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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1146987
審判番号 不服2001-7917  
総通号数 85 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2001-11-13 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-05-14 
確定日 2006-11-06 
事件の表示 特願2000-142300「球体搬送磨き装置」拒絶査定不服審判事件〔平成13年11月13日出願公開、特開2001-314637〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成12年5月10日の出願であって、平成13年3月13日付の拒絶理由通知に対し平成13年4月6日付で手続補正がなされ、平成13年4月25日付で拒絶査定がなされ、平成13年5月14日付で拒絶査定に対する審判請求がなされると共に同日付で手続補正がなされたものである。

2.平成13年5月14日付の手続補正(以下、「本件補正」という。)についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成13年5月14日付の手続補正を却下する。
[理由]
(1)本件補正の内容
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、

「円柱形状の内部空間を有し、前記内部空間を形成する内側壁面に、球体をガイドするガイド溝が螺旋状に形成された柱状体と、
前記内側壁面と同軸状に、前記柱状体の前記内部空間に配置されてなる円柱体と、
前記円柱体の中心軸を回転中心にして、前記柱状体に対して前記円柱体を回転させる駆動機構と、
前記円柱体の側面に配置された磨き部材とを有し、
前記駆動機構による前記柱状体に対する前記円柱体の回転により、前記ガイド溝により球体をガイドして搬送しながら、前記磨き部材により前記球体を磨く球体搬送磨き装置において、
前記柱状体は、
前記内部空間の中心軸を含む平面により、それぞれ内側の断面形状が半円弧形状である本体部材と取り付け部材とにほぼ2分割されて、
前記取り付け部材が片開きにより前記本体部材に保持され、
前記本体部材及び前記取り付け部材の内側壁材は、
前記ガイド溝の凹部の壁面を形成する直線状の突起が所定のピッチにより繰り返されてなる金属板材を、前記突起が所定の傾きにより延長するように略長方形形状に切断した後、円弧形状に曲げ加工して形成され、
前記磨き部材が、
前記円柱体の側面に交換可能に配置されたことを特徴とする球体搬送磨き装置。」

と補正された。

前記補正は、補正前(平成13年4月6日付で手続補正により補正された特許請求の範囲)の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「所定の球体を磨きながら搬送する球体搬送磨き装置において、」「ガイド溝によりガイドされる前記球体を前記磨き部材により押圧しながら、前記球体を前記ガイド溝に沿って移動させて前記球体を搬送し」を「前記駆動機構による前記柱状体に対する前記円柱体の回転により、前記ガイド溝により球体をガイドして搬送しながら、前記磨き部材により前記球体を磨く球体搬送磨き装置において」と、「円柱形状に内部空間を形成し、前記内部空間の内側壁面」を「円柱形状の内部空間を有し、前記内部空間を形成する内側壁面」と、「前記内側壁面と同軸状に前記内部空間に配置されて、側面に前記球体を磨く磨き部材を配置してなる円柱体」を「前記内側壁面と同軸状に、前記柱状体の前記内部空間に配置されてなる円柱体」、「前記円柱体の側面に配置された磨き部材」及び「前記磨き部材が、前記円柱体の側面に交換可能に配置されたこと」と、「柱状体が、前記円柱形状の内部空間を露出可能に、内側の断面形状が略半円弧形状である本体部材に対して、内側の断面形状が略半円弧形状の取付部材を取り付けて形成され、前記本体部材及び又は前記取り付け部材が、前記ガイド溝を構成する凹部が形成された所定形状の板材を曲げ加工して形成されたこと」を「柱状体は、 前記内部空間の中心軸を含む平面により、それぞれ内側の断面形状が半円弧形状である本体部材と取り付け部材とにほぼ2分割されて、前記取り付け部材が片開きにより前記本体部材に保持され、前記本体部材及び前記取り付け部材の内側壁材は、 前記ガイド溝の凹部の壁面を形成する直線状の突起が所定のピッチにより繰り返されてなる金属板材を、前記突起が所定の傾きにより延長するように略長方形形状に切断した後、円弧形状に曲げ加工して形成され」とそれぞれ限定するものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのか(平成15年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に適合するか)について以下に検討する。


