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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1146993
審判番号 不服2003-4039  
総通号数 85 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1998-11-10 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-03-13 
確定日 2006-11-06 
事件の表示 平成 9年特許願第109751号「パチンコ機の鍵飾り」拒絶査定不服審判事件〔平成10年11月10日出願公開、特開平10-295913〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成9年4月25日の出願であって、平成12年5月11日に手続補正がなされ、平成14年8月12日付の拒絶理由通知に対し平成14年10月31日付で手続補正がなされ、平成15年1月17日付で拒絶査定がなされ、平成15年3月13日付で拒絶査定に対する審判請求がなされると共に平成15年4月11日付で手続補正がなされたものである。

2.平成15年4月11日付の手続補正(以下、「本件補正」という。)についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成15年4月11日付の手続補正を却下する。
[理由]
(1)本件補正の内容
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、

「 前面枠の取付穴に緩挿された円筒鍵の鍵穴を貫通穴から露出させつつ、前記前面枠の表面に固着されるパチンコ機の鍵飾りにおいて、
前記鍵穴が設けられた円筒鍵の正面に向かって細くなるテーパ面を前記貫通穴に設け、
前記テーパ面の端部と前記鍵穴との間から前記円筒鍵の正面が露出し、
前記貫通穴の全周に渡って前記テーパ面を設けたことを特徴とするパチンコ機の鍵飾り。」と補正された。

前記補正は、補正前(平成14年10月31日付で手続補正により補正された特許請求の範囲)の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である円筒鍵について「前記テーパ面の端部と前記鍵穴との間から前記円筒鍵の正面が露出し、」と限定するものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのか(平成15年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶の理由で引用された実願平1-67988号(実開平3-7868号)のマイクロフィルム(以下、「引用例」という。)には、図面とともに以下の記載がある。

(記載事項a)
「額縁状に形成された前面枠の裏面に前面枠及びガラス扉を開閉する施錠機構が集約して設けられるとともに、該施錠機構を動作させる錠装置が前記前面枠に形成された貫通穴を貫通してその表面に臨むように配置された施錠装置において、前記貫通穴を比較的大きく形成して前記錠装置を貫通させるようにしたことを特徴とする施錠装置の取付構造。」(【実用新案登録請求の範囲】)

(記載事項b)
「 本考案は、額縁状に形成された前面枠の裏面に前面枠及びガラス扉を開閉する施錠機構が集約して設けられるとともに、該旋錠機構を動作させる錠装置が前記前面枠に形成された貫通穴を貫通してその表面に臨むように配置された施錠装置に関するものである。」(第1頁第15?20行)

(記載事項c)
「 貫通穴が比較的大きく形成されているので、各種の錠装置を自由に挿入することができ、いろいろな径の錠装置に対応する貫通穴を穿設する管理が必要なくなる。」(第3頁第8?11行)

(記載事項d)
「 上記のように構成されるパチンコ機1の前面枠2及びガラス扉4は、パチンコ機1前面からの操作により開閉自在に構成される。この操作を行うために、前面枠2の一側側方部に錠飾り20に囲まれて後述する施錠装置30の錠装置38がその表面に臨むようになっている。すなわち、錠飾り20の下方部に穿設された鍵穴22に錠装置38の前端が臨み、遊技場の店員が有する鍵を差込んで回動操作することにより前面枠2又はガラス扉4を開放することができる。ところで、錠飾り20は、第4図に示すように、その上部にパチンコ機1が稼動していることを示す稼動ランプ部21が形成され、該稼動ランプ部21に内蔵された稼動ランプ(図示しない)からの配線が後方に導かれている。なお、稼動ランプは、前記操作ハンドル7に遊技者が触れていることにより点灯する。また、錠飾り20の鍵穴22の後端には、係合段部23が形成され、該係合段部23に必要に応じて係合リング25が挿入されるようになっている。係合リング25は、後述するように錠装置38の錠筒部39の直径が小さい場合に挿入されるようになっている。
また、錠飾り20は、鍵穴22が前面枠2に穿設された貫通穴26と合致するように前面枠2のビス(又は釘)等で固着される。前面枠2に穿設される貫通穴26は、比較的大きく形成され、具体的には、市場に供給されている錠装置38の錠筒部39の直径の最も大きいものよりやや大きめに穿設される。このように穿設することにより、施錠装置30に設けられる各種の錠装置38をスムーズに挿入することができる。」(第6頁第13行?第8頁第3行)

