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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B60G
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B60G
管理番号 1146106
審判番号 不服2004-3606  
総通号数 84 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1998-07-07 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-02-25 
確定日 2006-10-23 
事件の表示 平成8年特許願第354913号「車両のフロントサスペンション」拒絶査定不服審判事件〔平成10年7月7日出願公開、特開平10-181323〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成8年12月20日の出願であって、平成16年1月23日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成16年2月25日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、平成16年3月18日付けで手続補正がなされ、平成16年4月5日付けの手続補正指令書に対して、平成16年4月9日付けで手続補正がなされたものである。

第2.平成16年3月18日付けの手続補正及び平成16年4月9日付けの手続補正について
[補正却下の決定の結論]
平成16年3月18日付けの手続補正及び平成16年4月9日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1.補正後の本願の発明
平成16年3月18日付けの手続補正は、平成15年10月20日付けの手続補正書により補正された明細書を補正したものであり、平成16年4月9日付けの手続補正は、平成16年3月18日付けの手続補正書の請求項1を補正対象項目とする【手続補正1】を特許請求の範囲を補正対象項目とするものに補正したものであって、平成16年3月18日付けの手続補正及び平成16年4月9日付けの手続補正により補正した請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という)は、次のとおりである。
「【請求項1】 車輪を回転自在に支持するハウジングをロアリンクとアッパリンクとで車体に対し上下揺動可能に支持するマルチリンク式フロントサスペンションにおいて、ハウジングの上部に中間リンクを上下方向の軸部にて回動可能に取付け、該軸部の中心線と上記ロアリンクのハウジング下部への取付点とを結ぶ直線にてキングピン軸を構成し、基端部を車体側部材に軸着したアッパリンクの先端部を上記中間リンクに、該中間リンクの上記キングピン軸回りの回動を抑えるよう軸結合し、上端部を車体側部材に首振り可能に取付けたダンパの下端部の取付部を、上記ハウジングの上部の上記中間リンク取付部の極く近傍位置で、側面視で車輪中心のほぼ真上部に固着されたほぼ前後方向の結合軸にて軸結合したことを特徴とする車両のフロントサスペンション。」

上記補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項であるダンパの下端部の軸結合について、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した技術的事項に基づいて、「ダンパの下端部の取付部」を「側面視で車輪中心のほぼ真上部」にて軸結合するとの限定を付加するものであるから、新規事項を追加するものではなく、特許法第17条の2第4項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、上記の本願補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2.引用例とその記載事項
(1)原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された特開平5-319047号公報(以下、「引用例1」という)には、「車両のサスペンション装置」に関して、図1〜5とともに次の事項が記載されている。

ア.「【0012】図1及び図2は本発明の第1実施例に係わる車両のサスペンション装置を示し、1は操舵輪たる車輪(前輪)2を回転自在に支持する車輪支持部材としてのナックル部材であって、該ナックル部材1の下端はロアアーム3を介して、ナックル部材1の上端はアッパアーム4を介してそれぞれ車体側に連結されている。5は車輪2の上下動を緩衝するショックアブソーバからなるダンパー装置であって、該ダンパー装置5の上端はラバーマウント(図示せず)を介して車体6に弾性的に支持され、ダンパー装置5の下端は上記ナックル部材1の上下方向中間部に連結されている。」

イ.「【0014】上記ナックル部材1の上端には連結部材21が装着されているとともに、該連結部材21には上記アッパアーム4の外端が連結されている。また、ナックル部材1には、図示していないが、その上下方向中間部から後方に延びるアーム部が一体形成され、該アーム部の先端にステアリング装置のタイロッドが連結されて、ステアリング装置から伝達される操舵力によりナックル部材1ないし車輪2が左右に操舵されるようになっている。」

ウ.「【0015】上記ナックル部材1の上端と連結部材21との連結部においては、図3に詳示するように、ナックル部材1の上端に上下方向に延びる上下軸23が取付けられ、該上下軸23の外周にはスリーブ部材24が嵌着されている。・・・・・よって、上記連結部材21は、ナックル部材1の上端に対し、上下軸23の廻りにのみ回動可能に設けられ、上記上下軸23と直交する軸廻りの回転力に対しては上記スリーブ部材24の外周面と第1ボス部21aの内周面との間での面接触により抵抗するようになっている。」

エ.「【0016】上記アッパアーム4の内端は、車体側の部材(図示せず)に対し、軸線が車体前後方向に延びるラバーブッシュ26を介して一点で上下揺動可能に連結されている。また、アッパアーム4は、その中間部から外端側にかけて二股状に分岐した一対の分岐部4a,4aを有し、該両分岐部4a,4a間に上記連結部材21の第2ボス部21eを挟んだ状態で該第2ボス部21eに連結されている。」