(2)引用例
原査定の拒絶の理由で引用された特開平11-47421号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに以下の記載がある。

(記載事項a)
「遊技において使用される遊技球を揚送しながら研磨する揚送研磨装置において、
前記揚送研磨装置は、その内壁が円形断面形状の外筒、駆動手段および研磨体を備えており、
前記外筒の内壁は、該外筒の下端から上端に向かって螺旋方向に延びる遊技球案内部を有し、
前記遊技球案内部の下端は、球取入口に通じており、
前記遊技球案内部の上端は、球排出口に通じており、
前記研磨体は、軸形状に形成されていて、前記外筒内に収容されており、
前記研磨体は、研磨材にて構成された軸周壁を有し、
前記駆動手段は、前記外筒の筒軸を同心として前記研磨体を軸回りに回転可能に構成されており、
前記研磨体の軸周壁は、前記回転するときに、前記外筒の内壁に沿って移動して、前記遊技球案内部に取り入れられる遊技球を前記螺旋方向に押し上げながら研磨することを特徴とする揚送研磨装置。」(【特許請求の範囲】の【請求項1】)

(記載事項b)
「【発明の属する技術分野】本発明は、遊技において使用される遊技球を揚送しながら研磨する揚送研磨装置に関する。」(段落【0001】)

(記載事項c)
「 図1?図5および図8に示すように、遊技場には遊技機島10が複数配置され、遊技機島10はパチンコ機である遊技機12を多数並べて成る。遊技機島10の中央部には、揚送研磨装置が立設されている。本実施の形態に係る揚送研磨装置は、遊技において使用されるパチンコ球である遊技球を揚送しながら研磨するものである。揚送研磨装置は、円筒形状の外筒20、駆動手段30および研磨体40を備えている。
外筒20の内壁23は、4条の遊技球案内部24を有している。各遊技球案内部24は、外筒20の下端21から上端22に向かって螺旋方向に互いに並行に延びている。各遊技球案内部24は、溝形状に形成され、遊技球の半径に相当する溝深さを有している。遊技球案内部24の溝内面24aは、研磨布などの研磨材により構成されている。」(段落【0013】?【0014】)

(記載事項d)
「 本実施の形態では、遊技球案内部24を4条設けたものを示したが、3条以下であってもよく、5条以上であってもよい。遊技球案内部24の条数が増えるに応じて、球取入口25および球排出口26の数が外筒20の下端21および上端22のそれぞれの周方向に増えていき、遊技球を揚送研磨する処理能力が向上する。球取入口25等を外筒20の全周に設けて、遊技球案内部24の条数を最大にし、遊技球の処理能力を最大にすることができる。
外筒20に開設された球取入口25は、取入樋13の終端に通じており、取入樋13の始端は、遊技機島10下段の下部貯留タンク14の排出口に通じている。
外筒20に開設された球排出口26は、排出樋15に通じている。排出樋15の先端部は、各遊技機12に遊技球を供給するための供給樋17が接続されている。遊技球案内部24の下端は、球取入口25に通じており、遊技球案内部24の上端は、球排出口26に通じている。
駆動手段30は動力源である駆動モータ35を有している。駆動モータ35は、外筒20の上端に固定されており、駆動モータ35の出力軸は、例えば遊星歯車機構などの減速機構を介して研磨体40の回転軸に連結されている。研磨体40の回転中心は、外筒20の筒軸心を同心としている。
研磨体40は、軸形状に形成されていて、外筒20内に収容されている。研磨体40は、外筒20の筒軸心を同心として回転可能に支持されている。研磨体40は、研磨材にて構成された軸周壁41を有している。研磨体40の軸周壁41は、前記回転するときに、外筒20の内壁23に沿って移動して、遊技球案内部24の下端に取り入れられる遊技球を螺旋方向に押し上げながら研磨するよう構成されている。」(段落【0016】?【0020】)

