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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04L
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04L
管理番号 1146041
審判番号 不服2006-7006  
総通号数 84 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2005-08-11 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-04-13 
確定日 2006-10-26 
事件の表示 特願2004-18268「ネットワーク接続装置」拒絶査定不服審判事件〔平成17年8月11日出願公開、特開2005-217481〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成16年1月27日の出願であって、平成18年3月6日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年4月13日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに同年5月15日付けで手続補正がなされたものである。

第2.補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成18年5月15日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.本願発明と補正後の発明
上記手続補正(以下、「本件補正」という。)は補正前の平成18年2月20日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された
「第1のネットワークと第2のネットワークとを接続するためのネットワーク接続装置であって、
前記第1のネットワークからデータを受信して出力する複数の送信装置と、
前記複数の送信装置から出力されたデータを前記第2のネットワークに送信する複数の受信装置と、を備え、
前記複数の送信装置各々は、
前記第1のネットワークから受信したデータのプロトコルを、前記第1のネットワークで使用される第1のプロトコルから当該第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコルに変換する第1の変換手段と、
前記複数の受信装置の動作状態を監視する監視手段と、
前記複数の受信装置のなかから前記監視手段による動作状態の監視結果が正常を示している受信装置を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された受信装置に、前記第1の変換手段によって前記第2のプロトコルに変換されたデータを出力する第1の出力手段と、を備え、
前記複数の受信装置各々は、
前記複数の送信装置から出力されたデータのプロトコルを、前記第2のプロトコルから当該第2のプロトコルとは異なる、前記第2のネットワークで使用される第3のプロトコルに変換する第2の変換手段と、
前記第2の変換手段によって前記第3のプロトコルに変換されたデータを前記第2のネットワークに出力する第2の出力手段と、を備えること
を特徴とするネットワーク接続装置。」
という発明(以下、「本願発明」という。)を、
「第1のネットワークと第2のネットワークとを接続するためのネットワーク接続装置であって、
前記第1のネットワークからデータを受信して出力する複数の送信装置と、
前記複数の送信装置から出力されたデータを前記第2のネットワークに送信する複数の受信装置と、を備え、
前記複数の送信装置各々は、
前記第1のネットワークから受信したデータのプロトコルを、前記第1のネットワークで使用される第1のプロトコルから当該第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコルに変換する第1の変換手段と、
前記複数の受信装置の動作状態を所定の信号を送信して応答の有無を確認することで監視する監視手段と、
前記複数の受信装置のなかから前記監視手段による動作状態の監視結果が正常を示している受信装置を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された受信装置に、前記第1の変換手段によって前記第2のプロトコルに変換されたデータを出力する第1の出力手段と、を備え、
前記複数の受信装置各々は、
前記複数の送信装置から出力されたデータのプロトコルを、前記第2のプロトコルから当該第2のプロトコルとは異なる、前記第2のネットワークで使用される第3のプロトコルに変換する第2の変換手段と、
前記第2の変換手段によって前記第3のプロトコルに変換されたデータを前記第2のネットワークに出力する第2の出力手段と、を備えること
を特徴とするネットワーク接続装置。」
という発明(以下、「補正後の発明」という。)に変更することを含むものである。

2.新規事項の有無、補正の目的要件について
上記補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内において、補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された「前記複数の受信装置の動作状態を監視する監視手段」を「前記複数の受信装置の動作状態を所定の信号を送信して応答の有無を確認することで監視する監視手段」に限定して特許請求の範囲を減縮するものであるから、特許法第17条の2第3項(新規事項)及び第4項第2号(補正の目的)の規定に適合している。

3.独立特許要件について
上記補正は特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、上記補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのかどうかについて以下に検討する。

(1)補正後の発明
上記「1.本願発明と補正後の発明」の項で認定したとおりである。

(2)引用発明及び周知技術
A.原審の拒絶理由に引用された特開2003-273931号公報(以下、「引用例」という。)には図面とともに以下の事項が記載されている。
イ.「企業内ネットワークに接続され、前記企業内ネットワークにおける状態監視を行うネットワーク管理端末装置と、
前記ネットワーク管理端末装置に接続され、前記ネットワーク管理端末装置から送られてきた情報を外部ネットワークにおいて使用される標準通信プロトコルに従い前記外部ネットワークを介して情報管理センタへ送信する通信制御装置と、
を有し、
前記通信制御装置は、前記ネットワーク管理端末装置との間で前記標準通信プロトコルとは異なる異種通信プロトコルによってデータ通信を行い、また、プロトコル変換機能として前記異種通信プロトコルから前記標準通信プロトコルへの単一方向への変換機能のみを有することを特徴とする外部ネットワーク接続システム。」(2頁1欄、請求項1)
ロ.「【0016】伝送処理部14は、起動されるとシリアル通信ケーブル15をオープンして、通信制御装置11の通信機能を起動する。そして、監視情報保持部13に保持されている監視情報を順に取り出し、通信制御装置11へ送信する。なお、本実施の形態の場合、イントラネットの通信プロトコルとしてTCP/IPを使用しているので、監視端末装置10は、監視情報を送信する前にTCP/IPからシリアル通信プロトコルへ変換する必要がある。(以下省略)」(3頁4欄、段落16)
ハ.「【0017】通信制御装置11は、監視端末装置10から監視情報が送られてくると、プロトコル変換処理部16は、その監視情報をTCP/IPに対応するように変換をし、情報送信処理部17は、プロトコル変換後の監視情報をインターネット3を介して監視センタ1へ送信する。(以下省略)」(3頁4欄、段落17)