オ.「【0017】上記連結部材21の第2ボス部21eとアッパアーム4の外端(詳しくは各分岐部4aの先端)との連結部においては、図4に詳示するように、連結部材21の第2ボス部21eを車体前後方向に貫通する前後軸31が設けられ、該前後軸31の両端は、それぞれアッパアーム4の各分岐部4aの先端部を貫通して支持されている。上記前後軸31の外周にはスリーブ部材32がアッパアーム4の両分岐部4a,4a間に挟まれた状態で嵌着されている。・・・・・よって、上記連結部材21とアッパアーム4とは、上記前後軸31の廻りにのみ回動可能でかつ前後軸31と直交する軸廻りの回転力に対しては上記スリーブ部材32の外周面と第2ボス部21eの内周面との間での面接触により抵抗するようになっている。」

カ.「【0018】さらに、上記ダンパー装置5の下端とナックル部材1の中間部との連結部においては、ダンパー装置5の下端に、軸線が車体前後方向に延びるボス部5aが形成されている。一方、ナックル部材1の中間部には、該ボス部5aの前後両側に位置する一対の支持部1a,1aが一体形成されている。そして、前後軸36を上記一方の支持部1aから上記ボス部5aを貫通して他方の支持部1aにまで延設することにより、ダンパー装置5の下端がナックル部材1に上記前後軸36の廻りにのみ回動可能に連結されている。」

キ.「【0019】次に、上記第1実施例の作用・効果を説明するに、車輪2がステアリング装置からの操舵力をナックル部材1を介して受けて左右に操舵されるとき、上記ナックル部材1の下端側つまりロアアーム3側の瞬間回転中心点は、該ロアアーム3を構成する2本のリンク部材11,12の軸線同士の交点O1である。また、ナックル部材1の上端側の瞬間回転中心点は、該ナックル部材1が連結部材21との連結軸である上下軸23廻りに回動するとともに、ダンパー装置5、ナックル部材1及びアッパアーム4からなる構造体がダンパー装置5の車体連結点とアッパアーム4の車体連結点(ラバーブッシュ26の中心点)とを結ぶ直線L1廻りに回動変位することから、上記上下軸23の軸延長線L2と上記直線L1との交点O2となる。従って、仮想キングピン軸は、上記二つの交点O1,O2を通る直線L3となるが、この仮想キングピン軸L3は、車輪2の幅方向中心線L4側に寄りかつ略鉛直に立ち上がるようになり、ダブルウィッシュボーン式のサスペンション装置と同程度に、車輪2の回転中心線L5上では車輪2の幅方向中心線L4よりも若干車体内側を通り、車輪2の接地面では若干ネガティブキングピンオフセット(-Δ)となるよう車輪2の幅方向中心線L4よりも若干車体外側を通る理想のものに近付くようになるので、サスペンション性能の向上を図ることができる。」

ク.図1、図2、図5には、側面視で車輪中心のほぼ真上部に固着された前後軸36が記載されている。

(2)同じく、引用文献3として引用された特開平7-276939号公報(以下、「引用例2」という)には、「車両用サスペンション」に関して、図1、2とともに次の事項が記載されている。

ケ.「【0009】図1は本発明の第1の実施例を示すものであり、1は車輪を回転可能に支持するハウジング、2はストラットダンパである。該ストラットダンパ2は従来より公知のものと同様、外筒21と該外筒21内に摺動可能に嵌装されたピストンロッド22とからなり、外筒21とピストンロッド22との間に掛装されたコイルスプリング3をストラットダンパ2の外周部に配設した構造となっている。
【0010】該ストラットダンパ2の上端部即ちピストンロッド22の上端部は従来通りマウントラバー22aを介して車体側部材4に取付けられるが、ストラットダンパ2の下端部即ち外筒21の下端部とハウジング1とは、外筒21の下端部に一体的に固着した二股状のブラケット21aをハウジング1の前後の軸受部1aにほぼ前後方向の軸5にてブッシュを介して揺動可能に取付けた構造としている。
【0011】上記ハウジング1の軸受部1aは車輪の回転中心Oの下側で該回転中心Oを挟んで前後に設けられ、この前後の軸受部1aに外筒21下端部に固着した二股状のブラケット21aをブッシュを介してほぼ前後方向の軸5にて軸着することにより、キャンバー方向に揺動可能で駆動トルク及びブレーキトルクは拘束するという取付けとしている。」