(記載事項e)
「 次に作用を説明する。遊技において使用された遊技球は、遊技機島10下段の下部貯留タンク14に回収され、取入樋13?球取入口25を通って、外筒20の遊技球案内部24の下端に取り入れられる。また、駆動モータ35が始動すると、減速機構(図示省略)を介して、研磨体40が回転する。
それにより、外筒20内では、研磨体40が外筒20の筒軸を同心として回転する。また、掛止部65は、研磨体40と一体的に回転して、取り込み難い遊技球を遊技球案内部24の下端に強制的に取り込むようになっている。掛止部65を設けたことにより、掛止部65が遊技球を確実に遊技球案内部24に取り込むことができる。
研磨体40の軸周壁41は、回転するときに、前記外筒20の内壁23に沿って移動して、遊技球案内部24の下端に取り入れられる遊技球を遊技球案内部24の螺旋方向に押し上げる。このとき、遊技球の表面と研磨体40の軸周壁41を成す研磨材とが接触しながら相互に移動し、研磨体40の研磨材が遊技球の表面を擦りながら押し上げるようになるので、また、遊技球の表面と溝内面24aを成す研磨材とが接触しながら遊技球が螺旋方向へ移動するので、遊技球が外筒20の上端に揚送されるまでの間で、遊技球の表面の汚れを除去することができる。」(段落【0023】?【0025】)

これらの記載、並びに、特に、
(ア)「円筒形状の外筒20」(記載事項c)という記載、及び、「外筒20の内壁23は、・・・遊技球案内部24を有している。」(記載事項c)という記載から、外筒20が「円柱形状」の「内部空間」を有すること、内壁23が「内部空間」を「形成」すること、及び、遊技球案内部24が遊技球を「ガイド」することが明らかなこと、
(イ)「研磨体40の回転中心は、外筒20の筒軸心を同心としている。」(記載事項d)という記載、及び、「研磨体40の軸周壁41は、前記回転するときに、外筒20の内壁23に沿って移動して、遊技球案内部24の下端に取り入れられる遊技球を螺旋方向に押し上げながら研磨する」(記載事項d)という記載から、研磨体40は、研磨体40の「中心軸」を回転中心にして回転することが明らかなこと、

を勘案すれば、引用例には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「円柱形状の内部空間を有し、前記内部空間を形成する内壁23に、遊技球をガイドする遊技球案内部24が螺旋方向に形成された外筒20と、
前記内壁23と同心に、前記外筒20の前記内部空間に収容されてなる研磨体40と、
前記研磨体40の中心軸を回転中心にして、前記外筒20に対して前記研磨体40を回転させる駆動モータ35とを有し、
前記駆動モータ35による前記外筒20に対する前記研磨体40の回転により、前記遊技球案内部24により遊技球をガイドして揚送しながら、研磨体40の軸周壁41を成す研磨材により前記遊技球を研磨する揚送研磨装置。」

(3)対比
そこで、本願補正発明と引用発明とを比較すると、引用発明の、a「内壁23」、b「遊技球」、c「螺旋方向に」、d「外筒20」、e「同心」、f「収容」、g「駆動モータ35」、h「揚送しながら」、i「研磨する」、j「揚送研磨装置」は、本願補正発明の、a「内側壁面」、b「球体」、c「螺旋状に」、d「柱状体」、e「同軸状」、f「配置」、g「駆動機構」、h「搬送しながら」、i「磨く」、j「球体搬送磨き装置」に相当する。
また、引用発明の「遊技球案内部24」は、「溝形状に形成され」(記載事項c)ているのだから、本願補正発明の「ガイド溝」に相当する。
また、「研磨体40は、軸形状に形成され」(記載事項d)という記載、研磨体40の断面が示された図6及び図7の記載、並びに、研磨体40の正面図である図5の記載から、引用発明の「研磨体40」は、外形が円柱の形状であることが明らかであって、本願補正発明の「円柱体」に相当する。
また、引用発明の「研磨体40の軸周壁41を成す研磨材」と本願補正発明の「磨き部材」とは、「磨き手段」という点で共通している。

よって、両者は、

「円柱形状の内部空間を有し、前記内部空間を形成する内側壁面に、球体をガイドするガイド溝が螺旋状に形成された柱状体と、
前記内側壁面と同軸状に、前記柱状体の前記内部空間に配置されてなる円柱体と、
前記円柱体の中心軸を回転中心にして、前記柱状体に対して前記円柱体を回転させる駆動機構とを有し、
前記駆動機構による前記柱状体に対する前記円柱体の回転により、前記ガイド溝により球体をガイドして搬送しながら、磨き手段により前記球体を磨く球体搬送磨き装置。」