上記引用例の記載及び図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると、上記「企業内ネットワーク(イントラネット)」と「外部ネットワーク(インターネット)」はそれぞれ通信プロトコルとしてTCP/IPを使用する「第1のネットワーク」と「第2のネットワーク」を構成している。
また、上記「監視端末装置」は企業内ネットワークの監視情報(即ち、「データ」)をTCP/IP(即ち、「第1のネットワークで使用される第1のプロトコル」)からシリアル通信プロトコル(即ち、「第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコル」)へ変換して通信制御装置へ送信する装置(即ち、「送信装置」)であり、当該「監視端末装置」中の「プロトコル変換」手段及び「伝送処理部」はそれぞれ「第1の変換手段」及び「第1の出力手段」を構成している。
また、上記「通信制御装置」は前記監視端末装置から送られた監視情報を受信する装置(即ち、「受信装置」)であり、当該監視情報(即ち、「データ」)をシリアル通信プロトコル(即ち、「第2のプロトコル」)からTCP/IP(即ち、「当該第2のプロトコルとは異なる、前記第2のネットワークで使用される第3のプロトコル)に変換してインターネット(即ち、外部ネットワークである第2のネットワーク)を介して監視センタへ送信する装置であり、当該「通信制御装置」中の「プロトコル変換」手段と「情報送信処理部」はそれぞれ「第2の変換手段」と「第2の出力手段」を構成している。
したがって、上記引用例には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されている。
(引用発明)
「第1のネットワークと第2のネットワークとを接続するためのネットワーク接続システムであって、
前記第1のネットワークからデータを受信して出力する送信装置と、
前記送信装置から出力されたデータを前記第2のネットワークに送信する受信装置と、を備え、
前記送信装置は、
前記第1のネットワークから受信したデータのプロトコルを、前記第1のネットワークで使用される第1のプロトコルから当該第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコルに変換する第1の変換手段と、
前記受信装置に、前記第1の変換手段によって前記第2のプロトコルに変換されたデータを出力する第1の出力手段と、を備え、
前記受信装置は、
前記送信装置から出力されたデータのプロトコルを、前記第2のプロトコルから当該第2のプロトコルとは異なる、前記第2のネットワークで使用される第3のプロトコルに変換する第2の変換手段と、
前記第2の変換手段によって前記第3のプロトコルに変換されたデータを前記第2のネットワークに出力する第2の出力手段と、を備えること
を特徴とするネットワーク接続システム。」

B.例えば特開平8-251218号公報(以下、「周知例1」という。)には図面とともに以下の事項イ、ロが記載されており、また例えば、特開昭63-187743号公報(以下、「周知例2」という。)には図面とともに以下の事項ハが記載されており、例えば、特開平10-271155号公報(以下、「周知例3」という。)には図面とともに以下の事項ニが記載されている。
イ.「【請求項2】 少なくとも2つのローカルエリアネットワークアダプタを備えた複数の通信装置間を接続するローカルエリアネットワーク(LAN)と、少なくとも2つの異なるローカルエリアネットワーク間を接続する複数のゲートウェイ装置と、各ゲートウェイ装置間を接続する通信網とからなる通信システムにおいて、
前記通信装置に、接続先までの通信経路を判定する通信経路判定手段と、
該通信経路判定手段の判定結果に基づいて通信経路上における故障発生箇所を判定する故障発生箇所判定手段とを設けたことを特徴とする通信システム。
【請求項3】 前記通信装置は、接続先の通信装置に対してヘルスチェック信号を送出するチェック信号送出手段と、
接続先の通信装置から前記ヘルスチェック信号を受信したときに応答信号を送出する応答信号送出手段と、
接続先の通信装置からの前記応答信号の有無に基づいて、前記接続先通信装置までの通信経路上の故障の有無を判定する故障判定手段とを備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の通信システム。」(周知例1、2頁1欄、請求項2、3)
ロ.「【0043】また、請求項2記載の通信システムによれば、通信装置間における通信経路の監視情報と通信経路のルート設定により、通信不能となった通信経路上或いはローカルネットワークアダプタ又はゲートウェイ装置における故障箇所を絞り込むことができ、運用系となる通信経路の選択を自動的且つ迅速に行うことができる。これにより、通信装置間の故障調査に要する手間を軽減でき、故障時の即応性を高めることができると共に、通信装置間の送受信信号のリアルタイム性と信頼性を向上することができる。
【0044】また、請求項3記載の通信システムによれば、上記の効果に加えて、接続先の通信装置に対するヘルスチェック信号の送出、及び接続先通信装置から発信元通信装置への応答信号の送出により、前記発信元通信装置において、前記接続先通信装置までの通信経路上の故障の有無が判定されるので、故障発生箇所の切り分けを迅速に行うことができる。」(周知例1、5頁8欄〜6頁9欄、段落43〜44)