コ.「【0016】図2は本発明の第2の実施例を示すもので、図1のロアアーム6の代わりにトレーリングリンク61と前後のラテラルリンク62,63とでハウジング1の下部を車体に上下揺動可能に支持させた点が図1の実施例と異なるもので、その他の構成は図1の実施例とほぼ同じであり、図1と同一の符号は図1と同じ部分を表わしている。但し、図2の実施例では、ストラットダンパ2下部のハウジング1への取付部は車輪回転中心Oの上方後部に位置している。」

3.発明の対比
(1)本願補正発明の構成事項と引用例1の記載事項とを対比する。
引用例1の「ナックル部材1」は、本願補正発明の「ハウジング」と同様に、車輪を回転自在に支持するものであり、本願補正発明の「ロアリンク」に相当する「ロアアーム3」と本願補正発明の「アッパリンク」に相当する「アッパアーム4」とで車体に対し上下揺動可能に支持されている(記載事項ア参照)。
引用例1の「車両のサスペンション装置」は、前輪用であり(記載事項ア参照)、連結部材21を介してアッパアーム4とナックル部材1を連結しているから(記載事項イ参照)、本願補正発明の「マルチリンク式フロントサスペンション」、「車両のフロントサスペンション」に相当する。
引用例1の「連結部材21」はナックル部材1(ハウジング)の上部に上下方向の軸部である上下軸23にて回動可能に取付けられているから(記載事項イ、ウ参照)、本願補正発明の「中間リンク」に相当する。
引用例1の「アッパアーム4」は、本願補正発明の「アッパリンク」と同様に、基端部を車体側部材に軸着しており(記載事項エ参照)、二股の先端部を連結部材21(中間リンク)に前後軸31で軸結合している(記載事項オ参照)。
引用例1の「ダンパー装置5」は、本願補正発明の「ダンパ」と同様に、下端部の取付部であるボス部5aは側面視で車輪中心のほぼ真上部に固着されたほぼ前後方向の結合軸である前後軸36にてナックル部材1(ハウジング)に軸結合されており(記載事項カ、ク参照)、上端部は車体に対し弾性的に支持されているから(記載事項ア参照)、上端部を車体側部材に首振り可能に取付けたものといえる。

(2)以上の対比関係から、引用例1に次の発明が記載されているとみることができ、これは本願補正発明との一致点といえる。
【一致点】
「車輪を回転自在に支持するハウジングをロアリンクとアッパリンクとで車体に対し上下揺動可能に支持するマルチリンク式フロントサスペンションにおいて、ハウジングの上部に中間リンクを上下方向の軸部にて回動可能に取付け、基端部を車体側部材に軸着したアッパリンクの先端部を上記中間リンクに軸結合し、上端部を車体側部材に首振り可能に取付けたダンパの下端部の取付部を、上記ハウジングの側面視で車輪中心のほぼ真上部に固着されたほぼ前後方向の結合軸にて軸結合した車両のフロントサスペンション。」
に係る発明である点。

(3)一方、引用例1に記載された発明と本願補正発明との間に次の相違点が認められる。
【相違点1】
本願補正発明では、中間リンクをハウジングに回動可能に取付ける上下方向の軸部の中心線とロアリンクのハウジング下部への取付点とを結ぶ直線にてキングピン軸を構成し、中間リンクのキングピン軸回りの回動を抑えるようアッパリンクの先端部を中間リンクに軸結合しているのに対して、引用例1に記載された発明では、ロアアーム3を構成する2本のリンク部材11,12の軸線同士の交点O1とダンパー装置5の車体連結点とアッパアーム4の車体連結点とを結ぶ直線L1と上下軸23の軸延長線L2との交点O2の二つの交点O1,O2を通る直線を仮想キングピン軸L3としており(記載事項キ参照)、連結部材21(中間リンク)の前記本願補正発明のキングピン軸回りの回動を抑えるようアッパアーム4(アッパリンク)の先端部を連結部材21(中間リンク)に軸結合しているとはいえない点。

【相違点2】
ダンパの下端部の取付部をほぼ前後方向の結合軸でハウジングに軸結合する位置が、本願補正発明では、ハウジングの上部の中間リンク取付部の極く近傍位置であるのに対して、引用例1に記載された発明では、ナックル部材1(ハウジング)の中間部である点。