(記載事項e)
「 また、前記錠装置38は、いわゆるシリンダー錠であり、その主要構成部を内蔵する錠筒部39を支持基板31の固定面31bに穿設された取付穴43(第1図参照)に貫通して固定面31bの裏面に突出させ、錠筒部39後端の上下に突出して形成された取付部41を固定面31bの表面に螺着することにより、支持基板31に固定されている。また、錠装置38の後端には、前記前面枠用作動杆32及びガラス扉用作動杆34と係合する作動カム40が固着され、錠装置38の前端から遊技場の店員が図示しない鍵を差込んでいずれか一方向に回動することにより作動カム40を回動させ、作動カム40に突設された係合突片40a,40bを前面枠用作動杆32に突設された係合突片32a又はガラス扉用作動杆34に形成された係合突片34a(第1図参照)にそれぞれ係合させて、前面枠用作動杆32又はガラス扉用作動杆34を付勢方向と逆方向に摺動させ、もって前面枠2又はガラス扉4を開放させるようになっている。
上記のように構成される施錠装置30を前面枠2の裏面に固着すると、第1図及び第2図に示すようになる。第1図は、錠装置38の錠筒部39の直径が最も大きいものを備えた旋錠装置30を取付けた状態の断面図である。しかして、この場合、貫通穴26が錠筒部39の直径よりもやや大きく穿設されているため、施錠装置30の前面枠2裏面への固着作業をスムーズに行うことができる。また、前方から見ても錠筒部39と貫通穴26との間にほとんど隙間が生じないので、その隙間からピアノ線等の不正部材を挿入される心配はない。
一方、第2図は、錠装置38の錠筒部39の直径の比較的小さなものを備えた施錠装置30を取付けた状態の断面図である。しかして、この場合、貫通穴26と錠筒部39の外周との間に比較的大きな隙間が生ずるため、この隙間を閉塞すべく鍵穴22の後端の係合段部23に係合リング25を挿入している。このように構成することにより、その隙間からピアノ線等を差込んでいたずらされたりすることを確実に防止することができるとともに、正面から見たときの美観にも良い印象を与えることができる。なお、第1図に示す錠筒部39の径の大きなものであっても、係合リング25を装着しても良い。」(第9頁第14行?第11頁第18行)

これらの記載、並びに、特に、
(i)記載事項eの「貫通穴26が錠筒部39の直径よりもやや大きく穿設されているため、施錠装置30の前面枠2裏面への固着作業をスムーズに行うことができる。」という記載、及び記載事項cの「貫通穴が比較的大きく形成されているので、各種の錠装置を自由に挿入することができ、いろいろな径の錠装置に対応する貫通穴を穿設する管理が必要なくなる。」という記載から、錠装置38が貫通穴26に「緩挿され」ていることが明らかなこと、
(ii)記載事項dの「錠飾り20の下方部に穿設された鍵穴22に錠装置38の前端が臨み、遊技場の店員が有する鍵を差込んで回動操作することにより前面枠2又はガラス扉4を開放することができる。」という記載及び同記載事項dの「錠飾り20は、鍵穴22が前面枠2に穿設された貫通穴26と合致するように前面枠2のビス(又は釘)等で固着される。」という記載並びに第1図の記載から、錠飾り20が、錠装置38の「鍵孔」を鍵穴22から「露出」させつつ、前記前面枠2の「表面」に固着されていることが明らかなこと、
(iii) 「錠装置38の錠筒部39の直径が最も大きいものを備えた旋錠装置30を取付けた状態の断面図」である第1図の記載から、前面枠2に固着された錠飾り20における鍵穴22の「少なくとも一部」に、錠筒部39の「正面に向かって細くなるテーパ面」が設けられていることが明らかなこと、
(iv)前記(ii)の記載より、テーパ面の「端部」と前記鍵孔との「間」から前記錠筒部39の正面が「露出」していることが明らかなこと、