ハ.「第1図と第2図とを用いて本発明の一実施例の動作について説明する。
スイッチ部1は制御部2からの指令に応答して回線11,12からのデータの行先を切換える。スイッチ部1によって切換えられたデータは回線インタフェース部3,4に入力され、回線インタフェース部3,4では、回線11,12からのデータを制御部2からの指令により上位装置20,21に出力するか、あるいは、バッファメモリ5に出力するかを選択する。
バッファメモリ5では回線インタフェース部3,4からのデータを一時格納し、制御部2からの指令により再び回線インタフェース部3,4を介して上位装置20,21に出力する。
制御部2では回線インタフェース部3,4を介して回線11,12の状態を監視し、回線11,12にあき時間があれば、回線11,12のあき時間を利用して上位装置20,21にテスト用データを送出し、このテスト用データにより上位装置20,21の動作状態を知る。
また、制御部2はテスト用データへの上位装置20,21の応答を監視し、上位装置20,21の応答により異常が発見された場合には、その異常を発生した上位装置20,21から正常な上位装置20,21への回線の切換えを行うため、スイッチ部1に対して切換え指令を出力する。」(周知例2、2頁右上欄3行目〜左下欄8行目)

ニ.「【0133】図8は、この発明の第4の実施の形態に係わる冗長接続構成をとる通信システムを示したものである。
【0134】この第4の実施の形態の通信システムにおいては、例えば、LAN間接続装置30-1-1およびLAN間接続装置30-2-1を現用系とし、LAN間接続装置30-1-2およびLAN間接続装置30-2-2を待機系として構成される。
【0135】現用系のLAN間接続装置30-1-1およびLAN間接続装置30-2-1と待機系のLAN間接続装置30-1-2およびLAN間接続装置30-2-2の間には、現用系のLAN間接続装置30-1-1から現用系LAN間接続装置30-2-1および待機系のLAN間接続装置30-1-2、LAN間接続装置30-2-2にパケットを送信するパケット転送用のパス50-10、現用系LAN間接続装置30-2-1から現用系のLAN間接続装置30-1-1および待機系のLAN間接続装置30-1-2、LAN間接続装置30-2-2にパケットを送信するパケット転送用のパス50-11が接続され、また、待機系のLAN間接続装置30-1-2から待機系のLAN間接続装置30-2-2および現用系のLAN間接続装置30-1-1、LAN間接続装置30-2-1に制御情報を送信する制御パス50-12、待機系のLAN間接続装置30-2-2から待機系のLAN間接続装置30-1-2および現用系のLAN間接続装置30-1-1、LAN間接続装置30-2-1に制御情報を送信する制御パス50-13が接続される。
【0136】ここで、パケット転送用のパス50-10、50-11では、LAN間のパケットの転送が行われ、制御パス50-12、50-13では、LAN間接続装置30-1-1、30-2-1、30-1-2、30-2-2の各々の状態の通信が行われる。
【0137】このような構成によると、現用系のLAN間接続装置30-1-1、30-2-1と待機系のLAN間接続装置30-1-2、30-2-2の切替に際してパスを張り替える必要がなくなり、パスの変更処理を軽減したLAN間接続装置の冗長接続構成の切替が実現できる。」(周知例3、10頁18欄、段落133〜137)

例えば上記周知例1、3に開示されているように「ネットワーク間接続を複数の送信側装置及び複数の受信側装置並びに複数の送受信間経路を用いて冗長化すること」は周知であり、また例えば上記周知例1、2に開示されているように「冗長化のために用意された複数の送信側装置それぞれが複数の受信側装置に対して所定のチェック信号を送信しその応答の有無を監視することにより正常な受信側装置を選択して伝送を行う冗長化手段」自体も周知である。