である点で一致し、以下の点で相違する。

相違点1
球体を磨く磨き手段が、本願補正発明では、磨き部材であって、円柱体の側面に交換可能に配置されているのに対して、引用発明では、円柱体の軸周壁41を成す研磨材である点。

相違点2
本願補正発明では、
前記柱状体は、内部空間の中心軸を含む平面により、それぞれ内側の断面形状が半円弧形状である本体部材と取り付け部材とにほぼ2分割されて、前記取り付け部材が片開きにより前記本体部材に保持されており、
前記本体部材及び前記取り付け部材の内側壁材は、
前記ガイド溝の凹部の壁面を形成する直線状の突起が所定のピッチにより繰り返されてなる金属板材を、前記突起が所定の傾きにより延長するように略長方形形状に切断した後、円弧形状に曲げ加工して形成されているのに対して、
引用発明では、
柱状体が、そもそも本体部材と取り付け部材とに2分割されておらず、柱状体がどのようにして形成されているのかも明らかでない点。

(4)判断
相違点1について検討する。
球体搬送磨き装置において、球体を磨く磨き手段を、交換可能とすることは周知技術(以下、「周知技術A」という。)(例えば、特開平11-114199号公報(特に、【0051】を参照。)、特開平10-277247号公報(特に、【0009】を参照。)を参照。)であるし、引用発明において、円柱体の軸周壁41が円柱体の側面に配置されていることも明らかである。してみれば、引用発明において、球体を磨く磨き手段である軸周壁41を成す研磨材を、前記周知技術Aの如く円柱体の側面に交換可能に配置して相違点1に係る本願補正発明の如く構成することは、当業者が容易に想到できることである。

相違点2について検討する。
球体搬送磨き装置において、柱状体を、内部空間の中心軸を含む平面により、それぞれ内側の断面形状が半円弧形状である本体部材と取り付け部材とにほぼ2分割し、前記取り付け部材が片開きにより前記本体部材に保持されるようにすることは周知技術(以下、「周知技術B」という。)(例えば、特開平11-114199号公報(特に、【0052】、図1、図2を参照。)、特開平10-277247号公報(特に、【0009】、図1、図3を参照。)を参照。)である。
そして、ガイド溝の凹部の壁面を形成する直線状の突起が所定のピッチにより繰り返されてなる金属板材を円弧形状に、かつ、突起が所定の傾きにより延長するように曲げ加工して、内側壁面にガイド溝が螺旋状に形成された内側壁材を形成することは周知技術(以下、「周知技術C」という。)(例えば、特公昭46-23888号公報、特開昭58-187227号公報参照。)であるし、金属板材を、突起が所定の傾きにより延長するように略長方形形状に切断した後、円弧形状に曲げ加工すれば、金属板材を円弧形状に、かつ、突起が所定の傾きにより延長するように曲げ加工できることは明らかである。
してみれば、引用発明において、柱状体を、前記周知技術Bの如く内部空間の中心軸を含む平面により、それぞれ内側の断面形状が半円弧形状である本体部材と取り付け部材とにほぼ2分割し、前記取り付け部材が片開きにより前記本体部材に保持されるようにすると共に、内側壁面にガイド溝が螺旋状に形成された本体部材及び取り付け部材を、前記周知技術Cの如くガイド溝の凹部の壁面を形成する直線状の突起が所定のピッチにより繰り返されてなる金属板材を円弧形状に、かつ、突起が所定の傾きにより延長するように曲げ加工することによって、本体部材及び取り付け部材の内側壁材と称して、形成するにあたって、ガイド溝の凹部の壁面を形成する直線状の突起が所定のピッチにより繰り返されてなる金属板材を、突起が所定の傾きにより延長するように略長方形形状に切断した後、円弧形状に曲げ加工する設計変更を加味して、相違点2に係る本願補正発明の如く構成することは、当業者が容易に想到できることである。

