変化を与える」機能を備える点で一致している。
そして、引用例の上記記載事項(キ)「・・上段誘導釘群26によって誘導された打玉Pは、・・始動入賞口12へ入賞するルートaと・・」なる記載及び【図5】の記載からみて、「上段誘導レール部材30」にも打玉Pが転動するから、遊技部材の上端縁として遊技球が転動可能な機能を実質的に備えるということができる。
そうすると、引用発明の「上段誘導レール部材30」と、本願補正発明の「遊技部材」は、
「遊技部材の上端縁を、遊技球が転動可能になっている」構成を備える点で一致している。

してみると、引用発明と本願補正発明とは、

「遊技球通路を有する遊技部材が、遊技領域に設置されており、その遊技部材が、遊技領域を流下する遊技球の流下態様に変化を与えるとともに、その遊技部材の上端縁を、遊技球が転動可能になっているパチンコ機であって、
遊技領域は図柄始動口を備えたパチンコ機。」

である点で一致し、以下の点で相違する。

<相違点1>
遊技部材が、本願補正発明においは、筒状で形成され、且つ、透明な合成樹脂で形成され、また、遊技通路の略延長上に図柄始動口が位置するように設置されるのに対し、引用発明においては、上段誘導レール部材30と下段誘導レール部材33a,33bの別部材で形成され、これらが透明な部材で形成されているか否か明らかでなく、また、遊技通路の略延長上に図柄始動口が位置するように設置されているのか否かも明らかでない点。

<相違点2>
遊技部材の遊技盤への取り付けが、本願補正発明においては、上部壁面の外側と下部壁面の外側とに、底面と略同一の厚みを有する取付片を突設し、底面の厚みと略同一の深さとなるように遊技盤表面に設けられた凹部に嵌め込んで取り付けたのに対し、引用発明においては、遊技盤への具体的な取り付けの構成が明らかでない点。

5.相違点についての検討
<相違点1>について
遊技部材の形状や素材に関して、本願補正発明の遊技部材を筒状で透明な合成樹脂で形成することは、中空円柱状の他、中空半円柱状(すなわち、断面U字状)、断面コ字状等の種々の形状を含み、これらを透明な合成樹脂で形成することにより、遊技部材内の遊技球が転動する様子が観察できることを目的としている。
ところで、パチンコ機分野において、遊技球を通過させる部材を筒状で形成し、且つ、透明な合成樹脂で形成することが、特開平9-28862号公報(段落【0015】参照)や特開平8-280882号公報(段落【0009】参照、)に、また、始動口に遊技球を誘導する通路に遊技球が視認できる透明板を設けることが、特開平6-277343号公報(段落【0015】参照)に記載されていることから、遊技球を通過させる部材の形状を筒状にしたり、素材に透明部材を用いることは、従来周知の技術(以下、「周知技術A」という。)といえる。
また、遊技部材を設置する位置に関して、パチンコ機分野において、遊技部材の遊技通路の略延長上に図柄始動口が位置するように設置することも、従来周知の技術(例えば、特開平9-182833号公報(段落、【0008】、【0023】、【図3】)、特開平9-182835号公報(段落【0006】、【0024】、【図3】)参照、以下、「周知技術B」という。)である。
そして、引用発明及び上記周知技術A,Bは、共に遊技球を通過させる部材である点で機能が共通しており、遊技球を通過させる部材の形状・素材、及び設置する位置において、相互に技術の転用を図ることに格別困難性はないから、引用発明の遊技部材に代えて、形状・素材に遊技球を通過させる部材の形状を筒状にしたり、素材に透明部材を用いる上記周知技術Aを、設置する位置に遊技部材の遊技通路の略延長上に図柄始動口が位置するように設置する上記周知技術Bを各々適用し、上記相違点1に係る構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。

<相違点2>について
本願補正発明の遊技部材等、遊技球を通過させる部材の遊技盤への取り付けに関して、例えば、入賞具の通過枠に底面と略同一の厚みを有するベースを設け、遊技盤の表面にベースの厚みに等しい凹部を形成し、凹部に底面の厚みと略同一の深さとなるように嵌め込んで、ベース両側の左右一対の取付孔にねじを通して固定することが、特開平8-229201号公報(段落【0020】、【0021】、【0026】、【図4】参照)や特開平8-257209号公報(段落【0029】、【0030】、【0035】、【図4】参照)に、また、球が通過する釘保持部材の底板が嵌入する凹部を遊技盤に設け、凹部の深さを底板の厚さとほぼ同様にして、遊技盤の表面と底板の表面とが同一平面になるように取り付けることが、特開平7-303734号公報(段落、【0025】、【図5】参照)に記載されていることから、パチンコ機分野において、遊技球を通過させる部材の各壁面の外側に底面と略同一の厚みを有する取付片を突設したり、底面の厚みと略同一の深さとなるように遊技盤表面に設けられた凹部に嵌め込んで取り付けることは、従来周知の技術(以下、「周知技術C」という。)といえる。
そして、引用発明と上記周知技術Cは、共に遊技球を通過させる部材である点で機能が共通しており、取り付け部分の構成において、相互に技術の転用を図ることに格別困難性はないから、引用発明の遊技部材に、遊技球を通過させる部材の各壁面の外側に底面と略同一の厚みを有する取付片を突設したり、底面の厚みと略同一の深さとなるように遊技盤表面に設けられた凹部に嵌め込んで取り付ける上記周知技術Cを適用し、上記相違点2に係る構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。

6.作用効果・判断
そして、本願補正発明における作用効果は、引用発明及び上記各周知技術に基づいて当業者が当然予測できるものである。
したがって、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

7.むすび
以上のとおり、本願補正発明は、平成15年改正前特許法第17条の2第5項の規定において準用する同法第126条第4項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定によって却下されるべきものである。
よって、上記「補正の却下の決定の結論」のとおり決定する。

【3】本願発明について
1.本願発明
平成15年3月24日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成14年10月3日付けの手続補正書の明細書及び図面の記載からみて、以下のとおりである。
「【請求項1】遊技球通路を有する筒状の遊技部材が、遊技領域に設置され
ており、その遊技部材が、遊技領域を流下する遊技球の流下態様に変化を与えるとともに、その遊技部材の上端縁を、遊技球が転動可能になっているパチンコ機であって、 前記遊技部材が、上部壁面の外側と下部壁面の外側とに、底面と略同一の厚みを有する取付片を突設したものであり、前記底面の厚みと略同一の深さとなるように遊技盤表面に設けられた凹部に嵌め込まれていることを特徴とするパチンコ機。」

2.引用例に記載された発明
原査定の拒絶の理由に引用された引用例の記載事項は、前記【2】3.に摘記したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は、本願補正発明から前記【2】2.で適記したように、「遊技領域」に関して、「遊技領域は図柄始動口を備えたものであって、」と、同じく、「遊技部材」に関して、「は、透明な合成樹脂によって形成され、前記遊技球通路の略延長線上に前記図柄始動口が位置するように設置されているとともに、該遊技部材は、」とについて、補正の適否を検討したこれらの限定事項を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに、上記限定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記【2】5.で検討したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本願の他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-08-23 
結審通知日 2006-08-29 
審決日 2006-09-12 
出願番号 特願平10-12864
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 藤田 年彦池谷 香次郎  
特許庁審判長 三原 裕三
特許庁審判官 辻野 安人
小田倉 直人
発明の名称 パチンコ機  
代理人 石田 喜樹  
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