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審決分類 |
審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F |
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管理番号 | 1146039 |
審判番号 | 不服2005-21304 |
総通号数 | 84 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1997-03-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-11-04 |
確定日 | 2006-10-26 |
事件の表示 | 平成 7年特許願第239612号「ファイルアクセス制御システム」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 3月28日出願公開、特開平 9- 81436〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成7年9月19日の出願であって、平成17年2月7日付けで拒絶理由通知がなされ、同年4月13日付けで手続補正がなされたが、同年9月28日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年11月4日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年12月5日付けで手続補正がなされたが、前記12月5日付けの手続補正は、平成18年6月5日付けで却下され、同日付けで最後の拒絶理由通知がなされ、これに対し、同年8月3日付けで手続補正がなされたものである。 2.平成18年8月3日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成18年8月3日付けの手続補正を却下する。 [理由] (1)補正の目的の適否について 本件手続補正の目的が特許法第17条の2第4項の規定に適合するか否かを検討する。 上記本件手続補正により、特許請求の範囲は、 「【請求項1】 複数のジョブステップが並行動作し、少なくとも1つの入力ファイルに対して前記複数のジョブステップがアクセスする処理システムにおいて、 前記ジョブステップの動作環境を登録した制御ファイルと、 処理遂行中の前記ジョブステップからの入力要求に基づき、前記入力要求で指示されたデータレコードがバッファに保管されているかどうかを判断し、前記バッファに保管されている場合には前記バッファ内のデータレコードを、前記バッファに保管されていない場合には前記入力ファイルにアクセスしてデータレコードを読込んで当該ジョブステップに送出する読込み分配部と、 処理遂行中の前記ジョブステップから処理出力されるデータレコードを出力ファイルへ書出す書出し分配部と、 前記制御ファイルにアクセスしてそれぞれのジョブステップの動作環境を解読し、それぞれのジョブステップからの同一データレコードの入力要求の同期がとれるようにジョブステップを選択的に起動し、処理遂行中のジョブステップからの入力要求に応じて前記読込み分配部を起動して要求されたデータレコードを当該ジョブステップに供給させる制御データ解析部と、を備えたことを特徴とするファイルアクセス制御システム。 【請求項2】 前記制御ファイルの制御情報には、ジョブステップ間のインタフェースとして、実行の順序が登録される事を特徴とする請求項1に記載のファイルアクセス制御システム。 【請求項3】 前記制御ファイルにはジョブステップのリラン時のリスタートポイントが登録される事を特徴とする請求項1に記載のファイルアクセス制御システム。」(以下、「補正前の特許請求の範囲」という。) から、 「【請求項1】 複数のジョブステップが並行動作し、少なくとも1つの入力ファイルに対して前記複数のジョブステップがアクセスする処理システムにおいて、 前記ジョブステップの動作環境を登録した制御ファイルと、 処理遂行中の前記ジョブステップからの入力要求に基づき、前記入力要求で指示されたデータレコードがバッファに保管されているかどうかを前記ジョブステップの実行の管理を行う制御データ解析部の指示により判断し、前記バッファに保管されている場合には前記バッファ内のデータレコードを、前記バッファに保管されていない場合には前記入力ファイルにアクセスしてデータレコードを読込んで当該ジョブステップに送出する読込み分配部と、 処理遂行中の前記ジョブステップから処理出力されるデータレコードを出力ファイルへ書出す書出し分配部と、 前記制御データ解析部は、前記制御ファイルにアクセスしてそれぞれのジョブステップの入力ファイル情報を解読し、1のジョブステップからのデータレコードの入力要求があった場合に前記読込み分配部に該データレコードの読み取りを依頼するとともに、処理の開始待ち、データの読み取り待ち若しくはデータの書出し完了待ちの状態であり実行可能状態にある他のジョブステップを起動し処理を行わせること を特徴とするファイルアクセス制御システム。」(以下、「補正後の特許請求の範囲」という。) に補正された。 そこで、補正前の特許請求の範囲における「前記制御ファイルにアクセスしてそれぞれのジョブステップの動作環境を解読し、それぞれのジョブステップからの同一データレコードの入力要求の同期がとれるようにジョブステップを選択的に起動し、処理遂行中のジョブステップからの入力要求に応じて前記読込み分配部を起動して要求されたデータレコードを当該ジョブステップに供給させる制御データ解析部」との記載が、上記補正をすることによって、補正後の特許請求の範囲の記載において明りょうになったかどうかについて検討する。 