(5)本願補正発明の作用効果
本願補正発明の奏する効果は、引用発明及び周知技術A?Cを適用したものから当業者が容易に予測し得るものであって、格別顕著なものではない。

よって、本願補正発明は、引用例記載の発明及び周知技術A?Cに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

(6)むすび
以上のとおり、本件補正は、平成15年改正前特許法第17条の2第5項において準用する特許法第126条第4項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明について
(1)本願発明
平成13年5月14日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成13年4月6日付で手続補正書の請求項1に記載された次のとおりのものである(以下、「本願発明」という。)。

「所定の球体を磨きながら搬送する球体搬送磨き装置において、
円柱形状に内部空間を形成し、前記内部空間の内側壁面に、前記球体をガイドするガイド溝が螺旋状に形成された柱状体と、
前記内側壁面と同軸状に前記内部空間に配置されて、側面に前記球体を磨く磨き部材を配置してなる円柱体と、
前記円柱体の中心軸を回転中心にして、前記柱状体に対して前記円柱体を回転させる駆動機構とを備え、
前記ガイド溝によりガイドされる前記球体を前記磨き部材により押圧しながら、前記球体を前記ガイド溝に沿って移動させて前記球体を搬送し、
前記柱状体が、
前記円柱形状の内部空間を露出可能に、内側の断面形状が略半円弧形状である本体部材に対して、内側の断面形状が略半円弧形状の取付部材を取り付けて形成され、
前記本体部材及び又は前記取り付け部材が、
前記ガイド溝を構成する凹部が形成された所定形状の板材を曲げ加工して形成されたことを特徴とする球体搬送磨き装置。」

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、および、その記載事項は、前記2.(2)に記載したとおりである。

(3)対比・判断
本願発明は、前記2.で検討した本願補正発明の「前記駆動機構による前記柱状体に対する前記円柱体の回転により、前記ガイド溝により球体をガイドして搬送しながら、前記磨き部材により前記球体を磨く球体搬送磨き装置において」から「所定の球体を磨きながら搬送する球体搬送磨き装置において、」及び「ガイド溝によりガイドされる前記球体を前記磨き部材により押圧しながら、前記球体を前記ガイド溝に沿って移動させて前記球体を搬送し」以外の構成と、本願補正発明の「円柱形状の内部空間を有し、前記内部空間を形成する内側壁面」から「円柱形状に内部空間を形成し、前記内部空間の内側壁面」以外の構成と、本願補正発明の「前記内側壁面と同軸状に、前記柱状体の前記内部空間に配置されてなる円柱体」、「前記円柱体の側面に配置された磨き部材」及び「前記磨き部材が、前記円柱体の側面に交換可能に配置されたこと」から「前記内側壁面と同軸状に前記内部空間に配置されて、側面に前記球体を磨く磨き部材を配置してなる円柱体」以外の構成と、本願補正発明の「柱状体は、前記内部空間の中心軸を含む平面により、それぞれ内側の断面形状が半円弧形状である本体部材と取り付け部材とにほぼ2分割されて、前記取り付け部材が片開きにより前記本体部材に保持され、前記本体部材及び前記取り付け部材の内側壁材は、前記ガイド溝の凹部の壁面を形成する直線状の突起が所定のピッチにより繰り返されてなる金属板材を、前記突起が所定の傾きにより延長するように略長方形形状に切断した後、円弧形状に曲げ加工して形成され」から「柱状体が、前記円柱形状の内部空間を露出可能に、内側の断面形状が略半円弧形状である本体部材に対して、内側の断面形状が略半円弧形状の取付部材を取り付けて形成され、前記本体部材及び又は前記取り付け部材が、前記ガイド溝を構成する凹部が形成された所定形状の板材を曲げ加工して形成されたこと」以外の構成とを省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記2.に記載したとおり、引用例、及び、周知技術A?Cに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例、及び、周知技術A?Cに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例記載の発明、及び、周知技術A?Cに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-08-08 
結審通知日 2006-10-03 
審決日 2006-08-29 
出願番号 特願2000-142300(P2000-142300)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 神 悦彦  
特許庁審判長 三原 裕三
特許庁審判官 篠崎 正
林 晴男
発明の名称 球体搬送磨き装置  

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