を勘案すれば、引用例には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「 前面枠2の貫通穴26に緩挿された錠筒部39の鍵孔を鍵穴22から露出させつつ、前記前面枠2の表面に固着されるパチンコ機1の錠飾り20において、
前記鍵孔が設けられた錠筒部39の正面に向かって細くなるテーパ面を前記鍵穴22の少なくとも一部に設け、
前記テーパ面の端部と前記鍵孔との間から前記錠筒部39の正面が露出するパチンコ機1の錠飾り20。」

(3)対比
そこで、本願補正発明と引用発明とを比較すると、引用発明の、a「前面枠2」、b「貫通穴26」、c「錠筒部39」、d「鍵孔」、e「鍵穴22」、f「パチンコ機1」、g「錠飾り20」は、本願補正発明のa「前面枠」、b「取付穴」、c「円筒鍵」、d「鍵穴」、e「貫通穴」、f「パチンコ機」、g「鍵飾り」に相当する。

よって、両者は、

「 前面枠の取付穴に緩挿された円筒鍵の鍵穴を貫通穴から露出させつつ、前記前面枠の表面に固着されるパチンコ機の鍵飾りにおいて、
前記鍵穴が設けられた円筒鍵の正面に向かって細くなるテーパ面を前記貫通穴の少なくとも一部に設け、
前記テーパ面の端部と前記鍵穴との間から前記円筒鍵の正面が露出するパチンコ機の鍵飾り。」

である点で一致し、以下の点で相違する。

相違点
テーパ面が、本願補正発明では、貫通穴の全周に渡って設けられているのに対して、引用発明では、貫通穴の少なくとも一部に設けられてはいるものの、貫通穴の全周に渡ってテーパ面が設けられているか否かは明らかでない点。

(4)判断
前記相違点ついて検討する。
円筒鍵の正面に設けられた貫通穴の全周に渡ってテーパ面を設けることは鍵の分野では周知技術(例えば、特開昭60-30775号公報、実願昭60-161177号(実開昭62-70578号)のマイクロフィルム、特開平6-261374号公報を参照。)であるから、引用発明において、鍵飾りのテーパ面を、前記周知技術の如く貫通穴の全周に渡って設けて相違点に係る本願補正発明の如く構成することは、当業者が容易に想到できることである。

(5)本願補正発明の作用効果について
本願補正発明の奏する効果は、引用発明に周知技術を適用したものから当業者が容易に予測し得るものであって、格別顕著なものではない。

よって、本願補正発明は、引用例記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

(6)むすび
以上のとおり、本件補正は、平成15年改正前特許法第17条の2第5項において準用する特許法第126条第4項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明について
(1)本願発明
平成15年4月11日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成14年10月31日付手続補正書の請求項1に記載された次のとおりのものである(以下、「本願発明」という。)。

「 前面枠の取付穴に緩挿された円筒鍵の鍵穴を貫通穴から露出させつつ、前記前面枠の表面に固着されるパチンコ機の鍵飾りにおいて、
前記鍵穴が設けられた円筒鍵の正面に向かって細くなるテーパ面を前記貫通穴に設け、
前記貫通穴の全周に渡って前記テーパ面を設けたことを特徴とするパチンコ機の鍵飾り。」

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、および、その記載事項は、前記2.(2)に記載したとおりである。

(3)対比・判断
本願発明は、前記2.で検討した本願補正発明から「前記テーパ面の端部と前記鍵穴との間から前記円筒鍵の正面が露出し、」という構成を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記2.(4)に記載したとおり、引用例、及び、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例、及び、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例記載の発明、及び、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-07-20 
結審通知日 2006-08-15 
審決日 2006-08-29 
出願番号 特願平9-109751
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 井海田 隆  
特許庁審判長 三原 裕三
特許庁審判官 篠崎 正
渡部 葉子
発明の名称 パチンコ機の鍵飾り  
代理人 岡戸 昭佳  
代理人 富澤 孝  
代理人 山中 郁生  
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