(3)対比・判断
補正後の発明と引用発明とを対比するに、補正後の発明の「ネットワーク接続装置」と引用発明の「ネットワーク接続システム」の間に実質的な差異はない。
したがって、補正後の発明と引用発明は、以下の点で一致ないし相違している。
(一致点)
「第1のネットワークと第2のネットワークとを接続するためのネットワーク接続装置であって、
前記第1のネットワークからデータを受信して出力する送信装置と、
前記送信装置から出力されたデータを前記第2のネットワークに送信する受信装置と、を備え、
前記送信装置は、
前記第1のネットワークから受信したデータのプロトコルを、前記第1のネットワークで使用される第1のプロトコルから当該第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコルに変換する第1の変換手段と、
前記受信装置に、前記第1の変換手段によって前記第2のプロトコルに変換されたデータを出力する第1の出力手段と、を備え、
前記受信装置は、
前記送信装置から出力されたデータのプロトコルを、前記第2のプロトコルから当該第2のプロトコルとは異なる、前記第2のネットワークで使用される第3のプロトコルに変換する第2の変換手段と、
前記第2の変換手段によって前記第3のプロトコルに変換されたデータを前記第2のネットワークに出力する第2の出力手段と、を備えること
を特徴とするネットワーク接続装置。」

(相違点)「送信装置」と「受信装置」に関し、補正後の発明はそれぞれ「複数の送信装置」と「複数の受信装置」を備え、前記「複数の送信装置」各々が「前記複数の受信装置の動作状態を所定の信号を送信して応答の有無を確認することで監視する監視手段と、前記複数の受信装置のなかから前記監視手段による動作状態の監視結果が正常を示している受信装置を選択する選択手段」および引用発明と同じ構成の「第1の変換手段」と「第1の出力手段」を備え、前記「複数の受信装置」各々が引用発明と同じ構成の「第2の変換手段」と「第2の出力手段」を備えているのに対し、引用発明の「送信装置」と「受信装置」はそれぞれ1つであり、冗長化のための構成を備えていない点。

そこで、上記相違点について検討するに、例えば上記周知例1、3に開示されているように「ネットワーク間接続を複数の送信側装置及び複数の受信側装置並びに複数の送受信間経路を用いて冗長化すること」は周知であり、また例えば上記周知例1、2に開示されているように「冗長化のために用意された複数の送信側装置それぞれが複数の受信側装置に対して所定の信号を送信しその応答の有無を監視することにより正常な受信側装置を選択して伝送を行う冗長化手段」自体も周知であるところ、これらの周知技術を引用発明のネットワーク間接続手段である「監視端末装置-通信制御装置間のシリアル通信」の冗長化に適用する上での阻害要因は何ら見あたらないから、当該周知の冗長化手段に基づいて、引用発明の「監視端末装置」と「通信制御装置」にそれぞれ備えられた「送信装置」と「受信装置」をそれぞれ「複数の送信装置」と「複数の受信装置」で構成するとともに、当該「複数の送信装置」各々に「前記複数の受信装置の動作状態を所定の信号を送信して応答の有無を確認することで監視する監視手段と、前記複数の受信装置のなかから前記監視手段による動作状態の監視結果が正常を示している受信装置を選択する選択手段」及び「第1の変換手段」と「第1の出力手段」を設け、前記「複数の受信装置」各々に「第2の変換手段」と「第2の出力手段」を設けて装置の冗長化を図る程度のことは当業者であれば所望に応じて適宜成し得ることである。

以上のとおり、補正後の発明は引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4.結語
以上のとおり、本件補正は、補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、特許法第17条の2第5項の規定により準用する特許法第126条第5項の規定に適合していない。
したがって、本件補正は、特許法第159条第1項において準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3.本願発明について
1.本願発明
平成18年5月15日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願発明は上記「第2.補正却下の決定」の項中の「1.本願発明と補正後の発明」の項で認定した「本願発明」のとおりである。

2.引用発明及び周知技術
引用発明及び周知技術は、上記「第2.補正却下の決定」の項中の「3.独立特許要件について」の項中の「(2)引用発明及び周知技術」の項で認定したとおりである。

3.対比・判断
そこで、本願発明と引用発明とを対比するに、本願発明は上記補正後の発明から当該補正に係る限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成に当該補正に係る限定を付加した補正後の発明が、上記「第2.補正却下の決定」の項中の「3.独立特許要件について」の項で検討したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものであるから、本願発明も同様の理由により、容易に発明できたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-08-22 
結審通知日 2006-08-29 
審決日 2006-09-13 
出願番号 特願2004-18268(P2004-18268)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04L)
P 1 8・ 575- Z (H04L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中元 淳二石田 紀之衣鳩 文彦  
特許庁審判長 羽鳥 賢一
特許庁審判官 宮下 誠
浜野 友茂
発明の名称 ネットワーク接続装置  
代理人 特許業務法人湘洋内外特許事務所  

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