すると、まず、補正後の特許請求の範囲の請求項1において、「前記ジョブステップの実行の管理を行う制御データ解析部」との記載があるが、この記載では、「制御データ解析部」は単に「前記ジョブステップの実行の管理を行う」としかされておらず、「それぞれのジョブステップからの同一データレコードの入力要求の同期がとれるようにジョブステップを選択的に起動」することを具体的にどのようにして行うのかが明りょうになったとは認められない。 また、補正後の特許請求の範囲の請求項1における「前記制御データ解析部は、前記制御ファイルにアクセスしてそれぞれのジョブステップの入力ファイル情報を解読し、1のジョブステップからのデータレコードの入力要求があった場合に前記読込み分配部に該データレコードの読み取りを依頼するとともに、処理の開始待ち、データの読み取り待ち若しくはデータの書出し完了待ちの状態であり実行可能状態にある他のジョブステップを起動し処理を行わせる」との記載も、「制御データ解析部」が「それぞれのジョブステップからの同一データレコードの入力要求」のタイミングをどのようにとるかについて特定するものではなく、「それぞれのジョブステップからの同一データレコードの入力要求の同期がとれるようにジョブステップを選択的に起動」することを具体的にどのようにして行うのかが明りょうになったとは認められない。 よって、上記請求項1に係る補正は、特許法第17条の2第4項第4号の明りょうでない記載の釈明に該当するものとは認められない。 また、上記請求項1に係る補正により、補正前の特許請求の範囲において「制御データ解析部」によって行われるとされていた「それぞれのジョブステップからの同一データレコードの入力要求の同期がとれるようにジョブステップを選択的に起動」するという動作は省かれており、上記請求項1に係る補正が、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮に該当するものとも認められない。 さらに、上記請求項1に係る補正が、特許法第17条の2第4項第1号の請求項の削除、第3号の誤記の訂正に該当するものでないことは明らかである。 (2)むすび よって、本件手続補正は、特許法第17条の2第4項に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 3.補正却下の決定を踏まえた検討 (1)本願の請求項1に係る発明 平成18年8月3日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、上記補正前の特許請求の範囲の請求項1(平成17年4月13日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1)に記載されたとおりものと認める。 (2)当審の拒絶理由 これに対して、当審において平成18年6月5日付けで通知した最後の拒絶理由通知の概要は、次のようなものである。 「(特許法第36条第4項並びに第6項第1号及び第2号について) 上記請求項1において、「前記制御ファイルにアクセスしてそれぞれのジョブステップの動作環境を解読し、それぞれのジョブステップからの同一データレコードの入力要求の同期がとれるようにジョブステップを選択的に起動し、処理遂行中のジョブステップからの入力要求に応じて前記読込み分配部を起動して要求されたデータレコードを当該ジョブステップに供給させる制御データ解析部」と記載されているが、「制御ファイル」は、発明の詳細な説明及び図面によれば、図2に示されるものであって、その内容には「同期」に関連する情報は何もないので、その内容に基づいて「それぞれのジョブステップの動作環境を解読」することによって、何故、「それぞれのジョブステップからの同一データレコードの入力要求の同期がとれるようにジョブステップを選択的に起動」することができるのかが不明であり、しかも、「同期がとれるように」とは、具体的にどのような制御を行うものなのかが不明である。 発明の詳細な説明では、段落【0023】〜【0026】及び図6を用いて「同期」に関連するらしき説明がなされているが、その中では「同期」という用語は用いられておらず、請求項1中の「同期がとれるように」との記載は、発明の詳細な説明の段落【0023】〜【0026】及び図6に関連する動作と具体的にどのように対応するのかが不明である。 ・・・(中略)・・・ したがって、本願は、明細書及び図面の記載が不備のため、特許法第36条第4項並びに第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たしていない。」 (3)当審の判断 平成18年8月3日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、上記最後の拒絶理由通知で指摘されている請求項1及び発明の詳細な説明についての不備は、依然として解消していない。 (4)むすび 上記のとおり、本願の請求項1及び発明の詳細な説明についての不備は、依然として解消しておらず、本願は、特許法第36条第4項並びに第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たしていない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-08-22 |
結審通知日 | 2006-08-29 |
審決日 | 2006-09-12 |
出願番号 | 特願平7-239612 |
審決分類 |
P
1
8・
537-
WZ
(G06F)
P 1 8・ 574- WZ (G06F) P 1 8・ 572- WZ (G06F) P 1 8・ 536- WZ (G06F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 平井 誠 |
特許庁審判長 |
赤川 誠一 |
特許庁審判官 |
長島 孝志 成瀬 博之 |
発明の名称 | ファイルアクセス制御システム |
代理人 | 横山 淳一 |