4.当審の判断
(1)上記相違点1について検討する。
サスペンション装置において、ロアリンクを一本のリンク部材とし、その先端を車輪を回転自在に支持するハウジングの下部に一つのボールジョイントで結合することにより、中間リンクをハウジングに回動可能に取付ける上下方向の軸部の中心線とロアリンクのハウジング下部への取付点(ボールジョイントの中心)とを結ぶ直線にてキングピン軸を構成するとともに、中間リンクのキングピン軸回りの回動を抑えるようアッパリンクの先端部を中間リンクに軸結合することは従来周知である(例えば、実公平6-9847号公報、特公平6-59768号公報、特公昭62-46363号公報参照)。
したがって、引用例1に記載された発明において、ロアアーム3(ロアリンク)を一本のリンク部材とし、その先端を車輪を回転自在に支持するナックル部材1(ハウジング)の下部に一つのボールジョイントで結合することにより、キングピン軸を、中間リンクをハウジングに回動可能に取付ける上下方向の軸部の中心線とロアリンクのハウジング下部への取付点とを結ぶ直線にて構成するとともに、中間リンクのキングピン軸回りの回動を抑えるようアッパリンクの先端部を中間リンクに軸結合し、上記相違点1に係る本願補正発明の構成とすることに、格別の技術的困難性があるとは認められない。

(2)上記相違点2について検討する。
引用例2には、ダンパの下端部の取付部をほぼ前後方向の結合軸でハウジングに軸結合する位置を、ハウジングの上部としたもの及びハウジングの下部としたものが記載されていることからみても(記載事項ケ、コ参照)、ダンパの下端部の取付部を軸結合する位置をハウジングのどの位置とするかは、当業者であれば適宜選択しうる設計事項と認められる。
したがって、引用例1に記載された発明において、ダンパー装置5(ダンパ)の下端部の取付部をほぼ前後方向の前後軸36(結合軸)でナックル部材1(ハウジング)に軸結合する位置を、ナックル部材1(ハウジング)の上部の連結部材21(中間リンク)取付部の極く近傍位置とし、上記相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者にとって格別困難なことであるとは認められない。

(3)また、上記相違点1、2で指摘した構成を併せ備える本願補正発明の作用効果は、上記引用例1、2の記載事項及び上記周知技術から、当業者であれば予測できる程度以上のものではない。

(4)よって、本願補正発明は、上記引用例1、2に記載された発明及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

5.むすび
以上のとおり、平成16年3月18日付けの手続補正及び平成16年4月9日付けの手続補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3.本願の発明について
1.本願の発明
平成16年3月18日付けの手続補正及び平成16年4月9日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1〜4に係る発明は、平成15年10月20日付けの手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1〜4に記載された事項により特定されるものと認められるが、そのうち請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は、次のとおりである。
「【請求項1】 車輪を回転自在に支持するハウジングをロアリンクとアッパリンクとで車体に対し上下揺動可能に支持するマルチリンク式フロントサスペンションにおいて、ハウジングの上部に中間リンクを上下方向の軸部にて回動可能に取付け、該軸部の中心線と上記ロアリンクのハウジング下部への取付点とを結ぶ直線にてキングピン軸を構成し、基端部を車体側部材に軸着したアッパリンクの先端部を上記中間リンクに、該中間リンクの上記キングピン軸回りの回動を抑えるよう軸結合し、上端部を車体側部材に首振り可能に取付けたダンパの下端部を、上記ハウジングの上部の上記中間リンク取付部の極く近傍位置に固着されたほぼ前後方向の結合軸にて軸結合したことを特徴とする車両のフロントサスペンション。」

2.引用例とその記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用例とその記載事項は、前記「第2.2.引用例とその記載事項」に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は、前記第2.で検討した本願補正発明から、ダンパの下端部の軸結合についての限定事項である「取付部」、「側面視で車輪中心のほぼ真上部」との構成を省くものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2.4.当審の判断」に記載したとおり、上記引用例1、2に記載された発明及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願補正発明の上位概念発明である本願発明も、本願補正発明と同様の理由により、上記引用例1、2に記載された発明及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、上記引用例1、2に記載された発明及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そして、このような特許を受けることができない発明を包含する本願は、本願の請求項2〜4に係る発明について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-08-24 
結審通知日 2006-08-29 
審決日 2006-09-11 
出願番号 特願平8-354913
審決分類 P 1 8・ 575- Z (B60G)
P 1 8・ 121- Z (B60G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 増岡 亘小関 峰夫  
特許庁審判長 鈴木 久雄
特許庁審判官 永安 真
平瀬 知明
発明の名称 車両のフロントサスペンション  
代理人 大房 孝次  
代理人 白濱 國雄  

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